(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023003398
(43)【公開日】2023-01-11
(54)【発明の名称】基板処理装置及び基板処理方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/302 20060101AFI20221228BHJP
H01L 21/268 20060101ALI20221228BHJP
【FI】
H01L21/302 201B
H01L21/268 J
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022098598
(22)【出願日】2022-06-20
(31)【優先権主張番号】10-2021-0081498
(32)【優先日】2021-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】518162784
【氏名又は名称】セメス カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】キム,クァン リュル
(72)【発明者】
【氏名】パク,ジョン フン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ユン サン
【テーマコード(参考)】
5F004
【Fターム(参考)】
5F004AA09
5F004BA09
5F004BB03
5F004BB13
5F004BB22
5F004BB26
5F004CA04
5F004CA08
5F004DA25
5F004DB00
5F004DB13
5F004EA28
(57)【要約】
【課題】本発明は、基板を処理する装置を提供する。
【解決手段】一実施例において、基板処理装置は、処理空間を提供するチャンバと、前記処理空間に提供される基板支持ユニットと、前記チャンバの上側に提供されるウィンドウと、及び前記ウィンドウの上側に提供されて前記基板にレーザービームを伝達する光学モジュールを含み、前記光学モジュールは、レーザービームを均一なビームプロファイルで均質化させるホモジナイジングオプティクスと、及びレーザービームの大きさを前記基板に対応する大きさで作るイメージングオプティクスを含むことを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理空間を提供するチャンバと、
前記処理空間に提供される基板支持ユニットと、
前記チャンバの上側に提供されるウィンドウと、及び
前記ウィンドウの上側に提供されて前記基板にレーザービームを伝達する光学モジュールを含み、
前記光学モジュールは、
レーザービームを均一なビームプロファイルで均質化させるホモジナイジングオプティクスと、及び
レーザービームの大きさを前記基板に対応する大きさで作るイメージングオプティクスを含むことを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
前記レーザービームの光経路上に提供される透明電極と、
前記基板より下に位置される下部電極をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記透明電極は前記ウィンドウに積層されて提供されることを特徴とする請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記透明電極と前記下部電極とのうちで何れか一つ以上と連結される高周波電源をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記透明電極は、
ITO(indium tin oxide)、AZO、FTO、ATO、SnO2、ZnO、IrO2、RuO2、グラフェン、メタルナノワイヤー(metal nanowire)及びCNTのうちで何れか一つであるか、またはその以上の混合物質、または多重重畳でなされることを特徴とする請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記透明電極は前記ウィンドウにコーティングされて提供されることを特徴とする請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記ウィンドウはクオーツ素材で提供されることを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記光学モジュールは、
コリメーションオプティクスをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記ウィンドウは、
前記光学モジュールを通じて伝達されるレーザービームの光経路上に位置することを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記レーザービームを発生させるレーザービーム発生器と、及び
前記レーザービーム発生器と前記光学モジュールを光学的に連結する光ファイバーをさらに含み、
