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  • 特開-給水補完装置 図1
  • 特開-給水補完装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023034571
(43)【公開日】2023-03-13
(54)【発明の名称】給水補完装置
(51)【国際特許分類】
   F22D 11/00 20060101AFI20230306BHJP
【FI】
F22D11/00 L
F22D11/00 H
F22D11/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021140873
(22)【出願日】2021-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000175272
【氏名又は名称】三浦工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142365
【弁理士】
【氏名又は名称】白井 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】宮川 亮
(57)【要約】
【課題】予備のポンプを搭載することなしに、ポンプの故障時でもシステム効率を低下させることなく継続運転が可能な給水補完装置を提供することである。
【解決手段】蒸気を使用する使用機器からのドレンを回収しボイラに供給するドレン装置へ新水を給水するための第1給水ラインの第1位置と、ボイラへ新水を給水するための第2給水ラインの第2位置とを連通させるための連通ラインを備え、連通ライン上に連通弁が設けられている、給水補完装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気を使用する使用機器からのドレンを回収しボイラに供給するドレン装置へ新水を給水するための第1給水ラインの第1位置と、前記ボイラへ新水を給水するための第2給水ラインの第2位置とを連通させるための連通ラインを備え、
前記連通ライン上に連通弁が設けられている、給水補完装置。
【請求項2】
前記第1位置が、前記第1給水ライン上に配置された前記ドレン装置に対応する開閉弁よりも上流側の位置であるか、前記第2位置が、前記第2給水ライン上に配置された前記ボイラに対応する開閉弁よりも上流側の位置であるか、少なくともいずれか一方を満たす位置である、請求項1に記載の給水補完装置。
【請求項3】
前記第1位置が、前記第1給水ラインの給水ポンプに対する逆流を防止するための弁よりも下流側の位置であるか、前記第2位置が、前記第2給水ラインの給水ポンプに対する逆流を防止するための弁よりも下流側の位置であるか、少なくともいずれか一方を満たす位置である、請求項1または請求項2に記載の給水補完装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボイラおよびドレン装置への給水を補完する給水補完装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ボイラによって生成された蒸気を負荷機器に供給し、負荷機器において熱源として使用された蒸気が凝縮して発生するドレンを、耐圧性を有する密閉型のドレンタンクを有するドレン装置に高温・高圧の状態で回収して、当該ドレンを再度ボイラに給水し、ドレンの給水量が不足した場合に新水を用いて給水するクローズドタイプのボイラシステムが提案されている。このようなクローズドタイプのボイラシステムにおいては、ドレンの不足に備えてドレン装置へ新水を供給するための給水ライン(以下、クローズドライン、第1給水ラインなどともいう)と、新水を直接ボイラに供給するための給水ライン(以下、オープンライン、第2給水ラインなどともいう)とが設けられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6349946号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のクローズドタイプのボイラシステムにおいては、省エネの観点から可能な限りクローズドラインを使用した給水を継続することが望まれるところ、クローズドライン側の給水ポンプが故障すれば、交換や修理が完了するまでオープンライン側での給水となるため、システム効率が低下するという問題が生じ得る。また、クローズドライン側に予備(バックアップ用)の給水ポンプを設置することも考えられるが、コストが増大してしまうという問題が生じ得る。
