(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023034234
(43)【公開日】2023-03-13
(54)【発明の名称】送受信装置及びアンテナ装置
(51)【国際特許分類】
H01Q 21/20 20060101AFI20230306BHJP
H04B 7/06 20060101ALI20230306BHJP
H01Q 19/30 20060101ALI20230306BHJP
H01Q 1/50 20060101ALI20230306BHJP
H01Q 15/14 20060101ALI20230306BHJP
H01Q 13/08 20060101ALI20230306BHJP
H01Q 21/28 20060101ALI20230306BHJP
【FI】
H01Q21/20
H04B7/06 020
H01Q19/30
H01Q1/50
H01Q15/14 Z
H01Q13/08
H01Q21/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021140374
(22)【出願日】2021-08-30
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(71)【出願人】
【識別番号】504182255
【氏名又は名称】国立大学法人横浜国立大学
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100169797
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 浩幸
(72)【発明者】
【氏名】井上 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】新井 宏之
【テーマコード(参考)】
5J020
5J021
5J045
5J046
【Fターム(参考)】
5J020AA03
5J020BC09
5J020CA04
5J021AA10
5J021AB05
5J021AB06
5J021DB05
5J021HA05
5J021JA05
5J045DA03
5J045DA10
5J046AA04
5J046AB08
5J046AB13
5J046TA01
(57)【要約】
【課題】回路規模を抑えながら広いエリアにおいて高利得での無線通信を実現できる送受信装置及びアンテナ装置を提供する。
【解決手段】送受信装置は、送受信回路と、指向性アンテナ素子110を複数有するアンテナ部100と、送受信回路とアンテナ部100との間に設けられるスイッチング回路とを備える。指向性アンテナ素子110は、周状または放射状に配置される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送受信回路と、
指向性アンテナ素子を複数有するアンテナ部と、
前記送受信回路と前記アンテナ部との間に設けられるスイッチング回路と
を備え、
前記指向性アンテナ素子は、周状または放射状に配置される送受信装置。
【請求項2】
前記指向性アンテナ素子は、反射器、放射器及び導波器から成る八木・宇田アンテナによって構成され、
前記アンテナ部は、前記指向性アンテナ素子の導波器を外側に向けて放射状に複数配置することによって構成される請求項1記載の送受信装置。
【請求項3】
前記アンテナ部は、水平偏波用の前記指向性アンテナ素子と、垂直偏波用の前記指向性アンテナ素子とが隣接して配置される請求項2に記載の送受信装置。
【請求項4】
前記指向性アンテナ素子は、マイクロストリップアレーアンテナ、スロットアレーアンテナ、或いは前記マイクロストリップアレーアンテナ及び前記スロットアレーアンテナの組み合わせによって構成され、
前記アンテナ部は、前記指向性アンテナ素子を周状に複数配置することによって構成される請求項1記載の送受信装置。
【請求項5】
前記アンテナ部には、人工磁気導体を用いた基板が設けられる含む請求項1乃至3の何れか一項に記載送受信装置。
【請求項6】
指向性アンテナ素子を複数有するアンテナ装置であって、
前記アンテナ装置は、スイッチング回路を介して送受信回路と接続され、
前記指向性アンテナ素子は、周状または放射状に配置されるアンテナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指向性アンテナ素子を複数有するアンテナ部を含む送受信装置及びアンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
モバイル通信の急激なトラヒック増加を背景に、広いエリアを対象としてアンテナの切り替えを行う基地局の構成が提案されている。
【0003】
例えば、非特許文献1では、円筒状反射器の周りに偏波共用の無指向性アンテナ素子を6本均等に配置し、隣り合う素子との間にエリアを区切る平面反射板を配置することによって、動的なエリア変更に用いられるアンテナが提案されている。
【0004】
また、特許文献1では、バトラーマトリックスを用いて複数のビームを高速に切替えることができる送受信装置が提案されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】木村他、“動的なエリア変更に適した偏波共用アンテナ”、信学技報、AP2015-179, pp.65-70、2016年1月
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
3rd Generation Partnership Project(3GPP)によって仕様化された5th generation mobile communication system(5G、New Radio(NR))、また、今後の無線通信システム、例えば、Beyond 5G、5G Evolution或いは6Gでは、ミリ波、テラヘルツ波などの高い周波数帯を利用したMIMO(Multiple Input Multiple Output)による高速大容量通信を広いエリアにおいて実現することが課題となる。
