(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023033954
(43)【公開日】2023-03-13
(54)【発明の名称】回転圧縮機
(51)【国際特許分類】
F04C 29/02 20060101AFI20230306BHJP
F04C 29/00 20060101ALI20230306BHJP
【FI】
F04C29/02 311B
F04C29/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021139947
(22)【出願日】2021-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】517403558
【氏名又は名称】瀋陽中航機電三洋制冷設備有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100186060
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100145458
【弁理士】
【氏名又は名称】秋元 正哉
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 孝
(72)【発明者】
【氏名】西川 剛弘
(72)【発明者】
【氏名】吉田 浩之
(72)【発明者】
【氏名】比留間 義明
【テーマコード(参考)】
3H129
【Fターム(参考)】
3H129AA04
3H129AA13
3H129AA32
3H129AB03
3H129BB06
3H129CC04
3H129CC32
(57)【要約】
【課題】 本発明は、回転圧縮機構部に供給される潤滑油の給油過多が避けられることに加え、シャフトを小径化しても強度が担保される回転圧縮機の提供を目的とする。
【解決手段】 本発明に係る回転圧縮機は、前記課題を解決するため、密閉容器と、前記密閉容器内の一方側に配設される電動部と、前記密閉容器内の他方側に配設される回転圧縮機構部と、前記電動部と前記回転圧縮機構部とを接続するシャフトと、前記密閉容器内に貯留される潤滑油とを備え、前記回転圧縮機構部は、偏芯部と、前記偏芯部に装着されるローラと、前記ローラを収容するシリンダと、前記シリンダを閉塞すると共に、前記シャフトを支持するベアリングプレートとを備え、前記ベアリングプレートは、一端が前記潤滑油に臨み、他端が前記シリンダ内に連通する給油路を備えることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
密閉容器と、
前記密閉容器内の一方側に配設される電動部と、
前記密閉容器内の他方側に配設される回転圧縮機構部と、
前記電動部と前記回転圧縮機構部とを接続するシャフトと、
前記密閉容器内に貯留される潤滑油と、
を備え、
前記回転圧縮機構部は、
前記シャフトの回転に伴い偏芯回転するローラと、
前記ローラを収容するシリンダと、
前記シリンダを閉塞すると共に、前記シャフトを支持するベアリングプレートと、
を備え、
前記ベアリングプレートは、一端が前記潤滑油に臨み、他端が前記シリンダ内に連通する給油路を備える
ことを特徴とする回転圧縮機。
【請求項2】
前記シャフトの回転角に応じて、前記給油路の開閉が切り替えられる
請求項1に記載の回転圧縮機。
【請求項3】
前記ベアリングプレートに、前記給油路が複数設けられると共に、
前記シャフトの回転角に応じて、前記複数の前記給油路のうちの少なくとも1つの給油路と、前記複数の前記給油路のうちの他の給油路とが、異なるタイミングで開く
請求項1又は2に記載の回転圧縮機。
【請求項4】
前記シャフトが、前記シャフトの内部で長さ方向に延びる給油路を含むシャフト内給油構造を備える
請求項1~3のいずれか一項に記載の回転圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば空調機器用の圧縮機として、回転圧縮機が提供されている。回転圧縮機は、電動部と、電動部の回転軸に対応するシャフト(クランクシャフト)と接続し、電動部の動作によって駆動される回転圧縮機構部と、電動部や回転圧縮機構部を収容する密閉容器を備える。このような回転圧縮機は、例えば、下記特許文献1,2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-182429号公報
【特許文献2】特表2020-526707号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1,2に示されるような一般の回転圧縮機において、例えば、回転圧縮機構部内の適宜箇所(回転するローラと、シリンダ、シャフト、主軸受(メインフレーム)、副軸受(ベアリングプレート)等との間の摺動領域)を潤滑する潤滑油が、密閉容器内に貯留されている。また、特許文献1に示されるように、シャフトの芯部に、潤滑油を供給する給油路が設けられると共に、給油路の内側に、金属板をねじったパドルと称される部材が取り付けられる。これにより、潤滑油は、シリンダ(圧縮室)内外の差圧やパドルの遠心力によって給油路内に吸引され、回転圧縮機構部内の前記適宜箇所に供給される。
