(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023033990
(43)【公開日】2023-03-13
(54)【発明の名称】オープンシールド機の支持装置
(51)【国際特許分類】
E21D 9/06 20060101AFI20230306BHJP
F16L 1/028 20060101ALI20230306BHJP
【FI】
E21D9/06 331
F16L1/028 Q
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021140011
(22)【出願日】2021-08-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-11-16
(71)【出願人】
【識別番号】591041727
【氏名又は名称】アイサワ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107917
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 英俊
(72)【発明者】
【氏名】道越 康史
(72)【発明者】
【氏名】妹尾 義冊
(72)【発明者】
【氏名】赤木 勝志
(72)【発明者】
【氏名】合木 誠
【テーマコード(参考)】
2D054
【Fターム(参考)】
2D054AB05
2D054AC16
(57)【要約】
【課題】 オープンシールド機の不意の沈下を防止又は減少させることができると共に掘進深さを簡単に調節できるオープンシールド機を提供する。
【解決手段】オープンシールド機本体が地表面に沿って移動する際にオープンシールド機本体を地表面に対して支持する支持装置であって、地表面又は地表面に支持された支持物の表面のいずれかである当接面に当接して移動し、オープンシールド機本体の重力の少なくとも一部を地表面に伝える当接具と、オープンシールド機本体に対して当接具を、鉛直方向の成分を有する方向に相対的に変位させる変位手段と、を備えてなる、支持装置である。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オープンシールド機本体が地表面に沿って移動する際にオープンシールド機本体を地表面に対して支持する支持装置であって、
地表面又は地表面に支持された支持物の表面のいずれかである当接面に当接して移動し、オープンシールド機本体の重力の少なくとも一部を地表面に伝える当接具と、
オープンシールド機本体に対して当接具を、鉛直方向の成分を有する方向に相対的に変位させる変位手段と、
を備えてなる、支持装置。
【請求項2】
当接具は、当接面に摺接する摺接具を含んでなる、請求項1に記載の支持装置。
【請求項3】
変位手段は、複数のリンク部材と、リンク部材互いを回動自在に連結するジョイントと、を含むリンク機構を有する、請求項1又は2に記載の支持装置。
【請求項4】
変位手段は、所定の一対のジョイントの間の距離を変化させる駆動手段を有するものである、請求項3に記載の支持装置。
【請求項5】
駆動手段は、前記一対のジョイントに一端及び他端が取り付けられるリンク部材をなし、該一端と該他端との間が伸縮可能な伸縮具を含んでなる、請求項4記載の支持装置。
【請求項6】
リンク機構は、第1ジョイント、第2ジョイント及び第3ジョイントを含む3節リンクを有し、
オープンシールド機本体に対して第1ジョイント及び第2ジョイントが直接的又は間接的に取り付けられると共に、当接具に対して第3ジョイントが直接的又は間接的に取り付けられ、
駆動手段は、いずれかのジョイントの間の距離を変化させるものである、請求項4又は5に記載の支持装置。
【請求項7】
第1ジョイントと第2ジョイントとの間のリンク部材は、オープンシールド機本体に対して直接的又は間接的に取り付けられる基礎部材を含んでなる、請求項6に記載の支持装置。
【請求項8】
駆動手段は、前記一対のジョイントに一端及び他端が取り付けられるリンク部材をなし、該一端と該他端との間が伸縮可能な伸縮具を含んでなり、
伸縮具の該一端が基礎部材に第1ジョイントとして回動自在に取り付けられ、
リンク部材の一端が、基礎部材に第2ジョイントとして回動自在に取り付けられ、
伸縮具の前記他端と該リンク部材の他端とが第3ジョイントとして回動自在に当接具に取り付けられているものである、請求項7に記載の支持装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1に記載の支持装置と、オープンシールド機本体と、を備えてなる、オープンシールド機。
【請求項10】
一対の前記支持装置の一方が、当接具がオープンシールド機本体から右側に存するようにオープンシールド機本体に直接的又は間接的に取り付けられ、
一対の前記支持装置の他方が、当接具がオープンシールド機本体から左側に存するようにオープンシールド機本体に直接的又は間接的に取り付けられるものである、請求項9に記載のオープンシールド機。
【請求項11】
請求項9又は10に記載のオープンシールド機を用いるオープンシールド工法であって、
