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▶ ウーテーアー・エス・アー・マニファクチュール・オロロジェール・スイスの特許一覧

特開2023-3387追加のタイムゾーンを表示する表示モジュール
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  • 特開-追加のタイムゾーンを表示する表示モジュール 図1A
  • 特開-追加のタイムゾーンを表示する表示モジュール 図1B
  • 特開-追加のタイムゾーンを表示する表示モジュール 図2
  • 特開-追加のタイムゾーンを表示する表示モジュール 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023003387
(43)【公開日】2023-01-11
(54)【発明の名称】追加のタイムゾーンを表示する表示モジュール
(51)【国際特許分類】
   G04B 19/22 20060101AFI20221228BHJP
【FI】
G04B19/22 Z
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022085804
(22)【出願日】2022-05-26
(31)【優先権主張番号】21181108.8
(32)【優先日】2021-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】591048416
【氏名又は名称】ウーテーアー・エス・アー・マニファクチュール・オロロジェール・スイス
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン・ロムバッハ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】計時器において単純な機構によって2つの異なるタイムゾーンを表示することを可能にする。
【解決手段】本発明の一態様は、少なくとも2つのタイムゾーンを表示するための表示モジュールに関する。この表示モジュールは、少なくとも1つの日付車、少なくとも1つのメイン車及び少なくとも1つの可動中間車130を備える。前記少なくとも1つの日付車は、前記少なくとも1つの可動中間車130を少なくとも1つの第1の位置に変位させ、かつ、前記少なくとも1つの可動中間車130を介して前記少なくとも1つのメイン車を駆動するように構成している。前記少なくとも1つのメイン車は、前記少なくとも1つの可動中間車130を少なくとも1つの第2の位置に変位させて、前記少なくとも1つの可動中間車130を前記少なくとも1つの日付車から解放し、かつ、前記少なくとも1つの第2のタイムゾーンの時間を修正するように構成している。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
計時器用ムーブメント(200)のための追加のタイムゾーンを表示する表示モジュール(100)であって、
前記計時器用ムーブメント(200)は、少なくとも1つの日付ディスクを駆動するように構成している少なくとも1つの日付車(110)を備え、
前記表示モジュール(100)は、少なくとも1つのメイン車(120)と少なくとも1つの可動中間車(130)を備え、
前記少なくとも1つのメイン車(120)は、少なくとも1つの第2のタイムゾーンの第2の時間を示すように構成しており、
前記少なくとも1つの可動中間車(130)は、少なくとも1つの第1の位置(101)と少なくとも1つの第2の位置(102)の間で変位するように構成しており、
前記少なくとも1つの日付車(110)は、前記少なくとも1つの可動中間車(130)を前記少なくとも1つの第1の位置(101)に変位させ、かつ、前記少なくとも1つの可動中間車(130)を介して前記少なくとも1つのメイン車(120)を駆動するように構成しており、
前記少なくとも1つのメイン車(120)は、前記少なくとも1つの可動中間車(130)を前記少なくとも1つの第2の位置(102)に変位させて、前記少なくとも1つの可動中間車(130)を前記少なくとも1つの日付車(110)から解放し、かつ、前記少なくとも1つの第2のタイムゾーンの時間を修正するように構成している
ことを特徴とする表示モジュール(100)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの可動中間車(130)は、前記少なくとも1つの第1の位置(101)と前記少なくとも1つの第2の位置(102)の間で変位するように構成している少なくとも1つの可動要素(131)を備え、
前記少なくとも1つの可動要素(131)上に配置される少なくとも1つの可動中間車(130)を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の表示モジュール(100)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの可動要素(131)は、前記少なくとも1つの可動要素(131)を前記少なくとも1つの第2の位置(102)と前記少なくとも1つの第1の位置(101)の間で変位させるように構成している少なくとも1つの戻し要素(132)を備える
