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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023033724
(43)【公開日】2023-03-13
(54)【発明の名称】洗濯乾燥機
(51)【国際特許分類】
   D06F 58/02 20060101AFI20230306BHJP
   D06F 33/74 20200101ALI20230306BHJP
【FI】
D06F58/02 F
D06F33/74
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021139586
(22)【出願日】2021-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 重幸
(72)【発明者】
【氏名】川村 圭三
(72)【発明者】
【氏名】塚本 和寛
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 聡凜
(72)【発明者】
【氏名】山本 哲也
(72)【発明者】
【氏名】黒田 隆
【テーマコード(参考)】
3B166
3B167
【Fターム(参考)】
3B166AA02
3B166AA05
3B166AB22
3B166AB30
3B166AB33
3B166AE01
3B166AE02
3B166AE07
3B166BA12
3B166BA23
3B166BA37
3B166BA82
3B166CA01
3B166CA11
3B166CA17
3B166CB01
3B166CB11
3B166CB13
3B166CC02
3B166CD05
3B166CD15
3B166DC47
3B166DE02
3B166DE04
3B166DE06
3B166EA03
3B166EA12
3B166EE01
3B166GA02
3B166GA12
3B167AA02
3B167AA05
3B167AB22
3B167AB30
3B167AB33
3B167AE01
3B167AE02
3B167AE05
3B167AE07
3B167BA12
3B167BA23
3B167BA37
3B167BA82
3B167KA12
3B167LA23
3B167LA38
3B167LC09
3B167LC14
3B167LC20
3B167LD01
(57)【要約】
【課題】大風量化に対応した乾燥運転中の送風ファンモータを所定温度以下に安定して冷却できる洗濯乾燥機を提供する。
【解決手段】本発明の洗濯乾燥機は、内部に液体を貯留可能な外槽2と、前記外槽内に回転可能に支持され洗濯物を収容するドラム3と、前記外槽若しくは前記ドラムに送風する空気を加熱する加熱手段22と、冷却水により前記ドラムに通風した空気を除湿する除湿ダクト51と、冷却水により冷却するファンモータ201を有し、前記外槽若しくは前記ドラム、前記除湿ダクト、及び前記加熱手段を循環する空気を送風する送風手段20と、前記除湿ダクトの冷却水と前記ファンモータの冷却水とが順に通流する流路52と、を備えるようにした。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に液体を貯留可能な外槽と、
前記外槽内に回転可能に支持され洗濯物を収容するドラムと、
前記外槽若しくは前記ドラムに送風する空気を加熱する加熱手段と、
冷却水により前記ドラムに通風した空気を除湿する除湿ダクトと、
冷却水により冷却するファンモータを有し、前記外槽若しくは前記ドラム、前記除湿ダクト、及び前記加熱手段を循環する空気を送風する送風手段と、
前記除湿ダクトの冷却水と前記ファンモータの冷却水とが順に通流する流路と、
を備えることを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項2】
請求項1に記載の洗濯乾燥機において、
前記流路は、前記ファンモータを冷却した冷却水が前記除湿ダクトに給水するように、前記ファンモータと前記除湿ダクトを連通する
ことを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項3】
請求項1に記載の洗濯乾燥機において、
