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特開2023-33703除塵アタッチメント及びこれを備えた電気掃除機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023033703
(43)【公開日】2023-03-13
(54)【発明の名称】除塵アタッチメント及びこれを備えた電気掃除機
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/04 20060101AFI20230306BHJP
【FI】
A47L9/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021139552
(22)【出願日】2021-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000176866
【氏名又は名称】三菱電機ホーム機器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109612
【弁理士】
【氏名又は名称】倉谷 泰孝
(74)【代理人】
【識別番号】100153176
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 重明
(74)【代理人】
【識別番号】100116643
【弁理士】
【氏名又は名称】伊達 研郎
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 亮介
(72)【発明者】
【氏名】近藤 大介
(72)【発明者】
【氏名】水島 聡
(72)【発明者】
【氏名】富田 清美
【テーマコード(参考)】
3B061
【Fターム(参考)】
3B061AA06
3B061AA41
3B061AD03
3B061AE02
(57)【要約】
【課題】吸込口体に備えられた回転ブラシの清掃体の清掃が可能で、収納性に優れた利便性のよい除塵アタッチメントを提供する。
【解決手段】除塵アタッチメント9は、吸込口6に臨むように設けられるとともに複数の清掃体8が保持される回転ブラシ7が回転可能に支持される吸込口体2と着脱可能であり、吸込口体2の吸込口6の少なくとも一部を覆うように装着されたときに清掃体8と接触する除塵部10を備えた。また、清掃体8と除塵部10とが接触しない第二の位置で吸込口体2に装着され、除塵アタッチメント9は、第二の位置で吸込口体2へ装着される被装着部12を備え、吸込口体2は、第二の位置で除塵アタッチメント9の被装着部12と装着される装着部13を備えた。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸込口に臨むように設けられるとともに複数の清掃体が保持される回転ブラシが回転可能に支持される吸込口体と着脱可能であり、
前記吸込口体の前記吸込口の少なくとも一部を覆うように装着されたときに前記清掃体と接触する除塵部を備えた除塵アタッチメント。
【請求項2】
前記除塵アタッチメントは、
前記清掃体と前記除塵部とが接触する第一の位置で前記吸込口体に装着され、
前記除塵アタッチメントは、前記第一の位置で前記吸込口体へ装着される被装着部を備え、
前記吸込口体は、前記第一の位置で前記除塵アタッチメントの前記被装着部と装着される装着部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の除塵アタッチメント。
【請求項3】
前記除塵アタッチメントは、
前記清掃体と前記除塵部とが接触しない第二の位置で前記吸込口体に装着され、
前記除塵アタッチメントは、前記第二の位置で前記吸込口体へ装着される被装着部を備え、
前記吸込口体は、前記第二の位置で前記除塵アタッチメントの前記被装着部と装着される装着部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の除塵アタッチメント。
【請求項4】
前記除塵アタッチメントの除塵部は、前記除塵アタッチメントの長手方向において一定の間隔で配置されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の除塵アタッチメント。
【請求項5】
前記除塵アタッチメントの除塵部は、櫛歯凸部と櫛歯凹部とが交互に配置された櫛歯形状を有することを特徴とする請求項4記載の除塵アタッチメント。
【請求項6】