前記光学モジュールに伝達されるレーザービームはパルスレーザービームであることを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記パルスレーザービームのパルス幅は、
ピコ秒乃至ナノ秒であることを特徴とする請求項10に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記パルスレーザービームのパルス持続時間(Pulse Duration)は1ナノ秒乃至100ミリ秒であることを特徴とする請求項10に記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記レーザービームは基板を500℃以上で加熱するものであることを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記レーザービームは前記基板に対して10mJ/cm2以上のエネルギーを印加することを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項15】
前記レーザービームの光経路上に提供される透明電極と、
前記基板より下に位置される下部電極と、
前記透明電極と前記下部電極とのうちで何れか一つ以上と連結される高周波電源と、
前記レーザービームを発生させるレーザービーム発生器と、
前記レーザービーム発生器と前記光学モジュールを光学的に連結する光ファイバーと、
前記処理空間にガスを取り入れるガス供給ユニットと、
前記処理空間内部の雰囲気を前記処理空間の外部に排気する排気ユニットと、及び
制御機をさらに含み、
前記制御機は、
前記ガス供給ユニットを制御して前記処理空間に第1工程ガスを導入し、前記高周波電源を制御して導入された前記第1工程ガスをプラズマで励起して前記基板を処理する第1段階と、
前記ガス供給ユニットを制御して前記処理空間にファジーガスを導入し、前記排気ユニットを制御して前記処理空間を排気する第2段階と、
前記ガス供給ユニットを制御して前記処理空間に第2工程ガスを導入し、前記高周波電源を制御して導入された前記第2工程ガスをプラズマで励起し、前記レーザービーム発生器を制御して前記レーザービームをパルスで印加して前記基板を処理する第3段階と、及び
前記ガス供給ユニットを制御して前記処理空間に前記ファジーガスを導入し、前記排気ユニットを制御して前記処理空間を排気する第4段階と、を行うが、
前記第1段階乃至前記第4段階を順次に複数回反復するように制御することを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項16】
基板を処理する方法において、
基板の表面にパルスレーザービームを伝達して加熱するが、
前記パルスレーザービームは、
レーザービームを均一なビームプロファイルで均質化させるホモジナイジングオプティクスと、及び
レーザービームの大きさを前記基板に対応する大きさで作るイメージングオプティクスを通過して前記基板に伝達されたものであることを特徴とする基板処理方法。
【請求項17】
前記パルスレーザービームのパルス幅はピコ秒乃至ナノ秒であることを特徴とする請求項16に記載の基板処理方法。
【請求項18】
前記基板は処理空間を提供するチャンバ内で、下部電極を含む基板支持ユニットに支持されて提供され、
前記レーザービームは、チャンバの上部に提供される上部電極を通過して前記基板に伝達され、
前記上部電極は、
クオーツに提供されるウィンドウと、
前記ウィンドウに積層された透明電極を含み、
前記透明電極と前記下部電極のうちで何れか一つ以上に高周波電力を印加することを特徴とする請求項16に記載の基板処理方法。
【請求項19】
前記処理空間に第1工程ガスを導入し、導入された第1工程ガスをプラズマで励起して基板を処理する第1段階と、
前記処理空間にファジーガスを導入し、前記処理空間を排気する第2段階と、
前記処理空間に第2工程ガスを導入し、導入された前記第2工程ガスをプラズマで励起し、前記パルスレーザービームを印加する第3段階と、及び
前記処理空間で前記ファジーガスを印加し、前記処理空間を排気する第4段階と、を含み、
前記第1段階乃至前記第4段階を順次に複数回反復することを特徴とする請求項18に記載の基板処理方法。
【請求項20】
処理空間を提供するチャンバと、
前記処理空間に提供される基板支持ユニットと、
前記チャンバの上側に提供されるウィンドウと、
前記ウィンドウにコーティングされて提供される透明電極と、
レーザービームを発生させるレーザービーム発生器と、
前記ウィンドウの上側に提供されて前記基板にレーザービームを伝達する光学モジュールと、及び
前記レーザービーム発生器と前記光学モジュールを光学的に連結する光ファイバーを含み、
前記光学モジュールは、
コリメーションオプティクスと、
レーザービームを均一なビームプロファイルで均質化させるホモジナイジングオプティクスと、
レーザービームの大きさを前記基板に対応する大きさで作るイメージングオプティクスを含み、
前記光学モジュールに伝達されるレーザービームはパルスレーザービームであることを特徴とする基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を処理する装置及び基板を処理する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
