(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023033901
(43)【公開日】2023-03-13
(54)【発明の名称】身体ケア具及び身体ケア具を装着した身体ケア装置
(51)【国際特許分類】
A61F 7/10 20060101AFI20230306BHJP
A41D 13/005 20060101ALI20230306BHJP
【FI】
A61F7/10 352
A61F7/10 330P
A61F7/10 352A
A41D13/005 106
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021139843
(22)【出願日】2021-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】000130732
【氏名又は名称】株式会社サンエス
(74)【代理人】
【識別番号】100095337
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100174425
【弁理士】
【氏名又は名称】水崎 慎
(74)【代理人】
【識別番号】100203932
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 克宗
(72)【発明者】
【氏名】岡本 武文
【テーマコード(参考)】
3B011
4C099
【Fターム(参考)】
3B011AC01
4C099AA02
4C099CA03
4C099GA08
4C099LA07
4C099NA02
(57)【要約】
【課題】本発明は、水、または水に添加物(水溶性アロマオイル、水溶性マッサージオイル、水溶性保湿剤)を添加したケア水を利用し、例えば、身体を冷却したり、身体への各種ケアを行ったりする身体ケア具及び身体ケア装置に関するもので、使い勝手を良くすることを目的とするものである。
【解決手段】身体ケア具は、身体の表面に装着される布本体1と、この布本体1に配置された細長い第1の液路形成体2と、一部が、第1の液路形成体2に連結され、他部には、ケア水収納容器9が連結される第2の液路形成体4、7とを備えている。第1の液路形成体2は、長手方向に直交する外周方向に、複数のケア水流出孔を設けたもので、このケア水流出孔から、布本体1の多点へと、ケア水を滲み出させるものである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体の表面に装着される布本体と、
この布本体に配置された細長い第1の液路形成体と、
一部が、前記第1の液路形成体に連結され、他部には、ケア水収納容器が連結される第2の液路形成体と、を備え、
前記第1の液路形成体は、その長手方向に直交する外周方向に、複数のケア水流出孔を設けた身体ケア具。
【請求項2】
前記布本体は、首の長手方向に直行する方向の表面、脚の長手方向に直行する方向の表面、腕の長手方向に直行する方向の表面、胴体の長手方向に直行する方向の表面の、少なくとも一つに装着される細長い形状とし、この布本体の長手方向に、前記第1の液路形成体を、直線的、または蛇行状態で配置した構成の請求項1に記載の身体ケア具。
【請求項3】
前記第1の液路形成体は、中空糸膜によって構成した請求項1または2に記載の身体ケア具。
【請求項4】
前記第1の液路形成体は、前記布本体を身体に装着した状態で、この布本体の身体とは反対側の面に配置した請求項1から3のいずれか一つに記載の身体ケア具。
【請求項5】
前記ケア水収納容器内のケア水を、前記第2の液路形成体及び前記第1の液路形成体へと供給するポンプを設けた請求項1から4のいずれか一つに記載の身体ケア具。
【請求項6】
前記ケア水収納容器を可撓性材料によって形成した請求項1から5のいずれか一つに記載の身体ケア具。
【請求項7】
首の長手方向に直行する方向の表面、脚の長手方向に直行する方向の表面、腕の長手方向に直行する方向の表面、胴体の長手方向に直行する方向の表面の、少なくとも一つに装着される装置本体と、
この装置本体の身体側の面に装着された請求項1から6のいずれか一つの身体ケア具と、を備え、
前記装置本体は、前記身体ケア具の布本体を装着した面から吸引する送風機を有する構成とした身体ケア装置。
【請求項8】
前記身体ケア具は、前記装置本体の身体側の面に着脱自在に装着された請求項7に記載の身体ケア装置。
【請求項9】
前記装置本体は、前記身体ケア具を装着した面に、空気吸引孔を有する構成とした請求項7または8に記載の身体ケア装置。
【請求項10】
前記装置本体は、前記身体ケア具を装着した面とは別の面に、排気口を有する構成とした請求項9に記載の身体ケア装置。
【請求項11】
