(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023033333
(43)【公開日】2023-03-10
(54)【発明の名称】サイトアクセスシステムとそのアクセスコード生成装置、方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 67/141 20220101AFI20230303BHJP
G06K 19/06 20060101ALI20230303BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20230303BHJP
G06K 7/14 20060101ALI20230303BHJP
G06Q 30/0207 20230101ALI20230303BHJP
【FI】
H04L67/141
G06K19/06 037
G06K19/06 112
G06K7/10 464
G06K7/14 017
G06Q30/0207
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022208110
(22)【出願日】2022-12-26
(62)【分割の表示】P 2018142476の分割
【原出願日】2018-07-30
(71)【出願人】
【識別番号】509286983
【氏名又は名称】株式会社ロイヤリティマーケティング
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】松本 耕平
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 浩介
(72)【発明者】
【氏名】忠村 健太朗
(72)【発明者】
【氏名】山田 麻菜耶
(57)【要約】
【課題】記名が求められるサイトへのアクセスを簡単かつ確実に行えるようにする。
【解決手段】アクセスコード生成装置ATにおいて、ユーザが所持するポイントカードのバーコード、又はユーザ端末の表示部に表示されるバーコードを読み取ることでユーザIDを取得し、このユーザIDとアクセス先となるキャンペーンサイトのURLとを含むユーザ個有のQRコードを生成して表示する。そして、ユーザ端末により上記ユーザ個有のQRコードを読み取ることで、上記キャンペーンサイトに対しユーザ個有のアクセスを行えるようにしている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセスコード生成装置とユーザ端末とを具備するサイトアクセスシステムであって、 前記アクセスコード生成装置は、
ポイントサービスに加入しているユーザが所持する記録媒体から、前記ポイントサービスを利用するために前記ユーザに対し割り当てられた個有識別情報を取得する取得部と、
アクセス先となるサイトのアドレス情報と、前記取得されたユーザの個有識別情報とを含む、ユーザ個有の二次元コードを生成し表示させるコード生成部と
を備え、
前記ユーザ端末は、
提示された前記ユーザ個有の二次元コードを読み取るコード読み取り部と、
読み取られた前記ユーザ個有の二次元コードに含まれる前記アドレス情報に対応するサイトに対し、前記ユーザ個有の二次元コードに含まれる個有識別情報を含むアクセス要求を送信するアクセス要求送信部と
を備える、アクセスシステム。
【請求項2】
ポイントサービスに加入しているユーザが所持する記録媒体から、前記ポイントサービスを利用するために前記ユーザに対し割り当てられた個有識別情報を取得する第1の取得部と、
アクセス先となるサイトのアドレス情報と、前記取得されたユーザの個有識別情報とを含む、ユーザ個有の二次元コードを生成し表示させるコード生成部と
を具備するアクセスコード生成装置。
【請求項3】
前記取得部は、ポイントサービスに加入しているユーザが所持するポイントカードに記載された個有識別情報、又は前記ユーザが所持するユーザ端末に表示される個有識別情報を読み取る、請求項2に記載のアクセスコード生成装置。
【請求項4】
前記ポイントサービスの管理サーバから、前記アクセス先のサイトのアドレス情報と前記アクセスコード生成装置の端末識別情報とを対応付けたアクセス設定リストを取得する第2の取得部と、
前記第2の取得部により取得されたアクセス設定リストを変更する設定変更部と
を、さらに具備し、
前記コード生成部は、前記アクセス設定リストに基づいて、自己のアクセスコード生成装置の端末識別情報に対応付けられた前記アクセス先のサイトのアドレス情報を特定し、当該アクセス情報をもとに前記ユーザ個有の二次元コードを生成する
請求項2記載のアクセスコード生成装置。
【請求項5】
前記コード生成部は、前記ユーザの個有識別情報を暗号化する暗号化部をさらに備え、前記アクセス先となるサイトのアドレス情報と、前記暗号化されたユーザの個有識別情報とを含む、前記ユーザ個有の二次元コードを生成する、
請求項2に記載のアクセスコード生成装置。
【請求項6】
プロセッサおよびメモリを備える情報処理装置が実行するアクセスコード生成装置が実行するアクセスコード生成方法であって、
ポイントサービスに加入しているユーザが所持する記録媒体から、前記ポイントサービスから前記ユーザに対し割り当てられた個有識別情報を取得する過程と、
アクセス先となるサイトのアドレス情報と、前記取得されたユーザの個有識別情報とを含む、ユーザ個有の二次元コードを生成し、生成されたユーザ個有の二次元コードを表示する過程と
を具備するアクセスコード生成方法。
【請求項7】