前記流路は、前記除湿ダクトで除湿した冷却水が前記ファンモータを冷却するように、前記ファンモータと前記除湿ダクトを連通する
ことを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の洗濯乾燥機において、
冷却水の水流路であるファンモータの冷却部は、水流路に拡大伝熱面を有する
ことを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項5】
請求項4に記載の洗濯乾燥機において、
ファンモータの冷却部は、ファンモータの外殻内部に設ける
ことを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項6】
請求項4に記載の洗濯乾燥機において、
前記ファンモータの冷却部は、樹脂製材料で形成され、少なくとも二つ以上の形状の部品を溶着で水流路を構成する
ことを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項7】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の洗濯乾燥機において、
前記ファンモータを冷却した冷却水の温度を検出する温度検出手段を備え、
検出した温度が所定の温度以上の場合には、前記ファンモータの回転数を下げる
ことを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項8】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の洗濯乾燥機において、
前記ファンモータを冷却した冷却水の温度を検出する温度検出手段を備え、
検出した温度が所定の温度以上の場合には、冷却水の流量を増す
ことを特徴とする洗濯乾燥機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類等の洗濯から乾燥まで一貫して行う洗濯乾燥機に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯から乾燥までを連続して行える洗濯乾燥機における衣類の乾燥は、温風加熱除湿方式またはヒ-トポンプ方式により行われている。
【0003】
温風加熱除湿方式の洗濯乾燥機では、ヒータで加熱した空気を衣類に吹き付けて、空気により衣類から水分を吸収する。衣類の湿気を含んだ空気は、水道水を流路内に流下させるダクト部等の所定の空間で、低温面に接触して冷却され、水分が凝縮して除湿される。そして、除湿された空気を再び加熱し、高温となった空気を衣類に吹き付ける。これらの動作は繰返し実行されて衣類の乾燥を行う。
【0004】
洗濯乾燥機の中には、水分を含んだ状態の衣類に高温の高速風を吹き付けて、風の力で布を周囲に押し広げながら乾燥するようにし、衣類の洗濯乾燥後の皺を低減することを訴求する洗濯乾燥機がある。この洗濯乾燥機では、できるだけ高風速の空気を衣類に吹き付けるために、送風ファンの回転数を高めることが行われる。
【0005】
この送風ファンの回転数の増加は、ファンモータの発熱量の増大につながる。ファンモータ発熱量が大きい場合、コイル温度が規定値を超えると長期的には寿命が低下すると共に、著しい場合には絶縁破壊を起こし損傷する。このため、モータからの発熱量が大きい場合は、積極的な冷却が必要となる。
【0006】
例えば、特許文献1には、送風ファンの昇圧後の空気の一部をバイパスさせ、ファンモータ近傍に流してファンモータを冷却する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006-204656号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の先行技術によれば、乾燥運転において、衣類に高温高速風を吹き付けて衣類の皺を低減することができる。
乾燥循環空気は、乾燥初期は飽和状態の相対湿度が高い。このため、モータケースはアルミやステンレス等の耐食性の高い材質や、コ-ティング等の表面処理した鋼板が必要となる課題がある。
また、上記の先行技術においては、乾燥後半(減率乾燥期間)では、衣類温度がそれまでのほぼ一定の湿球温度よりも高くなり、乾燥循環空気温度が高まるため温度差が小さくなりモータの冷却能力が制限される課題があった。
【0009】