【0005】
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、コスト増大を抑えつつも給水ポンプの故障時でもシステム効率を低下させることなく継続運転を可能とする給水補完装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従う給水補完装置は、蒸気を使用する使用機器からのドレンを回収しボイラに供給するドレン装置へ新水を給水するための第1給水ラインの第1位置と、前記ボイラへ新水を給水するための第2給水ラインの第2位置とを連通させるための連通ラインを備え、前記連通ライン上に連通弁が設けられている。
【0007】
上記の構成によれば、例えば第1給水ライン上の給水ポンプが故障したとしても、連通ライン上の連通弁を開状態とすることにより、第2給水ラインから連通ラインを介してドレン装置への給水が可能となる。また、ボイラにおける運転を開始する際など新水をボイラに供給する場合において第2給水ライン上の給水ポンプが故障したとしても、連通弁を開状態とすることにより、第1給水ラインから連通ラインを介してボイラへの給水が可能となる。このため、コスト増大を抑えつつも給水ポンプの故障時でもシステム効率を低下させることなく給水を補完することにより継続運転が可能となる。
【0008】
好ましくは、前記第1位置が、前記第1給水ライン上に配置された前記ドレン装置に対応する開閉弁よりも上流側の位置であるか、前記第2位置が、前記第2給水ライン上に配置された前記ボイラに対応する開閉弁よりも上流側の位置であるか、少なくともいずれか一方を満たす位置である。
【0009】
上記の構成によれば、ドレン装置への給水を第1給水ラインのみを用いて行う場合と、第2給水ラインから連通ラインを介して行う場合とのいずれにおいても、第1給水ライン上の開閉弁を兼用できる。あるいは、ボイラへの給水を第2給水ラインのみを用いて行う場合と、第1給水ラインから連通ラインを介して行う場合とのいずれにおいても、第2給水ライン上の開閉弁を兼用できる。このため、コスト増大を抑えることができる。
【0010】
好ましくは、前記第1位置が、前記第1給水ラインの給水ポンプに対する逆流を防止するための弁よりも下流側の位置であるか、前記第2位置が、前記第2給水ラインの給水ポンプに対する逆流を防止するための弁よりも下流側の位置であるか、少なくともいずれか一方を満たす位置である。
【0011】
上記の構成によれば、ドレン装置への給水を第2給水ラインから連通ラインを介して行う場合において第1給水ラインでの逆流を防ぐことができる。あるいは、ボイラへの給水を第1給水ラインから連通ラインを介して行う場合において第2給水ラインでの逆流を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】給水補完装置を含むボイラシステムの概略構成を模式的に示す図である。
図2】連通関連処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<概略構成について>
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。まず、図1を参照して、本実施の形態に係る給水補完装置を含むボイラシステムの概略構成について説明する。ボイラシステム1は、図1に示すように、ボイラ本体2と、クローズドタイプのドレン装置3と、給水タンク4と、ボイラシステム1の動作を制御する制御部(ボイラの制御装置、図示せず)とを備えている。
【0014】
ボイラ本体2は、バーナおよび燃焼室を備え、燃料を燃焼させて水管を加熱することにより、内部に供給された給水を加熱して蒸気を生成するとともに、生成された蒸気を負荷機器5に供給する。負荷機器5は、ボイラ本体2で生成された蒸気を熱源として利用し、加熱対象物との間で熱交換を行う。
【0015】
