(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023034576
(43)【公開日】2023-03-13
(54)【発明の名称】ロータおよび回転電機
(51)【国際特許分類】
H02K 9/19 20060101AFI20230306BHJP
H02K 1/28 20060101ALI20230306BHJP
【FI】
H02K9/19 B
H02K1/28 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021140878
(22)【出願日】2021-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】日本電産株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【弁理士】
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】阿部 弘幸
(72)【発明者】
【氏名】竹田 公亮
【テーマコード(参考)】
5H601
5H609
【Fターム(参考)】
5H601AA16
5H601BB20
5H601CC01
5H601CC15
5H601DD01
5H601DD09
5H601DD11
5H601DD18
5H601EE26
5H601GA02
5H601GA15
5H601GA22
5H601GA24
5H601GA32
5H601GC12
5H601GC23
5H601GD03
5H601GD09
5H601GE02
5H609BB03
5H609BB13
5H609PP02
5H609PP06
5H609PP07
5H609PP10
5H609QQ05
5H609QQ10
5H609RR36
5H609RR37
5H609RR42
5H609RR43
5H609RR46
5H609RR50
(57)【要約】 (修正有)
【課題】貫通孔同士の位置ずれを抑制する。
【解決手段】互いに周方向にずれて配置される第1ロータ部20Aおよび第2ロータ部を備える。第1ロータ部は、軸方向に延びる第1貫通孔21Aが設けられる第1ロータコアと、第1マグネット27Aと、を有する。第2ロータ部は、軸方向に延びる第2貫通孔が設けられる第2ロータコアと、第2マグネットと、を有する。第1ロータ部の磁極は、第2ロータ部の磁極に対し周方向一方側にずれて配置される。第1ロータ部において、第1貫通孔の中心は、第1ロータ部の磁極から周方向他方側に第1の角度α1だけずれた位置に配置される。第2ロータ部において、第2貫通孔の中心は、第2ロータ部の磁極から周方向他方側に第2の角度だけずれた位置に配置される。第2の角度は、第1の角度より大きい。第1ロータ部と第2ロータ部との境界部において、第1貫通孔の開口と第2貫通孔の開口とが、互いに重なる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸線を中心として回転する回転電機のロータであって、
互いに周方向にずれて配置されるとともに軸方向に積層される第1ロータ部および第2ロータ部を備え、
前記第1ロータ部は、
軸方向に延びる第1貫通孔が設けられる第1ロータコアと、
前記第1ロータコアに保持される第1マグネットと、を有し、
前記第2ロータ部は、
軸方向に延びる第2貫通孔が設けられる第2ロータコアと、
前記第2ロータコアに保持される第2マグネットと、を有し、
前記第1ロータ部の磁極は、前記第2ロータ部の磁極に対し周方向一方側にずれて配置され、
前記第1ロータ部において、前記第1貫通孔の中心は、前記第1ロータ部の磁極から周方向他方側に第1の角度だけずれた位置に配置され、
前記第2ロータ部において、前記第2貫通孔の中心は、前記第2ロータ部の磁極から周方向他方側に第2の角度だけずれた位置に配置され、
前記第2の角度は、前記第1の角度より大きく、
前記第1ロータ部と前記第2ロータ部との境界部において、前記第1貫通孔の開口と前記第2貫通孔の開口とが、軸方向から見て互いに重なる、
ロータ。
【請求項2】
前記第1の角度と前記第2の角度の差分は、前記第1ロータ部と前記第2ロータ部のスキュー角に一致する、
請求項1に記載のロータ。
【請求項3】
前記第1ロータ部と前記第2ロータ部との境界部において、前記第1貫通孔の開口と前記第2貫通孔の開口とが、軸方向から見て互いに一致する、
請求項1又は2に記載のロータ。
【請求項4】
前記第1ロータ部と前記第2ロータ部との境界部において、前記第1貫通孔の開口は、軸方向から見て、前記第2貫通孔の開口に包含される、
請求項1又は2に記載のロータ。
【請求項5】
前記第1ロータコアには、複数の前記第1貫通孔が設けられ、
前記第1ロータ部と前記第2ロータ部との境界部において、複数の前記第1貫通孔の開口は、軸方向から見て、1つの前記第2貫通孔の開口に包含される、
請求項4に記載のロータ。
【請求項6】
前記第1ロータ部と前記第2ロータ部との境界部において、前記第1貫通孔の開口形状と、前記第2貫通孔の開口形状とは、互いに異なる、
請求項4に記載のロータ。
【請求項7】
中心軸線を中心とする中空状のシャフトを備え、
前記第1ロータ部および前記第2ロータ部は、前記シャフトの外周面に固定され、
前記シャフトには、中空部から径方向外側に延びる連通孔が設けられ、
前記シャフトの中空部は、前記連通孔を介して、前記第1貫通孔および前記第2貫通孔に繋がる、
請求項1~6の何れか一項に記載のロータ。
【請求項8】
前記ロータの軸方向一方側又は他方側の端部から、前記第1貫通孔又は前記第2貫通孔に繋がる流路を有する、
請求項1~6の何れか一項に記載のロータ。
【請求項9】
前記第1ロータコアには、前記第1マグネットが挿入される第1マグネット収容孔が設けられ、
前記第2ロータコアには、前記第2マグネットが挿入される第2マグネット収容孔が設けられ、
前記第1貫通孔と前記第1マグネット収容孔とは、周方向に並んで配置され、
前記第2貫通孔と前記第2マグネット収容孔とは、周方向に並んで配置される、
請求項1~8の何れか一項に記載のロータ。
【請求項10】
請求項1から9の何れか一項に記載のロータと、
前記ロータを径方向外側から囲むステータと、を備える、
回転電機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータおよび回転電機に関する。
【背景技術】
【0002】
回転電機は、中心軸線を中心として回転可能なロータと、ロータの径方向外側に位置するステータと、を備える。ロータは、軸方向に並ぶ複数のロータコア部を有する。特許文献1には、複数のコアブロックが所定のスキュー角度だけ周方向にずれて軸方向に重なるロータが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のロータでは、それぞれのロータコア(コアブロック)において、磁極と貫通孔との相対的な位置関係が一致している。このため、ロータコア同士境界部で、貫通孔の開口位置がずれて配置される。このため、例えば貫通孔を冷媒流路として利用する場合に、ロータコアの境界部で管路抵抗が高まり、冷媒の円滑な流動を阻害する虞があった。
【0005】
