(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023034107
(43)【公開日】2023-03-13
(54)【発明の名称】空気清浄機
(51)【国際特許分類】
A61L 9/20 20060101AFI20230306BHJP
【FI】
A61L9/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021140188
(22)【出願日】2021-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】391009372
【氏名又は名称】ミドリ安全株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(72)【発明者】
【氏名】菊実 修
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 賢由
(72)【発明者】
【氏名】今田 隆平
【テーマコード(参考)】
4C180
【Fターム(参考)】
4C180AA07
4C180AA16
4C180CC03
4C180CC16
4C180DD03
4C180DD09
4C180HH05
(57)【要約】
【課題】メンテナンス性を向上し、紫外線による機器内部・外部への影響を低減し、更に騒音を低減することができる空気清浄機を提供する。
【解決手段】空気清浄機1は、吸込口19と送風口15との間に流路を形成するケーシング10と、ケーシング10内に設けられて、吸込口19から送風口15に向かって空気を送風するファン2と、ケーシング10内で、ファン2よりも上流側で流路の流路断面に沿って設けられた第1フィルタ4と、ケーシング10内で、第1フィルタ4よりも上流側に設けられた紫外線ランプ5と、ケーシング10内に設けられて、紫外線ランプ5を上流側及び流路断面の法線に交差する側方から囲うとともに、下流側が開口したランプ収容部30と、ランプ収容部30と吸込口19との間で、吸込口19に対向する第1遮蔽板6と、を備える。ファン2の上流側には、第2遮蔽板7と空気の流速を均一化するファン導入部40とが設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸込口と送風口との間に流路を形成するケーシングと、
前記ケーシング内に設けられて、前記吸込口から前記送風口に向かって空気を送風するファンと、
前記ケーシング内で、前記ファンよりも上流側で前記流路の流路断面に沿って設けられた第1フィルタと、
前記ケーシング内で、前記第1フィルタよりも上流側に設けられた紫外線ランプと、
前記ケーシング内に設けられて、前記紫外線ランプを上流側及び前記流路断面の法線に交差する側方から囲うとともに、下流側が開口したランプ収容部と、
前記ケーシング内における前記ランプ収容部と前記吸込口との間で、前記流路断面の法線に交差して前記吸込口に対向するように設けられた第1遮蔽板と、
を備える空気清浄機。
【請求項2】
前記ケーシング内における前記第1フィルタと前記ファンとの間で、前記紫外線ランプに対向して設けられた第2遮蔽板をさらに備える請求項1に記載の空気清浄機。
【請求項3】
前記ケーシング内における前記ファンよりも上流側に設けられたファン導入部をさらに備え、
前記ファン導入部は、
前記ファンの上流側に向かうように前記ファンの回転軸線に沿って延びて上流側が前記第2遮蔽板によって閉塞された筒状に形成され、内外を貫通する開口部が形成された筒部と、
該筒部内における前記開口部よりも下流側で前記筒部の内周面から全周にわたって突出するように設けられたフランジ部と、
を有する請求項2に記載の空気清浄機。
【請求項4】
前記ケーシング内における前記ファンよりも下流側に設けられて、前記第1フィルタよりも目の細かい第2フィルタを備える請求項1から3のいずれか一項に記載の空気清浄機。
【請求項5】
前記ケーシング内における前記ファンよりも下流側で、前記ファンに対向するように設けられた遮音部をさらに備え、
前記送風口は、前記流路断面の法線に沿って前記遮音部の周囲を囲うように形成されている請求項1から4のいずれか一項に記載の空気清浄機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気清浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、紫外線ランプと、紫外線ランプによって紫外線を照射される触媒装置と、触媒装置の下流側に設けられたファンと、を内部に有する空気清浄機が開示されている。触媒装置は、紫外線が照射されると、光触媒反応によって空気中のにおい物質を分解する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の空気清浄機では、紫外線ランプが空気清浄機の内部を流通する空気に常に晒される。このため、紫外線ランプは、例えば髭剃りやスリッパ等の日用品の殺菌・消毒等に用いられる場合と比較して、空気中の粉塵が付着し易く、メンテナンスを頻繁に行う必要があった。よって、メンテナンス性の向上という点で課題が残されていた。
また、空気清浄機内のファン等の内部部材に紫外線が照射されると、ファンの劣化が促進されてしまう。