請求項2乃至5のいずれかに記載のアクセスコード生成装置が備える前記各部の処理を、前記アクセスコード生成装置が備えるプロセッサに実行させるアクセスコード生成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の一態様は、例えばWebサイトにアクセスするためのサイトアクセスシステムと、このシステムで使用されるアクセスコード生成装置、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットを含む通信ネットワークの拡充とスマートフォン等の通信端末の普及に伴い、例えば、商品の購入やサービスの利用の申し込み、イベントへの参加やキャンペーンへの応募の手段として、通信端末を用いて所定のWebサイトにアクセスする手段が多く使用されるようになっている。例えば特許文献1には、紙媒体等にWebサイトのURL(Uniform Resource Locator)を表すQRコード(登録商標)を印刷しておき、このQRコードを通信端末の読み取り用アプリケーションを用いてカメラにより読み取ることで、Webサイトにアクセスする技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1に記載された技術では、QRコードを読み取るだけで所望のWebサイトに簡単にアクセスすることができるが、例えばWebサイトからイベント等への参加に必要な記名を求められる場合には、ユーザはその都度個人情報を入力しなければならない。このため、ユーザにとってはその操作が面倒となる。また、Webサイトを運営する側にとっては、個人情報の入力がネックになってイベント等への参加者数が有効数に満たなくなる場合があり、所望のイベント効果が得られなくなることが想定される。
【0005】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、記名が求められるサイトへのアクセスを簡単かつ確実に行えるようにする技術を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の第1の態様は、アクセスコード生成装置とユーザ端末とを具備するサイトアクセスシステムにあって、前記アクセスコード生成装置に、ポイントサービスに加入しているユーザが所持する記録媒体から、前記ポイントサービスから前記ユーザに対し割り当てられた個有識別情報を取得する取得部と、アクセス先となるサイトのアドレス情報と、前記取得されたユーザの個有識別情報とを含む、前記ユーザ個有の二次元コードを生成し表示させるコード生成部とを備え、前記ユーザ端末に、提示された前記ユーザ個有の二次元コードを読み取るコード読み取り部と、読み取られた前記ユーザ個有の二次元コードに含まれる前記アドレス情報に対応するサイトに対し、前記ユーザ個有の二次元コードに含まれる個有識別情報を含むアクセス要求を送信するアクセス要求送信部とを備えるようにしたものである。
【0007】
この発明の第2の態様は、アクセス先となるサイトにアクセスするためのアクセスコードを生成する装置にあって、ポイントサービスに加入しているユーザが所持する記録媒体から、前記ポイントサービスを利用するために前記ユーザに対し割り当てられた個有識別情報を取得する第1の取得部と、前記アクセス先となるサイトのアドレス情報と、前記取得されたユーザの個有識別情報とを含む、前記ユーザ個有の二次元コードを生成し表示させるコード生成部とを具備するものである。
【0008】
この発明の第1および第2の態様によれば、アクセスコード生成装置において、ポイントサービスに加入するユーザが所持する記録媒体から、上記ポイントサービスを利用するためにユーザに対し割り当てられた個有識別情報が読み込まれ、この個有識別情報とアクセス先のサイトのアドレス情報とを含むユーザ個有の二次元コードが生成され、表示される。そして、上記表示されたユーザ個有の二次元コードをユーザ端末で読み取ると、ユーザ端末からアクセス先のサイトに対しユーザの個有識別情報を含むアクセス要求が送信される。
【0009】
従って、サイトにアクセスする際に、ユーザは自身の個有識別情報をその都度入力する必要がなくなる。その結果、ユーザにとっては操作性が改善され、アクセス操作の負荷を軽減することができる。また、操作性の改善によりサイトへのアクセス数を増加させることが可能となり、サイトにとってはイベント等により多くのユーザに参加してもらうことが可能となり、キャンペーンの効果を高めることができる。
【0010】
この発明の第3の態様は、前記取得部が、ポイントサービスに加入しているユーザが所持するポイントカードに記載された個有識別情報、又は前記ユーザが所持するユーザ端末に表示される個有識別情報を読み取るようにしたものである。
【0011】
第3の態様によれば、ユーザが所持しているポイントカードに記載された個有識別情報、又は前記ユーザが所持するユーザ端末に表示される個有識別情報が読み取られ、この個有識別情報を用いてユーザ個有の二次元コードが生成される。従って、ユーザは手入力で自身の個有識別情報を入力する必要がなく、これにより入力操作による負荷を軽減することができる。また個有識別情報の誤入力等による無効なアクセスを減らすこともできる。
【0012】
この発明の第4の態様は、ポイントサービスの管理サーバからアクセス先のサイトのアドレス情報とアクセスコード生成装置の端末識別情報とを関連付けたアクセス設定リストを取得する第2の取得部と、前記第2の取得部により取得されたアクセス設定リストを変更する設定変更部とをさらに具備し、前記コード生成部が、前記アクセス設定リストに基づいて、自己のアクセスコード生成装置の端末識別情報に関連付けられた前記アクセス先のサイトのアドレス情報を特定し、当該アクセス情報をもとに前記ユーザ個有の二次元コードを生成するようにしたものである。
【0013】