ドレン装置3は、耐圧性を有する圧力容器により構成される。このドレン装置3は、ボイラ本体2により生成された蒸気が負荷機器5(蒸気使用機器)で利用されることで凝縮して生じたドレンを、大気に開放することなく高温高圧を維持したままの状態で回収する。
【0016】
制御部は、内部にメモリ、タイマ、および演算処理部を含むコンピュータにより実現され、着火時および停止時の動作、燃焼量が異なる複数種類の燃焼状態(例えば、低燃焼状態、高燃焼状態)の動作、給水の動作等を制御する。
【0017】
ボイラシステム1は、これらの機器を接続し、蒸気または水が流通する複数のライン、これら複数のラインを開閉させる複数の弁、および、所定のラインに配置される複数のポンプを備える。具体的には、ボイラシステム1は、配管のラインとして、第1給水ラインL1、第2給水ラインL2、ドレン供給ラインL3、および、給水補完装置としての連通ラインL4を備えている。
【0018】
第1給水ラインL1は、給水タンク4の新水をドレン装置3へ給水(供給)するためのラインである。第1給水ラインL1には、上流側から、給水ポンプA、逆止弁C、および、開閉弁Dが設けられている。ドレン装置3への新水の給水は、通常時においては、制御部により、給水ポンプAを駆動させるとともに開閉弁Dを開状態とすることにより行われる。
【0019】
第2給水ラインL2は、給水タンク4の新水をボイラ本体2へ給水するためのラインである。第2給水ラインL2には、上流側から、給水ポンプB、逆止弁E、および、開閉弁Fが設けられている。ボイラ本体2への新水の給水は、通常時においては、制御部により、給水ポンプBを駆動させるとともに開閉弁Fを開状態とすることにより行われる。
【0020】
ドレン供給ラインL3は、ドレン装置3のドレンをボイラ本体2へ給水するためのラインである。ドレン供給ラインL3には、上流側から、ドレン供給ポンプ(図示せず)と、開閉弁Gとが設けられている。ボイラ本体2へのドレンの給水は、制御部により、ドレン供給ポンプを駆動させるとともに開閉弁Gを開状態とすることにより行われる。
【0021】
連通ラインL4は、第1給水ラインL1の第1位置P1と第2給水ラインの第2位置P2とを連通させるためのラインである。連通ラインL4には、連通弁Hが設けられている。制御部は、給水中に所定の異常が発生していると判定したときに連通弁Hを開状態とすることにより、連通ラインL4を通じた給水が可能となる。具体的に、給水ポンプAによる給水中において異常が発生したときなどにおいては、開閉弁Dおよび連通弁Hを開状態とし、開閉弁Fを閉状態とし、給水ポンプBを駆動させることにより、連通ラインL4を介してドレン装置3への給水を行うことができる。連通ラインL4と連通する第1給水ラインL1上の第1位置P1よりも上流側には、逆止弁Cが設けられているため、連通ラインL4から供給された水が第1位置P1よりも上流側(給水ポンプAの方向)へ逆流することを防ぐことができる。
【0022】
また、給水ポンプBによる給水中において異常が発生したときなどにおいては、開閉弁Fおよび連通弁Hを開状態とし、開閉弁Dを閉状態とし、給水ポンプAを駆動させることにより、連通ラインL4を介してボイラ本体2への給水を行うことができる。連通ラインL4と連通する第2給水ラインL2上の第2位置P2よりも上流側には、逆止弁Eが設けられているため、連通ラインL4から供給された水が第2位置P2よりも上流側(給水ポンプBの方向)へ逆流することを防ぐことができる。
【0023】
また、第1位置P1は、開閉弁Dよりも上流側の位置に定められており、第2位置P2は、開閉弁Fよりも上流側の位置に定められている。これにより、ドレン装置3への給水を第1給水ラインL1のみを用いて行う場合と、第2給水ラインL2から連通ラインL4を介して行う場合とのいずれにおいても、第1給水ラインL1上の開閉弁Dを兼用できる。また、ボイラ本体2への給水を第2給水ラインL2のみを用いて行う場合と、第1給水ラインL1から連通ラインL4を介して行う場合とのいずれにおいても、第2給水ラインL2上の開閉弁Fを兼用できる。このため、コスト増大を抑えることができる。
【0024】
<連通関連処理について>