前記装置本体は身体への装着口を有する略U字状とし、この略U字状装置本体の、U字状底面から両側に立ち上がる立上部の内周面側に、前記空気吸引孔を設けた請求項9または10に記載の身体ケア装置。
【請求項12】
前記装置本体の、U字状底面から両側に立ち上がる立上部内に前記送風機を配置した請求項11に記載の身体ケア装置。
【請求項13】
前記装置本体の外周面側部分に前記送風機を設け、U字状底面から両側に立ち上がる立上部内には前記送風機の吸引路を配置した請求項7に記載の身体ケア装置。
【請求項14】
前記装置本体のU字状底面の外周面側部分に前記送風機を設けた請求項13に記載の身体ケア装置。
【請求項15】
首の長手方向に直行する方向の表面、脚の長手方向に直行する方向の表面、腕の長手方向に直行する方向の表面、胴体の長手方向に直行する方向の表面の、少なくとも一つに装着される装置本体と、
この装置本体の身体側の面に装着された請求項1から6のいずれか一つの身体ケア具と、を備え、
前記装置本体は、前記身体ケア具の布本体に送風する送風機を有する構成とした身体ケア装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水よりなるケア水、または水に添加物(水溶性アロマオイル、水溶性マッサージオイル、水溶性保湿剤)を添加したケア水を利用し、例えば、身体を冷却したり、身体への各種ケアを行ったりする身体ケア具と、この身体ケア具を装着した身体ケア装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
身体ケア具の一例として、首の外表面に装着し、首部分を冷却する例が、数多く提案されている。
1番目の例としては、水を収納した袋状の容器を布に包んで、首の周りに装着し、容器内の水を順次、容器外に流出させ、そこで気化させ、その時の気化熱を利用し、首を冷やすものが提案されている。また、この例には、気化を促進させるために、送風機を併用することも記載されている(これに類似する構成としては例えば、下記特許文献1が存在する)。
【0003】
2番目の例としては、襟を備えたシャツの襟腰の内側に、帯状部材を装着するものが提案されている。
これは、帯状部材が内包する冷却材に含ませた水を気化させ、その時の気化熱を利用し、首を冷やすものである(これに類似する構成としては例えば、下記特許文献2が存在する)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-210407号公報
【特許文献2】特開2014-100372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記1番目と2番目のような例では、水の気化熱を利用するので、その冷却効果は非常に高いものとなるが、容器内、または冷却材の水が消費されると、首筋から外して、再度、容器内、または冷却材への補水作業が必要となり、使い勝手が悪い。
その点を考慮し、容器を大きくしたり、冷却材を大きくしたりすることで、保有する水の量を多くすることが考えられるが、そのようにすると、重くて、使い勝手の悪いものとなる。
【0006】
そこで、本発明は、使い勝手を良くすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そして、この目的を達成するために本発明の身体ケア具は、身体の表面に装着される布本体と、この布本体に配置された細長い第1の液路形成体と、一部が、前記第1の液路形成体に連結され、他部には、ケア水収納容器が連結される第2の液路形成体とを備え、前記第1の液路形成体は、その長手方向に直交する外周方向に、複数のケア水流出孔を設けたものである。
また、本発明の身体ケア具は、前記布本体を、首の長手方向に直行する方向の表面、脚の長手方向に直行する方向の表面、腕の長手方向に直行する方向の表面、胴体の長手方向に直行する方向の表面の、少なくとも一つに装着される細長い形状とし、この布本体の長手方向に、前記第1の液路形成体を、直線的、または蛇行状態で配置した構成としたものである。
さらに、本発明の身体ケア具は、前記第1の液路形成体を、中空糸膜によって構成したものである。
また、本発明の身体ケア具は、前記第1の液路形成体を、布本体を身体に装着した状態で、この布本体の身体とは反対側の面に配置したものである。
さらに、本発明の身体ケア具は、前記ケア水収納容器内のケア水を、第2の液路形成体、第1の液路形成体へと供給するポンプを設けたものである。
また、本発明の身体ケア具は、前記ケア水収納容器を可撓性材料によって形成したものである。
さらに、本発明の身体ケア装置は、首の長手方向に直行する方向の表面、脚の長手方向に直行する方向の表面、腕の長手方向に直行する方向の表面、胴体の長手方向に直行する方向の表面の、少なくとも一つに装着される装置本体と、この装置本体の身体側の面に装着された身体ケア具とを備え、前記装置本体は、前記身体ケア具の布本体の、少なくとも表面側に送風する送風機(前記身体ケア具の布本体を装着した面から吸引する送風機、または、前記身体ケア具の布本体に送風する送風機)を有する構成としたものである。