基板の処理工程にはプラズマが利用されることができる。例えば、蝕刻、蒸着またはドライクリーニング工程にプラズマが使用されることができる。プラズマは非常に高い温度や、強い電界、あるいは高周波電子係(RF Electromagnetic Fields)によって生成され、プラズマはイオンや電子、ラジカル等でなされたイオン化されたガス状態を言う。プラズマを利用したドライクリーニング、アッシング、または蝕刻工程はプラズマに含まれたイオンまたはラジカル粒子らが基板と反応または衝突することで遂行される。
【0003】
そして、半導体素子を製造しようとすれば、半導体ウェハーで改質処理、アニーリング処理などの各種の熱処理を反復する。そして、半導体素子が高密度化、多層化及び高集積化することによってその仕様が毎年難しくなっていて、これらの各種の熱処理した半導体ウェハー面内で均一性の向上及び膜質向上が要求される。
【0004】
半導体素子の製造過程でプラズマを利用する装置とアニーリング装置の間を移動する段階が隋伴され、装置間の移動時間によってUPHに影響が発生する。
【0005】
また、最近にはエッチング工程でALEが適用される。ALE(Atomic layer etching)は統制された陽の物質を除去する方法であり、表面の膜質を修正(modification)する吸着反応と、修正された膜質を除去する脱着反応を利用する。吸着反応は低い温度(例えば、常温)で反応性が高くて、脱着反応は非常に高温(例えば、500℃以上)で反応性が高い。
【0006】
しかし、工程で基板を高温に加熱するようになれば、加熱することに長期間が所要されるだけでなく、加熱された基板が冷却されることにも長期間がかかって、冷却のための費用も所要されることによって、UPHが低くなる問題によって、脱着反応に必要な温度近所に固定して使用する。しかし、吸着反応も考慮されなければならないことによって、脱着反応が極大化される温度領域に及ぶことができない範囲で固定される。
【0007】
温度を自由に変化させることができない環境は工程ウィンドウも制限的である。
【0008】
一方、従来に提供される静電チャックに提供されるヒーターを利用して基板を加熱する場合500℃以上の高温条件ではウェハーが割れるなどのダメージが発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上述した問題を解決することができる基板処理装置及び基板処理方法を提供することを一目的とする。
【0011】
本発明は、基板を効率的に処理することができる基板処理装置及び基板処理方法を提供することを一目的とする。
【0012】
本発明は、基板上の半導体素子製造において、単位時間当り生産量(UPH)を高めることができる基板処理装置を提供することを一目的とする。
【0013】
本発明は、設備のフットプリントを減少させることができる基板処理装置を提供することを一目的とする。
【0014】
本発明は、吸着反応のための温度と脱着反応のための温度をすべて満足させながらも工程時間を短縮させることができる基板処理装置及び基板処理方法を提供することを一目的とする。
【0015】
本発明は、工程ウィンドウを増大させることができる基板処理装置及び基板処理方法を提供することを一目的とする。
【0016】
本発明は、高温で加熱するがウェハーが受けるダメージから自由な基板処理装置及び基板処理方法を提供することを一目的とする。
【0017】
本発明の目的はこれに制限されないし、言及されなかったまた他の目的らは下の記載から当業者に明確に理解されることができるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、基板を処理する装置を提供する。一実施例において、基板処理装置は、処理空間を提供するチャンバと、前記処理空間に提供される基板支持ユニットと、前記チャンバの上側に提供されるウィンドウと、及び前記ウィンドウの上側に提供されて前記基板にレーザービームを伝達する光学モジュールを含み、前記光学モジュールは、レーザービームを均一なビームプロファイルで均質化させるホモジナイジングオプティクスと、及びレーザービームの大きさを前記基板に対応する大きさで作るイメージングオプティクスを含む。
【0019】
一実施例において、前記レーザービームの光経路上に提供される透明電極と、前記基板より下に位置される下部電極をさらに含むことができる。
【0020】
一実施例において、前記透明電極は前記ウィンドウに積層されて提供されることができる。
【0021】
一実施例において、前記透明電極と前記下部電極のうちで何れか一つ以上と連結される高周波電源をさらに含むことができる。
【0022】
一実施例において、前記透明電極は、ITO(indium tin oxide)、AZO、FTO、ATO、SnO2、ZnO、IrO2、RuO2、グラフェン、メタルナノワイヤー(metal nanowire)及びCNTのうちで何れか一つであるか、またはその以上の混合物質、または多重重畳でなされることができる。