前記櫛歯凸部は、前記回転ブラシの回転方向と反対の方向に向かって突出する突出部を有することを特徴とする請求項5記載の除塵アタッチメント。
【請求項7】
前記除塵アタッチメントの前記被装着部は、前記除塵アタッチメントの長手方向に移動が可能に構成され、
一対の装着部の長手方向における間隔の異なる複数の異なる吸込口体に装着されることを特徴とする請求項2から請求項6のいずれか1項に記載の除塵アタッチメント。
【請求項8】
前記被装着部が伸縮可能な材質または構造で構成されていることを特徴とする請求項7に記載の除塵アタッチメント。
【請求項9】
電動送風機を内蔵する本体部と、
前記本体部側に接続されるともに吸込口を有する吸込口体と、
前記本体部と前記吸込口体の間に接続されるホース、接続管もしくは延長管と、
前記吸込口に臨むように設けられるとともに複数の清掃体が保持される回転ブラシが回転可能に支持される吸込口体と着脱可能であり、
前記吸込口体の前記吸込口の少なくとも一部を覆うように装着されたときに前記清掃体と接触する除塵部を備えた除塵アタッチメントと
を備えた電気掃除機。
【請求項10】
前記除塵アタッチメントは、
前記清掃体と前記除塵部とが接触しない第二の位置で前記本体部、前記ホース、前記接続管もしくは前記延長管に装着される被装着部を備え、
前記本体部、前記ホース、前記接続管もしくは前記延長管は、前記第二の位置で前記除塵アタッチメントの前記被装着部と装着される装着部を備えた請求項9記載の電気掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、電気掃除機用の除塵アタッチメント、及び、この除塵アタッチメントを用いる電気掃除機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、電気掃除機には、吸込口体に、被掃除面の塵埃を除去する清掃体を備えた回転ブラシを有するものがある。
このような従来の電気掃除機の吸込口体では、回転ブラシに絡まった塵埃を除去する除塵部を前バンパーの内側に備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、電気掃除機の吸込具の底面に形成された開口に回転ブラシが臨んで設けられ、吸込具の底面が載置される電気掃除機スタンドの載置部に回転ブラシを清掃する清掃手段を備えたものがある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-92974号公報
【特許文献2】特許第6750541号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された電気掃除機では、吸込口体9の前バンパー(進退部材27)に除塵部(引っ掛け部29)が具備されている為、電気掃除機を使用した清掃作業中、電気掃除機の使用者が回転ブラシに付着した塵埃の清掃を意図しなくとも、除塵部と回転ブラシ(回転清掃体17の清掃部材21)が接触して回転ブラシの回転が阻害され、回転ブラシが被掃除面の塵埃を効率よく掻きあげることができないという課題があった。
【0006】
また、特許文献2に記載された電気掃除機スタンド20では、吸込具10の底面が載置される載置部6に、回転ブラシ45に絡んで巻き付いた糸くず等の繊維ごみ等を除去する清掃部材である回転ブラシ清掃部30が配置され、この状態で回転ブラシ45を回転させることで糸くず等を清掃する。回転ブラシ45の清掃をするために吸込具10を電気掃除機スタンド2の載置部6に載置しなければならず、電気掃除機1を電気掃除機スタンド20まで移動する必要があり、使い勝手に課題があった。
【0007】
本開示は、上述のような課題を解決するためになされた。本開示の目的は、掃除作業中の回転ブラシの回転を阻害せず、回転ブラシの清掃を行う場所の制約なく、回転ブラシに絡まった塵埃を除去できる、利便性の良い除塵アタッチメントを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る除塵アタッチメントは、吸込口に臨むように設けられるとともに複数の清掃体が保持される回転ブラシが回転可能に支持される吸込口体と着脱可能であり、吸込口体の吸込口の少なくとも一部を覆うように装着されたときに清掃体と接触する除塵部を備えたものである。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、掃除作業中の回転ブラシの回転を阻害せず、回転ブラシの清掃を行う場所の制約なく、回転ブラシに絡まった塵埃を除去できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1に係る電気掃除機の斜視図である。