オープンシールド機本体に対して当接具を、鉛直方向の成分を有する方向に相対的に変位させ、オープンシールド機本体が配設される土砂中の深さを調節する深さ調節ステップを、オープンシールド機本体が地表面に沿って移動する前に含むものである、工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上下水道管やボックスカルバート等の地中構造物を埋設するために用いられるオープンシールド機の支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上下水道管やボックスカルバート等の地中構造物を埋設するために、従来から、オープンシールド機を用いたオープンシールド工法が多用されてきた。オープンシールド工法は、牽引式又は自走式のオープンシールド機を土中に埋入し、該オープンシールド機の内部空間において地中構造物を連結することと土砂を前方向に向けて掘削し該オープンシールド機を前進させることとを順次行いつつ、該オープンシールド機の後方に位置する地中構造物を埋め戻すこと(土砂やモルタル等が用いられることが多い。)を行うことで、地中構造物を連続的に埋設することができるものである。かかるオープンシールド工法やオープンシールド機等については、本出願人は既に多くの出願(例えば、特許文献1~特許文献13参照)をしているので、詳細な説明は省略する。
【0003】
このうち特許文献8(特開2002-61492号公報)は、『オープンシールド機の推進時に、・・・・テール部は、テールフレーム底面支持力とテールフレーム周面の摩擦力とで支持されるが、推進時には周面摩擦力が減少し、特に軟弱地盤では支持力不足により機体の沈下を生じる。』(特許文献8の段落番号0003)ため『オープンシールド機のテールフレーム底面への反力の負担を軽減する』(特許文献8の段落番号0010)べくなされたもので、具体的には『オープンシールド機のテールフレームの両側の地表面にテールフレームに沿って滑走台を設け、滑走台の上面を滑るソリをテールフレームに取付けて、テールフレームを滑走台に支持させる。そのため、オープンシールド機には、テールフレームの前後上部に、両端部がテールフレーム外に突出する支持材を横架し、各支持材の両端部の底面にはソリを設ける。テールフレームが滑走台に支持されるので、テールフレーム底面への反力負担が軽減される。』(特許文献8の段落番号0011)というオープンシールド機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-44373号公報
【特許文献2】特開2016-176186号公報
【特許文献3】特開2015-78512号公報
【特許文献4】特開2007-120130号公報
【特許文献5】特開2004-116179号公報
【特許文献6】特開2003-120182号公報
【特許文献7】特開2003-64987号公報
【特許文献8】特開2002-61492号公報
【特許文献9】特開2001-49991号公報
【特許文献10】特開平11-131979号公報
【特許文献11】特開平10-299386号公報
【特許文献12】特開平10-131673号公報
【特許文献13】特開平7-42488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献8に記載のオープンシールド機によれば、オープンシールド機に設けられたソリが、地表面に設けられた滑走台の上面を滑るので、テールフレームが滑走台に支持されテールフレーム底面への反力負担が軽減されることでオープンシールド機の不意の沈下を防止又は減少させることができる。
しかし、特許文献8に記載のオープンシールド機においては、オープンシールド機が掘進する掘削の深さを変えるには、高さの異なる滑走台に変える必要があり、地中構造物の寸法や種類そして周囲の環境に応じて調節すべき掘進深さを簡単に調節できない問題があった。
そこで、本発明では、オープンシールド機の不意の沈下を防止又は減少させることができると共に掘進深さを簡単に調節できるオープンシールド機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願出願人は、不意の沈下を防止又は減少させることができると共に掘進深さを簡単に調節できるオープンシールド機を実現するために検討を重ね、それを実現することができる支持装置を発明した。
即ち、本発明の支持装置(以下「本装置」という。)は、オープンシールド機本体が地表面に沿って移動する際にオープンシールド機本体を地表面に対して支持する支持装置であって、地表面又は地表面に支持された支持物の表面のいずれかである当接面に当接して移動し、オープンシールド機本体の重力の少なくとも一部を地表面に伝える当接具と、オープンシールド機本体に対して当接具を、鉛直方向の成分を有する方向に相対的に変位させる変位手段と、を備えてなる、支持装置である。
【0007】
本装置は、オープンシールド機本体が地表面に沿って移動する際にオープンシールド機本体を地表面に対して支持する支持装置である。なお、支持装置がオープンシールド機本体を地表面に対して支持することは、オープンシールド機本体の重力の少なくとも一部が地表面に伝わればよく、オープンシールド機本体の重力の少なくとも一部を支持装置が地表面に直接伝える場合のみならず、地表面に支持された支持物にオープンシールド機本体の重力の少なくとも一部を支持装置が伝えることでオープンシールド機本体の重力の少なくとも一部が地表面に間接的に伝わる場合も含む。
本装置は、当接具と、変位手段と、を備えてなる。
当接具は当接面に当接して移動する。当接面は、地表面又は地表面に支持された支持物の表面のいずれかである。オープンシールド機本体が地表面に沿って移動する際、オープンシールド機本体に取り付けられた当接具が該移動に伴い当接面に当接して移動することで、オープンシールド機本体の重力の少なくとも一部を地表面に伝える(当接面が地表面であれば該少なくとも一部が地表面に直接伝わり、当接面が支持物表面であれば該少なくとも一部が支持物を経て地表面に伝わる。)。これによってオープンシールド機本体の底面へのオープンシールド機本体の重力負担が軽減されることでオープンシールド機本体の沈下を防止又は減少させることができる。なお、当接具の当接面への当接は、オープンシールド機本体の重力の少なくとも一部を当接具が当接面に伝えつつ当接具が当接面に当接して移動することができればよく、例えば、当接具の外面が当接面へ摺接すること、当接具が有する車輪が当接面を転動すること等を含む。
