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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023033556
(43)【公開日】2023-03-10
(54)【発明の名称】物品受け渡し手段
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20230303BHJP
   B65G 47/52 20060101ALN20230303BHJP
【FI】
B65G1/04 507
B65G47/52 B
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023006058
(22)【出願日】2023-01-18
(62)【分割の表示】P 2018198774の分割
【原出願日】2018-10-22
(71)【出願人】
【識別番号】592026819
【氏名又は名称】伊東電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】伊東 一夫
(57)【要約】
【課題】上下方向の移動量が少なく、搬送効率の高い物品搬送装置及び物品保管装置を開発することを課題とするものである。
【解決手段】列方向物品搬送手段7と物品配置手段10を有し、前記列方向物品搬送手段7は、物品を棚の物品収容列に沿った方向に搬送するものであり、物品配置手段10は列方向走行手段21と、物品昇降手段と、繋ぎ搬送部60と、物品受け渡し手段を有し、前記列方向走行手段21は物品配置手段10自体を物品収容列に沿った方向に移動させるものであり、物品受け渡し手段は、物品配置手段10と棚部の間で物品を受け渡す機能を有するものであり、繋ぎ搬送部60は、昇降機能と搬送機能を有し、一定の高さにあるときに、前記物品載置台11と列方向物品搬送手段7の搬送面を繋ぐものである。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
棚に隣接して設置され、当該棚に対して物品を入れ及び/又は出す物品搬送装置において、
前記棚は、少なくとも列方向に複数の物品配置部が並んだ物品収容列が複数段に渡って設けられたものであり、
前記物品搬送装置は、列方向物品搬送手段と物品配置手段を有し、
前記列方向物品搬送手段は、物品を前記棚の物品収容列に沿った方向に搬送するものであり、
物品配置手段は列方向走行手段と、物品昇降手段と、一又は複数の物品載置台と、繋ぎ搬送部と、物品受け渡し手段を有し、
前記列方向走行手段は物品配置手段自体を物品収容列に沿った方向に移動させるものであり、
前記物品昇降手段は物品を昇降させるものであり、
前記物品載置台は、物品を載置するものであり、
前記物品受け渡し手段は、物品載置台と棚部の間で物品を受け渡す機能を有するものであり、
繋ぎ搬送部は、昇降機能と搬送機能を有し、一定の高さにあるときに、前記物品載置台と列方向搬送手段を繋ぐものであることを特徴とする物品搬送装置。
【請求項2】
繋ぎ搬送部はコンベヤ装置を有し当該コンベヤ装置は、少なくとも一定の高さにあるときに搬送面が傾斜姿勢であることを特徴とする請求項1に記載の物品搬送装置。
【請求項3】
物品載置台に物品受け渡し手段が設置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の物品搬送装置。
【請求項4】
物品昇降手段は、物品載置台を昇降させるものであり、一つの物品載置台に物品を載置した状態で物品載置台自体を昇降し、物品の高さを目的の高さに変えるものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の物品搬送装置。
【請求項5】
物品昇降手段は、隣接して配置された複数の棚部材と、少なくとも一つの前記棚部材を昇降させる昇降手段を有し、
前記棚部材にはそれぞれ複数の高さの位置に前記物品載置台があり、
前記物品載置台には正方向と逆方向の双方に物品を搬送可能な搬送手段があり、
一方の棚部材に属する物品載置台の高さを他方の棚部材に属する物品載置台に合わせ、
搬送手段によって一方の棚部材に属する物品載置台から他方の棚部材に属する物品載置台に物品を移動させる往き動作を実行し、
さらに棚部材を昇降させることによって、前記他方の棚部材に属する物品載置台の高さを前記一方の棚部材に属する他の高さの物品載置台に合わせ、
前記往き動作によって前記他方の棚部材に属する物品載置台に移動させた物品を、搬送手段によって前記一方の棚部材に属し元の物品載置台とは異なる高さの物品載置台に移動させる戻り動作を実行し、
必要に応じて前記往き動作と戻り動作を繰り返して物品を所望の高さの位置に移動させることが可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の物品搬送装置。
【請求項6】
物品受け渡し手段は、本体部と、移動台を有し、移動台には上部側コロと、下部側コロと、上部側コロ及び下部側コロの相対高さを変更する高さ変更手段があり、
下部側コロが下方にあるときは上部側コロが物品との接触部となり、下部側コロが回転すると、上部側コロは下部側コロから動力伝動を受けて下部側コロとは逆方向に回転することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の物品搬送装置。
【請求項7】
少なくとも列方向に複数の物品配置部が並んだ物品収容列が複数段に渡って設けられた棚と、請求項1乃至6のいずれかに記載の物品搬送装置を有することを特徴とする物品保管装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棚の近傍に設置されて棚の各部に物品を配置する物品搬送装置に関するものである。また本発明は、物品保管装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
大型の自動倉庫に適した物品保管装置が特許文献1に開示されている。
特許文献1に開示された物品保管装置は、上下2段のラック構造を有した棚と、物品を棚に格納したり、棚に格納された物品を取り出す物品搬送装置によって構成されている。
【0003】
従来技術の物品搬送装置は、下部に物品を水平方向に搬送する下部コンベヤを有している。また従来技術の物品搬送装置は、鉛直搬送装置を有している。鉛直搬送装置は、物品を載置するための載置部と、当該載置部を昇降する昇降手段を有している。鉛直搬送装置自体は自走機能を有し、下部コンベヤに沿って直線移動する。
【0004】
従来技術の物品搬送装置では、下部コンベヤは、複数の区画に分かれたチェーンコンベヤ群によって構成されている。各区画のチェーンコンベヤは、チェーンが一定の間隔をあけて2列に配置されたものである。
従来技術においては、鉛直搬送装置の載置部にもコンベヤが設置されている。
【0005】
従来技術の物品搬送装置を使用して棚に物品を収容する際には、鉛直搬送装置を自走させ、目標とする収容部の横に鉛直搬送装置を移動する。そして載置部を降下させ、チェーンコンベヤのチェーンの間に沈める。
続いて下部コンベヤを駆動し、沈めた載置部の上に物品を移動させる。その後、載置部を上昇させて物品をすくい上げ、さらに載置部を目標の収容位置の高さまで持ち上げる。
そして載置部に搭載されたコンベアを駆動し、物品を所望の高さの収容部に収容する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2015-44639号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来技術の物品搬送装置は、載置部を下部コンベヤの下に降下させ、下から物品をすくい上げて物品を載置部に乗せる。
そのため従来技術の物品搬送装置は、載置部の上下方向の移動距離が長く、搬送効率が悪い。
本発明は、従来技術の上記した問題点に注目し、上下方向の移動量が少なく、搬送効率の高い物品搬送装置及び物品保管装置を開発することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した課題を解決するための態様は、棚に隣接して設置され、当該棚に対して物品を入れ及び/又は出す物品搬送装置において、前記棚は、少なくとも列方向に複数の物品配置部が並んだ物品収容列が複数段に渡って設けられたものであり、前記物品搬送装置は、列方向物品搬送手段と物品配置手段を有し、前記列方向物品搬送手段は、物品を前記棚の物品収容列に沿った方向に搬送するものであり、物品配置手段は列方向走行手段と、物品昇降手段と、一又は複数の物品載置台と、繋ぎ搬送部と、物品受け渡し手段を有し、前記列方向走行手段は物品配置手段自体を物品収容列に沿った方向に移動させるものであり、前記物品昇降手段は物品を昇降させるものであり、前記物品載置台は、物品を載置するものであり、前記物品受け渡し手段は、物品載置台と棚部の間で物品を受け渡す機能を有するものであり、繋ぎ搬送部は、昇降機能と搬送機能を有し、一定の高さにあるときに、前記物品載置台と列方向物品搬送手段を繋ぐものであることを特徴とする物品搬送装置である。
【0009】
本態様の物品搬送装置は、繋ぎ搬送部を有している。繋ぎ搬送部は、昇降機能と搬送機能を有し、一定の高さにあるときに、物品載置台と列方向物品搬送手段を繋ぐものである。
本態様の物品搬送装置では、物品を列方向物品搬送手段から物品載置台に乗せる場合や、物品を物品載置台から列方向物品搬送手段に移す場合に、物品載置台を一定の高さまで下げ、物品載置台と列方向物品搬送手段の搬送面を繋ぎ搬送部でつなぐ。
物品は繋ぎ搬送部を移動し、例えば物品載置台から列方向物品搬送手段に移る。
本態様の物品搬送装置によると、物品載置台を列方向物品搬送手段の下まで降下させる必要がないので、物品載置台の昇降距離が短い。
【0010】
上記した態様において、繋ぎ搬送部はコンベヤ装置を有し当該コンベヤ装置は、少なくとも一定の高さにあるときに搬送面が傾斜姿勢であることを特徴とする請求項1に記載の物品搬送装置である。
【0011】
本体様では、繋ぎ搬送部がコンベヤ装置を有している。そしてコンベヤ装置は、搬送面が傾斜姿勢となって物品載置台と列方向物品搬送手段の搬送面を繋ぐ。
そのため繋ぎ搬送部の搬送面と列方向物品搬送手段との段差が小さく、物品が乗り移りやすい。
【0012】
上記した各態様において、物品載置台に物品受け渡し手段が設置されていることが望ましい。
【0013】
上記した各態様において、物品昇降手段は、物品載置台を昇降させるものであり、一つの物品載置台に物品を載置した状態で物品載置台自体を昇降し、物品の高さを目的の高さに変えるものであることが望ましい。
【0014】
上記した各態様において、物品昇降手段は、隣接して配置された複数の棚部材と、少なくとも一つの前記棚部材を昇降させる昇降手段を有し、前記棚部材にはそれぞれ複数の高さの位置に前記物品載置台があり、前記物品載置台には正方向と逆方向の双方に物品を搬送可能な搬送手段があり、一方の棚部材に属する物品載置台の高さを他方の棚部材に属する物品載置台に合わせ、搬送手段によって一方の棚部材に属する物品載置台から他方の棚部材に属する物品載置台に物品を移動させる往き動作を実行し、さらに棚部材を昇降させることによって、前記他方の棚部材に属する物品載置台の高さを前記一方の棚部材に属する他の高さの物品載置台に合わせ、前記往き動作によって前記他方の棚部材に属する物品載置台に移動させた物品を、搬送手段によって前記一方の棚部材に属し元の物品載置台とは異なる高さの物品載置台に移動させる戻り動作を実行し、必要に応じて前記往き動作と戻り動作を繰り返して物品を所望の高さの位置に移動させることが可能であることが望ましい。
【0015】
上記した各態様において、物品受け渡し手段は、本体部と、移動台を有し、移動台には上部側コロと、下部側コロと、上部側コロ及び下部側コロの相対高さを変更する高さ変更手段があり、下部側コロが下方にあるときは上部側コロが物品との接触部となり、下部側コロは他の部材との接触部となり、下部側コロが回転すると、上部側コロは下部側コロから動力伝動を受けて下部側コロとは逆方向に回転し、下部側コロが上方にあるときは上部側コロが物品及び他の部材との接触部となることが望ましい。
【0016】
上記した各態様において、物品保管装置は、少なくとも列方向に複数の物品配置部が並んだ物品収容列が複数段に渡って設けられた棚と、上記した物品搬送装置を有することを特徴とする物品保管装置である。
【発明の効果】
【0017】
本発明の物品搬送装置及び物品保管装置は、上下方向の移動量が少なく、無駄な動きが少ない。そのため物品搬送装置及び物品保管装置は、物品の収容や排出に要する時間が短い。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態の物品保管装置を採用した倉庫装置の斜視図である。
図2図1のA-A断面図であり、物品搬送装置と棚を図示したものである。
図3】物品搬送装置の物品載置台を昇降させる機構を示す説明図であり、(a)は実体図であり、(b)はチェーンの懸架経路を簡略化して図示したものである。
図4図2の物品搬送装置の物品載置台の斜視図であり、物品受け渡し手段の移動台が本体部に収容された状態を示す。
図5図2の物品搬送装置の物品載置台の斜視図であり、物品受け渡し手段の移動台が棚側に突出した状態を示す。
図6図4図5の物品載置台の断面図であり、物品受け渡し手段の移動台を移動させる機構を示す。
図7図4図5の物品載置台の断面図であり、本体部を昇降させる機構を示す。
図8図4図5の物品載置台の分解斜視図である。
図9図4図5の物品載置台の物品受け渡し手段の移動台のコロ列を示す説明図である。
図10】物品受け渡し手段のコロユニットを示す分解斜視図である。
図11】(a)(b)は、物品受け渡し手段の動作を示す説明図である。
