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特開2023-33897まつ毛パーマ用または眉毛パーマ用の加温器
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  • 特開-まつ毛パーマ用または眉毛パーマ用の加温器 図1
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  • 特開-まつ毛パーマ用または眉毛パーマ用の加温器 図3
  • 特開-まつ毛パーマ用または眉毛パーマ用の加温器 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023033897
(43)【公開日】2023-03-13
(54)【発明の名称】まつ毛パーマ用または眉毛パーマ用の加温器
(51)【国際特許分類】
   A45D 4/00 20060101AFI20230306BHJP
   A45D 2/48 20060101ALI20230306BHJP
【FI】
A45D4/00
A45D2/48
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021139838
(22)【出願日】2021-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】521383190
【氏名又は名称】合同会社 SAKURA SPA
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 枝利
(57)【要約】
【課題】被施術者のまつ毛または眉毛の軟化を従来に比べて適切に行い得る、まつ毛パーマ用または眉毛パーマ用の加温器を提供する。
【解決手段】被施術者のまつ毛パーマ用または眉毛パーマ用の加温器は、まつ毛または眉毛に塗布した軟化剤を所定温度に加温するための白熱電球と、白熱電球と前記被施術者とが非接触状態で白熱電球を保持するための保持器と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被施術者のまつ毛または眉毛に塗布した軟化剤を所定温度に加温するための白熱電球と、前記白熱電球と前記被施術者とが非接触状態で前記白熱電球を保持するための保持器と、を備える、まつ毛パーマ用または眉毛パーマ用の加温器。
【請求項2】
前記白熱電球は、前記白熱電球のフィラメントから放射される光を遮光するように構成されている請求項1に記載のまつ毛パーマ用または眉毛パーマ用の加温器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、まつ毛パーマ用または眉毛パーマ用の加温器に関する。
【背景技術】
【0002】
まつ毛パーマにおいては、まつ毛に様々な用途の溶液(薬剤)が塗布される。例えば、特許文献1には、まつ毛を軟化させる軟化剤、まつ毛を固定させる固定剤などをまつ毛に塗布することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3104713号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、一例として、被施術者のまつ毛または眉毛の軟化を従来に比べて適切に行い得る、まつ毛パーマ用または眉毛パーマ用の加温器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様のまつ毛パーマ用または眉毛パーマ用の加温器は、被施術者のまつ毛または眉毛に塗布した軟化剤を所定温度に加温するための白熱電球と、前記白熱電球と前記被施術者とが非接触状態で前記白熱電球を保持するための保持器と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本開示の一態様のまつ毛パーマ用または眉毛パーマ用の加温器は、被施術者のまつ毛または眉毛の軟化を従来に比べて適切に行い得る、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態のまつ毛パーマ用の加温器の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態の実施例におけるまつ毛パーマ用の加温器の白熱電球の一例を示す図である。
図3図3は、まつ毛用パーマの施術工程の一例を説明するための図である。
図4図4は、まつ毛用パーマにおいて、まつ毛に塗布した軟化剤を加温するためのホットアイマスクを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
まつ毛用パーマでは、図3に示す如く、被施術者の瞼2が閉じられた状態で、まつ毛1の生え際ライン3近傍の瞼2上に、断面が半円筒状のシリコン製またはゴム製のロッドRが装着された後、ロッドRの側面に沿ってまつ毛1を接着させるように、まつ毛1をロッドRに巻き付ける工程がある。その後、ロッドRに巻き付けられたまつ毛1に対して、まつ毛1を軟化させる軟化剤4(還元剤)が塗布される。