本発明は、貫通孔同士の位置ずれを抑制できるロータおよび回転電機の提供を目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様のロータは、中心軸線を中心として回転する回転電機のロータである。ロータは、互いに周方向にずれて配置されるとともに軸方向に積層される第1ロータ部および第2ロータ部を備える。前記第1ロータ部は、軸方向に延びる第1貫通孔が設けられる第1ロータコアと、前記第1ロータコアに保持される第1マグネットと、を有する。前記第2ロータ部は、軸方向に延びる第2貫通孔が設けられる第2ロータコアと、前記第2ロータコアに保持される第2マグネットと、を有する。前記第1ロータ部の磁極は、前記第2ロータ部の磁極に対し周方向一方側にずれて配置される。前記第1ロータ部において、前記第1貫通孔の中心は、前記第1ロータ部の磁極から周方向他方側に第1の角度だけずれた位置に配置される。前記第2ロータ部において、前記第2貫通孔の中心は、前記第2ロータ部の磁極から周方向他方側に第2の角度だけずれた位置に配置される。前記第2の角度は、前記第1の角度より大きい。前記第1ロータ部と前記第2ロータ部との境界部において、前記第1貫通孔の開口と前記第2貫通孔の開口とが、軸方向から見て互いに重なる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、貫通孔同士の位置ずれを抑制できるロータおよび回転電機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、一実施形態の駆動装置の概略構成図である。
【
図2】
図2は、一実施形態のロータの斜視図である。
【
図3】
図3は、一実施形態のロータの断面斜視図である。
【
図4】
図4は、一実施形態の第1ロータ部の平面図である。
【
図5】
図5は、一実施形態の第2ロータ部の平面図である。
【
図6】
図6は、一実施形態のロータの軸方向に沿う断面模式図である。
【
図7】
図7は、一実施形態のロータの断面模式図である。
【
図8】
図8は、一実施形態に採用可能なロータの流路構成の概略構成図である。
【
図9】
図9は、変形例1のロータの断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明では、実施形態の駆動装置が水平な路面上に位置する車両に搭載された場合の位置関係を基に、鉛直方向を規定して説明する。つまり、以下の実施形態において説明する鉛直方向に関する相対位置関係は、駆動装置が水平な路面上に位置する車両に搭載された場合に少なくとも満たしていればよい。
【0010】
図面においては、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。XYZ座標系において、Z軸方向は、鉛直方向である。+Z側は、鉛直方向上側であり、-Z側は、鉛直方向下側である。以下の説明では、鉛直方向上側を単に「上側」と呼び、鉛直方向下側を単に「下側」と呼ぶ。X軸方向は、Z軸方向と直交する方向であって駆動装置が搭載される車両の前後方向である。以下の実施形態において、+X側は、車両における前側であり、-X側は、車両における後側である。Y軸方向は、X軸方向とZ軸方向との両方と直交する方向であって、車両の左右方向、すなわち車幅方向である。以下の実施形態において、+Y側は、車両における左側であり、-Y側は、車両における右側である。前後方向および左右方向は、鉛直方向と直交する水平方向である。
【0011】
なお、前後方向の位置関係は、以下の実施形態の位置関係に限られず、+X側が車両の後側であり、-X側が車両の前側であってもよい。この場合には、+Y側は、車両の右側であり、-Y側は、車両の左側である。また、本明細書において、「平行な方向」は略平行な方向も含み、「直交する方向」は略直交する方向も含む。
【0012】
適宜図に示す中心軸線Jは、鉛直方向と交差する方向に延びる仮想軸である。より詳細には、中心軸線Jは、鉛直方向と直交するY軸方向、つまり車両の左右方向に延びている。以下の説明においては、特に断りのない限り、中心軸線Jに平行な方向を単に「軸方向」と呼び、中心軸線Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸線Jを中心とする周方向、つまり中心軸線Jの軸回りを単に「周方向」と呼ぶ。本実施形態において、軸方向一方側は右側(-Y側)に相当し、軸方向他方側は左側(+Y側)に相当する。
【0013】
適宜図に示す矢印θは、周方向を示している。以下の説明においては、周方向のうち右側から見て中心軸線Jを中心として時計回りに進む側、すなわち矢印θが向く側(+θ側)を「周方向一方側」と呼び、周方向のうち右側から見て中心軸線Jを中心として反時計回りに進む側、すなわち矢印θが向く側と逆側(-θ側)を「周方向他方側」と呼ぶ。
【0014】
図1は、本実施形態の駆動装置100の概略構成図である。
駆動装置100は、車両に搭載され、車軸64を回転させる駆動装置である。駆動装置100が搭載される車両は、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、電気自動車(EV)などのモータを動力源とする車両である。
図1に示すように、駆動装置100は、回転電機10と、ハウジング80と、伝達装置60と、冷媒流路90と、を備える。回転電機10は、中心軸線Jを中心として回転するロータ30と、ロータ30を径方向外側から囲むステータ40と、を備える。回転電機10の上記以外の構成については、後述する。
【0015】
ハウジング80は、回転電機10および伝達装置60を収容する。ハウジング80は、モータハウジング81と、ギヤハウジング82と、を有する。モータハウジング81は、ロータ30およびステータ40を内部に収容するハウジングである。モータハウジング81は、ギヤハウジング82の右側に繋がっている。モータハウジング81は、周壁部81aと、隔壁部81bと、蓋部81cと、を有する。周壁部81aと隔壁部81bとは、例えば、同一の単一部材の一部である。蓋部81cは、例えば、周壁部81aおよび隔壁部81bとは別体である。
【0016】
周壁部81aは、中心軸線Jを囲み、右側に開口する筒状である。隔壁部81bは、周壁部81aの左側の端部に繋がっている。隔壁部81bは、モータハウジング81の内部とギヤハウジング82の内部とを軸方向に隔てている。隔壁部81bは、モータハウジング81の内部とギヤハウジング82の内部とを繋ぐ隔壁開口81dを有する。隔壁部81bには、ベアリング34が保持されている。蓋部81cは、周壁部81aの右側の端部に固定されている。蓋部81cは、周壁部81aの右側の開口を塞いでいる。蓋部81cには、ベアリング35が保持されている。
【0017】
ギヤハウジング82は、伝達装置60の後述する減速装置62および差動装置63と、冷媒Oとを内部に収容している。冷媒Oは、ギヤハウジング82内の下部領域に貯留されている。冷媒Oは、後述する冷媒流路90内を循環する。冷媒Oは、回転電機10を冷却する冷媒として使用される。冷媒Oは、減速装置62および差動装置63を潤滑油するオイルであることが好ましい。冷媒Oとしては、例えば、冷媒および潤滑油の機能を奏するために、比較的粘度の低いオートマチックトランスミッション用潤滑油(ATF:Automatic Transmission Fluid)と同等のオイルを用いることが好ましい。
