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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023034135
(43)【公開日】2023-03-13
(54)【発明の名称】カードケース
(51)【国際特許分類】
   A45C 11/00 20060101AFI20230306BHJP
【FI】
A45C11/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021140227
(22)【出願日】2021-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】594196521
【氏名又は名称】ホクリク総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091373
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 剛
(72)【発明者】
【氏名】野口 律
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045BA05
3B045CE00
3B045CE08
3B045DA33
3B045DA34
3B045FC06
(57)【要約】
【課題】本発明は、従来に無い画期的なカードケースを提供することを目的とする。
【解決手段】カード50を収納するカードケースであって、前記カード50を収納するカード収納空間Sを設けたカード収納部1と、前記カード収納空間Sを閉塞する蓋体2とから成り、前記カード収納部1と前記蓋体2とは一方が他方に対してスライド自在に設けられ、前記カード収納空間S内には前記カード50を載置するカード載置体3が設けられ、また、前記蓋体2には前記カード載置体3の下面に当接する当接部5が設けられ、前記カード収納部1及び前記蓋体2の一方が他方に対してスライド引き出しされる際、前記カード載置体3が前記スライド引き出しに対応して起き動するように構成されたものである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードを収納するカードケースであって、前記カードを収納するカード収納空間を設けたカード収納部と、前記カード収納空間を閉塞する蓋体とから成り、前記カード収納部と前記蓋体とは一方が他方に対してスライド自在に設けられ、前記カード収納空間内には前記カードを載置するカード載置体が設けられ、また、前記蓋体には前記カード載置体の下面に当接する当接部が設けられ、前記カード収納部及び前記蓋体の一方が他方に対してスライド引き出しされる際、前記カード載置体が前記スライド引き出しに対応して起き動するように前記当接部の移動軌跡面が傾斜面となるか、または、前記当接部と当接する前記カード載置体の下面が傾斜面となるか、いずれかに構成されていることを特徴とするカードケース。
【請求項2】
請求項1記載のカードケースにおいて、前記蓋体の左右側端部には左右側板が設けられており、この左右側板夫々の内面に前記当接部5突設されていることを特徴とするカードケース。
【請求項3】
請求項2記載のカードケースにおいて、前記当接部は、前記蓋体の左右側板間に軸部材を架設して構成されていることを特徴とするカードケース。
【請求項4】
請求項2,3いずれか1項に記載のカードケースにおいて、前記カード収納部の左右側端部には左右側面板が設けられ、この左右側面板は前記蓋体の前記左右側板の内面に位置するように設けられ、前記カード収納部の左右側面板には、前記カード収納部及び前記蓋体の一方が他方に対してスライド引き出しされる際、前記当接部の移動をガイドするガイド部が設けられていることを特徴とするカードケース。
【請求項5】
請求項4記載のカードケースにおいて、前記ガイド部は、前記カード収納部の左右側面板に基端部へ向けて上り傾斜する長孔を設けて構成されていることを特徴とするカードケース。
【請求項6】
請求項1~5いずれか1項に記載のカードケースにおいて、前記カード収納部を覆うカバー体を備えたことを特徴とするカードケース。
【請求項7】
請求項1~6いずれか1項に記載のカードケースにおいて、前記蓋体の上部には携帯端末と通信を行う紛失防止タグを収納する紛失防止タグ収納部が設けられていることを特徴とするカードケース。
【請求項8】