本発明の目的は、上記課題を解決し、大風量化に対応した乾燥運転中の送風ファンモータを所定温度以下に安定して冷却できる洗濯乾燥機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するため、本発明の洗濯乾燥機は、内部に液体を貯留可能な外槽と、前記外槽内に回転可能に支持され洗濯物を収容するドラムと、前記外槽若しくは前記ドラムに送風する空気を加熱する加熱手段と、冷却水により前記ドラムに通風した空気を除湿する除湿ダクトと、冷却水により冷却するファンモータを有し、前記外槽若しくは前記ドラム、前記除湿ダクト、及び前記加熱手段を循環する空気を送風する送風手段と、前記除湿ダクトの冷却水と前記ファンモータの冷却水とが順に通流する流路と、を備えるようにした。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、大風量が必要な条件の乾燥工程中の乾燥空気流動用ファンモータを所定温度以下に安定に冷却できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施例1のドラム式の洗濯乾燥機の外観斜視図である。
図2】実施例1のドラム式の洗濯乾燥機の内部構成を示す模式図である。
図3図2におけるII-II線断面図である。
図4A】送風ファンの一体構造を上部から見た図である。
図4B図4AのIII-III線断面図である。
図4C図4BのIV-IV線断面図である。
図5】樹脂製の水流路の構成を示す図である。
図6A】他の送風ファンの一体構造を上部から見た図である。
図6B図6AのV-V線断面図である。
図7A】別の送風ファンの一体構造を上部から見た図である。
図7B図7AのVI-VI線断面図である。
図8】実施例2のドラム式の洗濯乾燥機の内部構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。同じ構成要素には同様の符号を付し、繰返しの説明は省略する。
【実施例0014】
図1は、実施形態のドラム式の洗濯乾燥機100の外観斜視図である。
ユ-ザは、選択する衣類等を、筐体1の前面に設けられたドア9を開けてドラム3内に入れ、洗剤や柔軟剤を投入口11に入れ、操作面10を操作して洗濯のみや乾燥までなどの必要な運転操作を指示する。
【0015】
洗濯乾燥機100の外郭を構成する筐体1の内部には、衣類を収容するステンレス製のドラム3(内槽)と、ドラム3の外周には、ドラム3を回転可能に支持する外槽2(図2)が配置されている。外槽2は、内部に液体を貯留可能となっている。
【0016】
ドア9は、筐体1の前面にドラム3の開放部を覆うように設けられている。ドア9の端部にはヒンジ91が備えられており、ドア9を開閉可能に支持している。
筐体1とドア9との間には、柔軟なゴム製のベロ-ズ12が備えられており、ドア9を閉状態にした際には、ベロ-ズの弾性変形によりドアが密着し内部から筐体外部への漏水や湿気の漏れを防止できる構成となっている。
【0017】
つぎに、図2図3により実施形態のドラム式の洗濯乾燥機100の内部構成を説明する。図2は、実施形態のドラム式の洗濯乾燥機100の内部構成を示す模式図であり、洗濯乾燥機100の筐体1から前面パネルを取り外した正面図を示している。図3は、図2のII-II線断面図である。
【0018】
図2に示す筐体1の内部には、衣類を内部に収容するドラム3と、ドラム3の外周に所定の間隙をもって配置された同心円状の外槽2を備えている。なお、ドラム3は、外槽2の奥側底部にインサートされた軸受に挿入したシャフトにより片持ち支持される。シャフト端部は、ドラム底部中心に結合され、シャフトの他方端部は、モータ31(図3)に直接結合されるか、シャフトに取り付けたプ-リとベルトを介してモータ31に連結される。
【0019】
回転するドラム3を内装した外槽2には、防振のための複数本のサスペンション6が備えられている。また、外槽2の上部には、防振用の複数本の吊ばね61が備えられている。複数本の吊ばね61は、筐体1と外槽2との間に配置され、筐体1から外槽2を吊下げるようにしている。
【0020】
筐体1の下部には、外槽2と連通する排水ホース28が備えられ、外槽2に溜まった水を排水するための排水弁44が備えられている。
【0021】
リフタ32は、ドラム3の回転に合わせ衣類を上方まで一時的に掻き揚げる複数個の突起部である。リフタ32により、洗濯、すすぎ、乾燥時に回転するドラム3内の衣類の攪拌が行われる。
