(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023034630
(43)【公開日】2023-03-13
(54)【発明の名称】配管切削具
(51)【国際特許分類】
B23B 41/00 20060101AFI20230306BHJP
B26F 1/16 20060101ALI20230306BHJP
B23B 45/00 20060101ALI20230306BHJP
B23B 45/14 20060101ALI20230306BHJP
F16L 1/00 20060101ALI20230306BHJP
B23B 29/03 20060101ALI20230306BHJP
B23D 21/00 20060101ALI20230306BHJP
B23D 21/14 20060101ALI20230306BHJP
B23B 47/18 20060101ALN20230306BHJP
【FI】
B23B41/00 B
B26F1/16
B23B45/00 Z
B23B45/14
F16L1/00 J
B23B29/03 Z
B23D21/00 A
B23D21/14 C
B23B47/18 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021140959
(22)【出願日】2021-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000151025
【氏名又は名称】株式会社タブチ
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】桶川 智也
(72)【発明者】
【氏名】清水 彰人
【テーマコード(参考)】
3C036
3C046
3C060
【Fターム(参考)】
3C036AA02
3C036DD01
3C036EE18
3C046KK02
3C060AA04
3C060AB02
3C060BA05
3C060BB19
3C060BD10
3C060BE08
3C060BH10
(57)【要約】
【課題】 保護管を損傷することなく、保護管の内部に配置された配管を完全に除去し得る配管切削具の提供を目的とする。
【解決手段】 保護管の内部に配置された配管の管軸方向に中心軸線を沿わせて中心軸線周りに回転することで、配管を切削するよう構成され、中心軸線周りに形成される板状の基端部と、基端部の外周に周方向に間隔をあけて複数配置された切削刃部とを備え、切削刃部は、中心軸線方向と径方向とに沿う面と、中心軸線方向の先端縁にあって配管の管端面に当接して配管を切削する刃先とを有した先行側面と、径方向外周を形成して回転の周方向に沿った外周面と、先行側面の径方向外側端縁と、外周面の周方向における回転の先行端縁とが接続された稜線領域を備え、稜線領域は面取りされている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保護管の内部に配置された配管の管軸方向に中心軸線を沿わせて該中心軸線周りに回転することで、前記配管を切削するよう構成され、
前記中心軸線周りに形成される板状の基端部と、該基端部の外周に周方向に間隔をあけて複数配置された切削刃部とを備え、
該切削刃部は、前記中心軸線方向と径方向とに沿う面と、前記中心軸線方向の先端縁にあって前記配管の管端面に当接して該配管を切削する刃先とを有した先行側面と、
径方向外周を形成して回転の周方向に沿った外周面と、
前記先行側面の径方向外側端縁と、前記外周面の周方向における回転の先行端縁とが接続された稜線領域を備え、
該稜線領域は面取りされていることを特徴とする配管切削具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保護管の内部に配置された配管を切削する配管切削具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、断面円形の既設配管(埋設樹脂管)を拡径する、切断刃を備えた拡径装置が開示されている。拡径装置は、その外周を既設配管の内径を広げる拡径面とされ、拡径装置の前側に、放射状に前記切断刃を複数個配置し、拡径装置の後方には、新配管(交換用樹脂管)の先端が固定された構成である。
【0003】
特許文献1に記載の構成では、切断刃で既設配管の内面に管軸方向に沿う拡径用切込みを形成し、拡径装置の拡径面により既設配管の内径を拡径し、拡径装置に後続する新配管を、拡径用切込みを広げて既設配管に導くことで、既設配管に新配管を挿入する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、既設配管を完全に除去する必要があることもあるが、特許文献1の拡径装置は、既設配管を完全に除去するには使用できない。また、既設配管を完全に除去する場合に、既設配管を内部に配置した保護管を損傷するおそれもある。
【0006】
