(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023033335
(43)【公開日】2023-03-10
(54)【発明の名称】捕捉デバイス
(51)【国際特許分類】
A61B 17/221 20060101AFI20230303BHJP
【FI】
A61B17/221
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022208533
(22)【出願日】2022-12-26
(62)【分割の表示】P 2019555215の分割
【原出願日】2018-04-12
(31)【優先権主張番号】62/484,989
(32)【優先日】2017-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】イーズ ダニエル エル
(72)【発明者】
【氏名】マクリーシュ エリック ディー
(72)【発明者】
【氏名】ビルスマ タイラー
(72)【発明者】
【氏名】アモス レイモンド ジー ザ サード
(72)【発明者】
【氏名】ヴォス マーク エイ
(57)【要約】
【課題】捕捉デバイスを提供する。
【解決手段】デバイスは、ワイヤ取り付け部分を含むハンドル20と、ハンドル20に移動可能に装着されて反応チャンバ39を含むアクチュエータ30と、アクチュエータ30に移動可能に装着され、シース取り付け部分46を備えた遠位ストップ44D及び反応チャンバ39に位置付けられた近位ストップ44Pを含むプランジャ40と、近位ストップ44Pに取り付けられた遠位端80D及びプランジャ40に対して移動可能な近位端を含む弾性要素80と、弾性要素80とキャビティ内の反応面の間で反応チャンバ39に位置付けられた力低減要素90を含むことができる。弾性要素80は、アクチュエータ30に対して遠位にプランジャ40を付勢することができ、かつ近位方向力がプランジャ40に印加された時に圧縮されることが可能である。力低減要素90は、近位方向力の一部分を消散させることができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスであって、
ワイヤ取り付け部分を含むハンドルと、
前記ハンドルに移動可能に装着されて反応チャンバを含むアクチュエータと、
前記アクチュエータに移動可能に装着され、シース取り付け部分を備えた遠位ストップ及び前記反応チャンバに位置付けられた近位ストップを含むプランジャと、
前記反応チャンバに位置付けられ、前記プランジャに対して移動可能な近位端を含む弾性要素と、
前記弾性要素の前記近位端とキャビティの近位端との間で前記反応チャンバに位置付けられた力低減要素と、
を含み、
前記弾性要素は、前記アクチュエータに対して遠位に前記プランジャを付勢し、
前記弾性要素は、近位方向力が前記プランジャに印加された時に圧縮可能であり、
前記力低減要素は、前記近位方向力の量を消散させる、デバイス。
【請求項2】
前記弾性要素の遠位端が、前記近位ストップに取り付けられる、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記力低減要素は、アクチュエータ及び前記弾性要素に対して移動可能である、請求項1又は2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記近位ストップから近位に延びるシャフトを更に含み、
前記力低減要素は、前記シャフト上に移動可能に装着される請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記力低減要素は、開口部を備えた環状形状を含み、前記シャフトは、該開口部を通って延びる、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記アクチュエータは、第1の材料で作られ、
前記弾性要素は。第2の材料で作られ、
前記力低減要素は、第3の材料で作られ、
該第1及び第2の材料間の摩擦係数が、該第2及び第3の材料間の摩擦係数よりも大きい、請求項1~5のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記第1の材料はポリマーであり、前記第2又は第3の材料のうちの少なくとも一方が金属である、請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記第2又は第3の材料のうちの少なくとも一方が、潤滑性コーティング又は摩擦低減表面処理を含む、請求項6又は7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記近位方向力の印加の前に、前記弾性要素は、(i)前記プランジャの前記近位ストップが、前記反応チャンバの遠位面との接触を維持し、(ii)該付勢要素の前記近位端が、前記力低減要素の遠位面との接触を維持し、かつ(iii)該力低減要素の近位面が、該反応チャンバの近位面との接触を維持する拡張構成を取り、
前記アクチュエータは、前記弾性要素を圧縮することなくエンド-エフェクタを延長する又は折り畳むために前記ハンドルに対して移動可能であり、
前記近位方向力は、前記プランジャの前記近位ストップが前記反応チャンバの前記遠位面から離間される圧縮構成を前記弾性要素に取らせる、請求項1~8のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記弾性要素は、円形断面区域を備えたバネであり、