また、本発明の身体ケア装置は、身体ケア具を、この装置本体の身体側の面に着脱自在に装着されたものである。
さらに、本発明の身体ケア装置は、前記装置本体の、身体ケア具を装着した面に、空気吸引孔を有する構成としたものである。
また、本発明の身体ケア装置は、前記装置本体の、身体ケア具を装着した面とは別の面に、排気口を有する構成としたものである。
さらに、本発明の身体ケア装置は、前記装置本体を、身体への装着口を有する略U字状とし、この略U字状装置本体の、U字状底面から両側に立ち上がる立上部の内周面側に、空気吸引孔を設けたものである。
また、本発明の身体ケア装置は、前記装置本体の、U字状底面から両側に立ち上がる立上部内に送風機を配置したものである。
さらに、本発明の身体ケア装置は、前記装置本体の外に送風機を設け、U字状底面から両側に立ち上がる立上部内には送風機の吸引路を配置したものである。
また、本発明の身体ケア装置は、前記装置本体のU字状底面の外周面側部分に送風機を設けたものである。
【発明の効果】
【0008】
以上のように本発明の身体ケア具は、身体の表面に装着される布本体と、この布本体に配置された細長い第1の液路形成体と、一部が、前記第1の液路形成体に連結され、他部には、ケア水収納容器が連結される第2の液路形成体とを備え、前記第1の液路形成体は、その長手方向に直交する外周方向に、複数のケア水流出孔を設けたものであるので、極めて使い勝手の良いものとなる。
すなわち、本発明においては、布本体に配置した細長い第1の液路形成体の複数のケア水流出孔から、布本体の多点へと、ケア水を滲み出させるものである。
したがって、布本体に滲み出させたケア水を気化させれば、この時の気化熱で身体の冷却を効果的に行わせることができる。
また、ケア水として、水に水溶性アロマオイル、水溶性マッサージオイル、水溶性保湿剤を溶融させたものを使用すると、布本体に滲み出させたケア水によって、アロマ効果、マッサージ効果、保湿効果も発揮させることができる。
さらに、布本体には、ケア水収納容器から、第2の液路形成体、第1の液路形成体を介して供給される少量のケア水しか保持されないので、使用中の身体ケア具としても軽く、使い勝手の良いものとなる。
また、ケア水を入れるケア水収納容器は、第2の液路形成体を介して布本体の第1の液路形成体に連結されるもので、身体行動に対して邪魔になりにくい適切な位置に保持させることができ、使い勝手の良いものとなる。
また、ケア水は、水道水や、市販の水等を使用することも出来るので、手軽で、使い勝手の良いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態にかかる身体ケア具の斜視図
【
図3】本発明の一実施形態にかかる身体ケア具を装着する身体ケア装置の斜視図
【
図6】
図4のVI-VI断面であって、同身体ケア装置の正面断面図
【
図8】同身体ケア装置に身体ケア具を装着した状態を示す斜視図
【
図11】同身体ケア装置に装着する身体ケア具の制御ブロック図
【
図13】本発明の他の実施形態にかかる身体ケア装置の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施の形態1)
以下、本発明の一実施形態を、添付図面を用いて説明する。
図1、
図2において、1は身体の表面に装着される身体ケア具であって、布本体である。
この布本体1は、綿、合成繊維などで作られ、この
図1、
図2に示すように、横方向に長い略長方形状となっている。
つまり、この布本体1は、身体の少なくとも一部を横方向に覆うように、横長に作られたものである。
身体とは、首、脚、腕、胴体などを指し、例えば、首の外表面に装着される場合には、首の長手方向に直行する方向(水平方向)の表面に、布本体1は装着される。
また、例えば、脚の外表面に装着される場合には、脚の長手方向に直行する方向(水平方向)の表面に、布本体1は装着される。
また、例えば、腕の外表面に装着される場合には、腕の長手方向に直行する方向(水平方向)の表面に、布本体1は装着される。
また、例えば、胴体の外表面に装着される場合には、胴体の長手方向に直行する方向(水平方向)の表面に、布本体1は装着される。
【0011】
図1では、布本体1はU字状に曲げた状態を示しているが、基本的には
図2に示すように平板長方形状態で、装着する状況に合わせ、素材の柔軟性により、
図1のようにU字状に曲げることも容易に行える。
この布本体1の身体装着時における身体とは反対側には、細長い第1の液路形成体2が配置され、例えば、糸止めされている。つまり、布本体1を身体に装着した場合に、第1の液路形成体2が身体に触れ、違和感とならない様に配慮しているのである。