図2】実施の形態1に係る電気掃除機の吸込口体の断面図である。
図3】実施の形態1に係る除塵アタッチメントの斜視図である。
図4】実施の形態1に係る除塵アタッチメントを吸込口体の第一の位置に装着した図である(使用状態)。
図5図4の中央断面図である。
図6】実施の形態1に係る除塵アタッチメントを吸込口体の第二の位置に装着した図である(収納状態)。
図7】実施の形態2に係る除塵アタッチメントの斜視図である。
図8】実施の形態2に係る除塵アタッチメントの被装着部の伸縮前と伸縮後の状態を表す平面図である。
図9】実施の形態2に係る除塵アタッチメントを吸込口体の第二の位置に装着した斜視図である(収納状態)。
図10図9の平面図である。
図11図9の正面図である。
図12図7の平面図と前方及び後方から見た側面図である。
図13図7の端部側からの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付の図面を参照し、本開示を説明する。重複する説明は、適宜簡略化或いは省略する。各図において、同一の符号は同一の部分又は相当する部分を示す。
【0012】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る電気掃除機の斜視図である。図2は、実施の形態1に係る電気掃除機の吸込口体の断面図である。図3は、実施の形態1に係る除塵アタッチメントの斜視図である。図4は、実施の形態1に係る除塵アタッチメントを吸込口体の第一の位置に装着した図である(使用状態)。図5は、図4の中央断面図である。図6は、実施の形態1に係る除塵アタッチメントを吸込口体の第二の位置に装着した図である(収納状態)。
【0013】
電気掃除機として、図1に示すようにキャニスター型の電気掃除機1を例にとり説明する。電気掃除機1は、吸込口体2、延長管3、接続管4a、ホース4、及び本体部5を備える。本体部5は電源プラグを備えた電源コード(図示せず)を備え、電源プラグをコンセントに差し込むことにより外部電源から本体部5に電力が供給される。
【0014】
吸込口体2は、延長管3の一方の端部に接続される。吸込口体2は、延長管3の一方の端部に着脱可能である。また、延長管3は伸縮可能である。延長管3の他方の端部に接続管4aの一方の端部が接続される。接続管4aの他方の端部にホース4の一方の端部が接続される。接続管4aには手元操作部4bが設けられる。延長管3の他方の端部は、接続管4aの一方の端部に着脱可能である。ホース4の他方の端部は、本体部5に接続される。ホース4の他方の端部は、本体部5に着脱可能である。
【0015】
本体部5には、負圧を発生する電動送風機(図示せず)や集塵部(図示せず)が内蔵される。
手元操作部4bには、電動送風機への給電のON、OFFを切り替えるブロアモータスイッチ(図示せず)や、電動送風機への給電量を切り替える風量切り替えスイッチ、後述する回転ブラシ7をその軸周りに回転させる回転ブラシモータ(図示せず)への給電のON、OFFを切り替えるブラシモータスイッチ(図示せず)が設けられる。
【0016】
図2は、実施の形態1に係る電気掃除機の吸込口体2の断面図である。吸込口体2の底面には床面等の被掃除面の塵埃を吸引する吸込口6が形成され、吸込口体2の内部には、吸込口6に臨むように回転ブラシ7が配置されている。また、回転ブラシ7には複数の植毛やブレードから成る清掃体8が保持され、吸込口体2回転可能に支持されるとともに、吸込口体2を被掃除面に置いた時に清掃体8は被掃除面と接触する位置に配置されている。
【0017】
吸込口体2の吸込口6、吸込口体2の内部、延長管3、接続管4a及びホース4を経由して本体部5の電動送風機に連通する風路が形成される。
【0018】
回転ブラシ7は、吸込口体2の内部に設けた回転ブラシモータ(図示せず)などの動力により回転ブラシ7の軸周りに回転することで、被掃除面の塵埃を掻きあげる。
【0019】
図3は、除塵アタッチメント9の斜視図である。除塵アタッチメント9は、回転ブラシ7または清掃体8に付着した塵埃を除去する為のアタッチメントである。除塵アタッチメント9は、例えば、除塵部10、基部11、被装着部12を備える。除塵部10は例えばプラスティック製の直方体の板状部材で、除塵アタッチメント9の長手方向に長く、これに直交する短手方向に薄く形成される。除塵部10は後述する基部11の面から上方に立設された、硬度が高い植毛やブレード等で構成してもよい。基部11は平板状の部材で、例えばプラスティック製である。基部11の底面は、例えば平面で構成される。基部11には、除塵部10が除塵アタッチメント9の長手方向に複数配置され、基部11の両端部には、基部11の面から垂直に立設して形成される壁部である被装着部12を備える。被装着部12を構成する壁部の上端側は、基部11の長手方向に対して弾性変形するように構成される。