変位手段は、鉛直方向の成分を有する方向にオープンシールド機本体に対して当接具を相対的に変位させる。このように変位手段がオープンシールド機本体に対する当接具の高さ(鉛直方向の位置)を変えることで、当接面に当接して移動する当接具のオープンシールド機本体に対する高さ(鉛直方向の位置)が変わり、当接面に対するオープンシールド機本体の高さ(鉛直方向の位置)を変えて掘進深さを簡単に調節できる。
このように本装置をオープンシールド機本体に取り付けることで、オープンシールド機本体の不意の沈下を防止又は減少させることができると共に掘進深さを簡単に調節することができる。
【0008】
本装置においては、当接具は、当接面に摺接する摺接具を含んでなるものであってもよい。
当接具の当接面への当接は、前述の如く、オープンシールド機本体の重力の少なくとも一部を当接具が当接面に伝えつつ当接具が当接面に当接して移動することができればよいが、当接具が含む摺接具の表面が当接面へ摺接(摺動)するようにすれば、当接面に摺接する表面を有する摺接具により当接具を簡単に構成できる。摺接具としてはオープンシールド機本体の重力の少なくとも一部を摺接具が当接面に伝えつつ摺接具が当接面に摺動できればよいが、例えば、下面が当接面に摺接(摺動)するソリ等としてもよい。
【0009】
本装置においては、変位手段は、複数のリンク部材と、リンク部材互いを回動自在に連結するジョイントと、を含むリンク機構を有するもの(以下「リンク本装置」という。)であってもよい。
変位手段は、上述のようにオープンシールド機本体に対して当接具を相対的に変位させるが、リンク機構を有してなるものであれば、簡単な構成により堅牢なものとすることができる。リンク機構は、複数のリンク部材と、リンク部材同士が互いに回動自在に連結されるジョイント(対偶)と、を含み、通常は重量物であるオープンシールド機本体を昇降させる機構として安価かつ高い信頼性で構成できる。
【0010】
リンク本装置においては、変位手段は、所定の一対のジョイントの間の距離を変化させる駆動手段を有するもの(以下「駆動手段本装置」という。)であってもよい。
複数のリンク部材とそれら互いを回動自在に連結するジョイントとを含むリンク機構においては、駆動手段により所定の一対のジョイントの間の距離を変化させるようにすれば、リンク機構に直接的又は間接的に取り付けられた当接具を変位させることができる。
【0011】
駆動手段本装置においては、駆動手段は、前記一対のジョイントに一端及び他端が取り付けられるリンク部材をなし、該一端と該他端との間が伸縮可能な伸縮具を含んでなるものであってもよい。
駆動手段が、一端と他端との間が伸縮可能な伸縮具を含んでなる。該伸縮具の一端が前記一対のジョイント(駆動手段が距離を変化させる一対のジョイント)の一方に取り付けられ、該伸縮具の他端が前記一対のジョイントの他方に取り付けられる。こうすることで該伸縮具がリンク機構のリンク部材を構成し、該伸縮具の伸縮によって前記一対のジョイントの間の距離を変化させることができ、リンク機構を簡単に構成することができる。
【0012】
駆動手段本装置においては、リンク機構は、第1ジョイント、第2ジョイント及び第3ジョイントを含む3節リンクを有し、オープンシールド機本体に対して第1ジョイント及び第2ジョイントが直接的又は間接的に取り付けられると共に、当接具に対して第3ジョイントが直接的又は間接的に取り付けられ、駆動手段は、いずれかのジョイントの間の距離を変化させるもの(以下「3節リンク本装置」という。)であってもよい。
こうすることで、直接的又は間接的にオープンシールド機本体に取り付けられる第1ジョイント及び第2ジョイントと、当接具に対して直接的又は間接的に取り付けられる第3ジョイントと、を含む3節リンクをリンク機構が有し、いずれかのジョイントの間の距離(第1ジョイントと第2ジョイントとの間の距離、第1ジョイントと第3ジョイントとの間の距離、第2ジョイントと第3ジョイントとの間の距離のいずれかの距離)を駆動手段が変化させることで、簡単な構造の3節リンクにおけるいずれかのジョイントの間の距離を駆動手段が変化させ、リンク機構を3節リンクにより簡単に構成できる。
【0013】
3節リンク本装置においては、第1ジョイントと第2ジョイントとの間のリンク部材は、オープンシールド機本体に対して直接的又は間接的に取り付けられる基礎部材を含んでなるもの(以下「基礎部材本装置」という。)であってもよい。
こうすることで、オープンシールド機本体に対して直接的又は間接的に取り付けられる基礎部材により、第1ジョイントと第2ジョイントとの間のリンク部材が構成されるので、第1ジョイントと第2ジョイントとの間のリンク部材を別個に配設する必要がなく、リンク機構を簡単に構成することができる。
【0014】
基礎部材本装置においては、駆動手段は、前記一対のジョイントに一端及び他端が取り付けられるリンク部材をなし、該一端と該他端との間が伸縮可能な伸縮具を含んでなり、伸縮具の該一端が基礎部材に第1ジョイントとして回動自在に取り付けられ、リンク部材の一端が、基礎部材に第2ジョイントとして回動自在に取り付けられ、伸縮具の前記他端と該リンク部材の他端とが第3ジョイントとして回動自在に当接具に取り付けられているものであってもよい。
駆動手段が、一端と他端との間が伸縮可能な伸縮具を含んでなる。該伸縮具の一端が基礎部材に第1ジョイントとして回動自在に取り付けられ、リンク部材の一端が、基礎部材に第2ジョイントとして回動自在に取り付けられる。そして、伸縮具の前記他端と該リンク部材の他端とが第3ジョイントとして回動自在に当接具に取り付けられる。こうすることで基礎部材(第1ジョイントと第2ジョイントとの間のリンク部材を構成する)と、該伸縮具(第1ジョイントと第3ジョイントとの間のリンク部材を構成する)と、該リンク部材(第2ジョイントと第3ジョイントとの間のリンク部材を構成する)と、により3節リンクが構成される。基礎部材及び伸縮具がリンク部材を構成し、該伸縮具の伸縮によって第1ジョイントと第3ジョイントとの間の距離を変化させることができ、リンク機構及び駆動手段を簡単に構成することができる。