本実施形態では、第1の液路形成体2として、市販の中空糸膜が用いられている。
中空糸膜は、細長く、その外周で、中空糸膜の長手方向に直交する方向に複数のケア水流出孔(細かすぎて図示できず)が形成されている。
【0012】
本実施形態では、
図2に示すように、第1の液路形成体2の一端を、布本体1の長手方向中心部分の下部に配置したニップル3に連結し、そこから布本体1の下辺に沿って、左長手方向に延長配置し、布本体1の左側で上方に方向転換させ、その後、布本体1の上辺に沿って、右長手方向に延長配置し、次に、布本体1の右側で下方に方向転換させ、その後、布本体1の下辺に沿って、左長手方向に延長配置し、最後に、中央部で、ニップル3に連結している。
つまり、本実施形態では、布本体1の長手方向に、第1の液路形成体2を、直線的、または蛇行状態で配置した状態となっているのである。
【0013】
また、ニップル3には、第2の液路形成体4の一端が連結されている。
第2の液路形成体4は合成樹脂製の管で構成され、第2の液路形成体4の他端にはニップル5が配置されている。
このニップル5には、
図1に示すようにニップル6を介して第2の液路形成体7の一端が連結されている。
【0014】
第2の液路形成体7の他端は、ケア水供給ユニット8内に着脱自在に配置されたケア水収納容器9が連結されている。
ケア水収納容器9は、内容量が100ccと、小型のペットボトルのようになっており、蓋を貫通し、ケア水収納容器9内に、第2の液路形成体7の他端が突入されている。
また、ケア水収納容器9内のケア水を第2の液路形成体7側に送り出すために、本実施形態ではポンプ10(
図11参照)を、ケア水供給ユニット8内に配置している。これにより、ケア水収納容器9内のケア水は、第2の液路形成体7の他端、第2の液路形成体7に介在させたポンプ10、第2の液路形成体7の中部、ニップル6、5、第2の液路形成体4、ニップル3を介して第1の液路形成体2に供給され、この第1の液路形成体2に設けた無数のケア水流出孔から布本体1に滲み出すのである。
【0015】
以上の構成により本実施形態では、ポンプ10を駆動し、ケア水収納容器9内のケア水を、第2の液路形成体7、4、ニップル3を介して第1の液路形成体2へと供給し、この第1の液路形成体2に設けた複数のケア水流出孔から、布本体1の多点へと、ケア水を滲み出させるものである。
したがって、布本体1に滲み出させたケア水を気化させれば、この時の気化熱で身体の冷却を効果的に行わせることができる。
【0016】
また、ケア水として、水に水溶性アロマオイル、水溶性マッサージオイル、水溶性保湿剤を溶解させたものを使用すると、布本体1に滲み出させたケア水によって、アロマ効果、マッサージ効果、保湿効果も発揮させることができる。
【0017】
さらに、布本体1には、ケア水収納容器9から、第2の液路形成体7,4、第1の液路形成体2を介して供給される少量のケア水しか保持されないので、使用中の身体ケア具としても軽く、使い勝手の良いものとなる。
【0018】
また、ケア水を入れるケア水収納容器9は、第2の液路形成体7、4を介して布本体1の第1の液路形成体2に連結されるもので、身体行動に対して邪魔になりにくい適切な位置に保持させることができ、使い勝手の良いものとなる。すなわち、ケア水収納容器9は、布本体1と別体であって、第2の液路形成体7、4によって布本体1と接続されていることから、布本体1からケア水収納容器9を離して携行できる。
【0019】
また、ケア水は、水道水や、市販の水等を使用することも出来るので、手軽で、使い勝手の良いものとなる。
【0020】
本実施形態の布本体1には、
図1、
図2に示すように、その上辺側に、上辺から上方に突出するように、ループ状の被係止部11が所定間隔で配置されている。
この被係止部11を利用し、布本体1を、
図3~
図7に示す身体ケア装置12に簡単に装着することが出来る点は、下記の部分で詳細に説明する。
【0021】
身体ケア装置12は、首の長手方向に直行する方向の表面に装着される装置本体13を備えている。
具体的には、この装置本体13は、首の前面側に開口状態の装着口13aを有するUの字状となっており、その内部には、送風機14、電池15、制御基板16が収納されている。
【0022】
装置本体13内は内側風路の吸引路17と、外側風路の排気路18に区分されており、送風機14の一例として用いたシロッコファンの吸い込み口19は吸引路17に開口し、シロッコファンの空気吹出孔20は排気路18に開口している。
また、装置本体13の排気路18の上、下面側には、
図5、
図6に示すように、複数の排気口21が設けられている。排気口21が設けられる部位は、布本体1が装着される内周面側とは異なる面であれば何れであってもよい。
