(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023034008
(43)【公開日】2023-03-13
(54)【発明の名称】鋸用ガイド装置
(51)【国際特許分類】
B27B 21/08 20060101AFI20230306BHJP
【FI】
B27B21/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021140041
(22)【出願日】2021-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】000105039
【氏名又は名称】クロバー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(72)【発明者】
【氏名】大江 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】井上 智賀
(57)【要約】
【課題】様々な厚みの鋸刃を使用することができ、鋸刃を挟む部材間の隙間の調整が容易な鋸用ガイド装置を提供する。
【解決手段】鋸用ガイド装置10は、鋸刃91と接触する接触面22A、及び鋸刃91によって切削される被切削材によって支持される下面21A,22Bを有するベース部材20と、接触面22Aとの間に鋸刃91を挟持する接触面30Aを有する挟持部材30と、ベース部材20及び挟持部材30を連結し、接触面22A,30Aの隙間の大きさを調整可能な連結部40とを備える。接触面30Aは、Y方向において連結部40から下面21A,22Bに近づくにしたがって接触面22Aへ近づくように、接触面22Aに対して傾斜している。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋸刃と接触する第1接触面、及び前記鋸刃によって切削される被切削材によって支持される被支持面であって前記第1接触面を含む仮想面と交差する被支持面を有するベース部材と、
前記第1接触面と対向して前記第1接触面との間に前記鋸刃を挟持する第2接触面を有する挟持部材と、
前記被支持面と直交する直交方向において前記第2接触面に対して前記被支持面の反対側で前記ベース部材及び前記挟持部材を連結し、前記第2接触面と前記第1接触面との隙間の大きさを調整可能な連結部と、を備え、
前記第1接触面及び前記第2接触面の一方は、前記直交方向において前記連結部から前記被支持面に近づくにしたがって前記第1接触面及び前記第2接触面の他方へ近づくように、前記第1接触面及び前記第2接触面の他方に対して傾斜している鋸用ガイド装置。
【請求項2】
位置決め面を有し、前記ベース部材に着脱可能な位置決め部材を更に備え、
前記位置決め部材が前記ベース部材に装着されたときに、前記位置決め面は前記被支持面を含む仮想面と直交し、前記位置決め面の少なくとも一部は前記直交方向において前記被支持面に対して前記第1接触面及び前記第2接触面と反対側に位置する請求項1に記載の鋸用ガイド装置。
【請求項3】
前記位置決め部材は、前記ベース部材に対する前記直交方向の任意の位置で前記ベース部材に固定可能である請求項2に記載の鋸用ガイド装置。
【請求項4】
前記ベース部材は、
前記位置決め部材が着脱可能な第1部材と、
前記第1接触面を有し、前記第1部材に着脱可能な第2部材と、を備え、
前記連結部は、前記第2部材及び前記挟持部材を連結し、
前記被支持面は、前記第1部材及び前記第2部材の少なくとも一方に形成され、
前記第1部材及び前記第2部材の一方は、複数の凸部を備え、
前記第1部材及び前記第2部材の他方は、複数の凹部を備え、
前記複数の凸部の少なくとも一部と、前記複数の凹部の少なくとも一部との嵌合の組み合わせに応じて、前記第2部材は、前記第1部材に異なる姿勢で装着される請求項2または3に記載の鋸用ガイド装置。
【請求項5】
前記複数の凸部は、第1凸部及び第2凸部を備え、
前記複数の凹部は、第1凹部、第2凹部、及び第3凹部を備え、
前記第2部材は、
前記第1凹部及び前記第1凸部が嵌合し且つ前記第2凹部及び前記第2凸部が嵌合することによって、第1姿勢で前記第1部材に装着され、
前記第3凹部及び前記第1凸部が嵌合することによって、第2姿勢で前記第1部材に装着され、
前記第3凹部及び前記第2凸部が嵌合することによって、第3姿勢で前記第1部材に装着され、
前記直交方向から見て、前記第2姿勢の前記第2部材の前記第1接触面は、前記第1姿勢の前記第2部材の前記第1接触面に対して第1角をなし、
前記直交方向から見て、前記第3姿勢の前記第2部材の前記第1接触面は、前記第1姿勢の前記第2部材の前記第1接触面に対して第2角をなす請求項4に記載の鋸用ガイド装置。
【請求項6】
前記第1角及び前記第2角は、大きさが同じであり、
前記第2姿勢の前記第2部材の前記第1接触面と、前記第3姿勢の前記第2部材の前記第1接触面とは、反対を向いている請求項5に記載の鋸用ガイド装置。
【請求項7】
前記複数の凸部の各々は、複数の突起で構成され、
前記複数の凹部の各々は、複数の窪みで構成されている請求項4から6のいずれか1項に記載の鋸用ガイド装置。
【請求項8】
前記ベース部材に着脱可能であり、前記位置決め部材の前記位置決め面に対向するように前記ベース部材に装着されるクランプ部材を更に備え、
前記クランプ部材は、
前記ベース部材に着脱可能な本体と、
前記位置決め部材と前記本体との間に位置して前記位置決め面と対向する対向面を有し、前記位置決め面と直交する方向に沿って移動可能に前記本体によって支持される移動部材と、を備える請求項2から7のいずれか1項に記載の鋸用ガイド装置。
【請求項9】
前記クランプ部材は、前記ベース部材に対する前記直交方向の任意の位置で前記ベース部材に固定可能である請求項8に記載の鋸用ガイド装置。
【請求項10】
前記移動部材は、
前記本体を貫通するねじ部と、
前記ねじ部の前記位置決め面側の端部に設けられ、前記対向面を有する対向部と、を備え、
前記移動部材は、前記ねじ部が軸の周りに回転することによって前記本体に対して前記位置決め面と直交する方向に沿って相対移動する請求項8または9に記載の鋸用ガイド装置。
【請求項11】
前記ベース部材は、互いに対向した一対の取付部を備え、
前記一対の取付部の各々に、前記位置決め部材及び前記クランプ部材が選択的に取付可能である請求項8から10のいずれか1項に記載の鋸用ガイド装置。
【請求項12】
少なくとも、前記ベース部材における前記第1接触面を含む部分と、前記挟持部材における前記第2接触面を含む部分とは、樹脂で構成されている請求項1から11のいずれか1項に記載の鋸用ガイド装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被切削材を切削する鋸刃を被切削材の切削時に保持する鋸用ガイド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被切削材を切削する鋸刃を被切削材の切削時に保持する鋸用ガイド装置の一例として、手挽鋸用治具が特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1に開示された手挽鋸用治具は、ガイドベースと鋸刃ガイドプレートを備える。ガイドベースを被切削材に載せ、ガイドベースの前面と鋸刃ガイドプレートの後面との間に鋸刃を挟んだ状態で保持しつつ、鋸刃を往復動させて当該被切削材を切削する。
【0004】