【0005】
しかしながら、潤滑油の給油機構にパドルが含まれると、例えば、高速運転時など運転条件によっては、回転圧縮機構部に供給される給油量が過度に多くなる場合がある。また、近年、回転圧縮機の軽量化や摺動領域でのエネルギーロスを低減する等の観点から、シャフトが小径化されているところ、シャフト内に給油路を設ける従来の構造では、シャフトの強度を担保できないおそれがある。そのため、シャフトの強度を補うための設計が要求される。
【0006】
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、回転圧縮機構部に供給される潤滑油の給油過多が避けられることに加え、シャフトを小径化しても強度が担保される回転圧縮機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る回転圧縮機は、
密閉容器と、
前記密閉容器内の一方側に配設される電動部と、
前記密閉容器内の他方側に配設される回転圧縮機構部と、
前記電動部と前記回転圧縮機構部とを接続するシャフトと、
前記密閉容器内に貯留される潤滑油と、
を備え、
前記回転圧縮機構部は、
前記シャフトの回転に伴い偏芯回転するローラと、
前記ローラを収容するシリンダと、
前記シリンダを閉塞すると共に、前記シャフトを支持するベアリングプレートと、
を備え、
前記ベアリングプレートは、一端が前記潤滑油に臨み、他端が前記シリンダ内に連通する給油路を備える
ことを特徴とする。
【0008】
本発明のこの態様によれば、一端が潤滑油に臨み、他端が回転圧縮機構部のシリンダ内に連通する給油路がベアリングプレートに設けられ、シリンダ内外の差圧によって、回転圧縮機構部(例えば、シリンダ内)に潤滑油を給油することができる。そのため、回転圧縮機構部に供給される潤滑油の給油過多を避けることができる。
【0009】
また、本発明のこの態様によれば、潤滑油が、ベアリングプレートに設けられた前記給油路を介して回転圧縮機構部に給油されるため、シャフト内に別途給油路を設けなくてもよい。そのため、シャフトが小径化されても、シャフトの強度が十分担保される。
【0010】
また、本発明に係る回転圧縮機において、
前記シャフトの回転角に応じて、前記給油路の開閉が切り替えられる
ことが好ましい。
【0011】
本発明のこの態様によれば、偏芯部に装着される偏芯回転要素(ローラやスラスト受け部等)とベアリングプレートとの摺動領域(例えば、ローラの動作過程において、ローラの下端面とベアリングプレートの上端面とが重なる領域)に給油路を臨ませることで、シャフトの回転角に応じて、給油路の開閉を切り替えることができる。すなわち、このような簡易な構造によって、回転圧縮機構部への給油量を制御することができる。
【0012】
更に、本発明に係る回転圧縮機において、
前記ベアリングプレートに、前記給油路が複数設けられると共に、
前記シャフトの回転角に応じて、前記複数の前記給油路のうちの少なくとも1つの給油路と、前記複数の前記給油路のうちの他の給油路とが、異なるタイミングで開く
ことが好ましい。
【0013】
本発明のこの態様によれば、前記偏芯回転要素とベアリングプレートとの摺動領域に複数の給油路をそれぞれ設けることで、シャフトの回転角に応じて、少なくとも1つの給油路と他の給油路とが異なるタイミングで開く。これにより、回転圧縮機構部に対して連続的に潤滑油を給油することができる。
【0014】
更に、本発明に係る回転圧縮機において、
前記シャフトが、前記シャフトの内部で長さ方向に延びる給油路を含むシャフト内給油構造を備えてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、回転圧縮機構部に供給される潤滑油の給油過多が避けられることに加え、シャフトを小径化しても強度が担保される回転圧縮機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図2】本実施形態における回転圧縮機構部の部分断面図(
図1のA-A線で切断された部分断面図)。
【
図3】本実施形態における給油量の推移を示すタイミングチャート。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る回転圧縮機を詳細に説明する。まず、
図1を参照して、本発明の一実施形態に係る回転圧縮機1の全体構成を説明する。ここで、
図1は、回転圧縮機1の垂直断面図である。
【0018】
図1に示されるように、本実施形態に係る回転圧縮機1は、電動部10、電動部10によって駆動される回転圧縮機構部20を備える。電動部10及び回転圧縮機構部20は、容器本体部31、蓋部32を備える鋼板製の密閉容器30に収容される。
【0019】
電動部10は、密閉容器30内の一方側(高さ方向上方側)に配設され、回転圧縮機構部20は、密閉容器30内の他方側(高さ方向下方側)に配設される。
【0020】
電動部10は、ステータ11と、ロータ12と、シャフト13(ロータ12の回転軸に対応するクランクシャフト)とを備えるブラシレスDCモータである。ここで、ステータ11は、略円柱状の空域が内側に形成される平面視ドーナッツ形状の複数の電磁鋼板を高さ方向に積層した積層体(ステータコア)11aと、積層体11aに備わる歯部に集中巻き方式で巻着されるステータコイル11bを備える。