【0015】
本発明は、本装置を備えるオープンシールド機(以下「本オープンシールド機」という。)を提供する。即ち、本オープンシールド機は、本装置と、オープンシールド機本体と、を備えてなる、オープンシールド機である。
本装置をオープンシールド機本体に取り付けた本オープンシールド機によれば、前述の如く、オープンシールド機本体の不意の沈下を防止又は減少させることができると共に掘進深さを簡単に調節することができる。
【0016】
本オープンシールド機においては、一対の前記支持装置の一方が、当接具がオープンシールド機本体から右側に存するようにオープンシールド機本体に直接的又は間接的に取り付けられ、一対の前記支持装置の他方が、当接具がオープンシールド機本体から左側に存するようにオープンシールド機本体に直接的又は間接的に取り付けられるものであってもよい。
こうすることでオープンシールド機本体の左右両側に当接具が存し、それぞれの当接具を鉛直方向の成分を有する方向にオープンシールド機本体に対して相対的に変位させる。このようにオープンシールド機本体の左右に存する当接具のオープンシールド機本体に対する高さ(鉛直方向の位置)を調節することで、当接面に当接して移動する当接具のオープンシールド機本体に対する高さ(鉛直方向の位置)を左右で変えて、当接面に対するオープンシールド機本体に対する高さ(鉛直方向の位置)を左右で調節し掘進深さを簡単に調節できる。
【0017】
本発明は、本オープンシールド機を用いるオープンシールド工法(以下「本工法」という。)を提供する。即ち、本工法は、本オープンシールド機を用いるオープンシールド工法であって、オープンシールド機本体に対して当接具を、鉛直方向の成分を有する方向に相対的に変位させ、オープンシールド機本体が配設される土砂中の深さを調節する深さ調節ステップを、オープンシールド機本体が地表面に沿って移動する前に含むものである、工法である。
こうすることで、土砂中に配設されたオープンシールド機本体が地表面に沿って移動(掘進)する前に、オープンシールド機本体の土砂中の深さを調節する深さ調節ステップを本工法は含むので、オープンシールド機本体が掘進する深さを確実に調節することができる。深さ調節ステップは、本装置によってオープンシールド機本体に対して当接具を、鉛直方向の成分を有する方向に相対的に変位させることで行う。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態に係るオープンシールド機(本オープンシールド機)を示す平面図である。
【
図2】本オープンシールド機の正面図(
図1中、矢印A方向から見たところを示している)である。
【
図3】本オープンシールド機の側面図(
図1中、矢印B方向から見たところを示している)である。
【
図4】
図3中の楕円C部分の拡大図(一部省略)である。
【
図5】
図5(a)は
図4中の矢印D方向から見たところを示し、
図5(b)は
図4中の矢印E方向から見たところを示している。
【
図6】ジャッキ本体を伸ばしたところを示す図(
図4と同じ方向から見たところを示している)である。
【
図7】ジャッキ本体を伸ばしたところを示す図(
図5(a)と同じ方向から見たところを示している)である。
【
図8】ジャッキ本体を伸ばしたところを示す図(
図5(b)と同じ方向から見たところを示している)である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。しかしながら、これらによって本発明は何ら制限されるものではない。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態に係るオープンシールド機(本オープンシールド機)10を示す平面図であり、
図2は、本オープンシールド機10の正面図(
図1中、矢印A方向から見たところを示している)であり、
図3は、本オープンシールド機10の側面図(
図1中、矢印B方向から見たところを示している)であり、
図4は、
図3中の楕円C部分の拡大図(但し、後述のテール部13(右テール側板部13b)及び右滑走台93bは図示していない)であり、
図5(a)は
図4中の矢印D方向から見たところを示し、そして
図5(b)は
図4中の矢印E方向から見たところを示している。
図1乃至
図5を参照して、本オープンシールド機10について説明する。
【0021】
本オープンシールド機10は、オープンシールド機本体11と、4個の支持部91a、91b、91c、91dと、を含んでなる。4個の支持部91a、91b、91c、91dはいずれも同様の構造を有しており、いずれの支持部91a、91b、91c、91dも、そり51と、オープンシールド機本体11に対してそり51を上下させる駆動装置61と、駆動装置61をオープンシールド機本体11に取り付ける取付部81と、有してなる。このように4個の支持部91a、91b、91c、91dいずれも同様の構造を有しているので、そのうちの支持部91cの詳細を
図4及び
図5に示す。
【0022】