また、特許文献1に開示された手挽鋸用治具では、鋸刃の厚みと等しい厚さのスペーサが、ガイドベースの前面と鋸刃ガイドプレートの後面との間に挟まれる。これにより、ガイドベースの前面と鋸刃ガイドプレートの後面との間の隙間が、適正な大きさに設定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された手挽鋸用治具では、前述したように、スペーサによってガイドベースの前面と鋸刃ガイドプレートの後面との間の隙間が調整される。そのため、当該手挽鋸用治具が保持可能な鋸刃が、スペーサと同じ厚さのものに限定されてしまう。
【0007】
仮に、ガイドベースの前面と鋸刃ガイドプレートの後面との間にスペーサを挟むことなく、鋸刃を挟んだ場合、以下の問題が生じる。鋸刃を強く挟んだ場合、前面及び後面の全域が鋸刃に圧接されるため、鋸刃の往復動が困難となる。また、鋸刃を弱く挟んだ場合、切削時に鋸刃の位置ずれが生じやすくなる。
【0008】
従って、本発明の目的は、前記課題を解決することにあって、様々な厚みの鋸刃を使用することができ、鋸刃を挟む部材間の隙間の調整が容易な鋸用ガイド装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
本発明の一態様に係る鋸用ガイド装置は、
鋸刃と接触する第1接触面、及び前記鋸刃によって切削される被切削材によって支持される被支持面であって前記第1接触面を含む仮想面と交差する被支持面を有するベース部材と、
前記第1接触面と対向して前記第1接触面との間に前記鋸刃を挟持する第2接触面を有する挟持部材と、
前記被支持面と直交する直交方向において前記第2接触面に対して前記被支持面の反対側で前記ベース部材及び前記挟持部材を連結し、前記第2接触面と前記第1接触面との隙間の大きさを調整可能な連結部と、を備え、
前記第1接触面及び前記第2接触面の一方は、前記直交方向において前記連結部から前記被支持面に近づくにしたがって前記第1接触面及び前記第2接触面の他方へ近づくように、前記第1接触面及び前記第2接触面の他方に対して傾斜している。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、様々な厚みの鋸刃を使用することができ、鋸刃を挟む部材間の隙間の調整が容易な鋸用ガイド装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係る鋸用ガイド装置の斜視図。
【
図2】本発明の一実施形態に係る鋸用ガイド装置の斜視図。
【
図5】本発明の一実施形態に係る鋸用ガイド装置の右側面図。
【
図6】第2部材が第2姿勢であるときのベース部材の平面図。
【
図7】第2部材が第3姿勢であるときのベース部材の平面図。
【
図8】被切削材にセットされた状態の鋸用ガイド装置の底面図。
【
図9】被切削材にセットされ且つ鋸刃がセットされた状態の鋸用ガイド装置の斜視図。
【
図10】被切削材にセットされ且つ鋸刃がセットされた状態の鋸用ガイド装置の平面図。
【
図11】本発明の一実施形態の変形例に係る鋸用ガイド装置の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一態様に係る鋸用ガイド装置は、
鋸刃と接触する第1接触面、及び前記鋸刃によって切削される被切削材によって支持される被支持面であって前記第1接触面を含む仮想面と交差する被支持面を有するベース部材と、
前記第1接触面と対向して前記第1接触面との間に前記鋸刃を挟持する第2接触面を有する挟持部材と、
前記被支持面と直交する直交方向において前記第2接触面に対して前記被支持面の反対側で前記ベース部材及び前記挟持部材を連結し、前記第2接触面と前記第1接触面との隙間の大きさを調整可能な連結部と、を備え、
前記第1接触面及び前記第2接触面の一方は、前記直交方向において前記連結部から前記被支持面に近づくにしたがって前記第1接触面及び前記第2接触面の他方へ近づくように、前記第1接触面及び前記第2接触面の他方に対して傾斜している。
【0013】
この構成によれば、第1接触面と第2接触面との間の隙間の大きさを、連結部によって任意に調整可能である。これにより、第1接触面及び第2接触面は、様々な厚みの鋸刃を挟持することができる。
【0014】
この構成によれば、第1接触面及び第2接触面の一方は、直交方向において連結部から被支持面に近づくにしたがって第1接触面及び第2接触面の他方へ近づくように、第1接触面及び第2接触面の他方に対して傾斜している。これにより、第1接触面及び第2接触面の一部が鋸刃を両側から挟んで圧接することで鋸刃91を挟持する一方で、当該一部以外の部分は鋸刃を両側から圧接しない。このように、第1接触面及び第2接触面の鋸刃に対する圧接面積が小さいため、鋸刃に対する圧接の強弱が鋸刃の往復動に与える影響が少ない。よって、この構成によれば、鋸刃が第1接触面及び第2接触面に挟持されているときであっても、鋸刃の往復動が容易である。
【0015】
この構成によれば、鋸刃に対する圧接の強弱が鋸刃の往復動に与える影響が少ないため、鋸刃に対する圧接の強弱を気にすることなく、第1接触面及び第2接触面で鋸刃を挟むことができる。つまり、鋸刃を挟む部材間の隙間の調整が容易である。
【0016】
本発明の一態様に係る鋸用ガイド装置は、位置決め面を有し、前記ベース部材に着脱可能な位置決め部材を更に備えていてもよい。前記鋸用ガイド装置において、前記位置決め部材が前記ベース部材に装着されたときに、前記位置決め面は前記被支持面を含む仮想面と直交してもよく、前記位置決め面の少なくとも一部は前記直交方向において前記被支持面に対して前記第1接触面及び前記第2接触面と反対側に位置してもよい。
【0017】
この構成によれば、位置決め面を被切削材の側面に接触させることによって、鋸用ガイド装置を被切削材に対して位置決めすることができる。
【0018】
前記鋸用ガイド装置において、前記位置決め部材は、前記ベース部材に対する前記直交方向の任意の位置で前記ベース部材に固定可能であってもよい。
【0019】
この構成によれば、被切削材の厚みに応じて、位置決め部材のベース部材に対する位置を変えることができる。そのため、被切削材が薄い場合であっても、位置決め部材の被支持面からの突出長を被切削材の厚みよりも短くすることができる。また、被切削材が厚い場合、位置決め部材の被支持面からの突出長を長くすることによって、被切削材の側面に対する位置決め面の接触面積を大きくすることができる。
【0020】
前記鋸用ガイド装置において、前記ベース部材は、前記位置決め部材が着脱可能な第1部材と、前記第1接触面を有し、前記第1部材に着脱可能な第2部材と、を備えていてもよく、前記連結部は、前記第2部材及び前記挟持部材を連結してもよく、前記被支持面は、前記第1部材及び前記第2部材の少なくとも一方に形成されてもよく、前記第1部材及び前記第2部材の一方は、複数の凸部を備えてもよく、前記第1部材及び前記第2部材の他方は、複数の凹部を備えてもよく、前記複数の凸部の少なくとも一部と、前記複数の凹部の少なくとも一部との嵌合の組み合わせに応じて、前記第2部材は、前記第1部材に異なる姿勢で装着されてもよい。
【0021】
この構成によれば、第2部材を第1部材に着脱させるための構造が、凸部及び凹部の嵌合という単純な構造である。そのため、ねじ締め等によって第2部材が第1部材に着脱される構成よりも簡単に第2部材を第1部材に着脱させることができる。
【0022】
この構成によれば、複数の凸部と複数の凹部との嵌合の組み合わせを変えるだけで、第2部材を異なる姿勢で第1部材に装着することができる。これにより、当該異なる姿勢の各々に応じて第1接触面の向きを変えることによって、鋸刃の被切削材に対する切削向きを様々な向きに変えることができる。