図12】(a)(b)(c)(d)は、棚側から物品搬送装置側に物品を引き込む際における移動台を物品の下に挿入する挿入動作を示す説明図である。
図13】(a)(b)(c)(d)は、棚側から物品搬送装置側に物品を引き込む際における移動台を物品載置台に戻す戻し動作を示す説明図である。
図14】(a)(b)(c)(d)は、物品搬送装置から棚側に物品を挿入する際における動作を示す説明図である。
図15】物品搬送装置の繋ぎ搬送部の斜視図である。
図16】(a)乃至(c)は、物品搬送装置の動作を示す説明図である。
図17】物品搬送装置の側面を簡略化して説明する説明図である。
図18】(a)乃至(d)は、物品搬送装置の物品載置台と繋ぎ搬送部の動作を説明する説明図である。
図19】(a)(b)は、繋ぎ搬送部の変形例を示す側面図である。
図20】物品が棚内に収容された状態を示す正面図である。
図21】本発明の他の実施形態の物品搬送装置の斜視図である。
図22図21に示す物品搬送装置の昇降ユニットの斜視図である。
図23】(a)乃至(e)は、図22の物品搬送装置の動作を示す正面図であり、左五階にある物品載置台から右一階にある繋ぎコンベヤに物品移動させる際の各段階の状況を示す。
図24】(a)乃至(f)は、図22の物品搬送装置の動作を示す正面図であり、左五階にある物品載置台から右一階にある繋ぎコンベヤに物品を連続的に移動させる際の各段階の状況を示す。
図25】(g)(h)は、図22の物品搬送装置の動作を示す正面図であり、左五階にある物品載置台から右一階にある繋ぎコンベヤに物品を連続的に移動させる際の各段階の状況であって図24に続く動作を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下さらに本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態の物品保管装置1a、1b、1cが3台並べて設置された倉庫装置15を示している。
本実施形態の物品保管装置1は、2台の棚2a、2bと、その間に配置された物品搬送装置3(図2)によって構成されている。
【0020】
棚2a、2bは、図1図2の様に、5階建て構造であり、各階に物品配置部5が6部屋ずつ直列的に設けられている。即ち棚2a、2bは、いずれも列方向に6部屋の物品配置部5が並んだ物品収容列17が5段に渡って設けられたものである。
【0021】
物品搬送装置3は、図2の様に下部コンベヤ(列方向物品搬送手段)7と、昇降タワー(物品配置手段)10を有している。
下部コンベヤ7は、床面上であって2台の棚2a、2bの間に設置されている。下部コンベヤ7は、物品Mを棚2a、2bの物品収容列17方向に搬送することができるものである。
下部コンベヤ7は、公知のゾーンコンベヤ8が複数並べられたものである。本実施形態では、ゾーンコンベヤ8は、ローラコンベヤであり、それぞれ個別に駆動源を有し、個別に起動・停止を行うことができる。下部コンベヤ7は、物品を任意の位置(任意のゾーン)に停止させることができる。
【0022】
昇降タワー10は、物品配置手段として機能するものであり、タワー用レール20に沿って自走するタワーフレーム16を有している。
即ち、下部コンベヤ7に沿って一対のタワー用レール20が設置されている。
タワーフレーム16の下部には、走行車輪(列方向走行手段)21があり、当該走行車輪21がタワー用レール20と係合している。走行車輪21は図示しないモータによって回転し、昇降タワー10を下部コンベヤ7に沿って移動させることができる。また昇降タワー10を任意の位置で停止させることもできる。
【0023】
タワーフレーム16の枠内には、図2の様に、物品載置台11a、11bが2基設置されている。
一方の物品載置台11aは、一方の棚2aに対して物品を搬入・搬出する際に使用されるものであり、他方の物品載置台11bは、他方の棚2bに対して物品を搬入・搬出する際に使用されるものである。
【0024】
物品載置台11a、11bは、例えば図3に示すような昇降機構12によって昇降される。
即ち昇降機構12は、図3に示すような懸架経路で長尺状のチェーン13等が懸架されたものであり、チェーン13を矢印の方向に走行させると、物品載置台11aが上昇し、物品載置台11bが降下する。チェーン13を矢印と逆方向に方向に走行させると、物品載置台11aが降下し、物品載置台11bが上昇する。
本実施形態では、物品載置台11と昇降機構12によって物品昇降手段が構成されている。
【0025】
本実施形態では、物品載置台11a、11bは、物品受け渡し手段を兼ねるものであり、本体部22と移動台23を有している。即ち本実施形態では、物品受け渡し手段は、本体部22と移動台23によって構成されている。
本体部22は、ローラコンベヤ装置であり、本実施形態では、図8の様にフレーム63に4本のローラ25が一定の間隔をあけて並列に並べられたものである。ローラ25による搬送方向は、列方向物品搬送手段たる下部コンベヤ7と同方向である。
4本のローラ25の内、一本は、ローラ本体にモータが内蔵されたモータ内蔵ローラであり、他の3本のローラは空転ローラである。4本のローラ25は、隣接するものどうしが図示しない動力伝動ベルトで連結されており、モータ内蔵ローラが回転すると、全てのローラ25が回転する。
【0026】
本体部22の側面には、カムフォロー27が2個ずつ設けられている。カムフォロー27はコロである。
また本体部22の下部には、図7図8の様に直動カム28が設けられ、本体部22のカムフォロー27が直動カム28と接している。直動カム28は、図7図8の様に凹部31と、凸部32がある。直動カム28にはラック82が形成されており、モータで回転するピニオン26がラック82と係合している。直動カム28は、ラック82の回転によって直線移動する。
【0027】
前記した様に本体部22のカムフォロー27が直動カム28と接しており、直動カム28の凹部31にカムフォロー27が落ち込むと本体部22が降下する。また直動カム28が直線移動して直動カム28の凸部32にカムフォロー27が乗り上げると、本体部22が上昇する。
【0028】
移動台23は、図5図8の様に、2条のスリット33を有するフレーム53にコロ列35a、35b、35cが3条設けられたものである。
即ち、移動台23は、3条のコロ列35a、35b、35cを有し、コロ列35a、35b、35c同士の間は細長い開口部となっていてスリット33を構成している。
【0029】
本実施形態では、各コロ列35a、35b、35cは、いずれも図9の様に、2個の上部コロ37と一つの下部コロ38によって一つのコロユニット40が構成され、当該コロユニット40が4組直列的に並べられたものである。
上部コロ37及び下部コロ38は、いずれも短尺であり、その回転軸42、46は、いずれも本体部22のローラ25の回転軸に対して直交する方向にのびている。
従って移動台23の搬送方向は、本体部22の搬送方向と直交する。
【0030】
上部コロ37及び下部コロ38は、いずれも空転するコロであり、動力を持たない。上部コロ37は、下部コロ38と常時接触し、一方が回転すると他方がそれに従動して回転する。
コロユニット40は、前記した様に2個の上部コロ37と一つの下部コロ38によって構成されている。
図9図10図11の様に上部コロ37は、下部コロ38よりも上に並び、下部コロ38は、2個の上部コロ37に挟まれた位置にある。
上部コロ37の回転軸42は、フレームに水平に設けられたガイド用の長孔43と係合しており、水平方向にのみ自由度がある。
一方、下部コロ38の、回転軸46は、フレームに垂直に設けられたガイド用の長孔45と係合しており、垂直方向にのみ自由度がある。
【0031】
また二つの上部コロ37は、ゴム又はバネ等の付勢手段47によって、近接方向に付勢されており、常時、下部コロ38と接している。
下部コロ38には、板カム(高さ変更手段)48に設けられたカム孔50が係合している。カム孔50は、図10図11の様に、高部領域51と、低部領域52がある。
【0032】
板カム48は、図示しない駆動手段によって直線移動し、カム孔50と、下部コロ38の回転軸46との接触位置が変化する。
板カム48の低部領域52と下部コロ38の回転軸46とが係合すると、下部コロ38は図11(a)の様に、降下位置となる。
この状態においては、図11(a)の様に、下部コロ38の下面は、上部コロ37よりも下側に突出する。
【0033】
板カム48が直線移動して高部領域51が下部コロ38の回転軸46と係合すると、下部コロ38が上昇する。ここで前記した様に、上部コロ37は、水平方向に自由度があるから、下部コロ38の上昇によって上部コロ37の間隔が広がり、上部コロ37の間に下部コロ38が割り込む。
この状態においては、図11(b)の様に、下部コロ38の下面は、上部コロ37よりも上の位置となり、下部コロ38は、上部コロ37の間に隠れる。
【0034】
移動台23のフレーム53であって、スリット33の開口側には、ストッパ板55が設けられている。
移動台23のフレーム53の側面には、補助ガイド75が係合している。
移動台23の下方には、移動台23を直線移動させる直線移動手段58が設けられている。
直線移動手段58は、モータ内蔵ローラと空転ローラをプーリとするベルト伝動機構であり、ベルト57の一部が移動台23と係合している。
モータ内蔵ローラが回転し、ベルト57が走行すると、移動台23が直線移動する。
【0035】
物品載置台11は、前記した様に本体部22と移動台(物品受け渡し手段)23を有し、本体部22の上に移動台23が直線移動可能に重ねられたものである。
本体部22の上に移動台23が重なった状態は、図4の通りであり、移動台23のスリット33の位置に本体部22のローラ25がある。
直動カム28の作用によって本体部22が上昇すると、本体部22のローラ25が上昇して、ローラ25の走行面が移動台23よりも上の位置となる。
直動カム28の作用によって本体部22が降下すると、本体部22のローラ25が降下して、ローラ25の走行面が移動台23よりも下に沈む。
また直線移動手段58を駆動することによって、移動台23自体が前進し、図5の様に本体部22から片持ち状に突出する。
【0036】
タワーフレーム16には、前後の位置に繋ぎコンベヤ(繋ぎ搬送部)60が設けられている。繋ぎコンベヤ60は、小型のベルトコンベヤである。即ち繋ぎコンベヤ60は、図15図16の様に、一対のフレーム片61に、駆動プーリ62と従動プーリ65が取り付けられ、駆動プーリ62と従動プーリ65の間にコンベヤベルト66が懸架されたものである。またコンベヤベルト66の内側には、荷重支持用のコロ67が複数配されている。
【0037】
フレーム片61には、図15の様に縦部材68があり、縦部材68には駆動モータ(図示せず)と歯車71が設けられている。
またタワーフレーム16の脚部72には、ラック77が設けられている。繋ぎコンベヤ60の縦部材68は、タワーフレーム16の脚部72の内面と係合しており、繋ぎコンベヤ60の縦部材68はタワーフレーム16の脚部72に沿って移動する。また繋ぎコンベヤ60の歯車71が、タワーフレーム16内のラック77と係合している。そのため駆動モータによって歯車71が回転されると、繋ぎコンベヤ60は、タワーフレーム16の前面又は後面側を昇降する。
繋ぎコンベヤ60は、一定の高さの位置を待機位置としている。待機位置の高さは、タワーフレーム16の下部側であって、その下を物品Mが通過できる程度の高さである。
【0038】
本実施形態では、繋ぎコンベヤ60は、ベルトコンベヤであり、駆動プーリと従動フーリの径は同じであるが、図19(a)の様に、自由端側のプーリの径を小さくしてもよい。また繋ぎコンベヤ60は、ローラコンベヤであってもよい。図19(b)に示す例では、自由端側のローラに小径のものが採用されている。
【0039】
図2図15の様に、繋ぎコンベヤ60は、タワーフレーム16の前後に張り出している。また繋ぎコンベヤ60の搬送面は、図2図15図16等の様に自由端側が下向きに傾斜している。繋ぎコンベヤ60の自由端側の先端には、ガイド板73が設けられている。
本実施形態では、繋ぎコンベヤ60は、傾斜姿勢で取り付けられており、傾斜角度は一定であるが、コンベヤ部分を揺動可能とし、繋ぎコンベヤ60が降下した時に下部コンベヤ7と接触して傾斜角度が決まるものであってよい。
【0040】
次に、物品保管装置1の機能について説明する。
物品保管装置1の棚2の物品配置部5には、図20に示すように物品Mが収容される。物品Mは、パレット80に載置されており、物品配置部5は床面81に対して一定の高さに保持されている。
【0041】
最初に棚2から物品Mを取り出す際の動作を説明する。
物品保管装置1から物品Mを取り出す際には、タワーフレーム16の走行車輪21を駆動して物品収容列17の所望の物品Mが載置された部分の前に昇降タワー(物品配置手段)10を移動させる。そして一方の物品載置台11を上昇させ、所望の物品Mが収容された物品配置部5の高さに物品載置台11を合わせる。
続いて移動手段58を駆動し、移動台23自体を物品載置台11から棚2側に向かって前進させ、図5の様に本体部22から片持ち状に突出させる。このとき、本体部22のローラ25は降下させておく。
【0042】
また図12(a)の様に、下部コロ38は降下位置としておく。
この状態においては、図12(a)の様に、下部コロ38の下面は、上部コロ37よりも下側に突出する。
移動台23自体を前進させ、物品配置部5に達すると、下部コロ38が物品配置部5の床面81と接する。そして移動台23が前進することにより、下部コロ38が回転する。下部コロ38は、移動台23を前進させる力によって回転するので、その回転方向は、図12(a)の様に、移動台23の前進方向に対して順方向となる。
【0043】
上部コロ37は、下部コロ38と常時接触しているから、上部コロ37は下部コロ38から回転力を受け、移動台23の前進方向に対して逆方向に回転する。
