(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023034347
(43)【公開日】2023-03-13
(54)【発明の名称】営業組織のマネジメント支援装置、営業組織のマネジメント支援システム、営業組織のマネジメント支援方法、営業組織のマネジメント支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0631 20230101AFI20230306BHJP
【FI】
G06Q10/06 302
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021140539
(22)【出願日】2021-08-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-01-17
(71)【出願人】
【識別番号】510340300
【氏名又は名称】エクスプローラーコンサルティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100183988
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 泰帥
(72)【発明者】
【氏名】高原 祐介
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA02
5L049AA06
(57)【要約】
【課題】
生産方式の総合的な品質管理手法を営業組織に適用することで、営業組織の生産性向上や効率化に寄与する。しかし、生産現場とは畑が異なる営業組織の管理者にとって、生産方式の管理手法を営業組織のマネジメントに適用することは困難であって、支援が求められる。
【解決手段】
本発明に係る営業組織のマネジメント支援装置、営業組織のマネジメント支援システム、営業組織のマネジメント支援方法、営業組織のマネジメント支援プログラムによれば、営業組織の生産性向上や効率化との目的達成に向けて、生産方式の総合的な品質管理手法に基づく営業組織のマネジメント活動を支援することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
営業組織のマネジメント支援装置であって、
前記マネジメント支援装置に入力された少なくとも受注予定時期を情報のひとつとして含む案件ごとの情報を蓄積する情報蓄積部と、
営業組織において案件管理を行うために評価する項目と基準とする値とから指標を設定して保持する指標設定部と、
前記情報蓄積部に蓄積された案件ごとの情報から少なくとも受注予定時期を抽出条件のひとつとして案件ごとの情報を抽出して、情報を抽出した案件について、営業組織において優先的に管理を行うべき案件かどうかについて前記指標設定部が保持する第1の指標によって評価する評価部と、
前記評価部による営業組織において優先的に管理を行うべき案件かどうかについての評価と、前記指標設定部が保持する第2の指標と、に基づいて、前記情報蓄積部に蓄積された案件ごとの情報のひとつである受注予定時期の変更を動的に制御する案件制御部と、
前記案件制御部よって動的に制御された前記情報蓄積部に蓄積された案件ごとの情報から前記営業組織のマネジメント支援装置が出力する出力情報を生成する出力情報生成部と、
を備えることを特徴とする営業組織のマネジメント支援装置。
【請求項2】
前記情報蓄積部は、当月の受注を予定する案件の情報を蓄積する当月予定データベースと、次月の受注を予定する案件の情報を蓄積する次月予定データベースと、それ以外の案件の情報を蓄積するストックデータベースを備え、
前記評価部は、案件情報把握率を前記第1の指標として評価し、
前記案件制御部は、目標とする案件情報把握率からの下振れ乖離を前記第2の指標として受注予定時期の変更を動的に制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の営業組織のマネジメント支援装置。
【請求項3】
前記出力情報生成部は、案件ごとの情報を構成する項目について、状況把握できている項目と状況把握できていない項目が視覚的に区別されるように、前記営業組織のマネジメント支援装置が出力する出力情報を、前記情報蓄積部が備える前記当月予定データベースに蓄積された案件ごとの情報から生成する、
ことを特徴とする請求項2に記載の営業組織のマネジメント支援装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の営業組織のマネジメント支援装置と、
通信ネットワークと、
通信ネットワークを介して少なくとも営業組織のマネジメント支援装置の入出力装置として機能するコンピュータと、
から成る営業組織のマネジメント支援システム。
【請求項5】
営業組織のマネジメント支援方法であって、
少なくとも受注予定時期を情報のひとつとして含む案件ごとの情報を蓄積する情報蓄積ステップと、
営業組織において案件管理を行うために評価する項目と基準とする値とから指標を設定して保持する指標設定ステップと、
前記情報蓄積部に蓄積された案件ごとの情報から少なくとも受注予定時期を抽出条件のひとつとして案件ごとの情報を抽出して、情報を抽出した案件について、営業組織において優先的に管理を行うべき案件かどうかについて前記指標設定ステップで保持する第1の指標によって評価する評価ステップと、
前記評価ステップによる営業組織において優先的に管理を行うべき案件かどうかについての評価と、前記指標設定ステップで保持する第2の指標と、に基づいて、前記情報蓄積ステップで蓄積された案件ごとの情報のひとつである受注予定時期の変更を動的に制御する案件制御ステップと、
前記案件制御ステップよって動的に制御された前記情報蓄積ステップで蓄積する案件ごとの情報から前記営業組織のマネジメント支援方法で出力する出力情報を生成する出力情報生成ステップと、
を備えることを特徴とする営業組織のマネジメント支援方法。
【請求項6】
コンピュータによって読み取られ実行されることで、前記コンピュータを営業組織のマネジメント支援装置として機能させる営業組織のマネジメント支援プログラムであって、
前記コンピュータに入力された少なくとも受注予定時期を情報のひとつとして含む案件ごとの情報を蓄積する情報蓄積ステップと、
営業組織において案件管理を行うために評価する項目と基準とする値とから指標を設定して保持する指標設定ステップと、
前記情報蓄積部に蓄積された案件ごとの情報から少なくとも受注予定時期を抽出条件のひとつとして案件ごとの情報を抽出して、情報を抽出した案件について、営業組織において優先的に管理を行うべき案件かどうかについて前記指標設定ステップで保持する第1の指標によって評価する評価ステップと、
前記評価ステップによる営業組織において優先的に管理を行うべき案件かどうかについての評価と、前記指標設定ステップで保持する第2の指標と、に基づいて、前記情報蓄積ステップで蓄積された案件ごとの情報のひとつである受注予定時期の変更を動的に制御する案件制御ステップと、
前記案件制御ステップよって動的に制御された前記情報蓄積ステップで蓄積する案件ごとの情報から前記営業組織のマネジメント支援装置として機能する前記コンピュータが出力する出力情報を生成する出力情報生成ステップと、
を前記コンピュータに実行させることを特徴とする営業組織のマネジメント支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、営業組織のマネジメント支援装置、営業組織のマネジメント支援システム、営業組織のマネジメント支援方法、営業組織のマネジメント支援プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、企業の営業活動において、顧客情報や商談進捗情報などの営業活動に関する情報をデータ化して活用することで営業の生産性向上や効率化を目的とする営業支援システム(SFA:Sales Force Automation)の利用が進んでいる。
【0003】
営業の生産性向上や効率化との目的達成に向けて営業活動を支援するシステムの発明が提案されている。例えば、特許文献1や特許文献2に示す発明などである。しかし、これら発明は、個々の商談進捗の管理や営業行動の管理に留まり、営業組織としての生産性向上や効率化を支援することができない。また、これら発明は、個々の商談進捗や営業行動を管理しやすいように整理して一覧表などに出力するに留まり、営業組織の生産性向上や効率化の観点から案件の取捨選択や注力すべき案件のクローズアップなど、営業組織の管理者に向けての活動提案や示唆などが十分とはいえない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10-11498号公報
【特許文献2】特開2001-250022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の発明者は、工場などの生産現場の管理に用いられる生産方式の総合的な品質管理手法を、営業組織の生産性向上や効率化を目的として営業組織のマネジメントに適用することを提案している。特に、生産方式の総合的な品質管理手法として用いられるQCサークル活動の手法(自工程完結)は、営業組織に適用することで案件管理の自工程完結を図ることができ、営業組織の生産性向上や効率化に寄与するものである。しかし、生産現場とは畑が異なる営業組織の管理者にとって、生産方式の管理手法を営業組織のマネジメントに適用することは困難である。営業組織の管理者が生産方式の管理手法を営業組織のマネジメントに適用するためには、営業組織の生産性向上や効率化を目的として、個々の商談進捗の管理や営業行動の管理に留まらず、営業組織の生産性向上や効率化の観点から、動的に案件の取捨選択や注力すべき案件のクローズアップなどを行うことによって営業組織の管理者に向けての活動提案や示唆を行う営業組織のマネジメント支援装置、営業組織のマネジメント支援システム、営業組織のマネジメント支援方法、営業組織のマネジメント支援プログラムが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、営業組織の生産性向上や効率化との目的達成に向けて活動を支援する営業組織のマネジメント支援装置、営業組織のマネジメント支援システム、営業組織のマネジメント支援方法、営業組織のマネジメント支援プログラムを提供する。
【0007】