【0018】
伝達装置60は、回転電機10に接続され、ロータ30の回転を車両の車軸64に伝達する。本実施形態の伝達装置60は、回転電機10に接続される減速装置62と、減速装置62に接続される差動装置63と、を有する。
差動装置63は、リングギヤ63aを有する。リングギヤ63aには、回転電機10から出力されるトルクが減速装置62を介して伝えられる。リングギヤ63aの下側の端部は、ギヤハウジング82内に貯留された冷媒Oに浸漬している。リングギヤ63aが回転することで、冷媒Oがかき上げられる。かき上げられた冷媒Oは、例えば、減速装置62および差動装置63に潤滑油として供給される。
【0019】
回転電機10は、駆動装置100を駆動する部分である。回転電機10は、例えば、伝達装置60の右側に位置する。本実施形態において回転電機10は、モータである。回転電機10のロータ30のトルクは、伝達装置60に伝達される。
【0020】
ロータ30は、中心軸線Jを中心として軸方向に延びるシャフト31と、シャフト31に固定される8個のロータ部20と、軸方向に隣り合うロータ部20の間に配置される少なくとも1つのスペーサ38と、積層されたロータ部20の軸方向の両端部に配置される一対のエンドプレート39と、を備える。
【0021】
シャフト31は、中心軸線Jを中心として軸方向に沿って延びる。シャフト31は、中心軸線J周りを回転する。シャフト31は、ベアリング34,35によって回転可能に支持されている。本実施形態においてシャフト31は、軸方向に沿って延びる中空部31hを有する中空状のシャフトである。シャフト31は、内部に冷媒Oが流通可能な筒状である。シャフト31は、モータハウジング81の内部とギヤハウジング82の内部とに跨って延びている。シャフト31の左側の端部は、ギヤハウジング82の内部に突出している。シャフト31の左側の端部には、減速装置62が接続されている。
【0022】
図2は、本実施形態のロータ30の斜視図である。
図3は、本実施形態のロータ30の断面斜視図である。
図3に示すように、シャフト31は、略円筒状である。シャフト31は、軸方向一方側(-Y側)の端部の内径が、軸方向一方側の端部以外の部分の内径よりも小さい。シャフト31は、軸方向一方側の端部から軸方向他方側(+Y側)へ向かうに従い、内径が徐々にまたは段階的に大きくなる部分を有する。この部分は、後述する冷媒流路90のシャフト流路部95における上流側部分に相当する。シャフト31には、シャフト31の内周面から径方向外側に窪む冷媒ガイド部31aと、シャフト31の周壁を貫通する冷媒供給孔(連通孔)33と、が設けられる。
【0023】
冷媒ガイド部31aは、中心軸線Jを中心とする環状の溝である。冷媒ガイド部31aは、軸方向に互いに離れて配置される一対の溝壁31b,31cと、軸方向において一対の溝壁31b,31c間に位置し径方向内側を向く溝底31dと、を有する。一対の溝壁31b,31cのうち、軸方向一方側に位置する一方の溝壁31bは、軸方向他方側へ向かうに従い径方向外側に位置するテーパ状である。このため、シャフト31内を軸方向一方側から軸方向他方側へ向けて流れる冷媒Oが、一方の溝壁31bにより溝底31dへ安定して案内される。一対の溝壁31b,31cのうち、軸方向他方側に位置する他方の溝壁31cは、中心軸線Jと垂直な方向に拡がる平面状であり、軸方向一方側を向く。このため、溝底31dに案内された冷媒Oが、他方の溝壁31cを軸方向他方側へ乗り越えることが抑えられ、冷媒Oが冷媒ガイド部31aに安定して保持される。溝底31dは、冷媒ガイド部31aにおいて最も径方向外側に位置する。
【0024】
冷媒供給孔33は、シャフト31の周壁の内部を径方向に延びる円孔状である。すなわち、冷媒供給孔33は、中空部31hから径方向外側に延びる。冷媒供給孔33は、シャフト31に複数設けられる。複数の冷媒供給孔33は、周方向に互いに間隔をあけて配置される。本実施形態では冷媒供給孔33が、周方向に等ピッチで8つ設けられる。冷媒供給孔33は、溝底31dに開口する。つまり冷媒供給孔33は、冷媒ガイド部31aに開口する。本実施形態によれば、シャフト31内を流れる冷媒Oが、冷媒ガイド部31aにより冷媒供給孔33に効率よく案内され、後述するようにロータ30内を流れることにより、ロータ30の冷却効率が高められる。
【0025】
図3に示すように、複数のロータ部20は、それぞれロータコア26およびマグネット27、28、29を有する。なお、以降の説明において、軸方向に積層されるロータ部20同士を比較する場合、一方を第1ロータ部20Aと呼び、他方を第2ロータ部20Bと呼ぶ。
【0026】
図4は、第1ロータ部20Aの平面図であり、
図5は、第2ロータ部20Bの平面図である。
第1ロータ部20Aのロータコア26およびマグネット27、28、29をそれぞれ第1ロータコア26A、第1マグネット27A、28A、29Aと呼ぶ。第2ロータ部20Bのロータコア26およびマグネット27、28、29を、それぞれ第2ロータコア26B、第2マグネット27Bと呼ぶ。すなわち、ロータ30は、軸方向に積層される第1ロータ部20Aおよび第2ロータ部20Bを備える。第1ロータ部20Aは、第1ロータコア26Aと第1マグネット27A、28A、29Aと、を有する。第2ロータ部20Bは、第2ロータコア26Bと第2マグネット27B、28B、29Bと、を有する。
【0027】
ロータコア26は、磁性体である。ロータコア26は、中心軸線Jを中心とする筒状であり、本実施形態では円筒状である。ロータコア26の内周面は、圧入等によりシャフト31の外周面と固定される。ロータコア26とシャフト31とは、軸方向、径方向および周方向において相対移動不能に固定される。ロータコア26は、軸方向に重ねて配置される複数の電磁鋼板(図示省略)を有する。
【0028】
それぞれのロータコア26は、複数(本実施形態では8個)の貫通孔21と、複数(本実施形態では24個)のマグネット収容孔22、23、24と、を有する。第1ロータコア26Aの貫通孔21およびマグネット収容孔22、23、24を、それぞれ第1貫通孔21Aおよび第1マグネット収容孔22A、23A、24Aと呼ぶ。また、第2ロータコア26Bの貫通孔21およびマグネット収容孔22、23、24を、それぞれ第2貫通孔21Bおよび第2マグネット収容孔22B、23B、24Bと呼ぶ。
【0029】
第1マグネット収容孔22A、23A、24Aには、それぞれ第1マグネット27A、28A、29Aが挿入される。第2マグネット収容孔22B、23B、24Bには、それぞれ第2マグネット27B、28B、29Bが挿入される。
【0030】
マグネット収容孔22、23、24は、ロータコア26を軸方向に貫通する。マグネット収容孔22、23、24は、軸方向から見て略四角形状であり、本実施形態では略長方形状である。マグネット収容孔22、23、24には、それぞれマグネット27、28、29が収容される。複数のマグネット収容孔22、23、24は、軸方向から見て、二等辺三角形状にレイアウトされる3つのマグネット収容孔22、23、24の組を有する。
【0031】