第4の態様によれば、複数のサイトでそれぞれ異なるイベントが実施されている場合に、アクセスコード生成装置を上記複数のサイトまたはイベントの一つに対応付けることができ、これによりサイトのアドレス情報の入力も不要にできる。また、アクセスコード生成装置が複数ある場合に、これらのアクセスコード生成装置に対しアクセス設定リストをポイントサービスの管理サーバから一括して行うことができるので、アクセス設定リストの設定作業を短時間に簡単に行うことが可能となる。さらに、アクセス設定リストの一括設定後において、アクセスコード生成装置ごとにアクセス設定リストの設定内容を変更できるようにしたことで、例えばサイトごとのアクセスの混雑度合い等に応じて、アクセスコード生成装置においてサイトのアドレス情報に対する端末識別情報の対応関係を適宜変更することができる。
【0014】
この発明の第5の態様は、前記コード生成部に、ユーザの個有識別情報を暗号化する暗号化部を備え、この暗号化されたユーザの個有識別情報を含むユーザ個有の二次元コードを生成するようにしたものである。
第5の態様によれば、ユーザの個有識別情報の秘匿性を高く保つことができる。
【発明の効果】
【0015】
この発明の各態様によれば、記名が求められるサイトへのアクセスを簡単かつ確実に行えるようにする技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、この発明の一実施形態に係るアクセスコード生成装置を含むサイトアクセスシステムの全体構成を示す図である。
【
図2】
図2は、この発明の一実施形態に係るアクセスコード生成装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、
図1に示したサイトアクセスシステムにおいて、サイトアクセスのために
図2に示したアクセスコード生成装置と共に使用されるユーザ端末の機能構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、
図2に示したアクセスコード生成装置によるアクセスコード生成処理の処理手順と処理内容の前半部分を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、
図2に示したアクセスコード生成装置によるアクセスコード生成処理の処理手順と処理内容の後半部分を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、
図3に示したユーザ端末によるサイトアクセス制御の処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、
図2に示したアクセスコード生成装置がポイントサービスサーバから取得する設定リストの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、
図4および
図5に示したアクセスコード生成処理の過程で生成される表示画面の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、
図1に示したサイトアクセスシステムの動作の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照してこの発明に係わる実施形態を説明する。
[一実施形態]
(構成例)
(1)システム
図1は、この発明の一実施形態に係るアクセスコード生成装置を含むサイトアクセスシステムの全体構成を示す図である。
サイトアクセスシステムは、イベント会場等で使用されるアクセスコード生成装置ATと、イベントに参加しようとするユーザが所持する複数のユーザ端末US1~USmと、共通ポイントサービスの運営会社が管理するポイントサービスサーバPSと、イベントを実施する企業や団体が管理する複数のイベント管理サーバVS1~VSnとを備え、これらの装置の間でインターネットを含むネットワークNWを介して情報データの送受信を可能にしたものである。
【0018】
共通ポイントサービスは、例えば、会員登録されたユーザが商品を購入またはサービスを利用した際に、その購入又は利用金額に応じて、或いは店舗への来店回数等に応じて、企業側が定めた条件でユーザに対しポイントを付与し、貯まったポイントを次回以降の来店時に商品またはサービスと交換したり、商品またはサービスの購入時に代金として使用できるようにするサービスである。付与又は使用されたポイントの管理データは、一般にポイントカードまたはスマートフォン等の携帯端末に記憶されると共に、店舗のレジ端末等からポイント管理サーバに送信されて会員ユーザの管理等に利用される。
【0019】
ポイントサービスサーバPSは、大容量のデータベースを有するサーバコンピュータからなり、共通ポイントサービスに会員登録された各ユーザの個人情報とポイント管理データをデータベースで管理する。個人情報は、ユーザに対し予め割り当てられた個有識別データ(ユーザID)と、ユーザの属性情報とを含む。属性情報には、例えばユーザの名前、性別、年齢、趣味嗜好、商品やサービスの購買・利用履歴が含まれる。ポイント管理データは、ユーザごとにそのユーザIDと紐づけられて管理される。
【0020】
またポイントサービスサーバPSは、企業が実施するイベントのアクセス設定リストを作成する機能を有する。アクセス設定リストは、イベントで実施されるキャンペーン名と、当該キャンペーンに応募するときのアクセス先となるキャンペーンサイトのアドレス情報に、当該キャンペーンサイトへのアクセスが許可されたアクセスコード生成装置の端末番号を紐づけたものからなる。アドレス情報は、例えばURL(Uniform Resource Locator)により表される。上記アクセス設定リストは、ポイントサービスサーバPS、又はアクセスコード生成装置ATにおいて、オペレータがアドレス情報に対応付けて端末番号を入力することで設定される。