オープンシールド機本体11は、特許文献8(特開2002-61492号公報)に開示されたオープンシールド機1と同様の構成を有している。具体的には、オープンシールド機本体11は、フロント部12とテール部13とが前後方向(図中、前方向を矢印Q1にて、後方向を矢印Q2にて、それぞれ示す。)に互いにスライド(変位)自在に取り付けられると共に、フロント部12とテール部13との間に油圧で伸縮する推進ジャッキ14(左右一対の推進ジャッキ14が上下に配設されているので合計4本の推進ジャッキ14が配設されている。)が取り付けられている。これら4本の推進ジャッキ14を伸ばす(推進ジャッキ14を伸縮させるための油圧装置及びその制御装置は制御部21に収容されている。)とフロント部12とテール部13との間が前後に伸びるので、オープンシールド機本体11の後方に土砂(例えば、埋め戻されたもの)が存すれば、該土砂の前端を後方に向けて押し固めると共にその押し固めによって生じる前方への反力によってフロント部12が前進(矢印Q1方向)し、次いで、前方の掘削と共に推進ジャッキ14を縮めるとテール部13が前方へ移動(矢印Q1方向)し、その後、オープンシールド機本体11の後方に土砂を埋め戻し、再び、推進ジャッキ14を伸ばすと、土砂の前端を後方に向けて押し固めると共にその押し固めによって生じる前方への反力によってフロント部12が再び前進する。このように推進ジャッキ14をのばす(後方の土砂の押し固めと、フロント部12の前進)、前方の掘削、推進ジャッキ14を縮める(テール部13の前進)、後方に土砂を埋め戻す、という工程を繰り返すことによって、オープンシールド機本体11の後方の土砂を押し固めつつオープンシールド機本体11を前進させることができる。このようにオープンシールド機本体11の前進と共にオープンシールド機本体11の内部11cに上下水道管やボックスカルバート等の地中構造物99を前方方向に向けて順次埋設することで、前後方向に沿って地中構造物99を連続して埋設できる。
【0023】
フロント部12は、左右(制御部21に乗った操作者(不図示)が前方向(矢印Q1方向)に向いた状態において該操作者が認識する左右をいう。)に一対配設された右フロント側板部12b及び左フロント側板部12a(右フロント側板部12bには前後に沿うように右フロント側面板12baが固定されると共に左フロント側板部12aには前後に沿うように左フロント側面板12aaが固定されている。)と、右フロント側板部12bの内面に一端が取り付けられると共に左フロント側板部12aの内面に他端が取り付けられることで右フロント側板部12b及び左フロント側板部12aを支持するフロント支持梁12p1、12p2と、を有してなる。
【0024】
テール部13は、左右に一対配設された右テール側板部13b及び左テール側板部13aと、右テール側板部13bの内面に一端が取り付けられると共に左テール側板部13aの内面に他端が取り付けられることで右テール側板部13b及び左テール側板部13aを支持するテール支持梁13p1、13p2と、を有してなる。
左テール側板部13aは、左テール側面板13aaと左テール側板本体13abとを含んでなる。左テール側面板13aaは左テール側板本体13abに対して前後にスライド可能に取り付けられると共に、左フロント側面板12aaに連結されることで、左フロント側面板12aaと一体となって前後方向に動く。
右テール側板部13bは、右テール側面板13baと右テール側板本体13bbとを含んでなる。右テール側面板13baは右テール側板本体13bbに対して前後にスライド可能に取り付けられると共に、右フロント側面板12baに連結されることで、右フロント側面板12baと一体となって前後方向に動く。
【0025】
そして、右フロント側板部12bと右テール側板部13bとに沿って真っ直ぐな右滑走台93b(ここではH型鋼により形成されている)と、左フロント側板部12aと左テール側板部13aとに沿って真っ直ぐな左滑走台93a(ここではH型鋼により形成されている)と、が、互いに平行(前後方向に平行)になるように地表面95に配設されている。なお、右滑走台93b及び左滑走台93aいずれの上面93ba、93aaも平面に沿っており、右滑走台93b上面93baと左滑走台93a上面93aaとは同一平面(仮想上の平面)にほぼ属している。
【0026】
そり51の下面53は、特に
図4に示す通り、平面に沿う主下面53aと、主下面53aの前端に連なり前に行くにつれて上昇するように形成された前上がり下面53bと、を含んでなる。そり51は、主下面53aが右滑走台93b上面93ba又は左滑走台93a上面93aaに当接した状態で前方向Q1に摺動することで前方向Q1に移動するもので、前上がり下面53bは、右滑走台93b上面93ba又は左滑走台93a上面93aaに多少の凹凸や異物が存していてもそれらを乗り越えてそり51の前方向Q1への移動を容易にするために設けられている。
【0027】
取付部81は、後述の駆動装置61をオープンシールド機本体11に取り付けるものであり、特に
図5に示す通り、具体的には、右フロント側板部12b上面、左フロント側板部12a上面、右テール側板部13b上面及び左テール側板部13a上面に下面83bが沿うように取り付けられる板状(主表面は略長方形をなす)の第1部83と、第1部83に対して略垂直に取り付けられた板状(主表面は略長方形をなす。第1部83の縁部と第2部85の縁部とが取り付けられている。)の第2部85と、第1部83と第2部85とを連結し補強する主表面が三角形状の板状の補強部材87(3枚配設されている)と、を含んでなり、第1部83と第2部85とはアルファベットの「L」形状(前後方向に対し垂直な平面による断面に表れる形状)のアングルを形成している。
支持部91a、91b、91c、91dに含まれる4個の取付部81いずれも、右フロント側板部12b上面、左フロント側板部12a上面、右テール側板部13b上面及び左テール側板部13a上面に第1部83下面83bが当接する状態で、これら上面にボルト88により取り付けられている。
【0028】
