(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023000333
(43)【公開日】2023-01-04
(54)【発明の名称】ホース部を屈曲させるホース押圧装置と、そのホース押圧装置を有するエアガン
(51)【国際特許分類】
F41B 11/64 20130101AFI20221222BHJP
F41B 11/54 20130101ALI20221222BHJP
A63H 33/18 20060101ALI20221222BHJP
【FI】
F41B11/64
F41B11/54
A63H33/18 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021101085
(22)【出願日】2021-06-17
(71)【出願人】
【識別番号】592153584
【氏名又は名称】株式会社東京マルイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002011
【氏名又は名称】特許業務法人井澤国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100072039
【弁理士】
【氏名又は名称】井澤 洵
(74)【代理人】
【識別番号】100123722
【弁理士】
【氏名又は名称】井澤 幹
(74)【代理人】
【識別番号】100157738
【弁理士】
【氏名又は名称】茂木 康彦
(72)【発明者】
【氏名】岩澤 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】岩澤 茂
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150CA13
2C150DK18
2C150EB11
(57)【要約】
【課題】ホース部の径と長さを維持したまま、ノズルの後退を妨げない、ホース部を屈曲させるホース押圧装置と、そのホース押圧装置を有するエアガンを提供する。
【解決手段】
ホース押圧装置は、シリンダー装置によって生成された圧縮空気を噴射するノズルにその圧縮空気を送るためのホース部を押圧することで、そのホース部を屈曲させるというものである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダー装置によって生成された圧縮空気を噴射するノズルにその圧縮空気を送るためのホース部を押圧するホース押圧装置。
【請求項2】
ハンマーをハーフコッキングし、シリンダー装置によって生成された圧縮空気を噴射するノズルが後方に移動するときに、そのノズルに圧縮空気を送るためのホース部を前方に押圧するホース押圧装置。
【請求項3】
前記ホース押圧装置は、前記ホース部を押圧するホースローラー部と、
前記ホースローラー部を前方に付勢するホーススプリングと、を有し、
前記ハンマーをハーフコッキングするときに、前記ホースローラー部は前記ホーススプリングによって前記ホース部を屈曲させるために押圧する請求項2記載のホース押圧装置。
【請求項4】
シリンダー装置によって生成された圧縮空気を噴射するノズルにその圧縮空気を送るためのホース部を押圧するホース押圧装置を有するエアガン。
【請求項5】
ハンマーをハーフコッキングし、シリンダー装置によって生成された圧縮空気を噴射するノズルが後方に移動するときに、そのノズルに圧縮空気を送るためのホース部を前方に押圧するホース押圧装置を有するエアガン。
【請求項6】
前記ホース押圧装置は、前記ホース部を押圧するホースローラー部と、
前記ホースローラー部を前方に付勢するホーススプリングと、を有し、
前記ハンマーをハーフコッキングするときに、前記ホースローラー部は前記ホーススプリングによって前記ホース部を屈曲させるために押圧する請求項5記載のホース押圧装置を有するエアガン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮空気を生成するピストンシリンダー装置とその生成した圧縮空気を噴出するノズルとを連結するホース部を屈曲させるためのホース押圧装置と、そのホース押圧装置を有するエアガンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
いわゆるエアガンに関するものについては、ハンマーを引き起こし、トリガを引くことによって、圧縮空気をノズルから、弾倉に噴出することによって、弾倉内に配置されたカートリッジに保持された弾丸を発射するものがある。
【0003】
このようなエアガンは例えば、実用新案登録第3175969号公報において、「ハンマーを起してストッパーに係止させるとともに、ハンマーと連動するピストンシリンダー装置のスプリングを蓄圧し、トリガを引いて上記ストッパーの係止を解除し、上記スプリングの蓄圧を解放することでピストンシリンダー装置により圧縮空気を生成し、上記圧縮空気により弾丸を発射させる模擬銃において、ハンマーを起してコッキング操作を開始する際の負荷を軽減するために、ピストンシリンダー装置の作動部材に作用するスプリングとして非線形ばねを用いたことを特徴とするコッキング負荷の軽減装置」が開示されている。