【0009】
ここで、軟化剤4を用いて、まつ毛1を軟化(還元)させる際、軟化剤4を適温にまで加温することにより、まつ毛1への軟化剤4の浸透を促進させることで施術時間を短縮することができることが、本開示者が知る限り、まつ毛パーマ専用の加温器は、世の中に存在しない。
【0010】
そこで、一般的に、図4に示す如く、眼の疲れを癒すために市販されている使い捨てのホットアイマスク5(例えば、花王株式会社製の「蒸気でアイマスク」など)、または、図示しない市販の使い捨てカイロなどを利用することで、まつ毛1に塗布された軟化剤4を加温することが多い。しかし、ホットアイマスク5などを用いて、軟化剤4を加温する場合、以下の問題がある。
【0011】
第1に、ホットアイマスク5が被施術者の顔面上で動くと、軟化剤4が被施術者の目に入る可能性がある。
【0012】
第2に、ホットアイマスク5が被施術者に装着される際、ホットアイマスク5が人の手に触れるので衛生面において不安が残る。
【0013】
第3に、ホットアイマスク5は使い捨てタイプであることから、コストが嵩む可能性がある。
【0014】
本開示者は、以上の問題を解決すべく鋭意検討を行った結果、白熱電球のジュール熱を利用することで、まつ毛または眉毛に塗布された軟化剤を適切に加温し得ることを見出して、以下の本開示の一態様に想到した。
【0015】
すなわち、本開示の第1態様のまつ毛パーマ用または眉毛パーマ用の加温器は、被施術者のまつ毛または眉毛に塗布した軟化剤を所定温度に加温するための白熱電球と、白熱電球と被施術者とが非接触状態で白熱電球を保持するための保持器と、を備える。
【0016】
かかる構成によると、本態様のまつ毛パーマ用または眉毛パーマ用の加温器は、被施術者のまつ毛または眉毛の軟化を従来に比べて適切に行い得る。
【0017】
具体的には、本態様のまつ毛パーマ用または眉毛パーマ用の加温器においては、白熱電球のフィラメントから放射されるジュール熱を利用することにより、白熱電球が被施術者とは非接触状態で、まつ毛または眉毛に塗布された軟化剤を加温することができる。よって、本態様のまつ毛パーマ用または眉毛パーマ用の加温器は、被施術者の顔面に装着されるホットアイマスク5に比べて、軟化剤が被施術者の目に入る可能性を低減することができる。また、本態様のまつ毛パーマ用または眉毛パーマ用の加温器は、被施術者の顔面に装着されるホットアイマスク5に比べて、衛生面における不安を軽減することができる。
【0018】
さらに、本態様のまつ毛パーマ用または眉毛パーマ用の加温器は、白熱電球を長期間に亘って使用可能であるので、使い捨てタイプのホットアイマスク5に比べてコストアップを抑制することができる。
【0019】
本開示の第2態様のまつ毛パーマ用または眉毛パーマ用の加温器は、第1態様のまつ毛パーマ用または眉毛パーマ用の加温器において、白熱電球は白熱電球のフィラメントから放射される光を遮光するように構成されていてもよい。
【0020】
かかる構成によると、本態様のまつ毛パーマ用または眉毛パーマ用の加温器は、白熱電球のフィラメントから放射される光を遮光することで、被施術者の眩しさを軽減することができる。これにより、まつ毛パーマまたは眉毛パーマにおいて、白熱電球のフィラメント発光による被施術者の眼への負担を掛かりにくくすることができる。
【0021】
以下、添付図面を参照しながら、本開示の実施形態について説明する。なお、以下で説明する実施形態は、いずれも上記の各態様の一例を示すものである。よって、以下で示される形状、材料、構成要素、および、構成要素の配置位置および接続形態などは、あくまで一例であり、請求項に記載されていない限り、上記の各態様を限定するものではない。また、以下の構成要素のうち、上記の各態様の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、図面において、同じ符号が付いたものは、説明を省略する場合がある。図面は理解しやすくするために、それぞれの構成要素を模式的に示したもので、形状および寸法比などについては正確な表示ではない場合がある。
【0022】
(実施形態)
以下の実施形態では、本開示の上記各態様の具体例として、まつ毛パーマ用の加温器について説明するが、これは、例示であって本例に限定されない。本開示の技術は、上記のとおり、眉毛パーマ用の加温器にも適用することができる。
【0023】
[装置構成]
図1は、実施形態のまつ毛パーマ用の加温器の一例を示す図である。
【0024】
図1に示すように、本実施形態のまつ毛パーマ用の加温器100は、白熱電球10と、保持器20とを備える。
【0025】
白熱電球10は、まつ毛1に塗布した軟化剤4(図3参照)を所定温度に加温するための部材である。具体的には、白熱電球10のガラス球内のフィラメントから放射されるジュール熱によって、ロッドRに巻き付けられたまつ毛1上の軟化剤4を所定温度にまで加温することができる。これにより、まつ毛1への軟化剤4の浸透を促進させることで施術時間を短縮することができる。