【0023】
一実施例において、前記透明電極は前記ウィンドウにコーティングされて提供されることができる。
【0024】
一実施例において、前記ウィンドウはクオーツ素材で提供される基板処理装置。
【0025】
一実施例において、前記光学モジュールは、コリメーションオプティクスをさらに含むことができる。
【0026】
一実施例において、前記ウィンドウは、前記光学モジュールを通じて伝達されるレーザービームの光経路上に位置されることができる。
【0027】
一実施例において、前記レーザービームを発生させるレーザービーム発生器と、及び前記レーザービーム発生器と前記光学モジュールを光学的に連結する光ファイバーをさらに含み、前記光学モジュールに伝達されるレーザービームはパルスレーザービームであることができる。
【0028】
一実施例において、前記パルスレーザービームのパルス幅は、ピコ秒乃至ナノ秒であることができる。
【0029】
一実施例において、前記パルスレーザービームのパルス持続時間(Pulse Duration)は1ナノ秒乃至100ミリ秒であることがある。
【0030】
一実施例において、前記レーザービームは基板を500℃以上に加熱するものであることがある。
【0031】
一実施例において、前記レーザービームは前記基板に対して10mJ/cm2以上のエネルギーを印加することができる。
【0032】
一実施例において、前記レーザービームの光経路上に提供される透明電極と、前記基板より下に位置される下部電極と、前記透明電極と前記下部電極のうちで何れか一つ以上と連結される高周波電源と、前記レーザービームを発生させるレーザービーム発生器と、前記レーザービーム発生器と前記光学モジュールを光学的に連結する光ファイバーと、前記処理空間にガスを取り入れるガス供給ユニットと、前記処理空間内部の雰囲気を前記処理空間の外部に排気する排気ユニットと、及び制御機をさらに含み、前記制御機は、前記ガス供給ユニットを制御して前記処理空間に第1工程ガスを導入し、前記高周波電源を制御して導入された前記第1工程ガスをプラズマで励起して前記基板を処理する第1段階と、前記ガス供給ユニットを制御して前記処理空間にファジーガスを導入し、前記排気ユニットを制御して前記処理空間を排気する第2段階と、前記ガス供給ユニットを制御して前記処理空間に第2工程ガスを導入し、前記高周波電源を制御して導入した前記第2工程ガスをプラズマで励起し、前記レーザービーム発生器を制御して前記レーザービームをパルスで印加して前記基板を処理する第3段階と、及び前記ガス供給ユニットを制御して前記処理空間に前記ファジーガスを導入し、前記排気ユニットを制御して前記処理空間を排気する第4段階を行うが、前記第1段階乃至前記第4段階を順次に複数回反復するように制御することができる。
【0033】
本発明は、基板を処理する方法を提供する。一実施例において、基板処理方法は、基板の表面にパルスレーザービームを伝達して加熱するが、前記パルスレーザービームは、レーザービームを均一なビームプロファイルで均質化させるホモジナイジングオプティクスと、及びレーザービームの大きさを前記基板に対応する大きさで作るイメージングオプティクスを通過して前記基板に伝達される。
【0034】
一実施例において、前記パルスレーザービームのパルス幅はピコ秒乃至ナノ秒であることができる。
【0035】
一実施例において、前記基板は処理空間を提供するチャンバ内で、下部電極を含む基板支持ユニットに支持されて提供され、前記レーザービームは、チャンバの上部に提供される上部電極を通過して前記基板に伝達され、前記上部電極は、クオーツに提供されるウィンドウと、前記ウィンドウに積層された透明電極を含み、前記透明電極と前記下部電極のうちで何れか一つ以上に高周波電力を印加することができる。
【0036】
一実施例において、前記処理空間に第1工程ガスを導入し、導入された第1工程ガスをプラズマで励起して基板を処理する第1段階と、前記処理空間にファジーガスを導入し、前記処理空間を排気する第2段階と、前記処理空間に第2工程ガスを導入し、導入された前記第2工程ガスをプラズマで励起し、前記パルスレーザービームを印加する第3段階と、及び前記処理空間に前記ファジーガスを印加し、前記処理空間を排気する第4段階を含み、前記第1段階乃至前記第4段階を順次に複数回反復することができる。
【0037】
他の観点による基板処理装置は、処理空間を提供するチャンバと、前記処理空間に提供される基板支持ユニットと、前記チャンバの上側に提供されるウィンドウと、前記ウィンドウにコーティングされて提供される透明電極と、レーザービームを発生させるレーザービーム発生器と、前記ウィンドウの上側に提供されて前記基板にレーザービームを伝達する光学モジュールと、及び前記レーザービーム発生器と前記光学モジュールを光学的に連結する光ファイバーを含み、前記光学モジュールは、コリメーションオプティクスと、レーザービームを均一なビームプロファイルで均質化させるホモジナイジングオプティクスと、レーザービームの大きさを前記基板に対応する大きさで作るイメージングオプティクスを含み、前記光学モジュールに伝達されるレーザービームはパルスレーザービームである。