【0021】
さらにポイントサービスサーバPSは、イベントに参加したユーザに対しポイントを付与するポイント管理機能と、イベント実施結果に対する分析処理機能を備える。ポイント管理機能は、例えばイベント管理サーバVS1~VSnからキャンペーン応募履歴データを取得し、当該キャンペーン応募履歴データをもとにイベントに参加したユーザに対しポイントを付与する処理を行う。分析処理機能は、上記取得されたキャンペーン応募履歴データと、データベースで管理しているユーザの個人情報とをもとに、例えば、イベント参加者の特徴(属性や趣味嗜好)の分析や、イベント参加者のその後の購買行動の分析を行う。この分析結果はイベント効果を表すレポート情報としてイベント管理サーバVS1~VSnへ送信される。
【0022】
(2)装置
アクセスコード生成装置ATは、例えばタブレット型端末又はパーソナルコンピュータからなり、以下のように構成される。
図2はその機能構成を示すブロック図である。
【0023】
すなわち、アクセスコード生成装置ATは、中央制御ユニット(Central Processing Unit:CPU)と呼ばれるハードウェアプロセッサを用いた制御ユニット1に、図示しないバスを介して、記憶ユニット2と、通信インタフェース部3と、入出力インタフェース部4を接続したものとなっている。
【0024】
通信インタフェース部3は、ネットワークNWにおいて規定された通信プロトコルに従い、当該ネットワークNWを介して、例えば、上記ポイントサービスサーバPSからアクセス設定リストを取得するためのデータ通信を行う。
【0025】
入出力インタフェース部4には、カメラ5および入力表示デバイス6が接続される。カメラ5は、ユーザが所持するポイントカードに記載された、ユーザIDを表すバーコードを読み取るために使用される。またポイントカードの機能がスマートフォン等のユーザ端末にアプリケーションとしてインストールされている場合も想定されるが、この場合カメラ5は上記ユーザ端末に表示されるユーザIDを表すバーコードを読み取る際にも使用される。
【0026】
入力表示デバイス6は、表示デバイス上に、圧力又は静電容量を用いて入力操作を検出する検出シートを重ねて配置したもので、オペレータによる各種指示コマンドの入力や、ユーザ個有のQRコードを表示するために用いられる。なお、ユーザ個有のQRコードについては後に詳しく述べる。
【0027】
記憶ユニット2は、記憶媒体として、例えばHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、ROM、RAMを使用する。そして、これらの記憶媒体により構成される記憶領域には、プログラムを格納するプログラム記憶領域に加え、この発明の一実施形態において使用される、設定リスト記憶部21と、バーコード情報記憶部22が設けられている。
【0028】
設定リスト記憶部21は、上記ポイントサービスサーバPSから取得されるアクセス設定リスト、又はアクセスコード生成装置ATにおいてオペレータが入力した端末番号を記憶するために使用される。バーコード情報記憶部22は、ユーザのポイントカード等から読み取られたバーコードの解読データを保存するために用いられる。またバーコード情報記憶部22は、上記バーコードの読み取り操作をユーザに促すためのガイダンス表示データやエラーメッセージも記憶する。
【0029】
制御ユニット1は、一実施形態を実施するために必要な制御機能部として、設定リスト取得部11と、バーコード読取部12と、ユーザ個有QRコード生成部13とを備えている。これらの制御機能部11~13は、上記記憶ユニット2内のプログラム記憶領域に格納されたアプリケーションプログラムを、上記ハードウェアプロセッサに実行させることにより実現される。
【0030】
設定リスト取得部11は、イベント開始に先立ち、上記ポイントサービスサーバPSからアクセス設定リストを取得し、取得されたアクセス設定リストを記憶ユニット2の設定リスト記憶部21に記憶させる処理を行う。また設定リスト取得部11は、入力表示デバイス6においてオペレータが入力した、端末番号と、キャンペーン名およびキャンペーンサイト(以後CPサイトとも云う)のアドレス情報(URL)との対応関係を表すアクセス設定リストを設定リスト記憶部21に記憶させる処理を行う。
【0031】
バーコード読取部12は、バーコード情報記憶部22から、バーコードの読み取り操作をユーザに促すためのガイダンス表示データを読み出して、入力表示デバイス6の表示デバイスに表示させる。またバーコード読取部12は、カメラ5により読み取られたバーコードの画像データを入出力インタフェース部4を介して取得し、当該バーコードの画像データからユーザIDを解読してバーコード情報記憶部22に記憶させる処理を行う。
【0032】
ユーザ個有QRコード生成部13は、上記設定リスト記憶部21に記憶されたアクセス設定リストをもとに、自端末の端末番号に対応付けられたキャンペーンサイトのURLを読み出し、このURLと、上記バーコード情報記憶部22に記憶されたユーザIDとを含む、ユーザ個有のQRコードを生成する。そしてユーザ個有QRコード生成部13は、上記生成されたユーザ個有のQRコードを入出力インタフェース部4を介して入力表示デバイス6に表示させる処理を行う。
【0033】
一方、ユーザ端末US1~USmは、例えばスマートフォンからなり、次のように構成される。
図3はその機能構成を示すブロック図である。
【0034】