前記バネの近位端が、該バネの前記円形断面区域の外面から構成される接触面を定める、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記弾性要素の少なくとも前記近位端は、潤滑性コーティング又は摩擦低減表面処理を含む、請求項9又は10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記プランジャは、前記近位ストップ及び前記遠位ストップ間を長手方向に延びる本体を含み、前記アクチュエータの遠位端は、開口部を含み、該本体は、該開口部に移動可能に装着される、請求項1~11のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項13】
前記プランジャの前記本体の外部案内面が、前記アクチュエータの前記開口部の内部案内面上で移動可能であり、該外部案内面及び内部案内面のうちの少なくとも一方が、該アクチュエータに対して該プランジャを移動するのに必要な量の前記近位方向力を低減するように構成される、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
少なくとも前記外部案内面は、潤滑性コーティング又は摩擦低減表面処理を含む、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記シース取り付け部分から遠位に延びるシースと、
前記ワイヤ取り付け部分から遠位にかつ前記アクチュエータ、前記プランジャ、及び前記シースの遠位端を通って延びるワイヤと、
前記シースの遠位端に取り付けられた又は埋め込まれた力伝達要素と、
を更に含む、請求項1~14のいずれか1項に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の開示の態様は、一般的に医療デバイス及び手順に関する。特定の態様は、捕捉デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
非侵襲的手順中に、医師は、身体内の物体と係合するのに捕捉デバイス(例えば、バスケット又は把持器)を使用する場合がある。例えば、一部の泌尿器科手順では、医師は、シースを腎臓の中に進め、シースからのバスケットを延ばし、バスケットを用いて腎臓内の結石と係合し、バスケットを後退させて結石を捕捉する。複数の結石及び/又は結石断片は、手順中に取り出す必要があり、バスケットが何度も延ばされることを必要とする場合がある。バスケットの反復使用はシースを損傷する場合がある。例えば、バスケットは、バスケットをシースの中に部分的に後退させることさえも半径方向力及び/又は近位方向力のようなかなりの力をシースに付与するなどで結石によって拡張される場合がある。時間と共に、半径方向力は、シースを開裂させる場合があり、デバイスを作動不能にし、近位方向力は、シースを座屈させる場合があり、同じくデバイスを作動不能にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これらの問題は、シースの使用寿命を縮めることによってコストを増大させる可能性がある。更に、シースが手順中に裂ける又は座屈する場合に、外科医は、他のツールを腎臓の中に進めて結石及び/又は捕捉デバイスを取り出す必要があり、コストが更に増大する場合がある。捕捉デバイスを安全に取り出すことができない場合に、侵襲的手順が要求され、コストが更により増大する場合がある。本発明の開示の態様は、これらの困難を是正し、及び/又は従来技術の他の態様に対処することができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の開示の一態様は、デバイスである。このデバイスの例は、ワイヤ取り付け部分を含むハンドルと、ハンドルに移動可能に装着されて反応チャンバを含むアクチュエータと、アクチュエータに移動可能に装着され、シース取り付け部分を有する遠位ストップ及び反応チャンバに位置付けられた近位ストップを含むプランジャと、反応チャンバに位置付けられ、プランジャに対して移動可能な近位端を含む弾性要素と、弾性要素の近位端と反応チャンバの近位面の間で反応チャンバに位置付けられた力低減要素とを含むことができる。弾性要素は、アクチュエータに対して遠位にプランジャを付勢することができる。弾性要素は、近位方向力がプランジャに印加される時に圧縮可能とすることができる。同じく力低減要素は、近位方向力の量を消散又は、消失、散逸させることができる。
【0005】
一部の態様では、弾性要素の遠位端は、近位ストップに取り付けることができる。力低減要素は、アクチュエータ及び弾性要素に対して移動可能とすることができる。デバイスは、近位ストップから近位に延びるシャフトを更に含むことができ、力低減要素は、シャフト上に移動可能に装着することができる。例えば、力低減要素は、開口部を有する環状形状を含むことができ、シャフトは、開口部を通って延びることができる。一部の態様では、アクチュエータは、第1の材料で作ることができ、弾性要素は、第2の材料で作ることができ、力低減要素は、第3の材料で作ることができ、第1及び第2の材料間の摩擦係数は、第2及び第3の材料間の摩擦係数よりも大きいとすることができる。例えば、第1の材料は、ポリマーである場合があり、第2又は第3の材料のうちの少なくとも一方は、金属である場合がある。第2又は第3の材料のうちの少なくとも一方は、潤滑性コーティング又は摩擦低減表面処理を含む場合がある。
【0006】
一態様により、デバイスは、近位方向力の印加の前に弾性要素が(i)プランジャの近位ストップが反応チャンバの遠位面との接触を維持し、(ii)付勢要素の近位端が力低減要素の遠位面との接触を維持し、かつ(iii)力低減要素の近位面が反応チャンバの近位面との接触を維持する拡張構成を取るように構成することができる。アクチュエータは、弾性要素を圧縮することなくエンド-エフェクタを延長する又は折り畳むためにハンドルに対して移動可能とすることができる。同じく近位方向力は、遠位ストップが反応チャンバの遠位面から離間される圧縮構成を弾性要素に取らせることができる。弾性要素は、円形断面区域を有するバネである場合があり、バネの近位端は、バネの円形断面区域の外面から構成される接触面を定めることができる。弾性要素の少なくとも近位端は、潤滑性コーティング又は摩擦低減表面処理を含むことができる。