駆動装置61は、オープンシールド機本体11に対してそり51を上下させるものであり、取付部81の第2部85にその両主表面のうち一面が沿うようにボルト89により取り付けられる板状の基礎板部63と、基礎板部63の両主表面のうち他面63a(他面63aの前方向Q1側)に取り付けられた第1軸取付部65と、他面63a(他面63aの後方向Q2側)に取り付けられた第2軸取付部67と、第1軸取付部65に一端が回動自在(回動軸S1を中心)に取り付けられると共にそり51に他端が回動自在(回動軸S3を中心)に取り付けられるジャッキ71(ターンバックル方式のジャッキ)と、第2軸取付部67に一端が回動自在(回動軸S2を中心)に取り付けられると共にそり51に他端が回動自在(回動軸S3を中心)に取り付けられる支持部材73と、を有してなる。第1軸取付部65に対してジャッキ71の該一端が回動する回動軸S1と、第2軸取付部67に対して支持部材73の該一端が回動する回動軸S2と、そり51に対してジャッキ71の該他端が回動する回動軸S3と、そり51に対して支持部材73の該他端が回動する回動軸S3(そり51に対してジャッキ71の該他端が回動する回動軸と、そり51に対して支持部材73の該他端が回動する回動軸と、は同一直線上に存する。)と、は互いに平行かつ略水平になっている。
ジャッキ71は、ジャッキ本体71aと、ジャッキ本体71aに取り付けられた回転ハンドル71bと、を有してなり、回転ハンドル71bを手で把持しジャッキ本体71aを回転させることでジャッキ本体71aを伸縮させる(回動軸S1と回動軸S3との間の距離を変化させる)ことができる。
このように、回動軸S1、回動軸S2及び回動軸S3により三角形が形成され(該三角形の一辺は支持部材73により形成され、他の一辺はジャッキ本体71aにより形成される。)、ジャッキ本体71aを伸縮させることで、この三角形の一辺の長さ(回動軸S1と回動軸S3との間の距離)を変化させることができる。
【0029】
図6、
図7及び
図8は、
図4及び
図5に示した状態(以下「短ジャッキ状態」という)から駆動装置61のジャッキ本体71aを伸ばしたところを示す図である。なお、
図6は
図4と同じ方向から見たところを示し、
図7は
図5(a)と同じ方向から見たところを示し、そして
図8は
図5(b)と同じ方向から見たところを示している。なお、
図7においては回動軸S2及び回動軸S3が重なっている(鉛直方向から見ると回動軸S2と回動軸S3とは同じ位置に存する)。
上述のように、回転ハンドル71bを把持しジャッキ本体71aを回転させてジャッキ本体71aを伸ばすと、回動軸S1、回動軸S2及び回動軸S3により形成される三角形において、回動軸S1と回動軸S3との間の距離が増加する。このようにジャッキ本体71aを伸ばした
図6、
図7及び
図8(このジャッキ本体71aを伸ばした状態を以下「長ジャッキ状態」という。)においては、第1部83の下面83b(オープンシールド機本体11に取り付けられる面)と、そり51の主下面53aと、の間の高さ差H2(特に
図6及び
図8参照)は、短ジャッキ状態における第1部83の下面83bとそり51の主下面53aとの間の高さ差H1(特に
図4及び
図5(b)参照)よりも大きい。このように4個の支持部91a、91b、91c、91dのジャッキ本体71aを伸縮させることにより、地表面95に対するオープンシールド機本体11の高さを変化させることができる。即ち、長ジャッキ状態(該高さH2)にすると短ジャッキ状態(該高さH1)に比し、地表面95に対するオープンシールド機本体11の高さは高くなる(即ち、オープンシールド機本体11の地表面95からの深さは浅い)。このように支持部91a、91b、91c、91dのジャッキ本体71aを伸縮させることにより、長ジャッキ状態(該高さH2)と短ジャッキ状態(該高さH1)との間で、地表面95に対するオープンシールド機本体11の高さを連続的に調節することができる。
【0030】
このように本オープンシールド機10によれば、支持部91a、91b、91c、91dの駆動装置61を調節すること(具体的には、短ジャッキ状態と長ジャッキ状態との間でジャッキ本体71aを伸縮させること)でオープンシールド機本体11に対するそり51の高さを調整して、地表面95に対するオープンシールド機本体11の高さを連続的に調節することができる。この地表面95に対するオープンシールド機本体11の高さを調節すること(深さ調節ステップ)を、オープンシールド機本体11が地表面95に沿って移動(地表面95下の土砂を掘削)する前に行うことで、オープンシールド機本体11が地表面95下の土砂を掘削する深さを自由に調節することができる。また、支持部91a、91b、91c、91dそれぞれで独立してそり51の高さを調整することができるので、オープンシールド機本体11の左右前後への傾きを調節することもできる。
そして、支持部91a、91b、91c、91dそれぞれのそり51の下面53(主として主下面53a)は、右滑走台93b上面93ba又は左滑走台93a上面93aaに当接した状態で前方向Q1に摺動することでオープンシールド機本体11は前方向Q1に移動するので、オープンシールド機本体11の重量(重力)の少なくとも一部を右滑走台93b又は左滑走台93aを経て地表面95に伝える。このためオープンシールド機本体11の自重反力を比較的地盤の安定した地表面95にとることで、オープンシールド機本体11底面への反力の負担を軽減することによりオープンシールド機本体11の沈下(沈下は、掘進量の低下(工期延長やコスト増加をもたらす)や、オープンシールド機本体11の内部11cで敷設する上下水道管やボックスカルバート等の地中構造物99の敷設精度低下を生じ得る。)を防止又は減少させることができる。
【0031】