さらに、空気清浄機では、ファンに起因する騒音が小さい方が好ましい。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、メンテナンス性を向上することができる空気清浄機を提供することを目的とする。また、ファン等の内部部材の劣化を抑制することができる空気清浄機を提供することを目的とする。さらに、ファンに起因する騒音を低減することができる空気清浄機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明の第一の態様における空気清浄機は、吸込口と送風口との間に流路を形成するケーシングと、前記ケーシング内に設けられて、前記吸込口から前記送風口に向かって空気を送風するファンと、前記ケーシング内で、前記ファンよりも上流側で前記流路の流路断面に沿って設けられた第1フィルタと、前記ケーシング内で、前記第1フィルタよりも上流側に設けられた紫外線ランプと、前記ケーシング内に設けられて、前記紫外線ランプを上流側及び前記流路断面の法線に交差する側方から囲うとともに、下流側が開口したランプ収容部と、前記ケーシング内における前記ランプ収容部と前記吸込口との間で、前記流路断面の法線に交差して前記吸込口に対向するように設けられた第1遮蔽板と、を備える。
【0007】
これにより、紫外線が吸込口からケーシング外に洩れることを抑制できる。さらに、吸込口からケーシング内に導入された空気は、ランプ収容部によって流れを遮られ、紫外線ランプを迂回するように流通する。これにより、空気中に含まれる粉塵が紫外線ランプに付着することを抑制できるので、紫外線ランプのメンテナンス頻度を下げることができる。したがって、メンテナンス性を向上することができる。
また、第1遮蔽板によって、紫外線が吸込口からケーシング外に洩れることをより一層抑制できる。
【0008】
本発明の第二の態様における空気清浄機は、前記ケーシング内における前記第1フィルタと前記ファンとの間で、前記紫外線ランプに対向して設けられた第2遮蔽板をさらに備えてもよい。
【0009】
これにより、紫外線がファンに照射されることを抑制できる。したがって、紫外線によるファンやケーシング内に配置されたその他の内部部材の劣化を抑制することができる。
【0010】
本発明の第三の態様における空気清浄機は、前記ケーシング内における前記ファンよりも上流側に設けられたファン導入部をさらに備え、前記ファン導入部は、前記ファンの上流側に向かうように前記ファンの回転軸線に沿って延びて上流側が前記第2遮蔽板によって閉塞された筒状に形成され、内外を貫通する開口部が形成された筒部と、該筒部内における前記開口部よりも下流側で前記筒部の内周面から全周にわたって突出するように設けられたフランジ部と、を有してもよい。
【0011】
この態様では、ケーシング内の空気は、ファン導入部を挟んで上流側から下流側に流通する際、第2遮蔽板を迂回した後、筒部に形成された開口部を通じて筒部の内部に導入され、筒部の内部ではフランジ部によって絞られるように流通する。これにより、ケーシング内の空気は、ファンに導入される前に流速を均一化されて、ベルマウスに沿った気流が減速される。このため、ファンに起因する騒音を低減することができる。
【0012】
本発明の第四の態様における空気清浄機は、前記ケーシング内における前記ファンよりも下流側に設けられて、前記第1フィルタよりも目の細かい第2フィルタを備えてもよい。
【0013】
第2フィルタは、第1フィルタよりも目が細かいため、第1フィルタよりも粉塵の捕集効率が高く、高価である場合が多い。このため、第2フィルタは、第1フィルタよりも劣化しにくい環境に配置されることが求められる。
この態様では、ファンを挟んで紫外線ランプとは反対側に配置される。これにより、紫外線ランプと第2フィルタとの距離を、紫外線ランプと第1フィルタとの距離よりも長くすることができる。さらに、第2フィルタに向かう紫外線を第2遮蔽板及び、ファンによって遮光することができる。したがって、第2フィルタが紫外線によって劣化することを抑制できる。
【0014】
本発明の第五の態様における空気清浄機は、前記ケーシング内における前記ファンよりも下流側で、前記ファンに対向するように設けられた遮音部をさらに備え、前記送風口は、前記流路断面の法線に沿って前記遮音部の周囲を囲うように形成されていてもよい。
【0015】
これにより、ファンの騒音が送風口からケーシング外に放出される前に、遮音部によってファンの騒音を低減することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の空気清浄機によれば、メンテナンス性を向上することができる。また、ファン等の内部部材の劣化を抑制することができる。さらに、ファンに起因する騒音を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態に係る空気清浄機を前後方向から見た断面図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る空気清浄機を左右方向から見た断面図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るファン導入部及びファン収容部を流通方向で、上流側から見た平面図である。