【0007】
プランジャは、近位及び遠位ストップ間を長手方向に延びる本体を含むことができる。アクチュエータの遠位端は、開口部を含むことができ、本体は、この開口部に移動可能に装着することができる。例えば、プランジャの本体の外部案内面は、アクチュエータの開口部の内部案内面上で移動可能とすることができ、この外部及び内部案内面のうちの少なくとも一方は、プランジャをアクチュエータに対して移動するのに必要な量の近位方向力を低減するように構成することができる。少なくとも外部案内面は、潤滑性コーティング又は摩擦低減表面処理を含むことができる。他の態様では、デバイスは、シース取り付け部分から遠位に延びるシースと、ワイヤ取り付け部分から遠位にかつアクチュエータ、プランジャ、及びシースの遠位端を通って延びるワイヤと、シースの遠位端に取り付けられる又は埋め込まれる力伝達要素とを含むことができる。
【0008】
別に開示する態様は、別のデバイスである。このデバイスの例は、ワイヤ取り付け部分を含むハンドルと、ハンドルに移動可能に装着されて反応チャンバを含むアクチュエータと、アクチュエータに移動可能に装着され、シース取り付け部分を有する遠位ストップ及び反応チャンバに位置付けられた近位ストップを含むプランジャと、シース取り付け部分から遠位に延びるシースと、ワイヤ取り付け部分から遠位にかつアクチュエータ、プランジャ、及びシースを通って延びるワイヤと、ワイヤの遠位端に位置付けられたエンド-エフェクタと、反応チャンバに位置付けられ、プランジャに対して移動可能な近位端を含む弾性要素と、弾性要素と反応チャンバの反応面との間で反応チャンバに位置付けられた力低減要素とを含むことができる。アクチュエータは、エンド-エフェクタをシースから拡張するためにハンドルに対して近位に、かつエンド-エフェクタをシースの中に折り畳むためにハンドルに対して遠位に移動可能とすることができる。エンド-エフェクタは、アクチュエータが物体の周りでエンド-エフェクタを折り畳むために遠位に移動される時にシースに近位方向力を印加することができる。同じく力低減要素は、近位方向力の量を消散させることができる。
【0009】
従って、デバイスは、近位方向力の印加の前に弾性要素が(i)プランジャの近位ストップが反応チャンバの第1の反応面との接触を維持し、(ii)付勢要素の近位端が力低減要素の遠位面との接触を維持し、かつ(iii)力低減要素の近位面が反応チャンバの第2の反応面との接触を維持する拡張構成を取ることができるように構成することができる。アクチュエータは、弾性要素を圧縮することなくエンド-エフェクタを延長する又は折り畳むためにハンドルに対して移動可能とすることができる。近位方向力は、近位ストップが反応面から離間される圧縮構成を弾性要素に取らせることができる。
【0010】
力低減要素は、反応チャンバに移動可能に装着することができる。プランジャの案内面は、アクチュエータの案内面上で移動可能とすることができ、この案内面のうちの少なくとも一方は、潤滑性コーティング又は摩擦低減表面処理を含むことができる。一態様により、シースの遠位端は、シースの遠位端に取り付けられた又は埋め込まれた力伝達要素を含む場合がある。例えば、力伝達要素は、シースの遠位端に取り付けられた又は埋め込まれたリング、コイル、又はワイヤのうちの少なくとも1つを含む。力伝達要素は、一部の態様では、シースの遠位端と共に拡張可能である場合がある。
【0011】
更に別に開示する態様は、デバイスである。このデバイスの例は、ワイヤ取り付け部分を含むハンドルと、ハンドルに移動可能に装着されて反応チャンバ及び案内面を含むアクチュエータと、アクチュエータに移動可能に装着され、シース取り付け部分を有する遠位ストップ、反応チャンバに位置付けられた近位ストップ、アクチュエータの案内面上で移動可能な案内面、及びこの近位ストップから近位に延びるシャフトを含むプランジャと、反応チャンバ内でシャフト上に移動可能に装着され、プランジャ及びシャフトに対して移動可能な近位端を含む弾性要素と、シース取り付け部分から遠位に延びるシースと、ワイヤ取り付け部分から遠位にかつシャフト及びプランジャを通ってシースの中に延びるワイヤと、ワイヤの遠位端に位置付けられたバスケットと、弾性要素と反応チャンバの反応面との間で反応チャンバに位置付けられた力低減要素とを含むことができる。例えば、アクチュエータは、シースからバスケットを拡張するようにハンドルに対して近位に、かつバスケットをシースの中に折り畳むようにハンドルに対して遠位に移動可能とすることができる。バスケットは、アクチュエータが物体の周りでバスケットを折り畳むために遠位に移動される時にシースに近位方向力を印加することができる。シースは、近位方向力をプランジャに伝達することができる。プランジャは、近位方向力を弾性要素の中に伝達することができる。同じく力低減要素は、近位方向力の量を消散させることができる。
【0012】
従って、アクチュエータの案内面及びプランジャの案内面のうちの一方は、プランジャをアクチュエータに対して移動するのに必要な近位方向力の量を低減するように構成することができる。例えば、シースは、近位方向力を座屈することなくプランジャの中に伝達するように構成することができ、及び/又はシースの遠位端は、この遠位端の直径を拡張することなく近位方向力をシースの中に伝達するように構成することができる。
【0013】
以上の要約及び以下の詳細説明の両方は、単に例示的及び説明的であり、以下に主張する本発明の制約でもないことは理解される。
【0014】