本発明は、営業組織のマネジメント支援装置であって、マネジメント支援装置に入力された少なくとも受注予定時期を情報のひとつとして含む案件ごとの情報を蓄積する情報蓄積部と、営業組織において案件管理を行うために評価する項目と基準とする値とから指標を設定して保持する指標設定部と、情報蓄積部に蓄積された案件ごとの情報から少なくとも受注予定時期を抽出条件のひとつとして案件ごとの情報を抽出して、情報を抽出した案件について、営業組織において優先的に管理を行うべき案件かどうかについて指標設定部が保持する第1の指標によって評価する評価部と、評価部による営業組織において優先的に管理を行うべき案件かどうかについての評価と、指標設定部が保持する第2の指標と、に基づいて、情報蓄積部に蓄積された案件ごとの情報のひとつである受注予定時期の変更を動的に制御する案件制御部と、案件制御部よって動的に制御された情報蓄積部に蓄積された案件ごとの情報から営業組織のマネジメント支援装置が出力する出力情報を生成する出力情報生成部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る営業組織のマネジメント支援装置の一態様では、情報蓄積部は、当月の受注を予定する案件の情報を蓄積する当月予定データベースと、次月の受注を予定する案件の情報を蓄積する次月予定データベースと、それ以外の案件の情報を蓄積するストックデータベースを備え、評価部は、案件情報把握率を第1の指標として評価し、案件制御部は、目標とする案件情報把握率からの下振れ乖離を第2の指標として受注予定時期の変更を動的に制御する、ことを特徴とする。
【0009】
本発明に係る営業組織のマネジメント支援装置の一態様では、出力情報生成部は、案件ごとの情報を構成する項目について、状況把握できている項目と状況把握できていない項目が視覚的に区別されるように、営業組織のマネジメント支援装置が出力する出力情報を、情報蓄積部が備える前記当月予定データベースに蓄積された案件ごとの情報から生成する、ことを特徴とする。
【0010】
本発明は、営業組織のマネジメント支援システムであって、本発明に係る営業組織のマネジメント支援装置と、通信ネットワークと、通信ネットワークを介して少なくとも営業組織のマネジメント支援装置の入出力装置として機能するコンピュータと、から成ることを特徴とする。
【0011】
本発明は、営業組織のマネジメント支援方法であって、少なくとも受注予定時期を情報のひとつとして含む案件ごとの情報を蓄積する情報蓄積ステップと、営業組織において案件管理を行うために評価する項目と基準とする値とから指標を設定して保持する指標設定ステップと、情報蓄積部に蓄積された案件ごとの情報から少なくとも受注予定時期を抽出条件のひとつとして案件ごとの情報を抽出して、情報を抽出した案件について、営業組織において優先的に管理を行うべき案件かどうかについて指標設定ステップで保持する第1の指標によって評価する評価ステップと、評価ステップによる営業組織において優先的に管理を行うべき案件かどうかについての評価と、指標設定ステップで保持する第2の指標と、に基づいて、情報蓄積ステップで蓄積された案件ごとの情報のひとつである受注予定時期の変更を動的に制御する案件制御ステップと、案件制御ステップよって動的に制御された情報蓄積ステップで蓄積する案件ごとの情報から営業組織のマネジメント支援方法で出力する出力情報を生成する出力情報生成ステップと、を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明は、コンピュータによって読み取られ実行されることで、コンピュータを営業組織のマネジメント支援装置として機能させる営業組織のマネジメント支援プログラムであって、コンピュータに入力された少なくとも受注予定時期を情報のひとつとして含む案件ごとの情報を蓄積する情報蓄積ステップと、営業組織において案件管理を行うために評価する項目と基準とする値とから指標を設定して保持する指標設定ステップと、情報蓄積部に蓄積された案件ごとの情報から少なくとも受注予定時期を抽出条件のひとつとして案件ごとの情報を抽出して、情報を抽出した案件について、営業組織において優先的に管理を行うべき案件かどうかについて指標設定ステップで保持する第1の指標によって評価する評価ステップと、評価ステップによる営業組織において優先的に管理を行うべき案件かどうかについての評価と、指標設定ステップで保持する第2の指標と、に基づいて、情報蓄積ステップで蓄積された案件ごとの情報のひとつである受注予定時期の変更を動的に制御する案件制御ステップと、案件制御ステップよって動的に制御された情報蓄積ステップで蓄積する案件ごとの情報から営業組織のマネジメント支援装置として機能する前記コンピュータが出力する出力情報を生成する出力情報生成ステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明による営業組織のマネジメント支援装置、営業組織のマネジメント支援システム、営業組織のマネジメント支援方法、営業組織のマネジメント支援プログラムは、営業組織の生産性向上や効率化との目的達成に向けて営業組織のマネジメントを支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】営業組織のマネジメント支援装置のブロック図である。
【
図2】営業組織のマネジメント支援装置のハードウェア構成図である。
【
図3】営業組織のマネジメント支援システムの構成を示す図である。
【
図4】営業組織のマネジメント支援装置の動作を示すフローチャートである。
【
図6A】当月予定データベースに蓄積された案件の数が、優先的に管理を行うべき案件の上限件数に達していない様子を視覚的に把握できるように示している図である。
【
図6B】当月予定データベースに蓄積された案件ごとの情報を構成する項目について状況把握できていない項目が多数ある様子を視覚的に把握できるように示している図である。
【
図6D】当月予定データベースに蓄積された案件ごとの情報を構成する項目について、ほぼすべて状況把握できている様子を視覚的に把握できるように示している図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明を実施するための形態について、実施例を提示し、図面を参照して説明する。なお、重複する説明は省略し、各図面において同一又は相当部分には同一の符号を付す。
【0016】
本実施例に係る営業組織のマネジメント支援装置、営業組織のマネジメント支援システム、営業組織のマネジメント支援方法、営業組織のマネジメント支援プログラムは、営業組織の生産性向上や効率化との目的達成に向けて営業組織の活動を支援することができる。
【0017】
図1は、営業組織のマネジメント支援装置100のブロック図である。営業組織のマネジメント支援装置100は、単独で装置として構成される形態のみならず、他の装置に組み込まれて使用される形態であってもよい。営業組織のマネジメント支援装置100は、
図2に示すように、物理的には、中央演算装置(CPU)201、入力装置202、出力装置203、主記憶装置(RAM/ROM)204、補助記憶装置205を備えるコンピュータとして構成される。営業組織のマネジメント支援装置100を組み込む他の装置はネットワークに接続されたサーバ装置やパーソナルコンピュータなどの他にも、例えば、スマートフォン、情報携帯端末等の携帯型電化製品であってもよい。
【0018】
営業組織のマネジメント支援装置100の各機能は、
図2に示す中央演算装置(CPU)201、主記憶装置(RAM/ROM)204等に、営業組織のマネジメント支援装置100としてコンピュータを機能させるプログラムを読み込ませることにより、中央演算装置(CPU)201の制御により入力装置202、出力装置203を動作させるとともに、主記憶装置(RAM/ROM)204、補助記憶装置205とデータの読み書きを行うことで実現される。
【0019】
図1に示すように、営業組織のマネジメント支援装置100は、情報蓄積部101、指標設定部102、評価部103、案件制御部104及び出力情報生成部105を備えている。
図1のブロック図に従って、営業組織のマネジメント支援装置100の各ブロックの機能を説明する。動作の詳細については後述する。
【0020】
情報蓄積部101は、営業組織のマネジメント支援装置100に入力された少なくとも受注予定時期を情報のひとつとして含む案件ごとの情報を蓄積する。本実施例では、情報蓄積部101は、当月の受注を予定する案件の情報を蓄積する当月予定データベース1011と、次月の受注を予定する案件の情報を蓄積する次月予定データベース1012と、それ以外の案件の情報を蓄積するストックデータベース1013を備える。
【0021】
指標設定部102は、営業組織において案件管理を行うために評価する項目と基準とする値とから指標を設定して保持する。なお、営業組織において案件管理を行うために評価する項目と基準とする値については、後述する動作の説明において例をあげて説明する。
【0022】
評価部103は、情報蓄積部101に蓄積された案件ごとの情報から少なくとも受注予定時期を抽出条件のひとつとして案件ごとの情報を抽出して、情報を抽出した案件について、営業組織において優先的に管理を行うべき案件かどうかについて指標設定部102が保持する第1の指標によって評価する。本実施例では、評価部103は、案件情報把握率を第1の指標として評価する。なお、案件情報把握率については、後述する動作の説明において詳細に説明する。
【0023】
案件制御部104は、評価部103による営業組織において優先的に管理を行うべき案件かどうかについての評価と、指標設定部102が保持する第2の指標と、に基づいて、情報蓄積部101に蓄積された案件ごとの情報のひとつである受注予定時期の変更を動的に制御する。本実施例では、案件制御部104は、目標とする案件情報把握率からの下振れ乖離を第2の指標として受注予定時期の変更を動的に制御する。なお、目標とする案件情報把握率からの下振れ乖離、及び、受注予定時期の変更の動的な制御については、後述する動作の説明において詳細に説明する。
【0024】
出力情報生成部105は、案件制御部104よって動的に制御された情報蓄積部101に蓄積された案件ごとの情報から営業組織のマネジメント支援装置100が出力する出力情報を生成する。本実施例では、出力情報生成部105は、案件ごとの情報を構成する項目について、状況把握できている項目と状況把握できていない項目が視覚的に区別されるように、営業組織のマネジメント支援装置100が出力する出力情報を、情報蓄積部101が備える当月予定データベース1011に蓄積された案件ごとの情報から生成する。
【0025】
