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  • 特開-取付具 図1
  • 特開-取付具 図2
  • 特開-取付具 図3
  • 特開-取付具 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023034394
(43)【公開日】2023-03-13
(54)【発明の名称】取付具
(51)【国際特許分類】
   A47F 5/00 20060101AFI20230306BHJP
【FI】
A47F5/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021140617
(22)【出願日】2021-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000209223
【氏名又は名称】棚橋工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 浩司
(72)【発明者】
【氏名】川合 省司
【テーマコード(参考)】
3B118
【Fターム(参考)】
3B118AA11
3B118BA19
3B118CA03
3B118CA12
(57)【要約】
【課題】
化粧板を陳列棚に取り付けやすい取付具を提供する。
【解決手段】
陳列棚Xの化粧板300を取り付けるための取付具100であって、陳列棚Xの支柱200に設けられた取付孔220に差し込まれる差込部110と、化粧板300を保持する一対の保持板120と、差込部110の開口部112の側方へ延出し、支柱200の取付孔220の周辺に当接する当接部130と、を備え、一対の保持板120は、差込部110の開口部112に連通する案内溝121を構成している、ことを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
陳列棚の化粧板を取り付けるための取付具であって、
前記陳列棚の支柱に設けられた取付孔に差し込まれる差込部と、
前記化粧板を保持する一対の保持板と、
前記差込部の開口部の側方へ延出し、前記支柱の取付孔の周辺に当接する当接部と、を備え、
前記一対の保持板は、前記差込部の開口部に連通する案内溝を構成している、ことを特徴とする取付具。
【請求項2】
前記一対の保持板は、前記案内溝が前記差込部の開口部へ向けて狭くなるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の取付具。
【請求項3】
前記当接部は、平坦な当接面を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の取付具。
【請求項4】
前記支柱の取付孔の周辺の裏面に係止する係止爪を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の取付具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、スーパーマーケット等において、陳列棚の化粧板を取り付けるための取付具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、陳列棚の背面側に化粧板を取り付けているが、この化粧板は、陳列棚の両側の支柱に設けられた各溝に差し込まれて設置されていた。ただ、化粧板は、両側の支柱の上端側から溝に差し込んで取り付けているため、比較的大きな化粧板を取り付ける際は、非常に面倒な作業となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで、本願発明は、化粧板を陳列棚に取り付けやすい取付具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願発明の取付具は、陳列棚の化粧板を取り付けるための取付具であって、前記陳列棚の支柱に設けられた取付孔に差し込まれる差込部と、前記化粧板を保持する一対の保持板と、前記差込部の開口部の側方へ延出し、前記支柱の取付孔の周辺に当接する当接部と、を備え、前記一対の保持板は、前記差込部の開口部に連通する案内溝を構成している、ことを特徴とする。
【0005】
上記特徴によれば、化粧板を支柱に取り付ける際には、化粧板の端部を取付具の差込部の開口部に一時的に挿入して、取付具の差込部を化粧板の端部により近接させることができ、その結果、化粧板と支柱の間の隙間が狭くても、取付具の差込部を支柱の取付孔に挿入し易く、化粧板を陳列棚に取り付けやすいのである。
【0006】
さらに、本願発明の取付具は、前記一対の保持板は、前記案内溝が前記差込部の開口部へ向けて狭くなるように構成されていることを特徴とする。
【0007】