添付図面は、本明細書に組み込まれてその一部を構成する。これらの図面は、本明細書の書面による説明と共に本発明の開示を説明するのに寄与する本発明の開示の態様を図示するものである。各図面は、以下のように本発明の開示の1又は2以上の態様を描いている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図3A】
図2に示す断面線3-3に沿って取った
図1デバイスの断面図である。
【
図3B】
図2に示す断面線3-3に沿って取った
図1のデバイスの断面図である。
【
図3C】
図2に示す断面線3-3に沿って取った
図1のデバイスの断面図である。
【
図3D】
図2に示す断面線3-3に沿って取った
図1のデバイスの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
様々な捕捉デバイスの態様をここで説明する。一部の態様は、シースが治療部位に進められ、捕捉デバイスがシースから延長されて治療部位で物体と係合する泌尿器科手順のような非侵襲的手順を参照して説明される。泌尿器科手順では、例えば、シースは、尿道の中に挿入され、膀胱及び尿管を通って移動して腎臓の腎杯の中に進めることができ、捕捉デバイスはシースから遠位に延びて、腎杯に位置付けられた1又は2以上の結石及び/又は結石断片と係合することができる。泌尿器科手順のような手順、バスケット又は把持器のような捕捉デバイス、腎臓のような器官、及び/又は結石又は結石断片のような物体の特定のタイプへの参照は、便宜上与えられるものであり、本発明の開示を制限するように意図していない。従って、本明細書に説明する概念は、あらゆる類似のデバイス又はシステムに利用することができる。
【0017】
多くの軸線及び方向を説明する。各軸線は、原点Oを有する直交座標系を確立するように次のものと横断方向である又は更に垂直である場合がある。1つの軸線は、要素の長手軸線に沿って延びることができる。用語「近位」及び「遠位」を使用してあらゆる軸線に沿った方向を示すことができる。近位は、身体又はユーザの外部により近い位置を指し、一方で遠位は、身体の内部により近い又はユーザからより遠い位置を指す。頭文字「P」又は「D」を要素番号に添付することは、近位又は遠位場所又は方向を意味する。用語「細長」は、その長手軸線に沿ってその幅よりも少なくとも2倍長い長さを有する物体のようなその幅に対してより長いあらゆる物体を指すことができる。一部の細長物体は、例えば、中心長手軸線に沿って近位又は遠位方向に軸線方向に延びている。主張しない限り、これらの用語は、便宜上与えられるものであり、本発明の開示を特定の場所、方向、又は向きに限定するように意図していない。
【0018】
本明細書に使用される時に「含む」、「含んでいる」、又は類似の変形のような用語は、要素のリストを含むあらゆる態様がそれらの要素又は段階だけを含まず、むしろ明示的に列挙されず又はそれに固有ではない他の要素又は段階を含むことができるように非限定的包含を網羅するように意図している。別途定めない限り、用語「例示的」は、「理想的」ではなく「例」の意味に使用される。逆に、用語「から構成される」及び「から構成されている」は、要素のリストから構成される態様がそれらの要素のみを含むように限定的包含を網羅するように意図している。本明細書に使用される時に「約」、「実質的に」、「近似的に」、又は類似の変形のような用語は、陳述値の±5%以内の値の範囲を示している。
【0019】
例示的デバイス又は捕捉器10を
図1に描いている。図示のように、デバイス10は、ハンドル20と、ハンドル20に移動可能に装着されたアクチュエータ30と、アクチュエータ30に移動可能に装着されたプランジャ40とを含むことができる。シース50は、プランジャ40に取り付けることができる。ワイヤ60は、ハンドル20から遠位にかつハンドル20、アクチュエータ30、及びプランジャ40を通って延びることができ、エンド-エフェクタ70は、ワイヤ60の遠位端に取り付けることができる。
図2に示すように、弾性要素80は、アクチュエータ30に位置付けることができ、力低減要素90は、プランジャ40上に又はそれに隣接して位置付けることができる。アクチュエータ30は、エンド-エフェクタ70をシース50から遠位に延ばして結石2を取り囲むように、かつエンド-エフェクタ70をシース50の中に近位に後退させて結石2を捕捉するように作動可能とすることができる。サイズに応じて、結石2及び/又はエンド-エフェクタ70のいずれも、結石2を捕捉しながら力をシース50に印加する場合がある。力低減要素90は、印加された力を軽減することによってデバイス10の耐久性を高めるのを助けることができる。例えば、要素90は、印加された力の少なくとも一部分を消散させるように構成することができる。一部の態様では、これらの力は、例えば、ハンドル20に対するプランジャ40及びシース50、アクチュエータ30、及びワイヤ60の独立移動に関連付けられた摩擦力を低減することによって消散される。
【0020】
ハンドル20は、ユーザの手に把持される及び/又は別の医療デバイスに取り付けることができる。
図1及び
図2に示すように、ハンドル20は、デバイス10の長手軸線X-Xに沿って延びる本体22を含むことができる。本体22は、円筒形状を有するとして
図1~
図2に示されているが、あらゆる形状を使用することができる。本体22の外面は、把持面を定める輪郭とすることができる。チャネル24は、軸線X-Xに沿って本体22を通って延びることができる。
図2では、例えば、本体22の遠位端は、開口部26を含み、本体22の近位端は、1対の対向するアームを有する万力(バイス)27と、対向するアームを互いに閉じるために万力27及び/又は本体22と取外し可能に係合可能であるキャップ28とを含むワイヤ取り付け部分を含む。
図3A~
図3Dに示すように、キャップ28は、螺合接続29によって本体22に取り付けることができる。
【0021】
アクチュエータ30は、長手軸線X-Xに沿って近位-遠位方向にシース50を移動するように構成することができる。