【0021】
ステータコイル11bは、容器30の蓋部32に装着されるターミナル33と電気的に接続される。ターミナル33からステータコイル11bに電力が供給されると、ステータコイル11bに電流が流れる。これにより、ロータ12に作用する回転磁界が生成され、ロータ12が回転する。
【0022】
ロータ12は、平面視略円形の複数の電磁鋼板を高さ方向に積層した積層体(ロータコア)12aと、積層体12a内に設けられる永久磁石とを備える。ロータ12の積層体12aは、ステータ11の内側に形成される円柱状の空域内に配設される。このとき、ステータ11の歯部内端とロータ12の外面との間に僅かな間隙が形成される。更に、ロータ12の中央に、高さ方向に貫通する貫通孔12bが形成される。シャフト13は、貫通孔12bに挿嵌され、ロータ12を支持する。
【0023】
次に、回転圧縮機構部20は、
図1に示されるように、シリンダ21、偏芯部22、ローラ23、スラスト受け部24等を備える。ここで、
図1に示されるように、シリンダ21は、上下に貫通する圧縮室211を内部に備える。また、シリンダ21の上面及び下面の夫々に、シャフト13を支持するメインフレーム25とベアリングプレート26が装着される。シリンダ21(圧縮室211)の開口部は、メインフレーム25及びベアリングプレート26によって閉塞される。
【0024】
また、
図1に示されるように、偏芯部22は、圧縮室211内に収容されると共に、シャフト13に一体形成される。更に、ローラ23は、偏芯部22の外側面に周設される。更に、ベーン(図示しない)は、シリンダ21に形成される縦溝(ベーンスロット)内にスライド可能に配設されて圧縮室211に臨む。このとき、ベーンの内端は、ローラ23の外側面に当接する。これにより、圧縮室211は、低圧室と高圧室とに区画される。更に、コイルスプリング(図示しない)は、前記縦溝の外方側に配置され、ベーンの外端を付勢する。
【0025】
前記構造の回転圧縮機構部20において、シャフト13が回転すると、圧縮室211内で偏芯部22及びローラ23が偏芯回転する。このとき、ローラ23は、圧縮室211の内側面に沿って偏芯回転する。また、ローラ23の偏芯回転に伴い、ローラ23の外側面に当接するベーンがシリンダ21の外方側に押し込まれる。ローラ23が偏芯回転を続けると、ベーンは、それまでとは逆方向にスライド移動し、元の位置に戻る。
【0026】
なお、図示される回転圧縮機構部20は、シリンダ21を1つ備えるものであるが、シリンダの個数はこれに限られない。すなわち、回転圧縮機構部20は、シリンダ21を2つ以上備えるものであってもよい。
【0027】
更に、密閉容器30内の最下部(他方側の端部)に形成されるオイル溜めに、例えば、回転圧縮機構部20(シリンダ21とローラ23との摺動領域やローラ23とメインフレーム25、ベアリングプレート26との摺動領域等)を潤滑するための潤滑油40が貯留される。
【0028】
次に、
図1に示されるように、シリンダ21(圧縮室211)の他方側(本実施形態の場合、高さ方向下方側)の開口部を閉塞するベアリングプレート26は、シリンダ21に当接すると共に、幅方向に張り出すフランジ部261と、フランジ部261から下方側に延出し、シャフト13を支持する軸受部262を含む。また、軸受部262に、高さ方向に沿って設けられる貫通路263(263a,263b)が形成される。
【0029】
更に、貫通路263の一端が潤滑油40に臨み、貫通路263の他端がシリンダ21(ローラ23の内径側)内に連通する。ここで、シリンダ21(圧縮室211)内の低圧部の圧力は、潤滑油圧(シリンダ外圧)より低く、このとき、シリンダ21(圧縮室211)とローラ23の内径側とを繋ぐ、ローラ23の例えば高さ方向最上部に形成されるクリアランスを通じてローラ23の内径側圧力も降下する。これにより、貫通路263を介してローラ23の内径側に引き揚げられた潤滑油40がシリンダ21(ローラ23の内径側)内及び摺動部に吸い上げられる。すなわち、貫通路263は、シリンダ21内に潤滑油を給油するための通路として機能する。そのため、貫通路を以下「給油路」と言う。
【0030】
本実施形態によれば、ベアリングプレート26内に給油路263が設けられるため、従来の給油機構のように、シャフト13内に給油路を設ける必要がない。そのため、シャフト13が小径化されても、十分な強度が担保される。また、シリンダ21の内外の差圧を用いて潤滑油40を吸い上げるため、回転圧縮機構部20(シリンダ21)に供給される潤滑油40の給油過多を避けることができる。
【0031】
なお、本実施形態の場合、給油路263は、ベアリングプレート26の軸受部262に設けられているが、例えば、フランジ部261のように、ベアリングプレート26のそれ以外の箇所に設けられてもよい。また、
図1に、2本の給油路263a,263bが示されているが、給油路263の数はこれに限られない。前述のように、給油路263の個数は複数を基本とするが、単一(1つ)で最適化してもよい。
【0032】
次に、
図2及び
図3を参照して、本実施形態の回転圧縮機1の動作を説明する。ここで、