特許文献8に記載のオープンシールド機において掘進深さを変えるには、高さの異なる滑走台に変える必要があったため、掘進深さを徐々に変化させるには、高さの異なる数多くの滑走台を次々交換する必要があり、大幅なコスト増加及び工期延長を伴う。しかし、本オープンシールド機10では、支持部91a、91b、91c、91dのジャッキ本体71aの伸縮により連続して掘進深さを容易に変えることができる。
また、本オープンシールド機10においては、複数のリンク部材(基礎板部63、ジャッキ本体71a、支持部材73)と、リンク部材(基礎板部63、ジャッキ本体71a、支持部材73)互いを回動自在に連結するジョイント(回動軸S1、回動軸S2及び回動軸S3それぞれの回動自在の連結)と、を含むリンク機構を用いることで、そり51の下面53(主として主下面53a)と、右滑走台93b上面93ba又は左滑走台93a上面93aaと、の間に生じる摩擦力(前方向Q1への摺動)により生じる応力を、リンク機構を構成する複数のリンク部材により分散して分担するため、強大な部材を用いる必要がない。
【0032】
以上説明の通り、支持部91a、91b、91c、91dいずれも、オープンシールド機本体11が地表面95に沿って移動する際にオープンシールド機本体11を地表面95に対して支持する支持装置であって、地表面95又は地表面95に支持された支持物(ここでは右滑走台93b、左滑走台93a)の表面(上面93ba、93aa)のいずれかである当接面(ここでは支持物(右滑走台93b、左滑走台93a)の表面(上面93ba、93aa))に当接して移動し、オープンシールド機本体11の重力の少なくとも一部を地表面95に(ここでは支持物(右滑走台93b、左滑走台93a)を経由して)伝える当接具(ここではそり51)と、オープンシールド機本体11に対して当接具(そり51)を、鉛直方向の成分を有する方向に相対的に変位させる変位手段(ここでは駆動装置61と取付部81とを有してなる。)と、を備えてなる、支持装置である。
なお、ここにいう鉛直方向の成分を有する方向が鉛直方向に対してなす角度(両方向がなす角度のうち小さいものをいい、0度以上90度未満)は、あまり大きいと鉛直方向に作用するオープンシールド機本体11の重量による反力により作用する部材応力が大きくなるので、好ましくは80度以下、より好ましくは75度以下、最も好ましくは70度以下である(0度以上)。
【0033】
支持部91a、91b、91c、91dいずれにおいても、当接具は、当接面(上面93ba、93aa)に摺接する摺接具(そり51)を含んでなる。
支持部91a、91b、91c、91dいずれにおいても、変位手段(駆動装置61、取付部81)は、複数のリンク部材(ここでは基礎板部63、ジャッキ本体71a、支持部材73)と、リンク部材(基礎板部63、ジャッキ本体71a、支持部材73)互いを回動自在に連結するジョイント(回動軸S1、回動軸S2及び回動軸S3それぞれの回動自在の連結)と、を含むリンク機構を有する。
支持部91a、91b、91c、91dいずれにおいても、変位手段(駆動装置61、取付部81)は、所定の一対のジョイント(ここでは回動軸S1と回動軸S3)の間の距離を変化させる駆動手段(ここではジャッキ本体71a)を有するものである。
支持部91a、91b、91c、91dいずれにおいても、駆動手段(ジャッキ本体71a)は、前記一対のジョイント(回動軸S1と回動軸S3)に一端及び他端が取り付けられるリンク部材をなし、該一端と該他端との間が伸縮可能な伸縮具(ジャッキ本体71a)を含んでなる。
【0034】
支持部91a、91b、91c、91dいずれにおいても、リンク機構は、第1ジョイント(回動軸S1)、第2ジョイント(回動軸S2)及び第3ジョイント(回動軸S3)を含む3節リンクを有し、オープンシールド機本体11に対して第1ジョイント(回動軸S1)及び第2ジョイント(回動軸S2)が直接的又は間接的に取り付けられる(ここでは取付部81を介して間接的に取り付けられる)と共に、当接具(そり51)に対して第3ジョイント(回動軸S3)が直接的又は間接的に取り付けられ、駆動手段(ジャッキ本体71a)は、いずれかのジョイント(回動軸S1と回動軸S3)の間の距離を変化させるものである。
支持部91a、91b、91c、91dいずれにおいても、第1ジョイント(回動軸S1)と第2ジョイント(回動軸S2)との間のリンク部材は、オープンシールド機本体11に対して直接的又は間接的に取り付けられる(ここでは取付部81を介して間接的に取り付けられる)基礎部材(ここでは基礎板部63)を含んでなる。
【0035】
支持部91a、91b、91c、91dいずれにおいても、駆動手段(ジャッキ本体71a)は、前記一対のジョイント(回動軸S1と回動軸S3)に一端及び他端が取り付けられるリンク部材をなし、該一端と該他端との間が伸縮可能な伸縮具(ジャッキ本体71a)を含んでなり、伸縮具(ジャッキ本体71a)の該一端が基礎部材(基礎板部63)に第1ジョイント(回動軸S1)として回動自在に取り付けられ、リンク部材(支持部材73)の一端が、基礎部材(基礎板部63)に第2ジョイント(回動軸S2)として回動自在に取り付けられ、伸縮具(ジャッキ本体71a)の前記他端と該リンク部材(支持部材73)の他端とが第3ジョイント(回動軸S3)として回動自在に当接具(そり51)に取り付けられているものである。
【0036】
本オープンシールド機10は、本装置(支持部91a、91b、91c、91d)と、オープンシールド機本体11と、を備えてなる、オープンシールド機である。
本オープンシールド機10においては、一対の前記支持装置(例えば、支持部91a、91b)の一方(支持部91a)が、当接具(そり51)がオープンシールド機本体11から右側に存するようにオープンシールド機本体11に直接的又は間接的に(ここでは直接的に)取り付けられ、一対の前記支持装置(支持部91a、91b)の他方(支持部91b)が、当接具(そり51)がオープンシールド機本体11から左側に存するようにオープンシールド機本体11に直接的又は間接的に(ここでは直接的に)取り付けられるものである。