【
図4】本発明の実施形態に係るファン導入部を左右方向から見た断面図である。
【
図5】本発明の実施形態に係るランプ収容部を左右方向から見た断面図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る第2遮蔽板及びファン導入部によるファンの騒音低減効果について評価した結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(空気清浄機)
以下、本発明の実施形態に係る空気清浄機1について、
図1から
図5を参照して説明する。
図1、
図2に示す空気清浄機1は、周囲の空気を清浄化するために用いられる。空気清浄機1は、オフィスや会議室等に設置される。空気清浄機1は、ケーシング10と、ファン2と、ファン収容部20と、ベルマウス3と、第1フィルタ4と、紫外線ランプ5と、ランプ収容部30と、第1遮蔽板6と、第2遮蔽板7と、ファン導入部40と、第2フィルタ8と、遮音部9と、キャスタ50と、を備える。
【0019】
(ケーシング)
ケーシング10は、内部に空気が流通する流路を形成する。ケーシング10は、金属材料により形成されている。ケーシング10は、ケーシング本体11と、第1区画壁12と、第2区画壁13と、ケーシング底部14と、を備える。
【0020】
ケーシング本体11は、一方向に直線状に延在し、延在方向両側に開口する角筒状に形成されている。ケーシング本体11は、延在方向から見て、長方形枠状に形成されている。本実施形態において、ケーシング本体11の延在方向は、上下方向と一致している。すなわち、ケーシング本体11の中心軸線は、上下方向に沿っている。
【0021】
ケーシング本体11における延在方向両側の2つ開口部のうち、一方の開口部は、ケーシング本体11の内部の空気を外部に排出するための送風口15である。送風口15は、ケーシング10内の流路と外部空間とを連通させる。
ケーシング本体11を構成する4枚の側壁16のうち前方の側壁16は、他の3枚の側壁16に対して開閉可能な扉部として設けられている。
【0022】
第1区画壁12及び第2区画壁13は、ケーシング本体11の内部に設けられている。第1区画壁12と第2区画壁13とは、ケーシング本体11の延在方向に、互いに離間している。第1区画壁12及び第2区画壁13は、ケーシング本体11における延在方向両側の2つ開口部のうち、送風口15として機能する一方の開口部よりも他方の開口部に接近した位置に設けられている。第1区画壁12は、第2区画壁13よりも送風口15から離間した位置に設けられている。第1区画壁12及び第2区画壁13は、平板状に形成されている。第1区画壁12及び第2区画壁13の板厚方向は、ケーシング本体11の延在方向と一致している。ケーシング本体11の延在方向から見て、第1区画壁12及び第2区画壁13の全周は、ケーシング本体11の内周面に接続されている。第1区画壁12及び第2区画壁13は、ケーシング本体11の内部空間をケーシング本体11の延在方向に区画する。ケーシング本体11の延在方向から見て、第1区画壁12の中央部には、第1区画壁12を板厚方向に貫通する開口部17が形成されている。ケーシング本体11の延在方向から見て、第2区画壁13の中央部には、第2区画壁13を板厚方向に貫通する開口部18が形成されている。
【0023】
ケーシング底部14は、ケーシング本体11における延在方向両側の2つの開口部のうち、送風口15として機能しない他方の開口部を閉塞するように設けられている。ケーシング底部14は、長方形板状に形成されている。ケーシング底部14の板厚方向は、ケーシング本体11の延在方向と一致している。ケーシング本体11の延在方向から見て、ケーシング底部14の左右方向両側には、ケーシング底部14を板厚方向に貫通する吸込口19がそれぞれ1つずつ、計2つ形成されている。吸込口19は、ケーシング10内に空気を導入するために形成されている。吸込口19は、ケーシング本体11の延在方向で反対側に形成された送風口15と同様に、ケーシング10内の流路と外部空間と連通させる。すなわち、ケーシング10内の流路は、吸込口19と送風口15との間に形成されている。
本実施形態では、ケーシング10は、送風口15が吸込口19よりも上方に位置するように配置されている。
【0024】
(ファン)
ファン2の回転軸線Oは、ケーシング本体11の中心軸線に沿っている。ファン2は、吸込口19から送風口15に向かって空気を送風する。これにより、空気がケーシング10内をケーシング本体11の延在方向に沿って流通する。
【0025】
以下、ケーシング10内の空気の流通方向のうちケーシング本体11の延在方向に沿う方向を、単に「流通方向」と称する。また、流通方向のうち、吸込口19側を上流側と称し、送風口15側を下流側と称する。また、ケーシング10内に形成された流路の断面であって、流通方向に直交する方向に沿う断面を、流路断面と称する。すなわち、流路断面の法線は、流通方向に沿っている。
【0026】
ファン2は、上流側から導入された空気を流通方向に直交する側方から下流側に送風する遠心ファンである。
図1及び
図2では、ファン2内の流路のみ模式的に示され、羽根等の詳細な構造は省略されている。ファン2は、樹脂材料により形成されている。以下、「流通方向に直交する側方」を、単に「側方」と称する。