【0023】
前記鋸用ガイド装置において、前記複数の凸部は、第1凸部及び第2凸部を備えてもよく、前記複数の凹部は、第1凹部、第2凹部、及び第3凹部を備えてもよい。前記鋸用ガイド装置において、前記第2部材は、前記第1凹部及び前記第1凸部が嵌合し且つ前記第2凹部及び前記第2凸部が嵌合することによって、第1姿勢で前記第1部材に装着されてもよく、前記第3凹部及び前記第1凸部が嵌合することによって、第2姿勢で前記第1部材に装着されてもよく、前記第3凹部及び前記第2凸部が嵌合することによって、第3姿勢で前記第1部材に装着されてもよい。前記鋸用ガイド装置において、前記直交方向から見て、前記第2姿勢の前記第2部材の前記第1接触面は、前記第1姿勢の前記第2部材の前記第1接触面に対して第1角をなしていてもよく、前記直交方向から見て、前記第3姿勢の前記第2部材の前記第1接触面は、前記第1姿勢の前記第2部材の前記第1接触面に対して第2角をなしていてもよい。
【0024】
この構成によれば、第1凸部及び第2凸部と、第1凹部、第2凹部、及び第3凹部との嵌合の組み合わせを変えることによって、第2部材は3つの姿勢をとることができる。
【0025】
前記鋸用ガイド装置において、前記第1角及び前記第2角は、大きさが同じであってもよく、前記第2姿勢の前記第2部材の前記第1接触面と、前記第3姿勢の前記第2部材の前記第1接触面とは、反対を向いていてもよい。
【0026】
この構成によれば、第2部材の姿勢を第2姿勢と第3姿勢とで切り替えるだけで、第1接触面と第2接触面とによって挟持された鋸刃の向きを、互いに線対称となる向きに設定することができる。
【0027】
前記鋸用ガイド装置において、前記複数の凸部の各々は、複数の突起で構成されていてもよく、前記複数の凹部の各々は、複数の窪みで構成されていてもよい。
【0028】
この構成によれば、複数の凸部の各々が1つの突起で構成され、複数の凹部の各々が1つの窪みで構成されたベース部材に比べて、嵌合された凸部と凹部との間のがたつきを小さくすることができる。
【0029】
本発明の一態様に係る鋸用ガイド装置は、前記ベース部材に着脱可能であり、前記位置決め部材の前記位置決め面に対向するように前記ベース部材に装着されるクランプ部材を更に備えていてもよい。前記鋸用ガイド装置において、前記クランプ部材は、前記ベース部材に着脱可能な本体と、前記位置決め部材と前記本体との間に位置して前記位置決め面と対向する対向面を有し、前記位置決め面と直交する方向に沿って移動可能に前記本体によって支持される移動部材と、を備えていてもよい。
【0030】
この構成によれば、被切削材が細い棒状である場合等において、当該被切削材を位置決め面と対向面とによって挟むことができる。これにより、当該被切削材に対する鋸用ガイド装置の姿勢を安定させることができる。
【0031】
前記鋸用ガイド装置において、前記クランプ部材は、前記ベース部材に対する前記直交方向の任意の位置で前記ベース部材に固定可能であってもよい。
【0032】
この構成によれば、被切削材の厚みに応じて、クランプ部材のベース部材に対する位置を変えることができる。そのため、被切削材が薄い場合であっても、クランプ部材の被支持面からの突出長を被切削材の厚みよりも短くすることができる。
【0033】
前記鋸用ガイド装置において、前記移動部材は、前記本体を貫通するねじ部と、前記ねじ部の前記位置決め面側の端部に設けられ、前記対向面を有する対向部と、を備えていてもよく、前記移動部材は、前記ねじ部が軸の周りに回転することによって前記本体に対して前記位置決め面と直交する方向に沿って相対移動してもよい。
【0034】
この構成によれば、ねじ部を回転させるだけで、対向面の位置決め面からの距離を変えることができる。
【0035】
前記鋸用ガイド装置において、前記ベース部材は、互いに対向した一対の取付部を備えていてもよく、前記一対の取付部の各々に、前記位置決め部材及び前記クランプ部材が選択的に取付可能であってもよい。
【0036】
この構成によれば、一対の取付部の各々に選択的に取り付けられた位置決め部材及びクランプ部材の取り付け位置を入れ替えることによって、鋸用ガイド装置を右利き仕様から左利き仕様へ、または、左利き仕様から右利き仕様へ切り替えることができる。
【0037】
前記鋸用ガイド装置において、少なくとも、前記ベース部材における前記第1接触面を含む部分と、前記挟持部材における前記第2接触面を含む部分とは、樹脂で構成されていてもよい。
【0038】
仮に、第1接触面及び第2接触面の少なくとも一方が金属で構成されている場合、鋸刃は、第1接触面及び第2接触面に挟持された状態で往復動されると、第1接触面及び第2接触面と擦れることによって傷つくおそれがある。この構成によれば、第1接触面及び第2接触面が樹脂で構成されているため、鋸刃が傷つく可能性を低くすることができる。
【0039】
<実施形態>
図1は、本発明の一実施形態に係る鋸用ガイド装置の斜視図である。
図2は、本発明の一実施形態に係る鋸用ガイド装置の斜視図である。
図3は、
図1の鋸用ガイド装置の分解斜視図である。
【0040】
図中のX,Y,Z方向は、互いに直交している。図中のX,Y,Z方向は、それぞれ、鋸用ガイド装置の幅方向、上下方向、前後方向を示す。以下では、説明の便宜上、X方向の矢印の向きが右方向とされ、X方向の矢印と逆向きが左方向とされ、Y方向の矢印の向きが上方向とされ、Y方向の矢印と逆向きが下方向とされ、Z方向の矢印の向きが前方向とされ、Z方向の矢印と逆向きが後方向とされる。
【0041】
図1~
図3に示す鋸用ガイド装置10は、木材などの被切削材を切削する際に使用される。被切削材は、鋸刃によって切削される部材であり、例えば木材や樹脂材である。被切削材に支持される鋸用ガイド装置に鋸刃がセットされる。当該鋸刃が往復動されることによって、被切削材が切削される。このとき、鋸刃が鋸用ガイド装置にセットされていることにより、鋸刃の位置ずれを防止することができる。
【0042】
図1~
図3に示すように、鋸用ガイド装置10は、ベース部材20と、挟持部材30と、連結部40と、位置決め部材50と、クランプ部材60とを備える。
【0043】
ベース部材20は、被切削材の上面に支持される。挟持部材30は、ベース部材20との間に鋸刃を挟持する。連結部40は、ベース部材20と挟持部材30とを連結する。位置決め部材50は、ベース部材20に装着される。位置決め部材50が被切削材の側面に接触することによって、鋸用ガイド装置10が被切削材に対して位置決めされる。クランプ部材60は、ベース部材20に装着され、位置決め部材50との間に被切削材を挟持可能である。以下、鋸用ガイド装置10が備える各部材の構成が説明される。
【0044】
<ベース部材20>
図1~
図3に示すように、ベース部材20は、第1部材21と第2部材22とを備える。
【0045】
図1及び
図2に示すように、第1部材21に、第2部材22、位置決め部材50、及びクランプ部材60が着脱可能である。各部材の着脱は、後述される。
【0046】
第1部材21は、下方に開放された箱形状である。
図3に示すように、第1部材21は、上板部211と、上板部211の外縁部から下方へ延びた側板部212とを備える。側板部212の下端部が、第1部材21の下面21Aである。下面21Aは、被切削材に支持される。これにより、第1部材21は、被切削材に支持される。第1部材21の下面21Aは、被支持面の一例である。なお、第1部材21の形状は、下方に開放された箱形状に限らない。
【0047】