請求項7記載のカードケースにおいて、前記紛失防止タグ収納部は、上部開口部を有し前記紛失防止タグを載置収納する収納部と、この収納部の上部開口部に起伏自在に設けられる起伏蓋体とから成り、前記起伏蓋体には孔が設けられ、前記蓋体を閉塞させた場合に前記孔から前記紛失防止タグの一部が露出した状態で挟持保持されるように構成されていることを特徴とするカードケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カードケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、カードを収納するカードケースとして、例えば特許第6522024号に開示されるカードケース(以下、「従来例」という。)が提案されている。
【0003】
この従来例は、複数枚のカードを積層状態で収納する上部開口部を有する内ケースと、この内ケースを引き出し可能に収納する正面開口部を有する外ケースとからなり、更に、内ケースの底部にはカードの先端側を上方へ押し上げる付勢体が設けられている。
【0004】
従って、カードを収納した状態の内ケースを外ケースの正面開口部から引き出した際、付勢体により押し上げられているカードの先端側が内ケースの上部開口部から飛び出した状態となる為、カードが取り出し易くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6522024号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来例は、カードを収納した状態の内ケースを外ケース内に収納した場合、付勢体に押し上げられた最上段のカードは外ケース体の内面に圧接するが、この状態で内ケースを引き出したり収納したりすると、外ケース体の内面に最上段のカードが擦れて傷ついてしまい、しかも、このカードが擦れる操作感に違和感を感じるという問題点がある。
【0007】
本発明は、前述した問題点について鑑みてなされたものであり、従来に無い画期的なカードケースを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0009】
カード50を収納するカードケースであって、前記カード50を収納するカード収納空間Sを設けたカード収納部1と、前記カード収納空間Sを閉塞する蓋体2とから成り、前記カード収納部1と前記蓋体2とは一方が他方に対してスライド自在に設けられ、前記カード収納空間S内には前記カード50を載置するカード載置体3が設けられ、また、前記蓋体2には前記カード載置体3の下面に当接する当接部5が設けられ、前記カード収納部1及び前記蓋体2の一方が他方に対してスライド引き出しされる際、前記カード載置体3が前記スライド引き出しに対応して起き動するように前記当接部5の移動軌跡面Xが傾斜面となるか、または、前記当接部5と当接する前記カード載置体3の下面3bが傾斜面となるか、いずれかに構成されていることを特徴とするカードケースに係るものである。
【0010】
また、請求項1記載のカードケースにおいて、前記蓋体2の左右側端部には左右側板2aが設けられており、この左右側板2a夫々の内面に前記当接部5が突設されていることを特徴とするカードケースに係るものである。
【0011】
また、請求項2記載のカードケースにおいて、前記当接部5は、前記蓋体2の左右側板2a間に軸部材5’を架設して構成されていることを特徴とするカードケースに係るものである。
【0012】
また、請求項2,3いずれか1項に記載のカードケースにおいて、前記カード収納部1の左右側端部には左右側面板1aが設けられ、この左右側面板1aは前記蓋体2の前記左右側板2aの内面に位置するように設けられ、前記カード収納部1の左右側面板1aには、前記カード収納部1及び前記蓋体2の一方が他方に対してスライド引き出しされる際、前記当接部5の移動をガイドするガイド部6が設けられていることを特徴とするカードケースに係るものである。
【0013】
また、請求項4記載のカードケースにおいて、前記ガイド部6は、前記カード収納部1の左右側面板1aに基端部へ向けて上り傾斜する長孔を設けて構成されていることを特徴とするカードケースに係るものである。
【0014】
また、請求項1~5いずれか1項に記載のカードケースにおいて、前記カード収納部1を覆うカバー体4を備えたことを特徴とするカードケースに係るものである。
【0015】
また、請求項1~6いずれか1項に記載のカードケースにおいて、前記蓋体2の上部には携帯端末と通信を行う紛失防止タグ51を収納する紛失防止タグ収納部7が設けられていることを特徴とするカードケースに係るものである。
【0016】