【0026】
ここで、「所定温度」とは、まつ毛パーマにおいて、被施術者が、通常はやけどしないような温かさであって、被施術者のまつ毛1への軟化剤4の浸透を促進可能な温度域の温度であれば、どのような温度であってもよい。例えば、白熱電球10の消費電力は、被施術者がホットアイマスク5を装着する際に感じる体感温度と同等の温度感覚を生じさせる値に設定されていてもよい。このような体感温度は、例えば、約45℃~50℃程度であってもよい。
【0027】
軟化剤4は、まつ毛パーマにおいて、まつ毛1を軟化させるための溶液であり、例えば、化粧品などに使用されるシステアミンを主成分とする溶液であってもよい。
【0028】
なお、まつ毛パーマでは、軟化剤4によりまつ毛1が軟化(還元)すると、軟化剤4はまつ毛1から取り除かれた後、適宜の固定剤(酸化剤)をまつ毛1に塗布することで、まつ毛1をカール状に定着させることができる。
【0029】
保持器20は、白熱電球10と被施術者とが非接触状態で白熱電球10を保持するための装置である。ここでは、被施術者および白熱電球10間の距離が一定に保たれている。
【0030】
保持器20は、白熱電球10が点灯した状態で、白熱電球10と被施術者とが非接触状態で白熱電球10を保持することができれば、どのような構成であってもよい。保持器20は、例えば、白熱電球10の位置を上下左右に変化させ得る市販のスタンドであってもよい。なお、まつ毛1および白熱電球10間の距離は、白熱電球10のフィラメントから放射されるジュール熱によって、まつ毛1に塗布した軟化剤4を所定温度に加温するのに必要な所望の値に設定される。
【0031】
以上のとおり、本実施形態のまつ毛パーマ用の加温器100は、被施術者のまつ毛1の軟化を従来に比べて適切に行い得る。
【0032】
具体的には、本実施形態のまつ毛パーマ用の加温器100においては、白熱電球10のフィラメントから放射されるジュール熱を利用することにより、白熱電球10が被施術者とは非接触状態で、まつ毛1に塗布された軟化剤を加温することができる。よって、本実施形態のまつ毛パーマ用の加温器100は、被施術者の顔面に装着されるホットアイマスク5に比べて、軟化剤4が被施術者の目に入る可能性を低減することができる。また、本実施形態のまつ毛パーマ用の加温器100は、被施術者の顔面に装着されるホットアイマスク5に比べて、衛生面における不安を軽減することができる。
【0033】
さらに、本実施形態のまつ毛パーマ用の加温器100は、白熱電球10を長期間に亘って使用可能であるので、使い捨てタイプのホットアイマスク5に比べてコストアップを抑制することができる。
【0034】
(実施例)
図2は、実施形態の実施例におけるまつ毛パーマ用の加温器の白熱電球の一例を示す図である。
【0035】
本実施例のまつ毛パーマ用の加温器100の白熱電球10は、白熱電球10のフィラメントから放射される光を遮光するように構成されている。
【0036】
ここで、図2に示す例では、白熱電球10のガラス球11の表面のほぼ全域を覆うように、白熱電球10のフィラメントから放射される光を遮光するための遮光部材12が設けられているが、これに限定されない。白熱電球10は、白熱電球10のフィラメントから放射される光を遮光できれば、どのような構成であってもよい。
【0037】
遮光部材12は、例えば、ガラス球11の表面に塗布された黒体塗料の層であってもよいし、ガラス球11の表面に張り付けられた遮光フィルムであってもよい。黒体塗料の層は、例えば、スプレー塗布によって、白熱電球10のガラス球11の表面上に形成されていてもよい。
【0038】
以上のとおり、本実施例のまつ毛パーマ用の加温器100は、白熱電球10のフィラメントから放射される光を遮光することで、被施術者の眩しさを軽減することができる。これにより、まつ毛パーマにおいて、白熱電球10のフィラメント発光による被施術者の眼への負担を掛かりにくくすることができる。
【0039】
上記説明から、当業者にとっては、本開示の多くの改良および他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本開示を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本開示の精神を逸脱することなく、その構造および/または機能の詳細を実質的に変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本開示の一態様は、被施術者のまつ毛または眉毛の軟化を従来に比べて適切に行い得る、まつ毛パーマ用または眉毛パーマ用の加温器に利用することができる。
【符号の説明】
【0041】
10 :白熱電球
11 :ガラス球
12 :遮光部材
20 :保持器
100 :まつ毛パーマ用の加温器
図1
図2
図3
図4