【0008】
特に、高い周波数帯では、伝搬損失が大きくなるため、当該伝搬損失を補償する高利得なアンテナ及び送受信装置が必要となる。指向性による高利得を実現するためには、アンテナの開口を大きくする必要があるため、アレーアンテナの規模が大きくなり一般にMassive-MIMOと呼ばれるような構成(例えば、64系統以上)が必要である。
【0009】
従来の技術では、広いエリアにおいて指向性による高利得でのMIMO無線通信を実現するためには、エリアをカバーするように複数配置したアレーアンテナをそれぞれ送受信回路に接続するか、アレーアンテナをバトラーマトリックスなどの回路と組み合わせて送受信回路に接続する構成となり、多数の送受信系統を用意し、当該送受信系統を制御する必要がある。
【0010】
或いは、送受信回路をエリア毎に分ける場合、エリアを反射板などによって区切り、それぞれの送受信系統を用意し、当該送受信系統を制御する必要がある。
【0011】
このためアンテナ及び信号処理の回路構成が大規模化し、設置面積や消費電力増大などが課題となる。
【0012】
そこで、以下の開示は、このような状況に鑑みてなされたものであり、回路規模を抑えながら広いエリアにおいて高利得での無線通信を実現できる送受信装置及びアンテナ装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本開示の一態様は、送受信回路(送信回路20, 受信回路30)と、指向性アンテナ素子(例えば、指向性アンテナ素子110)を複数有するアンテナ部(例えば、アンテナ部100)と、前記送受信回路と前記アンテナ部との間に設けられるスイッチング回路(高速スイッチング回路50)とを備え、前記指向性アンテナ素子は、周状または放射状に配置される送受信装置(送受信装置10)である。
【0014】
本開示の一態様は、指向性アンテナ素子を複数有するアンテナ装置であって、前記アンテナ装置は、スイッチング回路を介して送受信回路と接続され、前記指向性アンテナ素子は、周状または放射状に配置されるアンテナ装置である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、送受信装置10のブロック構成の例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施例1に係るアンテナ部100の平面図(上面図)である。
【
図3】
図3は、実施例1に係るアンテナ部100の側面図である。
【
図4】
図4は、実施例1に係る指向性アンテナ素子110の構成例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施例1に係る指向性アンテナ素子110のSパラメータの例を示す図である。
【
図6A】
図6Aは、実施例1に係る指向性アンテナ素子110の指向性(E面指向性)の例を示す図である。
【
図6B】
図6Bは、実施例1に係る指向性アンテナ素子110の指向性(H面指向性)の例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施例2に係るアンテナ部100Aの側面図である。
【
図8】
図8は、実施例2に係る指向性アンテナ素子110のSパラメータの例を示す図である。
【
図9】
図9は、実施例2に係る指向性アンテナ素子110の指向性(H面指向性)の例を示す図である。
【
図10】
図10は、アンテナ部100Aの距離hと利得との関係を示す図である。
【
図11】
図11は、実施例3に係るアンテナ部100Bの平面図である。
【
図12】
図12は、実施例3に係るアンテナ部100Bの側面図である。
【
図13】
図13は、実施例3に係る指向性アンテナ素子110A及び指向性アンテナ素子110BのSパラメータの例を示す図である。
【
図14A】
図14Aは、実施例3に係る指向性アンテナ素子110A及び指向性アンテナ素子110Bの指向性(E面指向性)の例を示す図である。
【
図14B】
図14Bは、実施例3に係る指向性アンテナ素子110A及び指向性アンテナ素子110Bの指向性(H面指向性)の例を示す図である。
【
図15】
図15は、実施例4に係るアンテナ部100Cの側面図である。
【
図16】
図16は、実施例4に係る指向性アンテナ素子110CのSパラメータの例を示す図である。
【
図17A】
図17Aは、実施例4に係る指向性アンテナ素子110Cの指向性の例(E面指向性)を示す図である。
【
図17B】
図17Bは、実施例4に係る指向性アンテナ素子110Cの指向性(H面指向性)の例を示す図である。
【
図18】
図18は、実施例5に係るアンテナ部100Dの平面(上面)図及び側面図である。
【
図19】
図19は、実施例6に係るアンテナ部100Eの平面(上面)図及び側面図である。
【
図20】
図20は、実施例7に係るアンテナ部100Fの平面図である。
【
図21】
図21は、送信回路20及び受信回路30のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。なお、同一の機能や構成には、同一または類似の符号を付して、その説明を適宜省略する。
【0017】
(1)送受信装置の全体概略構成
図1は、送受信装置10のブロック構成の例を示す。
図1に示すように、送受信装置10は、送信回路20、受信回路30、送受切替スイッチ40、高速スイッチング回路50、同期制御部60、ビーム制御部70及びアンテナ部100を備える。
【0018】
送信回路20は、送信データ生成部及び参照信号生成部を備え、プリコーダ、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)、GI(Guard Interval)付加、D/A変換、電力増幅(PA)の機能を有する。受信回路30は、低雑音増幅(LNA)、A/D変換、GI付加、FFT(Fast Fourier Transform)、デコーダの機能を有し、参照信号処理部及びデータ処理部を備える。
【0019】