ファン2は、ケーシング10内で、第2区画壁13と送風口15との間に設けられている。ファン2は、ファン収容部20を介して、第2区画壁13に取り付けられている。
【0027】
(ファン収容部)
ファン収容部20は、流通方向に延在し、流通方向両側に開口する角筒状に形成されている。ファン収容部20は、流通方向から見て、円形状に近い正多角形状に形成されている(
図3参照)。
図3では、第2区画壁13が省略されている。ファン収容部20の内部には、ファン2が収容される。ファン収容部20は、側方からファン2の周囲を囲っている。
【0028】
側方から見て、ファン収容部20とファン2とは完全に重なる。すなわち、ファン収容部20には、ファン2の全体が収容されている。ファン収容部20の内周面とファン2の側面との間には、空気が流通可能なスペースが形成されている。
【0029】
ファン収容部20の上流側の端部は、第2区画壁13に固定されている。ファン収容部20の中心軸線は、ケーシング本体11の回転軸線Oに沿っている。ファン収容部20は、金属材料により形成されている。ファン収容部20の側面とケーシング本体11の内周面との間には、スペースが形成されているが、ファン収容部20の側面とケーシング本体11と内周面の離間距離は、前後方向から見た場合(
図1参照)の方が、左右方向から見た場合(
図2参照)よりも長い。
【0030】
(ベルマウス)
ベルマウス3は、ファン2に導入される空気を整流する。ベルマウス3は、ファン収容部20の内部で、ファン2と第2区画壁13との間に設けられている。すなわち、ベルマウス3は、ファン収容部20内でファン2よりも上流側に設けられている。ベルマウス3は、金属材料により形成されている。ベルマウス3は、円筒状に形成されている。ベルマウス3の中心軸線は、ファン2の回転軸線Oに沿っている。ベルマウス3は、上流側から下流側に向かうにしたがい先細るテーパ状に形成されている。ベルマウス3の内周面及び外周面は、それぞれベルマウス3の内側かつ上流側に向かって凸となるように滑らかに湾曲している。ベルマウス3の上流側の端部は、第2区画壁13に接続されている。ベルマウス3の内周面は、第2区画壁13の開口部18の全周に連続している(
図4参照)。また、
図3では、ベルマウス3の内周面のうち、最も上流側の端部が破線で示されている。ベルマウス3の下流側の端部は、ファン2の上流側の端部に接続されている。
【0031】
(第1フィルタ)
第1フィルタ4は、メッシュ状に形成されている。第1フィルタ4は、吸込口19からケーシング10内に導入された空気中に含まれる比較粗い粉塵を捕集する。第1フィルタ4は、耐紫外線用の材料で形成されている。第1フィルタ4は、ケーシング10内で、ファン2よりも上流側に設けられている。より具体的には、第1フィルタ4は、第1区画壁12の開口部17に装着され、第2区画壁13と吸込口19との間に設けられている。第1フィルタ4は、流路断面に沿っている。
【0032】
(紫外線ランプ)
図5に示す紫外線ランプ5は、第1フィルタ4に紫外線Bを照射し、第1フィルタ4に捕集された粉塵に付着した細菌等の増加を抑制する。すなわち、紫外線ランプ5は、第1フィルタ4を殺菌・除菌するために用いられる。
図5では、紫外線Bの照射方向が破線の矢印で示されている。
紫外線ランプ5は、ケーシング10内で、第1フィルタ4よりも上流側に設けられている。紫外線ランプ5は、一方向に延びる直線状の電灯である。紫外線ランプ5は、左右方向に沿うように配置されている。
【0033】
(ランプ収容部)
ランプ収容部30は、ケーシング10内で、第1フィルタ4と吸込口19との間に設けられている。ランプ収容部30は、下流側に開口した有底筒状に形成されている。ランプ収容部30の流通方向に沿う断面は、U字状に形成されている。ランプ収容部30の内部には、紫外線ランプ5が収容される。ランプ収容部30は、紫外線ランプ5を上流側及び側方から囲う。ランプ収容部30は、例えば金属材料により形成されている。ランプ収容部30の材料は、紫外線Bを反射可能な材質である。
【0034】
底壁部31は、流路断面に沿って設けられている。すなわち、底壁部31の板厚方向は、流通方向と一致している。底壁部31は、長方形板状に形成されている。底壁部31は、左右方向に延在している。底壁部31は、紫外線ランプ5を上流側から覆っている。
【0035】
側壁部32は、底壁部31の外周縁から下流側に向かって延在する筒状に形成されている。側壁部32は、紫外線ランプ5を側方から覆っている。側方から見て、側壁部32と紫外線ランプ5とは、完全に重なる。すなわち、ランプ収容部30には、紫外線ランプ5の全体が収容されている。
ケーシング10内であって、上述したランプ収容部30の前後には、空気が流通可能なスペースが形成されている。ランプ収容部30の側壁部32とケーシング10の内面との間の離間距離は、例えば50mm以上100mm以下である。
【0036】
(第1遮蔽板)
第1遮蔽板6は、ケーシング10内におけるランプ収容部30と吸込口19との間に設けられている。第1遮蔽板6は、ケーシング本体11を構成する4枚の側壁16のうち左右方向に対向する2枚の側壁16の内面から、それぞれ1枚ずつ左右方向内側に延びるように、計2枚設けられている。第1遮蔽板の板厚方向は、流通方向と一致している。すなわち、第1遮蔽板6は、流通方向に交差している。第1遮蔽板6は、流通方向で吸込口19に対向するように設けられている。