【0020】
図4は、除塵アタッチメント9を吸込口体2の底面と両側面を含む第一の位置に装着して使用する時の状態を示す図である。図5は、図4の中央断面図である。除塵アタッチメント9は、回転ブラシ7の清掃体8と接触する領域を覆うように、吸込口体2の底面の少なくとも一部を覆うに着脱自在に装着される。このとき、除塵アタッチメント10は、清掃体8と除塵部10とが接触する第一の位置で吸込口体2に装着される。除塵アタッチメント9を使用して回転ブラシ7に絡んだ塵埃を除去する時には、除塵アタッチメント9の除塵部10が設けられる面を吸込口体2の吸込口6と対向するように、除塵アタッチメント9を吸込口体2の底面に装着する。このとき、被装着部12を構成する壁部の上端側は、基部11の長手方向に対して広がるように弾性変形し、吸込口体2の両側面を両側から挟むようにして、除塵アタッチメント9が吸込口体2に保持される。なお、後述するように、除塵アタッチメント9を吸込口体2の第二の位置に装着するように、吸込口体2の両側面部に一対の凸部を形成し、被装着部12に形成される穴部がこの凸部に係合することで、除塵アタッチメント9を吸込口体2の下面に装着するようにしてもよい。なお、装着の方法は係合に限定するものでなく、係止やねじ固定など、他の方法で装着してもよい。
【0021】
除塵アタッチメント9を吸込口体2の第一の位置に装着した後、回転ブラシ7を回転させる。図5の円弧状の矢印に示すように、回転ブラシ7は紙面に対して時計周りに回転する。これにより、除塵アタッチメント9の除塵部10と、回転ブラシ7の清掃体8が接触し、その衝撃により回転ブラシ7または清掃体8に付着した塵埃が除去される。基部11の底面が平面で構成されるので、回転ブラシ7の清掃時に吸込口体2の底面を被掃除面に当接するようにすることが容易となり、吸込口体2が安定した姿勢の状態で回転ブラシ2を清掃することができる。
【0022】
図6は、除塵アタッチメント9を吸込口体2の第二の位置に装着している状態を示す図である。使用者が電気掃除機1を用いて掃除動作を行ったり、掃除動作を終了して、吸込口体2を電気掃除機1に収納するとき、すなわち、回転ブラシ7に絡んだ塵埃の掃除をしないときに、除塵アタッチメント9を、清掃体8と除塵部10とが接触しない第二の位置で吸込口体2に装着して収納する。例えば、第二の位置としては、吸込口体2の上面とする。除塵アタッチメント9を収納する時には、除塵アタッチメント9の除塵部10が設けれる面を吸込口体2の上面と対向するように除塵アタッチメント9を吸込口体2の上面に配置する。このとき、除塵アタッチメント9の除塵部10が吸込口体2の上面と干渉しないように、除塵アタッチメント9の除塵部10が設けられる基部11と、吸込口体2の上面とが間隔を隔てて対向するように配置する。そして、吸込口体2の長手方向の両端の上方で吸込口体2の上面に連なる傾斜部に設けられた一対の突起である装着部13(図4にも記載)を、除塵アタッチメント9の被装着部12に係合させる。係合させる構造の例としては、被装着部12に穴または凹部、装着部13に凸部などを設ける。被装着部12と装着部13を係合させるときは、例えば、被装着部12が形成される除塵アタッチメント9の両端の壁部の自由端側を押し拡げ、装着部13の構造が被装着部12の構造に嵌ったときに、壁部の自由端の押し拡げを止めて閉じる。
【0023】
なお、除塵アタッチメント9が吸込口体2の第一の位置に装着されるときに、除塵アタッチメント9の被装着部12に形成される穴部が係合する、吸込口体2の両側面に形成される一対の突起と、除塵アタッチメント9が吸込口体2の第二の位置に装着されるときに、除塵アタッチメント9の被装着部12に形成される穴部が係合する吸込口体2の両側面に形成さえる一対の突起である装着部13とを共用してもよい。
【0024】
図12は、図3に示した除塵アタッチメントの除塵部10の変形例である図7の除塵アタッチメント9の平面図と前方及び後方から見た側面図であり、図12(a)及び図12(c)は、それぞれ、除塵アタッチメント9を後方及び前方から見た側面図、図12(b)は、除塵アタッチメント9の平面図である。除塵部10は、櫛歯凸部14と櫛歯凹部15とが交互に配置された櫛歯形状を有する。櫛歯凸部14と櫛歯凹部15とは、除塵部10の長手方向に沿って、交互に並ぶ。