図2は、回転圧縮機構部20の部分断面図(
図1のA-A線で切断された部分断面図)であって、シャフト13の回転角(クランク角)に応じて、回転圧縮機構部20における偏芯回転要素(ローラ23やスラスト受け部24等)と給油路263との位置関係を説明する図である。また、
図3は、本実施形態における給油量の推移を示すタイミングチャートである。
【0033】
図2に示されるように、シャフト13の回転角が0°の場合、給油路263の一方(給油路263a)がローラ23の下端に重なっている。これにより、給油路263aは、閉塞する。これに対して、給油路263の他方(給油路263b)は、ローラ23と重ならず、開いた状態となっている。
【0034】
続いて、シャフト13の回転角が90°に至るまでローラ23が回転すると、給油路263a,263bの双方が、ローラ23の下端に重なり閉塞する。更に、シャフト13の回転角が135°に至るまでローラ23が回転すると、これまで閉塞していた給油路263aが開く。更に、シャフト13の回転角が270°に至るまでローラ23が回転すると、再び、シャフト13の給油路263a,263bの双方が、ローラ23の下端に重なり閉塞する。更に、シャフト13の回転角が360°(0°)に至るまでローラ23が回転すると、給油路263aが閉塞する一方、給油路263bが開く。
【0035】
給油路263a,263bの開閉動作に基づく給油量の推移は、
図3に示す通りである。すなわち、シャフト13の回転角が0°から90°(
図3の期間A)において、給油路263bからシリンダ21(ローラ23の内径側)に潤滑油40が給油される(給油路263bからの給油量を一点鎖線で示す)。このとき、給油路263aからは潤滑油40が給油されない(給油路263bからの給油量を破線で示す)。
【0036】
これに対して、シャフト13の回転角が90°から270°(
図3の期間B)において、給油路263aからシリンダ21(ローラ23の内径側)に潤滑油40が給油される一方、給油路263bからは潤滑油40が給油されない。最後に、シャフト13の回転角が90°から270°(
図3の期間C)において、再び、給油路263bからシリンダ21(ローラ23の内径側)に潤滑油40が給油される一方、給油路263aからは潤滑油40が給油されない。
【0037】
このように、回転圧縮機構部20の偏芯回転要素(本実施形態の場合、ローラ23)とベアリングプレート26との摺動領域に給油路263を臨ませることで、偏芯回転要素の回転角に応じて、給油路263aと給油路263bとが異なるタイミングで開閉する。これにより、
図3に示されるように、給油路263aが開く期間と、給油路263bが開く期間とが、交互に切り替えられる。その結果、回転圧縮機構部20(シリンダ21)内に、連続的に潤滑油40を給油することができる。
【0038】
なお、本実施形態では、ローラ23とベアリングプレート26との摺動領域に、給油路263a,263bが設けられているが、給油路263a,263bの位置は、これに限られない。例えば、スラスト受け部24とベアリングプレート26との摺動領域に、給油路263a,263bが位置していても、同様の作用が奏される。
【0039】
また、シャフト13の剛性が担保できる範囲で、シャフト13内に設けられる給油構造(シャフト13内の長さ方向に延びる中心孔(給油路)や、場合によっては、それにパドルを加えた構造。これを「シャフト内給油構造」と言う。)が備えられていてもよい。このシャフト内給油構造と給油路263とを組み合わせて、給油量の更なる最適化を図ってもよい。
【0040】
また、給油路263が2つ設けられる場合について説明したが、給油路263が1つの場合、シャフト13の回転角に応じて、給油路263の開期間と閉期間(給油期間と非給油期間)が切り替えられる。これにより、偏芯回転要素(ローラ23やスラスト受け部24等)とベアリングプレート26との摺動領域に給油路263を設けるシンプルな構造によって、回転圧縮機構部20への給油量を制御することができる。
【0041】
本発明の実施形態について詳細に説明した。ただし、前述の説明は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定する趣旨で記載されたものではない。本発明には、その趣旨を逸脱することなく、前述の実施形態から変更、改良され得るものを含み得る。また、本発明にはその等価物が含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明に係る回転圧縮機は、例えば、家庭用・業務用空調装置等に用いられる。ただし、その用途は、これに限られない。
【符号の説明】
【0043】
1・・・・・・・・・・回転圧縮機
10・・・・・・・・・電動部
11・・・・・・・・ステータ
12・・・・・・・ロータ
13・・・・・・・ロータのシャフト
20・・・・・・・・回転圧縮機構部
21・・・・・・・シリンダ
211・・・・・圧縮室
22・・・・・・・偏芯部
23・・・・・・・ローラ
24・・・・・・・スラスト受け部
25・・・・・・・メインフレーム
26・・・・・・・ベアリングプレート
263・・・・・給油路
30・・・・・・・・密閉容器
40・・・・・・・・潤滑油