また、請求項7記載のカードケースにおいて、前記紛失防止タグ収納部7は、上部開口部を有し前記紛失防止タグ51を載置収納する収納部7’と、この収納部7’の上部開口部に起伏自在に設けられる起伏蓋体7”とから成り、前記起伏蓋体7”には孔7aが設けられ、前記蓋体7”を閉塞させた場合に前記孔7aから前記紛失防止タグ51の一部が露出した状態で挟持保持されるように構成されていることを特徴とするカードケースに係るものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明は上述のように構成したから、収納したカードが取り出し易く、また、前述した従来例と異なり、カードを破損させてしまうことがなく、しかも、操作性が良いなど、従来にない非常に実用的なカードケースとなる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施例の使用状態説明図である。
図2】本実施例の使用状態説明図である。
図3】本実施例を示す分解斜視図である。
図4】本実施例の要部を説明する分解斜視図である。
図5】本実施例の要部を説明する側断面図である。
図6】本実施例の要部を説明する平断面図である。
図7】本実施例の要部を説明する断面図である。
図8】本実施例の要部の動作説明図である。
図9】本実施例の要部の動作説明図である。
図10】本実施例の要部の動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0020】
例えば、カード収納空間Sにカード50が収納されたカード収納部1及び蓋体2の一方が他方に対してスライド引き出しされると、カード収納空間S内に設けられたカード載置体3がスライド引き出しに対応して起き動し、このカード収納空間Sに収納したカード50が取り易い状態となる。
【0021】
ところで、本発明は、カード載置体3が起き動する構造として、蓋体2にはカード載置体3の下面に当接する当接部5が設けられ、カード収納部1及び蓋体2の一方が他方に対してスライド引き出しされる際、カード載置体3がスライド引き出しに対応して起き動するように当接部5の移動軌跡面Xが傾斜面となるか、または、当接部5と当接するカード載置体3の下面3bが傾斜面となるか、いずれかに構成されている。
【0022】
従って、前述した従来例と異なり、カード載置体3に載置したカード50が蓋体2の内面などに擦れることがないから、カード50が破損することがなく、しかも、操作性が良い。
【実施例0023】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0024】
本実施例は、図1,2に図示したようにカード50を収納するカードケースであって、カード50を収納するカード収納空間Sを設けたカード収納部1と、カード収納空間Sを閉塞する蓋体2とから成り、カード収納部1と蓋体2とは一方が他方に対してスライド自在に設けられ、カード収納空間S内にはカード50を載置するカード載置体3が設けられ、また、蓋体2にはカード載置体3の下面に当接する当接部5が設けられ、カード収納部1及び蓋体2の一方が他方に対してスライド引き出しされる際、カード載置体3がスライド引き出しに対応して起き動するように当接部5の移動軌跡面Xが傾斜面となるか、または、当接部5と当接するカード載置体3の下面3bが傾斜面となるか、いずれかに構成されたものである。
【0025】
尚、本実施例は、収納するカード50としてICチップを備えたクレジットカード(方形板状の合成樹脂製カード)を対象としているが、その他のカード(紙製の名刺など)でも良い。
【0026】
以下、本実施例に係る構成各部について詳細な説明をする。
【0027】
カード収納部1は、図2~6に図示したように適宜な金属製の部材で形成された平面視方形状の薄型容体であり、底面板1b,正面板1c及び左右側面板1aとから成り、上面及び背面が開口するカード収納空間Sを有するように構成されている。
【0028】
また、カード収納部1(カード収納空間S)の内部には、カード50を載置するカード載置体3が設けられている。
【0029】
このカード載置体3は、図2~6に図示したように適宜な金属製の部材で形成された肉抜き孔を有する方形板状体であり、その基端部がカード収納部1の底面板1bの基端縁部に設けられる枢着軸8を介して起伏自在に設けられており、その上面3aがカード50を載置する載置面として構成されている。尚、本実施例では、4枚のカード50を積層状態で収納するようにカード収納部1の深さ及びカード載置体3の厚さが設定されている。
【0030】
また、カード載置体3は、後述する蓋体2でカード収納空間Sを閉塞した状態において下面3bが当接部5で支承され、この際、その上面3a及び下面3bが水平状態(カード収納部1の底面板1bと平行状態)となるように構成されている(図6参照)。尚、図6中の実線Yはカード載置体3の下面3bの面方向を示すものである。