【0025】
図13は、除塵アタッチメント9の端部側からの側面図である。一つの除塵部10が有する複数の櫛歯凸部14のうちの一部の櫛歯凸部14は、ブラシ回転方向と反対の方向に向かって突出する突出部16を有する。突出部16は、回転ブラシ7が回転するときに突出部16に接する清掃体8が移動する方向と反対の方向に向かって突出する。突出部16は、櫛歯凸部14の背面から櫛歯凸部14の前方側に突出する。突出部16の少なくとも一部は、回転ブラシ7に設けられた清掃体8の外径の円の内側に位置する。
【0026】
図12図13で示した例では、回転ブラシ7に巻付いた髪の毛のような繊維状の塵埃が、突出部16に引っ掛かることで、回転ブラシ7による回転力により、その繊維状の塵埃が切断される。その結果、回転ブラシ7への、繊維状の塵埃の巻付きが解除されるので、繊維状の塵埃を、より効率良く確実に除去することが可能となる。
【0027】
次に動作について説明する。
(1)掃除動作時
電気掃除機1を用いて被掃除面に対して掃除を行う場合、電源プラグをコンセントに差し込む。ここで、吸込口体2の底面には除塵アタッチメント9を装着せず、吸込口体2の上面に装着する。次に、手元操作部4bのブロアモータスイッチをONする。すると、電動送風機に電力が供給され、電動送風機のブロアモータが回転することにより、電動送風機の吸込口に負圧が発生する。そして、吸込口体2の吸込口6、吸込口体2の内部、延長管3、接続管4a及びホース4を経由して本体部5の電動送風機に連通する風路を介して、吸込口体2の吸込口6に負圧が生じる。この負圧により、被掃除面である床面等にある塵埃とともに空気が吸引される。塵埃を含んだ空気は、吸込口体2の吸込口6、吸込口体2の内部、延長管3、接続管4a及びホース4を経由して本体部5に吸い込まれ、塵埃は集塵部に溜まり、塵埃が除去された空気は電動送風機と本体部5に形成された排気口(図示せず)から本体部5の外部に排気される。
【0028】
なお、被掃除面がカーペットや絨毯の場合は、手元操作部4bのブラシモータスイッチをONすることにより回転ブラシモータに電力が供給され、回転ブラシ7が軸周りに回転し、被掃除面の塵埃を掻きあげるので、効率よく塵埃を吸引できる。このときに、回転ブラシ7や回転ブラシ7に設けられる清掃体8に、糸くずや毛髪、繊維ごみなどの塵埃が絡むことがあるが、掃除動作のときには除塵アタッチメント9が吸込口体2の底面に装着されないので、回転ブラシ7が除塵部10に当たらず、除塵部10が回転ブラシ7の回転を阻害せず、除塵部10により回転ブラシ7の塵埃の掻きあげ動作が阻害されない。
【0029】
(2)回転ブラシ清掃時
被掃除面に対する掃除が終了したら、手元操作部4bのブロアモータスイッチをOFFして電動送風機への通電を停止する。そして、除塵アタッチメント9の除塵部10がある面を吸込口体2の吸込口6側に向けて、吸込口体2の下方から除塵アタッチメント9を装着する。
【0030】
この状態で、手元操作部4bのブロアモータスイッチとブラシモータスイッチをONする。すると、電動送風機と回転ブラシモータに電力が供給され、回転ブラシ7がその軸周りに回転する。回転ブラシ7の回転にともなって清掃体8も回転し、清掃体8が除塵アタッチメント9の除塵部10と接触する。清掃体8が除塵部10と接触することで、回転ブラシ7や清掃体8に絡んだ塵埃が回転ブラシ7や清掃体8から引き剥がされ、除去される。引き剥がされた塵埃は吸込口体2の内部、延長管3、接続管4a及びホース4を経由して本体部5に吸引され、本体部5の集塵部に集塵される。
【0031】
(3)塵埃アタッチメント収納時
回転ブラシ7に絡んだ塵埃の除去が終了し、吸込口体2とともに電気掃除機1を収納する場合や、再び電気掃除機1を用いて掃除動作を再開する場合、除塵アタッチメント9を吸込口体2の上面に配置し、吸込口体2の長手方向の両端の上方で吸込口体2の上面に連なる傾斜部に設けられた一対の突起である装着部13を、除塵アタッチメント9の被装着部12に係合させて装着する。装着部13を被装着部12に係合させるときは、例えば、被装着部12が形成される除塵アタッチメント9の両端の壁部の自由端側を押し拡げ、装着部13の構造が被装着部12の構造に嵌ったときに、壁部の自由端の押し拡げを止めて閉じる。
【0032】