すなわち、ユーザ端末US1~USmは、先に述べたアクセスコード生成装置ATと同様に、中央制御ユニット(Central Processing Unit:CPU)と呼ばれるハードウェアプロセッサを用いた制御ユニット7に、図示しないバスを介して、記憶ユニット8と、入出力インタフェース部9と、通信インタフェース部10を接続したものとなっている。
【0035】
入出力インタフェース部9は、カメラ20により撮像されたユーザ個有のQRコードの画像データを取り込む機能を有する。なお、入出力インタフェース部9には、図示していないが入力表示デバイスも接続される。入出力インタフェース部9は、入力表示デバイスにおいて入力された操作データを取り込むと共に、制御ユニット7から出力された表示データを入力表示デバイスに表示させる。
【0036】
通信インタフェース部3は、ネットワークNWにおいて規定された通信プロトコルに従い、イベント管理サーバVS1~VSnとの間でキャンペーンサイトにアクセスするためのデータ通信を行う。
【0037】
記憶ユニット8は、記憶媒体として、例えばSSD(Solid State Drive)、ROM、RAMを使用する。そして、これらの記憶媒体により構成される記憶領域には、プログラムを格納するプログラム記憶領域に加え、この発明の一実施形態において使用される、QRコード記憶部81が設けられている。
【0038】
QRコード記憶部81は、カメラ20により読み取られたQRコードの解読データを一時保存するために使用される。
【0039】
制御ユニット7は、この発明の一実施形態に係る制御機能として、QRコード読取制御部71と、サイトアクセス制御部72とを有している。これらの制御機能部はいずれも、上記記憶ユニット8内のプログラム記憶領域に格納されたプログラムをCPU等のハードウェアプロセッサに実行させることにより実現される。
【0040】
QRコード読取制御部71は、アクセスコード生成装置ATの入力表示デバイス6に表示されたユーザ個有のQRコードをカメラ20を用いて読み取り、読み取られたQRコードを解読してその解読データを記憶ユニット8のQRコード記憶部81に一旦記憶する処理を行う。
【0041】
サイトアクセス制御部72は、上記QRコード記憶部81に記憶されたQRコードの解読データをもとに、ユーザIDを含むサイトアクセス要求を生成し、このサイトアクセス要求を通信インタフェース部10からイベント管理サーバVS1~VSnに向け送信する処理を行う。
【0042】
(動作例)
次に、アクセスコード生成装置ATおよびユーザ端末US1~USmの動作例を説明する。
図4および
図5はアクセスコード生成装置ATの処理手順と処理内容を示すフローチャート、
図6はユーザ端末US1~USmの処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
【0043】
(1)アクセス設定リストの作成
アクセス設定リストは、ポイントサービスサーバPSにおいて一括生成された共通リストを、個々のアクセスコード生成装置ATにおいてオペレータが必要に応じて手入力で部分的に変更することにより作成される。アクセス設定リストは、例えば
図7に示すように、イベントで実施されるキャンペーン名と、当該キャンペーンに応募するときのアクセス先となるキャンペーンサイトのURLに対し、当該キャンペーンサイトへのアクセスが許可されたアクセスコード生成装置ATの端末番号を入力して対応付けることにより作成される。
【0044】
アクセスコード生成装置ATには、アクセスコード生成のために必要なアプリケーションプログラムが事前にインストールされ、例えばデスクトップ画面にそのアイコンが表示されている。オペレータが、アクセスコード生成装置ATにおいて、例えば上記アイコンを選択すると、上記アクセスコード生成用のアプリケーションプログラムが起動される。
図8(a)にその起動画面の一例を示す。
【0045】
アクセスコード生成装置ATの制御ユニット1は、上記アクセスコード生成用のアプリケーションプログラムが起動されると、
図4のステップS10からステップS11に移行し、設定リスト取得部11の制御の下、通信インタフェース部3からポイントサービスサーバPSに対しアクセスする。そして、ポイントサービスサーバPSからダウンロードされるアクセス設定リストを通信インタフェース部3を介して受信し、設定リスト記憶部21に格納する。
【0046】
このとき、上記取得されたアクセス設定リストには、使用可能なすべてのアクセスコード生成装置ATが登録されているとは限らない。また、キャンペーンとアクセスコード生成装置ATとの対応付けの設定変更が必要な場合もある。
【0047】
そこで、設定リスト取得部11は、ステップS12において、設定リスト記憶部21に予め記憶されている端末番号入力画面データを読み出して入力表示デバイス6に表示させる。
図8(b)はこの端末番号入力画面の一例を示すものである。この状態でオペレータがキャンペーン名およびそのURLに対応付けて、端末番号の追加入力、変更入力又は削除を行い、「OK」ボタンを操作すると、当該入力に応じて設定リスト記憶部21に記憶されたアクセス設定リストが更新される。
【0048】
上記端末番号の入力受付けに際し、設定リスト取得部11はステップS14において端末番号の入力の成否を判定する。そして、入力が成功しなかった場合には、ステップS15において、設定リスト記憶部21から該当するエラーメッセージを読み出して入力表示デバイス6に表示する。以下に、エラーメッセージのいくつかの例を示す。
【0049】
(1) 端末番号が未入力のキャンペーンがある場合
「端末番号を入力して下さい/OK」
(2) 端末番号入力エラー(入力桁数が少い場合)
「桁数が一致しません/OK」