図2に示すように、アクチュエータ30は、案内面34を有する本体32と、案内面34に沿って移動可能なスライダ36とを含むことができる。本体32は、ハンドル20に取外し可能に取り付けることができる。例えば、
図2の本体32は、万力27の対向するアーム間に受け入れる形状にされた取り付け部分35を含む。本体32は、万力27の対向するアーム間に取り付け部分35を置き、かつこの対向するアームが取り付け部分35の周りで閉じられるまで螺合接続29を通じてキャップ28を万力27と係合させることにより、ハンドル20に取外し可能に取り付けることができる。
図2に示すように、本体32は、軸線X-Xに沿って本体2を通って延びる部分開口内腔を定めるU字形断面を有することができる。円形状のような閉じた周囲形状を含む他の断面形状を使用することができる。
【0022】
スライダ36は、エンド-エフェクタ70の閉鎖又は開放構成に対応する閉鎖又は開放位置の間で、案内面34上で又はそれに対して移動可能とすることができる。
図2に示すように、例えば、スライダ36は、長手軸線X-Xに沿って延びる本体37と、本体37を通って長手方向に延びるチャネル38とを含むことができる。チャネル38は、アクチュエータ30の本体32の遠位部分を受け入れるように構成することができ、スライダ36の本体37が案内面34に沿って移動する(例えば、摺動する)ことを可能にする。
図2のチャネル38は、プランジャ40の各部分が下側から可視であることを可能にする開口部分を含む。
図2及び
図3A~
図3Dに示すように、案内面34は、遠位ストップ34D及び近位ストップ34Pを含むことができる。アクチュエータ30の本体32は、スライダ36の移動を制御するために本体32の内部ストップ面が遠位及び近位ストップ34D及び34Pと係合可能であるようにチャネル38に受け入れることができる。例えば、スライダ36の本体37は、本体37の下側が案内面34に沿って摺動して(i)遠位ストップ34Dがチャネル38の内部ストップ面と接触する(例えば、
図2及び3Aでのように)遠位又は閉鎖位置と(ii)近位ストップ34Pがチャネル38の内部ストップ面と接触する(例えば、
図2及び
図3Bでのように)近位又は開放位置との間でスライダ36の移動を可能にするようにハンドル20のチャネル24に位置付けることができる。エンド-エフェクタ70は、スライダ36が閉鎖位置(例えば、
図3A)である時にシース50の中に後退し、かつスライダ36が開放位置(例えば、
図3B)である時にシース50から延びることができる。
【0023】
プランジャ40は、アクチュエータ30に移動可能に装着され、かつシース50によって印加された力を消散させる及び/又はシース50の回転を可能にするように構成することができる。
図2に示すように、例えば、プランジャ40は、遠位ストップ44D及び近位ストップ44Pを含む案内面44を備えた本体42を含むことができる。遠位ストップ44Dは、シース50と係合可能なシース取り付け部分46を含むことができる。例えば、部分46は、シース50の近位端の上に適合する又はその内部に受け入れることができる。プランジャ本体42は、チャネル38の遠位部分に受け入れ可能とすることができる。
図2に示すように、例えば、チャネル38は、遠位開口部31を有することができ、本体42は、開口部31に移動可能に装着され、例えば、アクチュエータ30に対するプランジャ40の独立移動によって力を消散させることができる。例示的独立移動は、軸線X-Xに沿った近位-遠位移動、及び/又は軸線X-Xの周りの回転移動を含むことができる。一部の移動は、結石2によって間接的に引き起こされる場合があり、一方で他の移動は、ユーザによって直接に引き起こされる。例えば、
図1では、プランジャ40の遠位ストップ44Dは、把持面45を含む。シース50は、把持面45を使用してワイヤ60及び/又はエンド-エフェクタ70とは無関係にシース50を回転させることができるように遠位ストップ44Dに取り付けることができる。
【0024】
ワイヤ60は、手術ワイヤのような細長金属要素である場合があるが、あらゆるタイプの材料を使用することができる。エンド-エフェクタ70は、ワイヤ60の遠位端に取り付けることができる。
図1では、例えば、エンド-エフェクタ70は、形状記憶金属(例えば、ニチノール)で作られた閉鎖端バスケットである。エンド-エフェクタ70はまた、開放端把持器又は類似の捕捉デバイスである場合がある。従って、エンド-エフェクタ70は、エンド-エフェクタ70がシース50の内側に圧潰又は折りたたまれた閉鎖位置(例えば、
図3A)と、エンド-エフェクタ70がシース50から遠位に延ばされた後で自動的に拡張する開放位置(例えば、
図3B)との間で作動可能とすることができる。あらゆる閉鎖端構成(例えば、バスケット)又は開放端構成(例えば、2又は3以上の対向するジョー)を含むあらゆるタイプのエンド-エフェクタ70をデバイス10と共に使用することができる。
【0025】
図3A~
図3Dに示すように、チャネル38の一部分は、反応チャンバ39を定めることができ、弾性要素80は、反応チャンバ39に位置付けることができる。弾性要素80は、アクチュエータ30に対して遠位にプランジャ40を付勢するように構成される。
図2に示すように、弾性要素80の遠位端80Dは、プランジャ40の近位ストップ40Pに取り付けることができる。遠位端80Dにわたってストップ44Pの近位部分を熱収縮させること、遠位端80Dの周りにストップ44Pを形成すること、及び/又は他に遠位端80Dと共にストップ44Pを溶融することを含むあらゆる取り付け手段を使用することができる。
図2にも示すように、プランジャシャフト41は、近位ストップ44Pから近位に延びることができ、プランジャ40、弾性要素80、及びシャフト41の各々は、予備成形プランジャアセンブリとして互いに接合されてデバイス10を簡素化することができる。弾性要素80は、要素80が軸線X-Xに沿ってシャフト41の遠位部分の周りに巻き付く