また、同様に、本オープンシールド機10においては、一対の前記支持装置(例えば、支持部91c、91d)の一方(支持部91c)が、当接具(そり51)がオープンシールド機本体11から右側に存するようにオープンシールド機本体11に直接的又は間接的に(ここでは直接的に)取り付けられ、一対の前記支持装置(支持部91c、91d)の他方(支持部91d)が、当接具(そり51)がオープンシールド機本体11から左側に存するようにオープンシールド機本体11に直接的又は間接的に(ここでは直接的に)取り付けられるものである。
なお、ここでは一対の前記支持装置(例えば、支持部91a、91b)はフロント部12に左右一対取り付けられ、他の一対の前記支持装置(例えば、支持部91c、91d)はテール部13に左右一対取り付けられている。
【0037】
本オープンシールド機10を用いるオープンシールド工法は、オープンシールド機本体11に対して当接具(そり51)を、鉛直方向の成分を有する方向(高さ方向)に相対的に変位させ、オープンシールド機本体11が配設される土砂中の深さを調節する深さ調節ステップを、オープンシールド機本体11が地表面95に沿って移動する前に含むものである。
【符号の説明】
【0038】
10 本オープンシールド機
11 オープンシールド機本体
11c 内部
12 フロント部
12a 左フロント側板部
12aa 左フロント側面板
12b 右フロント側板部
12ba 右フロント側面板
12p1、12p2 フロント支持梁
13 テール部
13a 左テール側板部
13ab 左テール側板本体
13aa 左テール側面板
13b 右テール側板部
13ba 右テール側面板
13bb 右テール側板本体
13p1、13p2 テール支持梁
14 推進ジャッキ
21 制御部
51 そり
53 下面
53a 主下面
53b 前上がり下面
61 駆動装置
63 基礎板部
63a 他面
65 第1軸取付部
67 第2軸取付部
71 ジャッキ
71a ジャッキ本体
71b 回転ハンドル
73 支持部材
81 取付部
83 第1部
83b 下面
85 第2部
87 補強部材
88 ボルト
89 ボルト
91a、91b、91c、91d 支持部
93a 左滑走台
93aa 上面
93b 右滑走台
93ba 上面
95 地表面
99 地中構造物
【手続補正書】
【提出日】2022-10-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オープンシールド機本体が地表面に沿って移動する際にオープンシールド機本体を地表面に対して支持する支持装置であって、
地表面又は地表面に支持された支持物の表面のいずれかである当接面に当接して移動し、オープンシールド機本体の重力の少なくとも一部を地表面に伝える当接具と、
オープンシールド機本体に対して当接具を、鉛直方向の成分を有する方向に相対的に変位させる変位手段と、
を備えてなり、
変位手段は、複数のリンク部材と、リンク部材互いを回動自在に連結するジョイントと、を含むリンク機構を有するものである、支持装置。
【請求項2】
当接具は、当接面に摺接する摺接具を含んでなる、請求項1に記載の支持装置。
【請求項3】
変位手段は、所定の一対のジョイントの間の距離を変化させる駆動手段を有するものである、請求項1又は2に記載の支持装置。
【請求項4】
駆動手段は、前記一対のジョイントに一端及び他端が取り付けられるリンク部材をなし、該一端と該他端との間が伸縮可能な伸縮具を含んでなる、請求項3に記載の支持装置。
【請求項5】
リンク機構は、第1ジョイント、第2ジョイント及び第3ジョイントを含む3節リンクを有し、
オープンシールド機本体に対して第1ジョイント及び第2ジョイントが直接的又は間接的に取り付けられると共に、当接具に対して第3ジョイントが直接的又は間接的に取り付けられ、
駆動手段は、いずれかのジョイントの間の距離を変化させるものである、請求項3又は4に記載の支持装置。
【請求項6】
第1ジョイントと第2ジョイントとの間のリンク部材は、オープンシールド機本体に対して直接的又は間接的に取り付けられる基礎部材を含んでなる、請求項5に記載の支持装置。
【請求項7】
駆動手段は、前記一対のジョイントに一端及び他端が取り付けられるリンク部材をなし、該一端と該他端との間が伸縮可能な伸縮具を含んでなり、
伸縮具の該一端が基礎部材に第1ジョイントとして回動自在に取り付けられ、
リンク部材の一端が、基礎部材に第2ジョイントとして回動自在に取り付けられ、
伸縮具の前記他端と該リンク部材の他端とが第3ジョイントとして回動自在に当接具に取り付けられているものである、請求項6に記載の支持装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1に記載の支持装置と、オープンシールド機本体と、を備えてなる、オープンシールド機。
【請求項9】
一対の前記支持装置の一方が、当接具がオープンシールド機本体から右側に存するようにオープンシールド機本体に直接的又は間接的に取り付けられ、
一対の前記支持装置の他方が、当接具がオープンシールド機本体から左側に存するようにオープンシールド機本体に直接的又は間接的に取り付けられるものである、請求項8に記載のオープンシールド機。
【請求項10】
請求項8又は9に記載のオープンシールド機を用いるオープンシールド工法であって、
オープンシールド機本体に対して当接具を、鉛直方向の成分を有する方向に相対的に変位させ、オープンシールド機本体が配設される土砂中の深さを調節する深さ調節ステップを、オープンシールド機本体が地表面に沿って移動する前に含むものである、工法。