(3) 端末番号入力エラー(全角文字が入力された場合)
「半角数字で入力して下さい/OK」
(4) 端末番号入力エラー(非端末番号が入力された場合)
「端末番号が存在しません」
(5) オフラインの場合
「端末がオフラインです。アプリケーションのご利用には端末をオンラインにして下さい/OK」
図8(c)は端末番号入力エラーの場合のエラーメッセージの一例を示すものである。かくして、アクセス設定リストの設定は終了する。
【0050】
(2)バーコードの読み取り
端末番号の入力設定が成功すると、制御ユニット1はバーコード読取部12を起動する。そして、このバーコード読取部12の制御の下、ステップS16においてバーコード情報記憶部22からバーコード読取画面データを読み出し、入力表示デバイス6に表示させる。
図8(d)はこのバーコード読取画面の一例を示すものである。
【0051】
この状態でユーザが、自身のポイントカードの例えば裏面に記載されたバーコードをアクセスコード生成装置ATのカメラ5に近づけると、カメラ5により上記バーコードが読み取られる。そして、ステップS17により、上記バーコードの画像データからユーザIDが解読され、当該ユーザIDがバーコード情報記憶部22に一旦保存される。
【0052】
なお、上記バーコードの読取処理において、バーコード読取部12はステップS18においてバーコードの読み取りの成否を判定する。そして、バーコードの読み取りに失敗したと判定されると、ステップS19においてバーコード情報記憶部22から該当するエラーメッセージを読み出し、このエラーメッセージを例えば
図8(e)に示すように入力表示デバイス6に表示する。例えば、読み取られたバーコードが所定のポイントサービス以外のバーコードだった場合には、「このバーコードは対象ではございません。ポイントカードの種類をご確認の上、再度読み取って下さい/OK」なるエラーメッセージが表示される。
【0053】
(3)ユーザ個有QRコードの生成
上記バーコードの読み取りが成功すると、制御ユニット1は次にユーザ個有QRコード生成部13を起動する。そして、このユーザ個有QRコード生成部13の制御の下、先ずステップS20により、上記バーコードから解読したユーザIDを暗号化する。このユーザIDの暗号化には、例えばハッシュ関数が用いられる。なお、ユーザIDの暗号化方式には、ハッシュ関数を使用する暗号化方式のほか、種々の暗号化方式を適用することができる。
【0054】
ユーザ個有QRコード生成部13は、次にステップS21において、設定リスト記憶部21に記憶されているアクセス設定リストから、自己のアクセスコード生成装置ATの端末番号に対応するキャンペーンサイトのURLを読み込む。そしてステップS22において、上記ハッシュ関数により暗号化されたユーザIDと、上記読み込まれたキャンペーンサイトのURLとを含むユーザ個有のQRコードを生成し、このQRコードをステップS23において入力表示デバイスに表示させる。
図8(f)にその表示例を示す。
【0055】
ユーザ個有QRコード生成部13は、上記QRコードの表示時間をステップS24で監視する。そして、表示開始から予め設定された一定時間が経過すると、ステップS25において上記QRコードの表示を消去し、さらにバーコード情報記憶部22に保存されている上記ユーザIDを消去する。
【0056】
(4)ユーザ端末の動作
上記アクセスコード生成装置ATにユーザ個有のQRコードが表示されると、ユーザは自身のユーザ端末US1~USmを用いて上記QRコードを読み取り、これによりキャンペーンサイトへのアクセスを行う。
【0057】
図6は、このときのユーザ端末US1~USmによる処理手順と処理内容を示すフローチャートである。ユーザ端末US1~USmにおいて、ユーザがQRコード読取用のアプリケーションプログラムを起動すると、制御ユニット7はステップS30により上記アプリケーションの起動を検出し、以後QRコードの読取処理を以下のように実行する。
【0058】
すなわち、ユーザがユーザ端末US1~USmのカメラ20をアクセスコード生成装置ATに表示されているQRコードに近づけ、QRコードがカメラ20の撮像エリアに含まれるように位置を合わせると、カメラ20により上記QRコードが撮像されてその画像データが入出力インタフェース部9に取り込まれる。QRコード読取制御部71は、ステップS31において上記QRコードの画像データを読み込み、ステップS32により読み取りの成否を判定する。この判定の結果、例えば焦点が合わず読み取りが失敗した場合には、ステップS33において表示デバイスにエラーメッセージを表示する。
【0059】
これに対し、読み取りが成功したと判定されると、QRコード読取制御部71はステップS34において上記QRコードを解読(復号)し、その解読(復号)データを記憶ユニット8のQRコード記憶部81に一旦記憶させる。上記解読データには、キャンペーンサイトのURLと、ハッシュ関数により暗号化されたユーザIDが含まれる。
【0060】
QRコード読取制御部71は、続いてサイトアクセス制御部72の制御の下、ステップS35において、上記解読データをもとにアクセス要求を生成して、このアクセス要求を通信インタフェース部10からネットワークNWを介してイベント管理サーバVS1~VSnに向け送信する。このとき、上記アクセス要求には、宛先としてのキャンペーンサイトのURLと、ハッシュ関数により暗号化されたユーザIDが挿入される。
【0061】
イベント管理サーバVS1~VSnは、自装置が管理するキャンペーンサイトを宛先とするアクセス要求を受信すると、当該キャンペーンサイトの表示画面データを要求元のユーザ端末US1~USmへ返送する。ユーザ端末US1~USmのサイトアクセス制御部72は、上記キャンペーンサイトの表示画面データを受信すると、ステップS36により上記表示画面データを表示デバイスに表示させる。