図2でのように、プランジャシャフト41に沿って及び/又はその周りで近位ストップ44Pから近位に延びることができる。弾性要素80の近位端は、シャフト41とは無関係に移動することができる。一部の態様では、弾性要素80は、反応チャンバ39の内径よりも小さい外径を有する金属バネとすることができ、反応チャンバ39の内面との接触から追加の摩擦力を決して発生させることなくシャフト41の周りで反応チャンバ39の内側で要素80が座屈する及び/又はシフトすることを可能にする。
【0026】
弾性要素80は、プランジャ40に印加された力を消散させるように反応チャンバ39内で圧縮可能及び拡張可能とすることができる。例えば、弾性要素80は、シース50によってプランジャ40に印加された量の近位方向力を消散させるように近位方向に圧縮可能であり、及び/又は線形又は非線形方式でこの力を消散させるように構成された固定又は可変バネ定数を有することができる。
図3A~
図3Dに示すように、力低減要素90は、弾性要素80の近位端と反応チャンバ39の近位面39Pとの間に位置付けることができる。そのような力の印加の前に、弾性要素80は、(i)プランジャ40の近位ストップ44Pが遠位面39Dとの接触を維持し、(ii)弾性要素80の近位端が要素90の遠位面との接触を維持し、かつ(iii)要素90の近位面が反応チャンバ39の近位ストップ面39Pとの接触を維持する拡張構成で平衡を達成することができる。
図3A~
図3Dに示すように、弾性要素80は、結石2がエンド-エフェクタ70において安定した捕捉位置を取るまで任意の数の中間位置を取ることができる。
【0027】
シース50によってプランジャ40に印加される力は、小さくて不変である場合があり、プランジャ40の反応性を重要な考慮事項にする。例えば、多くの近位方向力及び/又は回転力は、結石2が安定した捕捉位置を取る前にエンド-エフェクタ70内であちこちにシフトする時にシース50に印加される場合がある。プランジャ40を移動するのに必要な初期力が高すぎる場合に、これらの力の何らかの部分はシース50によって吸収され、潜在的に反復応力及び歪みから損傷に至ることになる。力低減要素90は、例えば、要素80の近位端と力低減要素90の遠位向き反応面90との間の限られた摩擦係数、及び/又は要素90の近位向き反応面とチャンバ39の近位ストップ面39Pとの間の限られた摩擦係数を提供することにより、これらの小さくて不変の力さえも消散させるのを助ける。低減要素90の多くの態様をここで説明する。
【0028】
一部の態様では、力低減要素90は、他にアクチュエータ30とのプランジャ40の一時的結合からでさえも生じるもののような応力集中を防止することによってプランジャ40を移動するのに必要な初期力を低減するように、アクチュエータ30及び弾性要素80に対して移動可能である。シャフト41は、上述のように、プランジャ40の近位ストップ44Pから近位に延びることができ、力低減要素90は、シャフト41上に移動可能に装着することができる。
図2の要素90は、円形開口部を有する環状形状を含み、シャフト41は、長手軸線X-Xに沿って円形開口部を通って延びるが、要素90及びこの開口部は、あらゆる形状を取ることができる。
【0029】
印加される力は、回転成分を含む場合がある。例えば、弾性要素80は、近位方向力に応答して座屈して間接回転力を引き起こす場合があり、又は要素80は、ユーザによってハンドル面45に印加された回転力に応答して直接に回転する場合がある。力低減要素90は、これらの力の量を消散させるように構成することができる。例えば、アクチュエータ30又はその一部分(例えば、反応チャンバ39の遠位反応面39D)は、第1の材料で作ることができ、弾性要素80は、第2の材料で作ることができ、力低減要素90は、第3の材料で作ることができ、第1及び第2の材料間の摩擦係数は、第2及び第3の材料間の摩擦係数よりも大きくすることができる。更に別の例として、第1の材料は、PEEKのようなポリマー材料とすることができ、第2の材料は、ステンレス鋼のような金属材料とすることができ、第3の材料は、要素80及び90間の摩擦係数を低減するように構成することができる。一部の態様では、第3の材料は、弾性要素80の近位端と反応チャンバ39の近位反応面39Pとの間に低摩擦低摩耗接触を与えるように構成された炭素材料(例えば、炭素豊富材料)である場合がある。第1、第2、及び/又は第3の材料のいずれも、Teflon(登録商標)コーティングのような潤滑性コーティング、又は磨き仕上げのような他の摩擦低減表面処理としてアクチュエータ30、弾性要素80、及び/又は力低減要素90に同様に適用することができる。
【0030】
デバイス10の追加の様様は、シース50からプランジャ40に印加される力を消散させるように更に構成することができる。各追加の様様は、本明細書に説明するいずれのデバイス10の中にも組み込むことができ、各可能な変形は、本発明の開示の一部である。
【0031】
一態様により、プランジャ40の案内面44及び/又はチャネル38の遠位開口部31は、プランジャ40とアクチュエータ30の間の摩擦係数を制限するように構成され、小さい及び/又は不変の力に対してプランジャ40の反応性を更に高めることができる。一部の態様では、案内面44は、遠位開口部31の内縁又は内面上で移動可能(例えば、回転可能及び/又は摺動可能)とすることができ、開口部31の面44と内縁又は内面とのうちの少なくとも一方は、プランジャ40を移動するのに必要な量の初期力を低減する及び/又は結石2が定位置に落ち着くまでプランジャ40を運動状態に保つのに必要な量の継続中の力を低減するように構成することができる。例えば、開口部31の内縁又は内面は、案内面44との接触面積を最小にするために狭くすることができる。案内面44及び/又はこの内縁又は内面はまた、案内面44と開口部31の内縁又は内面との間の摩擦係数を最小にするように構成された潤滑性コーティング(例えば、Teflon(登録商標)コーティング)又は他の摩擦低減表面処理(例えば、滑らかな仕上げ)を含む場合がある。