【0004】
上述の考案において、コッキング負荷の軽減装置としての機能を発揮するものとして優れたものである。しかしながら、上記装置を有するエアガンにおいて、ハンマーを引いてコッキング動作をする際に、弾倉の回転を許容するために、ノズルを弾倉から引き離すという動作をする必要がある。この場合にそのノズルが後退する動作はもっぱらスプリングによってなされているが、ハンマーを引くと、ノズルに接続されたホース部を屈曲させるようにしなければならないものの、そのホース部を曲げるための弾性力によって、そのノズルの後退が阻まれるという問題が生じる。
【0005】
その場合、ホース部の径を細くすることでその弾性力を低下させるということも考えられるが、ノズルに達する圧縮空気量が減り、弾丸の速度低下につながる場合がある。一方でホース部の長さを長くし、曲げやすくするということも考えられるが、圧縮空気の圧縮圧力の損失につながる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は前記の点に着目してなされたもので、その課題は、ホース部の径と長さを維持したまま、ノズルの後退を妨げない、ホース部を屈曲させるホース押圧装置と、そのホース押圧装置を有するエアガンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の課題を解決するために、第1観点のホース押圧装置は、シリンダー装置によって生成された圧縮空気を噴射するノズルにその圧縮空気を送るためのホース部を押圧するというものである。
【0009】
また、第2観点のホース押圧装置は、ハンマーをハーフコッキングし、シリンダー装置によって生成された圧縮空気を噴射するノズルが後方に移動するときに、そのノズルに圧縮空気を送るためのホース部を前方に押圧するというものである。
【0010】
また、第3観点のホース押圧装置は 第2観点において、ホース部を押圧するホースローラー部と、ホースローラー部を前方に付勢するホーススプリングと、を有し、ハンマーをハーフコッキングするときに、ホースローラー部はホーススプリングによってホース部を屈曲させるために押圧するというものである。
【0011】
第4観点のホース押圧装置を有するエアガンは、シリンダー装置によって生成された圧縮空気を噴射するノズルにその圧縮空気を送るためのホース部を押圧するホース押圧装置を有するというものである。
【0012】
第5観点のホース押圧装置を有するエアガンは、ハンマーをハーフコッキングし、シリンダー装置によって生成された圧縮空気を噴射するノズルが後方に移動するときに、そのノズルに圧縮空気を送るためのホース部を前方に押圧するホース押圧装置を有するというものである。
【0013】
第6観点のホース押圧装置を有するエアガンは、第5観点のホース押圧装置を有するエアガンにおいて、ホース押圧装置は、ホース部を押圧するホースローラー部と、ホースローラー部を前方に付勢するホーススプリングと、を有し、ハンマーをハーフコッキングするときに、ホースローラー部はホーススプリングによってホース部を屈曲させるために押圧するというものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明は以上のように構成され、かつ、作用するものであるから、ホース部の径と長さを維持したまま、ノズルの後退を妨げない、ホース部を屈曲させるホース押圧装置と、そのホース押圧装置を有するエアガンを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】ホース押圧装置を有するエアガンの左側面図である。
【
図3】ホース押圧装置におけるホースローラー部と、ホーススプリングの分解斜視図である。
【
図4】ハンマーとハンマーパーツとの分解斜視図である。
【
図5】インナーフレームにハンマーとハンマーパーツを取り付け、ノズルカムを取り付けようとする分解斜視図である。
【
図6】ハンマーを引く前の押圧装置を有するエアガンの拡大右側面図である。
【
図7】ハンマーを引く前の押圧装置を有するエアガンの拡大左側面図である。
【
図8】ハンマーを引き、ハーフコッキングした状態の押圧装置を有するエアガンの拡大右側面図である。
【
図9】ハンマーを引き、ハーフコッキングした状態の押圧装置を有するエアガンの拡大左側面図である。
【
図10】さらにハンマーを引き、フルコッキングした状態の押圧装置を有するエアガンの拡大右側面図である。
【
図11】さらにハンマーを引き、フルコッキングした状態の押圧装置を有するエアガンの拡大左側面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図示の実施形態を参照して、本実施例のホース押圧装置100と、そのホース押圧装置100を有する本実施例のエアガン500について説明する。エアガン500は、いわゆるリボルバー型が好ましい。バレル501は、弾丸Bが通過する通路となるものであって、弾倉502は、後述する複数のカートリッジ520(