さらに、
図3、
図5、
図6のごとく、略U字状の装置本体13の、U字状底面から両側に立ち上がる立上部の内周面側に、複数の空気吸引孔22を設けている。
【0023】
そして、これらの空気吸引孔22群の上方の装置本体13部分には、
図3、
図7に示すようにループ状突起よりなる複数の係止部23が、所定間隔で、装置本体13よりも上方に突出した状態で配置されている。
したがって、
図8に示すように、装置本体13の内面側に布本体1を装着し、
図7に示すように、布本体1の被係止部11を、装置本体13の係止部23に上方から係止させれば、布本体1が、装置本体13の内面側で、空気吸引孔22を覆う様に装着される。
また、布本体1の取り外しは、装置本体13の係止部23から布本体1の被係止部11を上方に外せば、容易に取り外しができ、布本体1使用後の洗濯も容易に行える。
【0024】
このように、本実施形態では、布本体1を、装置本体13の空気吸引孔22を覆う位置に簡単に装着し、また、そこから簡単に取り外すこともできる。
【0025】
なお、装置本体13の外側面には、
図3のごとく、電池15の交換用の蓋24が設けられているので、電池15交換も容易に行える。
【0026】
また、この装置本体13の外側面には、操作スイッチ25、26と表示部27、28、29が配置されている。
図9は、制御回路を示しており、操作スイッチ25、26と、表示部27、28、29と、制御部30と、メモリ31は、制御基板16に実装されている。
制御部30には、送風機14、電池15、操作スイッチ25、26と、表示部27、28、29、メモリ31が接続されており、メモリ31には
図10に示す動作プログラムが格納されている。
【0027】
図11は
図1に示したケア水供給ユニット8の制御ブロックを示している。
ケア水供給ユニット8にも、操作スイッチ32、33と、表示部34、35、36が配置されている。
これらの操作スイッチ32、33と、表示部34、35、36は制御部37に接続され、さらに制御部37にはポンプ10、電池38、メモリ39が接続されている。
メモリ39には、
図12に示す動作プログラムが格納されている。
【0028】
以上の構成において、
図8に示すように、装置本体13の内面側に布本体1を装着し、
図7に示すように、布本体1の被係止部11を、装置本体13の係止部23に上方から係止させれば、布本体1が、装置本体13の内面側で、空気吸引孔22を覆う様に装着される。
また、ケア水供給ユニット8のケア水収納容器9に水を100cc入れた状態で、ニップル5、6を連結する。
【0029】
次に、装置本体13の装着口13aを、首の後側に合わせ、装置本体13を前方に移動させれば、首部分に、容易に装着することが出来る。
この状態で、装置本体13の操作スイッチ25を長押しすると(
図10のS1)、電源がオン状態となり(
図10のS2)、初期設定の風量で送風機14が駆動される。
【0030】
本実施形態では、初期設定状態は送風機14の送風量を中状態としており、この時、中状態の風量であることは表示部28の点灯によって表示されている。
送風機14が駆動されると、首の表面側の空気は布本体1を通過し、装置本体13の内面側の空気吸引孔22から吸引路17、吸い込み口19、送風機14、空気吹出孔20、排気路18、排気口21へと送風されることになる。
【0031】
次に、ケア水供給ユニット8の操作スイッチ32を長押しすると(
図12のS1)、電源がオン状態となり(
図12のS2)、初期設定の水量でポンプ10が駆動される。
本実施形態では、初期設定状態はポンプ10の送水量を中状態としており、この時、中状態の水量であることは表示部35の点灯によって表示されている。
【0032】
ポンプ10の送水量について説明する。本実施形態では、送水量小状態とは1時間当たり3ccの給水量、送水量中状態とは1時間当たり6ccの給水量、送水量大状態とは1時間当たり9ccの給水量に設定している。
1ccの水が気化した場合の冷房能力は0.68Wに相当するので、3cc(送水量小状態)では2.04W、6cc(送水量中状態)では4.08W、9cc(送水量大状態)では6.12Wとなり、十分な冷却効果を発揮することが出来る。
【0033】
このようにしてポンプ10を駆動すると、ケア水収納容器9内の水は、ポンプ10、第2の液路形成体7、4、第1の液路形成体2を介して布本体1部分で滲み出し、この布本体1を濡らすことになる。
この時、上述のように送風機14の駆動によって、首の表面側の空気は、布本体1を通り抜け、装置本体13の内面側の空気吸引孔22から吸引路17、吸い込み口19、送風機14、空気吹出孔20、排気路18、排気口21へと送風されている。
このため、布本体1に含まれた水分は、この風の流れで気化が促進され、この時の気化熱で布本体1に接する、または近接する首部分を効果的に冷却することができる。