上記特徴によれば、化粧板を支柱に取り付ける際に、化粧板の端部を案内溝から差込部の開口部へと案内して挿入し易くなっている。
【0008】
さらに、本願発明の取付具は、前記当接部は、平坦な当接面を備えることを特徴とする。
【0009】
上記特徴によれば、平坦な当接面によって、支柱の取付孔の周辺に安定して当接できる。
【0010】
さらに、本願発明の取付具は、前記支柱の取付孔の周辺の裏面に係止する係止爪を備えることを特徴とする。
【0011】
上記特徴によれば、取付具が支柱の取付孔から不用意に抜けないようになる。
【発明の効果】
【0012】
上記のように、本願発明の取付具によれば、化粧板を陳列棚に取り付けやすい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】(a)は、本願発明の取付具の全体斜視図、(b)は取付具の側面図である。
図2】(a)は、本願発明の取付具の平面図、(b)は取付具の正面図、(c)はA-A断面図である。
図3】陳列棚を構成する支柱及び化粧板の斜視図である。
図4】(a)及び(b)は、図3のB―B断面図である。
【符号の説明】
【0014】
100 取付具
110 差込部
112 開口部
120 保持板
121 案内溝
130 当接部
200 支柱
220 取付孔
300 化粧板
X 陳列棚
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本願発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下で説明する実施形態における取付具の各部材の形状や材質等は、一例を示すものであって、これらに限定されるものではない。なお、本明細書に記載されている「上下方向」とは、水平面に沿って設置された陳列棚の支柱が延出する方向のことである。
【0016】
まず、図1及び図2に、本願発明の取付具100を示す。なお、図1(a)は取付具100の全体斜視図、図1(b)は取付具100の側面図、図2(a)は取付具100の平面図、図2(b)は取付具100の正面図、図2(c)はA-A断面図である。
【0017】
図1及び図2に示すように、取付具100は全体が合成樹脂等の任意の素材から形成されており、断面が略U字状の差込部110を備える。この差込部110は、上下方向に延出しており、内側は化粧板の端部を挿入可能な空間111となっている。さらに、差込部110の先端側は、後述するように、支柱の取付孔に挿入しやすいように湾曲形状をしている。一方、差込部110の末端側は開口部112となっており、開口部112は空間111と連通している。また、差込部110の開口縁部113の外側には、係止爪114が設けられており、この係止爪114は支柱の取付孔の周辺の壁面の裏面側に係止して、取付具100が支柱の取付孔から不用意に抜けないようになっている。
【0018】
また、取付具100は、一対の保持板120を備えており、互いに相対する保持板120の間に化粧板を挟んで保持できるように構成されている。また、保持板120は開口部112の開口縁部113に連続しており、保持板120に挟まれた内側の部分が案内溝121となる。この案内溝121は開口部112に連通している。そして、一対の保持板120は、外側へ向けて略ハの字に広がっているので、案内溝121の幅が開口部112の幅よりも広くなっている。また、案内溝121の末端側(開口部112側)の幅L2は、案内溝121の先端側の幅L1よりも狭くなっており、案内溝121は、開口部112へ向けて狭くなるように構成されている。また、保持板120の内面123は、凹凸のない平坦な傾斜面となっているので、後述するように、化粧板の端部を滑らせるように開口部112へと案内できる。
【0019】
また、取付具100は、開口縁部113の側方へ延出する当接部130を備える。この当接部130は、後述するように、支柱の取付孔の周辺に当接するように構成されている。また、当接部130は、平坦な当接面131を備えているので、支柱の取付孔の周辺に安定して当接できる。また、係止爪114と当接部130との間の幅L3は、支柱の取付孔の周辺の壁部の板厚と同程度の大きさとなっている。そして。係止爪114と当接部130とで、支柱の取付孔の周辺の壁部を挟み込むので、取付具100が支柱の取付孔に取り付けられた状態を維持しやすい。
【0020】
なお、差込部110は断面が略U字状をしているが、これに限定されず、支柱の取付孔に挿入して取り付けることができるのであれば、差込部110は任意の構成であってもよい。また、保持板120は、外側へ向けて略ハの字に広がっているが、これに限定されず、化粧板を保持できるのであれば、保持板120は任意の構成であってもよい。また、当接部130は、平坦な当接面131を備えているが、これに限定されず、支柱の取付孔の周辺に当接できるのであれば、当接部130は任意の構成であってもよい。