【発明の効果】
【0038】
本発明の多様な実施例によれば、基板が効率的に処理されることができる。
【0039】
本発明の実施例によれば、基板上の半導体素子製造において、単位時間当り生産量(UPH)を高めることができる。
【0040】
本発明の実施例によれば、設備のフットプリントを減少させることができる。
【0041】
本発明の多様な実施例によれば、ミリ秒(ms)以内に脱着反応に必要な温度の達成と脱着反応を得ることができる。
【0042】
本発明の多様な実施例によれば、吸着反応のために高温で加熱するが、基板表面は高温に非常に短い時間だけ露出されて高温露出による基板破裂現象を防止することができる。
【0043】
本発明の多様な実施例によれば、吸着工程を500℃以上で行うことができる。
【0044】
本発明の多様な実施例によれば、前駆物質(precursor)の選択幅が広くなるなど、工程ウィンドウが増大されることができる。
【0045】
本発明の効果が上述した効果らに限定されるものではなくて、言及されない効果らは本明細書及び添付された図面から本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者に明確に理解されることができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1】本発明の一実施例による基板処理装置を示したものである。
【
図2】基板処理装置の使用例として、ALE工程を行うことを説明する図面であり、吸着工程を行う時装置の状態を説明した図面である。
【
図3】基板処理装置の使用例として、ALE工程を行うことを説明する図面であり、ファジー工程を行う時装置の状態を説明した図面である。
【
図4】基板処理装置の使用例として、ALE工程を行うことを説明する図面であり、脱着工程を行う時装置の状態を説明した図面である。
【
図5】基板処理装置の使用例として、ALE工程を行うことを説明する図面であり、ファジー工程を行う時装置の状態を説明した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下では添付した図面を参照にして本発明の実施例に対して本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者が容易に実施できるように詳しく説明する。しかし、本発明はいろいろ相異な形態で具現されることができるし、ここで説明する実施例で限定されない。また、本発明の望ましい実施例を詳細に説明するにおいて、関連される公知機能または構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要に曇ることがあると判断される場合にはその詳細な説明を略する。また、類似機能及び作用をする部分に対しては図面全体にかけて等しい符号を使用する。
【0048】
ある構成要素を‘包含'するということは、特別に反対される記載がない限り他の構成要素を除くことではなく、他の構成要素をさらに含むことができるということを意味する。具体的に,“含む”または“有する”などの用語は明細書上に記載した特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとすることであって、一つまたはその以上の他の特徴らや数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加可能性をあらかじめ排除しないものとして理解されなければならない。
【0049】
単数の表現は文脈上明白に異なるように志さない限り、複数表現を含む。また、図面で要素らの形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0050】
用語“及び/または”は、該当列挙された項目のうちで何れか一つ及び一つ以上のすべての組合を含む。また、本明細書で“連結される”という意味は、A部材とB部材が直接連結される場合だけではなく、A部材とB部材との間にC部材介されてA部材とB部材が間接連結される場合も意味する。
【0051】
本発明の実施例はさまざまな形態で変形することができるし、本発明の範囲が以下の実施例らに限定されることで解釈されてはいけない。本実施例は当業界で平均的な知識を有した者に本発明をさらに完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面での要素の形状はより明確な説明を強調するために誇張された。
【0052】
図1は、本発明の一実施例による基板処理装置を示したものである。
【0053】
基板処理装置1000は工程チャンバ510、支持ユニット200、ガス供給ユニット400、プラズマソース300、そして、光学モジュール100を含むことができる。基板処理装置1000はプラズマを利用して基板(W)を処理する。
【0054】