2枚の第1遮蔽板6の左右方向内側の端部は、流通方向でケーシング底部14と、左右方向の長さL1だけ重なる。長さL1は、例えば15mm以上30mm以下である。さらに、各第1遮蔽板6の前縁と後縁とは、流通方向でケーシング底部14と前後方向の長さL2だけ重なる。長さL2は、例えば15mm以上30mm以下である。
【0037】
また、2枚の第1遮蔽板6には、ランプ収容部30の左右方向の両端部がそれぞれ載置された状態で、固定されている。第1遮蔽板6の下流側の表面は、ランプ収容部30の底壁部31の上流側の表面に重ね合わされている。流通方向から見て、第1遮蔽板6の前縁及び後縁は、ランプ収容部30よりも前後方向外側に位置するように設けられている。第1遮蔽板6は、金属材料により形成されている。
ケーシング10内であって、2枚の第1遮蔽板6との間には、空気が流通可能なスペースが形成されている。2枚の第1遮蔽板6の離間距離は、例えば200mm以上300mm以下である。第1遮蔽板6とケーシング10の内面(前面または後面)との間の離間距離は、例えば40mm以上100mm以下である。
【0038】
(第2遮蔽板)
第2遮蔽板7は、ケーシング10内における第1フィルタ4とファン2との間に設けられている。より具体的には、第2遮蔽板7は、第1フィルタ4と第2区画壁13との間に設けられている。第2遮蔽板7の板厚方向は、流通方向と一致している。すなわち、第2遮蔽板7は、流通方向に交差している。第2遮蔽板7は、流通方向で紫外線ランプ5に対向して設けられている。第2遮蔽板7は、金属材料により形成されている。
【0039】
(ファン導入部)
図1、
図4に示すように、ファン導入部40は、ケーシング10内におけるファン2よりも上流側に設けられている。より具体的には、ファン導入部40は、第2区画壁13と第2遮蔽板7との間に設けられている。ファン導入部40は、金属材料により形成されている。ファン導入部40は、筒部41と、フランジ部42と、を有する。
【0040】
筒部41は、ファン2の上流側に向かうようにファン2の回転軸線Oに沿って延びている。筒部41は、流通方向両側に開口する角筒状に形成されている。筒部41は、流通方向から見て、円形状に近い正多角形状に形成されている(
図3参照)。筒部41の上流側の開口部は、第2遮蔽板7によって閉塞されている。筒部41は、ファン収容部20よりも小径に形成されている。このため、筒部41は、流通方向から見て、ファン収容部20の内側に位置する。筒部41の上流側には、内外を貫通する開口部43が形成されている。開口部43は、回転軸線O回りの周方向に並んで複数形成されている。各開口部43は、側方から見て、長方形状に形成されている。
【0041】
フランジ部42は、筒部41内における開口部43よりも下流側に設けられている。フランジ部42は、筒部41の内周面から全周にわたって側方内側に突出するように設けられている。フランジ部42の内周縁は、流通方向から見て、円形状に近い正多角形状に形成されている(
図3参照)。
【0042】
ケーシング10内であって、上述したファン導入部40の外周面とケーシング本体11の内周面との間には、空気が流通可能なスペースが形成されている。
【0043】
(第2フィルタ)
図1に示す第2フィルタ8は、不織布で製作されている。第2フィルタ8は、第1フィルタ4よりも目の細かいHEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタである。第2フィルタ8は、第1フィルタ4で捕集しきれなかった比較的細かい粉塵を捕集する。第2フィルタ8は、ケーシング10内で、ファン2及びファン収容部20よりも下流側に設けられている。第2フィルタ8は、不図示の取付部材を介して、ケーシング本体11の内周面に取り付けられている。第2フィルタ8は、流路断面に沿っている。
【0044】
(遮音部)
遮音部9は、ファン2で生じる騒音を遮断する平板である。遮音部9の板厚方向は、流通方向と一致している。遮音部9は、ケーシング10内におけるファン2よりも下流側に設けられている。遮音部9は、流通方向でファン2に対向するように設けられている。遮音部9は、送風口15によって、全周を側方から囲われている。すなわち、送風口15は、流通方向に沿って遮音部9の周囲を囲っている。
遮音部9の上面には、ファン2のコントローラ等の電装品(不図示)が載置されている。
【0045】
(キャスタ)
キャスタ50は、ケーシング底部14の下面に4つ設けられている。より具体的には、キャスタ50は、左右方向に2つずつ設けられ、各吸込口19の前方と後方に1つずつ配置されている。4つキャスタ50は、上下方向から見て、長方形格子状に配置されている。4つのキャスタ50は、ケーシング10を床面に沿って移動可能に支持している。
【0046】
(作用効果)
続いて、
図1、
図2、
図4、
図5を参照して空気清浄機1内の空気の流れを説明し、空気清浄機1の機能について説明する。空気の流れは、実線の矢印で示されている。