送信回路20と受信回路30とを合わせて送受信回路と呼ばれてよい。本実施形態では、送受信装置10は、時分割復信(TDD)の利用を想定する。
【0020】
送受切替スイッチ40は、TDDに従った上り信号と下り信号とのタイミングに合わせて送信回路20と受信回路30とを切り替える。
【0021】
なお、送受切替スイッチ40は、スイッチではなく、サーキュレータを用いることによって実現されてもよい。また、FDDの場合、周波数共用器などが用いられてもよい。
【0022】
高速スイッチング回路50は、送受信回路とアンテナ部100との間に設けられる。高速スイッチング回路50(単に、スイッチング回路と呼ばれてもよい)は、送信回路20または受信回路30側のL個の入出力ポートと、アンテナ部100側のN個の入出力ポートを有し、入出力ポート間の高速なスイッチングを提供する。
【0023】
L個の入出力ポートのそれぞれには、送信回路20または受信回路30から入出力されるL個の送受信信号が送受切替スイッチ40を介して入出力される。
【0024】
高速スイッチング回路50は、ビーム制御部70による制御に基づいて、アンテナ部100に接続されたN個の入出力ポートの中から、L個の入出力ポートを選択する。選択されたL個の入出力ポートを介して送信回路20または受信回路30と、指向性アンテナ素子110の給電部117(
図1において不図示、
図2など参照)とが接続され、信号を送受信できる。
【0025】
同期制御部60は、ビーム制御部70に対し、送受信回路側の#1のポートをN個の入出力ポートのそれぞれを高速スイッチング回路50によって時分割でスイープして選択するように制御する。また、同期制御部60は、送信回路20の参照信号生成部に対して、それぞれのスイープタイミングで異なる参照信号を生成するように制御する。
【0026】
ビーム制御部70は、アンテナ部100から送信されるビーム(アンテナビーム)を制御する。具体的には、ビーム制御部70は、アンテナ部100に接続されているN個の入出力ポートの中からL個の入出力ポートを選択するように高速スイッチング回路50を制御できる。
【0027】
アンテナ部100は、指向性アンテナ素子110を複数有する。具体的には、アンテナ部100は、#1~#Nの指向性アンテナ素子110を有する。なお、Nの値は、特に限定されないが、以下の実施例では、12以下が想定されている。
【0028】
なお、アンテナ部100は、アンテナ装置単体として、高速スイッチング回路50などと分離できてもよい。アンテナ装置は、高速スイッチング回路50(及び送受切替スイッチ40)を介して送受信回路と接続されてよい。
【0029】
以下の実施例で示すように、指向性アンテナ素子は、周状または放射状に配置されてよい。周状とは、複数の指向性アンテナ素子が所定の領域を囲むように配置されることを意味してよい。この場合、複数の指向性アンテナ素子によって形成される平面形状は、例えば、三角形でもよいし、多角形でもよい。また、外周の一部には、指向性アンテナ素子が設けられていない領域があっても構わない。
【0030】
放射状とは、複数の指向性アンテナ素子が、中心点から半径方向外側に向かって配置され、当該複数の指向性アンテナ素子の少なくとも一部の方向が互いに異なっていることを意味してよい。複数の指向性アンテナ素子は、全方位(360度の範囲)をカバーするように配置されてもよいし、一部の方位(例えば、180度の範囲)をカバーするように配置されてもよい。
【0031】
なお、アンテナ部の具体的な構成については、以下の実施例において説明する。
【0032】
(2)送受信装置10による接続手順
ここでは、理解を容易にするため、送受信装置10が基地局、送受信装置10と通信する相手が移動局(端末)である場合を例とした接続手順について説明する。勿論、このような構成に限定されず、送受信装置10が移動局であり、送受信装置10と通信する相手が基地局であってもよいし、両方が移動局であってもよい。
【0033】
無線通信の初期状態では、送受信装置10(基地局)の同期制御部60は、ビーム制御部70に対し、送受信回路側の#1のポートをN個の入出力ポートのそれぞれを高速スイッチング回路50によって時分割でスイープして選択するように制御する。
【0034】
このスイッチングのタイミングと同期して同期制御部60は、送信回路20の参照信号生成部を、それぞれのスイープタイミングで異なる参照信号を生成するように制御する。
【0035】
移動局は、受信回路30の参照信号処理部においてN個全ての参照信号の受信品質を測定し、受信品質が良好な上位L個のビームのインデックスを送受信装置10(基地局)にフィードバックする。
【0036】
送受信装置10(基地局)は、アンテナ部100に接続されたN個の入出力ポートの中から、ビーム制御部70によって指定されたL個の入出力ポートを選択し、選択された入出力ポートに対応する指向性アンテナ素子110の給電部117(
図2など参照)と信号を送受信する。
【0037】
送受信装置10は、移動局の移動に合わせて、このようなスイープ処理を行い、無線通信に用いるアンテナ部100側の入出力ポートを随時アップデートする。
【0038】
参照信号(RS、パイロット信号などと呼ばれてもよい)には、同期の情報が含まれており、基地局と移動局とでは、同期制御部60が参照信号に合わせて同期を確立し、基地局は、該当する移動局と通信するタイミングにおいて移動局からのフィードバックされたL個のビームを用いて信号を送受信する。
【0039】
ここでは、TDDに従ってスイープする例について説明したが、符号分割多元接続(CDMA)に従ってコードによって分割し、スイープしてもよいし、周波数分割多元接続(FDMA)に従って周波数を分割し、スイープしてもよい。また、同時に複数のポートから異なるコードまたは周波数を用いた参照信号を送信してスイープすることもできる。
【0040】
アンテナ部100は、例えば、屋内の部屋の天井に設置することができる。従来のアンテナでは、部屋全体をカバーするために、例えば、N x N系統必要であった回路規模を、N系統に抑えながら、アンテナ部100を設置した全周のエリアにおいて、14dBi以上の高利得でのMIMOによる無線通信を実現できる。