【0032】
弾性要素80及び/又は力低減要素90の他の態様も同様に修正することができる。例えば、弾性要素80は、円形断面を有する細長ワイヤから形成されたバネである場合があり、このバネの近位端は、バネの円形断面区域の外面(例えば、それに対してタンジェンシャルな点)から構成される接触面を定めることができる。この構成では、弾性要素80と力低減要素90の間の接触面積は、要素90に対して直接に要素80を回転させることによって発生する量の摩擦力を低減するように制限される。要素80のいずれの部分も、この力を更に低減するように構成された潤滑性コーティング又は他の摩擦低減表面処理を含むことができる。例えば、少なくとも近位端80Pは、摩擦力を低減するように構成されたTeflon(登録商標)コーティングを含む場合があり、及び/又は要素80は、金属である場合があり、要素90は、この力を低減するように構成された炭素コーティングを含むことができる。一部の態様では、プランジャ40のシース取り付け部分46以外の全ては、デバイス10を更に簡素化するために潤滑性コーティングを含むことができる。
【0033】
シース50の態様は、効率的な力伝達に関して構成することができる。例えば、シース50の遠位端50Dは、力伝達要素52を含むことができ、その例は、
図4A~
図4Bに示されている。
図4Aに示すように、例えば、力伝達要素52は、(i)エンド-エフェクタ70及び/又は結石2が近位に移動される時にシース50の拡張を防止するために、及び(ii)あらゆる近位方向力をエンド-エフェクタ70及び/又は結石2からシース50の中により直接に伝達するために、遠位端50Dに取り付けられた又は埋め込まれた円筒形要素とすることができる。力伝達要素52はまた、遠位端50Dの限られた拡張を許容するように構成することができ、2の少なくとも何らかの部分をシース50に受け入れることができることを保証する。
図4Bに示すように、例えば、別の力伝達要素152は、遠位端50Dに取り付けられた又は埋め込まれた及び/又はシース50の遠位端50Dと共に軸線X-Xに対して拡張可能であるリング、コイル、及びワイヤのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0034】
方法100の態様をデバイス10が結石2を捕捉するのに利用される泌尿器科手順を参照してここで説明する。例示的方法100は
図5に示されており、方法100の追加の様様は、
図3A~
図3Dに示されている。図示のように、方法100は、アクチュエータ30及びエンド-エフェクタ70がそれらのそれぞれの閉鎖構成にある
図3Aにあるように、デバイス10のハンドル20を把持する段階102を含むことができる。別の段階104は、アクチュエータ30及びエンド-エフェクタ70がそれらのそれぞれの開放構成にある
図3Bにあるように、シース50からエンド-エフェクタ70を拡張するようにハンドル20に対して近位にアクチュエータ30を移動する段階を含むことができる。例えば、アクチュエータ30は、ユーザの手で固定位置にハンドル20を保持し、この手の指を使用して近位方向力F
Pをスライダ36に印加することによって移動することができる。エンド-エフェクタ70が拡張した状態で、別の方法段階106は、エンド-エフェクタ70の内側に結石2を位置付ける段階を含むことができる。例えば、エンド-エフェクタ70は、バスケットである場合があり、段階106は、結石2がバスケットに位置付けられるまでエンド-エフェクタ70を移動及び/又は回転させる段階(例えば、ハンドル20を移動及び/又は回転させることにより)を含むことができる。
【0035】
図5の方法100は、結石2を捕捉するための追加の段階を含む。例えば、別の段階108は、ハンドル22に対して遠位にアクチュエータ30を移動して結石2の周りでエンド-エフェクタ70を折り畳む段階を含むことができる。
図3Cに示すように、例えば、アクチュエータ30は、手で固定位置にハンドル20を保持し、この手の指を使用して遠位方向力F
pをスライダ36に印加することによって移動することができる。スライダ36は、結石2がエンド-エフェクタ70を拡張し始め、その点で反力F
Rが結石2及び/又はエンド-エフェクタ70によってシース50に印加されると考えられるまで、シース50及び/又は弾性要素80に影響を与えることなく遠位に進めることができる。
図3Dに示すように、例えば、反力F
Rは、近位方向成分及び回転成分を有する場合がある。従って、方法100は、弾性要素80が反応チャンバ39内で平衡位置を取り、かつ結石2がエンド-エフェクタ70内で安定した捕捉位置を取るまで、反力F
Rに応答してプランジャ40の移動を可能にする段階110を更に含むことができる。本明細書に説明する力低減要素90のいずれの態様も、段階100をサポートする及び/又はその中に組み込むことができる。
【0036】
一部の手順では、シース50の遠位端50D内に結石2の少なくとも一部分を捕捉することが望ましい場合がある。従って、別の方法段階112は、遠位端50Dの内側に結石2のこの部分を位置決めするためにアクチュエータ30に対してシース50を回転させる段階を含むことができる。段階112は、この回転力を遠位ストップ44Dの外部ハンドル面45に印加する段階を含むことができる。例えば、段階110は、エンド-エフェクタ70に対して結石2を移動するために回転力をハンドル面45に印加する段階から構成することができる。例えば、結石2のこの部分を軽く揺らして遠位端50Dの中に入れるために、往復回転力を面45に印加することができる。