【0034】
この使用時において、さらに冷却能力を高めたいときには、送風機14とポンプ10の能力を高める。
具体的には、
図8の装置本体13の操作スイッチ25を操作し、送風機14の送風量を高める(
図10のS3、S4)。
この時、送風量のアップは、表示部29の点灯によって表示される。
また、ケア水供給ユニット8の操作スイッチ32を操作し、ポンプ10の送水量を高める(
図12のS3、S4)。
この時、送水量のアップは、表示部36の点灯によって表示される。
つまり、布本体1部分への送風量、送水量がアップすれば、冷却効果も高まるのである。
【0035】
使用時に、冷却能力を低くしたい場合には、
図8の装置本体13の操作スイッチ26を操作し、送風機14の送風量を低くする(
図10のS5、S6)。
この時、送風量の低下は、表示部28の点灯によって表示される。
また、ケア水供給ユニット8の操作スイッチ33を操作し、ポンプ10の送水量を低下させる(
図12のS5、S6)。
この時、送水量の低下は、表示部35の点灯によって表示される。
【0036】
さらに、冷却効果を低下させる時には、
図8の装置本体13の操作スイッチ26を操作し、送風機14の送風量を低くする(
図10のS5、S6)。
この時、送風量の低下は、表示部27の点灯によって表示される。
また、ケア水供給ユニット8の操作スイッチ33を操作し、ポンプ10の送水量を低下させる(
図12のS5、S6)。
この時、送水量の低下は、表示部34の点灯によって表示される。
【0037】
逆に、冷却効果を高める時には、
図8の装置本体13の操作スイッチ25を操作し、送風機14の送風量を高める(
図10のS3、S4)。
この時、送風量のアップは、表示部28の点灯によって表示される。
また、ケア水供給ユニット8の操作スイッチ32を操作し、ポンプ10の送水量を高める(
図12のS3、S4)。
この時、送水量のアップ、表示部35の点灯によって表示される。
【0038】
この状態で、さらに冷却効果を高める時には、
図8の装置本体13の操作スイッチ25を操作し、送風機14の送風量を高める(
図10のS3、S4)。
この時、送風量のアップは、表示部29の点灯によって表示される。
また、ケア水供給ユニット8の操作スイッチ32を操作し、ポンプ10の送水量を高める(
図12のS3、S4)。
この時、送水量のアップは表示部36の点灯によって表示される。
【0039】
また、使用を停止する時には、
図8の装置本体13の操作スイッチ26を長押し、送風機14を停止する(
図10のS7、S8)。
また、ケア水供給ユニット8の操作スイッチ33を長押し、ポンプ10を停止する(
図12のS7、S8)。
【0040】
以上のように本実施形態によれば、布本体1に配置した細長い第1の液路形成体2の複数のケア水流出孔から、布本体1の多点へと、ケア水を滲み出させるものである。
したがって、布本体1に滲み出させたケア水を気化させれば、この時の気化熱で身体の冷却を効果的に行わせることができる。
【0041】
さらに、布本体1には、ケア水収納容器9から、第2の液路形成体7、4、第1の液路形成体2を介して供給される少量のケア水しか保持されないので、使用中の身体ケア具としても軽く、使い勝手の良いものとなる。
【0042】
また、ケア水を入れるケア水収納容器9は、第2の液路形成体7、4を介して布本体1の第1の液路形成体2に連結されるもので、身体行動に対して邪魔になりにくい適切な位置に保持させることができ、使い勝手の良いものとなる。
【0043】
また、ケア水は、水道水や、市販の水等を使用することも出来るので、手軽で、使い勝手の良いものとなる。
また、ケア水として、水に水溶性アロマオイル、水溶性マッサージオイル、水溶性保湿剤を溶融させたものを使用すると、布本体1に滲み出させたケア水によって、アロマ効果、マッサージ効果、保湿効果も発揮させることができる。
【0044】
なお、布本体1を利用し、アロマ効果、マッサージ効果、保湿効果も発揮させる場合には、布本体1を直接身体に装着する場合もある。
つまり、
図3~
図7に示す身体ケア装置12を用いず、布本体1を直接身体に装着し、アロマ効果、マッサージ効果、保湿効果も発揮させる使用法もある。
この場合でも、その時のケア水は、ポンプ10により、ケア水収納容器9から、第2の液路形成体7、4、第1の液路形成体2を介して布本体1に供給され、使い勝手の良いものとなる。
【0045】
また、この様に布本体1を直接身体に装着する場合には、布本体1の左右の被係止部11に紐(図示せず)を掛け、布本体1と紐で身体を囲む輪を作ったり、身体に装着した布本体1外周を紐状のカバーで覆ったりすることで、布本体1を直接身体に装着させることが出来る。
また、この時のケア水を気化させたいときには、市販の扇風機等による風を、布本体1の表面に当てれば良い。