【0041】
(3)アンテナ部の実施例
次に、アンテナ部(導体板などの基板を含む)の実施例について説明する。具体的には、実施例1~7について説明する。アンテナ部は、屋内に設置されること、特に、天井に設置されることを想定する。但し、アンテナ部の設置場所は、必ずしも天井でなくてもよく、また屋内でなくてもよい。
【0042】
(3.1)実施例1
図2は、実施例1に係るアンテナ部100の平面図(上面図)である。
図3は、実施例1に係るアンテナ部100の側面図である。なお、
図2では、指向性アンテナ素子110の点線での図示を省略する(以下同)。
【0043】
図2及び
図3に示すように、アンテナ部100は、放射状に配置された複数の指向性アンテナ素子110を含み、指向性アンテナ素子110の上方(天井設置時)には、導体板120が設けられる。なお、導体板120は、必ずしも設けられていなくてもよい。
【0044】
アンテナ部100は、N個の指向性アンテナ素子110によって構成されてよい。それぞれの指向性アンテナ素子110は、主に水平偏波の電波を送受信する素子であり、放射状にN個(図の例では8個)配置される。
【0045】
図4は、実施例1に係る指向性アンテナ素子110の構成例を示す。
図4に示すように、本実施例では、指向性アンテナ素子110は、反射器111、放射器113、及び導波器115から成る八木・宇田アンテナによって構成される。なお、放射器は、輻射器または投射器などと呼ばれてもよく、放射器113には、給電部117が設けられる。また、八木・宇田アンテナではない別の指向性アンテナ素子が用いられてもよい。
【0046】
アンテナ部100は、指向性アンテナ素子110の導波器115を外側に向けて放射状に複数配置することによって構成される。具体的には、指向性アンテナ素子110は、導波器115の指向性が半径方向外側を向くように、全方向(360度)において放射状に配置されてよい。
【0047】
ここでは、反射器111、放射器113及び導波器115の長さを、それぞれlref、lrad、ldirとし、それぞれの間隔をdとした(実施例では、lref=0.46λ、lrad=0.42λ、ldir=0.37λ、d=0.24λ)。
【0048】
上述したように、アンテナ部100が屋内の天井に設置されることを想定し、
図3に示すように、アンテナ部100の上部には、半径r(実施例では、特に指定が無い限り50mm)の円形の導体板120が設けられる。導体板120と指向性アンテナ素子110との距離をh(実施例では、特に指定が無い限り10mm)とした。導体板120は、金属板などによって構成されてよい。
【0049】
図5は、実施例1に係る指向性アンテナ素子110のSパラメータの例を示す。アンテナ部100は、28GHz帯において動作し、各指向性アンテナ素子間の相互間結合量は十分に抑制される。
【0050】
図6A及び
図6Bは、実施例1に係る指向性アンテナ素子110の指向性(E面指向性及びH面指向性)の例を示す。E面指向性は、アンテナ部100の上面から指向性を示し、H面指向性は、アンテナ部100の側面からの指向性を示している。
【0051】
各ビームは、水平方向については指向性アンテナ素子110に沿う指向性を有し、導体板120の影響を受けて水平に対してやや下にチルトする。また、アンテナ利得もr=50mmの条件において約14dBi、r=100の条件で約17dBiの高利得を実現できる。
【0052】
(3.2)実施例2
実施例2では、実施例1で説明した指向性アンテナ素子110と導体板120との関係が異なる。
図7は、実施例2に係るアンテナ部100Aの側面図である。
【0053】
図7に示すように、本実施例では、導体板120Aが十分大きい構成とする。一方、指向性アンテナ素子110は、実施例1と同様の構造とする。導体板120Aからの指向性アンテナ素子110までの距離をh(実施例では、特に指定が無い限り10mm)とする。
【0054】
なお、導体板120Aの径サイズは、2個分の指向性アンテナ素子110の長さに対して十分に大きければよく、特に両者の関係は規定されなくてもよい。
【0055】
図8は、実施例2に係る指向性アンテナ素子110のSパラメータの例を示す。本実施例でも、アンテナ部100Aは、28GHz帯において動作し、各指向性アンテナ素子間の相互間結合量は十分に抑制される。
【0056】
図9は、実施例2に係る指向性アンテナ素子110の指向性(H面指向性)の例を示す。アンテナ部100Aは、28GHz帯において動作し、各指向性アンテナ素子間の相互間結合量は十分に抑制され、各指向性アンテナ素子は、異なる指向性を持って動作する。
【0057】
図10は、アンテナ部100Aの距離hと利得との関係を示す。
図10に示すように、hが3mmより大きい条件では、28GHz帯において約16dBi以上の高利得を実現できる。また、導体板120Aが無い場合でも28GHz帯において約14dBiの高利得を実現できる。
【0058】
実施例2に係るアンテナ部100Aによれば、実施例1に係るアンテナ部100よりもさらに高利得な条件でエリアを構築することができる。
【0059】
(3.3)実施例3
実施例3では、実施例1で説明した指向性アンテナ素子の構成が異なる。
図11は、実施例3に係るアンテナ部100Bの平面図である。
図12は、実施例3に係るアンテナ部100Bの側面図である。
【0060】
図11及び
図12に示すように、アンテナ部100Bは、N個の指向性アンテナ素子によって構成される。具体的には、主に水平偏波の電波を送受信する指向性アンテナ素子110A(図の例では6個)と、主に垂直偏波の電波を送受信する指向性アンテナ素子110B(図の例では6個)とが交互に、放射状にN個(図の例では12個)配置される。
【0061】
つまり、アンテナ部100Bは、水平偏波用の指向性アンテナ素子110Aと、垂直偏波用の指向性アンテナ素子110Bとが周方向において隣接して配置される。
【0062】