【0022】
また、ドラム3の円筒部壁面には、複数の小孔3a(図3)が形成されており、水はこの小孔3aを通過する。特に、洗濯とすすぎ後に実行されるドラム3の高速脱水時においては、衣類は遠心力によりドラム3の円筒内面に押さえ付けられ、衣類に含まれた水分がドラム3に形成された複数の小孔3aを通過して外槽2に至る脱水が行われる。
【0023】
乾燥工程の主要部品である乾燥ユニットは、除湿ダクト51(図3)と送風ファン20(送風手段)とヒータ22(加熱手段)と吹出しノズル26とから構成される。衣類の湿気を含んだ温風は、ドラム3の小孔3aを通過して外槽2の奥部の除湿ダクト吸込み口51aからを吸い込まれ、乾燥ユニットを循環する。
【0024】
つぎに図3により、乾燥ユニットのより詳細な構成を説明する。
除湿ダクト吸込み口51aからを吸い込まれた衣類の水分を吸収して湿気を含んだ温風は、外槽2の背面のドラム3から連通可能な位置に設けられた除湿ダクト51に流入する。
【0025】
除湿ダクト51は、上部の冷却給水系52(流路)から後述する送風ファン20の冷却水が給水される。給水された冷却水は、除湿ダクト51の内壁面50を滴下または流下して、外槽2に流出し、排水ホース28を介して排水される。
【0026】
湿気を含んだ空気は、除湿ダクト51を通過する際に、除湿ダクト51の上部から流下する冷却水の表面温度が、流動する空気の露点温度以下である場合に空気に含まれる水蒸気が凝縮し、流動する空気から水分が取り除かれ除湿される。凝縮した水分は、冷却水と一緒に外槽2に流出し、排水ホース28を介して排水される。
【0027】
除湿ダクト51で除湿した空気は、送風ファン20により吸引される。
送風ファン20は、詳細を後述するが、ファンモータ201と、冷却水が通流してファンモータ201を冷却する樹脂製の水流路202と、ケーシング205と、から構成する。
【0028】
送風ファン20は、除湿ダクト51から除湿した空気を吸引し、送風ファン20の下流側に配置されているヒータ22に吐出する。
ヒータ22で加熱された空気は、ドラム3に臨んで設けられている吹出しノズル26から、外槽2若しくはドラム3に送風される。
【0029】
水流路202の冷却水は、給水弁421を介して、洗濯乾燥機100の洗い水やすすぎ水の給水系から給水される。そして、除湿ダクト51に給水する冷却水は、送風ファン20の水流路202に連通する冷却給水系52から給水する。
【0030】
つまり、冷却給水系52(流路)は、ファンモータ201を冷却した冷却水が除湿ダクト51に給水するように、ファンモータ201と除湿ダクト51を連通し、ファンモータ201の冷却後の冷却水が除湿ダクト51における除湿を行うようにする。
【0031】
温度センサ70は、冷却給水系52を通流する冷却液の温度を検出するサ-ミスタ等の温度センサである。
制御部71は、温度センサ70で検出した冷却水の温度により、給水弁421の開閉またはファンモータ201の回転数(回転速度)を制御する。
【0032】
制御部71は、温度センサ70で検出した冷却水の温度が規定値以上の場合に、ファンモータ201の異常発熱を判定して、ファンモータ201の回転数を下げるか、または停止する操作を行う。
また、制御部71は、ファンモータ201の異常発熱の他、洗い水やすすぎ水の給水系で検出している水温からの温度センサ70で検出した冷却水の温度の上昇値を算出して、送風ファンが回転指示通り回転しているかの確認を行ってもよい。詳しくは、温度上昇が規定値に達しない場合に、ファンモータ201が回転指示に応じて回転動作していないと判定する。
【0033】
また、制御部71は、温度センサ70で検出した冷却水の温度上昇値が規定値以上の場合に、給水弁421を開けて通水量を増して水流路202の流量を増し、ファンモータ201の冷却を強化するようにしてもよい。
さらに、制御部71は、ファンモータ201の冷却を強化しても、温度センサ70で検出した冷却水の温度上昇値が規定値以上の場合には、ファンモータ201の異常発熱を判定して、ファンモータ201を停止する操作を行ってもよい。
【0034】
つぎに、図4A図4C図5A図5B図6A図6Bにより、送風ファン20の構成を説明する。
【0035】