次に、本実施例に係る営業組織のマネジメント支援装置100の動作について説明する。説明理解の容易性を考慮して、営業組織のマネジメント支援装置100は、通信ネットワークに接続したサーバ装置に機能として組み込まれて、営業組織のマネジメント支援システムを構成しているとして動作を説明する。なお、これは例示であって、営業組織のマネジメント支援装置100の一部の構成要素がサーバ装置に機能として組み込まれ、他の構成要素がクライアント装置に機能として組み込まれることで、営業組織のマネジメント支援システムを構成してもよい。
【0026】
図3は、営業組織のマネジメント支援システムの構成の例を示す図である。営業組織のマネジメント支援装置100は、通信ネットワーク302に接続したサーバ装置301に機能として組み込まれている。サーバ装置301は、中央演算装置(CPU)201、入力装置202、出力装置203、主記憶装置(RAM/ROM)204、補助記憶装置205を備えるコンピュータであって、通信ネットワーク302を介して通信するための通信モジュールを備える。通信ネットワーク302は、企業内LANなどの狭域閉鎖型のネットワークであっても良いし、インターネットなどの広域開放型のネットワークであってもよい。また、通信ネットワーク302は、有線であっても、無線であってもよい。クライアント装置として例示するパーソナルコンピュータ303、スマートフォン304、情報携帯端末305は通信ネットワーク302を経由して営業組織のマネジメント支援装置100に接続して少なくとも入力装置202、出力装置203として機能する。クライアント装置は、コンピュータとしての機能を備え、少なくとも営業組織のマネジメント支援装置100の入力装置202、出力装置203として機能すればよく、例として示すパーソナルコンピュータ303、スマートフォン304、情報携帯端末305に限るものではない。また、入出力は、サーバ装置301の入力装置202、出力装置203を介しても行うことができる。なお、
図3に示す営業組織のマネジメント支援システムの構成は、営業組織のマネジメント支援装置100の動作についての説明理解の容易性を考慮した例示であって、この構成のみに本発明の適用を限るものではない。
【0027】
図4は、本実施例に係る営業組織のマネジメント支援装置100の動作を示すフローチャートである。
図4のフローチャートに従って本実施例における営業組織のマネジメント支援装置100の動作を説明する。営業組織のマネジメント支援装置100は、営業組織が扱う商材によらず、商品もしくはサービスのいずれを扱う営業組織であっても本発明を適用することができる。例えば、自動車のような商品の営業であっても、金融機関における融資のようなサービスの営業であっても本発明は適用できる。また、注文住宅のような受注までに顧客との合意形成に時間がかかる商品の営業であっても本発明は適用できる。
【0028】
営業組織のマネジメント支援装置100は、動作を開始すると
図4で示すフローチャートの処理を行う。動作の開始は、案件ごとの情報の入力後に自動的であっても、明示的な命令によるものであってもよい。営業組織のマネジメント支援装置100への案件ごとの情報の入力は、通信ネットワーク302を介して接続される営業組織のマネジメント支援装置100の入力装置202として機能するクライアント装置であるパーソナルコンピュータ303、スマートフォン304、情報携帯端末305等からでも良いし、営業組織のマネジメント支援装置100が機能として組み込まれているサーバ装置301の入力装置202からでもよい。案件ごとの情報の営業組織のマネジメント支援装置100への入力は、方法を問わない。例えば、案件を担当する営業職員などが入力装置202から案件ごとに個別に行ってもよいし、バッチ処理などで定期的にまとまった情報を営業組織のマネジメント支援装置100に入力することでもよい。
【0029】
営業組織のマネジメント支援装置100が、動作を開始すると、情報蓄積部101が営業組織のマネジメント支援装置100に入力された案件ごとの情報を蓄積する情報蓄積処理(S401)を実行する。ここで、案件とは、営業組織に属する営業職員が顧客に対して提供する商品やサービスの提案から受注に至るまでに一連の処理すべき事柄をいう。金融機関における融資を扱う営業組織を例にとれば、例えば、A銀行のB支店に属する営業職員Cが顧客Dへ提案する100万円の融資などが案件にあたる。また、案件ごとの情報とは、各々の案件に紐づく各種情報をいう。
【0030】
本実施例では、案件ごとの情報には、少なくとも受注予定時期が情報のひとつとして含まれる。案件ごとの受注予定時期は、後述の評価処理(S403)で、営業組織において優先的に管理を行うべき案件かどうかについての評価で使用される。情報蓄積処理(S401)では、案件ごとの受注予定時期に従って、受注予定時期が当月の案件の情報は当月予定データベース1011に、受注予定時期が次月の案件の情報は次月予定データベース1012に、受注予定時期が今月もしくは次月以外の案件の情報はストックデータベース1013に、それぞれ保存される。本実施例においては、受注予定時期で情報を保存するデータベースを分けることとしているが、受注予定時期で情報を管理するデータテーブルを分ける、受注予定時期を示すフラグで管理するなど、案件ごとの受注予定時期で管理ができれば他の方法であってもよい。
【0031】
情報蓄積処理(S401)において、案件ごとの情報は、項目ごとに分類され、整理されて、蓄積される。ここで、項目とは、営業組織の生産性向上や効率化との目的達成に向けて営業組織の活動を支援するために定常的に管理すべき案件ごとの情報を分類、整理するための項目をいう。本実施例では、項目として、顧客情報、確認事項、提案内容、検査項目、進捗状況、現在状況、行動予定などがある。なお、これは例示であって、本発明においてこれらの情報のみに限るものではない。本発明を適用する営業組織の状況に適した案件ごとの情報と項目を採用すればよい。
【0032】
本実施例で示す項目の例について説明する。なお、項目は、以下の説明で例として示す細分化された項目によって、案件ごとの情報を階層的に管理してもよい。
【0033】
顧客情報は、顧客の属性を示す情報の項目であって、対象とする顧客が法人と個人で異なる。例えば、対象とする顧客が法人であれば、法人名、売上高、事業種など、対象とする顧客が個人であれば、氏名、年齢、性別などとなる。
【0034】
確認事項は、案件について確認すべき情報の項目であって、例えば、代表者の経営理念、過去の取引実績など案件について確認すべき情報の項目である。
【0035】
提案内容は、顧客に対しての具体的な提案内容についての情報の項目である。例えば、商品やサービス、販売価格や融資金額などとなる。
【0036】
検査項目は、案件について顧客の購入の意思などの検査結果を示す情報の項目である。
【0037】
進捗状況は、現在の進捗の状況を示す情報項目である。
【0038】
現在状況は、営業組織のマネジメント支援装置100への情報入力時点における案件の状況を示す情報の項目である。
【0039】
行動予定は、活動履歴と活動予定についての情報の項目である。
【0040】
次に、指標設定部102が実行する指標設定処理(S402)について説明する。指標設定処理(S402)では、営業組織の業務の状況の評価に利用する営業の段階ごとに定められた評価する項目と基準とする値とから指標を設定して保持する。本実施例においては、指標として「案件状況把握率」と「案件情報把握率からの下振れ乖離」の2つの項目を設定する。なお、これは例示であって、本発明において指標をこれらに限るものではない。本発明を適用する営業組織の業務の状況の評価に適した評価する項目と基準とする値を営業の段階ごとに指標として定めればよい。
【0041】
案件状況把握率は、案件ごとの指標である。案件状況把握率は、情報蓄積部101に蓄積された案件情報の各項目について営業担当職員が状況把握できている項目の全体項目に対する割合をいう。案件状況把握率は、後述の評価処理(S403)で、営業組織において優先的に管理を行うべき案件かどうかについての評価で使用される。
【0042】
[数1]
(案件状況把握率)=(営業担当職員が状況把握できている項目数)/(全体項目数)
【0043】
本実施例では、指標設定処理(S402)で、案件状況把握率を指標として表1の通り設定して保持する。なお、これは例示であって、本発明において指標をこれらに限るものではない。本発明を適用する営業組織の業務の状況の評価に適した指標を定めればよい。
【0044】
【0045】
案件情報把握率からの下振れ乖離は、案件ごとの指標である。案件情報把握率からの下振れ乖離は、案件ごとの案件状況把握率が、表1に示す案件状況把握率の指標から下回っている程度を示す値をいう。案件情報把握率からの下振れ乖離は、後述の案件制御処理(S404)で、評価処理(S403)による営業組織において優先的に管理を行うべき案件かどうかについての評価と共に、情報蓄積部101に蓄積された案件の受注予定時期の動的な制御に使用される。
【0046】
[数2]
(案件情報把握率からの下振れ乖離)=(当該案件の案件状況把握率)―(適正な案件状況把握率)
【0047】
本実施例において、指標設定処理(S402)では、案件情報把握率からの下振れ乖離を指標として表2の通り設定する。なお、これは例示であって、本発明において指標をこれらに限るものではない。本発明を適用する営業組織の業務の状況の評価に適した指標を定めればよい。
【0048】
【0049】
次に、評価部103が実行する評価処理(S403)について説明する。評価部103による評価処理(S403)の実行は、情報蓄積部101による情報蓄積処理(S401)と指標設定部102による指標設定処理(S402)が終了した後に、明示的に実行を指示することで開始するとしてもよいし、自動的に開始するとしてもよい。
【0050】
評価処理(S403)では、営業組織において優先的に管理を行うべき案件かどうかについて評価する。なお、営業組織のマネジメントにおいては、実効性の観点から、優先的に管理を行うべき案件の上限件数を定めておくことが望ましい。管理を行うべき案件の総数があまりに大きいと実際に管理を行うことが困難となり、かえって営業組織の生産性向上や効率化を妨げることとなる。一方、優先的に管理を行うべき案件の上限件数を定めておくことで、管理を行うべき案件の総数が上限件数に満たない場合は、営業組織として案件自体が不足していることが分かる。本実施例の説明では、この上限件数をNとする。また、本実施例の説明においては、受注予定時期が当月である案件を優先的に管理を行うべき案件とする。よって、当月予定データベース1011には、最大N件分の案件情報が保存される。
【0051】