1つの組を構成する3つのマグネット収容孔22、23、24のうち周方向に並ぶ2つのマグネット収容孔23、24の径方向位置は、貫通孔21の径方向位置と重なる。すなわち、貫通孔21とマグネット収容孔23、24とは、周方向に並んで配置される。
【0032】
貫通孔21は、ロータコア26を軸方向に貫通する。本実施形態の貫通孔21は、軸方向から見て円形である。なお、貫通孔21の形状は、本実施形態に限定されることがなく、例えば、貫通孔21は、軸方向から見て略四角形状など、他の形状であってもない。
【0033】
貫通孔21は、ロータコア26に周方向に互いに間隔をあけて複数設けられる。本実施形態では、各ロータコア26にそれぞれ、貫通孔21が周方向に等ピッチで8つ設けられる。それぞれの貫通孔21は、周方向に隣り合うマグネット収容孔23、24の間に配置される。貫通孔21の構成については、後段においてより具体的に説明する。
【0034】
図2に示すように、本実施形態のロータ30において、スペーサ38の軸方向一方側および他方側には、それぞれ4つのロータ部20が設けられる。複数のロータ部20のうち少なくとも2つ以上は、互いに周方向位置がずらされて配置される。すなわち本実施形態では、ロータ30にステップスキューが設けられているため、コギングトルクやトルクリプルを低減でき、回転電機10の振動が抑制されて、回転効率が高められる。
【0035】
ロータ30において、スペーサ38に対して軸方向一方側(-Y側)で積層される複数のロータ部20は、スペーサ38から軸方向一方側(-Y側)に離れるに従い周方向一方側(+θ側)にずらされて配置される。
【0036】
ロータ30において、スペーサ38に対して軸方向他方側(+Y側)で積層される複数のロータ部20は、スペーサ38から軸方向他方側(+Y側)に離れるに従い周方向一方側(+θ側)にずらされて配置される。
【0037】
スペーサ38の軸方向一方側に配列する複数のロータ部20のステップスキューのねじれの向きと、スペーサ38の軸方向他方側に配列する複数のロータ部20のステップスキューのねじれの向きとが、互いに異なる。これにより、コギングトルクやトルクリプルをより低減できるなどの効果が得られる。
【0038】
マグネット27、28、29は、例えば、ネオジム磁石またはフェライト磁石等である。マグネット27、28、29は、例えば長方形板状である。
図4および
図5に示すように、マグネット27、28、29は、ロータ部20に複数設けられる。各マグネット27、28、29は、各マグネット収容孔22、23、24に収容される。
【0039】
マグネット27、28、29は、例えば、図示しない接着剤等によりロータ部20に固定される。3つのマグネット収容孔22、23、24に収容され、二等辺三角形状にレイアウトされる3つのマグネット27、28、29は、1つの磁極25を構成する。
【0040】
本実施形態のロータ部20には、8つの磁極25が設けられる。8つの磁極25は、例えば、周方向に沿って一周に亘って等間隔に配置されている。周方向において互いに隣り合う磁極25の間には、貫通孔21が配置される。
【0041】
複数の磁極25は、ロータ部20の外周面でN極を構成する磁極25と、ロータ部20の外周面でS極を構成する磁極25と、に分類される。N極を構成する磁極25とS極を構成する磁極25とは、周方向に交互に配置される。各磁極25の構成は、ロータ部20の外周面のN/Sが異なる点および周方向位置が異なる点を除いて、同様の構成である。
【0042】
1つの磁極25を構成する3つのマグネット27、28、29は、1つの外側マグネット27と、一対の内側マグネット28、29と、に分類される。外側マグネット27は、軸方向から見て二等辺三角形状のうち底辺に相当する部分に配置される。外側マグネット27は、二等辺三角形状のうち径方向外端部に配置され、周方向に延びる。一対の内側マグネット28、29は、軸方向から見て二等辺三角形状のうち底辺以外の2辺(等辺)に相当する部分に配置される。一対の内側マグネット28、29は、外側マグネット27の径方向内側に配置される。一対の内側マグネット28、29のうち周方向他方側(-θ側)に配置される一方のマグネット28は、周方向一方側(+θ側)へ向かうに従い径方向内側に位置する。一対の内側マグネット28、29のうち周方向一方側(+θ側)に配置される他方のマグネット29は、周方向一方側(+θ側)へ向かうに従い径方向外側に位置する。
【0043】
なお、本実施形態では、磁極25が3つのマグネット27、28、29から構成され、各マグネット27、28、29を二等辺三角形状に配置する場合について説明した。しかしながら、磁極は、複数の磁極同士が同様の構成であれば、1つ又は複数のマグネットを様々な形状に配置して構成されるものであってもよい。
【0044】
次に、
図4および
図5を基に、互いに隣り合って積層される第1ロータ部20Aおよび第2ロータ部20Bの相対的な配置について説明する。
ここでは、第1ロータ部20Aおよび第2ロータ部20Bにおいて、1つの磁極25と、これらの磁極25に対し周方向他方側(-θ側)に配置される貫通孔21に着目して説明する。しかしながら、他の磁極25同士および貫通孔21同士についても、同様の構成を有する。
【0045】
以下の説明において、第1ロータ部20Aの磁極25を第1磁極25Aと呼び、第2ロータ部20Bの磁極25を第2磁極25Bと呼ぶ。また、軸方向から見て、中心軸線Jと第1磁極25Aの周方向の中央とを通過する仮想線を第1磁極中心線L1と呼び、中心軸線Jと第2磁極25Bの周方向の中央とを通過する仮想線を第2磁極中心線L2と呼ぶ。
なお、第1磁極中心線L1および第2磁極中心線L2は、それぞれのロータ30において、磁極25の数と同数だけ設けることができるが、ここでは各ロータ30について1つの磁極中心線L1、L2にのみ着目する。
【0046】
本実施形態のロータ30には、ステップスキューが設けられている。すなわち、第1ロータ部20Aおよび第2ロータ部20Bは、互いに周方向にずれて配置されるとともに軸方向に積層される。したがって、第1ロータ部20Aの磁極25は、第2ロータ部20Bの磁極25に対し周方向一方側(+θ側)にずれて配置される。ここで、第1ロータ部20Aと第2ロータ部20Bとの間の周方向のずれの角度をスキュー角φとする。スキュー角φは、第1磁極中心線L1と第2磁極中心線L2とのなす角度である。
【0047】
図4に示すように、第1ロータ部20Aを軸方向から見て、中心軸線Jと第1貫通孔21Aの中心とを通過する仮想線を第1貫通孔中心線P1と呼ぶ。第1貫通孔中心線P1は、第1磁極中心線L1の周方向他方側(-θ側)に配置される。第1貫通孔中心線P1と第1磁極中心線L1とは、第1の角度α1をなす。すなわち、第1ロータ部20Aにおいて、第1貫通孔21Aの中心は、第1ロータ部20Aの磁極25(第1磁極25A)から周方向他方側(-θ側)に第1の角度α1だけずれた位置に配置される。
【0048】
図5に示すように、第2ロータ部20Bを軸方向から見て、中心軸線Jと第2貫通孔21Bの中心とを通過する仮想線を第2貫通孔中心線P2と呼ぶ。第2貫通孔中心線P2は、第2磁極中心線L2の周方向他方側(-θ側)に配置される。第2貫通孔中心線P2と第2磁極中心線L2とは、第2の角度α2をなす。すなわち、第2ロータ部20Bにおいて、第2貫通孔21Bの中心は、第2ロータ部20Bの磁極25(第2磁極25B)から周方向他方側(-θ側)に第2の角度α2だけずれた位置に配置される。