指向性アンテナ素子110A及び指向性アンテナ素子110Bは、指向性アンテナ素子110と土曜の構成であり、偏波により設置の向きが異なる。ここでは、水平偏波及び垂直偏波を交互に配置したが、+45度及び-45度の偏波など交互に配置してもよく、また偏波共用の指向性アンテナ素子を配置してもよい。
【0063】
また、実施例1と同様に、アンテナ部100Bが屋内の天井に設置されることを想定し、
図12に示すように、アンテナ部100Bの上部には、半径r(実施例では、特に指定が無い限り50mm)の円形の導体板120が設けられる。導体板120と指向性アンテナ素子110との距離をh(実施例では、特に指定が無い限り10mm)とした。
【0064】
図13は、実施例3に係る指向性アンテナ素子110A及び指向性アンテナ素子110BのSパラメータの例を示す。アンテナ部100は、28GHz帯において動作し、各指向性アンテナ素子間の相互間結合量は十分に抑制される。
【0065】
図14A及び
図14Bは、実施例3に係る指向性アンテナ素子110A及び指向性アンテナ素子110Bの指向性の例を示す。
【0066】
各ビームは、水平方向については指向性アンテナ素子110に沿う指向性を有し、導体板120の影響を受けて水平に対してやや下にチルトする。また、アンテナ利得もr=50mmの条件において約14dBi、r=100の条件で約15dBiの高利得を実現できる。
【0067】
実施例3に係るアンテナ部100Aによれば、実施例1に係るアンテナ部100よりも複数の偏波でのエリアを構築することができる。このためLを2以上とした場合に、偏波間でMIMO相関が十分となることが想定され、より安定した通信が可能となる。
【0068】
(3.4)実施例4
実施例4では、実施例1で説明した指向性アンテナ素子の設置角度が異なる。
図15は、実施例4に係るアンテナ部100Cの側面図である。
【0069】
図15に示すように、アンテナ部100Cを構成する指向性アンテナ素子110Cの設置角度を、指向性アンテナ素子110Cの反射器111(
図4参照)側の素子を中心に、導体板120と反対方向へT度傾けた構成とする。
図15では、T=3, 5, 10度の例が示されている。なお、指向性アンテナ素子110Cの構造自体は、指向性アンテナ素子110(
図4参照)と同様で構わない(導波器115の数は異なっていてもよい)。
【0070】
図16は、実施例4に係る指向性アンテナ素子110CのSパラメータの例を示す。アンテナ部100Cは、28GHz帯において動作する。
【0071】
図17A及び
図17Bは、実施例4に係る指向性アンテナ素子110Cの指向性の例を示す。各ビームは、水平方向については指向性アンテナ素子110Cに沿う指向性を有し、導体板120の影響を受けて水平に対してやや下にチルトする。さらに指向性アンテナ素子110Cを傾けたことにより下方向のエリアが広がっている。また、アンテナ利得も約13dBiの高利得を実現できる。
【0072】
アンテナ部100Cによれば、利得は若干落ちるものの、実施例1よりもアンテナの下方向のエリアを含めて広いエリアを構築することができる。
【0073】
(3.5)実施例5
実施例5では、実施例3に係るアンテナ部100Bなどと、複数の指向性アンテナ素子の設置方向が異なる。
【0074】
図18は、実施例5に係るアンテナ部100Dの平面(上面)図及び側面図である。アンテナ部100Bなどでは、複数の指向性アンテナ素子が全方位をカバーするように半径方向の中心から放射状に設置されていたが、アンテナ部100Dでは、指向性アンテナ素子は、周状に配置される。周状とは、上述したように、複数の指向性アンテナ素子が所定の領域を囲むように配置されることを意味してよい。
【0075】
具体的には、アンテナ部100Dは、N個(枚)の指向性アンテナ素子(図の例では3枚)によって構成される。各指向性アンテナ素子は、導体板140と、主に水平偏波の電波を送受信する八木宇田アレー160(図の例では3枚)と、主に垂直偏波の電波を送受信するスロットアレー150(図の例では3枚)とが積層状に距離を置いて配置された構造を有する。このように、アンテナ部100Dは、指向性アンテナ素子を周状に複数配置することによって構成されてよい。なお、導体板140は、各指向性アンテナ素子の形状に合わせて方形状でよいが、アンテナ部100Bなどと同様に、円形状としてもよい。
【0076】
八木宇田アレー160は、1つまたは複数の八木宇田アンテナ161によって構成されてよい。また、スロットアレー150は、1つまたは複数のスロットアレーアンテナ151によって構成されてよい。
【0077】
なお、指向性アンテナ素子は、マイクロストリップアレーアンテナ、スロットアレーアンテナ、或いはマイクロストリップアレーアンテナ及びスロットアレーアンテナの組み合わせによって構成されてもよい。
【0078】
アンテナ部100Dは、指向性アンテナ素子の給電点と偏波の違いによって、指向性アンテナ素子に双方向に4N個の異なるビーム(図の例では12個)を生成できる。
【0079】
アンテナ部100Dによれば、実施例3に係るアンテナ部100Bと同じビーム数を実現するため必要な指向性アンテナ素子を1/4に減らせ、かつ低姿勢のアンテナで複数の偏波でのエリアを構築することができる。
【0080】
(3.6)実施例6
実施例6は、実施例5と概ね同様の構成を有するが、指向性アンテナ素子の種類が異なる。
図19は、実施例6に係るアンテナ部100Eの平面(上面)図及び側面図である。
【0081】
図19に示すように、アンテナ部100Eは、N個(枚)の指向性アンテナ素子(図の例では3枚)により構成される。各指向性アンテナ素子は、導体板140と、主に水平偏波の電波を送受信するストリップアレー170(図の例では3枚)と、主に垂直偏波の電波を送受信するスロットアレー150(図の例では3枚)とが積層状に距離を置いて配置された構造を有する。
【0082】
ストリップアレー170は、1つまたは複数のマイクロストリップアレーアンテナ171によって構成されてよい。
【0083】
アンテナ部100Eも、指向性アンテナ素子の給電点と偏波の違いによって、指向性アンテナ素子に双方向に4N個の異なるビーム(図の例では12個)を生成できる。