評価処理(S403)では、当月予定データベース1011に保存される各々の案件情報について案件情報把握率を算出する。次に、各々の案件情報についての受注予定時期が当月の何週目に当たるかと、算出した案件情報把握率を、指標設定処理(S402)で設定された表1に示す指標と対比して、適正であるかどうか評価を行うとともに、各々の案件情報に適正、不適のいずれかの評価情報を付加する。
【0052】
さらに、評価処理(S403)では、各々の案件情報について案件情報把握率からの下振れ乖離の値を算出して各々の案件情報に付加する。
【0053】
次に、案件制御処理部104が実行する案件制御処理(S404)について説明する。評価部103による評価処理(S403)が終了すると、案件制御処理部104による案件制御処理(S404)が開始する。
【0054】
図5は、本実施例に係る案件制御処理(S404)を示すフローチャートである。
図5のフローチャートに従って本実施例における案件制御処理(S404)を説明する。案件制御処理(S404)が開始されると、当月予定データベース1011に保存され、評価処理(S403)で適正であるかどうか評価情報と案件情報把握率からの下振れ乖離の値が付加された案件情報を順次読み込む。
【0055】
図5に示すフローチャートにおいてnはカウンターでn番目の案件情報であることを表す。初期値n=0からスタートして、S501では、nに1を加算する。次に、S502では、当月予定データベース1011からn番目の案件情報を取得する。
【0056】
S502で当月予定データベース1011から取得されたn番目の案件情報について、指標設定処理(S402)で表2の通り設定された案件情報把握率からの下振れ乖離の指標と対比して案件の制御が行われる。評価処理(S403)で付加された案件情報把握率からの下振れ乖離の値が0未満と判定される場合(S503)は案件情報が適正に把握されていると判断されるため、「正常」との対応フラグを当該案件情報に付加(S504)する。評価処理(S403)で付加された案件情報把握率からの下振れ乖離の値が0以上20未満と判定される場合(S505)は案件情報が適正に把握されているとは判断されず、「要対応」との対応フラグを当該案件情報に付加(S506)する。評価処理(S403)で付加された案件情報把握率からの下振れ乖離の値が20以上と判定される場合(S505)は当月内に当該案件の受注は困難と判定され、当該案件をストックデータベース1013へ移動する。また、次月予定データベース1012から当月予定データベース1011に受注予定時期の最も早い案件を1件移動する。
【0057】
案件制御処理(S404)では、S502からS507の処理を当月予定データベース1011のN番目の案件情報まで再帰的に繰り返して実行する。(S508)
【0058】
次に、出力情報生成部105が実行する出力情報生成処理(S405)について説明する。案件制御部103による案件制御処理(S404)が終了すると、出力情報生成部105による出力情報生成処理(S405)が開始する。
【0059】
出力情報生成処理(S405)は、評価処理(S403)による評価に基づいた、営業組織において優先的に管理を行うべき案件について情報蓄積部101が蓄積する情報から営業組織のマネジメント支援装置100が出力する出力情報を生成する。本実施例においては、当月予定データベース1011から営業組織のマネジメントに必要な案件情報を抽出して出力情報を生成する。案件制御処理(S404)によって、営業組織において優先的に管理を行うべき案件の最大件数Nに不足した分の候補案件が、次月予定データベース1012から当月予定データベース1011に移動されている。このため、営業組織の管理者は、出力情報生成処理(S405)によって生成される出力情報に含まれる案件についてのみ管理することで、今月受注できる営業組織のマネジメントに注力できる。
【0060】
さらに、出力情報生成処理(S405)は、案件ごとの情報を構成する項目について、状況把握できている項目と状況把握できていない項目が視覚的に区別されるように、営業組織のマネジメント支援装置101が出力する出力情報を、当月予定データベース1011に蓄積された案件ごとの情報から生成する。
【0061】
図6A~
図6Dは、出力情報生成処理(S405)で生成された出力情報に基づいて、案件ごとの情報を構成する項目について、状況把握できている項目と状況把握できていない項目が視覚的に区別されるように出力された画面表示や帳票を模式的に表した図である。各列に、案件ごとの情報を構成する項目が示されている。
図6A~
図6Dでは、例として、項目として、顧客情報、確認事項、提案内容、検査項目、進捗状況、現在状況、行動予定を示し、さらに、各項目が下位の項目に細分化されていることを示している。
【0062】
図6A~
図6Dで、各行は、案件ごとの情報が把握されているかどうかを示している。
図6A~
図6Dでは、例として、案件1から案件Nまでを示している。出力情報生成処理(S405)では、当月予定データベース1011に蓄積された案件ごとの情報から出力情報を生成するため、出力における行の最大値はNとなる。前述の通り、最大値Nは、営業組織のマネジメントにおいて、実効性の観点から、優先的に管理を行うべき案件の上限件数である。本実施例では、受注予定時期が当月である案件を優先的に管理を行うべき案件としている。
【0063】
図6A~
図6Dに、網掛けされた記号*(アスタリスク)で示される行列が交差する点は、その行で示される案件について、その列で示される項目についての情報が、状況把握できていることを示している。
【0064】
図6Aは、当月予定データベース1011に蓄積された案件の数が、営業組織のマネジメントにおいて、実効性の観点から、優先的に管理を行うべき案件の上限件数に達していない様子を視覚的に把握できるように示している。本発明による営業組織のマネジメントを始めた直後などによくみられる傾向であって、営業組織の生産性向上のためには、まず、案件を増やす必要があることが視覚を通じて理解できる。
【0065】
図6Bは、当月予定データベース1011に蓄積された案件の数が、営業組織のマネジメントにおいて、実効性の観点から、優先的に管理を行うべき案件の上限件数に達してはいるものの、案件ごとの情報を構成する項目について状況把握できていない項目が多数ある様子を視覚的に把握できるように示している。一方、
図6Dは、当月予定データベース1011に蓄積された案件の数が、営業組織のマネジメントにおいて、実効性の観点から、優先的に管理を行うべき案件の上限件数に達していて、かつ、案件ごとの情報を構成する項目について、ほぼすべて状況把握できている様子を視覚的に把握できるように示している。
図6Cは、
図6Bと
図6Dの中間の様子を示している。
【0066】
営業組織の生産性向上や効率化との目的達成に向けては、優先的に管理を行うべき案件について状況把握できていることが結果に直結することが分かっている。このことから、営業組織の生産性向上や効率化の評価が上位の営業組織は
図6D、中位の営業組織は
図6C、下位の営業組織は
図6Bの様子を示す。
【0067】
本発明に係る営業組織のマネジメント支援装置100は、営業組織の生産性向上や効率化との目的達成に向けて営業組織の活動を支援することができる。出力情報生成処理(S405)で生成された出力情報に基づいて、案件ごとの情報を構成する項目について、状況把握できている項目と状況把握できていない項目が視覚的に区別されるように出力される。この出力結果(
図6A~
図6D)によって、営業組織の管理者は、優先的に管理を行うべき案件について、視覚的に課題をとらえることができ、状況把握すべき項目を確認し、共有することができる。営業組織の管理者は、出力結果(
図6A~
図6D)に視覚的に示される現在の出力情報を参考にして、
図6Dに示されるような目標とする出力結果となる営業組織とするための具体的な活動を検討し、実践することで効果的に営業組織をマネジメントすることができる。
【0068】
出力情報生成部105による出力情報生成処理(S405)が終了すると、営業組織のマネジメント支援装置100は出力情報生成処理(S405)で生成された出力情報を出力して一連の動作を終了する。
【0069】
以上が、本実施例における営業組織のマネジメント支援装置100の動作についての説明である。
【0070】
次に、コンピュータを営業組織のマネジメント支援装置として機能させるための営業組織のマネジメント支援プログラムについて説明する。コンピュータの構成は、
図2に示す通りである。
【0071】
営業組織のマネジメント支援プログラムは、メインモジュール、入出力モジュール及び演算処理モジュールを備える。メインモジュールは、処理を統括的に制御する部分である。入出力モジュールは、案件の情報などの入力情報をコンピュータに取得させ、一連の処理の結果生成した情報をコンピュータに表示し出力させる。演算処理モジュールは、情報蓄積モジュール、指標設定モジュール、評価モジュール、案件制御モジュール及び出力情報生成モジュールを備える。メインモジュール、入力モジュール及び演算処理モジュールを実行させることにより実現される機能は、営業組織のマネジメント支援装置100の情報蓄積部101、指標設定部102、評価部103、案件制御部104及び出力情報生成部105の機能とそれぞれ同様である。
【0072】
営業組織のマネジメント支援プログラムは、例えば、ROM等の記憶媒体又は半導体メモリによって提供される。また、営業組織のマネジメント支援プログラムは、通信ネットワークを介して提供されてもよい。
【0073】
以上、本発明に係る営業組織のマネジメント支援装置、営業組織のマネジメント支援システム、営業組織のマネジメント支援方法、営業組織のマネジメント支援プログラムは、営業組織の生産性向上や効率化との目的達成に向けて営業組織の活動を支援することができる。
【符号の説明】
【0074】
100 営業組織のマネジメント支援装置
101 情報表示部
1011 当月予定データベース
1012 次月予定データベース
1013 ストックデータベース
102 指標設定部
103 評価部
104 案件制御部
105 出力情報生成部
201 中央演算装置(CPU)
202 入力装置
203 出力装置
204 主記憶装置(RAM/ROM)
205 補助記憶装置
301 サーバ装置
302 通信ネットワーク
303 パーソナルコンピュータ
304 スマートフォン
305 情報携帯端末
【手続補正書】
【提出日】2021-11-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
営業組織のマネジメント支援装置であって、
前記マネジメント支援装置に入力された少なくとも受注予定時期を情報のひとつとして含む案件ごとの情報を蓄積する情報蓄積部と、