【0049】
本実施形態において、第2の角度α2は、第1の角度α1より大きい。このため、ロータ30のステップスキューに起因する第1ロータ部20Aと第2ロータ部20Bとの周方向一方側(+θ側)へのずれを打ち消す方向に、第1貫通孔21Aと第2貫通孔21Bとずらして配置することができる。これにより、各ロータ部20の境界部分での、貫通孔21同士の周方向の位置のずれを低減させることができる。本実施形態によれば、複数のロータ部20の貫通孔21同士を軸方向に直線状に並べて配置しやすくなる。例えば、軸方向に連なる複数の貫通孔21を冷媒Oの流路として使用する場合に、ロータ部20同士の境界部における管路抵抗の高まりを抑制し、冷媒Oを円滑に流動させることができる。
【0050】
本実施形態において、第1の角度α1および第2の角度α2の何れか一方は、0°であってもよい。しかしながら、第1の角度α1と第2の角度α2との大小関係を明確にするために、第1の角度α1および第2の角度α2は、必ず正の角度であるものとする。すなわち、第1の角度α1および第2の角度α2は、それぞれ0°以上の角度である。なお、第1の角度α1が0°である場合、第1磁極中心線L1と第1貫通孔中心線P1とが重なる。第2の角度α2が0°である場合、第2磁極中心線L2と第2貫通孔中心線P2とが重なる。
【0051】
図6は、本実施形態のロータ30の軸方向に沿う断面模式図である。
複数のロータ部20は、シャフト31の外周面に固定される。すなわち、第1ロータ部20Aおよび第2ロータ部20Bは、シャフト31の外周面に固定される。第1ロータ部20Aと第2ロータ部20Bとは、境界部32において互いに対向し接触する。
【0052】
本実施形態によれば、第1ロータ部20Aと第2ロータ部20Bとの境界部32において、第1貫通孔21Aの開口21Aaと第2貫通孔21Bの開口21Baとが、軸方向から見て互いに重なる。本実施形態によれば、第1貫通孔21Aの内部空間と第2貫通孔21Bの内部空間とを境界部32において連通させることができる。
【0053】
図4および
図5に示すように、本実施形態において、第1の角度α1と第2の角度α2の差分(α2-α1)は、第1ロータ部20Aと第2ロータ部20Bのスキュー角φに一致する。すなわち、本実施形態において、第1の角度α1、第2の角度α2、およびスキュー角φは、以下の式を満たす。
φ=α2-α1
【0054】
上述の式を満たすことで、本実施形態のロータ30は、軸方向から見て第1貫通孔中心線P1と第2貫通孔中心線P2とが互いに一致する。これにより、第1貫通孔21Aと第2貫通孔21Bとを直線状に配置し易くなる。
【0055】
本実施形態では、第1貫通孔21Aと中心軸線Jとの距離と、第2貫通孔21Bと中心軸線Jとの距離と、が互いに等しい。このため、本実施形態において、第1貫通孔21Aの中心と第2貫通孔21Bの中心とは、軸方向から見て互いに一致する。これにより、第1貫通孔21Aと第2貫通孔21Bを軸方向に沿って直線状に配置でき、ロータ部20同士の境界部で第1貫通孔21Aと第2貫通孔21Bとの間に段差が生じることを抑制できる。
【0056】
加えて、本実施形態では、第1貫通孔21Aと第2貫通孔21Bとは、軸方向から見て同形状である。このため、第1ロータ部20Aと第2ロータ部20Bとの境界部において、第1貫通孔21Aの開口21Aaと第2貫通孔21Bの開口21Baとが、軸方向から見て互いに一致する。結果的に、ロータ部20同士の境界部で第1貫通孔21Aと第2貫通孔21Bとの間に段差が生じることがない。貫通孔21を冷媒流路として使用する場合に、第1貫通孔21Aと第2貫通孔21Bとの境界部で管路抵抗が高まることを抑制できる。さらに、第1ロータ部20Aと第2ロータ部20Bとを積層してロータ30を組み立てる際に、第1貫通孔21Aと第2貫通孔21Bとを貫く治具を用いて、第1ロータ部20Aと第2ロータ部20Bとの周方向の位置合わせを行ってもよい。
【0057】
図3に示すように、スペーサ38は、中心軸線Jを中心とするリング板状の非磁性体であり、本実施形態では円環板状である。スペーサ38の軸方向寸法つまり板厚寸法は、ロータ部20が有する複数の電磁鋼板の各板厚寸法よりも大きい。
【0058】
スペーサ38は、スペーサ流路部96を有する。スペーサ流路部96は、スペーサ38の内周面から径方向外側に窪む凹状である。スペーサ流路部96は、スペーサ38の内周面に開口し、外周面には開口しない。スペーサ流路部96は、冷媒供給孔33と貫通孔21とを接続する。シャフト31の中空部31hは、冷媒供給孔33を介して、貫通孔21(すなわち、第1貫通孔および第2貫通孔21B)に繋がる。本実施形態によれば、シャフト31内を流れる冷媒Oが、遠心力等により冷媒供給孔33からスペーサ流路部96を通して、ロータコア26の貫通孔21に供給される。ロータ30は、貫通孔21を流れる冷媒Oにより冷却される。ロータ30の温度上昇を抑えることができるため、例えば使用温度の上限値が高過ぎることのない廉価なマグネット27、28、29を使用できるなど、ロータ30を構成する部材の選択の幅が広がる。また本実施形態のスペーサ38は、例えばロータコア26を構成する電磁鋼板などとは異なり、厚さ寸法やスペーサ流路部96の形状を任意に変更することが可能で設計変更も容易であり、つまり形状の自由度が高いため、各種の回転電機10への要望に容易に対応できる。
【0059】
スペーサ流路部96は、スペーサ38を軸方向に貫通する。この場合、スペーサ38を簡素な構成としつつ、スペーサ38の軸方向一方側に位置するロータコア26の貫通孔21と、スペーサ38の軸方向他方側に位置するロータコア26の貫通孔21とにスペーサ流路部96からそれぞれ冷媒Oを供給でき、軸方向において広範囲にかつ均等にロータ30を冷却できる。スペーサ流路部96は、スペーサ38に周方向に互いに間隔をあけて複数設けられる。本実施形態では、スペーサ38に、スペーサ流路部96が周方向に等ピッチで8つ設けられる。
【0060】
エンドプレート39は、中心軸線Jを中心とするリング板状であり、本実施形態では円環板状である。エンドプレート39は、複数のロータ部20によって構成される積層体の軸方向の両端部に一対設けられる。一対のエンドプレート39は、複数のロータコア26のうち、軸方向一方側の端部に位置するロータコア26と、軸方向他方側の端部に位置するロータコア26とに軸方向から接触する。エンドプレート39は、軸方向においてスペーサ38とは反対側からロータコア26と対向する。
【0061】
エンドプレート39は、貫通孔21と連通するガイド流路部97を有する。ガイド流路部97は、周方向流路部97aと、径方向流路部97bと、連通流路部97cと、を有する。周方向流路部97aは、エンドプレート39のうち軸方向においてロータコア26と対向する面から軸方向に窪み、周方向に延びる溝状である。周方向流路部97aは、中心軸線Jを中心とする環状である。周方向流路部97aは、軸方向において貫通孔21と対向する。周方向流路部97aは、エンドプレート39と対向するロータコア26において周方向に並ぶ複数の貫通孔21と連通する。