【0021】
では次に、図3及び図4を参照して、取付具100の利用態様について説明する。なお、図3は、陳列棚Xを構成する支柱200及び化粧板300の斜視図、図4(a)及び(b)は、図3のB―B断面図である。
【0022】
図3に示すように、陳列棚Xは上下方向に延出する支柱200を備えており、両側の支柱200は互いに平行になっている。この支柱200の前側には、上下方向に所定間隔で複数の固定孔201が設けられおり、この固定孔201にはブラケットが固定できるようになっている。そして、両側のブラケットに陳列板を掛け渡して商品を並べれば、陳列棚Xの前方に商品を綺麗に陳列することができる。また、陳列棚Xの後方には目隠しのために、化粧板300を取り付けている。この化粧板300は、両側の支柱200の間に配置され、上下方向に延びる略長方形状等の任意の形状の薄い板材となっている。
【0023】
そして、化粧板300を陳列棚Xの支柱200に取り付ける際は、まず図3及び図4(a)に示すように、化粧板300の端部310を取付具100の案内溝121に差し込む。なお、化粧板300の大きさに合わせて、化粧板300の端部310に複数の取付具100を取り付けて利用してもよい。また、支柱200の内側の壁部230(両側の支柱200が互いに相対する側の壁部)には、取付孔220が、上下方向に所定間隔で設けられており、支柱200内部の空間と連通している。
【0024】
ここで、化粧板300は、両側の支柱200の間を埋めて目隠しになるように構成されているので、化粧板300と支柱200の間には隙間があまりなく、化粧板300の端部310に取り付けられた取付具100の差込部110を、支柱200の取付孔220に差し込むのは困難な場合もある。そこで、図4(a)に示すように、取付具100の案内溝121は差込部110の開口部112に連続しているので、化粧板300の端部310を差込部110の開口部112から空間111に一時的に挿入する。すると、取付具100の差込部110を化粧板300の端部310により近接させることができ、その結果、化粧板300と支柱200の間の隙間が狭くても、取付具100の差込部110を支柱200の取付孔220に挿入し易く、化粧板300を陳列棚Xの支柱200に取り付けやすいのである。なお、化粧板300が可撓性を備える場合は、図4(a)に示すように、化粧板300の端部310側を少し撓ませることで、化粧板300と支柱200との間の隙間が一時的に広がり、取付具100の差込部110を支柱200の取付孔220に挿入し易くなる。
【0025】
そして、取付具100の差込部110が支柱200の取付孔220に挿入されると、図4(b)に示す状態となる。図4(b)に示すように、取付具100の差込部110は、支柱200の取付孔220に挿入されて、支柱200の内部空間に収容され、取付具100は支柱200に取り付けられた状態となる。その際、取付具100の当接部130が、取付孔220周辺の壁部230の表面側に当接しているので、取付具100が取付孔220にそれ以上押し込まれず、取付具100が支柱200に取り付けられた状態を安定的に維持できる。さらに、取付具100の係止爪114が、取付孔220周辺の壁部230の裏面側に係止するように構成されているので、取付具100が支柱200から不用意に抜け落ちることを防止できる。
【0026】
また、図4(b)に示すように、取付具100の差込部110が支柱200の取付孔220に挿入されて取り付けられた状態では、化粧板300の端部310は、取付孔220の周囲の壁部230に当接するか、壁部230に極めて近接しており、差込部110の空間111から案内溝121側に配置されている。そして、図4(b)に示すように、化粧板300の端部310は、取付具100の一対の保持板120に前後を挟まれて案内溝121内に差し込まれた状態なので、化粧板300は支柱200に取り付けられた状態を保持できるのである。また、保持板120は、案内溝121が差込部110の開口部112へ向けて狭くなるように構成されているので、図4(a)に示すように、化粧板300の端部310を案内溝121から差込部110の開口部112へと案内して挿入し易くなっている。また、案内溝121の先端側の幅L1(図2(a)参照)は、化粧板300の端部310側の厚さL4よりも広くなっているので、図4(a)に示すように、化粧板300の端部310を撓ませる余裕が生まれ、取付具100の差込部110を支柱200の取付孔220に挿入し易くなる。
【0027】
また、本願発明の取付具は、上記の実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲、実施形態の範囲で、種々の変形例、組み合わせが可能であり、これらの変形例、組み合わせもその権利範囲に含むものである。
図1
図2
図3
図4