営業組織において案件管理を行うために評価する項目と基準とする値とから指標を設定して保持する指標設定部と、
前記情報蓄積部に蓄積された案件ごとの情報から少なくとも受注予定時期を抽出条件のひとつとして案件ごとの情報を抽出して、情報を抽出した案件について、前記指標設定部が保持する第1の指標によって評価される値と、前記指標設定部が保持する第2の指標によって評価される値と、を算出し、第1の指標によって評価される値が適正であるかを第1の指標によって評価する評価部と、
前記評価部による第1の指標によって評価される値が適正であるかの評価と、前記評価部で算出された第2の指標によって評価される値と、前記指標設定部が保持する第2の指標と、から、営業組織において優先的に管理を行うべき案件であるかを判定し、該判定に基づいて、前記情報蓄積部に蓄積された案件ごとの情報のひとつである受注予定時期の変更を動的に制御する案件制御部と、
前記案件制御部よって動的に制御された前記情報蓄積部に蓄積された案件ごとの情報から前記営業組織のマネジメント支援装置が出力する出力情報を生成する出力情報生成部と、
を備えることを特徴とする営業組織のマネジメント支援装置。
【請求項2】
前記情報蓄積部は、当月の受注を予定する案件の情報を蓄積する当月予定データベースと、次月の受注を予定する案件の情報を蓄積する次月予定データベースと、それ以外の案件の情報を蓄積するストックデータベースを備え、
前記評価部は、案件状況把握率を前記第1の指標によって評価される値として算出し、目標とする案件状況把握率からの下振れ乖離を前記第2の指標によって評価される値として算出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の営業組織のマネジメント支援装置。
【請求項3】
前記出力情報生成部は、案件ごとの情報を構成する項目について、状況把握できている項目と状況把握できていない項目が視覚的に区別されるように、前記営業組織のマネジメント支援装置が出力する出力情報を、前記情報蓄積部が備える前記当月予定データベースに蓄積された案件ごとの情報から生成する、
ことを特徴とする請求項2に記載の営業組織のマネジメント支援装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の営業組織のマネジメント支援装置と、
通信ネットワークと、
通信ネットワークを介して少なくとも営業組織のマネジメント支援装置の入出力装置として機能するコンピュータと、
から成る営業組織のマネジメント支援システム。
【請求項5】
営業組織のマネジメント支援方法であって、
少なくとも受注予定時期を情報のひとつとして含む案件ごとの情報を蓄積する情報蓄積ステップと、
営業組織において案件管理を行うために評価する項目と基準とする値とから指標を設定して保持する指標設定ステップと、
前記情報蓄積ステップで蓄積された案件ごとの情報から少なくとも受注予定時期を抽出条件のひとつとして案件ごとの情報を抽出して、情報を抽出した案件について、前記指標設定ステップで保持する第1の指標によって評価される値と、前記指標設定ステップで保持する第2の指標によって評価される値と、を算出し、第1の指標によって評価される値が適正であるかを第1の指標によって評価する評価ステップと、
前記評価ステップによる第1の指標によって評価される値が適正であるかの評価と、前記評価ステップで算出された第2の指標によって評価される値と、前記指標設定ステップで保持する第2の指標と、から、営業組織において優先的に管理を行うべき案件であるかを判定し、該判定に基づいて、前記情報蓄積ステップで蓄積された案件ごとの情報のひとつである受注予定時期の変更を動的に制御する案件制御ステップと、
前記案件制御ステップよって動的に制御された前記情報蓄積ステップで蓄積する案件ごとの情報から前記営業組織のマネジメント支援方法で出力する出力情報を生成する出力情報生成ステップと、
を備えることを特徴とする営業組織のマネジメント支援方法。
【請求項6】
コンピュータによって読み取られ実行されることで、前記コンピュータを営業組織のマネジメント支援装置として機能させる営業組織のマネジメント支援プログラムであって、
前記コンピュータに入力された少なくとも受注予定時期を情報のひとつとして含む案件ごとの情報を蓄積する情報蓄積ステップと、
営業組織において案件管理を行うために評価する項目と基準とする値とから指標を設定して保持する指標設定ステップと、
前記情報蓄積ステップで蓄積された案件ごとの情報から少なくとも受注予定時期を抽出条件のひとつとして案件ごとの情報を抽出して、情報を抽出した案件について、前記指標設定ステップで保持する第1の指標によって評価される値と、前記指標設定ステップで保持する第2の指標によって評価される値と、を算出し、第1の指標によって評価される値が適正であるかを第1の指標によって評価する評価ステップと、
前記評価ステップによる第1の指標によって評価される値が適正であるかの評価と、前記評価ステップで算出された第2の指標によって評価される値と、前記指標設定ステップで保持する第2の指標と、から、営業組織において優先的に管理を行うべき案件であるかを判定し、該判定に基づいて、前記情報蓄積ステップで蓄積された案件ごとの情報のひとつである受注予定時期の変更を動的に制御する案件制御ステップと、
前記案件制御ステップよって動的に制御された前記情報蓄積ステップで蓄積する案件ごとの情報から前記営業組織のマネジメント支援装置として機能する前記コンピュータが出力する出力情報を生成する出力情報生成ステップと、
を前記コンピュータに実行させることを特徴とする営業組織のマネジメント支援プログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、営業組織のマネジメント支援装置、営業組織のマネジメント支援システム、営業組織のマネジメント支援方法、営業組織のマネジメント支援プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、企業の営業活動において、顧客情報や商談進捗情報などの営業活動に関する情報をデータ化して活用することで営業の生産性向上や効率化を目的とする営業支援システム(SFA:Sales Force Automation)の利用が進んでいる。
【0003】
営業の生産性向上や効率化との目的達成に向けて営業活動を支援するシステムの発明が提案されている。例えば、特許文献1や特許文献2に示す発明などである。しかし、これら発明は、個々の商談進捗の管理や営業行動の管理に留まり、営業組織としての生産性向上や効率化を支援することができない。また、これら発明は、個々の商談進捗や営業行動を管理しやすいように整理して一覧表などに出力するに留まり、営業組織の生産性向上や効率化の観点から案件の取捨選択や注力すべき案件のクローズアップなど、営業組織の管理者に向けての活動提案や示唆などが十分とはいえない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10-11498号公報
【特許文献2】特開2001-250022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の発明者は、工場などの生産現場の管理に用いられる生産方式の総合的な品質管理手法を、営業組織の生産性向上や効率化を目的として営業組織のマネジメントに適用することを提案している。特に、生産方式の総合的な品質管理手法として用いられるQCサークル活動の手法(自工程完結)は、営業組織に適用することで案件管理の自工程完結を図ることができ、営業組織の生産性向上や効率化に寄与するものである。しかし、生産現場とは畑が異なる営業組織の管理者にとって、生産方式の管理手法を営業組織のマネジメントに適用することは困難である。営業組織の管理者が生産方式の管理手法を営業組織のマネジメントに適用するためには、営業組織の生産性向上や効率化を目的として、個々の商談進捗の管理や営業行動の管理に留まらず、営業組織の生産性向上や効率化の観点から、動的に案件の取捨選択や注力すべき案件のクローズアップなどを行うことによって営業組織の管理者に向けての活動提案や示唆を行う営業組織のマネジメント支援装置、営業組織のマネジメント支援システム、営業組織のマネジメント支援方法、営業組織のマネジメント支援プログラムが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、営業組織の生産性向上や効率化との目的達成に向けて活動を支援する営業組織のマネジメント支援装置、営業組織のマネジメント支援システム、営業組織のマネジメント支援方法、営業組織のマネジメント支援プログラムを提供する。
【0007】
本発明は、営業組織のマネジメント支援装置であって、マネジメント支援装置に入力された少なくとも受注予定時期を情報のひとつとして含む案件ごとの情報を蓄積する情報蓄積部と、営業組織において案件管理を行うために評価する項目と基準とする値とから指標を設定して保持する指標設定部と、情報蓄積部に蓄積された案件ごとの情報から少なくとも受注予定時期を抽出条件のひとつとして案件ごとの情報を抽出して、情報を抽出した案件について、指標設定部が保持する第1の指標によって評価される値と、指標設定部が保持する第2の指標によって評価される値と、を算出し、第1の指標によって評価される値が適正であるかを第1の指標によって評価する評価部と、評価部による第1の指標によって評価される値が適正であるかの評価と、評価部で算出された第2の指標によって評価される値と、指標設定部が保持する第2の指標と、から、営業組織において優先的に管理を行うべき案件であるかを判定し、判定に基づいて、情報蓄積部に蓄積された案件ごとの情報のひとつである受注予定時期の変更を動的に制御する案件制御部と、案件制御部よって動的に制御された情報蓄積部に蓄積された案件ごとの情報から営業組織のマネジメント支援装置が出力する出力情報を生成する出力情報生成部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る営業組織のマネジメント支援装置の一態様では、情報蓄積部は、当月の受注を予定する案件の情報を蓄積する当月予定データベースと、次月の受注を予定する案件の情報を蓄積する次月予定データベースと、それ以外の案件の情報を蓄積するストックデータベースを備え、評価部は、案件状況把握率を第1の指標として評価し、案件制御部は、目標とする案件状況把握率からの下振れ乖離を第2の指標として受注予定時期の変更を動的に制御する、ことを特徴とする。
【0009】