ファン2を稼働させると、ケーシング10内のファン2を挟んで吸込口19側の空気がファン2に吸い込まれ、ファン2に吸い込まれた空気は、ケーシング10内のファン2を挟んで送風口15側に排出される。これにより、ケーシング10内に吸込口19から送風口15に向かう空気の流れが生じる。
【0047】
ケーシング10内に生じた空気の流れにより、左右方向両側の2つ吸込口19を通じてケーシング10の外部から内部に空気が導入される。吸込口19を通過した空気は、第1遮蔽板6を迂回して流通する。空気は、第1遮蔽板6を迂回した後、ランプ収容部30の側壁部32よりも側方外側を下流側に向かって流通する。これにより、空気は、紫外線ランプ5を通過することなく流通する。その後、空気は、第1フィルタ4を通過する。第1フィルタ4は、空気中に含まれる粉塵を捕集する。
【0048】
第1フィルタ4を通過した空気は、第2遮蔽板7を迂回して側方外側に向かって流通する。空気は、第2遮蔽板7を迂回した後、ファン導入部40に導入される。具体的には、空気は、筒部41に形成された開口部43を通じて筒部41の内部に導入される。その後、空気は、筒部41の内部でフランジ部42によって絞られるように流通する。これにより、空気の流速が均一化された空気は、ベルマウス3によって整流された後、ファン2に導入される。ファン2に導入された空気は、ファン2とファン導入部40との間のスペースを通過して、ファン2より下流側に排出される。ファン2から排出された空気は、遮音部9を迂回するように側方外側に向かって流通し、第2フィルタ8と遮音部9と送風口15との間を通じて、ケーシング10外に排出される。
【0049】
このようにして、第1フィルタ4及び第2フィルタ8を通して、除菌・除塵された清浄空気を送風口15から吹出す。これにより、室内の空気が循環し、清浄化される。
【0050】
本実施形態では、ランプ収容部30は、下流側に開口しつつ、紫外線ランプ5を上流側及び側方から囲っている。これにより、下流側の第1フィルタ4に紫外線Bを照射しつつ、紫外線Bが上流側及び側方外側に向けて照射されることを抑制できる。したがって、紫外線ランプ5の機能を妨げることなく、紫外線Bが吸込口19からケーシング10外に洩れることを抑制できる。
【0051】
さらに、吸込口19からケーシング10内に導入された空気は、ランプ収容部30によって流れを遮られ、紫外線ランプ5を迂回するように流通する。これにより、空気中に含まれる粉塵が紫外線ランプ5に付着することを抑制できる。このため、紫外線ランプ5が空気の流れに配置される場合と比較して、紫外線ランプ5に付着した粉塵を除去するための作業の回数を少なくすることができる。すなわち、紫外線ランプ5のメンテナンス頻度を下げることができる。したがって、メンテナンス性を向上することができる。
【0052】
また、紫外線ランプ5に粉塵が付着することを抑制できるので、紫外線ランプ5による紫外線Bの照射強度(照射量)が減少することを抑制できる。このため、紫外線ランプ5による、殺菌・除菌機能が低下することを抑制できる。
【0053】
本実施形態では、第1遮蔽板6が、流路断面の法線方向に交差して(流通方向で)吸込口19に対向するように配置されている。これにより、紫外線ランプ5から放出された紫外線Bが、ケーシング10内で反射される等して吸込口19に向けて放出された場合、第1遮蔽板6によって紫外線Bを遮光することができる。したがって、紫外線Bが吸込口19からケーシング10外に漏れることをより一層抑制できる。
【0054】
また、流通方向から見て、第1遮蔽板6の前縁及び後縁は、ランプ収容部30よりも側方外側に位置するように設けられている。これにより、流通方向から見て、第1遮蔽板6の前縁及び後縁がランプ収容部30よりも側方内側に位置する場合と比較して、ランプ収容部30内から吸込口19に向けて放出された紫外線をより多く遮光することができる。したがって、紫外線がケーシング10外に漏れることをより一層抑制できる。さらに、第1遮蔽板6の下流側の表面は、ランプ収容部30の底壁部31の上流側の表面に重ね合わされている。これにより、第1遮蔽板6がランプ収容部30と流通方向に離間して配置される場合と比較して、空気清浄機1を流通方向に小型化することができる。
【0055】
また、2枚の第1遮蔽板6の左右方向内側の端部は、流通方向でケーシング底部14と、左右方向の長さL1だけ重なる。さらに、各第1遮蔽板6の前縁と後縁とは、流通方向でケーシング底部14と前後方向の長さL2だけ重なる。これにより、紫外線ランプ5からの紫外線Bが、ケーシング10内で反射等して吸込口からケーシング外に漏れることをより一層抑制できる。
【0056】
第1フィルタ4は、メッシュ状に形成されているため、紫外線ランプ5から放出される紫外線を通過させてしまう。
本実施形態では、第2遮蔽板7は、第1フィルタ4とファン2との間で、紫外線ランプ5に対向して設けられている。これにより、第1フィルタ4を通過した紫外線Bが、第2遮蔽板7により遮光される。このため、紫外線Bがファン2に照射されることを抑制できる。したがって、紫外線Bによるファン2や紫外線ランプ5の下流側に配置されたその他の内部部材の劣化を抑制することができる。ファン2のメンテナンス頻度を下げることができる。
【0057】