第1部材21には、一対の切欠き21Bが形成されている。一対の切欠き21Bの一方は、左側の側板部212に形成されている。一対の切欠き21Bの他方は、右側の側板部212に形成されている。一対の切欠き21Bの各々は、側板部212の下端から上方へ向けて形成されている。一対の切欠き21Bは、一対の取付部の一例である。
【0048】
左側の側板部212には、一対の溝部21Cが形成されている。一対の溝部21Cは、Z方向に間隔を空けて形成されている。一対の溝部21Cの各々は、左側の側板部212の下端から上端に亘ってY方向に延びている。一対の溝部21Cの間に、切欠き21Bが形成されている。
【0049】
右側の側板部212には、一対の溝部21Dが形成されている。一対の溝部21Dは、Z方向に間隔を空けて形成されている。一対の溝部21Dの各々は、右側の側板部212の下端から上端に亘ってY方向に延びている。一対の溝部21Dの間に、切欠き21Bが形成されている。
【0050】
一対の溝部21Cと一対の溝部21Dとは、同構成である。一対の溝部21Cと一対の溝部21Dとは、Z方向において同位置に形成されている。
【0051】
図4は、第1部材の底面図である。
図4に示すように、第1部材21の上板部211の下面211Aに、凹部23が形成されている。
【0052】
本実施形態では、凹部23は、3つの凹部231,232,233を備える。凹部233は、第1部材21の後端部且つ左右中央部に形成されている。凹部231は、凹部233の左斜め前方に形成されている。凹部232は、凹部233の右斜め前方に形成されている。凹部231,232は、X方向に並んでいる。凹部231は第1凹部の一例である。凹部232は第2凹部の一例である。凹部233は第3凹部の一例である。
【0053】
各凹部231,232,233は、2つの窪みで構成されている。凹部231は2つの窪み231A,231Bで構成されている。窪み231Bは、窪み231Aの左斜め後方に位置している。凹部232は2つの窪み232A,232Bで構成されている。窪み232Bは、窪み232Aの右斜め後方に位置している。凹部233は2つの窪み233A,233Bで構成されている。窪み233A,233Bは、X方向に並んでいる。窪み233Aは、窪み232Bの左斜め後方に位置している。窪み233Bは、窪み231Bの右斜め後方に位置している。
【0054】
以上より、第1部材21の上板部211の下面211Aに、3つの凹部23(6つの窪み)が形成されている。
【0055】
各凹部231,232,233が備える窪みの数は、2つに限らない。各凹部231,232,233は、1つの窪みで構成されていてもよいし、3つ以上の窪みで構成されていてもよい。各凹部231,232,233を構成する窪みの数は、同じ数であってもよいし、異なる数であってもよい。第1部材21の上板部211の下面211Aに形成される凹部23の数は、3つに限らない。
【0056】
図3に示すように、第2部材22は、概ねX方向及びY方向に拡がる板状の縦部221と、縦部221の下端部から前方へ突出した底部222とを備える。底部222の下面は、第2部材22の下面22Bである。なお、第2部材22の形状は、
図3等の各図に示された形状に限らない。
【0057】
第2部材22の後面のうちの上部を除く部分である接触面22Aは、後述するように、挟持部材30の接触面30Aと対向して、接触面30Aとの間に鋸刃を挟持する。このとき、第2部材22の接触面22Aは、鋸刃と接触する。第2部材22の接触面22Aは、第1接触面の一例である。接触面22Aは、第2部材22の下面22Bより上方に位置する。
【0058】
第2部材22の下面22Bは、第2部材22が第1部材21に装着されているときに、第1部材21の下面21Aと面一である。これにより、下面22Bは、被切削材に支持される。これにより、第2部材22は、第1部材21と共に、被切削材に支持される。第2部材22の下面22Bは、被支持面の一例である。
【0059】
本実施形態において、第2部材22の下面22Bは、X方向及びZ方向に拡がる面である。一方、第2部材22の接触面22Aは、X方向及びY方向に拡がる面である。つまり、本実施形態において、下面22Bは、接触面22Aを含む仮想面と直交している。
【0060】
第2部材22の縦部221には、一対の貫通穴22Cと、貫通穴22Dとが形成されている。貫通穴22C,22Dは、接触面22Aより上方に形成されている。貫通穴22C,22Dは、縦部221をZ方向に貫通している。一対の貫通穴22Cは、X方向に並んで形成されている。貫通穴22Dは、一対の貫通穴22Cの間に形成されている。
【0061】
第2部材22の底部222の上面に、凸部24が形成されている。
【0062】
本実施形態では、凸部24は、2つの凸部241,242を備える。凸部241は、底部222の上面の左部に形成されている。凸部242は、底部222の上面の右部に形成されている。凸部241,242は、互いにX方向に並んでいる。凸部241は第1凸部の一例である。凸部242は第2凸部の一例である。
【0063】
各凸部241,242は、2つの突起で構成されている。凸部241は2つの突起241A,241Bで構成されている。凸部242は2つの突起242A,242Bで構成されている。突起241Aは、突起241Bの右斜め前方に位置している。突起242Aは、突起242Bの左斜め前方に位置している。突起241A,242Aは、X方向に並んでいる。
【0064】
以上より、第2部材22の底部222の上面に、2つの凸部24(4つの突起)が形成されている。
【0065】
各凸部241,242備える突起の数は、2つに限らない。各凸部241,242は、1つの突起で構成されていてもよいし、3つ以上の突起で構成されていてもよい。各凸部241,242を構成する突起の数は、同じ数であってもよいし、異なる数であってもよい。第2部材22の底部222の上面に形成される凸部24の数は、2つに限らない。
【0066】
第2部材22は、第1部材21に着脱可能である。第2部材22の凸部24と第1部材21の凹部23とが嵌合することによって、第2部材22は第1部材21に装着される。一方、当該嵌合が解除されることによって、第2部材22は第1部材21から取り外される。
【0067】
凸部241及び凹部231が嵌合し且つ凸部242及び凹部232が嵌合することによって、
図1及び
図2に示すように、第2部材22が第1部材21に装着される。詳細には、突起241Aが窪み231Aに嵌合し、突起241Bが窪み231Bに嵌合し、突起242Aが窪み232Aに嵌合し、突起242Bが窪み232Bに嵌合することによって、
図1及び
図2に示すように、第2部材22が第1部材21に装着される。
【0068】
なお、凸部24及び凹部23の嵌合の態様は、前述した態様の他にも存在するが、凸部24及び凹部23の嵌合の他の態様については、後の<ベース部材20の各姿勢>において説明される。
【0069】
<挟持部材30及び連結部40>
図3に示すように、挟持部材30は、概ねX方向及びY方向に拡がる板状の部材である。挟持部材30は、ベース部材20の第2部材22の後方に、第2部材22とZ方向に対向して配置される。
【0070】
挟持部材30の前面のうちの上部を除く部分である接触面30Aは、第2部材22の接触面22Aと対向して、接触面22Aとの間に鋸刃を挟持する。接触面30Aは、第2接触面の一例である。接触面30Aは、接触面22Aと同様に、第2部材22の下面22Bより上方に位置する。
【0071】