移動台23が前進し、図12(b)の様に移動台23の先頭のコロ37がパレット80の端部に当たる。先頭の上部コロ37は、図12(b)の様にパレット80をすくい上げる方向に回転するので、パレット80の端部が移動台23の先端部に乗り上げる。
【0044】
移動台23がさらに前進すると、図12(c)の様に移動台23はパレット80と床面81の間にもぐり込む。
そのため、移動台23の前進によって、パレット80は押し込み方向の力を受け、棚2の奥側に向かって移動しようとする。
一方、この状態においては、図11(a)、図12(c)の様に、上部コロ37がパレット80の底面と接触する。
【0045】
ここで上部コロ37は、移動台23の前進方向に対して逆方向に回転する。そのため上部コロ37によってパレット80は、昇降タワー10側に移動する方向に付勢される。即ち、移動台23の前進によって、パレット80は、棚2に押し込む方向の力を受け、押し込み方向に移動するが、上部コロ37によって逆方向に力を受け、昇降タワー10側に移動する。そのため移動台23の前進によるパレット80の押し込み方向の移動が、上部コロ37の作用による入り口側に向かう移動に相殺され、図12(c)の様にパレット80はその場所に留まる。
従って、パレット80の位置を変えることなく、図12(d)の様に移動台23はパレット80の下にもぐり込む。なお移動台23は完全にパレット80の真下に完全にもぐり込ませてもよいが、本実施形態では、図12(d)の様に、パレット80が浮き上がる程度にもぐり込んだ状態とする。
【0046】
続いて、図13の様に、移動台23を本体部22側に引き戻す。
移動台23を引き戻す際には、図11(b)の様に、下部コロ38を上昇させる。
この状態においては、図13(b)の様に、下部コロ38は上部コロ37に隠れ、下部コロ38は床面81から浮き上がる。
そのため上部コロ37が床面81に接地することとなる。
【0047】
そして移動台23自体を後退させる。前記した様に、上部コロ37及び下部コロ38はいずれも動力を持たないので、上部コロ37は床面81の接触と移動台23の後退によって回転する。
一方、上部コロ37とパレット80との関係を見ると、上部コロ37はパレット80を本体部22側に引き戻す方向に作用する。そのため図13(c)の様にパレット80は、上部コロ37によって移動台23上を移動する。
この様に、パレット80は、移動台23自体の後進移動に加え、上部コロ37からの付勢によっても本体部22側に移動する。そのためパレット80は、高速でより長い距離、本体部22側に引き戻される。
【0048】
従って、図13(a)の様に、パレット80に半分程度、移動台23がもぐり込んだ状態であったとしても、図13(d)の様に、移動台23が本体部22に戻った際には、パレット80は移動台23の中央に納まっている。なお移動台23にはストッパ板55が設けられているので、パレット80が移動台23を行き過ぎてしまうことはない。
【0049】
パレット80が物品載置台11の本体部22側に移動すると、直ちに本体部22のローラ25を上昇させ、パレット80を移動台23から本体部22のローラ25に乗せ変える。
【0050】
そして物品載置台11を図18(a)の様に最下部まで降下させる。
これと並行して繋ぎコンベヤ60を降下させる。この際の物品載置台11と繋ぎコンベヤ60及び下部コンベヤ7の位置関係は、図16図18(a)の様である。即ち繋ぎコンベヤ60は傾斜姿勢であり、走行面の上端は、物品載置台11のローラ25と略同じ高さにある。また繋ぎコンベヤ60の走行面の下端は下部コンベヤ7の走行面の近傍の高さとなり、ガイド板73は、下部コンベヤ7の走行面と接する。
【0051】
そしてこの状態で、物品載置台11のローラ25と繋ぎコンベヤ60を駆動する。その結果、図18(b)の様に、パレット80は、物品載置台11上を繋ぎコンベヤ60に向かって進行し、繋ぎコンベヤ60に乗り移る。そして傾斜した走行面を下り、図18(c)の様に、下部コンベヤ7に引き渡される。パレット80は、下部コンベヤ7によって端部に排出される。
パレット80が下部コンベヤ7に乗り移ると、図18(d)の様に物品載置台11を上昇させる。また繋ぎコンベヤ60についても待機位置まで上昇させる。その結果、下部コンベヤ7上に障害物が無くなり、他の物品Mを通過させることができる。
【0052】
物品保管装置1に物品Mを収容する場合には、概ね前記した工程と逆の工程をたどる。即ち物品を下部コンベヤ7の端部に乗せる。
これと並行して走行車輪21を駆動して物品Mを収容すべき列に昇降タワー10を移動させる。そして一方の物品載置台11を最下部に降下させる。また並行して繋ぎコンベヤ60を降下させ、物品載置台11のローラ25と下部コンベヤ7の走行面を繋ぎコンベヤ60で繋ぐ。
【0053】
そして下部コンベヤ7を駆動して、物品Mを昇降タワー10の位置まで移動させ、さらに繋ぎコンベヤ60に乗せる。
ここで繋ぎコンベヤ60のガイド板73が下部コンベヤ7の走行面と接しているので、下部コンベヤ7から繋ぎコンベヤ60への乗り移りは円滑に行われる。そして繋ぎコンベヤ60の傾斜面を物品Mが昇り、物品載置台11に引き入れられる。
【0054】
その後、物品載置台11を所望の高さに上昇し、これと並行して本体部22のローラ25を降下させ、パレット80を本体部22のローラ25から移動台23に乗せ変える。
そして図14の様に物品載置台11から移動台23を突出させてパレット80に乗せられた物品Mを棚2の物品配置部5に移す。
【0055】
この際の挙動は図14の通りである。
即ち図14(a)の様に移動台23にパレット80が乗った状態から図14(b)の様に移動台23を突出させる。このとき、図11(b)のように下部コロ38を上昇させておく。
この状態においては、図14(a)(b)の様に、下部コロ38は上部コロ37に隠れ、下部コロ38は床面81から浮き上がる。
【0056】
移動台23自体を前進させ、物品配置部5に達すると、下部コロ38が物品配置部5の床面81と接する。そして移動台23が前進することにより、上部コロ37が回転する。上部コロ37は、移動台23を前進させる力によって回転するので、その回転方向は、図14(b)の様に、移動台23の前進方向に対して順方向となる。
そのためパレット80は、移動台23上で上部コロ37によって前進する。
移動台23上のパレット80は、移動台23自体の前進移動に加え、上部コロ37からの付勢によっても前方に移動する。そのためパレット80は、高速かつ長い距離を棚2側に移動する。
その結果、図14(b)の様に、パレット80は、先端側が移動台23から突出し、一部が棚2の床面81に着地する。
【0057】
この状況に至ると、図14(c)の様に、下部コロ38を降下させ、さらに移動台23を本体部22側に戻す。
移動台23が後退することにより、下部コロ38が回転する。下部コロ38は、移動台23を後退させる力によって回転するので、その回転方向は、図14(c)の様に、移動台23の後退方向に対して順方向となる。
【0058】
上部コロ37は、下部コロ38と常時接触しているから、上部コロ37は下部コロ38から回転力を受け、移動台23の後退方向に対して逆方向に回転する。
そのため、移動台23の後退によって、パレット80は、本体部22の方向の力を受け、昇降タワー10側に向かって移動しようとする。
一方、この状態においては、図14(c)の様に、上部コロ37がパレット80の底面と接触する。
【0059】
ここで上部コロ37は、移動台23の後退方向に対して逆方向に回転する。そのため上部コロ37によってパレット80は、奥側に移動する方向に付勢される。
即ち、移動台23の後退によって、パレット80は、引き込み方向の力を受け、昇降タワー10側に移動するが、上部コロ37によって逆方向に力を受け、棚2の奥側に移動する。そのため移動台23の後退によるパレット80の引き込み方向の移動が、上部コロ37の作用による奥側に向かう移動に相殺され、パレット80はその場所に留まる。
従って、パレット80の位置を変えることなく、図14(d)の様に移動台23はパレット80から離れ、本体部22側に戻る。
【0060】
以上のように本実施形態の物品搬送装置3では、物品Mを収容する際に、物品載置台11を下部コンベヤ(列方向物品搬送手段)7の下まで下ろす必要がない。そのため物品載置台11の上下方向の移動量が少なく、搬送効率が高い。
【0061】
次に物品搬送装置の第2実施形態について説明する。
前記した第1実施形態の物品搬送装置3では、物品載置台11に移動台(物品受け渡し手段の一部)23を設け、物品Mを移動台23に載置した状態で上下に昇降させたのに対し、第2実施形態の物品搬送装置200では、物品を昇降させる装置を別途設けた点が相違する。
【0062】
第2実施形態の物品搬送装置200では、物品昇降手段は、隣接して配置された複数の棚部材106、107と、少なくとも一つの前記棚部材を昇降させる昇降手段を有している。棚部材106、107にはそれぞれ複数の高さの位置に物品載置台がある。なお棚部材106、107に設けられた物品載置台は、前記したものとは構造が違うので、両者を区別するために単に載置台と称する。棚部材106、107の載置台には正方向と逆方向の双方に物品を搬送可能な搬送手段がある。一方の棚部材106、107に属する載置台の高さを他方の棚部材106、107に属する載置台に合わせ、搬送手段によって一方の棚部材に属する載置台から他方の棚部材106、107に属する載置台に物品を移動させる往き動作を実行し、さらに棚部材を昇降させることによって、前記他方の棚部材106、107に属する載置台の高さを前記一方の棚部材に属する他の高さの載置台に合わせる。往き動作によって前記他方の棚部材106、107に属する載置台に移動させた物品を、搬送手段によって一方の棚部材に属し元の載置台とは異なる高さの載置台に移動させる戻り動作を実行する。また必要に応じて前記往き動作と戻り動作を繰り返して物品を所望の高さの位置に移動させる。
【0063】
第2実施形態の物品搬送装置200は、図21の様な、昇降ユニット102を物品昇降手段とし、昇降ユニット102を中心としてその前後に物品載置台11a、11bと、繋ぎコンベヤ(繋ぎ搬送部)60を設けたものである。
物品載置台11a、11bは、前記した実施形態と同様に昇降機能を有し、任意の高さに停止することができる。
繋ぎコンベヤ(繋ぎ搬送部)60は、前記した実施形態と同様に下部の近傍にあり、下部の近傍で昇降する。
【0064】
昇降ユニット102は、図21図22の様に、2基の棚部材106、107と昇降手段108が組み合わされたものである。説明の便宜上、各図の左側に描かれた棚部材106を第一棚部材106と称し、右側に描かれた棚部材107を第二棚部材107と称する。
【0065】
第一棚部材106と第二棚部材107は、境界部分のコロ131及びガイド132の部分を除いて同一構造であるから、代表して第一棚部材106について説明する。
第一棚部材106は、図22の様な昇降枠118aを有し、当該昇降枠118aの中に、4階構造の載置台A(物品載置台)が設置されたものである。
説明の便宜上、各階の載置台Aを一階載置台A1、二階載置台A2、三階載置台A3、四階載置台A4と称する。
4基の載置台Aは、高さ方向に一定の間隔をあけて、昇降枠118内に設置されている。載置台Aの各階の高さ間隔は同じである。
【0066】
各階の載置台Aの構造は、いずれも同一であり、小型のコンベヤ装置(搬送手段)110が設置されている。コンベヤ装置110は、フレームにモータ内蔵ローラ112と、従動ローラ113が取り付けられたものである。モータ内蔵ローラ112は、ローラ本体内にモータ(図示せず)と減速機(図示せず)が内蔵されたものであり、内部のモータに通電することによってローラ本体が回転する。従動ローラ113は、自由回転するローラである。
モータ内蔵ローラ112と従動ローラ113との間、及び従動ローラ113同士の間には、ベルト115が懸架されており、モータ内蔵ローラ112が回転すると、他の従動ローラ113が従属して回転する。
本実施形態では、各載置台Aに設置されたコンベヤ装置110は、正方向と逆方向の双方に物品Mを搬送することができる。
【0067】
各階の載置台Aには、在荷センサー117が設けられている。在荷センサー117は、透過形の光電センサーであり、投光部材(図示せず)と受光部材121を有し、投光部材が発する光を受光部材121が受光する。物品Mによって光が遮られ、受光部材121が光を受光できなくなったことで、載置台A上に物品Mがあることを検知する。
在荷センサー117の種類は限定されるものではなく、反射形の光電センサーであってもよい。また他の物理現象を利用したものであってもよい。
【0068】
第二棚部材107は、前記した様に第一棚部材106と同じ構造であるので、共通の番号を付すことによって重複した説明を省略する。
ただし説明の便宜上、第二棚部材107は、各階の載置台のアルファベット記号A、aをB、bに変更している。
従って、第二棚部材107は、図22の様な昇降枠118bを有し、当該昇降枠118bの中に、4階構造の載置台Bが設置されたものである。
各階の載置台を一階載置台B1、二階載置台B2、三階載置台B3、四階載置台B4と称する。
【0069】
第一棚部材106と第二棚部材107は、後記する様に隣接した状態で外郭フレーム130につり下げ配置されるが、隣接状態における第一棚部材106と第二棚部材107の境界部分には、コロ131とガイド132が設けられている。
即ち第一棚部材106の昇降枠118aであって、第二棚部材107に面する縦材120aに、コロ131が設けられている。
対する第二棚部材107の昇降枠118bであって、第一棚部材106に面する縦材120bには、ガイド132が設けられている。
また第一棚部材106と第二棚部材107の、隣接状態における外側部分には、コロ133が設けられている。