本実施形態では、ファン導入部40がファン2よりも上流側に設けられている。さらに、ファン導入部40の筒部41の上流側は、第2遮蔽板7に閉塞されている。筒部41の内周面には、フランジ部42が突出するように設けられている。この構成によれば、ケーシング10内の空気は、ファン導入部40を挟んで上流側から下流側に流通する際、第2遮蔽板7を迂回した後、筒部41に形成された開口部43を通じて筒部41の内部に導入され、筒部41の内部ではフランジ部42によって絞られるように流通する。これにより、ケーシング10内の空気は、ファン2に導入される前に流速を均一化されて、ベルマウス3に沿った気流が減速される。このため、ファン2の図示しない羽根に加わる空気抵抗が低減されるので、ファン2に起因する騒音を低減することができる。
【0058】
第2フィルタ8は、HEPAフィルタであり、第1フィルタ4よりも粉塵の捕集効率が高く、高価である。このため、第2フィルタ8は、第1フィルタ4よりも長期間使用とされ、交換回数もできるだけ少ない方が好ましい。よって、第2フィルタ8は、第1フィルタ4よりも劣化しにくい環境に配置されることが求められる。
本実施形態では、第2フィルタ8は、ファン2よりも下流側に設けられている。すなわち、ファン2を挟んで紫外線ランプ5とは反対側に配置される。これにより、紫外線ランプ5と第2フィルタ8との距離を、紫外線ランプ5と第1フィルタ4との距離よりも長くすることができる。さらに、第2フィルタ8に向かう紫外線Bを第2遮蔽板7及びファン2によって遮光することができる。したがって、第2フィルタ8が紫外線Bによって劣化することを抑制できる。よって、第2フィルタ8のメンテナンス頻度を下げることができる。すなわち、メンテナンス頻度を下げることができるので、空気清浄機1の維持費を低減することができる。
【0059】
本実施形態では、遮音部9がファン2よりも下流側で、ファン2に対向するように設けられている。これにより、ファン2の騒音が送風口15からケーシング10外に放出される前に、遮音部9によってファン2の騒音を低減することができる。
さらに、送風口15は、流路断面の法線に沿って(流通方向に沿って)遮音部9の周囲を覆っている。これにより、送風口15からケーシング10外に放出されようとするファン2の騒音を、遮音部9にガイドすることができる。したがって、より一層ファン2の騒音を低減することができる。
【0060】
本実施形態では、ベルマウス3は、ファン収容部20内でファン2よりも上流側に設けられている。これにより、ファン2に導入される前に空気を整流し、ファン2の回転軸線Oに沿うように空気の流れを形成できる。したがって、ファン2によって下流側に空気を効率良く送風することができる。
【0061】
本実施形態では、ケーシング本体11を構成する4枚の側壁16のうち1枚の側壁16は、他の3枚の側壁16に対して開閉可能な扉部として設けられている。これにより、ケーシング10内を開いた状態で空気清浄機1の各構成物のメンテナンスを行うことができる。したがって、メンテナンス性を向上することができる。
【0062】
本実施形態では、ランプ収容部30の側壁部32とケーシング10の内面との間の離間距離は、50mm以上100mm以下である。第1遮蔽板6とケーシング10の内面との間の離間距離は、40mm以上100mm以下である。これにより、吸込口19から第1フィルタ4までの空気が流れるスペースを、十分に確保できる。したがって、空気の圧損の増大を抑制することができる。
【実施例0063】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0064】
第2遮蔽板7及びファン導入部40によるファン2の騒音低減効果を、50Hz以上500Hz以下の周波数帯で評価した。この評価では、ファン2の羽根枚数を5枚とし、ファン2の回転数を1980rpmとした。
図6に、第2遮蔽板7及びファン導入部40によるファン2の騒音低減効果について評価した評価結果について示す。
図6では、横軸を周波数[Hz]とし、縦軸をファン2の騒音の大きさ[dB(A)]としている。
図6では、ファン導入部40のみを備えた場合を破線で示し、第2遮蔽板7及びファン導入部40の両方を備えた場合を実線で示している。
【0065】
図6に示すように、ファン導入部40のみを備えた場合と第2遮蔽板7及びファン導入部40を備えた場合とで、ともに150Hz以上200Hz以下の周波数帯、より具体的には165Hz付近の周波数で、騒音は最大値をとることが確認された。ファン導入部40のみを備えた場合の騒音の最大値は、36.6[dB(A)]である。第2遮蔽板7及びファン導入部40の両方を備えた場合の騒音の最大値は、30.8[dB(A)]である。また、両場合とも、周波数が増加するにつれて、騒音が増加することが確認された。
両場合を比較すると、50Hz以上500Hz以下の周波数帯において、第2遮蔽板7及びファン導入部40を備えた場合の方が、ファン導入部40のみを備えた場合よりも騒音が減少されることが確認された。
【0066】
この評価結果から、ファン2の羽根枚数を5枚とし、ファン2の回転数を1980rpmとした場合、少なくとも50Hz以上500Hz以下の周波数帯において、第2遮蔽板7及びファン導入部40を備えた場合の方が、ファン導入部40のみを備えた場合よりも騒音低減効果が大きくなると推測できる。
【0067】
(その他の実施形態)