本発明に係る営業組織のマネジメント支援装置の一態様では、出力情報生成部は、案件ごとの情報を構成する項目について、状況把握できている項目と状況把握できていない項目が視覚的に区別されるように、営業組織のマネジメント支援装置が出力する出力情報を、情報蓄積部が備える当月予定データベースに蓄積された案件ごとの情報から生成する、ことを特徴とする。
【0010】
本発明は、営業組織のマネジメント支援システムであって、本発明に係る営業組織のマネジメント支援装置と、通信ネットワークと、通信ネットワークを介して少なくとも営業組織のマネジメント支援装置の入出力装置として機能するコンピュータと、から成ることを特徴とする。
【0011】
本発明は、営業組織のマネジメント支援方法であって、少なくとも受注予定時期を情報のひとつとして含む案件ごとの情報を蓄積する情報蓄積ステップと、営業組織において案件管理を行うために評価する項目と基準とする値とから指標を設定して保持する指標設定ステップと、情報蓄積ステップで蓄積された案件ごとの情報から少なくとも受注予定時期を抽出条件のひとつとして案件ごとの情報を抽出して、情報を抽出した案件について、指標設定ステップで保持する第1の指標によって評価される値と、指標設定ステップで保持する第2の指標によって評価される値と、を算出し、第1の指標によって評価される値が適正であるかを第1の指標によって評価する評価ステップと、評価ステップによる第1の指標によって評価される値が適正であるかの評価と、評価ステップで算出された第2の指標によって評価される値と、指標設定ステップで保持する第2の指標と、から、営業組織において優先的に管理を行うべき案件であるかを判定し、判定に基づいて、情報蓄積ステップで蓄積された案件ごとの情報のひとつである受注予定時期の変更を動的に制御する案件制御ステップと、案件制御ステップよって動的に制御された情報蓄積ステップで蓄積する案件ごとの情報から営業組織のマネジメント支援方法で出力する出力情報を生成する出力情報生成ステップと、を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明は、コンピュータによって読み取られ実行されることで、コンピュータを営業組織のマネジメント支援装置として機能させる営業組織のマネジメント支援プログラムであって、コンピュータに入力された少なくとも受注予定時期を情報のひとつとして含む案件ごとの情報を蓄積する情報蓄積ステップと、営業組織において案件管理を行うために評価する項目と基準とする値とから指標を設定して保持する指標設定ステップと、情報蓄積ステップで蓄積された案件ごとの情報から少なくとも受注予定時期を抽出条件のひとつとして案件ごとの情報を抽出して、情報を抽出した案件について、指標設定ステップで保持する第1の指標によって評価される値と、指標設定ステップで保持する第2の指標によって評価される値と、を算出し、第1の指標によって評価される値が適正であるかを第1の指標によって評価する評価ステップと、評価ステップによる第1の指標によって評価される値が適正であるかの評価と、評価ステップで算出された第2の指標によって評価される値と、指標設定ステップで保持する第2の指標と、から、営業組織において優先的に管理を行うべき案件であるかを判定し、判定に基づいて、情報蓄積ステップで蓄積された案件ごとの情報のひとつである受注予定時期の変更を動的に制御する案件制御ステップと、情報蓄積部に蓄積された案件ごとの情報から少なくとも受注予定時期を抽出条件のひとつとして案件ごとの情報を抽出して、情報を抽出した案件について、営業組織において優先的に管理を行うべき案件かどうかについて指標設定ステップで保持する第1の指標によって評価する評価ステップと、評価ステップによる営業組織において優先的に管理を行うべき案件かどうかについての評価と、指標設定ステップで保持する第2の指標と、に基づいて、情報蓄積ステップで蓄積された案件ごとの情報のひとつである受注予定時期の変更を動的に制御する案件制御ステップと、案件制御ステップよって動的に制御された情報蓄積ステップで蓄積する案件ごとの情報から営業組織のマネジメント支援装置として機能するコンピュータが出力する出力情報を生成する出力情報生成ステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明による営業組織のマネジメント支援装置、営業組織のマネジメント支援システム、営業組織のマネジメント支援方法、営業組織のマネジメント支援プログラムは、営業組織の生産性向上や効率化との目的達成に向けて営業組織のマネジメントを支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】営業組織のマネジメント支援装置のブロック図である。
【
図2】営業組織のマネジメント支援装置のハードウェア構成図である。
【
図3】営業組織のマネジメント支援システムの構成を示す図である。
【
図4】営業組織のマネジメント支援装置の動作を示すフローチャートである。
【
図6A】当月予定データベースに蓄積された案件の数が、優先的に管理を行うべき案件の上限件数に達していない様子を視覚的に把握できるように示している図である。
【
図6B】当月予定データベースに蓄積された案件ごとの情報を構成する項目について状況把握できていない項目が多数ある様子を視覚的に把握できるように示している図である。
【
図6D】当月予定データベースに蓄積された案件ごとの情報を構成する項目について、ほぼすべて状況把握できている様子を視覚的に把握できるように示している図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明を実施するための形態について、実施例を提示し、図面を参照して説明する。なお、重複する説明は省略し、各図面において同一又は相当部分には同一の符号を付す。
【0016】
本実施例に係る営業組織のマネジメント支援装置、営業組織のマネジメント支援システム、営業組織のマネジメント支援方法、営業組織のマネジメント支援プログラムは、営業組織の生産性向上や効率化との目的達成に向けて営業組織の活動を支援することができる。
【0017】
図1は、営業組織のマネジメント支援装置100のブロック図である。営業組織のマネジメント支援装置100は、単独で装置として構成される形態のみならず、他の装置に組み込まれて使用される形態であってもよい。営業組織のマネジメント支援装置100は、
図2に示すように、物理的には、中央演算装置(CPU)201、入力装置202、出力装置203、主記憶装置(RAM/ROM)204、補助記憶装置205を備えるコンピュータとして構成される。営業組織のマネジメント支援装置100を組み込む他の装置はネットワークに接続されたサーバ装置やパーソナルコンピュータなどの他にも、例えば、スマートフォン、情報携帯端末等の携帯型電化製品であってもよい。
【0018】
営業組織のマネジメント支援装置100の各機能は、
図2に示す中央演算装置(CPU)201、主記憶装置(RAM/ROM)204等に、営業組織のマネジメント支援装置100としてコンピュータを機能させるプログラムを読み込ませることにより、中央演算装置(CPU)201の制御により入力装置202、出力装置203を動作させるとともに、主記憶装置(RAM/ROM)204、補助記憶装置205とデータの読み書きを行うことで実現される。
【0019】
図1に示すように、営業組織のマネジメント支援装置100は、情報蓄積部101、指標設定部102、評価部103、案件制御部104及び出力情報生成部105を備えている。
図1のブロック図に従って、営業組織のマネジメント支援装置100の各ブロックの機能を説明する。動作の詳細については後述する。
【0020】
情報蓄積部101は、営業組織のマネジメント支援装置100に入力された少なくとも受注予定時期を情報のひとつとして含む案件ごとの情報を蓄積する。本実施例では、情報蓄積部101は、当月の受注を予定する案件の情報を蓄積する当月予定データベース1011と、次月の受注を予定する案件の情報を蓄積する次月予定データベース1012と、それ以外の案件の情報を蓄積するストックデータベース1013を備える。
【0021】
指標設定部102は、営業組織において案件管理を行うために評価する項目と基準とする値とから指標を設定して保持する。なお、営業組織において案件管理を行うために評価する項目と基準とする値については、後述する動作の説明において例をあげて説明する。
【0022】
評価部103は、情報蓄積部101に蓄積された案件ごとの情報から少なくとも受注予定時期を抽出条件のひとつとして案件ごとの情報を抽出して、情報を抽出した案件について、指標設定部102が保持する第1の指標によって評価される値と、指標設定部102が保持する第2の指標によって評価される値と、を算出し、第1の指標によって評価される値が適正であるかを第1の指標によって評価する。本実施例では、評価部103は、案件状況把握率を第1の指標によって評価される値として算出し、目標とする案件状況把握率からの下振れ乖離を前記第2の指標によって評価される値として算出する。算出した案件状況把握率が適正であるかを第1の指標によって評価する。なお、案件状況把握率については、後述する動作の説明において詳細に説明する。
【0023】
案件制御部104は、評価部103による第1の指標によって評価される値が適正であるかの評価と、評価部103で算出された第2の指標によって評価される値と、指標設定部102が保持する第2の指標と、から、営業組織において優先的に管理を行うべき案件であるかを判定し、判定に基づいて、情報蓄積部101に蓄積された案件ごとの情報のひとつである受注予定時期の変更を動的に制御する。本実施例では、案件制御部104は、評価部103で算出された目標とする案件状況把握率からの下振れ乖離を第2の指標によって評価される値として受注予定時期の変更を動的に制御する。なお、目標とする案件状況把握率からの下振れ乖離、及び、受注予定時期の変更の動的な制御については、後述する動作の説明において詳細に説明する。
【0024】
出力情報生成部105は、案件制御部104よって動的に制御された情報蓄積部101に蓄積された案件ごとの情報から営業組織のマネジメント支援装置100が出力する出力情報を生成する。本実施例では、出力情報生成部105は、案件ごとの情報を構成する項目について、状況把握できている項目と状況把握できていない項目が視覚的に区別されるように、営業組織のマネジメント支援装置100が出力する出力情報を、情報蓄積部101が備える当月予定データベース1011に蓄積された案件ごとの情報から生成する。
【0025】