【0062】
この状態で、ユーザが上記キャンペーンサイトの表示画面において、所望のデータを入力して送信操作を行うと、サイトアクセス制御部72はステップS37からステップS38に移行する。そして、上記入力データをイベント管理サーバVS1~VSnへ送信し、これに対しイベント管理サーバVS1~VSnから返送される更新データに応じて表示画面を更新する。最後に、ユーザがサイトへのアクセスを終了する操作を行い、この操作をステップS39で検出すると、サイトアクセス制御部72はキャンペーンサイトに対するアクセス処理を終了する。
【0063】
(5)サイトアクセスシステムの動作例
図9は、サイトアクセスシステムの動作例を示す図である。同図では処理の順に[1]~[7]の番号を付してある。
キャンペーンの実施に先立ち、[1]においてポイントサービスサーバPSからアクセスコード生成装置ATに対し、キャンペーンサイトのURLとアクセスコード生成装置ATの端末番号との対応関係を定義したアクセス設定リストが転送され、この設定リストが設定リスト記憶部21に記憶される。この設定リストにおける、キャンペーンサイトのURLとアクセスコード生成装置ATの端末番号との対応関係は、アクセスコード生成装置ATにおいて追加変更が可能である。
【0064】
イベントが開始されると、アクセスコード生成装置ATでは先ず[2]において、バーコード読取部12によりユーザに対しポイントカードのバーコードの読取要請が提示され、これに対しユーザがポイントカードをカメラ5に向けると、ポイントカードの裏面に記載されたバーコードがバーコード読取部12により読み取られる。
【0065】
上記バーコードの読み取りが終了すると、アクセスコード生成装置ATでは、ユーザ個有QRコード生成部13により、上記バーコード読取部12により解読されたユーザIDと、アクセス先となるキャンペーンサイトのURLとを含む、ユーザ個有のQRコードが生成され、入力表示デバイス6に表示される。このとき、上記ユーザIDはハッシュ関数により暗号化された後、URLと共にQRコードに変換される。
【0066】
そして、ユーザが自身のユーザ端末US1~USmを用い、[4]において上記QRデータを読み取ると、ユーザ端末US1~USmでは、[5]において上記ユーザIDとキャンペーンサイトのURLとを含むアクセス要求によりイベント管理サーバがアクセスされ、これによりイベント管理サーバからユーザ端末にキャンペーンサイトのWebページ情報がダウンロードされ、表示される。そして、このWebページに対しユーザが情報を入力すると、その入力データがイベント管理サーバに登録される。
【0067】
例えば、いまイベント管理サーバVS1から、キャンペーンへの応募を受付けるための表示画面データが送られた場合には、ユーザ端末にはこのキャンペーン応募受付画面がダウンロードされ表示される。そして、このキャンペーン応募受付画面においてユーザが「応募ボタン」をタップすると、応募データがユーザ端末からイベント管理サーバVS1へ送られ、イベント管理サーバVS1で応募が受け付けられる。つまり、応募完了となる。この応募データは、[6]のようにイベント管理サーバVS1においてキャンペーンサイト応募履歴データとして記憶される。
【0068】
そうしてキャンペーンが終了すると、イベント管理サーバに記憶されているキャンペーンサイト応募履歴データは、ポイントサービスサーバPSに転送される。ポイントサービスサーバPSは、上記キャンペーン応募履歴データをもとに、イベントに参加したユーザに対しポイントを付与する処理を行う。この場合、イベントの種類や当該イベントへの参加の度合いに応じて付与するポイント数を変化させるようにしてもよい。例えば、「キャンペーンへの応募のみ」のユーザより、さらに「アンケートへの回答」に応じたユーザに対し、多くのポイントを付与する。このようにすると、さらに有効性の高いキャンペーン応募履歴データを取得することが可能となる。
【0069】
またポイントサービスサーバPSは、上記取得されたキャンペーン応募履歴データと、データベースで管理しているユーザの個人情報をもとに、例えば、イベント参加者の特徴(属性や趣味嗜好)の分析や、イベント参加者のその後の購買行動の分析を行う。この分析結果はイベント効果を表すレポート情報としてイベント管理サーバへ返送される。なお、キャンペーン応募履歴データとユーザの個人情報とに基づく分析処理については、様々な処理内容が考えられる。
【0070】
(作用・効果)
以上詳述したように一実施形態では、アクセスコード生成装置ATにおいて、ユーザが所持するポイントカードのバーコード、又はユーザ端末の表示部に表示されるバーコードを読み取ることでユーザIDを取得し、このユーザIDとアクセス先となるキャンペーンサイトのURLとを含むユーザ個有のQRコードを生成して表示する。そして、ユーザ端末により上記ユーザ個有のQRコードを読み取ることで、上記キャンペーンサイトに対しユーザ個有のアクセスを行えるようにしている。
【0071】
従って、キャンペーンサイトにアクセスする際に、ユーザは当該サイトのWebページ上で自身のユーザIDを入力する必要がなくなる。その結果、ユーザにとっては操作性が改善され、アクセス操作の負荷を軽減することが可能となる。また、操作性の改善によりサイトへのアクセス数を増加させることが可能となり、サイトにとってはイベント等に多くのユーザに参加してもらうことが可能となり、キャンペーンの効果を高めることができる。
【0072】