図8参照)を装填することができる。なお、以下、エアガン500における側面から見た状態においてピストンシリンダー装置550から銃口530の方向を前方F方向というものとする。また、同様に銃口530からピストンシリンダー装置550の方向を後方R方向というものとする。
【0017】
また、カートリッジ520は、弾丸Bを装填するためのものであり、弾丸Bはカートリッジ520が、弾倉502に装填された状態で発射まで定位置に保持され、ノズル50が噴出する圧縮空気により銃口530から発射される。なお、弾丸Bは、BB弾が好ましい。
【0018】
弾倉502の後方R側にはノズル50が配置されており、ノズル50は後述するパイプから成るホース部60によりピストンシリンダー装置550に接続されている。ピストンシリンダー装置550は銃本体のグリップ部分の下部に配置されたシリンダー560とピストン570とから成る。また、ピストンシリンダー装置550は、ピストン570を蓄圧するスプリング580を有し、そのスプリング580はピストン570の内部に配置されている。
【0019】
この実施形態では、シリンダー560を銃本体側に固定し、ピストン570をシリンダー560に対して上述のスプリング580の伸縮力によって摺動可能に配置している。またノズル50は、弾倉502内に配置したカートリッジ520と密着するためにノズルパッキン51をさらに有するものである。
【0020】
ホース部60は、ノズル50と、ピストンシリンダー装置550を連結するものであっって、ピストンシリンダー装置550で生成する圧縮空気をノズル50に送るためのものである。
【0021】
また、ホース部60は、柔軟性を有する合成樹脂製が好ましい。もっとも合成樹脂製であったとしても、ある程度の剛性を有する場合がある。このために、ホース部60をいわゆる座屈させるために前方F方向に押圧するホース押圧装置100を有する。ホース押圧装置100は、ホース部60と接触するホースローラー部110と、そのホースローラー部110を、後方R方向から前方F方向に、押圧するホーススプリング120を有する。ホースローラー部110は、臼状を呈し、鍔状の鍔部111、111とその鍔部111、111に挟まれたローラー部112とを有する。鍔部111、111によって、ホース部60を押圧してもずれないように構成されている。
【0022】
また、ホーススプリング120はいわゆるトーションバネが好ましい。したがって、ホース押圧装置100は、ホース部60を前方F方向に押し出すように付勢するものであることからホース部60の後方R方向に配置されている。ホーススプリング120は、一端部であるスプリング一端部121が、鍔状の鍔部111の中心に接続され、他端部であるスプリング他端部122はエアガン500本体に接しているために、ホーススプリング120は、ホースローラー部110を前方F方向に押圧し、さらにそのホースローラー部110に接しているホース部60を前方F方向に押圧することで付勢している。
【0023】
また、ホース押圧装置100が、ホース部60を押圧する位置は、本実施例においては、シリンダー装置550と、ノズル50との中間地点に配置することが好ましい。その位置であれば、ホース部60を屈曲するきっかけとなる押圧力を加える場合に、その力が比較的小となるからである。
【0024】
ハンマー20を後述するようにハーフコッキングすると、ノズル50が後方に移動するときに、ホース部60が曲げられるように作用する。その作用をいわば補助するために上述のホース押圧装置100が作用する。これによって、本実施例においては、ノズル50に達する圧縮空気量が減ることによる弾丸Bの速度低下の発生も防ぐことが出来る。
【0025】
また、エアガン500は、ハンマー20のフルコッキング動作によって、ノズル50が、弾倉502内に配置したカートリッジ520を押圧する押圧装置10を有する。この押圧装置10を有することにより、弾倉502内に配置したカートリッジ520にノズル50を密着させることで圧縮空気が漏れるのを防止することができる。
【0026】
また、エアガン500は、いわば、内骨格を構成するインナーフレーム650を有し、インナーフレーム650に押圧装置10が配置されている。
【0027】
押圧装置10は、ハンマー20と係合するハンマーパーツ30と、ハンマーパーツ30と係合することによって回転するノズルカム40と、を有するものである。ハンマー20は、後述するようにハーフコッキングあるいはフルコッキング操作をするためのものであり、図示しない使用者がハンマー20に指をかける指掛け部21と、ハンマーパーツ30と係合する係合部22とを有し、ハンマー20は回転軸部25によりエアガン500に対して回転可能に軸支され取り付けられている。
【0028】