工程チャンバ510は内部に工程遂行のための内部空間501を有する。工程チャンバ510の底面には排気ホール503が形成される。排気ホール503はポンプ720が装着された排気ラインと連結される。工程過程で発生した反応副産物及び内部空間501にとどまるガスはポンプ720が印加する排気圧によって排気ホール503を通じて排気される。また、排気過程によって工程チャンバ510の内部空間501は希望する圧力に減圧される。ポンプ720は真空ポンプであることができる。
【0055】
工程チャンバ510の側壁には開口(図示せず)が形成される。開口(図示せず)は工程チャンバ510内部で基板(W)が出入りする通路で機能する。開口(図示せず)はドアアセンブリー(図示せず)によって開閉される。
【0056】
支持ユニット200は内部空間501のうちで下領域に位置される。支持ユニット200は静電チャック(ESC)を含むことができる。静電チャック(ESC)は静電気力で基板(W)をクランピングする。これと異なり、支持ユニット200は機械的クランピングなどのような多様な方式で基板(W)を支持することができる。支持ユニット200は金属材質の下部電極210を含むことができる。下部電極210はアルミニウム材質で提供されることができる。下部電極210は板形状で提供されることができる。また、支持ユニット200の内部には流路が形成されることができる。流路は冷却流体が循環する通路に提供される。冷却流体は支持ユニット(W)を通じて基板(W)の熱を吸収して冷却する。冷却流体の循環で支持ユニット200と基板(W)が冷却されることができるし、基板(W)が希望する温度で維持されることができる。
【0057】
ガス供給ユニット400は内部空間501に工程に必要なガスを供給する。ガス供給ユニット400は第1ガス供給源410と連結される第1ガス供給ライン411、第2ガス供給源420と連結される第2ガス供給ライン421、第3ガス供給源430と連結される第3ガス供給ライン431を含む。第1ガスと第2ガスは基板を処理するための反応ガスであり、第3ガスはファジーのためのファジーガスであることがある。第1ガス供給ライン411にはその通路を開閉するか、または、その通路を流れる流体の流量を調節する第1バルブ412が設置されることができる。第2ガス供給ライン421にはその通路を開閉するか、または、その通路を流れる流体の流量を調節する第2バルブ422が設置されることができる。第3ガス供給ライン431にはその通路を開閉するか、または、その通路を流れる流体の流量を調節する第3バルブ432が設置されることができる。
【0058】
プラズマソース300は放電空間にとどまる工程ガスからプラズマを発生させる。放電空間は工程チャンバ510内で支持ユニット200の上部領域に該当することができる。プラズマソース300は容量結合型プラズマ(capacitive coupled plasma)ソースを有することができる。プラズマソース300は上部電極315、支持ユニット200の下部電極210、第1高周波電源320、第2高周波電源330を含むことができる。上部電極315と下部電極210はお互いに上下方向に対向されるように提供されることができる。
【0059】
上部電極315はウィンドウ311に積層されて提供される。上部電極315はウィンドウ311にコーティングされて提供される。上部電極315は光学モジュール100で印加されるレーザービームを基板(W)に損失なく(または、損失が最小化された状態で)伝達されるように構成される。上部電極315は透明電極に提供される。上部電極315はITO(indium tin oxide)であることがある。また、上部電極315はAZO、FTO、ATO、SnO2、ZnO、IrO2、RuO2、グラフェン、メタルナノワイヤー(metal nanowire)、CNTのうちで何れか一つであるか、またはその以上の混合物質、または、多重重畳によって行われることができる。上部電極315は第1厚さ以下で提供される。第1厚さは決定された材質に対して光またはマイクロ波が透過可能な厚さである。第1厚さは上部電極315で決定される材質によって相異である。本説明で透過可能であるということは透過性に大きい影響を及ぼさないということである。一例で、上部電極315がITOに提供されれば、第1厚さは1μmであることがある。上部電極315と下部電極210は組合されて何れか一つ以上に印加されるRF電圧による電界を発生させる。一例によれば、上部電極315は接地され、下部電極210には第1高周波電源320によって高周波電力が印加されることができる。選択的に上部電極315に第2高周波電源330による電力が印加され、下部電極210が接地されることができる。また、選択的に上部電極315及び下部電極210すべてに高周波電力を印加することができる。
【0060】
ウィンドウ311は円盤形状で提供される。ウィンドウ311は基板(W)を加熱するためのレーザービームが透過可能な素材で提供される提供される。併せて、ウィンドウ311は耐食性を有する素材で提供される。ウィンドウ311の一例でクオーツが提供されることができる。
【0061】
光学モジュール100を通じて伝達されたレーザービームは支持ユニット200上の基板(W)の基板を加熱する。レーザービームはパルス形態で伝達される。本発明の一実施例によれば、パルス形態のレーザービームによって基板の表面が選択的に加熱されるので、昇温速度及び冷却速度が速くて、短い時間以内に基板の表面を目標温度で加熱することができて工程時間を縮めることができる。