しかも、アクセスコード生成装置ATは、タブレット型端末やパーソナルコンピュータ等の汎用の情報端末に、バーコード読取部12およびユーザ個有QRコード生成部13を実行するためのアプリケーションプログラムインストールすることにより構成される。このため、専用の装置や専属のオペレータ等の大掛かりな設備等を用意することなく、簡単かつ安価に実施できる利点がある。
【0073】
また、ユーザIDはポイントカード又はユーザ端末に表示されたバーコードを読み取らせることで入力されるので、ユーザは自身のユーザIDを手入力する必要がなくなる。その結果、ユーザの操作上の負荷がさらに軽減され、キャンペーンへの参加者数を増やすことが可能となる。
【0074】
さらに、ユーザIDがハッシュ化された後QRコードに変換されるので、ポイントサービスサーバPS以外でユーザIDが公開される心配がなく、これによりユーザIDの秘匿性を高く保つことができる。
【0075】
さらに、キャンペーンごとに、そのサイトのURLと、当該キャンペーンサイトへのアクセスが許可されたアクセスコード生成装置ATの端末番号とを紐づけたアクセス設定リストを、ポイントサービスサーバPSからアクセスコード生成装置ATにダウンロードして設定し、さらにアクセスコード生成装置ATごとに上記アクセス設定リストに対し端末番号の追加、更新および削除を行えるようにしている。このため、アクセスコード生成装置ATが複数ある場合に、これらのアクセスコード生成装置ATに対しアクセス設定リストをポイントサービスサーバPSから一括して行うことができるので、アクセス設定リストの設定作業を短時間に簡単に行うことが可能となる。また、イベント会場等の現場において、キャンペーンごとのアクセスの混雑度合い等に応じて、アクセスコード生成装置ATのアクセス設定リストにおけるキャンペーンに対する端末番号の対応付けを適宜変更することができる。
【0076】
[変形例]
前記一実施形態では、アクセスコード生成装置ATが、ポイントカードに記載されたバーコード又はユーザ端末の表示画面に表示されたバーコードを光学的に読み取ることでユーザIDを取得するようにした。しかしそれに限らず、ポイントカードに無線タグが内蔵されている場合には、当該無線タグからユーザIDを読み込むようにしてもよい。
【0077】
前記一実施形態では、ユーザ個有QRコード生成部13において、ユーザIDをハッシュ関数を用いて暗号化する場合を例示した。しかし、それに限らず暗号化方式としてはその他の方式を用いてもよく、さらにチェックデジットを適用するようにしてもよい。例えば、ボイントサービスの会員に割り当てられたユーザIDを15桁で表す場合に、上位14桁の数字列を予め設定した数字、例えば7で割り算し、その余りをチェックデジットとする。このチェックデジットを用いると、ユーザIDの読み取り誤りや伝送誤りをチェックすることが可能となる。また、改ざんの有無等をチェックすることも可能となる。
【0078】
また、アクセスコード生成装置ATがユーザ個有のQRコードを生成する際に、キャンペーンの種類や内容に対応して異なる複数のQRコードを同時に生成して表示し、ユーザがこれらのQRコードを選択的にユーザ端末で読み取るようにしてもよい。これは、例えばアクセス設定リストにイベントごとに上記キャンペーンの種類および内容を識別するデータをすべて登録しておき、登録されたキャンペーンの種類および内容の各々についてQRコードを生成することで実現できる。このようにすると、ユーザはQRコードを選択するだけで、例えば同一のイベントに係る種類又は内容の異なる複数のキャンペーンに対し選択的に参加することが可能となる。
【0079】
さらに、アクセスコード生成装置ATがユーザ個有のQRコードを生成する際に、アクセス先のURL およびユーザIDに加えて、ポイントの付与数を表すデータを含めるようにしてもよい。その際、乱数を用いてポイントの付与数の異なる複数のQRコードを同時に生成して表示し、ユーザにこれらのQRコードの中から所望のQRコードを選択させるようにしてもよい。このようにすると、キャンペーンサイトにアクセスする際にユーザにゲーム感覚を味わってもらうことができ、これによりキャンペーンへの参加者数のさらなる増加が期待できる。その他、QRコードには、例えばアクセスコード生成装置ATの位置データや、周囲の温度や湿度、騒音等の環境データを付加データとして含めるようにしてもよい。これらの付加データは、キャンペーンサイト応募履歴データからキャンペーンの効果等をさらに詳しく分析する際に活用することができる。
【0080】
前記一実施形態では、イベント会場において、ポイントサービスに会員登録されたユーザのユーザIDを利用して記名方式によりキャンペーンサイトにアクセスする場合を例にとって説明した。しかし、この発明はそれに限るものではなく、記名を伴うサンプリングイベントや工場見学、学校見学にも同様に適用可能である。
【0081】
以上、本発明の実施形態を詳細に説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
【0082】
要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0083】
AT…アクセスコード生成装置、US1~USm…ユーザ端末、PS…ポイントサービスサーバ、VS1~VSn…イベント管理サーバ、1,7…制御ユニット、2,8…記憶ユニット、3,10…通信インタフェース部、4,9…入出力インタフェース部、5,20…カメラ、6…入力表示デバイス、11…設定リスト取得部、12…バーコード読取部、13…ユーザ個有QRコード生成部、21…設定リスト記憶部、22…バーコード情報記憶部、71…QRコード読取制御部、72…サイトアクセス制御部、81…QRコード記憶部。