挟持部材30の前面には、一対の凸部31と、貫通穴30Bとが形成されている。凸部31及び貫通穴30Bは、接触面30Aより上方に形成されている。一対の凸部31は、挟持部材30の前面から前方へ突出している。貫通穴30Bは、挟持部材30をZ方向に貫通している。一対の凸部31は、X方向に並んで形成されている。貫通穴30Bは、一対の凸部31の間に形成されている。
【0072】
各凸部31は、第2部材22の各貫通穴22Cに挿入されて嵌合される。これにより、挟持部材30の第2部材22に対する位置ずれが防止される。
【0073】
挟持部材30は、連結部40によって第2部材22と連結される。本実施形態において、連結部40は、ねじ41とナット42とを備える。ねじ41は、後方から挟持部材30の貫通穴30Bを貫通し、次いで第2部材22の貫通穴22Dを貫通する。ナット42は、前方から第2部材22の貫通穴22Dを貫通したねじ41に螺合される。これにより、
図1及び
図2に示すように、ねじ41の把持部41Aとナット42との間に、挟持部材30と第2部材22とが固定され、挟持部材30と第2部材22とが連結される。把持部41Aは、ねじ41が貫通穴30B,22Dを貫通されるときにユーザによって把持される部分である。
【0074】
前述したように、貫通穴30Bは、接触面30Aより上方に形成されている。つまり、連結部40は、Y方向(第2部材22の下面22Bと直交する方向)において、接触面30Aに対して下面22Bの反対側で、挟持部材30と第2部材22とを連結する。Y方向は直交方向の一例である。
【0075】
図5は、本発明の一実施形態に係る鋸用ガイド装置の右側面図である。
図5に示すように、挟持部材30の接触面30Aと第2部材22の接触面22Aとの間に、鋸刃91を挟持することが可能である。
【0076】
挟持部材30の接触面30Aと第2部材22の接触面22Aとの間に挟持される鋸刃91の厚みに応じて、ナット42のねじ41に対する螺合位置が変わる。つまり、連結部40(ねじ41及びナット42)は、挟持部材30の接触面30Aと第2部材22の接触面22Aとの隙間の大きさを調整可能である。
【0077】
なお、連結部40は、ねじ41及びナット42の構成に限らない。連結部40は、ベース部材20及び挟持部材30を連結し、接触面22A,30Aの隙間の大きさを調整可能であることを条件として、他の公知の構成であってもよい。
【0078】
挟持部材30の接触面30Aの上部は、下方へ向かうにしたがって前方へ向かうように、Y方向に対して傾斜している。言い換えると、挟持部材30の接触面30Aの上部は、Y方向において連結部40から第2部材22の下面22Bに近づくにしたがって第2部材22の接触面22Aへ近づくように、接触面22Aに対して傾斜している。挟持部材30の接触面30Aの下部は、第2部材22の接触面22Aと同様に、X方向及びY方向に拡がる。
【0079】
これにより、挟持部材30の接触面30Aと第2部材22の接触面22Aとの間に鋸刃91が挟持されているときに、接触面22Aの全体及び接触面30Aの上部が鋸刃91に接触する一方で、接触面30Aの下部は鋸刃91から離れている。つまり、接触面22A,30Aの上部が鋸刃91を両側から挟んで圧接する一方で、接触面22A,30Aの下部は鋸刃91を圧接していない。
【0080】
なお、本実施形態では、接触面30Aの上部が接触面22Aに対して傾斜する一方で接触面30Aの下部は接触面22Aに対して傾斜していないが、接触面30Aの少なくとも一部が接触面22Aに対して傾斜していればよい。例えば、接触面30Aの全体が接触面22Aに対して傾斜していてもよい。
【0081】
<ベース部材20の各姿勢>
本実施形態では、ベース部材20の第2部材22は、ベース部材20の第1部材21に対して、3つの姿勢で装着可能である。複数の凸部24(
図3参照)の少なくとも一部と、複数の凹部23(
図4参照)の一部との嵌合の組み合わせに応じて、第2部材22は、第1部材21に異なる姿勢(以下で説明される第1姿勢、第2姿勢、及び第3姿勢)で装着される。
【0082】
前述したように、凸部241(
図3参照)及び凹部231(
図4参照)が嵌合し且つ凸部242(
図3参照)及び凹部232(
図4参照)が嵌合することによって、
図1及び
図2に示すように、第2部材22が第1部材21に装着される。詳細には、突起241Aが窪み231Aに嵌合し、突起241Bが窪み231Bに嵌合し、突起242Aが窪み232Aに嵌合し、突起242Bが窪み232Bに嵌合することによって、
図1及び
図2に示すように、第2部材22が第1部材21に装着される。このときの第2部材22の姿勢が第1姿勢である。
【0083】
図6は、第2部材が第2姿勢であるときのベース部材の平面図である。凸部241(
図3参照)及び凹部233(
図4参照)が嵌合することによって、
図6に示すように、第2部材22が第1部材21に装着される。詳細には、突起241Aが窪み233Aに嵌合し、突起241Bが窪み233Bに嵌合することによって、
図6に示すように、第2部材22が第1部材21に装着される。このときの第2部材22の姿勢が第2姿勢である。
【0084】
図7は、第2部材が第3姿勢であるときのベース部材の平面図である。凸部242(
図3参照)及び凹部233(
図4参照)が嵌合することによって、
図7に示すように、第2部材22が第1部材21に装着される。詳細には、突起242Aが窪み233Bに嵌合し、突起242Bが窪み233Aに嵌合することによって、
図7に示すように、第2部材22が第1部材21に装着される。このときの第2部材22の姿勢が第3姿勢である。
【0085】
図6に示すように、第2姿勢の第2部材22の接触面22Aは、X方向及びY方向に拡がる仮想面に対して第1角θ1をなしている。ここで、第2部材22が第1姿勢のとき(
図1参照)、接触面22AはX方向及びY方向に拡がっている。つまり、Y方向から見て、第2姿勢の第2部材22の接触面22Aは、第1姿勢の第2部材22の接触面22Aに対して第1角θ1をなしている。本実施形態において、第1角θ1の大きさは45度である。
【0086】
図7に示すように、第3姿勢の第2部材22の接触面22Aは、X方向及びY方向に拡がる仮想面に対して第2角θ2をなしている。ここで、第2部材22が第1姿勢のとき(
図1参照)、接触面22AはX方向及びY方向に拡がっている。つまり、Y方向から見て、第3姿勢の第2部材22の接触面22Aは、第1姿勢の第2部材22の接触面22Aに対して第2角θ2をなしている。本実施形態において、第2角θ2の大きさは45度である。
【0087】
本実施形態において、第1角θ1と第2角θ2とは、同じ大きさである。また、本実施形態において、
図6に示すように、第2部材22が第2姿勢のときに接触面22Aは左方向の成分を有する方向に向いている一方、第2部材22が第3姿勢のときに接触面22Aは右方向の成分を有する方向に向いている。つまり、第2姿勢の第2部材22の接触面22Aと、第3姿勢の第2部材22の接触面22Aとは、反対を向いている。
【0088】
本実施形態では、第2部材22は3つの姿勢をとることができるが、第2部材22がとることはできる姿勢は3つに限らない。例えば、第2部材22は、1つの姿勢のみとってもよい。この場合、第1部材21及び第2部材22が一体成形されてもよい。また、例えば、第2部材22は、2つまたは4つ以上の姿勢をとることができてもよい。
【0089】
第1角θ1の大きさは45度に限らない。第2角θ2の大きさは45度に限らない。第1角θ1と第2角θ2とは異なる大きさであってもよい。
【0090】