図4A図4Cは、実施形態の洗濯乾燥機100の送風ファン20の詳細を説明する図である。図4Aは、送風ファン20の一体構造を上部から見た図である。図4B図4AのIII-III線断面図であり、図4C図4BのIV-IV線断面図である。
【0036】
まず、図4Bにより、送風ファン20の構成を説明する。送風ファン20は、ファンモータ201と、インペラ203とケーシング205から成るファンユニットと、から構成される遠心式送風機である。
【0037】
送風ファン20のファンユニットは、複数枚の羽根を設けたインペラ203の周りに、流動方向に向かって断面積が増加する渦巻状のケーシング205を設けて構成する。ファンユニットの吸込口204から流入した空気は、高速で回転するインペラ203の羽根間を流れ、ケーシング205の流路を経て次第に昇圧し、吐出口206から流出する(図4C参照)。昇圧した空気は、送風ファン20の下流に設けられたヒータ22に吐出する。
【0038】
ファンモータ201は、例えば、IPMモータ(磁石埋込型)であり、ファンモータ201のシャフト201aの端部には、遠心型のインペラ203が取り付けられている。シャフト201aの他端部には、ロータ201bと所定間隙を介してステータ201cがあり、ステータ201cへの磁界の変化に応じてロータ201bが回転する。このとき、磁界を発生させるための電気的損失や流体損失により、ステータ201c、ロータ201b、また図示しない軸受部、内部空気が発熱する。ステータ201cとモータケース201dは、機械的に圧入接触しており熱的にも結合している。
【0039】
図4Aに示すように、樹脂製の水流路202(冷却部)が、モータケース201dを1周するように設けられ、上面の入口ポ-ト202aから水流路202の流路内に冷却水が流入し、冷却水は水流路202を上方から見て時計方向に流れ、出口ポ-ト202bから流出する。
【0040】
水流路202で、冷却水は温度の高いファンモータ201の表面から吸熱し、ファンモータ201を冷却する。水流路202とファンモータ201とは、熱的な結合を良くするために、面粗さが小さい表面同志で面接触することが好ましい。水流路202は樹脂製に拘らず、金属製であっても良い。金属製の場合には、熱抵抗が小さくモータからの吸熱効果が大きくなるので、ファンモータ201の冷却性能が高くなる。
【0041】
図5は、樹脂製の水流路202の構成を示す図である。水流路202は、樹脂製の上方に開口したコの字断面を環状のボディー2021と蓋2022から成り、ボディー2021と蓋2022とを溶着して形成する(溶着部)。水流路202の構成は、図5に限らず、他の構成であってもよい。
【0042】
つぎに、図6A図6Bにより、送風ファン20の他の構成を説明する。図6Aは送風ファン20の一体構造を上部から見た図である。図6B図6AのV-V線断面図である。インペラ203とケーシング205の形状は、図4Cと同様のため説明は省略する。
【0043】
図6A図6Bに示す送風ファン20は、図4A図4Bで説明した送風ファン20に対して、水流路202内に伝熱面積拡大のためのフィン202cを設け、水流路202が拡大伝熱面を有するようにしたものである。送風ファン20の他の構成は、図4A図4Bで説明した送風ファン20と同様のため、説明は省略する。
【0044】
送風ファン20は、フィン202cにより伝熱面積が拡大できるため、水流路202を通流する冷却水とファンモータ201のケース表面間の熱抵抗を低減でき、ファンモータ201の冷却性能をより高くすることができる。
また、冷却水の流速によりフィン202c表面の熱伝達率が変化するため、流速の最適化によりファンモータ201の冷却性能を向上できる。
さらに、フィン202cのフィン高さの最適化によりファンモータ201の冷却性能を向上できる。
【0045】
さらに、図7A図7Bにより、送風ファン20の別の構成を説明する。図7Aは送風ファン20の一体構造を上部から見た図である。図7B図7AのVI-VI線断面図である。インペラ203とケーシング205の形状は、図4Cと同様のため説明は省略する。
【0046】
図7A図7Bに示す送風ファン20は、図6A図6Bで説明した送風ファン20に対して、ファンモータ201のケース内部に冷却水の水流路202を構成したものである。すなわち、ファンモータ201の冷却部をファンモータ201の外殻内部に設けるようにしたものである。
【0047】