【0062】
径方向流路部97bは、エンドプレート39のうち軸方向においてロータコア26とは反対側を向く面から軸方向に窪み、径方向に延びる溝状である。径方向流路部97bは、エンドプレート39の外周面に開口する。すなわち径方向流路部97bは、径方向外側に向けて開口する。径方向流路部97bは、周方向に互いに間隔をあけて複数設けられる。径方向流路部97bの数は、例えば、エンドプレート39と対向するロータコア26が有する貫通孔21の数と同じであり、本実施形態では8つである。
【0063】
連通流路部97cは、エンドプレート39を軸方向に貫通する孔状である。連通流路部97cは、周方向流路部97aと径方向流路部97bとを連通する。本実施形態では連通流路部97cが、周方向流路部97aの径方向外端部と、径方向流路部97bの径方向内端部とに開口する。連通流路部97cは、周方向に互いに間隔をあけて複数設けられる。
連通流路部97cの数は、径方向流路部97bの数と同じであり、本実施形態では例えば8つである。
【0064】
ガイド流路部97は、貫通孔21からガイド流路部97に流入した冷媒Oをステータ40の後述するコイル42cへ向けて案内する(
図1参照)。本実施形態によれば、貫通孔21を流通しロータ30を冷却した後の冷媒Oを用いて、さらにコイル42cを冷却することができ、冷却効率が高められる。
【0065】
図1に示すように、ステータ40は、ロータ30と径方向に隙間を介して対向する。ステータ40は、ロータ30を径方向外側から周方向全周に亘って囲む。ステータ40は、モータハウジング81の内部に固定される。ステータ40は、ステータコア41と、コイルアセンブリ42と、を有する。
【0066】
ステータコア41は、回転電機10の中心軸線Jを囲む環状である。ステータコア41は、例えば、電磁鋼板などの板部材が軸方向に複数積層されて構成されている。コイルアセンブリ42は、周方向に沿ってステータコア41に取り付けられる複数のコイル42cを有する。複数のコイル42cは、インシュレータ(図示省略)を介してステータコア41の各ティース(図示省略)にそれぞれ装着されている。複数のコイル42cは、周方向に沿って配置されている。コイル42cは、ステータコア41から軸方向に突出する部分を有する。
【0067】
冷媒流路90は、ハウジング80内に設けられる。冷媒流路90には、冷媒Oが流れる。冷媒流路90は、モータハウジング81の内部とギヤハウジング82の内部とに跨って設けられている。冷媒流路90は、ギヤハウジング82内に貯留された冷媒Oがモータハウジング81内の回転電機10に供給されて再びギヤハウジング82内に戻る経路である。冷媒流路90には、ポンプ71と、クーラ72と、が設けられている。冷媒流路90は、第1流路部91と、第2流路部92と、第3流路部93と、ステータ冷媒供給部50と、シャフト流路部95と、接続流路部94と、スペーサ流路部96と、貫通孔流路部98と、ガイド流路部97と、を有する。
【0068】
第1流路部91、第2流路部92、および第3流路部93は、例えば、ギヤハウジング82の壁部に設けられている。第1流路部91は、ギヤハウジング82の内部のうち冷媒Oが貯留されている部分とポンプ71とを繋いでいる。第2流路部92は、ポンプ71とクーラ72とを繋いでいる。第3流路部93は、クーラ72とステータ冷媒供給部50とを繋いでいる。本実施形態において第3流路部93は、ステータ冷媒供給部50の左側の端部すなわちステータ冷媒供給部50の上流側部分に繋がっている。
【0069】
ステータ冷媒供給部50は、ステータ40に冷媒Oを供給する。本実施形態においてステータ冷媒供給部50は、軸方向に延びる管状である。言い換えれば、本実施形態においてステータ冷媒供給部50は、軸方向に延びるパイプである。ステータ冷媒供給部50の軸方向両端部は、モータハウジング81に支持されている。ステータ冷媒供給部50の左側の端部は、例えば、隔壁部81bに支持されている。ステータ冷媒供給部50の右側の端部は、例えば、蓋部81cに支持されている。ステータ冷媒供給部50は、ステータ40の径方向外側に位置する。本実施形態においてステータ冷媒供給部50は、ステータ40の上側に位置する。
【0070】
ステータ冷媒供給部50は、ステータ40に冷媒Oを供給する供給口50aを有する。本実施形態において供給口50aは、ステータ冷媒供給部50内に流入した冷媒Oの一部をステータ冷媒供給部50の外部に噴射させる噴射口である。供給口50aは、ステータ冷媒供給部50の壁部を内周面から外周面まで貫通する孔によって構成されている。
供給口50aは、ステータ冷媒供給部50に複数設けられている。複数の供給口50aは、例えば、軸方向または周方向に互いに間隔をあけて配置される。
【0071】
図3に示すように、シャフト流路部95は、シャフト31内の中空部31hに配置される。シャフト流路部95は、シャフト31の内周面、冷媒ガイド部31aおよび冷媒供給孔33を含む。
図1に示すように、接続流路部94は、ステータ冷媒供給部50の内部とシャフト31の内部とを繋いでいる。接続流路部94は、ステータ冷媒供給部50の右側の端部つまり下流側部分と、シャフト流路部95の右側の端部つまり上流側部分と、を接続する。接続流路部94は、例えば、蓋部81cに設けられている。本実施形態によれば、冷媒流路90の構成を簡素化しつつ、ステータ40およびロータ30を安定して冷却できる。
【0072】
貫通孔流路部98は、スペーサ流路部96とガイド流路部97とを繋ぐ。貫通孔流路部98は、複数のロータコア26の内部にわたって配置される。
【0073】
図1に示すように、ポンプ71が駆動されると、ギヤハウジング82内に貯留された冷媒Oが第1流路部91を通って吸い上げられ、第2流路部92を通ってクーラ72内に流入する。クーラ72内に流入した冷媒Oは、クーラ72内で冷却された後、第3流路部93を通って、ステータ冷媒供給部50へと流れる。ステータ冷媒供給部50内に流入した冷媒Oの一部は、供給口50aから噴射されて、ステータ40に供給される。ステータ冷媒供給部50内に流入した冷媒Oの他の一部は、接続流路部94を通ってシャフト流路部95に流入する。シャフト流路部95を流れる冷媒Oの一部は、冷媒供給孔33からスペーサ流路部96、貫通孔流路部98およびガイド流路部97を流れて、ステータ40に飛散する。シャフト流路部95に流入した冷媒Oの他の一部は、シャフト31の左側の開口からギヤハウジング82の内部に排出され、再びギヤハウジング82内に貯留される。
【0074】
供給口50aからステータ40に供給された冷媒Oは、ステータ40から熱を奪い、シャフト31内からロータ30およびステータ40に供給された冷媒Oは、ロータ30およびステータ40から熱を奪う。ステータ40およびロータ30を冷却した冷媒Oは、下側に落下して、モータハウジング81内の下部領域に溜まる。モータハウジング81内の下部領域に溜った冷媒Oは、隔壁部81bに設けられた隔壁開口81dを介してギヤハウジング82内に戻る。以上のようにして、冷媒流路90は、ギヤハウジング82内に貯留された冷媒Oをロータ30およびステータ40に供給する。
【0075】