【0031】
また、カード収納部1の左右側面板1aには、当接部5の移動をガイドするガイド部6が設けられている。
【0032】
このガイド部6は、左右側面板1aの前端部から基端部にかけて長さを有する長孔(スリット)を設けて構成されており、基端側程高くなる(底面板1bから離れる)上り傾斜状態に設けられている(図5参照)。
【0033】
即ち、カード載置体3の下面3bは、この上り傾斜状態のガイド部6にガイドされて移動する当接部5の移動軌跡面Xに対して傾斜状態の関係に設けられた構成である(図7参照)。尚、後述するように当接部5は蓋体2の左右側板2a間に軸部材5’を架設して構成される為、この当接部5の移動軌跡面Xは一枚の面状となるが、左右側板2a夫々から突出する部位を設けて左右一対の当接部5として構成される場合、当接部5の移動軌跡面Xは左右一対の帯状となる。
【0034】
従って、カード収納部1及び蓋体2の一方が他方に対してスライド引き出しされる際、カード載置体3がスライド引き出しに対応して起き動することになる(図8~10参照)。
【0035】
本実施例では、前述したようにカード載置体3が引き出しに対応して起き動することを奏する構造(カード載置体3の下面3b(面方向Y)に対して当接部5の移動軌跡面Xが傾斜状態となる構造)として、蓋体2でカード収納空間Sを閉塞した際における当接部5で支承されるカード載置体3の下面3bが水平状態(カード収納部1の底面板1bと平行状態)となるように設け、一方、当接部5をガイドするガイド部6を基端側程高くなる(底面板1bから離れる)上り傾斜状態に設けることで構成しているが、これに限られるものではない。
【0036】
即ち、ガイド部6をカード収納部1の底面板1bと平行状態に設けて当接部5の移動軌跡面Xがカード収納部1の底面板1bと平行となる構造とし、一方、カード載置体3の下面3bがこの当接部5の移動軌跡面Xと傾斜状態となる構造、例えば、蓋体2でカード収納空間Sを閉塞した際における当接部5で支承されるカード載置体3の下面3bが水平状態(カード収納部1の底面板1bと平行状態)でなく、基端側が低くなる下り傾斜状態となる配置とする構造にしたり、カード載置体3を基端側程肉厚となる形状として下面3bが傾斜面となる構造にするなど適宜設計し得るものである。
【0037】
また、本実施例は、カード収納部1を収納するカバー体4が設けられている。
【0038】
このカバー体4は、図1~6に図示したように適宜な金属製の部材で形成された平面視方形状の薄型容体であり、底面板4b,正面板4c,左右側面板4a及び背面板4dとから成り、カード収納部1を下方から覆うように配して溶接されている。
【0039】
また、外容体4の背面板4dには、その左右部位に後述する蓋体2の左右側板2aをスライド自在に支承するスリット4d’が設けられており、このカバー体4もカード収納部1の一部としての機能や、その他保護部材や化粧部材などの機能も奏する。
【0040】
蓋体2は、図2~6に図示したように適宜な金属製の部材で形成された方形板状体であり、この蓋体2の左右側端部には左右側板2aが垂設され、基端側端部には背板2bが垂設されており、正面及び下面が開口するように構成されている。
【0041】
また、蓋体2は、カード収納部1の上部から重ね合わせて配した状態において、カード収納部1の左右側面板1aの外面に左右側板2aが位置する(重合隣接)する状態となり、外容体4の背面板4dに背板2bが隣接状態となるように構成されている。
【0042】
また、この蓋体2の左右側板2a夫々のスライド方向先端部の内面にはガイド部6にガイドされる当接部5が突設されている。
【0043】
具体的には、この当接部5は蓋体2の左右側板2a間に軸部材5’を架設して構成されており、カード収納部1の左右側面板1aに蓋体2の左右側板2aを隣接させた状態で軸部材5’を貫通させて架設して構成され、この際、当接部5がカード載置体3の下面3bを支承するように設けている。
【0044】
従って、蓋体2をカード収納部1に対してスライド引き出した際、ガイド部6にガイドされて移動する当接部5がカード載置体3の下面3bを摺動し、このスライド引き出しに対応してカード載置体3が起き動することになり、反対に、蓋体2をカード収納部1に対してスライド収納した際、このスライド収納に対応してカード載置体3が伏し動することになる。
【0045】
また、本実施例では、蓋体2の上部には携帯端末50と通信を行う紛失防止タグ51を収納する紛失防止タグ収納部7が設けられている。尚、本実施例では、紛失防止タグ51としてアップルインコーポレイテッド社製の「エアタグ(登録商標)」を採用している。