【0084】
アンテナ部100Eによれば、アンテナ部100Dと同様に、実施例3に係るアンテナ部100Bと同じビーム数を実現するため必要な指向性アンテナ素子を1/4に減らせ、かつ低姿勢のアンテナで複数の偏波でのエリアを構築することができる。
【0085】
(3.7)実施例7
実施例7では、実施例1などで説明した金属などの導体板120を用いず、人工磁気導体(AMC:Artificial Magnetic Conductor)の基板が用いられる。
図20は、実施例7に係るアンテナ部100Fの平面図である。
【0086】
図20に示すように、アンテナ部100Fには、導体板120の代わりに、人工磁気導体を用いたAMC基板120Bが設けられる。
【0087】
AMC基板120Bは、四角形のパッチ素子を誘電体基板上に多数配置した基板である。AMCは、メタマテリアルなどと呼ばれてもよい。指向性アンテナ素子110の構成は、実施例1と同様である。なお、実施例2~6の導体板にAMC基板が用いられてもよい。
【0088】
AMC基板120Bと指向性アンテナ素子110との距離hは、実施例1など導体板120を用いる場合よりも短くてよい。
【0089】
アンテナ部100Fによれば、他の実施例よりも、さらに低姿勢のアンテナ、つまりコンパクトなアンテナ部によって同様のエリアを構築することができる。
【0090】
(4)作用・効果
上述した実施例によれば、送受信回路の回路規模を抑えながら広いエリアで高利得での無線通信を実現できる。
【0091】
(5)その他の実施形態
以上、実施例に沿って本発明の内容を説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変形及び改良が可能であることは、当業者には自明である。
【0092】
例えば、上述した実施形態では、送受信装置10は、送信回路20及び受信回路30を備えていたが、送信側または受信側単独の装置、つまり、送信回路20を備える送信装置、受信回路30を備える受信装置として別個に構成されてもよい。
【0093】
また、上述したように、アンテナ部100は、アンテナ装置単体として取り扱われてもよく、アンテナ装置単体で製造、販売などの取引が行われてもよい。
【0094】
また、上述した実施形態の説明に用いたブロック構成図(
図1)は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的または論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的または論理的に分離した2つ以上の装置を直接的または間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置または上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0095】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。例えば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。何れも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0096】
さらに、上述した送信回路20及び受信回路30(当該装置)などは、本開示の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
図21は、当該装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図21に示すように、当該装置は、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006及びバス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0097】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。当該装置のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つまたは複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0098】
当該装置の各機能ブロック(
図1参照)は、当該コンピュータ装置の何れかのハードウェア要素、または当該ハードウェア要素の組み合わせによって実現される。
【0099】
また、当該装置における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0100】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインタフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU)によって構成されてもよい。
【0101】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。さらに、上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行されてもよいし、2つ以上のプロセッサ1001により同時または逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。