図1に示すように、本実施形態のロータ30は、ロータ30の軸方向の全長から各ロータ部20の貫通孔21に繋がる流路(スペーサ流路部96)を有する。その他の構造として、
図8に示すように、ロータ30は、ロータ30の軸方向一方側又は他方側の端部から、貫通孔21(すなわち、第1貫通孔21A又は第2貫通孔21B)に繋がる流路97Aを有していてもよい。なお、本実施形態のロータ30は、水平方向に沿って延び中心軸線Jを中心として配置される。しかしながら、ロータ30は、上下方向に沿って延びる中心軸線を中心として配置されていてもよい。この場合、上側から冷媒Oを滴下するなどしてロータ30の貫通孔21に冷媒Oを導入する構成を採用することもできる。
【0076】
図7は、本実施形態のロータ30の断面模式図であり、第1貫通孔21Aと第2貫通孔21Bとのマグネットとの位置関係を示す模式図である。本実施形態では、第1磁極25Aと第1貫通孔21Aとの位置関係と、第2磁極25Bと第2貫通孔21Bとの位置関係と、は互いに異なる。
【0077】
第1ロータ部20Aにおいて、第1貫通孔21Aと、当該第1貫通孔21Aに最も近いマグネット29との第1の距離をd1とする。同様に、第2ロータ部20Bおいて、第2貫通孔21Bと、当該第2貫通孔21Bに最も近いマグネット29との第2の距離をd2とする。本実施形態において、第2の距離d2は、第1の距離d1より小さい。このように、本実施形態によれば、ロータ部20毎に、貫通孔21とマグネット29との距離が異なる構成が採用される。
【0078】
<変形例>
以下、上述の実施形態に採用可能な各変形例について説明する。
各変形例において、第1貫通孔と第2貫通孔の周方向の位置関係は上述の実施形態と同様である。各変形例のロータは、上述の実施形態と比較して第1貫通孔および第2貫通孔の何れか一方又は両方の形状が異なる。
以下に説明する各変形例において、既に説明した実施形態又は変形例と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0079】
(変形例1)
図9は、変形例1のロータ130の断面模式図である。
本変形例において、第1ロータ部120Aの第1貫通孔121Aは、第2ロータ部120Bとの境界部132側(すなわち、軸方向一方側(-Y側))に向かうに従って直径が小さくなるテーパ状である。冷媒Oが第1貫通孔121Aから第2貫通孔121Bに流れる場合、第1貫通孔121Aを通過する冷媒Oの流速は、第2貫通孔121B側に向かうに従い速くなる。
【0080】
第1ロータ部120Aと第2ロータ部120Bとの境界部132において、第1貫通孔121Aの開口121Aaと第2貫通孔121Bの開口121Baとが、軸方向から見て互いに一致する。このため、ロータ部120同士の境界部132で第1貫通孔121Aと第2貫通孔121Bとの間に段差が生じることがなく、境界部132で管路抵抗が高まることを抑制できる。
【0081】
(変形例2)
図10は、変形例2のロータ230の断面模式図である。
本変形例において、第1貫通孔221Aの断面積は、第2貫通孔221Bの断面積より小さい。第1貫通孔221Aおよび第2貫通孔221Bは、例えば、軸方向から見て円形である。第1貫通孔221Aの直径は、第2貫通孔221Bの直径より小さい。
【0082】
第1ロータ部220Aと第2ロータ部220Bとの境界部232において、第1貫通孔221Aの開口221Aaは、軸方向から見て、第2貫通孔221Bの開口221Baに包含される。このため、冷媒Oが第1貫通孔221Aから第2貫通孔221Bに流れる場合、境界部232において冷媒Oの流れに対向する段差面が生じることがない。本変形例によれば、境界部232における管路抵抗の上昇を抑制できる。
【0083】
(変形例3)
図11は、変形例3のロータ330の断面模式図である。
本変形例において、第1ロータ部320Aに設けられる第1貫通孔321Aの数は、第2ロータ部320Bに設けられる第2貫通孔の数より多い。また、それぞれの第1貫通孔321Aの断面積は、第2貫通孔321Bの断面積より小さい。第1貫通孔321Aおよび第2貫通孔321Bは、例えば、軸方向から見て円形である。第1貫通孔321Aの直径は、第2貫通孔321Bの直径より小さい。
【0084】
第1ロータ部320Aと第2ロータ部320Bとの境界部332において、複数(3個)の第1貫通孔321Aの開口321Aaは、軸方向から見て、1つの第2貫通孔321Bの開口321Baに包含される。このため、冷媒Oが第1貫通孔321Aから第2貫通孔321Bに流れる場合、境界部332において冷媒Oの流れに対向する段差面が生じることがない。本変形例によれば、境界部332における管路抵抗の上昇を抑制できる。
【0085】
(変形例4)
図12は、変形例4のロータ430の平面図であり、第1ロータ部420Aの第1貫通孔421Aと第2ロータ部420Bの第2貫通孔421Bを示す。
【0086】
第1ロータ部420Aと第2ロータ部420Bとの境界部において、第1貫通孔421Aの開口形状と、第2貫通孔421Bの開口形状とは、互いに異なる。第1貫通孔421Aは、軸方向から見て略矩形状である。一方で、第2貫通孔421Bは、軸方向から見て円形である。なお、ここで略矩形状とは、隅部が滑らかに湾曲する矩形状である。第1貫通孔421Aおよび第2貫通孔421Bの断面形状は、軸方向の全長において一様である。第1貫通孔421Aの中心とおよび第2貫通孔421Bの中心とは、軸方向から見て互いに一致する。第1貫通孔421Aの断面積は、第2貫通孔421Bの断面積より小さい。
【0087】
軸方向から見て、第1貫通孔421Aは、第2貫通孔421Bに包含される。すなわち、第1ロータ部420Aと第2ロータ部420Bとの境界部において、第1貫通孔421Aの開口は、軸方向から見て、第2貫通孔421Bの開口に包含される。このため、冷媒Oが第1貫通孔421Aから第2貫通孔421Bに流れる場合、境界部において冷媒Oの流れに対向する段差面が生じることがない。本変形例によれば、第1貫通孔421Aと第2貫通孔421Bとの形状が互いに異なる場合であっても、境界における管路抵抗の上昇を抑制できる。
【0088】
(変形例5)
図13は、変形例5のロータ530の平面図であり、第1ロータ部520Aの第1貫通孔521Aと第2ロータ部520Bの第2貫通孔521Bを示す。
【0089】
第1ロータ部520Aと第2ロータ部520Bとの境界部において、第1貫通孔521Aの開口形状と、第2貫通孔521Bの開口形状とは、互いに異なる。第1貫通孔521Aは、軸方向から見て略矩形状である。一方で、第2貫通孔521Bは、軸方向から見て円形である。第1貫通孔521Aおよび第2貫通孔521Bの断面形状は、軸方向の全長において一様である。第1貫通孔521Aの中心とおよび第2貫通孔521Bの中心とは、軸方向から見て互いに一致する。第1貫通孔521Aの断面積は、第2貫通孔521Bの断面積より小さい。
【0090】