【0070】
昇降ユニット102の外郭フレーム130は、図21の様に、鋼材で直方体に枠組みされたものである。
図21図22に示す様に、外郭フレーム130の内側であって、上端側の位置には、上部スプロケット135、136が2個ずつ設けられている。また外郭フレーム130の内側であって、下端側の位置にも、下部スプロケット137、138が2個ずつ設けられている。
外郭フレーム130の角に設置された4本の縦材123には、ガイド(図示せず)が設置されている。
【0071】
第一棚部材106と第二棚部材107は、チェーンやワイヤー等の線材(連接手段)140で外郭フレーム130につり下げられている。本実施形態では、線材140としてチェーンが採用されている。
即ち第一棚部材106の昇降枠118aと、第二棚部材107の昇降枠118bの天面部同士が、線材140で接合されている。具体的には、線材140の一端に昇降枠118aが接続され、線材140の他端に昇降枠118bが接続されている。
そして図21図22の様に線材140の中間部が外郭フレーム130の上端側に設置された上部スプロケット135、136と係合している。
その結果、昇降枠118a、118bの重量は、上部スプロケット135、136で支持され、第一棚部材106と第二棚部材107は上部スプロケット135、136から垂下した線材140でつり下げられた状態となっている。
【0072】
また昇降枠118a、118bの下部側に目を移すと、昇降枠118a、118bの下部側においても、底面部同士が、線材141で接合され、線材141が外郭フレーム130の下部側に設置された下部スプロケット137、138と係合している。
その結果、第一棚部材106と第二棚部材107は、線材140、141を介して環状に連結された状態となっており、てんびんの如くに、一方を上昇させると他方が同じ距離だけ降下する。
なお昇降枠118a、118bのコロ133と、外郭フレーム130の角の縦材に設けられたガイド(図示せず)とが係合している。
また昇降枠118a、118b同士は、境界部分に設けられたコロ131とガイド132が係合している。
そのため第一棚部材106と第二棚部材107は、上下方向にのみ自由度を有している。
【0073】
次に昇降手段108について説明する。
本実施形態では、クランク機構を応用した昇降手段108が採用されている。
具体的には昇降手段108は、図22の様に、回転円板150と、棒状リンク151を有している。そして回転円板150と棒状リンク151は、ピン152によって回動可能に接続されている。また棒状リンク151の他端と昇降枠118aの間も、ピン153によって回動可能に接続されている。
【0074】
回転円板150は、ギヤードモータ143によってゆっくりと回転する。また図示しないエンコーダやリミットスイッチによって、回転円板150の停止位置が決められている。
本実施形態では、回転円板150の回転中心155の略真上にピン152が位置する上昇位置と、回転円板150の回転中心155の略真下にピン152が位置する降下位置で回転円板150が停止する。
【0075】
本実施形態では、回転円板150が上昇位置で停止すると、第一棚部材106と第二棚部材107の高さがずれ、第一棚部材106が上となり、第二棚部材107が下となる。
そして二つの棚部材106、107の各階の載置台A、Bは、一段ずつずれた状態で高さが揃う。
本実施形態では、第一棚部材106は、一階載置台A1、二階載置台A2、三階載置台A3、四階載置台A4を有し、第二棚部材107も、一階載置台B1、二階載置台B2、三階載置台B3、四階載置台B4を有しているが、回転円板150が上昇位置で停止すると、第一棚部材106の一階載置台A1と第二棚部材107の二階載置台B2が同じ高さとなり、第一棚部材106の二階載置台A2と第二棚部材107の三階載置台B3が同じ高さとなり、第一棚部材106の三階載置台A3と第二棚部材107の四階載置台B4が同じ高さとなる(図23(a))。
【0076】
また回転円板150が降下位置で停止すると、第一棚部材106と第二棚部材107の高さがずれ、第二棚部材107が上となり、第一棚部材106が下となる。
そして二つの棚部材106、107の各階の載置台A、Bは、一段ずつずれた状態で高さが揃う。
即ち第一棚部材106の二階載置台A2と第二棚部材107の一階載置台B1が同じ高さとなり、第一棚部材106の三階載置台A3と第二棚部材107の二階載置台B2が同じ高さとなり、第一棚部材106の四階載置台A4と第二棚部材107の三階載置台B3が同じ高さとなる(図23(b))。
【0077】
本実施形態の昇降ユニット102では、一方の棚部材106、107に属する載置台A、Bを、他方の棚部材107、106に属する載置台A、Bに合わせ、この状態で載置台A、Bのコンベヤ装置(搬送手段)110によって一方の棚部材106、107に属する載置台A、Bから他方の棚部材106、107に属する載置台A、Bに物品Mを移動させる往き動作を実行する。
次いで昇降手段108を駆動して第一棚部材106と第二棚部材107を昇降し、一方の棚部材106、107に属する載置台A、Bの高さを他方の棚部材106、107に属する他の高さの載置台A、Bに合わせる。
そして先に往き動作によって移動させた物品Mを、搬送手段によって一方の棚部材106、107に属し元の載置台A、Bとは異なる高さの載置台に移動させる戻り動作を実行する。
さらに必要に応じて前記往き動作と戻り動作を繰り返す。その結果、物品Mは、隣接する棚部材106、107に属する載置台A、Bの間をジグザグ状に往復し、高さが変わり、所望の高さに排出される。
【0078】
以下、具体例を挙げて説明する。
本実施形態では、往き動作及び戻り動作は、いずれも同じ高さの載置台A、Bのコンベヤ装置(搬送手段)110を駆動して行う。即ち物品Mが載置されている載置台A、Bのコンベヤ装置110を他方の載置台A、B方向に駆動して、載置されている物品Mを他方の載置台A、Bに送り出す。一方、他方の載置台A、Bは、物品Mを自己の載置台A、Bに引き入れる様にコンベヤ装置110を駆動する。
【0079】
本実施形態では、各載置台A、Bに在荷センサー117が設けられているから、自己の載置台A、Bに物品Mが有るか無いかを識別することができる。
本実施形態では、自己の載置台A、Bに物品Mがあり、且つ搬送先の載置台A、Bに物品Mが無いことを条件として載置台A、Bのコンベヤ装置110が駆動され、往き動作や戻り動作が行われる。
【0080】
また物品載置台11a、11bと棚部材106、107の載置台A、Bとの間でも物品Mの受け渡しが行われる。同様に繋ぎコンベヤ60と棚部材106、107の載置台A、Bとの間でも物品Mの受け渡しが行われる。
本実施形態では、物品載置台11a、11bと繋ぎコンベヤ60にも在荷センサーが設けられており、繋ぎコンベヤ60等に物品Mが有るか無いかを識別することができる。
本実施形態では、物品載置台11a、11b及び繋ぎコンベヤ60と棚部材106、107の載置台A、Bとの間での物品Mの受け渡し動作の条件は、前記した載置台A、Bの物品Mの受け渡し条件と同じであり、自己の物品載置台11a、11b、繋ぎコンベヤ60、載置台A、Bに物品Mがあり、且つ搬送先に物品Mが無いことを条件としてコンベヤ装置110や本体部22等が駆動され、物品Mが受け渡される。
【0081】
一例として物品Mを左五階にある物品載置台11aから右一階にある繋ぎコンベヤ60に物品Mを移動させる場合の動作について説明する。
図23は、左五階で停止している物品載置台11から右一階で停止している繋ぎコンベヤ60に物品Mを移動させる際の各段階の状況を示している。
【0082】
最初に昇降手段108を駆動して図23(a)の様に、第一棚部材106が第二棚部材107よりも上の高さとなる状態で停止する。この状態においては、左五階に停止している物品載置台11と第一棚部材106の四階載置台A4の高さが合致する。
この姿勢を維持したままの状態で、物品載置台11の本体部22のローラコンベヤ装置と、四階載置台A4のコンベヤ装置110を駆動し、物品載置台11から物品Mを送り出し、四階載置台A4で物品Mを引き入れる。
【0083】
図23(a)の状態では、左五階に停止している物品載置台11に物品Mがあるから、物品載置台11の在荷センサーは物品Mを検知している。一方、第一棚部材106の四階載置台A4は空き状態であるから、在荷センサー117は、物品Mを検知しない。そのため物品載置台11のコンベヤ装置111と、四階載置台A4のコンベヤ装置110の駆動条件が充足され、コンベヤ装置111、コンベヤ装置110が駆動される。
物品載置台11の在荷センサーが物品Mを検知しなくなり、且つ四階載置台A4の在荷センサー117が物品Mを検知し、その後、少しだけ四階載置台A4のコンベヤ装置110の駆動を維持した後、コンベヤ装置110、111を停止する。
その結果、物品Mは、物品載置台11から四階載置台A4に移動する。
【0084】
続いて、昇降手段108を駆動し、図23(b)の様に第二棚部材107が第一棚部材106よりも上の高さとなる状態で停止する。この状態においては、第一棚部材106の四階載置台A4の高さは、第二棚部材107の三階載置台B3と合致する。
この姿勢を維持したままの状態で、第一棚部材106の四階載置台A4のコンベヤ装置110と、第二棚部材107の三階載置台B3のコンベヤ装置110を駆動し、四階載置台A4から物品Mを送り出し、三階載置台B3で物品Mを引き入れる。こうして往き動作を実行する。四階載置台A4の在荷センサー117が物品Mを検知しなくなり、且つ三階載置台B3の在荷センサー117が物品Mを検知し、その後、少しだけ三階載置台B3のコンベヤ装置110の駆動を維持した後、コンベヤ装置110、111を停止する。
その結果、物品Mは、第一棚部材106の四階載置台A4から第二棚部材107の三階載置台B3に移動する。
【0085】
続いて、昇降手段108を再度駆動し、図23(c)の様に第一棚部材106が第二棚部材107よりも上の高さとなる状態で停止する。この状態においては、第二棚部材107の3階載置台B3の高さは、第一棚部材106の二階載置台A2と合致する。
この姿勢を維持したままの状態で、第二棚部材107の三階載置台B3のコンベヤ装置110と、第一棚部材106の二階載置台A2のコンベヤ装置110を駆動し、三階載置台B3から物品Mを送り出し、二階載置台A2で物品Mを引き入れる。こうして戻り動作を実行する。
【0086】
さらに続いて、昇降手段108を再度駆動し、図23(d)の様に第二棚部材107が第一棚部材106よりも上の高さとなる状態で停止して第一棚部材106の二階載置台A2と第二棚部材107の一階載置台B1の高さを揃え、コンベヤ装置110を駆動して二階載置台A2から一階載置台B1に物品Mを移動させる。こうして二回目の行き動作を実施する。
【0087】
さらに続いて、昇降手段108を再度駆動し、図23(e)の様に第一棚部材106が第二棚部材107よりも上の高さとなる状態で停止して一階載置台B1と右一階ステーションR1の高さを揃え、コンベヤ装置110、111を駆動して一階載置台B1から繋ぎコンベヤ60に物品Mを搬出する。
この様に、物品Mをジグザグ状に移動し、高さを少しずつ変化させて所望の高さに物品Mを出し入れする。
【0088】
図23で説明した使用例は、物品Mの高さを下げて行く場合であるが、もちろん、高さを上げて上階に物品Mを持ち上げることもできる。
【0089】
以上説明した使用例では、物品Mを一個ずつ移動させたが、物品Mを連続的に移動させることもできる。
図24図25は、前記した図23の例と同様に、左五階に停止する物品載置台11から右一階に停止する繋ぎコンベヤ60に物品Mを移動させる例であるが、一つの物品M1が、目的地に到達するまでの間に次の物品M2が物品載置台11に到達し、四階載置台A4に導入される。
即ち図24では、(a)(b)の段階は先に例示した図23と同じであるが、図24(c)で、ステーション装置の左五階に停止する物品載置台11の高さに空状態の四階載置台A4が上昇した段階で、次の物品M2を四階載置台A4に移動させる。
その結果、追加された物品M2は、先の例に習って目的の右一階に停止している繋ぎコンベヤ60に到達する。
【0090】
先行する物品M1に関する動きは、前記した図23の場合と同じである。
後から搬入された物品M2についても、前記した図23の場合と同じ移動軌跡を辿って目的の繋ぎコンベヤ60に到達する。
【0091】
そして物品Mを載置した状態で繋ぎコンベヤ60を降下し、繋ぎコンベヤ60の走行面の下端を下部コンベヤ7の走行面の近傍の高さに下げる。このときガイド板73は、下部コンベヤ7の走行面と接する。
【0092】
そしてこの状態で、繋ぎコンベヤ60を駆動する。その結果、先の実施形態と同様に、物品Mは繋ぎコンベヤ60の傾斜した走行面を下り、下部コンベヤ7に引き渡される。パレット物品Mは、下部コンベヤ7によって端部に排出される。
物品Mが下部コンベヤ7に乗り移ると、繋ぎコンベヤ60を待機位置まで上昇させる。その結果、下部コンベヤ7上に障害物が無くなり、他の物品Mを通過させることができる。
【0093】
第2実施形態の物品搬送装置200では、昇降ユニット102とは別途に物品載置台11a、11bを設けたが、昇降ユニット102の各載置台に移動台23を取り付け、物品載置台11と同様の機能を持たせてもよい。即ち載置台を物品載置台11として機能させ、載置台と棚2との間で直接、物品Mの受け渡しを行ってもよい。
【0094】
上記した各実施形態では、物品受け渡し手段として上部コロ37と下部コロ38を備えたコロユニット40を採用した。上記した各実施形態では、上部コロ37及び下部コロ38は、いずれも動力を持たず、他の部材と接することによって回転する。
本発明は、物品受け渡し手段の構成を限定するものではなく、動力を有するコロやベルトコンベヤを利用したものであってもよい。