ことを特徴とする請求項2に記載の表示モジュール(100)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの可動要素(131)は、少なくとも1つの当接体(133)と、及び前記少なくとも1つの可動要素(131)を前記少なくとも1つの第1の位置(101)と前記少なくとも1つの第2の位置(102)の間でガイドするように構成している少なくとも1つのガイド機構(134)とを備え、
前記少なくとも1つのガイド機構(134)は、前記少なくとも1つの第1の位置(101)と前記少なくとも1つの第2の位置(102)において前記少なくとも1つの当接体(133)に当接する
ことを特徴とする請求項2に記載の表示モジュール(100)。
【請求項5】
少なくとも1つの一方向性の修正機構を備え、
前記少なくとも1つの一方向性の修正機構は、前記少なくとも1つのメイン車(120)を回転させるように構成している車セットを備え、
これによって、前記少なくとも1つの第2のタイムゾーンの時間を修正し、前記少なくとも1つの可動中間車(130)を前記少なくとも1つの第2の位置(102)へと変位させ、前記少なくとも1つの可動中間車(130)を前記少なくとも1つの日付車(110)から解放する
ことを特徴とする請求項2に記載の表示モジュール(100)。
【請求項6】
少なくとも1つの請求項1に記載の表示モジュールを受けるように構成している計時器用ムーブメント(200)であって、
少なくとも1つの日付ディスクを駆動するように構成している少なくとも1つの日付車(110)を備え、
前記少なくとも1つの日付車(110)は、前記少なくとも1つの可動中間車(130)を前記少なくとも1つの第1の位置(101)へと変位させて前記少なくとも1つのメイン車(120)を駆動するように構成している
ことを特徴とする計時器用ムーブメント(200)。
【請求項7】
請求項6に記載の計時器用ムーブメントを少なくとも1つ備える
ことを特徴とする計時器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デュアル表示機能を備える携行型時計(例、腕時計、懐中時計)の分野に関する。本発明は、特に、追加のタイムゾーンを表示する機能を備える携行型時計の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術において、2つの異なるタイムゾーンを表示することを可能にするために、いくつかの異なる機構が知られている。
【0003】
しかし、タイムゾーンの表示を搭載するための機構は複雑であることが多く、この機能を表示するための計時器用ムーブメントを開発したり、モジュール的な形態で搭載するために既存の計時器用ムーブメントを大幅に変えたりする必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、計時器用ムーブメントのための追加のタイムゾーンを表示する表示モジュールに関し、前記計時器用ムーブメントは、少なくとも1つの日付ディスクを駆動するように構成している少なくとも1つの日付車を備え、前記表示モジュールは、少なくとも1つのメイン車と少なくとも1つの可動中間車を備え、前記少なくとも1つのメイン車は、少なくとも1つの第2のタイムゾーンの第2の時間を示すように構成しており、前記少なくとも1つの可動中間車は、少なくとも1つの第1の位置と少なくとも1つの第2の位置の間で変位するように構成しており、前記少なくとも1つの日付車は、前記少なくとも1つの可動中間車を前記少なくとも1つの第1の位置に変位させ、かつ、前記少なくとも1つの可動中間車を介して前記少なくとも1つのメイン車を駆動するように構成しており、前記少なくとも1つのメイン車は、前記少なくとも1つの可動中間車を前記少なくとも1つの第2の位置に変位させて、前記少なくとも1つの可動中間車を前記少なくとも1つの日付車から解放し、かつ、前記少なくとも1つの第2のタイムゾーンの時間を修正するように構成している。
【0005】
この構成のおかげで、既存の計時器用ムーブメントに大きな変更を加えることなく、追加のタイムゾーンを表示する機能を搭載することができる。
【0006】
一実施形態において、前記少なくとも1つの可動中間車は、前記少なくとも1つの第1の位置と前記少なくとも1つの第2の位置の間で変位するように構成している少なくとも1つの可動要素を備え、前記少なくとも1つの可動要素上に配置される少なくとも1つの可動中間車を備える。
【0007】
一実施形態において、前記少なくとも1つの可動要素は、前記少なくとも1つの可動要素を前記少なくとも1つの第2の位置から前記少なくとも1つの第1の位置へと変位させるように構成している少なくとも1つの戻し要素を備える。
【0008】
一実施形態において、前記少なくとも1つの可動要素は、少なくとも1つの当接体と、及び前記少なくとも1つの可動要素を前記少なくとも1つの第1の位置と前記少なくとも1つの第2の位置の間でガイドするように構成している少なくとも1つのガイド機構とを備え、前記少なくとも1つのガイド機構は、前記少なくとも1つの第1の位置と前記少なくとも1つの第2の位置において前記少なくとも1つの当接体に当接する。
【0009】
上記のいずれかの構成によって、前記少なくとも1つの第2のタイムゾーンの時間を修正することができる。
【0010】
本発明は、少なくとも1つの本発明に係る請求項1に記載の表示モジュールを受けるように構成している計時器用ムーブメントに関し、これは、少なくとも1つの日付ディスクを駆動するように構成している少なくとも1つの日付車を備え、前記少なくとも1つの日付車は、前記少なくとも1つの可動中間車を前記少なくとも1つの第1の位置へと変位させて前記少なくとも1つのメイン車を駆動するように構成している。