【0102】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、Read Only Memory(ROM)、Erasable Programmable ROM(EPROM)、Electrically Erasable Programmable ROM(EEPROM)、Random Access Memory(RAM)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施形態に係る方法を実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0103】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、Compact Disc ROM(CD-ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記録媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0104】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。
【0105】
通信装置1004は、例えば周波数分割複信(Frequency Division Duplex:FDD)及び時分割複信(Time Division Duplex:TDD)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。
【0106】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0107】
また、プロセッサ1001及びメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0108】
さらに、当該装置は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor: DSP)、Application Specific Integrated Circuit(ASIC)、Programmable Logic Device(PLD)、Field Programmable Gate Array(FPGA)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部または全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0109】
本開示において説明した各態様/実施形態は、Long Term Evolution(LTE)、LTE-Advanced(LTE-A)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4th generation mobile communication system(4G)、5th generation mobile communication system(5G)、Future Radio Access(FRA)、New Radio(NR)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、Ultra Mobile Broadband(UMB)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、Ultra-WideBand(UWB)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせなど)適用されてもよい。
【0110】
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0111】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0112】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0113】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(Digital Subscriber Line:DSL)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0114】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術の何れかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、またはこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0115】
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一のまたは類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(Component Carrier:CC)は、キャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
【0116】
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0117】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
【0118】
本開示においては、「基地局(Base Station:BS)」、「無線基地局」、「固定局(fixed station)」、「NodeB」、「eNodeB(eNB)」、「gNodeB(gNB)」、「アクセスポイント(access point)」、「送信ポイント(transmission point)」、「受信ポイント(reception point)、「送受信ポイント(transmission/reception point)」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」、「コンポーネントキャリア」などの用語は、互換的に使用され得る。基地局は、マクロセル、スモールセル、フェムトセル、ピコセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
【0119】
基地局は、1つまたは複数(例えば、3つ)のセル(セクタとも呼ばれる)を収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(Remote Radio Head:RRH)によって通信サービスを提供することもできる。