【0037】
本発明の開示の原理を特定の用途のための例示的態様を参照して本明細書に説明したが、本発明の開示はそれに限定されない。当業技術及び本明細書に提供する教示へのアクセスを有する当業者は、本明細書に説明する態様の範囲に全て入る追加の修正、用途、態様、及び均等物の置換を認識するであろう。従って、本発明の開示は、以上の説明によって制限されるように解釈されないものとする。
【符号の説明】
【0038】
10 デバイス
30 アクチュエータ
34D 遠位ストップ
50 シース
70 エンド-エフェクタ
【手続補正書】
【提出日】2023-02-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスであって、
ハンドルと、
前記ハンドルに移動可能に装着されて反応チャンバを含むアクチュエータと、
前記アクチュエータに移動可能に装着され、シース取り付け部分を備えた遠位ストップ及び前記反応チャンバに位置付けられた近位ストップを含むプランジャと、
前記反応チャンバに位置付けられ、前記プランジャに対して移動可能な近位端を含み、前記アクチュエータに対して遠位に前記プランジャを付勢し、近位方向力が前記プランジャに印加された時に圧縮可能である弾性要素と、
前記弾性要素の前記近位端と前記反応チャンバの近位面との間で前記反応チャンバに位置付けられ、前記近位方向力の量を消散させる力低減要素と、
前記シース取り付け部分から遠位に延びるシースであって、前記シースの遠位端に取り付けられた又は埋め込まれた力伝達要素を含む前記シースと、
を含むデバイス。
【請求項2】
前記弾性要素の遠位端が、前記近位ストップに取り付けられる、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記プランジャは、前記近位ストップから近位に延びるシャフトを更に含み、
前記力低減要素は、前記シャフト上に移動可能に装着され、前記力低減要素は、前記アクチュエータ及び前記弾性要素に対して移動可能である、請求項1又は2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記力低減要素は、中央開口部を備えた環状形状を含み、前記プランジャは、前記中央開口部を通って延びる、請求項1~3のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記アクチュエータは、第1の材料で作られ、
前記弾性要素は、第2の材料で作られ、
前記力低減要素は、第3の材料で作られ、
該第1及び第2の材料間の摩擦係数が、該第2及び第3の材料間の摩擦係数よりも大きい、請求項1~4のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記第1の材料はポリマーであり、前記第2又は第3の材料のうちの少なくとも一方が金属である、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記第2又は第3の材料のうちの少なくとも一方が、潤滑性コーティング又は摩擦低減表面処理を含む、請求項5又は6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記近位方向力の印加の前に、前記弾性要素は、(i)前記プランジャの前記近位ストップが、前記反応チャンバの遠位面との接触を維持し、(ii)該弾性要素の前記近位端が、前記力低減要素の遠位面との接触を維持し、かつ(iii)該力低減要素の近位面が、該反応チャンバの近位面との接触を維持する拡張構成を取り、
前記アクチュエータは、前記弾性要素を圧縮することなく前記ハンドルに対して移動可能であり、
前記近位方向力は、前記プランジャの前記近位ストップが前記反応チャンバの前記遠位面から離間される圧縮構成を前記弾性要素に取らせる、請求項1~7のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記弾性要素は、前記反応チャンバの内径よりも小さい外径を有するバネである、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記弾性要素の少なくとも前記近位端は、潤滑性コーティング又は摩擦低減表面処理を含む、請求項8又は9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記プランジャは、前記近位ストップ及び前記遠位ストップ間を長手方向に延びる本体を含み、前記アクチュエータの遠位端は、開口部を含み、該本体は、該開口部に移動可能に装着される、請求項1~10のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記プランジャの前記本体の外部案内面が、前記アクチュエータの前記開口部の内部案内面上で移動可能であり、該外部案内面又は内部案内面のうちの少なくとも一方が、前記近位方向力を低減するように構成される、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記外部案内面は、潤滑性コーティング又は摩擦低減表面処理を含む、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記ハンドルは、ワイヤ取り付け部分を含み、
前記デバイスは、前記ワイヤ取り付け部分から遠位にかつ前記アクチュエータ、前記プランジャ、及び前記シースを通って延びるワイヤを更に含む、請求項1~13のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項15】
前記力伝達要素は、前記近位方向力に関連した前記シースの拡張を防止するように構成され、円筒形要素を備える、請求項1~14のいずれか1項に記載のデバイス。
【外国語明細書】