図2は、連通関連処理の一例を説明するためのフローチャートである。連通関連処理は、制御装置(制御部)により、所定時間(例えば、1秒)毎に繰り返し実行される。ステップS11では、給水中に異常が発生しているか否かを判定する。第1給水ラインL1から給水するための処理を実行中においては、例えば、実際のドレン装置3の水位が所定水位(例えば、最低水位)以下となることや、所定時間経過しても所定水位に到達しないことなどにより異常が発生していると判定される。この場合には、第1給水ラインL1からドレン装置3への給水が不十分であることから、第1給水ラインL1からの給水に用いる給水ポンプAの故障が疑われる。また、第2給水ラインL2から給水するための処理を実行中においては、例えば、実際のボイラ本体2内の水位が所定水位(例えば、最低水位)以下となることや、所定時間経過しても所定水位に到達しないことなどにより異常が発生していると判定される。この場合には、第2給水ラインL2からボイラ本体2への給水が不十分であることから、第2給水ラインL2からの給水に用いる給水ポンプBの故障が疑われる。
【0025】
給水中に異常が発生していないと判定された場合には、ステップS11に戻る。一方、給水中に異常が発生していると判定された場合には、ステップS12に進み、給水中の異常を報知するためのアラーム報知が行われる。これにより、ボイラの管理者による確認作業や復旧作業を促すことができる。続くステップS13では、連通ラインL4の連通弁Hを開状態とし、他の給水ラインの給水ポンプの駆動制御が行われる。例えば、第1給水ラインL1から給水するための処理を実行中であった場合には、連通弁Hを開状態とし、第2給水ラインL2の給水ポンプBを駆動制御する。逆に、第2給水ラインL2から給水するための処理を実行中であった場合には、連通弁Hを開状態とし、第1給水ラインL1の給水ポンプAを駆動制御する。
【0026】
この間において管理者による確認作業が行われ、ステップS14においてアラームを解除するための操作(管理者による操作)が行われたか否かが判定される。アラームを解除するための操作が行われたと判定されたときには、ステップS15に進みアラームが解除される。アラーム解除後においては、異常の発生原因に応じて管理者による復旧作業が行われ、ステップS16において復旧が完了して復旧操作が行われたか否かが判定される。復旧操作が行われたと判定されたときには、ステップS17に進み、連通ラインL4の連通弁Hを閉状態に制御し、本来の給水ポンプを用いて給水する通常駆動制御を再開して、連通関連処理を終了する。
【0027】
以上のように、本実施の形態では、図2のステップS11~13で示すように、例えば第1給水ライン上の給水ポンプが故障したとしても、連通ラインL4上の連通弁Hを開状態とすることにより、第2給水ラインL2から連通ラインL4を介してドレン装置3への給水が可能となる。また、ボイラ本体2における運転を開始する際などにおいて第2給水ラインL2上の給水ポンプBが故障したとしても、連通弁Hを開状態とすることにより、第1給水ラインL1から連通ラインL4を介してボイラ本体2への給水が可能となる。このため、コスト増大を抑えつつも給水ポンプの故障時でもシステム効率を低下させることなく給水を補完することにより継続運転が可能となる。
【0028】
また、本実施の形態では、第1給水ラインL1上の第1位置P1よりも下流側の開閉弁D、および第2給水ラインL2上の第2位置P2よりも下流側の開閉弁Fの少なくともいずれかを設けるため、ドレン装置3への給水を第1給水ラインL1のみを用いて行う場合と、第2給水ラインL2から連通ラインL4を介して行う場合とのいずれにおいても、第1給水ラインL1上の開閉弁Dを兼用できる。また、ボイラ本体2への給水を第2給水ラインL2のみを用いて行う場合と、第1給水ラインL1から連通ラインL4を介して行う場合とのいずれにおいても、第2給水ラインL2上の開閉弁Fを兼用できる。このため、コスト増大を抑えることができる。
【0029】
また、本実施の形態では、連通ラインL4と連通する第1給水ラインL1上の第1位置P1よりも上流側には、逆止弁Cが設けられているため、ドレン装置3への給水を第2給水ラインL2から連通ラインL4を介して行う場合において、連通ラインL4から供給された水が、第1給水ラインL1上で第1位置P1よりも上流側(給水ポンプAの方向)へ逆流することを防ぐことができる。また、連通ラインL4と連通する第2給水ラインL2上の第2位置P2よりも上流側には、逆止弁Eが設けられているため、ボイラ本体2への給水を第1給水ラインL1から連通ラインL4を介して行う場合において、連通ラインL4から供給された水が、第2給水ラインL2上で第2位置P2よりも上流側(給水ポンプBの方向)へ逆流することを防ぐことができる。