前述したような変形例(とり得る姿勢の数と第1角θ1及び第2角θ2の大きさとが本実施形態と異なる構成)は、例えば、凹部23の数及び位置と凸部24の数及び位置とを適宜設定することにより実現される。設定された凹部23の数及び位置と凸部24の数及び位置とに応じて、複数の凸部24の少なくとも一部と、複数の凹部23の少なくとも一部との嵌合の組み合わせに応じて、第2部材22は、第1部材21に異なる姿勢で装着される。
【0091】
第2部材22が第1部材21に対して複数の姿勢をとるための構成は、凹部23と凸部24との嵌合に限らない。例えば、第2部材22が第1部材21に対して、回動可能に取り付けられてもよい。この場合、第2部材22は、回動することによって第1部材21に対して異なる姿勢をとり得る。
【0092】
<位置決め部材50>
図1に示すように、位置決め部材50は、ベース部材20の第1部材21に着脱可能である。
図9に示すように、鋸用ガイド装置10に鋸刃91がセットされて、鋸刃91で被切削材が切削されるとき、位置決め部材50は被切削材92の側面92Dに接触される。これにより、鋸用ガイド装置10は、被切削材92に対して位置決めされる。
【0093】
図1に示すように、位置決め部材50は、X方向において第1部材21の側板部212に対向する位置で、第1部材21に装着される。位置決め部材50は、切欠き21B(
図3参照)が形成されている側板部212に装着される。位置決め部材50の側面のうち第1部材21に対向する側面の下部が、位置決め面50Aである。位置決め面50Aは、Y方向及びZ方向に拡がる。位置決め面50Aは、
図9に示すように、鋸刃91で被切削材92を切削するときに、被切削材92の側面92Dに接触される。
【0094】
図1及び
図3に示すように、位置決め部材50の側面のうち第1部材21に対向する側面には、一対の凸部501と、貫通穴50Bとが形成されている。一対の凸部501及び貫通穴50Bは、位置決め面50Aより上方に形成されている。一対の凸部501は、第1部材21の側板部212に向けて突出している。貫通穴50Bは、位置決め部材50をX方向に貫通している。一対の凸部501は、Z方向に並んで形成されている。貫通穴50Bは、一対の凸部501の間に形成されている。
【0095】
各凸部501は、第1部材21の各溝部21Dと係合する。これにより、位置決め部材50が第1部材21に装着されているときに、位置決め部材50が第1部材21に対して回転などの位置ずれをすることが防止される。
【0096】
位置決め部材50は、ねじ51とナット52とを備える。位置決め部材50は、ねじ50とナット52とによって第1部材21に装着される。ねじ51は、右方から貫通穴50Bを貫通し、次いで第1部材21の切欠き21Bを貫通する。ナット52は、左方から第1部材21の切欠き21Bを貫通したねじ51に螺合される。これにより、
図1に示すように、ねじ51の把持部51Aとナット52との間に、位置決め部材50と第1部材21とが固定され、位置決め部材50が第1部材21に装着される。把持部51Aは、ねじ51が貫通穴50B及び切欠き21Bを貫通されるときにユーザによって把持される部分である。
【0097】
位置決め部材50が第1部材21に装着されたとき、Y方向及びZ方向に拡がる位置決め面50Aは、X方向及びZ方向に拡がる第1部材21の下面21A及び第2部材22の下面22Bを含む仮想面と直交している。
【0098】
ねじ51は、切欠き21Bの任意の位置を貫通可能である。例えば、ねじ51が切欠き21Bの上端部を貫通したときの位置決め部材50(
図1参照)は、ねじ51が切欠き21の下端部を貫通したときの位置決め部材50(
図9参照)より上方に位置する。つまり、位置決め部材50は、第1部材21に対するY方向の任意の位置で第1部材21に固定可能である。
【0099】
位置決め面50Aの少なくとも一部は、第1部材21の下面21A及び第2部材22の下面22Bより下方に位置する。例えば、ねじ51が切欠き21の下端部を貫通することによって位置決め部材50が第1部材21に取り付けられた場合、位置決め面50Aの大部分または全部が下面21A,22Bより下方に位置する。ねじ51が切欠き21を貫通する位置が上方である程、下面21A,22Bより下方に位置する位置決め面50Aの面積は小さくなる。
【0100】
前述したように、第2部材22の接触面22A及び挟持部材30の接触面30Aは、第1部材21の下面21A及び第2部材22の下面22Bより上方に位置する。つまり、位置決め面50Aの少なくとも一部は、Y方向において下面21A,22Bに対して接触面22A,30Aの反対側に位置する。
【0101】
<クランプ部材60>
図2に示すように、クランプ部材60は、ベース部材20の第1部材21に着脱可能である。クランプ部材60は、X方向において第1部材21の側板部212に対向する位置で、第1部材21に装着される。クランプ部材60は、切欠き21Bが形成されている側板部212のうち、位置決め部材50が装着されていない側板部212に装着される。第1部材21に装着されたクランプ部材60は、第1部材21に装着された位置決め部材50に対して、第1部材21を介してX方向に対向している。
【0102】
図3に示すように、クランプ部材60は、本体61と、移動部材62と、ねじ63と、ナット64とを備える。
【0103】
本体61は、第1部材21に着脱可能である。本体61の側面のうち第1部材21に対向する側面には、一対の凸部611と、貫通穴61A,61Bと、開口61C(
図8参照)とが形成されている。
【0104】
一対の凸部611及び貫通穴61Aは、貫通穴61Bより上方に形成されている。一対の凸部611は、第1部材21の側板部212に向けて突出している。貫通穴61A,61Bは、本体61をX方向に貫通している。一対の凸部611は、Z方向に並んで形成されている。貫通穴61Aは、一対の凸部501の間に形成されている。開口61Cは、本体61の下面に形成されている(
図8参照)。貫通穴61Bは、開口61Cを介して本体61の外部と連通している。
【0105】
各凸部611は、第1部材21の各溝部21Cと係合する。これにより、本体61が第1部材21に装着されているときに、本体61が第1部材に対して回転などの位置ずれをすることが防止される。
【0106】
クランプ部材60は、ねじ63とナット64とによって第1部材21に装着される。ねじ63は、左方から貫通穴61Aを貫通し、次いで第1部材21の切欠き21Bを貫通する。ナット64は、右方から第1部材21の切欠き21Bを貫通したねじ63に螺合される。これにより、
図2に示すように、ねじ63の把持部63Aとナット64との間に、本体61と第1部材21とが固定され、クランプ部材60が第1部材21に装着される。把持部63Aは、ねじ63が貫通穴61A及び切欠き21Bを貫通されるときにユーザによって把持される部分である。
【0107】
ねじ63は、切欠き21Bの任意の位置を貫通可能である。例えば、ねじ63が切欠き21Bの上端部を貫通したときの本体61(
図2参照)は、ねじ63が切欠き21の下端部を貫通したときの本体61より上方に位置する。つまり、本体61は、第1部材21に対するY方向の任意の位置で第1部材21に固定可能である。
【0108】
移動部材62は、位置決め面50Aと直交するX方向に沿って移動可能に本体61に対して支持されている。
図3に示すように、移動部材62は、ねじ部621と、対向部622と、ナット623とを備える。
【0109】
ねじ部621は、左方から貫通穴61Bを貫通し、第1部材21の下方を通過する。つまり、ねじ部621は、本体61を貫通する。
【0110】