このように、実施の形態1に係る除塵アタッチメントによれば、吸込口に臨むように設けられるとともに複数の清掃体が保持される回転ブラシが回転可能に支持される吸込口体と着脱可能であり、吸込口体の吸込口の少なくとも一部を覆うように装着されたときに清掃体と接触する除塵部を備えたので、掃除作業中の回転ブラシの回転を除塵部が阻害しない。また、回転ブラシを回転させて回転ブラシに絡んだ塵埃除去を行うときに、除塵部が回転ブラシに接触し、回転ブラシに絡まった塵埃を除去できるので、回転ブラシの清掃を行う場所の制約がなく、使い勝手がよい。つまり、特許文献2のように、回転ブラシの清掃を行うために、電気掃除機を電気掃除機スタンドまで移動する必要がない。
【0033】
また、吸込口の除塵アタッチメントが覆っていない部分から吸込口体の外部の空気が吸引されるので、回転ブラシから除去された塵埃がこの吸引された空気とともに電気掃除機の本体部で捕集され、使い勝手がよい。
【0034】
また、除塵部は吸込口体とは別部品である為、特許文献1のようにメンテンナンス時に回転ブラシを取り外す必要がなく、除塵部のメンテナンスもしやすい。
【0035】
また、除塵アタッチメントは、吸込口体の下方で清掃体と除塵部とが接触する第一の位置で吸込口体に装着され、除塵アタッチメントは、第一の位置で吸込口体へ装着される被装着部を備え、吸込口体は、第一の位置で除塵アタッチメントの被装着部と装着される装着部を備えたので、回転ブラシを回転させて回転ブラシに絡んだ塵埃の除去を行うときに、除塵アタッチメントを吸込口体の第一の位置に安定して装着できる。
【0036】
また、除塵アタッチメントは、清掃体と除塵部とが接触しない第二の位置で記吸込口体に装着され、除塵アタッチメントは、第二の位置で吸込口体へ装着される被装着部を備え、吸込口体は、第二の位置で除塵アタッチメントの被装着部と装着される装着部を備えたので、回転ブラシに絡んだ塵埃の除去を行わないときは、除塵部が回転ブラシと接触せず、掃除作業中の回転ブラシの回転を除塵部が阻害しない。また、除塵アタッチメントが吸込口体に安定して装着されるので、除塵アタッチメントの紛失を防止できるとともに、除塵アタッチメントの保管場所に困ることがない。
【0037】
実施の形態2.
図7は、実施の形態2に係る除塵アタッチメントの斜視図である。図8は、実施の形態2に係る除塵アタッチメントの被装着部の伸縮前と伸縮後の状態を表す平面図である。図9は、実施の形態2に係る除塵アタッチメントを吸込口体の第二の位置に装着した斜視図である(収納状態)。図10は、図9の平面図である。図11は、図9の正面図である。図12は、図7の平面図と正面図である。図13は、図7の端部側からの側面図である。
【0038】
実施の形態1では、除塵アタッチメント9を吸込口体2に収納させる例などについて説明した。本実施の形態では、除塵アタッチメント9を複数の異なる吸込口体2や、延長管3、手元ホース4、及び本体部5に収納できる構造の例について説明する。
【0039】
図7は、実施の形態2に係る除塵アタッチメントの斜視図である。除塵アタッチメント9には、除塵部10、基部11及び被装着部12を備え、基部11には除塵部10が長手方向に複数配置され、基部11の両端部には被装着部12を備える。
【0040】
被装着部12は伸縮可能な材質で形成し、被装着部12を長手方向へ引っ張ることで、除塵アタッチメント9の一対の被装着部12の位置が移動し、一対の被装着部12の距離の変更が可能である。また、被装着部12を移動可能にさせる別の手段として、被装着部12を基部11と別部品で構成し、被装着部12を長手方向へスライド可能な構造にすることでも可能である(図示せず)。
図8は、実施の形態2の除塵アタッチメントの被装着部の伸縮前と伸縮後の状態を表す平面図であり、(a)は伸縮前、(b)は伸縮後の状態を表す図である。
【0041】
図9は、実施の形態2に係る除塵アタッチメントを吸込口体の第二の位置に装着した斜視図である(収納状態)。図10は、図9の平面図である。図11図9の正面図である。
除塵アタッチメント9を収納する時には、除塵アタッチメント9を吸込口体2の第二の位置の例である上面に配置し、吸込口体2の上面に設けられた装着部13を、除塵アタッチメント9の被装着部12に係合させる。基部11の底面を平面状に構成し、吸込口体2の上面を平面状に形成すれば、除塵アタッチメント9の基部11の底面と吸込口体2の上面とを密着して配置することができ、除塵アタッチメント9を吸込口体2の上面に安定して収納することができる。係合させる構造の例としては、被装着部12に穴、装着部13に凸部などを設けることにより、被装着部12と装着部13を係合させ、固定することができる。