【0030】
本発明では、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形例などについて説明する。
【0031】
上記の実施の形態においては、連通弁Hを電磁弁とし、ステップS13およびステップS17にて示すように制御部により連通弁Hの開閉を行うことにより、給水ラインの切り替えを自動で行う例を説明した。しかし、連通弁Hは、手動により開閉可能な開閉弁とし、連通弁Hの開閉は、管理者により手動で切り替えるようにしてもよい。また、連通弁Hの開のみを制御部により行い、連通弁Hの閉については管理者により手動で行うようにしてもよく、また、連通弁Hの閉のみを制御部により行い、連通弁Hの開については管理者により手動で行うようにしてもよい。
【0032】
上記の実施の形態においては、弁Cおよび弁Eが逆止弁である場合を説明したが、弁Cおよび弁Eは開閉弁であってもよい。弁Cおよび弁Eが開閉弁である場合であって、給水ポンプAにより給水を行う場合には、弁Cを開状態とし、異常発生時には連通弁Hを開状態とするとともに弁Cを閉状態とする一方で弁Eを開状態とし給水ポンプBによる給水に切り替えるようにしてもよい。また、給水ポンプBにより給水を行う場合には、弁Eを開状態とし、異常発生時には連通弁Hを開状態とするとともに弁Eを閉状態とする一方で弁Cを開状態とし給水ポンプAによる給水に切り替えるようにしてもよい。
【0033】
また、上記の実施形態においては、連通ラインL4上に連通弁Hを設けて、給水ラインを切り替え可能とする例について説明した。しかし、第1給水ラインL1に弁Cおよび開閉弁Dが設けられており、第2給水ラインL2に弁Eおよび開閉弁Fが設けられているものであれば、連通ラインL4上に連通弁Hを設けないものであってもよい。この場合、ドレン装置3に給水する場合、開閉弁Dを開状態、開閉弁Fを閉状態とし、弁Cおよび弁Eを開閉弁とするときには通常時は弁Cを開状態とし、異常時に弁Cを閉状態とし弁Eを開状態としてもよい。また、ボイラ本体2に給水する場合、開閉弁Dを閉状態、開閉弁Fを開状態とし、弁Cおよび弁Eを開閉弁とするときには通常時は弁Eを開状態とし、異常時に弁Eを閉状態とし弁Cを開状態としてもよい。
【0034】
上記の実施の形態におけるドレン装置3には、負荷機器5からのドレンが供給される。このため、ドレン装置3への給水を行う給水ポンプAの性能(吐出量、容量等)は、一般的に、ボイラ本体2に給水を行う給水ポンプBよりも低いものが採用される。しかし、給水ポンプAは、ドレン装置3への給水のみならず、連通ラインL4を通じてボイラ本体2への給水を行う場合がある。このため、ドレン装置3へのみ給水する場合よりも性能が高いものであることが望ましく、例えば、第1給水ラインL1の給水ポンプAは、第2給水ラインL2の給水ポンプBと同じ性能となるものであってもよく、また、第2給水ラインL2の給水ポンプBの性能よりも高いものであってもよい。
【0035】
上記の実施の形態においては、ドレン装置3がクローズドタイプである例を説明したが、ドレン装置3は密閉型ではなくオープンタイプであってもよい。また、上記の実施の形態においては、ボイラ本体2が1つであるボイラシステムの例を説明したが、ボイラ本体2が複数台であるボイラシステムであってもよい。
【0036】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものでないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0037】
1 ボイラシステム
2 ボイラ本体
3 ドレン装置
4 給水タンク
5 負荷機器
L1 第1給水ライン
L2 第2給水ライン
L3 ドレン供給ライン
L4 連通ライン
A 給水ポンプ
B 給水ポンプ
C 逆止弁
D 開閉弁
E 逆止弁
F 開閉弁
G 開閉弁
H 連通弁

図1
図2