このハンマー20をフルコッキングすると、そのハンマー20と係合することで、ハンマーパーツ30が回転し、そのハンマーパーツ30と係合することで、上述のノズルカム40が回転することによって、そのノズルカム40が、ノズル50を押圧するというものである。このように、押圧装置10によって弾倉502内に配置したカートリッジ520にノズル50を押圧することで、上記の通りそのノズル50と弾倉502に配置したカートリッジ520とを密着させることができるので、そこから圧縮空気が漏れるのを防止することができる。また、ハンマー20をフルコッキングすることで、弾倉502内に配置したカートリッジ520にノズル50を押圧するものであるので、トリガ700を引く動作によってその密着性が左右されない。したがって、実銃とほぼ同様にトリガ700を引く動作をすることができる。
【0029】
また、ハンマー20は、コネクティングロッド接続部23を有し、文字通りコネクティングロッド接続部23は、コネクティングロッド80に接続され、そのコネクティングロッド80は、ピストンシリンダー装置550に接続されている。具体的に、コネクティングロッド80は、ピストン570の一部であるピストン接続部571に接続されており、ハンマー20を引くと、コネクティングロッド80を介して、スプリング580を蓄圧するようにピストン570を押し下げる。
【0030】
また、ハンマー20は、平面視円形状を呈するハンマー回転部24を有し、その回転部24から突出するように上述の係合部22が配置されている。また、指掛け部21と係合部22は、いずれも回転部24から突出するように配置されており、コッキングされていない状態においては、後述する、ハンマーパーツ係合受け部32は、一端係合部21a付近に配置されて、フルコッキングする直前に、そのハンマーパーツ係合受け部32は係合部22と係合する。また、ハンマー回転部24の中心に回転軸部25を有し、回転軸部25は、ハンマー20に対しコッキング操作をするときに回転可能に軸支するものである。
【0031】
また、ハンマー20は、トリガ700と係合するトリガ第1係合部28を有し、トリガ第1係合部28は、ほぼ平面視円形状を呈するハンマー回転部24が欠損した段差状を呈している。また、ハンマー20は、トリガ700と係合するトリガ第2係合部29を有し、トリガ第2係合部29は、ほぼ平面視円形状を呈するハンマー回転部24の一部を欠損した段差状を呈している。トリガ第1係合部28と、トリガ第2係合部29は、いずれもハンマー回転部24の一部として設けられている。
【0032】
ハンマーパーツ30は、円形状を呈するハンマーパーツ回転部31と、ハンマーパーツ回転部31から突出するハンマーパーツ係合受け部32とを有し、ハンマーパーツ回転部31は、その中心部が、ハンマー回転部24の中心部と、回転軸部25によって、同軸に、かつ回転可能に軸支されている。
【0033】
ハンマーパーツ係合受け部32は、文字通り、上述の係合部22と係合するものであって、ハンマー20を、コッキング操作をすると、ハンマー回転部24が回転するとともに、係合部22が回転し、その係合部22がハンマーパーツ係合受け部32と係合することで、そのハンマーパーツ係合受け部32も回転する。
【0034】
また、ノズルカム40は、一端部41と他端部42とその間に回転部43とを有し、回転部43は、エアガン500に取り付けられた軸部600に回転可能に軸支され、一端部41と他端部42がシーソのように揺動可能に軸支されている。また、一端部41は、ハンマーパーツ係合受け部32と係合することで、他端部42を銃口530の方向(前方F方向)に押圧するものである。
【0035】
また、ノズルカム40における一端部41はノズルカムスプリング45によって、後方R方向に回転するように付勢されている。これによって、ノズル50と接続されている他端部42は、ノズル50を弾倉部502内に配置したカートリッジ520から離間するように付勢されている。
【0036】
ノズルカム40における一端部41は、ハンマー20における指掛け部21の根本付近に配置されている一端係合部21aと係合するように配置されている。このように、一端係合部21aは、ノズルカム40における一端部41と係合することで、ノズルカムスプリング45の押圧力に対抗するようにノズルカム40をわずかに前方F方向に押圧する。
【0037】
また、上述の通り、ノズル50は、中空のホース部60に接続されている。ホース部60は、シリンダー560に接続され、ピストンシリンダー装置550によって生成された圧縮空気をノズル50に送り出すためのものである。上記の通り、ホース部60は、柔軟性を有する合成樹脂製であることが好ましい。なお、ホース部60を押圧するホース押圧装置100については、すでに説明した通りである。
【0038】
図6から
図11において、ハンマー20を図示しない使用者が引いた状態を説明する。
ここで、
図6と
図7はハンマーを引く前の状態を示した図であり、
図8と
図9はハーフコッキングした状態を示すものであり、
図10と