例えば、プッシャ等を有する物品載置台を採用し、プッシャ等で物品載置台上の物品Mを棚2側に押し出してもよい。また棚2側にコンベヤを設け、物品搬送装置から棚2のコンベヤに物品を引き渡してもよい。
物品受け渡し手段は、ロボットであってもよい。
【符号の説明】
【0095】
1 物品保管装置
2 棚
3 物品搬送装置
7 下部コンベヤ(列方向物品搬送手段)
10 昇降タワー(物品配置手段)
11 物品載置台
12 昇降機構
16 タワーフレーム
21 走行車輪
22 本体部
23 移動台
37 上部コロ
38 下部コロ
47 付勢手段
48 板カム(高さ変更手段)
60 繋ぎコンベヤ(繋ぎ搬送部)
200 物品搬送装置
102 昇降ユニット(物品昇降手段)
106 第一棚部材(物品載置台)
107 第二棚部材(物品載置台)
110 コンベヤ装置(搬送手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
【手続補正書】
【提出日】2023-02-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、移動部材を有し、前記移動部材は直線移動して本体部から片持ち状に突出することが可能であり、前記移動部材には上部側コロと、下部側コロと、上部側コロ及び下部側コロの相対高さを変更する高さ変更手段があり、
下部側コロが下方にあるときは上部側コロが物品との接触部となり、下部側コロが回転すると、上部側コロは下部側コロから動力伝動を受けて下部側コロとは逆方向に回転することを特徴とする物品受け渡し手段。
【請求項2】
本体部と、移動部材を有し、前記移動部材は直線移動して本体部から片持ち状に突出することが可能であり、前記移動部材には上部側コロと、下部側コロと、上部側コロ及び下部側コロの相対高さを変更する高さ変更手段があり、下部側コロが下方にあるときは上部側コロが物品との接触部となり、下部側コロは他の部材との接触部となり、下部側コロが回転すると、上部側コロは下部側コロから動力伝動を受けて下部側コロとは逆方向に回転し、下部側コロが上方にあるときは上部側コロが物品及び他の部材との接触部となることを特徴とする物品受け渡し手段。
【請求項3】
物品受け渡し手段は、他の部材に対して物品を入れ及び/又は出すものであり、
移動部材は直線移動させる際に下部側コロを下方に配置して下部側コロを他の部材と接触させて下部側ころを回転させることが可能であり、且つ移動部材は直線移動させる際に下部側コロを上方に配置して上部側コロを他の部材と接触させて上部側ころを回転させることも可能であることを特徴とする請求項1に記載の物品受け渡し手段。
【請求項4】
上部側コロは、下部側コロと常時接触していることを特徴とする請求項1に記載の物品受け渡し手段。
【請求項5】
上部側コロは水平方向に自由度があり、下部側コロは垂直方向に自由度があることを特徴とする請求項1に記載の物品受け渡し手段。
【請求項6】
下部側コロの回転軸が係合するガイド用の長孔があることを特徴とする請求項1に記載の物品受け渡し手段。
【請求項7】
本体部にはローラがあり、前記移動部材にはスリットがあり、当該スリットの位置に前記ローラがあり、前記ローラの走行面が移動部材よりも上の位置となる状態と、前記ローラの走行面が移動部材よりも下に沈む状態を作ることができることを特徴とする請求項1に記載の物品受け渡し手段。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載の物品受け渡し手段を使用して他の部材から物品を取り出す方法であって、
下部側コロの下面を上部側コロよりも下側に突出させた状態で移動部材を物品の下に入れ、
移動部材自体を前進させ、下部側コロを前記他の部材と接させることによって、下部側コロを移動部材の前進方向に対して順方向に回転させ、上部側コロを下部側コロからの回転力を受けさせて移動部材の前進方向に対して逆方向に回転させて物品を移動部材に載せる工程を有することを特徴とする物品取り出し方法。
【請求項9】
請求項1乃至7のいずれかに記載の物品受け渡し手段を使用して他の部材から物品を取り出す方法であって、
物品を移動部材に載せた状態で下部側コロを上昇させて上部側コロを他の部材に接地させ、移動部材自体を後退させて上部側コロを前記他の部材との接触によって回転させて上部側コロによって物品を移動部材上で移動させる工程を有することを特徴とする物品取り出し方法。
【請求項10】
請求項1乃至7のいずれかに記載の物品受け渡し手段を使用して物品受け渡し手段から物品を他の部材に移す方法であって、
移動部材に物品が乗った状態であって且つ下部側コロが上昇した状態で移動部材を突出させ、下部側コロを他の部材と接触させて移動部材が前進することにより上部側コロを移動部材の前進方向に対して順方向に回転させ、物品を移動部材上で上部側コロによって前進させる工程を有することを特徴とする物品を他の部材に移す方法。
【請求項11】
請求項1乃至7のいずれかに記載の物品受け渡し手段を使用して物品受け渡し手段から物品を他の部材に移す方法であって、
下部側コロを降下させ、さらに移動部材を本体部側に戻し、移動部材が後退することにより、下部側コロを回転させ、上部側コロを下部側コロから回転力を受けさせて当該上部側コロを移動部材の後退方向に対して逆方向に回転させる工程を有することを特徴とする物品を他の部材に移す方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品受け渡し手段に関するものである。本発明の関連発明は、棚の近傍に設置されて棚の各部に物品を配置する物品搬送装置に関するものである。また本発明は、物品保管装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
大型の自動倉庫に適した物品保管装置が特許文献1に開示されている。
特許文献1に開示された物品保管装置は、上下2段のラック構造を有した棚と、物品を棚に格納したり、棚に格納された物品を取り出す物品搬送装置によって構成されている。
【0003】
従来技術の物品搬送装置は、下部に物品を水平方向に搬送する下部コンベヤを有している。また従来技術の物品搬送装置は、鉛直搬送装置を有している。鉛直搬送装置は、物品を載置するための載置部と、当該載置部を昇降する昇降手段を有している。鉛直搬送装置自体は自走機能を有し、下部コンベヤに沿って直線移動する。
【0004】
従来技術の物品搬送装置では、下部コンベヤは、複数の区画に分かれたチェーンコンベヤ群によって構成されている。各区画のチェーンコンベヤは、チェーンが一定の間隔をあけて2列に配置されたものである。
従来技術においては、鉛直搬送装置の載置部にもコンベヤが設置されている。
【0005】
従来技術の物品搬送装置を使用して棚に物品を収容する際には、鉛直搬送装置を自走させ、目標とする収容部の横に鉛直搬送装置を移動する。そして載置部を降下させ、チェーンコンベヤのチェーンの間に沈める。
続いて下部コンベヤを駆動し、沈めた載置部の上に物品を移動させる。その後、載置部を上昇させて物品をすくい上げ、さらに載置部を目標の収容位置の高さまで持ち上げる。
そして載置部に搭載されたコンベアを駆動し、物品を所望の高さの収容部に収容する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2015-44639号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来技術の物品搬送装置は、載置部を下部コンベヤの下に降下させ、下から物品をすくい上げて物品を載置部に乗せる。
そのため従来技術の物品搬送装置は、載置部の上下方向の移動距離が長く、搬送効率が悪い。
本発明の関連発明は、従来技術の上記した問題点に注目し、上下方向の移動量が少なく、搬送効率の高い物品搬送装置及び物品保管装置を開発することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した課題を解決するための態様(関連発明)は、棚に隣接して設置され、当該棚に対して物品を入れ及び/又は出す物品搬送装置において、前記棚は、少なくとも列方向に複数の物品配置部が並んだ物品収容列が複数段に渡って設けられたものであり、前記物品搬送装置は、列方向物品搬送手段と物品配置手段を有し、前記列方向物品搬送手段は、物品を前記棚の物品収容列に沿った方向に搬送するものであり、物品配置手段は列方向走行手段と、物品昇降手段と、一又は複数の物品載置台と、繋ぎ搬送部と、物品受け渡し手段を有し、前記列方向走行手段は物品配置手段自体を物品収容列に沿った方向に移動させるものであり、前記物品昇降手段は物品を昇降させるものであり、前記物品載置台は、物品を載置するものであり、前記物品受け渡し手段は、物品載置台と棚部の間で物品を受け渡す機能を有するものであり、繋ぎ搬送部は、昇降機能と搬送機能を有し、一定の高さにあるときに、前記物品載置台と列方向物品搬送手段を繋ぐものであることを特徴とする物品搬送装置である。
【0009】
本態様の物品搬送装置は、繋ぎ搬送部を有している。繋ぎ搬送部は、昇降機能と搬送機能を有し、一定の高さにあるときに、物品載置台と列方向物品搬送手段を繋ぐものである。
本態様の物品搬送装置では、物品を列方向物品搬送手段から物品載置台に乗せる場合や、物品を物品載置台から列方向物品搬送手段に移す場合に、物品載置台を一定の高さまで下げ、物品載置台と列方向物品搬送手段の搬送面を繋ぎ搬送部でつなぐ。
物品は繋ぎ搬送部を移動し、例えば物品載置台から列方向物品搬送手段に移る。
本態様の物品搬送装置によると、物品載置台を列方向物品搬送手段の下まで降下させる必要がないので、物品載置台の昇降距離が短い。
【0010】
上記した態様において、繋ぎ搬送部はコンベヤ装置を有し当該コンベヤ装置は、少なくとも一定の高さにあるときに搬送面が傾斜姿勢であることを特徴とする請求項1に記載の物品搬送装置である。
【0011】
本体様では、繋ぎ搬送部がコンベヤ装置を有している。そしてコンベヤ装置は、搬送面が傾斜姿勢となって物品載置台と列方向物品搬送手段の搬送面を繋ぐ。
そのため繋ぎ搬送部の搬送面と列方向物品搬送手段との段差が小さく、物品が乗り移りやすい。
【0012】
上記した各態様において、物品載置台に物品受け渡し手段が設置されていることが望ましい。
【0013】
上記した各態様において、物品昇降手段は、物品載置台を昇降させるものであり、一つの物品載置台に物品を載置した状態で物品載置台自体を昇降し、物品の高さを目的の高さに変えるものであることが望ましい。
【0014】
上記した各態様において、物品昇降手段は、隣接して配置された複数の棚部材と、少なくとも一つの前記棚部材を昇降させる昇降手段を有し、前記棚部材にはそれぞれ複数の高さの位置に前記物品載置台があり、前記物品載置台には正方向と逆方向の双方に物品を搬送可能な搬送手段があり、一方の棚部材に属する物品載置台の高さを他方の棚部材に属する物品載置台に合わせ、搬送手段によって一方の棚部材に属する物品載置台から他方の棚部材に属する物品載置台に物品を移動させる往き動作を実行し、さらに棚部材を昇降させることによって、前記他方の棚部材に属する物品載置台の高さを前記一方の棚部材に属する他の高さの物品載置台に合わせ、前記往き動作によって前記他方の棚部材に属する物品載置台に移動させた物品を、搬送手段によって前記一方の棚部材に属し元の物品載置台とは異なる高さの物品載置台に移動させる戻り動作を実行し、必要に応じて前記往き動作と戻り動作を繰り返して物品を所望の高さの位置に移動させることが可能であることが望ましい。
【0015】
上記した各態様において、物品受け渡し手段は、本体部と、移動台を有し、移動台には上部側コロと、下部側コロと、上部側コロ及び下部側コロの相対高さを変更する高さ変更手段があり、下部側コロが下方にあるときは上部側コロが物品との接触部となり、下部側コロは他の部材との接触部となり、下部側コロが回転すると、上部側コロは下部側コロから動力伝動を受けて下部側コロとは逆方向に回転し、下部側コロが上方にあるときは上部側コロが物品及び他の部材との接触部となることが望ましい。
【0016】
上記した各態様において、物品保管装置は、少なくとも列方向に複数の物品配置部が並んだ物品収容列が複数段に渡って設けられた棚と、上記した物品搬送装置を有することを特徴とする物品保管装置である。
【発明の効果】
【0017】
本発明(関連発明)の物品搬送装置及び物品保管装置は、上下方向の移動量が少なく、無駄な動きが少ない。そのため物品搬送装置及び物品保管装置は、物品の収容や排出に要する時間が短い。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態の物品保管装置を採用した倉庫装置の斜視図である。
図2図1のA-A断面図であり、物品搬送装置と棚を図示したものである。
図3】物品搬送装置の物品載置台を昇降させる機構を示す説明図であり、(a)は実体図であり、(b)はチェーンの懸架経路を簡略化して図示したものである。
図4図2の物品搬送装置の物品載置台の斜視図であり、物品受け渡し手段の移動台が本体部に収容された状態を示す。
図5図2の物品搬送装置の物品載置台の斜視図であり、物品受け渡し手段の移動台が棚側に突出した状態を示す。
図6図4図5の物品載置台の断面図であり、物品受け渡し手段の移動台を移動させる機構を示す。
図7図4図5の物品載置台の断面図であり、本体部を昇降させる機構を示す。
図8図4図5の物品載置台の分解斜視図である。
図9図4図5の物品載置台の物品受け渡し手段の移動台のコロ列を示す説明図である。
図10】物品受け渡し手段のコロユニットを示す分解斜視図である。
図11】(a)(b)は、物品受け渡し手段の動作を示す説明図である。
図12】(a)(b)(c)(d)は、棚側から物品搬送装置側に物品を引き込む際における移動台を物品の下に挿入する挿入動作を示す説明図である。