【0011】
本発明は、本発明に係る計時器用機構を少なくとも1つ備える計時器に関する。
【0012】
以下、例として与えられる添付の図面を用いて本発明について詳細に説明する。なお、これに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1A及び1Bは、少なくとも1つの第2のタイムゾーンの時間の駆動と修正を示している。
図2】一実施形態に係る計時器用ムーブメント200のための追加のタイムゾーンを表示する表示モジュール100を示している。
図3】本発明に係る追加のタイムゾーンを表示する表示モジュール100を備える計時器用ムーブメント200を備える計時器300を示している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1においては、伝統的な計時器用ムーブメント200に、本発明に係る追加のタイムゾーンを表示する表示モジュール100が搭載されている。
【0015】
計時器用ムーブメント200は、少なくとも1つの日付ディスクを駆動するように構成している少なくとも1つの日付車110を備える。前記少なくとも1つの日付車110は、12時間ごとに1回転する時車(図示せず)によって駆動され、前記少なくとも1つの日付車110は、24時間ごとに完全な1回転をする。すなわち、前記少なくとも1つの日付車110の角速度は、時車の角速度の半分である。
【0016】
図1A及び1Bに示しているように、表示モジュール100が計時器用ムーブメント200に搭載され、表示モジュール100には、少なくとも1つの開口105があり、この開口105は、前記少なくとも1つの日付車110を通すことができるように構成している。
【0017】
また、前記少なくとも1つの日付車110によって駆動されるように構成している少なくとも1つのメイン車120があり、これによって、少なくとも1つの第2のタイムゾーンの第2の時間を示す。この駆動は、前記少なくとも1つの日付車110と前記少なくとも1つのメイン車120の間に配置される少なくとも1つの可動中間車130によって可能になる。
【0018】
前記少なくとも1つの可動中間車130を少なくとも1つの第1の位置101と少なくとも1つの第2の位置102の間で変位させることができる。具体的には、図1Aに示すように、前記少なくとも1つの日付車110が、第1の方向、すなわち、日付ディスクを1日分増分することを可能にする方向、に回転するときに、前記少なくとも1つの可動中間車130を前記少なくとも1つの第1の位置101に変位させて、前記少なくとも1つの日付車110の回転を前記少なくとも1つのメイン車120に伝達する。前記少なくとも1つの日付車110と前記少なくとも1つのメイン車120が24時間ごとに1回転することを考えると、前記少なくとも1つのメイン車120は、24時間で少なくとも1つの第2のタイムゾーンを示すことができる。
【0019】
しかし、図1Bに示すように、前記少なくとも1つの第2のタイムゾーンの時間を設定システムによって修正しなければならないときに、前記少なくとも1つのメイン車120は、前記少なくとも1つの可動中間車130を前記少なくとも1つの第2の位置102に変位させて、前記少なくとも1つの可動中間車130を前記少なくとも1つの日付車110から解放する。
【0020】
図2に示すように、前記少なくとも1つの可動中間車130には、前記少なくとも1つの第1の位置101と前記少なくとも1つの第2の位置102の間で変位するように構成している少なくとも1つの可動要素131があり、前記少なくとも1つの可動要素131上に少なくとも1つの可動中間車130が配置されている。前記少なくとも1つの可動要素131は、前記少なくとも1つの可動要素131を前記少なくとも1つの第2の位置102と前記少なくとも1つの第1の位置101の間で変位させるように構成している少なくとも1つの戻し要素132を備える。特定の実施形態(図示せず)によると、前記少なくとも1つの可動要素131は、さらに、前記少なくとも1つの第2の位置102と前記少なくとも1つの第1の位置101の間を動く少なくとも1つの可動要素131を設けることができる。
【0021】
前記少なくとも1つの可動中間車130の変位は、前記少なくとも1つの可動要素131に含まれる、少なくとも1つの当接体133と少なくとも1つのガイド機構134によって調整される。
【0022】
前記少なくとも1つのガイド機構134によって、前記少なくとも1つの可動要素131を前記少なくとも1つの第1の位置101(図1A)と前記少なくとも1つの第2の位置102(図1B)の間でガイドすることが可能になる。
【0023】
前記少なくとも1つの第1の位置101と前記少なくとも1つの第2の位置102において、前記少なくとも1つのガイド機構134は、前記少なくとも1つの当接体133に当接して、前記少なくとも1つの可動中間車130の運動を制限する。
【符号の説明】
【0024】
100 表示モジュール
101 第1の位置
102 第2の位置
100 表示モジュール
105 開口
110 日付車
120 メイン車
130 可動中間車
131 可動要素
132 戻し要素
133 当接体
134 ガイド機構
200 計時器用ムーブメント
300 計時器
図1A
図1B
図2
図3
【外国語明細書】