【0120】
「セル」または「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局、及び基地局サブシステムの少なくとも一方のカバレッジエリアの一部または全体を指す。
【0121】
本開示においては、「移動局(Mobile Station:MS)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(User Equipment:UE)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
【0122】
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、またはいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0123】
基地局及び移動局の少なくとも一方は、送信装置、受信装置、通信装置などと呼ばれてもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、移動体に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、乗り物(例えば、車、飛行機など)であってもよいし、無人で動く移動体(例えば、ドローン、自動運転車など)であってもよいし、ロボット(有人型または無人型)であってもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、必ずしも通信動作時に移動しない装置も含む。例えば、基地局及び移動局の少なくとも一方は、センサなどのInternet of Things(IoT)機器であってもよい。
【0124】
また、本開示における基地局は、移動局(ユーザ端末、以下同)として読み替えてもよい。例えば、基地局及び移動局間の通信を、複数の移動局間の通信(例えば、Device-to-Device(D2D)、Vehicle-to-Everything(V2X)などと呼ばれてもよい)に置き換えた構成について、本開示の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、基地局が有する機能を移動局が有する構成としてもよい。また、「上り」及び「下り」などの文言は、端末間通信に対応する文言(例えば、「サイド(side)」)で読み替えられてもよい。例えば、上りチャネル、下りチャネルなどは、サイドチャネル(またはサイドリンク)で読み替えられてもよい。
【0125】
同様に、本開示における移動局は、基地局として読み替えてもよい。この場合、移動局が有する機能を基地局が有する構成としてもよい。
【0126】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、またはこれらのあらゆる変形は、2またはそれ以上の要素間の直接的または間接的なあらゆる接続または結合を意味し、互いに「接続」または「結合」された2つの要素間に1またはそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合または接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1またはそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」または「結合」されると考えることができる。
【0127】
参照信号は、Reference Signal(RS)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)と呼ばれてもよい。
【0128】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0129】
上記の各装置の構成における「手段」を、「部」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
【0130】
本開示において使用する「第1」、「第2」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量または順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、または何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0131】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0132】
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0133】
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0134】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0135】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0136】
10 送受信装置
20 送信回路
30 受信回路
40 送受切替スイッチ
50 高速スイッチング回路
60 同期制御部
70 ビーム制御部
100 アンテナ部
100A, 100B, 100C, 100D, 100E, 100F アンテナ部
110, 110A, 110B, 110C 指向性アンテナ素子
111 反射器
113 放射器
115 導波器
117 給電部
120, 120A 導体板
120B AMC基板
140 導体板
150 スロットアレー
151 スロットアレーアンテナ
160 八木宇田アレー
161 八木宇田アンテナ
170 ストリップアレー
171 マイクロストリップアレーアンテナ
1001 プロセッサ
1002 メモリ
1003 ストレージ
1004 通信装置
1005 入力装置
1006 出力装置
1007 バス