【0046】
なお、本実施形態においては、送風機14の駆動によって、首の表面側の空気を、布本体1を通り抜け、装置本体13の内面側の空気吸引孔22へと吸引する構成としたが、装置本体13の内面側の空気吸引孔22を、送風口に変更し、この送風口から布本体1に送風するようにしても、布本体1が含浸するケア水を気化させることは出来る。
但し、本実施形態の様に、首の表面側の空気を、布本体1を通り抜け、装置本体13の内面側の空気吸引孔22側へと吸引する構成とした方が、布本体1が空気吸引孔22側に張り付き、首に不定期に接するのを避けることができるので、好ましい。
つまり本実施形態では、布本体1が装置本体13の内面側の空気吸引孔22側へと吸引されるので、首に布本体1が不用意に触れ、不快感を与えることが少なくなるのである。
【0047】
なお、この実施形態ではケア水を送水するためにポンプ10を用いたが、ケア水収納容器9を可撓性材料によって形成すれば、手の押圧操作で、ケア水収納容器9内のケア水を、布本体1側に送ることが出来る。
【0048】
(実施の形態2)
図13~
図18は、本発明の他の実施形態を示すものである。
この実施形態は、身体ケア装置12Aの装置本体13Aに、(実施の形態1)における送風機14も収納した構成としたものである。
したがって、同様の構成部品には同じ符号を付し、特徴点を中心に説明する。
【0049】
装置本体13Aは、装着口13aを有する略U字状で、U字状底面から両側に立ち上がる立上部の内周面側に、複数の空気吸引孔22を設けている。
そして、この空気吸引孔22群の上方の装置本体13A部分には、
図13、
図16に示すようにループ状突起よりなる複数の係止部23が、所定間隔で、装置本体13Aよりも上方に突出した状態で配置されている。
【0050】
装置本体13A内は、
図15に示すように吸引路17となっている。
吸引路17の一部に、送風機14の一例として用いたシロッコファンの吸い込み口19を開口させている。
また、装置本体13Aの送風機14収納部における、上下面には複数の排気口21が設けられている。
本実施形態では、装置本体13Aの吸引路17外に、ポンプ10、送風機14、電池15を収納しており、電池15で、ポンプ10、送風機14を駆動するようにしている。具体的には、装置本体13AのU字状底面の外周面側部分が外側に向けて張り出しており、当該張り出した部分に送風機14が収容されている。なお、送風機14は、装置本体13Aにおける任意の外周面側部分に収容されていてもよい。
つまり、
図17に示すように、制御部30にポンプ10と送風機14を接続しているのである。
そして、操作スイッチ25、26によって、ポンプ10と送風機14の操作が行われるようにしているのである。
また、表示部27、28、29によってポンプ10と送風機14の動作状態が表示されるようにしたものである。
【0051】
以上の構成において、使用時には、
図13の装置本体13Aの内面側に、
図2に示す布本体1を装着する。この時、
図16に示すように、布本体1の被係止部11を、装置本体13Aの係止部23に上方から係止させれば、布本体1が、装置本体13Aの内面側で、空気吸引孔22を覆う様に装着される。
また、市販ペットボトルのように、単品となったケア水収納容器9Aに水を100cc入れた状態で、ニップル5、6を連結する。
【0052】
次に、装置本体13Aの装着口13aを、首の後側に合わせ、装置本体13を前方に移動させれば、首部分に、容易に装着することが出来る。
この状態で、装置本体13Aの操作スイッチ25を長押しすると(
図18のS1)、電源がオン状態となり(
図18のS2)、初期設定の風量で送風機14が駆動され、初期設定の送水量でポンプ10が駆動される。
【0053】
本実施形態では、初期設定状態は、送風機14の送風量を中状態、ポンプ10の送水量も中状態としており、この時、中状態動作であることは表示部28の点灯によって表示されている。
送風機14が駆動されると、首の表面側の空気は布本体1を通過し、装置本体13Aの内面側の空気吸引孔22から吸引路17、吸い込み口19、送風機14、排気口21へと送風されることになる。
【0054】
ポンプ10の送水量について説明する。本実施形態でも、送水量小状態とは1時間当たり3ccの給水量、送水量中状態とは1時間当たり6ccの給水量、送水量大状態とは1時間当たり9ccの給水量に設定している。
1ccの水が気化した場合の冷房能力は0.68Wに相当するので、3cc(送水量小状態)では2.04W、6cc(送水量中状態)では4.08W、9cc(送水量大状態)では6.12Wとなり、十分な冷房効果を発揮することが出来る。
【0055】