図13】(a)(b)(c)(d)は、棚側から物品搬送装置側に物品を引き込む際における移動台を物品載置台に戻す戻し動作を示す説明図である。
図14】(a)(b)(c)(d)は、物品搬送装置から棚側に物品を挿入する際における動作を示す説明図である。
図15】物品搬送装置の繋ぎ搬送部の斜視図である。
図16】(a)乃至(c)は、物品搬送装置の動作を示す説明図である。
図17】物品搬送装置の側面を簡略化して説明する説明図である。
図18】(a)乃至(d)は、物品搬送装置の物品載置台と繋ぎ搬送部の動作を説明する説明図である。
図19】(a)(b)は、繋ぎ搬送部の変形例を示す側面図である。
図20】物品が棚内に収容された状態を示す正面図である。
図21】本発明の他の実施形態の物品搬送装置の斜視図である。
図22図21に示す物品搬送装置の昇降ユニットの斜視図である。
図23】(a)乃至(e)は、図22の物品搬送装置の動作を示す正面図であり、左五階にある物品載置台から右一階にある繋ぎコンベヤに物品移動させる際の各段階の状況を示す。
図24】(a)乃至(f)は、図22の物品搬送装置の動作を示す正面図であり、左五階にある物品載置台から右一階にある繋ぎコンベヤに物品を連続的に移動させる際の各段階の状況を示す。
図25】(g)(h)は、図22の物品搬送装置の動作を示す正面図であり、左五階にある物品載置台から右一階にある繋ぎコンベヤに物品を連続的に移動させる際の各段階の状況であって図24に続く動作を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下さらに本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態の物品保管装置1a、1b、1cが3台並べて設置された倉庫装置15を示している。
本実施形態の物品保管装置1は、2台の棚2a、2bと、その間に配置された物品搬送装置3(図2)によって構成されている。
【0020】
棚2a、2bは、図1図2の様に、5階建て構造であり、各階に物品配置部5が6部屋ずつ直列的に設けられている。即ち棚2a、2bは、いずれも列方向に6部屋の物品配置部5が並んだ物品収容列17が5段に渡って設けられたものである。
【0021】
物品搬送装置3は、図2の様に下部コンベヤ(列方向物品搬送手段)7と、昇降タワー(物品配置手段)10を有している。
下部コンベヤ7は、床面上であって2台の棚2a、2bの間に設置されている。下部コンベヤ7は、物品Mを棚2a、2bの物品収容列17方向に搬送することができるものである。
下部コンベヤ7は、公知のゾーンコンベヤ8が複数並べられたものである。本実施形態では、ゾーンコンベヤ8は、ローラコンベヤであり、それぞれ個別に駆動源を有し、個別に起動・停止を行うことができる。下部コンベヤ7は、物品を任意の位置(任意のゾーン)に停止させることができる。
【0022】
昇降タワー10は、物品配置手段として機能するものであり、タワー用レール20に沿って自走するタワーフレーム16を有している。
即ち、下部コンベヤ7に沿って一対のタワー用レール20が設置されている。
タワーフレーム16の下部には、走行車輪(列方向走行手段)21があり、当該走行車輪21がタワー用レール20と係合している。走行車輪21は図示しないモータによって回転し、昇降タワー10を下部コンベヤ7に沿って移動させることができる。また昇降タワー10を任意の位置で停止させることもできる。
【0023】
タワーフレーム16の枠内には、図2の様に、物品載置台11a、11bが2基設置されている。
一方の物品載置台11aは、一方の棚2aに対して物品を搬入・搬出する際に使用されるものであり、他方の物品載置台11bは、他方の棚2bに対して物品を搬入・搬出する際に使用されるものである。
【0024】
物品載置台11a、11bは、例えば図3に示すような昇降機構12によって昇降される。
即ち昇降機構12は、図3に示すような懸架経路で長尺状のチェーン13等が懸架されたものであり、チェーン13を矢印の方向に走行させると、物品載置台11aが上昇し、物品載置台11bが降下する。チェーン13を矢印と逆方向に方向に走行させると、物品載置台11aが降下し、物品載置台11bが上昇する。
本実施形態では、物品載置台11と昇降機構12によって物品昇降手段が構成されている。
【0025】
本実施形態では、物品載置台11a、11bは、物品受け渡し手段を兼ねるものであり、本体部22と移動台23を有している。即ち本実施形態では、物品受け渡し手段は、本体部22と移動台23によって構成されている。
本体部22は、ローラコンベヤ装置であり、本実施形態では、図8の様にフレーム63に4本のローラ25が一定の間隔をあけて並列に並べられたものである。ローラ25による搬送方向は、列方向物品搬送手段たる下部コンベヤ7と同方向である。
4本のローラ25の内、一本は、ローラ本体にモータが内蔵されたモータ内蔵ローラであり、他の3本のローラは空転ローラである。4本のローラ25は、隣接するものどうしが図示しない動力伝動ベルトで連結されており、モータ内蔵ローラが回転すると、全てのローラ25が回転する。
【0026】
本体部22の側面には、カムフォロー27が2個ずつ設けられている。カムフォロー27はコロである。
また本体部22の下部には、図7図8の様に直動カム28が設けられ、本体部22のカムフォロー27が直動カム28と接している。直動カム28は、図7図8の様に凹部31と、凸部32がある。直動カム28にはラック82が形成されており、モータで回転するピニオン26がラック82と係合している。直動カム28は、ラック82の回転によって直線移動する。
【0027】
前記した様に本体部22のカムフォロー27が直動カム28と接しており、直動カム28の凹部31にカムフォロー27が落ち込むと本体部22が降下する。また直動カム28が直線移動して直動カム28の凸部32にカムフォロー27が乗り上げると、本体部22が上昇する。
【0028】
移動台23は、図5図8の様に、2条のスリット33を有するフレーム53にコロ列35a、35b、35cが3条設けられたものである。
即ち、移動台23は、3条のコロ列35a、35b、35cを有し、コロ列35a、35b、35c同士の間は細長い開口部となっていてスリット33を構成している。
【0029】
本実施形態では、各コロ列35a、35b、35cは、いずれも図9の様に、2個の上部コロ37と一つの下部コロ38によって一つのコロユニット40が構成され、当該コロユニット40が4組直列的に並べられたものである。
上部コロ37及び下部コロ38は、いずれも短尺であり、その回転軸42、46は、いずれも本体部22のローラ25の回転軸に対して直交する方向にのびている。
従って移動台23の搬送方向は、本体部22の搬送方向と直交する。
【0030】
上部コロ37及び下部コロ38は、いずれも空転するコロであり、動力を持たない。上部コロ37は、下部コロ38と常時接触し、一方が回転すると他方がそれに従動して回転する。
コロユニット40は、前記した様に2個の上部コロ37と一つの下部コロ38によって構成されている。
図9図10図11の様に上部コロ37は、下部コロ38よりも上に並び、下部コロ38は、2個の上部コロ37に挟まれた位置にある。
上部コロ37の回転軸42は、フレームに水平に設けられたガイド用の長孔43と係合しており、水平方向にのみ自由度がある。
一方、下部コロ38の、回転軸46は、フレームに垂直に設けられたガイド用の長孔45と係合しており、垂直方向にのみ自由度がある。
【0031】
また二つの上部コロ37は、ゴム又はバネ等の付勢手段47によって、近接方向に付勢されており、常時、下部コロ38と接している。
下部コロ38には、板カム(高さ変更手段)48に設けられたカム孔50が係合している。カム孔50は、図10図11の様に、高部領域51と、低部領域52がある。
【0032】
板カム48は、図示しない駆動手段によって直線移動し、カム孔50と、下部コロ38の回転軸46との接触位置が変化する。
板カム48の低部領域52と下部コロ38の回転軸46とが係合すると、下部コロ38は図11(a)の様に、降下位置となる。
この状態においては、図11(a)の様に、下部コロ38の下面は、上部コロ37よりも下側に突出する。
【0033】
板カム48が直線移動して高部領域51が下部コロ38の回転軸46と係合すると、下部コロ38が上昇する。ここで前記した様に、上部コロ37は、水平方向に自由度があるから、下部コロ38の上昇によって上部コロ37の間隔が広がり、上部コロ37の間に下部コロ38が割り込む。
この状態においては、図11(b)の様に、下部コロ38の下面は、上部コロ37よりも上の位置となり、下部コロ38は、上部コロ37の間に隠れる。
【0034】
移動台23のフレーム53であって、スリット33の開口側には、ストッパ板55が設けられている。
移動台23のフレーム53の側面には、補助ガイド75が係合している。
移動台23の下方には、移動台23を直線移動させる直線移動手段58が設けられている。
直線移動手段58は、モータ内蔵ローラと空転ローラをプーリとするベルト伝動機構であり、ベルト57の一部が移動台23と係合している。
モータ内蔵ローラが回転し、ベルト57が走行すると、移動台23が直線移動する。
【0035】
物品載置台11は、前記した様に本体部22と移動台(物品受け渡し手段)23を有し、本体部22の上に移動台23が直線移動可能に重ねられたものである。
本体部22の上に移動台23が重なった状態は、図4の通りであり、移動台23のスリット33の位置に本体部22のローラ25がある。
直動カム28の作用によって本体部22が上昇すると、本体部22のローラ25が上昇して、ローラ25の走行面が移動台23よりも上の位置となる。
直動カム28の作用によって本体部22が降下すると、本体部22のローラ25が降下して、ローラ25の走行面が移動台23よりも下に沈む。
また直線移動手段58を駆動することによって、移動台23自体が前進し、図5の様に本体部22から片持ち状に突出する。
【0036】
タワーフレーム16には、前後の位置に繋ぎコンベヤ(繋ぎ搬送部)60が設けられている。繋ぎコンベヤ60は、小型のベルトコンベヤである。即ち繋ぎコンベヤ60は、図15図16の様に、一対のフレーム片61に、駆動プーリ62と従動プーリ65が取り付けられ、駆動プーリ62と従動プーリ65の間にコンベヤベルト66が懸架されたものである。またコンベヤベルト66の内側には、荷重支持用のコロ67が複数配されている。
【0037】
フレーム片61には、図15の様に縦部材68があり、縦部材68には駆動モータ(図示せず)と歯車71が設けられている。
またタワーフレーム16の脚部72には、ラック77が設けられている。繋ぎコンベヤ60の縦部材68は、タワーフレーム16の脚部72の内面と係合しており、繋ぎコンベヤ60の縦部材68はタワーフレーム16の脚部72に沿って移動する。また繋ぎコンベヤ60の歯車71が、タワーフレーム16内のラック77と係合している。そのため駆動モータによって歯車71が回転されると、繋ぎコンベヤ60は、タワーフレーム16の前面又は後面側を昇降する。
繋ぎコンベヤ60は、一定の高さの位置を待機位置としている。待機位置の高さは、タワーフレーム16の下部側であって、その下を物品Mが通過できる程度の高さである。
【0038】
本実施形態では、繋ぎコンベヤ60は、ベルトコンベヤであり、駆動プーリと従動フーリの径は同じであるが、図19(a)の様に、自由端側のプーリの径を小さくしてもよい。また繋ぎコンベヤ60は、ローラコンベヤであってもよい。図19(b)に示す例では、自由端側のローラに小径のものが採用されている。
【0039】
図2図15の様に、繋ぎコンベヤ60は、タワーフレーム16の前後に張り出している。また繋ぎコンベヤ60の搬送面は、図2図15図16等の様に自由端側が下向きに傾斜している。繋ぎコンベヤ60の自由端側の先端には、ガイド板73が設けられている。
本実施形態では、繋ぎコンベヤ60は、傾斜姿勢で取り付けられており、傾斜角度は一定であるが、コンベヤ部分を揺動可能とし、繋ぎコンベヤ60が降下した時に下部コンベヤ7と接触して傾斜角度が決まるものであってよい。
【0040】
次に、物品保管装置1の機能について説明する。
物品保管装置1の棚2の物品配置部5には、図20に示すように物品Mが収容される。物品Mは、パレット80に載置されており、物品配置部5は床面81に対して一定の高さに保持されている。
【0041】
最初に棚2から物品Mを取り出す際の動作を説明する。
物品保管装置1から物品Mを取り出す際には、タワーフレーム16の走行車輪21を駆動して物品収容列17の所望の物品Mが載置された部分の前に昇降タワー(物品配置手段)10を移動させる。そして一方の物品載置台11を上昇させ、所望の物品Mが収容された物品配置部5の高さに物品載置台11を合わせる。
続いて移動手段58を駆動し、移動台23自体を物品載置台11から棚2側に向かって前進させ、図5の様に本体部22から片持ち状に突出させる。このとき、本体部22のローラ25は降下させておく。
【0042】
また図12(a)の様に、下部コロ38は降下位置としておく。
この状態においては、図12(a)の様に、下部コロ38の下面は、上部コロ37よりも下側に突出する。
移動台23自体を前進させ、物品配置部5に達すると、下部コロ38が物品配置部5の床面81と接する。そして移動台23が前進することにより、下部コロ38が回転する。下部コロ38は、移動台23を前進させる力によって回転するので、その回転方向は、図12(a)の様に、移動台23の前進方向に対して順方向となる。
【0043】
上部コロ37は、下部コロ38と常時接触しているから、上部コロ37は下部コロ38から回転力を受け、移動台23の前進方向に対して逆方向に回転する。