次に、本実施例に係る営業組織のマネジメント支援装置100の動作について説明する。説明理解の容易性を考慮して、営業組織のマネジメント支援装置100は、通信ネットワークに接続したサーバ装置に機能として組み込まれて、営業組織のマネジメント支援システムを構成しているとして動作を説明する。なお、これは例示であって、営業組織のマネジメント支援装置100の一部の構成要素がサーバ装置に機能として組み込まれ、他の構成要素がクライアント装置に機能として組み込まれることで、営業組織のマネジメント支援システムを構成してもよい。
【0026】
図3は、営業組織のマネジメント支援システムの構成の例を示す図である。営業組織のマネジメント支援装置100は、通信ネットワーク302に接続したサーバ装置301に機能として組み込まれている。サーバ装置301は、中央演算装置(CPU)201、入力装置202、出力装置203、主記憶装置(RAM/ROM)204、補助記憶装置205を備えるコンピュータであって、通信ネットワーク302を介して通信するための通信モジュールを備える。通信ネットワーク302は、企業内LANなどの狭域閉鎖型のネットワークであっても良いし、インターネットなどの広域開放型のネットワークであってもよい。また、通信ネットワーク302は、有線であっても、無線であってもよい。クライアント装置として例示するパーソナルコンピュータ303、スマートフォン304、情報携帯端末305は通信ネットワーク302を経由して営業組織のマネジメント支援装置100に接続して少なくとも入力装置202、出力装置203として機能する。クライアント装置は、コンピュータとしての機能を備え、少なくとも営業組織のマネジメント支援装置100の入力装置202、出力装置203として機能すればよく、例として示すパーソナルコンピュータ303、スマートフォン304、情報携帯端末305に限るものではない。また、入出力は、サーバ装置301の入力装置202、出力装置203を介しても行うことができる。なお、
図3に示す営業組織のマネジメント支援システムの構成は、営業組織のマネジメント支援装置100の動作についての説明理解の容易性を考慮した例示であって、この構成のみに本発明の適用を限るものではない。
【0027】
図4は、本実施例に係る営業組織のマネジメント支援装置100の動作を示すフローチャートである。
図4のフローチャートに従って本実施例における営業組織のマネジメント支援装置100の動作を説明する。営業組織のマネジメント支援装置100は、営業組織が扱う商材によらず、商品もしくはサービスのいずれを扱う営業組織であっても本発明を適用することができる。例えば、自動車のような商品の営業であっても、金融機関における融資のようなサービスの営業であっても本発明は適用できる。また、注文住宅のような受注までに顧客との合意形成に時間がかかる商品の営業であっても本発明は適用できる。
【0028】
営業組織のマネジメント支援装置100は、動作を開始すると
図4で示すフローチャートの処理を行う。動作の開始は、案件ごとの情報の入力後に自動的であっても、明示的な命令によるものであってもよい。営業組織のマネジメント支援装置100への案件ごとの情報の入力は、通信ネットワーク302を介して接続される営業組織のマネジメント支援装置100の入力装置202として機能するクライアント装置であるパーソナルコンピュータ303、スマートフォン304、情報携帯端末305等からでも良いし、営業組織のマネジメント支援装置100が機能として組み込まれているサーバ装置301の入力装置202からでもよい。案件ごとの情報の営業組織のマネジメント支援装置100への入力は、方法を問わない。例えば、案件を担当する営業職員などが入力装置202から案件ごとに個別に行ってもよいし、バッチ処理などで定期的にまとまった情報を営業組織のマネジメント支援装置100に入力することでもよい。
【0029】
営業組織のマネジメント支援装置100が、動作を開始すると、情報蓄積部101が営業組織のマネジメント支援装置100に入力された案件ごとの情報を蓄積する情報蓄積処理(S401)を実行する。ここで、案件とは、営業組織に属する営業職員が顧客に対して提供する商品やサービスの提案から受注に至るまでに一連の処理すべき事柄をいう。金融機関における融資を扱う営業組織を例にとれば、例えば、A銀行のB支店に属する営業職員Cが顧客Dへ提案する100万円の融資などが案件にあたる。また、案件ごとの情報とは、各々の案件に紐づく各種情報をいう。
【0030】
本実施例では、案件ごとの情報には、少なくとも受注予定時期が情報のひとつとして含まれる。案件ごとの受注予定時期は、後述の評価処理(S403)で、営業組織において優先的に管理を行うべき案件かどうかについての評価で使用される。情報蓄積処理(S401)では、案件ごとの受注予定時期に従って、受注予定時期が当月の案件の情報は当月予定データベース1011に、受注予定時期が次月の案件の情報は次月予定データベース1012に、受注予定時期が今月もしくは次月以外の案件の情報はストックデータベース1013に、それぞれ保存される。本実施例においては、受注予定時期で情報を保存するデータベースを分けることとしているが、受注予定時期で情報を管理するデータテーブルを分ける、受注予定時期を示すフラグで管理するなど、案件ごとの受注予定時期で管理ができれば他の方法であってもよい。
【0031】
情報蓄積処理(S401)において、案件ごとの情報は、項目ごとに分類され、整理されて、蓄積される。ここで、項目とは、営業組織の生産性向上や効率化との目的達成に向けて営業組織の活動を支援するために定常的に管理すべき案件ごとの情報を分類、整理するための項目をいう。本実施例では、項目として、顧客情報、確認事項、提案内容、検査項目、進捗状況、現在状況、行動予定などがある。なお、これは例示であって、本発明においてこれらの情報のみに限るものではない。本発明を適用する営業組織の状況に適した案件ごとの情報と項目を採用すればよい。
【0032】
本実施例で示す項目の例について説明する。なお、項目は、以下の説明で例として示す細分化された項目によって、案件ごとの情報を階層的に管理してもよい。
【0033】
顧客情報は、顧客の属性を示す情報の項目であって、対象とする顧客が法人と個人で異なる。例えば、対象とする顧客が法人であれば、法人名、売上高、事業種など、対象とする顧客が個人であれば、氏名、年齢、性別などとなる。
【0034】
確認事項は、案件について確認すべき情報の項目であって、例えば、代表者の経営理念、過去の取引実績など案件について確認すべき情報の項目である。
【0035】
提案内容は、顧客に対しての具体的な提案内容についての情報の項目である。例えば、商品やサービス、販売価格や融資金額などとなる。
【0036】
検査項目は、案件について顧客の購入の意思などの検査結果を示す情報の項目である。
【0037】
進捗状況は、現在の進捗の状況を示す情報項目である。
【0038】
現在状況は、営業組織のマネジメント支援装置100への情報入力時点における案件の状況を示す情報の項目である。
【0039】
行動予定は、活動履歴と活動予定についての情報の項目である。
【0040】
次に、指標設定部102が実行する指標設定処理(S402)について説明する。指標設定処理(S402)では、営業組織の業務の状況の評価に利用する営業の段階ごとに定められた評価する項目と基準とする値とから指標を設定して保持する。本実施例においては、指標として「案件状況把握率」と「案件状況把握率からの下振れ乖離」の2つの項目を設定する。なお、これは例示であって、本発明において指標をこれらに限るものではない。本発明を適用する営業組織の業務の状況の評価に適した評価する項目と基準とする値を営業の段階ごとに指標として定めればよい。
【0041】
案件状況把握率は、案件ごとの指標として定められる評価する項目のひとつである。案件状況把握率は、情報蓄積部101に蓄積された案件情報の各項目について営業担当職員が状況把握できている項目の全体項目に対する割合をいう。案件状況把握率は、後述の評価処理(S403)で、適正であるか評価され、その評価情報は、案件制御処理(S404)で、営業組織において優先的に管理を行うべき案件かどうかについての評価で使用される。
【0042】
[数1]
(案件状況把握率)=(営業担当職員が状況把握できている項目数)/(全体項目数)
【0043】
本実施例では、指標設定処理(S402)で、案件状況把握率の基準とする値を指標として表1の通り設定して保持する。なお、これは例示であって、本発明において指標をこれらに限るものではない。本発明を適用する営業組織の業務の状況の評価に適した指標を定めればよい。
【0044】
【0045】
案件状況把握率からの下振れ乖離は、案件ごとの指標として定められる評価する項目のひとつである。案件状況把握率からの下振れ乖離は、案件ごとの案件状況把握率が、表1に示す案件状況把握率の指標から下回っている程度を示す値をいう。案件状況把握率からの下振れ乖離は、後述の案件制御処理(S404)で、評価処理(S403)による評価と共に、情報蓄積部101に蓄積された案件の受注予定時期の動的な制御に使用される。
【0046】
[数2]
(案件状況把握率からの下振れ乖離)=(当該案件の案件状況把握率)―(適正な案件状況把握率)
【0047】
本実施例において、指標設定処理(S402)では、案件状況把握率からの下振れ乖離の基準とする値を指標として表2の通り設定する。なお、これは例示であって、本発明において指標をこれらに限るものではない。本発明を適用する営業組織の業務の状況の評価に適した指標を定めればよい。
【0048】
【0049】
次に、評価部103が実行する評価処理(S403)について説明する。評価部103による評価処理(S403)の実行は、情報蓄積部101による情報蓄積処理(S401)と指標設定部102による指標設定処理(S402)が終了した後に、明示的に実行を指示することで開始するとしてもよいし、自動的に開始するとしてもよい。
【0050】
評価処理(S403)では、第1の指標によって評価される値である案件状況把握率が適正であるかについて評価する。なお、営業組織のマネジメントにおいては、実効性の観点から、優先的に管理を行うべき案件の上限件数を定めておくことが望ましい。管理を行うべき案件の総数があまりに大きいと実際に管理を行うことが困難となり、かえって営業組織の生産性向上や効率化を妨げることとなる。一方、優先的に管理を行うべき案件の上限件数を定めておくことで、管理を行うべき案件の総数が上限件数に満たない場合は、営業組織として案件自体が不足していることが分かる。本実施例の説明では、この上限件数をNとする。また、本実施例の説明においては、受注予定時期が当月である案件を優先的に管理を行うべき案件とする。よって、当月予定データベース1011には、最大N件分の案件情報が保存される。