【0062】
光学モジュール100に対してより詳しく説明する。光学モジュール100はコリメーションオプティクス140、ホモジナイジングオプティクス130及びイメージングオプティクス150を含む。コリメーションオプティクス140、ホモジナイジングオプティクス130及びイメージングオプティクス150はハウジング110に収容されて保護されることができる。
【0063】
コリメーションオプティクス140はレーザービームを平行光線に置換する。ホモジナイジングオプティクス130はレーザービームを均一なビームプロファイルで均質化させる。イメージングオプティクス150はレーザービームの大きさを前記基板に対応する大きさで作る。レーザービームはコリメーションオプティクス140、ホモジナイジングオプティクス130及びイメージングオプティクス150を通過して基板(W)に伝達される。コリメーションオプティクス140、ホモジナイジングオプティクス130及びイメージングオプティクス150は光の進行方向によって上流から下流に順次に提供されることができる。しかし、コリメーションオプティクス140、ホモジナイジングオプティクス130.イメージングオプティクス150が提供される順序は、図示するものに限定されないで必要によって適切に選択されることができる。基板(W)に照射されるレーザービームは基板(W)の大きさに合わせた大面積レーザービームであるので、基板(W)全体を一度に加熱することができる。
【0064】
光学モジュール100としは、DOE(Diffractive Optical Element)または、Micro(Multi)レンズアレイ(Lens Array)が使用されることができる。
【0065】
レーザービームはレーザービーム生成器800から生成される。レーザービーム生成器800と光学モジュール100は光ファイバー(optical fiber)115を通じて光学的に連結される。光ファイバー115はレーザービーム生成器800から生成されたレーザービームを損失なしに光学モジュール100に伝達される。レーザービームは上部電極315に吸収されない波長帯のビームが適用される。一実施例において、レーザービームは500nm乃至550nm帯波長を有するものであることができる。
【0066】
光学モジュール100に伝達されたレーザービームはパルス形態を有するパルスレーザービームである。パルスレーザービームのパルス幅はピコ秒乃至ナノ秒である。パルスレーザービームのパルス持続時間(Pulse Duration)は、1ナノ秒乃至100ミリ秒である。パルスレーザービームは基板(W)を500℃以上で加熱することができる。パルスレーザービームが基板(W)を500℃以上で加熱することに1秒以下が所要されることがある。パルスレーザービームは基板(W)に対して10mJ/cm2以上のエネルギーを印加するものである。レーザービームをパルス形態で基板(W)に印加すれば、基板(W)は表面が速く加熱されるが深く加熱されないで、また、レーザービームの照射を終了すれば速く冷却することができるので、基板(W)が高熱によって破損されることを防止することができる。
【0067】
一実施例によれば、レーザービームは光学モジュール100の側面を通じて連結されることができる。すなわち、光ファイバー115が結合されるポートはハウジング110の上部側面に提供される。他の側面から眺めれば、コリメーションオプティクス140、ホモジナイジングオプティクス130及びイメージングオプティクス150が第1方向に整列される時、レーザービームは第1方向と垂直な第2方向に入射されることができる。ミラー118は第2方向に入射されたレーザービームの光経路を第1方向に置換する。光ファイバー115が結合されるポートはハウジング110の上部側面に提供されれば基板処理装置1000で光学モジュール100による高さを減らすことができる。
【0068】
基板処理装置1000の各構成は制御機(図示せず)によって制御されることができる。制御機(図示せず)は基板処理装置1000の全体動作を制御することができる。制御機(図示せず)はCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を含むことができる。CPUはこれらの記憶領域に記憶された各種レシピによって、エッチング処理などの所望の処理を実行する。
【0069】
レシピにはプロセス条件に対する装置の制御情報が入力されている。一方、これらプログラムや処理条件を示すレシピは、非一時的コンピューター判読可能媒体に記憶されても良い。非一時的コンピューター判読可能媒体とは、レジスター、キャッシュ、メモリーなどのように短い瞬間の間にデータを保存する媒体ではなく半永久的にデータを保存し、コンピューターによって判読(reading)が可能な媒体を意味する。具体的には、前述した多様なアプリケーションまたはプログラムらはCD、DVD、ハードディスク、ブルーレイディスク、USB、メモリーカード、ROMなどのような非一時的判読可能媒体に記憶されて提供されることができる。