以上、本開示の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
なお、上記実施形態では、送風口15が吸込口19よりも上方に位置するように、ケーシング10が配置されているとしたが、これに限るものではなく、送風口15が吸込口19よりも下方に位置するように、ケーシング10が配置されていてもよい。
【0068】
なお、上記実施形態では、ケーシング本体11は、一方向に直線状に延在しているとしたが、これに限るものではなく、例えばケーシング本体11は、湾曲していてもよい。
【0069】
なお、上記実施形態では、ケーシング本体11の延在方向は、上下方向と一致しているとしたが、これに限られるものではなく、例えば、ケーシング本体11の延在方向は、水平面に沿うように配置されていてもよい。この場合、キャスタ50は、ケーシング本体11の外面のうち床面に対向する面に設けられる。
【0070】
なお、上記実施形態では、ケーシング本体11は、延在方向から見て、長方形枠状に形成されているとしたが、これに限られるものではなく、種々の形状に形成可能である。例えば、ケーシング本体11は、延在方向から見て、長方形以外の多角形枠状に形成されてもよい。
【0071】
なお、上記実施形態では、ケーシング本体11は、角筒状に形成されているとしたが、これに限られるものではなく、種々の形状に形成可能である。例えば、ケーシング本体11は、円筒状に形成されてもよい。
【0072】
なお、上記実施形態では、第1フィルタ4は、ファン2を通過した空気中に含まれる粉塵を捕集するために用いられるとしたが、これに限られるものではない。例えば、第1フィルタ4は、空気中に含まれるにおい物質等を捕集するものであってもよい。また、この場合、第1フィルタ4は、紫外線Bを照射されると、光触媒反応によってにおい物質を分解する材料で形成されてもよい。
【0073】
なお、上記実施形態では、ファン2は、上流側から導入された空気を側方から下流側に送風する遠心ファンであるとしたが、これに限られるものではなく、ファン2の種類は、適宜変更可能である。例えば、ファン2は、軸流ファンであってもよい。ただし、ファン2が遠心ファンである場合は、空気の流れを、遮音部9を回避するように形成することができるため、空気清浄機1の空気循環性を向上することができる、という点で優位性がある。
【0074】
なお、上記実施形態では、ファン収容部20には、ファン2の全体が収容されているとしたが、これに限られるものではなく、例えば、ファン2の上流側のみが収容されていてもよい。
【0075】
なお、上記実施形態では、ファン収容部20は、角筒状に形成されているとしたが、これに限られるものではなく、例えば、円筒状に形成されていてもよい。
【0076】
なお、上記実施形態では、紫外線ランプ5は、一方向に延びる直線状の電灯であるとしたが、これに限られるものではない。例えば、紫外線ランプ5は、球体状でもよい。この場合、紫外線ランプ5は、ランプ収容部30に複数個収容されてもよい。
【0077】
また、紫外線ランプ5の配置と個数は、適宜変更可能である。例えば、本実施形態のような一方向に延びる直線状の紫外線ランプ5を、前後方向に並べて複数本配置してもよい。また、例えば球体状のランプ収容部30を、流通方向から見て、一直線状に並べて複数配置してもよく、格子状に複数配置してもよい。紫外線ランプ5の配置、個数を変更することにより、紫外線Bの照射強度(照射量)を適宜調整することができる。
【0078】
なお、上記実施形態では、ケーシング10、ファン収容部20、ベルマウス3、ランプ収容部30、第1遮蔽板6、第2遮蔽板7及びファン導入部40は、金属材料により形成されているとしたが、これに限るものではなく、例えば、耐候性のある樹脂材料等の他の材料により形成されていてもよい。
【0079】
なお、上記実施形態では、ランプ収容部30の材料は、紫外線Bを反射可能な材質であるとしたが、これに限られるものではない。ランプ収容部30の内面のみ、紫外線Bを反射可能に加工されていてもよい。
【0080】
なお、上記実施形態では、ランプ収容部30の流通方向に沿う断面は、U字状に形成されているものでない。ランプ収容部30の形状は、紫外線ランプ5の全体を収容することができればよく、種々の形状に形成可能である。例えば、ランプ収容部30の流通方向に沿う断面は、V字状に形成されていてもよい。
【0081】
なお、上記実施形態では、遮音部9は平板であるとしたが、これに限るものではなく、例えば遮音部9は、ファン2のコントローラ等の電装品を収容するための電装品ボックスであってもよい。この場合、遮音部9の内部に電装品をまとめることができるので、ケーシング10内で電装品の配線が絡まることを抑制できる。
1…空気清浄機 2…ファン 3…ベルマウス 4…第1フィルタ 5…紫外線ランプ 6…第1遮蔽板 7…第2遮蔽板 8…第2フィルタ 9…遮音部 10…ケーシング 11…ケーシング本体 12…第1区画壁 13…第2区画壁 14…ケーシング底部 15…送風口 16…側壁 17…開口部 18…開口部 19…吸込口 20…ファン収容部 30…ランプ収容部 31…底壁部 32…側壁部 40…ファン導入部 41…筒部 42…フランジ部 43…開口部 50…キャスタ B…紫外線 O…回転軸線