【0051】
評価処理(S403)では、当月予定データベース1011に保存される各々の案件情報について第1の指標によって評価される値である案件状況把握率を算出する。次に、各々の案件情報についての受注予定時期が当月の何週目に当たるかと、算出した案件状況把握率を、指標設定処理(S402)で設定された表1に示す指標(第1の指標)と対比して、適正であるかどうか評価を行うとともに、各々の案件情報に適正、不適のいずれかの評価情報を付加する。
【0052】
さらに、評価処理(S403)では、各々の案件情報について第2の指標によって評価される値である案件状況把握率からの下振れ乖離の値を算出して各々の案件情報に付加する。
【0053】
次に、案件制御処理部104が実行する案件制御処理(S404)について説明する。評価部103による評価処理(S403)が終了すると、案件制御処理部104による案件制御処理(S404)が開始する。
【0054】
図5は、本実施例に係る案件制御処理(S404)を示すフローチャートである。
図5のフローチャートに従って本実施例における案件制御処理(S404)を説明する。案件制御処理(S404)が開始されると、当月予定データベース1011に保存され、評価処理(S403)で適正であるかどうか評価情報と案件
状況把握率からの下振れ乖離の値が付加された案件情報を順次読み込む。
【0055】
図5に示すフローチャートにおいてnはカウンターでn番目の案件情報であることを表す。初期値n=0からスタートして、S501では、nに1を加算する。次に、S502では、当月予定データベース1011からn番目の案件情報を取得する。
【0056】
S502で当月予定データベース1011から取得されたn番目の案件情報について、指標設定処理(S402)で表2の通り設定された案件状況把握率からの下振れ乖離の指標(第2の指標)と対比して案件の制御が行われる。評価処理(S403)で付加された案件状況把握率からの下振れ乖離の値が0未満と判定される場合(S503)は案件情報が適正に把握されていると判断されるため、「正常」との対応フラグを当該案件情報に付加(S504)する。評価処理(S403)で付加された案件状況把握率からの下振れ乖離の値が0以上20未満と判定される場合(S505)は案件情報が適正に把握されているとは判断されず、「要対応」との対応フラグを当該案件情報に付加(S506)する。評価処理(S403)で付加された案件状況把握率からの下振れ乖離の値が20以上と判定される場合(S505)は当月内に当該案件の受注は困難と判定され、当該案件をストックデータベース1013へ移動する。また、次月予定データベース1012から当月予定データベース1011に受注予定時期の最も早い案件を1件移動する。
【0057】
案件制御処理(S404)では、S502からS507の処理を当月予定データベース1011のN番目の案件情報まで再帰的に繰り返して実行する。(S508)
【0058】
次に、出力情報生成部105が実行する出力情報生成処理(S405)について説明する。案件制御部103による案件制御処理(S404)が終了すると、出力情報生成部105による出力情報生成処理(S405)が開始する。
【0059】
出力情報生成処理(S405)は、評価処理(S403)による評価に基づいた、営業組織において優先的に管理を行うべき案件について情報蓄積部101が蓄積する情報から営業組織のマネジメント支援装置100が出力する出力情報を生成する。本実施例においては、当月予定データベース1011から営業組織のマネジメントに必要な案件情報を抽出して出力情報を生成する。案件制御処理(S404)によって、営業組織において優先的に管理を行うべき案件の最大件数Nに不足した分の候補案件が、次月予定データベース1012から当月予定データベース1011に移動されている。このため、営業組織の管理者は、出力情報生成処理(S405)によって生成される出力情報に含まれる案件についてのみ管理することで、今月受注できる営業組織のマネジメントに注力できる。
【0060】
さらに、出力情報生成処理(S405)は、案件ごとの情報を構成する項目について、状況把握できている項目と状況把握できていない項目が視覚的に区別されるように、営業組織のマネジメント支援装置101が出力する出力情報を、当月予定データベース1011に蓄積された案件ごとの情報から生成する。
【0061】
図6A~
図6Dは、出力情報生成処理(S405)で生成された出力情報に基づいて、案件ごとの情報を構成する項目について、状況把握できている項目と状況把握できていない項目が視覚的に区別されるように出力された画面表示や帳票を模式的に表した図である。各列に、案件ごとの情報を構成する項目が示されている。
図6A~
図6Dでは、例として、項目として、顧客情報、確認事項、提案内容、検査項目、進捗状況、現在状況、行動予定を示し、さらに、各項目が下位の項目に細分化されていることを示している。
【0062】
図6A~
図6Dで、各行は、案件ごとの情報が把握されているかどうかを示している。
図6A~
図6Dでは、例として、案件1から案件Nまでを示している。出力情報生成処理(S405)では、当月予定データベース1011に蓄積された案件ごとの情報から出力情報を生成するため、出力における行の最大値はNとなる。前述の通り、最大値Nは、営業組織のマネジメントにおいて、実効性の観点から、優先的に管理を行うべき案件の上限件数である。本実施例では、受注予定時期が当月である案件を優先的に管理を行うべき案件としている。
【0063】
図6A~
図6Dに、網掛けされた記号*(アスタリスク)で示される行列が交差する点は、その行で示される案件について、その列で示される項目についての情報が、状況把握できていることを示している。
【0064】
図6Aは、当月予定データベース1011に蓄積された案件の数が、営業組織のマネジメントにおいて、実効性の観点から、優先的に管理を行うべき案件の上限件数に達していない様子を視覚的に把握できるように示している。本発明による営業組織のマネジメントを始めた直後などによくみられる傾向であって、営業組織の生産性向上のためには、まず、案件を増やす必要があることが視覚を通じて理解できる。
【0065】
図6Bは、当月予定データベース1011に蓄積された案件の数が、営業組織のマネジメントにおいて、実効性の観点から、優先的に管理を行うべき案件の上限件数に達してはいるものの、案件ごとの情報を構成する項目について状況把握できていない項目が多数ある様子を視覚的に把握できるように示している。一方、
図6Dは、当月予定データベース1011に蓄積された案件の数が、営業組織のマネジメントにおいて、実効性の観点から、優先的に管理を行うべき案件の上限件数に達していて、かつ、案件ごとの情報を構成する項目について、ほぼすべて状況把握できている様子を視覚的に把握できるように示している。
図6Cは、
図6Bと
図6Dの中間の様子を示している。
【0066】
営業組織の生産性向上や効率化との目的達成に向けては、優先的に管理を行うべき案件について状況把握できていることが結果に直結することが分かっている。このことから、営業組織の生産性向上や効率化の評価が上位の営業組織は
図6D、中位の営業組織は
図6C、下位の営業組織は
図6Bの様子を示す。
【0067】
本発明に係る営業組織のマネジメント支援装置100は、営業組織の生産性向上や効率化との目的達成に向けて営業組織の活動を支援することができる。出力情報生成処理(S405)で生成された出力情報に基づいて、案件ごとの情報を構成する項目について、状況把握できている項目と状況把握できていない項目が視覚的に区別されるように出力される。この出力結果(
図6A~
図6D)によって、営業組織の管理者は、優先的に管理を行うべき案件について、視覚的に課題をとらえることができ、状況把握すべき項目を確認し、共有することができる。営業組織の管理者は、出力結果(
図6A~
図6D)に視覚的に示される現在の出力情報を参考にして、
図6Dに示されるような目標とする出力結果となる営業組織とするための具体的な活動を検討し、実践することで効果的に営業組織をマネジメントすることができる。
【0068】
出力情報生成部105による出力情報生成処理(S405)が終了すると、営業組織のマネジメント支援装置100は出力情報生成処理(S405)で生成された出力情報を出力して一連の動作を終了する。
【0069】
以上が、本実施例における営業組織のマネジメント支援装置100の動作についての説明である。
【0070】
次に、コンピュータを営業組織のマネジメント支援装置として機能させるための営業組織のマネジメント支援プログラムについて説明する。コンピュータの構成は、
図2に示す通りである。
【0071】
営業組織のマネジメント支援プログラムは、メインモジュール、入出力モジュール及び演算処理モジュールを備える。メインモジュールは、処理を統括的に制御する部分である。入出力モジュールは、案件の情報などの入力情報をコンピュータに取得させ、一連の処理の結果生成した情報をコンピュータに表示し出力させる。演算処理モジュールは、情報蓄積モジュール、指標設定モジュール、評価モジュール、案件制御モジュール及び出力情報生成モジュールを備える。メインモジュール、入力モジュール及び演算処理モジュールを実行させることにより実現される機能は、営業組織のマネジメント支援装置100の情報蓄積部101、指標設定部102、評価部103、案件制御部104及び出力情報生成部105の機能とそれぞれ同様である。
【0072】
営業組織のマネジメント支援プログラムは、例えば、ROM等の記憶媒体又は半導体メモリによって提供される。また、営業組織のマネジメント支援プログラムは、通信ネットワークを介して提供されてもよい。
【0073】
以上、本発明に係る営業組織のマネジメント支援装置、営業組織のマネジメント支援システム、営業組織のマネジメント支援方法、営業組織のマネジメント支援プログラムは、営業組織の生産性向上や効率化との目的達成に向けて営業組織の活動を支援することができる。
【符号の説明】
【0074】
100 営業組織のマネジメント支援装置
101 情報表示部
1011 当月予定データベース
1012 次月予定データベース
1013 ストックデータベース
102 指標設定部
103 評価部
104 案件制御部
105 出力情報生成部
201 中央演算装置(CPU)
202 入力装置
203 出力装置
204 主記憶装置(RAM/ROM)
205 補助記憶装置
301 サーバ装置
302 通信ネットワーク
303 パーソナルコンピュータ
304 スマートフォン
305 情報携帯端末