【0046】
この紛失防止タグ収納部7は、図1,2,3,5,8に図示したように上部開口部を有し紛失防止タグ51を載置収納する収納部7’と、この収納部7’の上部開口部に起伏自在に設けられる起伏蓋体7”とで構成されている。
【0047】
この収納部7’には、紛失防止タグ51を起伏蓋体7”と安定的に挟持保持するための合成樹脂製のクッション材9が設けられ、このクッション材9の中央には載置した紛失防止タグ51を位置決めする凹部9aが設けられている。
【0048】
また、蓋体7”の中央には孔7aが設けられ、蓋体7”を閉塞させた場合に孔7aから紛失防止タグ51の一部が露出した状態で挟持保持されるように構成されている。
【0049】
具体的には、紛失防止タグ51は、平面視円形状の本体部51aの上面に膨出部51bが設けられた形状であり、この膨出部51bに蓋体7”の孔7aが被篏して本体部51aの上面を押さえ付けるように蓋体7”は構成されている。
【0050】
符号7bは収納部7’の前端部に圧接係止し起伏蓋体7”の閉塞状態を保持する係止部である。
【0051】
本実施例は上述のように構成したから、例えば、カード収納空間Sにカード50が収納されたカード収納部1に対して蓋体2をスライド引き出し操作すると、カード収納空間S内に設けられたカード載置体3がスライド引き出しに対応して起き動し、このカード収納空間Sに収納したカード50が取り易い状態となる。
【0052】
また、カード収納部1に対して蓋体2をスライド収納操作すると、カード載置体3はスライド収納に対応して伏し動し、カード収納空間Sが蓋体2で閉塞された状態となる。
【0053】
本実施例は、カード載置体3が起き動する構造として、蓋体2にはカード載置体3の下面に当接する当接部5が設けられ、当接部5と当接するカード載置体3の下面3bは、カード収納部1及び蓋体2の一方が他方に対してスライド引き出しされる際、カード載置体3がスライド引き出しに対応して起き動するように当接部5の移動軌跡面Xに対して傾斜状態に設けられている。
【0054】
よって、本実施例によれば、前述した従来例と異なり、カード載置体3に載置したカード50が蓋体2の内面などに擦れることがないから、カード50が破損することがなく、しかも、操作性が良い。
【0055】
また、本実施例は、蓋体2の左右側端部には左右側板2aが設けられており、この左右側板2a夫々の内面に当接部5が突設され、この当接部5は、蓋体2の左右側板2a間に軸部材5’を架設して構成されているから、前述した作用効果を簡易構造で確実に奏することができる。
【0056】
また、本実施例は、カード収納部1の左右側端部には左右側面板1aが設けられ、この左右側面板1aは前記蓋体2の前記左右側板2aの内面に位置するように設けられ、前記カード収納部1の左右側面板1aには、前記カード収納部1及び前記蓋体2の一方が他方に対してスライド引き出しされる際、前記当接部5の移動をガイドするガイド部6が設けられているから、この点においても前述した作用効果を簡易構造で確実に奏することができる。
【0057】
また、本実施例は、ガイド部6は、カード収納部1の左右側面板1aに基端部へ向けて上り傾斜する長孔を設けて構成されているから、前述した作用効果を簡易構造で確実に奏することができる。
【0058】
また、本実施例は、蓋体2の上部には携帯端末と通信を行う紛失防止タグ51を収納する紛失防止タグ収納部7が設けられているから、万一の紛失時にも対応することができる。
【0059】
また、本実施例は、紛失防止タグ収納部7は、上部開口部を有し紛失防止タグ51を載置収納する収納部7’と、この収納部7’の上部開口部に起伏自在に設けられる起伏蓋体7”とから成り、起伏蓋体7”には孔7aが設けられ、蓋体7”を閉塞させた場合に孔7aから紛失防止タグ51の一部が露出した状態で挟持保持されるように構成されているから、紛失防止タグ51の機能を簡易且つ確実に備えることができる。
【0060】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0061】
S カード収納空間
X 移動軌跡面
1 カード収納部
1a 左右側面板
2 蓋体
2a 左右側板
3 カード載置体
3b 下面
4 カバー体
5 当接部
5’ 軸部材
6 ガイド部
7 紛失防止タグ収納部
7’ 収納部
7” 起伏蓋体
7a 孔
50 カード
51 紛失防止タグ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10