図11は、フルコッキングした状態を示すものである。上記構成のエアガン500におけるハンマー20を図示しない使用者が引き始める。ハンマー20を図示しない使用者が引く前は、押圧装置10によって、ノズル50は、弾倉502内に配置したカートリッジ520に押圧されているが、図示しない使用者がハンマー20を引き始めると、一端係合部21aと一端部41との係合が解かれ、ノズルカム40が、後方R方向に回転し、ノズルカム40の他端部42が回転し、若干後方R方向に移動することによって、その他端部42に接続されているノズル50が後方R方向に移動し、そのノズル50と弾倉502内に配置したカートリッジ520との間に隙間が生じる。これをハーフコッキングと称する場合がある。
【0039】
また、上記構成のエアガン500におけるハンマー20を図示しない使用者が引き始め、ハーフコッキングする。これにより、ノズル50がわずかに後方R方向に移動し始め、そのノズル50に接続されたホース部60をさらに折り曲げようと、ホース押圧装置100がそのホース部60を押圧する。
【0040】
上記の通り、ハーフコッキングすることにより、ノズル50が後方R方向に移動し始めるときに、ホース部60が弾性を有するためにその動きを阻害する場合がある。この場合に、ホース押圧装置100におけるホースローラー部110は、ホーススプリング120によって、後方R方向から前方F方向に押圧されているために、ホース部60のその弾性力に対抗するように、そのホース部60を後方R方向から前方F方向に折り曲げるように作用し、その弾性力に対抗するものである。これによって、実銃に存在しないホース部60を有していても、そのホース部の折り曲げようとする力に対抗する弾性力に対し、それをホース押圧装置100が打ち消すように作用することで、弾倉の回転を、後退しないノズルにはばまれるという不具合を解消することができる。
【0041】
このハーフコッキングの状態を維持するために、トリガ700は、ハンマー20におけるトリガ第1係合部28と係合する。このとき、ハンマー20に接続されたコネクティングロッド80は、ピストン570を押し下げ、スプリング580を蓄圧する。
【0042】
次に、図示しない使用者がさらにハンマー20を引く。これにより、ハンマー回転部24が回転するとともに、係合部22が後方R方向に回転し、その係合部22がハンマーパーツ係合受け部32と係合することで、そのハンマーパーツ係合受け部32も後方R方向に回転する。
【0043】
ハンマーパーツ係合受け部32のその回転により、そのハンマーパーツ係合受け部32が、ノズルカム40の一端部41と係合することで、その一端部41が、エアガン500に取り付けられた軸部600周りに回転し、他端部42が、前方F方向に移動する。他端部42は、ノズル50に接続されているためにノズル50は弾倉502内に配置したカートリッジ520に押し付けられ、そのノズル50は弾倉502内に配置したカートリッジ520と密着する。このようにノズルカム40が、ノズル50を押圧する。このとき、ハンマー20に接続されたコネクティングロッド80は、ピストン570をさらに押し下げスプリング580を蓄圧する。この場合は、ピストン570は圧縮されたスプリング580によって完全に蓄圧されいわばフルボトムの状態を呈している。この状態をフルコッキングと称する場合がある。
【0044】
このフルコッキングの状態においては、弾倉502の回転は固定される。また、このフルコッキングの状態を維持するために、トリガ700は、ハンマー20におけるトリガ第1係合部28との係合を解除してトリガ第2係合部29と係合する。
【0045】
次に、このフルコッキングの状態において図示しない使用者が、トリガ700を引くと、トリガ700と、ハンマー20におけるトリガ第2係合部29との係合が解除される。そのとき、圧縮されたスプリング580が、自然長に復帰するに従い、ピストン570が、押し上げられることで、圧縮空気を生成する。その生成された圧縮空気が、ホース部60を通じてノズル50に供給され、その圧縮空気が、弾倉502内に配置したカートリッジ520に噴射し、弾丸Bを発射する。
【0046】
このとき、トリガ700を引く動作は、そのトリガ700と、ハンマー20におけるトリガ第2係合部29との係合を解除することのみであるため、それ以外の余計な力がかからず、実銃とそん色のない、トリガ700を引く動作を実現することができる。これにより一度定めた照準がずれることがなく命中精度が低下する恐れを可及的に軽減することができる。
【符号の説明】
【0047】
20 ハンマー
22 係合部
23 コネクティングロッド接続部
24 ハンマー回転部
30 ハンマーパーツ
40 ノズルカム
41 一端部
42 他端部
43 回転部
50 ノズル
51 ノズルパッキン
60 ホース部
80 コネクティングロッド
100 ホース押圧装置
110 ホースローラー部
120 ホーススプリング
500 エアガン
501 バレル
502 弾倉
520 カートリッジ
530 銃口
550 ピストンシリンダー装置
560 シリンダー
570 ピストン
580 スプリング
650 インナーフレーム
700 トリガ
B 弾丸