軸方向から見て、第1貫通孔521Aは、第2貫通孔521Bに重なる。軸方向から見て、第1貫通孔521Aの外形の一部は、第2貫通孔521Bの外形に対して外側にはみ出す。また、第2貫通孔521Bの外形の一部は、第1貫通孔521Aの外形に対して外側はみ出す。本変形例によれば、第1貫通孔521Aと第2貫通孔521Bとの境界部で、段差部が生じる。このため本変形例のロータ530では、第1貫通孔521Aと第2貫通孔521Bとの境界部で、冷媒Oに若干の乱流が生じるものの、第1貫通孔521Aの中心と第2貫通孔521Bの中心とが一致するため、冷媒Oを円滑に流すことができる。本変形例によれば、第1貫通孔521Aと第2貫通孔521Bとの形状が互いに異なる場合であっても、境界における管路抵抗の上昇を抑制できる。
【0091】
(変形例6)
図14は、変形例6のロータ630の断面模式図である。
本変形例において、第1ロータ部620Aの第1貫通孔621Aは、第2ロータ部620Bとの境界部632側に向かうに従って直径が小さくなるテーパ状である。また、第2ロータ部620Bの第2貫通孔621Bは、第1ロータ部620Aとの境界部632側から離れるに従って直径が小さくなるテーパ状である。したがって、軸方向に沿って連なる第1貫通孔621Aおよび第2貫通孔621Bは、軸方向他方側(+Y側)から一方側(-Y側)に向かうに従って断面積が小さくなる。冷媒Oが第1貫通孔621Aから第2貫通孔621Bに流れる場合、第1貫通孔621Aおよび第2貫通孔621Bを通過する冷媒Oの流速は、軸方向一方側(-Y側)側に向かうに従い速くなる。
【0092】
第1ロータ部620Aと第2ロータ部620Bとの境界部632において、第1貫通孔621Aの開口621Aaと第2貫通孔621Bの開口621Baとが、軸方向から見て互いに一致する。このため、ロータ部620同士の境界部632で第1貫通孔621Aと第2貫通孔621Bとの間に段差が生じることがなく、境界部632で管路抵抗が高まることを抑制できる。
【0093】
第1ロータ部620Aにおいて、第1貫通孔621Aと、当該第1貫通孔621Aに最も近いマグネット29との第1の距離をd1とする。同様に、第2ロータ部620Bおいて、第2貫通孔621Bと、当該第2貫通孔621Bに最も近いマグネット29との第2の距離をd2とする。上述の実施形態と同様に、第2の距離d2は、第1の距離d1より小さい。
【0094】
上述したように、本変形例のロータ630では、第1貫通孔621Aから第2貫通孔621Bにかけて流路断面積が徐々に小さくなる。このため、第1ロータ部620A内を通過する冷媒Oの流速は、第2ロータ部620B内を通過する冷媒Oの流速より低い。本変形例のロータ630の内部を通過する冷媒Oは、第2ロータ部620Bより第1ロータ部620Aと長時間接触する。冷媒Oは、第2ロータ部620Bより第1ロータ部620Aからより多く吸熱する。
【0095】
一方で、本変形例のロータ630によれば、第2の距離d2が第1の距離d1より小さい。したがって、第2ロータ部620Bでは、第1ロータ部620Aと比較して、マグネット29を冷媒Oで冷却し易い。本変形例によれば、マグネット29と第2貫通孔621Bとの距離が離れた第2ロータ部620B内では、冷媒Oの流速を低くし、マグネット29と第2貫通孔621Bとの距離が近い第2ロータ部620B内の冷媒Oの流速を高めることができる。これにより、第1ロータ部620Aと第2ロータ部620Bの各マグネット29の冷却効率のバランスを良くして、ロータ630全体を均一に冷却して温度のばらつきを抑制できる。
【0096】
(変形例7)
図15は、変形例7のロータ730の断面模式図である。
本変形例において、第1ロータ部720Aの軸方向寸法D1は、第2ロータ部720Bの軸方向寸法D2より大きい。第1ロータ部720Aの第1貫通孔721Aと第2ロータ部720Bの第2貫通孔721Bとは、軸方向から見て同形状である。第1ロータ部720Aと第2ロータ部720Bとの境界部732において、第1貫通孔721Aの開口721Aaと第2貫通孔721Bの開口721Baとが、軸方向から見て互いに一致する。
【0097】
第1ロータ部720Aにおいて、第1貫通孔721Aと、当該第1貫通孔721Aに最も近いマグネット29との第1の距離をd1とする。同様に、第2ロータ部720Bおいて、第2貫通孔721Bと、当該第2貫通孔721Bに最も近いマグネット29との第2の距離をd2とする。上述の実施形態と同様に、第2の距離d2は、第1の距離d1より小さい。
【0098】
本変形例のロータ730では、第1貫通孔721Aの全長(すなわち、軸方向寸法D1)は、第2貫通孔721Bの全長(すなわち、軸方向寸法D2)より長い。本変形例のロータ730の内部を通過する冷媒Oは、第2ロータ部720Bより第1ロータ部720Aと長時間接触する。このため、冷媒Oは、第2ロータ部720Bより第1ロータ部720Aからより多く吸熱する。
【0099】
一方で、本変形例のロータ730によれば、第2の距離d2が第1の距離d1より小さい。したがって、第2ロータ部720Bでは、第1ロータ部720Aと比較して、マグネット29を冷媒Oで冷却し易い。本変形例によれば、マグネット29と第2貫通孔721Bとの距離が離れた第2ロータ部720B内では、冷媒Oの流路長を長くし、マグネット29と第2貫通孔721Bとの距離が近い第2ロータ部720B内の冷媒Oの流路長を短くすることができる。これにより、第1ロータ部720Aと第2ロータ部720Bの各マグネット29の冷却効率のバランスを良くして、ロータ730全体を均一に冷却して温度のばらつきを抑制できる。
【0100】
以上に、本発明の各実施形態およびその変形例を説明したが、各実施形態および変形例における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態および変形例によって限定されることはない。
【0101】
本発明が適用される回転電機は、モータに限られず、発電機であってもよい。回転電機の用途は、特に限定されない。回転電機は、例えば、車軸を回転させる用途以外の用途で車両に搭載されてもよいし、車両以外の機器に搭載されてもよい。回転電機が用いられる際の姿勢は、特に限定されない。
【符号の説明】
【0102】
10…回転電機、20,120,620…ロータ部、20A,120A,220A,320A,420A,520A,620A,720A…第1ロータ部、20B,120B,220B,320B,420B,520B,620B,720B…第2ロータ部、21…貫通孔、21A,121A,221A,321A,421A,521A,621A,721A…第1貫通孔、21Aa,21Ba,121Aa,121Ba,221Aa,221Ba,321Aa,321Ba,621Aa,621Ba,721Aa,721Ba…開口、21B,121B,221B,321B,421B,521B,621B,721B…第2貫通孔、22,23,24…マグネット収容孔、22A,23A,24A…第1マグネット収容孔、22B,23B,24B…第2マグネット収容孔、25…磁極、25A…第1磁極、25B…第2磁極、26…ロータコア、26A…第1ロータコア、26B…第2ロータコア、27,28,29…マグネット、27A,28A,29A…第1マグネット、27B,28B,29B…第2マグネット、30,130,230,330,430,530,630,730…ロータ、31…シャフト、31h…中空部、32,132,232,332,632,732…境界部、33…冷媒供給孔(連通孔)、40…ステータ、97A…流路、J…中心軸線、α1…第1の角度、α2…第2の角度、φ…スキュー角