【0042】
本実施の形態に示す例では、被装着部12は除塵アタッチメント9の長手方向への移動が可能なので、一対の被装着部12の間の距離の変更が可能となり、除塵アタッチメント9を一対の装着部13の長手方向における間隔の異なる複数の吸込口体2への使用が可能となる。
【0043】
このように、実施の形態2に係る除塵アタッチメントによれば、除塵アタッチメントの被装着部は、除塵アタッチメントの長手方向に移動が可能に構成され、一対の装着部の長手方向における間隔の異なる複数の異なる吸込口体に装着されるので、1つの除塵アタッチメントを長手方向のサイズが異なる複数の吸込口体に装着でき、除塵アタッチメントの共通化が可能となる。
【0044】
また、除塵アタッチメントの長手方向に移動可能となるように、被装着部が伸縮可能な材質または構造で構成されるので、被装着部を除塵アタッチメントの長手方向に容易に移動することができる。
【0045】
また、後述する実施の形態3の電気掃除機のように、除塵アタッチメントが装着される第二の位置が、電動送風機を内蔵する本体部、本体部側に接続されるともに吸込口を有する吸込口体、本体部と吸込口体の間に接続されるホース、接続管もしくは延長管とした場合、これらの第二の位置において、除塵アタッチメントの被装着部と装着される装着部の位置や間隔が異なっていても、1つの除塵アタッチメントを長手方向のサイズが異なる複数の部位に装着でき、除塵アタッチメントの共通化が可能となる。
【0046】
実施の形態3.
電気掃除機1は、電動送風機(図示せず)を内蔵する本体部5と、本体部5側に接続されるともに吸込口6を有する吸込口体2と、本体部5と吸込口体2の間に接続されるホース4、接続管4aもしくは延長管3と、吸込口6に臨むように設けられるとともに複数の清掃体8が保持される回転ブラシ7が回転可能に支持される吸込口体2と着脱可能であり、吸込口体2の吸込口6の少なくとも一部を覆うように装着されたときに清掃体8と接触する除塵部10を備えた除塵アタッチメント9とを備える。
【0047】
また、除塵アタッチメント9は、清掃体8と除塵部10とが接触しない第二の位置で本体部5、ホース4、接続管4aもしくは延長管3に装着される被装着部を備え、
本体部5、ホース4、接続管4aもしくは延長管3は、第二の位置で除塵アタッチメント9の被装着部と装着される装着部を備える。
【0048】
このように、実施の形態3に係る電気掃除機によれば、電動送風機を内蔵する本体部と、本体部側に接続されるともに吸込口を有する吸込口体と、本体部と吸込口体の間に接続されるホース、接続管もしくは延長管と、吸込口に臨むように設けられるとともに複数の清掃体8が保持される回転ブラシが回転可能に支持される吸込口体と着脱可能であり、吸込口体の吸込口の少なくとも一部を覆うように装着されたときに清掃体と接触する除塵部を備えた除塵アタッチメント9とを備えるので、掃除作業中の回転ブラシの回転を阻害せず、回転ブラシの清掃を行う場所の制約なく、回転ブラシに絡まった塵埃を除去できる電気掃除機が得られる。
【0049】
また、除塵アタッチメントは、清掃体と除塵部とが接触しない第二の位置で本体部、ホース、接続管もしくは延長管に装着される被装着部を備え、本体部、ホース、接続管もしくは延長管は、第二の位置で除塵アタッチメントの被装着部と装着される装着部を備えたので、回転ブラシに絡んだ塵埃の除去を行わないときは、除塵部が回転ブラシと接触せず、掃除作業中の回転ブラシの回転を除塵部が阻害しない。また、除塵アタッチメントを本体部、ホース、接続管もしくは延長管に安定して装着されるので、除塵アタッチメントの紛失を防止できるとともに、除塵アタッチメントの保管場所に困ることがない。
【0050】
以上の説明において、キャニスター型の電気掃除機を例として説明したが、電池を本体部に備え、電動送風機や回転ブラシモータへの電力供給を電池から行うコードレススティックタイプの電気掃除機としても適用できる。
【符号の説明】
【0051】
1 電気掃除機、
2 吸込口体、
3 延長管、
4 ホース、
4a 接続管、
4b 手元操作部、
5 本体部、
6 吸込口、
7 回転ブラシ、
8 清掃体、
9 除塵アタッチメント、
10 除塵部、
11 基部、
12 被装着部、
13 装着部、
14 櫛歯凸部、
15 櫛歯凹部、
16 突出部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図13