【0070】
図2乃至
図5は、基板処理装置の使用例として、ALE工程を行うことを説明する図面を順次に並べたものである。
図2は、基板処理装置の使用例として、ALE工程を行うことを説明する図面であり、吸着工程を行う時装置の状態を説明した図面である。
図3は、基板処理装置の使用例として、ALE工程を行うことを説明する図面であり、ファジー工程を行う時装置の状態を説明した図面である。
図4は、基板処理装置の使用例として、ALE工程を行うことを説明する図面であり、脱着工程を行う時装置の状態を説明した図面である。
図5は、基板処理装置の使用例として、ALE工程を行うことを説明する図面であり、ファジー工程を行う時装置の状態を説明した図面である。
図2乃至
図5を順次に参照して本発明の一実施例による基板処理装置を利用したALE(Atomic layer etching)を説明する。
【0071】
図2を参照する。
図2は吸着工程を行う時装置の状態を説明した図面である。吸着工程のために、反応空間に第1ガスを供給しながら第1ガスをプラズマで励起させる。第1ガスから励起されたプラズマは基板(W)の表面に吸着されて基板(W)の表面をモディフィケーション(modification)する。吸着工程は基板(W)が第1温度の状態で行われる。第1温度は第1ガスから励起されたプラズマは基板(W)の表面に吸着が極大化される温度である。一例で、第1温度は20℃内外の温度であることができる。基板(W)の表面の吸着が極大化される温度で基板(W)を処理することによって、吸着反応に所要される時間が短縮されることができる。一例で、吸着反応は1秒以内で行うことができる。
【0072】
図3を参照する。吸着工程が完了されれば反応空間(W)に第3ガスを供給する。第3ガスは窒素であることができる。併せて、内部空間501の雰囲気が排気されるようにする。内部空間501はファジーされながら残留する工程ガス及び工程副産物らが排気ホール503を通じて排気される。ファジー工程は略5秒内外で行うことができるが、これに限定されるものではなくて、残留する工程ガス及び工程副産物らが適切に排気されるまで行うことで十分である。
【0073】
図4を参照する。
図4は脱着工程を行う時装置の状態を説明した図面である。脱着工程のために、反応空間に第2ガスを供給しながら第2ガスをプラズマで励起させる。第2ガスから励起されたプラズマはモディフィケーション(modification)された基板(W)の表面を除去する。基板(W)の表面は光学モジュール100が放出するレーザービームによって加熱される。レーザービームは基板(W)に対して10mJ/cm
2乃至100mJ/cm
2のエネルギーを印加する。基板(W)の底面の熱は支持ユニット200の流路に流れる冷却流体によって冷却することができる。レーザービームはパルスエネルギーで印加される。脱着工程では基板(W)の表面が第2温度になるようにする。第2温度は第2ガスから励起されたプラズマによって行われる脱着が極大化される温度である。一例で、第2温度は以上の温度であることがある。基板(W)の表面の吸着が極大化される温度で基板(W)を処理することによって、吸着反応に所要される時間が短縮されることがある。一例で、脱着反応は1ms以内で行うことができる。パルスレーザービームによって基板(W)の表面が500℃以上に加熱して瞬間的に冷却することができる。
【0074】
図5を参照する。脱着工程が完了されれば反応空間(W)に第3ガスを供給する。第3ガスは窒素であることができる。併せて、内部空間501の雰囲気が排気されるようにする。内部空間501はファジーされながら残留する工程ガス及び工程副産物らが排気ホール503を通じて排気される。ファジー工程は略5秒内外で行うことができるが、これに限定されるものではなくて、残留する工程ガス及び工程副産物らが適切に排気されるまで行うことで十分である。
【0075】
前記吸着-ファジー-脱着-ファジー工程は所望のエッチング条件が達成されるまで、複数回反復される。
【0076】
上述してALE工程遂行することを例で説明したが、本発明の基板処理装置は基板(W)をアニーリング処理することに適用されることもできる。また、説明しなかった他の高温加熱工程に適用されることができる。
【0077】
以上の詳細な説明は本発明を例示するものである。また、前述した内容は本発明の技術的思想を具現するための望ましいか、または多様な実施形態を示して説明するものであり、本発明は多様な他の組合、変更及び環境で使用することができる。すなわち、本明細書に開示された発明の概念の範囲、著わした開示内容と均等な範囲及び/または当業界の技術または知識の範囲内で変更または修正が可能である。したがって、以上の発明の詳細な説明は開示された実施状態で本発明を制限しようとする意図ではない。また、添付された請求範囲は他の実施状態も含むものとして解釈されなければならない。このような変形実施らは本発明の技術的思想や見込みから個別的に理解されてはいけないであろう。
【符号の説明】
【0078】
100 光学モジュール
200 支持ユニット
300 プラズマソース
400 ガス供給ユニット
510 工程チャンバ
1000 基板処理装置