ねじ部621は把持部621Aを有する。把持部621Aは、ねじ部621が貫通穴61Bを貫通されるときにユーザによって把持される部分である。
【0111】
ナット623は、開口61Cを介して貫通穴61Bに挿入されており、貫通穴61Bに配置されている。これにより、貫通穴61Bに挿入されたねじ部621は、ナット623と螺合する。ねじ部621は、軸の周りに第1の向きに回転することによって、本体61に対して左方へ相対移動する。ねじ部621は、軸の周りに第1の向きとは逆向きの第2の向きに回転することによって、本体61に対して右方へ相対移動する。つまり、移動部材62は、ねじ部621が軸の周りに回転することによって、本体61に対してX方向に沿って相対移動する。
【0112】
対向部622は、ねじ部621の先端部に螺合される。ねじ部621の先端部は、ねじ部621における把持部621Aと反対側の端部である。言い換えると、ねじ部621の先端部は、移動部材62の位置決め面50A側の端部である。対向部622は、対向面622Aを有する。対向面622Aは、対向部622のうち、ねじ部621と螺合される部分とは反対側の面である。対向部622は、本体61と位置決め部材50との間に位置する。対向面622Aは、位置決め部材50の位置決め面50AとX方向に対向する。
【0113】
対向面622Aは、後述するように、位置決め面50Aとの間に位置する被切削材と接触し得る。移動部材62のX方向の位置は、対向面622Aと位置決め面50Aとの間に位置する被切削材の幅(X方向の長さ)に応じて変わる。具体的には、被切削材の幅が長い程、移動部材62の位置は左に寄り、被切削材の幅が短い程、移動部材62の位置は右に寄る。つまり、移動部材62は、位置決め面50Aと直交するX方向に沿って移動可能に本体61によって支持される。
【0114】
図8は、被切削材にセットされた状態の鋸用ガイド装置の底面図である。
図8に示すように、被切削材92の幅(X方向の長さ)が位置決め部材50の位置決め面50Aとクランプ部材60の対向面622Aとの間の最大間隔以下である場合、位置決め面50Aと対向面622Aとで被切削材92を挟持することができる。具体的には、被切削材92の一方側面92Aが位置決め面50Aに接触した状態で、移動部材62を位置決め面50Aへ向けて移動させることによって、対向面622Aを被切削材92の他方側面92Bに接触させる。
【0115】
なお、クランプ部材60の形状、移動部材62がX方向に沿って移動される構成は、前述した形状及び構成に限らず、公知の種々の形状及び構成が採用可能である。
【0116】
<材料>
以上説明した鋸用ガイド装置10は、樹脂と金属とで構成されている。本実施形態において、鋸用ガイド装置10のうち、ねじ及びナットは金属で構成されており、その他の部分は樹脂で構成されている。
【0117】
なお、鋸用ガイド装置10において、ねじ及びナットが樹脂で構成されていてもよい。また、鋸用ガイド装置10において、前記のその他の部分が金属で構成されていてもよい。但し、鋸用ガイド装置10において、接触面22Aを含む部分(本実施形態ではベース部材20の第2部材22)と接触面30Aを含む部分(本実施形態では挟持部材30)とは、樹脂で構成されていることが好ましい。つまり、少なくとも、ベース部材20における接触面22Aを含む部分と、挟持部材30における接触面30Aを含む部分とが、樹脂で構成されていることが好ましい。
【0118】
また、鋸用ガイド装置10の構成材料は、前述したものに限らない。例えば、鋸用ガイド装置10の少なくとも一部が樹脂及び金属以外の材料、例えば木材やセラミックで構成されていてもよい。
【0119】
<使用例>
以下、鋸用ガイド装置10の使用例が説明される。
【0120】
図9は、被切削材にセットされ且つ鋸刃がセットされた状態の鋸用ガイド装置の斜視図である。
【0121】
図9に示すように、ベース部材20の第1部材21に位置決め部材50が装着される。次に、ベース部材20及び位置決め部材50が被切削材92に載置される。このとき、ベース部材20の下面21A,22Bが被切削材92の上面92Cに接触することによって、鋸用ガイド装置10が被切削材92に対して上下(Y方向)に位置決めされる。また、位置決め部材50の位置決め面50Aが被切削材92の側面92Dに接触することによって、鋸用ガイド装置10が被切削材92に対して左右(X方向)に位置決めされる。
【0122】
また、このとき、被切削材92の厚み(Y方向の長さ)に応じて、位置決め部材50の第1部材21に対するY方向の位置が調整可能である。
【0123】
ベース部材20の第2部材22と挟持部材30との間に鋸刃91が挟持される。これにより、鋸刃91が鋸用ガイド装置10にセットされる。
【0124】
なお、前述した各部材の装着、載置、調整と、鋸刃91のセットの順序は任意である。
【0125】
鋸用ガイド装置10が被切削材92に支持され且つ鋸刃91が鋸用ガイド装置10にセットされた状態で、鋸刃91がX方向に往復動される。これにより、被切削材92が切削される。
【0126】
図10は、被切削材にセットされ且つ鋸刃がセットされた状態の鋸用ガイド装置の平面図である。
【0127】
図10では、第2部材22が第2姿勢で第1部材21に装着されたときの鋸用ガイド装置10の使用例が示されている。第2部材22が第2姿勢で第1部材21に装着された状態では、被切削材92を側面92Dに対して45度の角度で切削することができる。
【0128】
なお、前述した
図9に示す使用例は、第2部材22が第1姿勢で第1部材21に装着されたときの、鋸用ガイド装置10の使用例である。
【0129】
また、図示されていないが、第2部材22が第3姿勢で第1部材21に装着されたときも、第2部材22が第2姿勢で第1部材21に装着されたときと同様にして、鋸用ガイド装置10の使用することができる。
【0130】
<本実施形態の効果>
本実施形態によれば、接触面22A,30Aの間の隙間の大きさを、連結部40によって任意に調整可能である。これにより、接触面22A,30Aは、様々な厚みの鋸刃を挟持することができる。
【0131】
本実施形態によれば、接触面30Aは、Y方向において連結部40から下面21A,22Bに近づくにしたがって接触面22Aへ近づくように、接触面22Aに対して傾斜している。これにより、接触面22A,30Aの下部が鋸刃91を両側から挟んで圧接することで鋸刃91を挟持する一方で、接触面22A,30Aの上部は鋸刃91を両側から圧接しない。このように、接触面22A,30Aの鋸刃91に対する圧接面積が小さいため、鋸刃91に対する圧接の強弱が鋸刃91の往復動に与える影響が少ない。よって、本実施形態によれば、鋸刃91が接触面22A,30Aに挟持されているときであっても、鋸刃91の往復動が容易である。
【0132】
本実施形態によれば、鋸刃91に対する圧接の強弱が鋸刃91の往復動に与える影響が少ないため、鋸刃91に対する圧接の強弱を気にすることなく、接触面22A,30Aで鋸刃91を挟むことができる。つまり、鋸刃91を挟む第2部材22及び挟持部材30の間の隙間の調整が容易である。
【0133】
本実施形態によれば、
図9に示すように、位置決め面50Aを被切削材92の側面92Dに接触させることによって、鋸用ガイド装置10を被切削材92に対して位置決めすることができる。
【0134】