移動台23が前進し、図12(b)の様に移動台23の先頭のコロ37がパレット80の端部に当たる。先頭の上部コロ37は、図12(b)の様にパレット80をすくい上げる方向に回転するので、パレット80の端部が移動台23の先端部に乗り上げる。
【0044】
移動台23がさらに前進すると、図12(c)の様に移動台23はパレット80と床面81の間にもぐり込む。
そのため、移動台23の前進によって、パレット80は押し込み方向の力を受け、棚2の奥側に向かって移動しようとする。
一方、この状態においては、図11(a)、図12(c)の様に、上部コロ37がパレット80の底面と接触する。
【0045】
ここで上部コロ37は、移動台23の前進方向に対して逆方向に回転する。そのため上部コロ37によってパレット80は、昇降タワー10側に移動する方向に付勢される。即ち、移動台23の前進によって、パレット80は、棚2に押し込む方向の力を受け、押し込み方向に移動するが、上部コロ37によって逆方向に力を受け、昇降タワー10側に移動する。そのため移動台23の前進によるパレット80の押し込み方向の移動が、上部コロ37の作用による入り口側に向かう移動に相殺され、図12(c)の様にパレット80はその場所に留まる。
従って、パレット80の位置を変えることなく、図12(d)の様に移動台23はパレット80の下にもぐり込む。なお移動台23は完全にパレット80の真下に完全にもぐり込ませてもよいが、本実施形態では、図12(d)の様に、パレット80が浮き上がる程度にもぐり込んだ状態とする。
【0046】
続いて、図13の様に、移動台23を本体部22側に引き戻す。
移動台23を引き戻す際には、図11(b)の様に、下部コロ38を上昇させる。
この状態においては、図13(b)の様に、下部コロ38は上部コロ37に隠れ、下部コロ38は床面81から浮き上がる。
そのため上部コロ37が床面81に接地することとなる。
【0047】
そして移動台23自体を後退させる。前記した様に、上部コロ37及び下部コロ38はいずれも動力を持たないので、上部コロ37は床面81の接触と移動台23の後退によって回転する。
一方、上部コロ37とパレット80との関係を見ると、上部コロ37はパレット80を本体部22側に引き戻す方向に作用する。そのため図13(c)の様にパレット80は、上部コロ37によって移動台23上を移動する。
この様に、パレット80は、移動台23自体の後進移動に加え、上部コロ37からの付勢によっても本体部22側に移動する。そのためパレット80は、高速でより長い距離、本体部22側に引き戻される。
【0048】
従って、図13(a)の様に、パレット80に半分程度、移動台23がもぐり込んだ状態であったとしても、図13(d)の様に、移動台23が本体部22に戻った際には、パレット80は移動台23の中央に納まっている。なお移動台23にはストッパ板55が設けられているので、パレット80が移動台23を行き過ぎてしまうことはない。
【0049】
パレット80が物品載置台11の本体部22側に移動すると、直ちに本体部22のローラ25を上昇させ、パレット80を移動台23から本体部22のローラ25に乗せ変える。
【0050】
そして物品載置台11を図18(a)の様に最下部まで降下させる。
これと並行して繋ぎコンベヤ60を降下させる。この際の物品載置台11と繋ぎコンベヤ60及び下部コンベヤ7の位置関係は、図16図18(a)の様である。即ち繋ぎコンベヤ60は傾斜姿勢であり、走行面の上端は、物品載置台11のローラ25と略同じ高さにある。また繋ぎコンベヤ60の走行面の下端は下部コンベヤ7の走行面の近傍の高さとなり、ガイド板73は、下部コンベヤ7の走行面と接する。
【0051】
そしてこの状態で、物品載置台11のローラ25と繋ぎコンベヤ60を駆動する。その結果、図18(b)の様に、パレット80は、物品載置台11上を繋ぎコンベヤ60に向かって進行し、繋ぎコンベヤ60に乗り移る。そして傾斜した走行面を下り、図18(c)の様に、下部コンベヤ7に引き渡される。パレット80は、下部コンベヤ7によって端部に排出される。
パレット80が下部コンベヤ7に乗り移ると、図18(d)の様に物品載置台11を上昇させる。また繋ぎコンベヤ60についても待機位置まで上昇させる。その結果、下部コンベヤ7上に障害物が無くなり、他の物品Mを通過させることができる。
【0052】
物品保管装置1に物品Mを収容する場合には、概ね前記した工程と逆の工程をたどる。即ち物品を下部コンベヤ7の端部に乗せる。
これと並行して走行車輪21を駆動して物品Mを収容すべき列に昇降タワー10を移動させる。そして一方の物品載置台11を最下部に降下させる。また並行して繋ぎコンベヤ60を降下させ、物品載置台11のローラ25と下部コンベヤ7の走行面を繋ぎコンベヤ60で繋ぐ。
【0053】
そして下部コンベヤ7を駆動して、物品Mを昇降タワー10の位置まで移動させ、さらに繋ぎコンベヤ60に乗せる。
ここで繋ぎコンベヤ60のガイド板73が下部コンベヤ7の走行面と接しているので、下部コンベヤ7から繋ぎコンベヤ60への乗り移りは円滑に行われる。そして繋ぎコンベヤ60の傾斜面を物品Mが昇り、物品載置台11に引き入れられる。
【0054】
その後、物品載置台11を所望の高さに上昇し、これと並行して本体部22のローラ25を降下させ、パレット80を本体部22のローラ25から移動台23に乗せ変える。
そして図14の様に物品載置台11から移動台23を突出させてパレット80に乗せられた物品Mを棚2の物品配置部5に移す。
【0055】
この際の挙動は図14の通りである。
即ち図14(a)の様に移動台23にパレット80が乗った状態から図14(b)の様に移動台23を突出させる。このとき、図11(b)のように下部コロ38を上昇させておく。
この状態においては、図14(a)(b)の様に、下部コロ38は上部コロ37に隠れ、下部コロ38は床面81から浮き上がる。
【0056】
移動台23自体を前進させ、物品配置部5に達すると、下部コロ38が物品配置部5の床面81と接する。そして移動台23が前進することにより、上部コロ37が回転する。上部コロ37は、移動台23を前進させる力によって回転するので、その回転方向は、図14(b)の様に、移動台23の前進方向に対して順方向となる。
そのためパレット80は、移動台23上で上部コロ37によって前進する。
移動台23上のパレット80は、移動台23自体の前進移動に加え、上部コロ37からの付勢によっても前方に移動する。そのためパレット80は、高速かつ長い距離を棚2側に移動する。
その結果、図14(b)の様に、パレット80は、先端側が移動台23から突出し、一部が棚2の床面81に着地する。
【0057】
この状況に至ると、図14(c)の様に、下部コロ38を降下させ、さらに移動台23を本体部22側に戻す。
移動台23が後退することにより、下部コロ38が回転する。下部コロ38は、移動台23を後退させる力によって回転するので、その回転方向は、図14(c)の様に、移動台23の後退方向に対して順方向となる。
【0058】
上部コロ37は、下部コロ38と常時接触しているから、上部コロ37は下部コロ38から回転力を受け、移動台23の後退方向に対して逆方向に回転する。
そのため、移動台23の後退によって、パレット80は、本体部22の方向の力を受け、昇降タワー10側に向かって移動しようとする。
一方、この状態においては、図14(c)の様に、上部コロ37がパレット80の底面と接触する。
【0059】
ここで上部コロ37は、移動台23の後退方向に対して逆方向に回転する。そのため上部コロ37によってパレット80は、奥側に移動する方向に付勢される。
即ち、移動台23の後退によって、パレット80は、引き込み方向の力を受け、昇降タワー10側に移動するが、上部コロ37によって逆方向に力を受け、棚2の奥側に移動する。そのため移動台23の後退によるパレット80の引き込み方向の移動が、上部コロ37の作用による奥側に向かう移動に相殺され、パレット80はその場所に留まる。
従って、パレット80の位置を変えることなく、図14(d)の様に移動台23はパレット80から離れ、本体部22側に戻る。
【0060】
以上のように本実施形態の物品搬送装置3では、物品Mを収容する際に、物品載置台11を下部コンベヤ(列方向物品搬送手段)7の下まで下ろす必要がない。そのため物品載置台11の上下方向の移動量が少なく、搬送効率が高い。
【0061】
次に物品搬送装置の第2実施形態について説明する。
前記した第1実施形態の物品搬送装置3では、物品載置台11に移動台(物品受け渡し手段の一部)23を設け、物品Mを移動台23に載置した状態で上下に昇降させたのに対し、第2実施形態の物品搬送装置200では、物品を昇降させる装置を別途設けた点が相違する。
【0062】
第2実施形態の物品搬送装置200では、物品昇降手段は、隣接して配置された複数の棚部材106、107と、少なくとも一つの前記棚部材を昇降させる昇降手段を有している。棚部材106、107にはそれぞれ複数の高さの位置に物品載置台がある。なお棚部材106、107に設けられた物品載置台は、前記したものとは構造が違うので、両者を区別するために単に載置台と称する。棚部材106、107の載置台には正方向と逆方向の双方に物品を搬送可能な搬送手段がある。一方の棚部材106、107に属する載置台の高さを他方の棚部材106、107に属する載置台に合わせ、搬送手段によって一方の棚部材に属する載置台から他方の棚部材106、107に属する載置台に物品を移動させる往き動作を実行し、さらに棚部材を昇降させることによって、前記他方の棚部材106、107に属する載置台の高さを前記一方の棚部材に属する他の高さの載置台に合わせる。往き動作によって前記他方の棚部材106、107に属する載置台に移動させた物品を、搬送手段によって一方の棚部材に属し元の載置台とは異なる高さの載置台に移動させる戻り動作を実行する。また必要に応じて前記往き動作と戻り動作を繰り返して物品を所望の高さの位置に移動させる。
【0063】
第2実施形態の物品搬送装置200は、図21の様な、昇降ユニット102を物品昇降手段とし、昇降ユニット102を中心としてその前後に物品載置台11a、11bと、繋ぎコンベヤ(繋ぎ搬送部)60を設けたものである。
物品載置台11a、11bは、前記した実施形態と同様に昇降機能を有し、任意の高さに停止することができる。
繋ぎコンベヤ(繋ぎ搬送部)60は、前記した実施形態と同様に下部の近傍にあり、下部の近傍で昇降する。
【0064】
昇降ユニット102は、図21図22の様に、2基の棚部材106、107と昇降手段108が組み合わされたものである。説明の便宜上、各図の左側に描かれた棚部材106を第一棚部材106と称し、右側に描かれた棚部材107を第二棚部材107と称する。
【0065】
第一棚部材106と第二棚部材107は、境界部分のコロ131及びガイド132の部分を除いて同一構造であるから、代表して第一棚部材106について説明する。
第一棚部材106は、図22の様な昇降枠118aを有し、当該昇降枠118aの中に、4階構造の載置台A(物品載置台)が設置されたものである。
説明の便宜上、各階の載置台Aを一階載置台A1、二階載置台A2、三階載置台A3、四階載置台A4と称する。
4基の載置台Aは、高さ方向に一定の間隔をあけて、昇降枠118内に設置されている。載置台Aの各階の高さ間隔は同じである。
【0066】
各階の載置台Aの構造は、いずれも同一であり、小型のコンベヤ装置(搬送手段)110が設置されている。コンベヤ装置110は、フレームにモータ内蔵ローラ112と、従動ローラ113が取り付けられたものである。モータ内蔵ローラ112は、ローラ本体内にモータ(図示せず)と減速機(図示せず)が内蔵されたものであり、内部のモータに通電することによってローラ本体が回転する。従動ローラ113は、自由回転するローラである。
モータ内蔵ローラ112と従動ローラ113との間、及び従動ローラ113同士の間には、ベルト115が懸架されており、モータ内蔵ローラ112が回転すると、他の従動ローラ113が従属して回転する。
本実施形態では、各載置台Aに設置されたコンベヤ装置110は、正方向と逆方向の双方に物品Mを搬送することができる。
【0067】
各階の載置台Aには、在荷センサー117が設けられている。在荷センサー117は、透過形の光電センサーであり、投光部材(図示せず)と受光部材121を有し、投光部材が発する光を受光部材121が受光する。物品Mによって光が遮られ、受光部材121が光を受光できなくなったことで、載置台A上に物品Mがあることを検知する。
在荷センサー117の種類は限定されるものではなく、反射形の光電センサーであってもよい。また他の物理現象を利用したものであってもよい。
【0068】
第二棚部材107は、前記した様に第一棚部材106と同じ構造であるので、共通の番号を付すことによって重複した説明を省略する。
ただし説明の便宜上、第二棚部材107は、各階の載置台のアルファベット記号A、aをB、bに変更している。
従って、第二棚部材107は、図22の様な昇降枠118bを有し、当該昇降枠118bの中に、4階構造の載置台Bが設置されたものである。
各階の載置台を一階載置台B1、二階載置台B2、三階載置台B3、四階載置台B4と称する。
【0069】
第一棚部材106と第二棚部材107は、後記する様に隣接した状態で外郭フレーム130につり下げ配置されるが、隣接状態における第一棚部材106と第二棚部材107の境界部分には、コロ131とガイド132が設けられている。
即ち第一棚部材106の昇降枠118aであって、第二棚部材107に面する縦材120aに、コロ131が設けられている。
対する第二棚部材107の昇降枠118bであって、第一棚部材106に面する縦材120bには、ガイド132が設けられている。
また第一棚部材106と第二棚部材107の、隣接状態における外側部分には、コロ133が設けられている。
【0070】
昇降ユニット102の外郭フレーム130は、図21の様に、鋼材で直方体に枠組みされたものである。