このようにしてポンプ10を駆動すると、ケア水収納容器9内の水は、第2の液路形成体7、4、ポンプ10、第1の液路形成体2を介して布本体1部分に滲み出し、この布本体1を濡らすことになる。
この時、上述のように送風機14の駆動によって、首の表面側の空気は、布本体1を通り抜け、装置本体13の内面側の空気吸引孔22から吸引路17、吸い込み口19、送風機14、排気口21へと送風されている。
このため、布本体1に含まれた水分は、この風の流れで気化が促進され、この時の気化熱で布本体1に接する、または近接する首部分を効果的に冷却することができる。
【0056】
この使用時において、さらに冷却能力を高めたいときには、送風機14とポンプ10の能力を高める。
具体的には、
図13の装置本体13Aの操作スイッチ25を操作し、送風機14の送風量を高め、ポンプ10の送水量も高める(
図18のS3、S4)。
この時、送風量と送水量のアップは、表示部29の点灯によって表示される。
つまり、布本体1部分への送風量、送水量がアップすれば、冷却効果も高まるのである。
【0057】
使用時に、冷却能力を低くしたい場合には、
図13の装置本体13Aの操作スイッチ26を操作し、送風機14の送風量を低下させ、ポンプ10の送水量を低下させる(
図18のS5、S6)。
この時、送風量と送水量の低下は、表示部28の点灯によって表示される。
さらに、冷却効果を低下させる時には、
図13の装置本体13Aの操作スイッチ26を操作し、送風機14の送風量を低下させ、ポンプ10の送水量を低下させる(
図18のS5、S6)。
この時、送風量と送水量の低下は、表示部27の点灯によって表示される。
【0058】
この状態から、冷却効果を高める時には、
図13の装置本体13Aの操作スイッチ25を操作し、送風機14の送風量を高め、ポンプ10の送水量を高める(
図18のS3、S4)。
この時、送風量と送水量のアップは、表示部28の点灯によって表示される。
この状態で、さらに冷却効果を高める時には、
図13の装置本体13Aの操作スイッチ25を操作し、送風機14の送風量を高め、ポンプ10の送水量を高める(
図10のS3、S4)。
この時、送風量と送水量のアップは、表示部29の点灯によって表示される。
【0059】
また、使用を停止する時には、
図13の装置本体13Aの操作スイッチ26を長押し、送風機14とポンプ10を停止する(
図18のS7、S8)。
【0060】
以上のように本実施形態によれば、布本体1に配置した細長い第1の液路形成体2の複数のケア水流出孔から、布本体1の多点へと、ケア水を滲み出させるものである。
したがって、布本体1に滲み出させたケア水を気化させれば、この時の気化熱で身体冷却を効果的に行わせることができる。
【0061】
さらに、布本体1には、ケア水収納容器9Aから、第2の液路形成体7、4、第1の液路形成体2を介して供給される少量のケア水しか保持されないので、使用中の身体ケア具としても軽く、使い勝手の良いものとなる。
【0062】
また、ケア水を入れるケア水収納容器9Aは、第2の液路形成体7、4を介して布本体1の第1の液路形成体2に連結されるもので、身体行動に対して邪魔になりにくい適切な位置に保持させることができ、使い勝手の良いものとなる。
【0063】
また、ケア水は、水道水や、市販の水等を使用することも出来るので、手軽で、使い勝手の良いものとなる。
【0064】
なお、この実施形態でもケア水を送水するためにポンプ10を用いたが、ケア水収納容器9Aを可撓性材料によって形成すれば、手の押圧操作で、ケア水収納容器9A内のケア水を、布本体1側に送ることが出来る。
【0065】
以上のように本発明の身体ケア具と、この身体ケア具を装着した身体ケア装置は、身体の冷却効果や、アロマ効果、マッサージ効果、保湿効果を発揮させることができる。
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。そして本発明は、特許請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。
【符号の説明】
【0066】
1 布本体
2 第1の液路形成体
3 ニップル
4 第2の液路形成体
5 ニップル
6 ニップル
7 第2の液路形成体
8 ケア水供給ユニット
9 ケア水収納容器
9A ケア水収納容器
10 ポンプ
11 被係止部
12 身体ケア装置
12A 身体ケア装置
13 装置本体
13a 装着口
13A 装置本体
14 送風機
15 電池
16 制御基板
17 吸引路
18 排気路
19 吸い込み口
20 空気吹出孔
21 排気口
22 空気吸引孔
23 係止部
24 蓋
25 操作スイッチ
26 操作スイッチ
27 表示部
28 表示部
29 表示部
30 制御部
31 メモリ
32 操作スイッチ
33 操作スイッチ
34 表示部
35 表示部
36 表示部
37 制御部
38 電池
39 メモリ