本実施形態によれば、被切削材92の厚み(Y方向の長さ)に応じて、位置決め部材50のベース部材20に対する位置を変えることができる。そのため、被切削材92が薄い場合(Y方向に短い場合)であっても、位置決め部材50の下面21A,22Bからの突出長を被切削材92の厚みよりも短くすることができる。また、被切削材92が厚い場合(Y方向に長い場合)、位置決め部材50の下面21A,22Bからの突出長を長くすることによって、被切削材92の側面92Dに対する位置決め面50Aの接触面積を大きくすることができる。
【0135】
本実施形態によれば、第2部材22を第1部材21に着脱させるための構造が、凸部24及び凹部23の嵌合という単純な構造である。そのため、ねじ締め等によって第2部材22が第1部材21に着脱される構成よりも簡単に第2部材22を第1部材21に着脱させることができる。
【0136】
本実施形態によれば、複数の凸部24と複数の凹部23との嵌合の組み合わせを変えるだけで、第2部材22を異なる姿勢で第1部材21に装着することができる。これにより、当該異なる姿勢の各々に応じて接触面22Aの向きを変えることによって、鋸刃91の被切削材92に対する切削向きを様々な向きに変えることができる。
【0137】
本実施形態によれば、凸部241,242と凹部231,232,233との嵌合の組み合わせを変えることによって、第2部材22は3つの姿勢をとることができる。
【0138】
本実施形態によれば、第2部材22の姿勢を第2姿勢と第3姿勢とで切り替えるだけで、接触面22A,30Aによって挟持された鋸刃91の向きを、互いに線対称となる向きに設定することができる。
【0139】
本実施形態によれば、複数の凸部24の各々が2つの突起で構成され、複数の凹部23の各々が2つの窪みで構成されている。そのため、複数の凸部24の各々が1つの突起で構成され、複数の凹部23の各々が1つの窪みで構成されたベース部材20に比べて、嵌合された凸部24と凹部23との間のがたつきを小さくすることができる。
【0140】
本実施形態によれば、被切削材92が細い棒状である場合等において、被切削材92を位置決め面50Aと対向面622Aとによって挟むことができる(
図8参照)。これにより、被切削材92に対する鋸用ガイド装置10の姿勢を安定させることができる。
【0141】
本実施形態によれば、被切削材92の厚み(Y方向の長さ)に応じて、クランプ部材60のベース部材20に対する位置を変えることができる。そのため、被切削材92が薄い場合であっても、クランプ部材60の下面21A,22Bからの突出長を被切削材92の厚みよりも短くすることができる。
【0142】
本実施形態によれば、ねじ部621を回転させるだけで、対向面622Aの位置決め面50Aからの距離を変えることができる。
【0143】
仮に、接触面22A,30Aの少なくとも一方が金属で構成されている場合、鋸刃91は、接触面22A,30Aに挟持された状態で往復動されると、接触面22A,30Aと擦れることによって傷つくおそれがある。本実施形態によれば、接触面22A,30Aが樹脂で構成されているため、鋸刃91が傷つく可能性を低くすることができる。
【0144】
<変形例>
図11は、本発明の一実施形態の変形例に係る鋸用ガイド装置の斜視図である。前記実施形態では、
図1及び
図2に示すように、位置決め部材50がベース部材20の第1部材21の右側(X方向)に装着され、クランプ部材60がベース部材20の第1部材21の左側(X方向と逆方向)に装着される。しかし、位置決め部材50とクランプ部材60との第1部材21への取り付け位置は、前記とは逆であってもよい。
【0145】
つまり、
図11に示すように、クランプ部材60がベース部材20の第1部材21の右側(X方向)に装着され、位置決め部材50がベース部材20の第1部材21の左側(X方向と逆方向)に装着されてもよい。つまり、一対の切欠き21Bの各々に、位置決め部材50及びクランプ部材60が選択的に取付可能である。鋸用ガイド装置10のユーザが右利きである場合、
図1及び
図2に示す構成とされる。一方、鋸用ガイド装置10のユーザが左利きである場合、
図11に示す構成とされる。
【0146】
この変形例によれば、一対の切欠き21Bの各々に選択的に取り付けられた位置決め部材50及びクランプ部材60の取り付け位置を入れ替えることによって、鋸用ガイド装置10を右利き仕様から左利き仕様へ、または、左利き仕様から右利き仕様へ切り替えることができる。
【0147】
前記実施形態では、第1部材21が凹部23を備え、第2部材22が凸部24を備えているが、第2部材22が凹部23を備え、第1部材21が凸部24を備えていてもよい。
【0148】
前記実施形態では、第1部材21の下面21A及び第2部材22の下面22Bは、第2部材22の接触面22Aを含む仮想面と直交している。しかし、下面21A,22Bは、接触面22Aを含む仮想面と交差していればよく、必ずしも当該仮想面と直交している必要はない。例えば、接触面22Aは、X方向及びY方向に拡がる面に対して傾斜する面に沿って拡がっていてもよい。
【0149】
前記実施形態では、第2部材22の接触面22AがX方向及びY方向に拡がっている一方で、挟持部材30の接触面30Aが下方へ向かうにしたがって接触面22Aに近づくようにX方向及びY方向に拡がる面に対して傾斜している。しかし、前記実施形態とは逆に、挟持部材30の接触面30AがX方向及びY方向に拡がっている一方で、第2部材22の接触面22Aが下方へ向かうにしたがって接触面30Aに近づくようにX方向及びY方向に拡がる面に対して傾斜していてもよい。また、第2部材22の接触面22Aと挟持部材30の接触面30Aとの双方が、下方へ向かうにしたがって対向する面に近づくように傾斜していてもよい。
【0150】
前記実施形態では、第1部材21の下面21Aと第2部材22の下面22Bとが面一で、下面21A,22Bの双方が被切削材92に支持されるが、下面21A,22Bの一方のみが被切削材92に支持されてもよい。この場合、下面21A,22Bは面一でなくてもよい。つまり、被切削材92に支持される被支持面は、第1部材21及び第2部材22の少なくとも一方に形成されていればよい。
【0151】
前記実施形態では、挟持部材30、位置決め部材50、及びクランプ部材60は、ねじによってベース部材20に装着されるが、これらの部材のベース部材20への装着は、ねじによる装着以外にも、公知の種々の装着手段が採用され得る。
【0152】
なお、前記様々な実施形態及び変形例のうちの任意の実施形態及び変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
【0153】
本発明は、適宜図面を参照しながら好ましい実施の形態に関連して充分に記載されているが、この技術に熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
【符号の説明】
【0154】
10 鋸用ガイド装置
20 ベース部材
21 第1部材
21A 下面(被支持面)
21B 切欠き(取付部)
22 第2部材
22A 接触面(第1接触面)
22B 下面(被支持面)
23 凹部
231 凹部(第1凹部)
231A 窪み
231B 窪み
232 凹部(第2凹部)
232A 窪み
232B 窪み
233 凹部(第3凹部)
233A 窪み
233B 窪み
24 凸部
241 凸部(第1凸部)
241A 突起
241B 突起
242 凸部(第2凸部)
242A 突起
242B 突起
30 挟持部材
30A 接触面(第2接触面)
40 連結部
50 位置決め部材
50A 位置決め面
60 クランプ部材
61 本体
62 移動部材
621 ねじ部
622 対向部
622A 対向面
91 鋸刃
92 被切削材
θ1 第1角
θ2 第2角