図21図22に示す様に、外郭フレーム130の内側であって、上端側の位置には、上部スプロケット135、136が2個ずつ設けられている。また外郭フレーム130の内側であって、下端側の位置にも、下部スプロケット137、138が2個ずつ設けられている。
外郭フレーム130の角に設置された4本の縦材123には、ガイド(図示せず)が設置されている。
【0071】
第一棚部材106と第二棚部材107は、チェーンやワイヤー等の線材(連接手段)140で外郭フレーム130につり下げられている。本実施形態では、線材140としてチェーンが採用されている。
即ち第一棚部材106の昇降枠118aと、第二棚部材107の昇降枠118bの天面部同士が、線材140で接合されている。具体的には、線材140の一端に昇降枠118aが接続され、線材140の他端に昇降枠118bが接続されている。
そして図21図22の様に線材140の中間部が外郭フレーム130の上端側に設置された上部スプロケット135、136と係合している。
その結果、昇降枠118a、118bの重量は、上部スプロケット135、136で支持され、第一棚部材106と第二棚部材107は上部スプロケット135、136から垂下した線材140でつり下げられた状態となっている。
【0072】
また昇降枠118a、118bの下部側に目を移すと、昇降枠118a、118bの下部側においても、底面部同士が、線材141で接合され、線材141が外郭フレーム130の下部側に設置された下部スプロケット137、138と係合している。
その結果、第一棚部材106と第二棚部材107は、線材140、141を介して環状に連結された状態となっており、てんびんの如くに、一方を上昇させると他方が同じ距離だけ降下する。
なお昇降枠118a、118bのコロ133と、外郭フレーム130の角の縦材に設けられたガイド(図示せず)とが係合している。
また昇降枠118a、118b同士は、境界部分に設けられたコロ131とガイド132が係合している。
そのため第一棚部材106と第二棚部材107は、上下方向にのみ自由度を有している。
【0073】
次に昇降手段108について説明する。
本実施形態では、クランク機構を応用した昇降手段108が採用されている。
具体的には昇降手段108は、図22の様に、回転円板150と、棒状リンク151を有している。そして回転円板150と棒状リンク151は、ピン152によって回動可能に接続されている。また棒状リンク151の他端と昇降枠118aの間も、ピン153によって回動可能に接続されている。
【0074】
回転円板150は、ギヤードモータ143によってゆっくりと回転する。また図示しないエンコーダやリミットスイッチによって、回転円板150の停止位置が決められている。
本実施形態では、回転円板150の回転中心155の略真上にピン152が位置する上昇位置と、回転円板150の回転中心155の略真下にピン152が位置する降下位置で回転円板150が停止する。
【0075】
本実施形態では、回転円板150が上昇位置で停止すると、第一棚部材106と第二棚部材107の高さがずれ、第一棚部材106が上となり、第二棚部材107が下となる。
そして二つの棚部材106、107の各階の載置台A、Bは、一段ずつずれた状態で高さが揃う。
本実施形態では、第一棚部材106は、一階載置台A1、二階載置台A2、三階載置台A3、四階載置台A4を有し、第二棚部材107も、一階載置台B1、二階載置台B2、三階載置台B3、四階載置台B4を有しているが、回転円板150が上昇位置で停止すると、第一棚部材106の一階載置台A1と第二棚部材107の二階載置台B2が同じ高さとなり、第一棚部材106の二階載置台A2と第二棚部材107の三階載置台B3が同じ高さとなり、第一棚部材106の三階載置台A3と第二棚部材107の四階載置台B4が同じ高さとなる(図23(a))。
【0076】
また回転円板150が降下位置で停止すると、第一棚部材106と第二棚部材107の高さがずれ、第二棚部材107が上となり、第一棚部材106が下となる。
そして二つの棚部材106、107の各階の載置台A、Bは、一段ずつずれた状態で高さが揃う。
即ち第一棚部材106の二階載置台A2と第二棚部材107の一階載置台B1が同じ高さとなり、第一棚部材106の三階載置台A3と第二棚部材107の二階載置台B2が同じ高さとなり、第一棚部材106の四階載置台A4と第二棚部材107の三階載置台B3が同じ高さとなる(図23(b))。
【0077】
本実施形態の昇降ユニット102では、一方の棚部材106、107に属する載置台A、Bを、他方の棚部材107、106に属する載置台A、Bに合わせ、この状態で載置台A、Bのコンベヤ装置(搬送手段)110によって一方の棚部材106、107に属する載置台A、Bから他方の棚部材106、107に属する載置台A、Bに物品Mを移動させる往き動作を実行する。
次いで昇降手段108を駆動して第一棚部材106と第二棚部材107を昇降し、一方の棚部材106、107に属する載置台A、Bの高さを他方の棚部材106、107に属する他の高さの載置台A、Bに合わせる。
そして先に往き動作によって移動させた物品Mを、搬送手段によって一方の棚部材106、107に属し元の載置台A、Bとは異なる高さの載置台に移動させる戻り動作を実行する。
さらに必要に応じて前記往き動作と戻り動作を繰り返す。その結果、物品Mは、隣接する棚部材106、107に属する載置台A、Bの間をジグザグ状に往復し、高さが変わり、所望の高さに排出される。
【0078】
以下、具体例を挙げて説明する。
本実施形態では、往き動作及び戻り動作は、いずれも同じ高さの載置台A、Bのコンベヤ装置(搬送手段)110を駆動して行う。即ち物品Mが載置されている載置台A、Bのコンベヤ装置110を他方の載置台A、B方向に駆動して、載置されている物品Mを他方の載置台A、Bに送り出す。一方、他方の載置台A、Bは、物品Mを自己の載置台A、Bに引き入れる様にコンベヤ装置110を駆動する。
【0079】
本実施形態では、各載置台A、Bに在荷センサー117が設けられているから、自己の載置台A、Bに物品Mが有るか無いかを識別することができる。
本実施形態では、自己の載置台A、Bに物品Mがあり、且つ搬送先の載置台A、Bに物品Mが無いことを条件として載置台A、Bのコンベヤ装置110が駆動され、往き動作や戻り動作が行われる。
【0080】
また物品載置台11a、11bと棚部材106、107の載置台A、Bとの間でも物品Mの受け渡しが行われる。同様に繋ぎコンベヤ60と棚部材106、107の載置台A、Bとの間でも物品Mの受け渡しが行われる。
本実施形態では、物品載置台11a、11bと繋ぎコンベヤ60にも在荷センサーが設けられており、繋ぎコンベヤ60等に物品Mが有るか無いかを識別することができる。
本実施形態では、物品載置台11a、11b及び繋ぎコンベヤ60と棚部材106、107の載置台A、Bとの間での物品Mの受け渡し動作の条件は、前記した載置台A、Bの物品Mの受け渡し条件と同じであり、自己の物品載置台11a、11b、繋ぎコンベヤ60、載置台A、Bに物品Mがあり、且つ搬送先に物品Mが無いことを条件としてコンベヤ装置110や本体部22等が駆動され、物品Mが受け渡される。
【0081】
一例として物品Mを左五階にある物品載置台11aから右一階にある繋ぎコンベヤ60に物品Mを移動させる場合の動作について説明する。
図23は、左五階で停止している物品載置台11から右一階で停止している繋ぎコンベヤ60に物品Mを移動させる際の各段階の状況を示している。
【0082】
最初に昇降手段108を駆動して図23(a)の様に、第一棚部材106が第二棚部材107よりも上の高さとなる状態で停止する。この状態においては、左五階に停止している物品載置台11と第一棚部材106の四階載置台A4の高さが合致する。
この姿勢を維持したままの状態で、物品載置台11の本体部22のローラコンベヤ装置と、四階載置台A4のコンベヤ装置110を駆動し、物品載置台11から物品Mを送り出し、四階載置台A4で物品Mを引き入れる。
【0083】
図23(a)の状態では、左五階に停止している物品載置台11に物品Mがあるから、物品載置台11の在荷センサーは物品Mを検知している。一方、第一棚部材106の四階載置台A4は空き状態であるから、在荷センサー117は、物品Mを検知しない。そのため物品載置台11のコンベヤ装置111と、四階載置台A4のコンベヤ装置110の駆動条件が充足され、コンベヤ装置111、コンベヤ装置110が駆動される。
物品載置台11の在荷センサーが物品Mを検知しなくなり、且つ四階載置台A4の在荷センサー117が物品Mを検知し、その後、少しだけ四階載置台A4のコンベヤ装置110の駆動を維持した後、コンベヤ装置110、111を停止する。
その結果、物品Mは、物品載置台11から四階載置台A4に移動する。
【0084】
続いて、昇降手段108を駆動し、図23(b)の様に第二棚部材107が第一棚部材106よりも上の高さとなる状態で停止する。この状態においては、第一棚部材106の四階載置台A4の高さは、第二棚部材107の三階載置台B3と合致する。
この姿勢を維持したままの状態で、第一棚部材106の四階載置台A4のコンベヤ装置110と、第二棚部材107の三階載置台B3のコンベヤ装置110を駆動し、四階載置台A4から物品Mを送り出し、三階載置台B3で物品Mを引き入れる。こうして往き動作を実行する。四階載置台A4の在荷センサー117が物品Mを検知しなくなり、且つ三階載置台B3の在荷センサー117が物品Mを検知し、その後、少しだけ三階載置台B3のコンベヤ装置110の駆動を維持した後、コンベヤ装置110、111を停止する。
その結果、物品Mは、第一棚部材106の四階載置台A4から第二棚部材107の三階載置台B3に移動する。
【0085】
続いて、昇降手段108を再度駆動し、図23(c)の様に第一棚部材106が第二棚部材107よりも上の高さとなる状態で停止する。この状態においては、第二棚部材107の3階載置台B3の高さは、第一棚部材106の二階載置台A2と合致する。
この姿勢を維持したままの状態で、第二棚部材107の三階載置台B3のコンベヤ装置110と、第一棚部材106の二階載置台A2のコンベヤ装置110を駆動し、三階載置台B3から物品Mを送り出し、二階載置台A2で物品Mを引き入れる。こうして戻り動作を実行する。
【0086】
さらに続いて、昇降手段108を再度駆動し、図23(d)の様に第二棚部材107が第一棚部材106よりも上の高さとなる状態で停止して第一棚部材106の二階載置台A2と第二棚部材107の一階載置台B1の高さを揃え、コンベヤ装置110を駆動して二階載置台A2から一階載置台B1に物品Mを移動させる。こうして二回目の行き動作を実施する。
【0087】
さらに続いて、昇降手段108を再度駆動し、図23(e)の様に第一棚部材106が第二棚部材107よりも上の高さとなる状態で停止して一階載置台B1と右一階ステーションR1の高さを揃え、コンベヤ装置110、111を駆動して一階載置台B1から繋ぎコンベヤ60に物品Mを搬出する。
この様に、物品Mをジグザグ状に移動し、高さを少しずつ変化させて所望の高さに物品Mを出し入れする。
【0088】
図23で説明した使用例は、物品Mの高さを下げて行く場合であるが、もちろん、高さを上げて上階に物品Mを持ち上げることもできる。
【0089】
以上説明した使用例では、物品Mを一個ずつ移動させたが、物品Mを連続的に移動させることもできる。
図24図25は、前記した図23の例と同様に、左五階に停止する物品載置台11から右一階に停止する繋ぎコンベヤ60に物品Mを移動させる例であるが、一つの物品M1が、目的地に到達するまでの間に次の物品M2が物品載置台11に到達し、四階載置台A4に導入される。
即ち図24では、(a)(b)の段階は先に例示した図23と同じであるが、図24(c)で、ステーション装置の左五階に停止する物品載置台11の高さに空状態の四階載置台A4が上昇した段階で、次の物品M2を四階載置台A4に移動させる。
その結果、追加された物品M2は、先の例に習って目的の右一階に停止している繋ぎコンベヤ60に到達する。
【0090】
先行する物品M1に関する動きは、前記した図23の場合と同じである。
後から搬入された物品M2についても、前記した図23の場合と同じ移動軌跡を辿って目的の繋ぎコンベヤ60に到達する。
【0091】
そして物品Mを載置した状態で繋ぎコンベヤ60を降下し、繋ぎコンベヤ60の走行面の下端を下部コンベヤ7の走行面の近傍の高さに下げる。このときガイド板73は、下部コンベヤ7の走行面と接する。
【0092】
そしてこの状態で、繋ぎコンベヤ60を駆動する。その結果、先の実施形態と同様に、物品Mは繋ぎコンベヤ60の傾斜した走行面を下り、下部コンベヤ7に引き渡される。パレット物品Mは、下部コンベヤ7によって端部に排出される。
物品Mが下部コンベヤ7に乗り移ると、繋ぎコンベヤ60を待機位置まで上昇させる。その結果、下部コンベヤ7上に障害物が無くなり、他の物品Mを通過させることができる。
【0093】
第2実施形態の物品搬送装置200では、昇降ユニット102とは別途に物品載置台11a、11bを設けたが、昇降ユニット102の各載置台に移動台23を取り付け、物品載置台11と同様の機能を持たせてもよい。即ち載置台を物品載置台11として機能させ、載置台と棚2との間で直接、物品Mの受け渡しを行ってもよい。
【符号の説明】
【0094】
1 物品保管装置
2 棚
3 物品搬送装置
7 下部コンベヤ(列方向物品搬送手段)
10 昇降タワー(物品配置手段)
11 物品載置台
12 昇降機構
16 タワーフレーム
21 走行車輪
22 本体部
23 移動台
37 上部コロ
38 下部コロ
47 付勢手段
48 板カム(高さ変更手段)
60 繋ぎコンベヤ(繋ぎ搬送部)
200 物品搬送装置
102 昇降ユニット(物品昇降手段)
106 第一棚部材(物品載置台)
107 第二棚部材(物品載置台)
110 コンベヤ装置(搬送手段)