このような構成により、冷却構造を一体化したファンモータ201として、製造現場における洗濯乾燥機の組立性が向上すると共に、モータ周囲の影響をモータ冷却性能が受けにくくする効果がある。
【実施例0048】
以下、本発明のドラム式の洗濯乾燥機100の他の実施形態について説明する。
図8は、実施例2のドラム式の洗濯乾燥機100の内部構成を示す断面図である。
【0049】
実施例1で説明した洗濯乾燥機100は、乾燥ユニットを筐体1の上部(外槽2の上部)に配置し、冷却水をファンモータ201、除湿ダクト51の順に通水する構成とした。これに対して、実施例2の洗濯乾燥機100は、乾燥ユニットを筐体1の下部(外槽2の下部)に配置し、冷却水を除湿ダクト51、ファンモータ201の順に通水する構成とした。
【0050】
実施例2の洗濯乾燥機100の構成部品は、除湿ダクト51のみ構成が実施例1と異なり、他は実施例1の洗濯乾燥機100と同様のため、ここでは説明を省略する。
【0051】
なお、図8には、温度センサ70と制御部71とを図示していないが、温度センサ70と制御部71とを設け、図3で説明したように、制御部71は、温度センサ70で検出した冷却水の温度により、ファンモータ201や給水弁421を制御する。
また、送風ファン20は、図4A図4C図5A図5B図6A図6Bで説明したいずれの送風ファン20でもよい。
【0052】
除湿ダクト51は、給水弁421を介して、洗濯乾燥機100の洗い水やすすぎ水の給水系から冷却水が給水される。給水された冷却水は、除湿ダクト51の背面と隔壁510との間の閉じた空間を通流し、冷却給水系52を介して、送風ファン20の水流路202を通流する。
【0053】
除湿ダクト51で、冷却水で冷却された隔壁510が衣類の湿気を含んだ空気の露点温度以下である場合に空気に含まれる水蒸気が凝縮し、衣類の湿気を含んだ空気から水分が取り除かれ除湿される。凝縮した水分は外槽2に排水され、除湿された空気は、送風ファン20により吸引される。
【0054】
冷却給水系52を介して送風ファン20の水流路202に通流した冷却水は、ファンモータ201を冷却し、排水ホース28を介して排水される。
【0055】
このように実施例2の洗濯乾燥機100では、冷却給水系52(流路)は、除湿ダクト51で空気を除湿した冷却水がファンモータ201を冷却するように除湿ダクト51とファンモータ201を連通し、除湿ダクト51を除湿後の冷却水がファンモータ201を冷却する。
【0056】
実施例2の洗濯乾燥機100では、冷却水が除湿ダクト51から送風ファン20の順に通水するように冷却給水系52を設ける構造とすることにより設置自由度が向上し、乾燥ファンを筐体1の下部(外槽2の下部)に配置できる。
【0057】
以上の実施例1または実施例2の洗濯乾燥機100では、ファンモータ201を冷却した冷却水が除湿ダクト51に給水するか、または、除湿ダクト51で除湿した冷却水がファンモータ201を冷却するように、除湿ダクト51の冷却水とファンモータ201の冷却水とが順に通流する冷却給水系52(流路)を設ける。
【0058】
これにより、乾燥空気流動用ファンモータであるファンモータ201を所定温度以下に安定に冷却できる。
【0059】
また、筐体1の側面などにファンモータ201の放熱を目的とした空気流動用開口部を設ける必要がないので、この開口部からの放射音を抑制し低騒音化を実現できる。
さらに、筐体1と、洗濯乾燥機100の前面を除く周囲壁との間が近接するアンダカウンタ等のシステムキッチン等へのビルトイン構造においても、ファンモータ201を安定して冷却でき大風量化が実現できる。
【0060】
また、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記の実施例は本発明で分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。
【符号の説明】
【0061】
2 外槽
3 ドラム
20 送風ファン(送風手段)
201 ファンモータ
202 水流路
203 インペラ
205 ケーシング
22 ヒータ(加熱手段)
26 吹出しノズル
28 排水ホース
51 除湿ダクト
52 冷却給水系(流路)
70 温度センサ
71 制御部
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8