そこで本発明は、保護管を損傷することなく、保護管の内部に配置された配管を完全に除去し得る配管切削具の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の配管切削具は、保護管の内部に配置された配管の管軸方向に中心軸線を沿わせて該中心軸線周りに回転することで、前記配管を切削するよう構成され、前記中心軸線周りに形成される板状の基端部と、該基端部の外周に周方向に間隔をあけて複数配置された切削刃部とを備え、該切削刃部は、前記中心軸線方向と径方向とに沿う面と、前記中心軸線方向の先端縁にあって前記配管の管端面に当接して該配管を切削する刃先とを有した先行側面と、径方向外周を形成して回転の周方向に沿った外周面と、前記先行側面の径方向外側端縁と、前記外周面の周方向における回転の先行端縁とが接続された稜線領域を備え、該稜線領域は面取りされていることを特徴とする。
【0008】
本発明の配管切削具によれば、中心軸線周りに回転させた刃先を、管端面に接触させて配管を切削する際には、回転における先行端縁に稜線領域が面取りされているため、保護管の内周に引っ掛かることなく切削できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の配管切削具によれば、保護管を損傷することなく、保護管の内部に配置された配管を完全に除去し得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係る配管切削方法を備えた配管更新方法の対象である既設配管の、建築物への配置例を示す概略図である。
【
図2】同配管切削方法に用いられる配管切削装置、及び配管切削具を示す図である。
【
図3】同
図3(a)は配管切削具の正面図、(b)は進行方向からの側面図である。
【
図7】同配管更新方法において、既設配管が固定された挿入工程を示し、(a)は切削具により所定範囲の配管を切除した状態の正面図、(b)は切削具を入口から抜去した状態の正面図、(c)は検査装置を歪部の入口側まで挿入した状態の正面図、(d)は検査装置を歪部の出口側まで挿入した状態の正面図である。
【
図8】同配管更新方法の挿入工程を示し、(a)は挿入工程の準備段階を示す正面図であり、(b)は挿入工程の完了時を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一実施形態に係る既設配管の配管切削具について、配管の更新方法を含めて、
図1乃至
図8を参照して説明する。
【0012】
説明の便宜上、一般的に建物内で用いられる既設配管1,2の概略について説明する。
図1に示すように、既設配管1,2は、保護管9と、保護管9の内部に配置された配管10とから構成される。これら配管10は、給湯配管と給水配管に利用される。また、給湯配管と給水配管は同様の構成である。
【0013】
配管10は管状とされ、既設配管1,2は、例えば発泡樹脂製の断熱材からなる保護管9に、ポリエチレン管、架橋ポリエチレン管、アルミ三層管等から構成されたフレキシブルな配管10を挿通して形成される。即ち、配管10は可撓性を有し、湾曲させることができる。また、既設配管1,2、床面3によって管軸方向の少なくとも途中部分が覆われ、床面3の下側に配置されたスラブ3a等に、配管10(保護管9)の管軸方向において、所定間隔でバンド23(
図7参照)によって強固に固定されている。なお、管軸方向は、配管10の軸中心に沿う方向である。
【0014】
また、既設配管1,2の入口4及び出口5は、管軸方向で、後述の配管切削具13を挿入する側を入口4として、反対側を出口5とする。入口4から出口5は、床面3から露出され、配管10の後方端部である入口4は給湯器に例えばヘッダー部材6を介して接続され、配管10の前方端部である出口5は、例えば浴室の水栓7に接続されている。なお、入口4及び出口5は、上記のように接続される場合に限らず、例えば、入口4が、継手部材を介して給湯器に取り付けられていてもよい。
【0015】
本実施形態では、既設の配管10(保護管9に覆われた配管)を更新する配管更新方法に関連し、配管10の管端面に配管切削具13を当てて切削したうえで、保護管9の内部(具体的には、肉厚が切削された配管10の内部)に新配管11(
図8参照)を管軸方向に沿って設置する。ここでは、既設の配管10としての旧内部配管と、保護管9の内部に配置される新配管11に更新する方法とされる。
【0016】
新配管11もまた、管軸方向に沿って保護管9に挿入される。新配管11は、新たな給湯配管を構成する。新配管11は、配管10と同じく、ポリエチレン管、架橋ポリエチレン管、ポリブテン管、アルミ三層管等により形成されており、軸方向で湾曲できるフレキシブルな配管である。また、本実施形態で新配管11は、配管10の外径よりも外径が小さい配管である。さらに、新配管11は、配管10の内径よりも外径が大きい配管である。
【0017】
本実施形態に係る配管更新方法を具体的に説明すると、
(1)管軸方向の入口4から出口5まで、配管10の肉厚の全部を、配管切削具(以下、切削具と称する)13により除去する配管肉厚除去工程、
(2)新配管11を挿入具により、出口5から引っ張って挿入する挿入工程、
を備えている。この施工方法では、保護管9、配管10、及び新配管11は、断面円形である。
【0018】
前述(1)の配管肉厚除去工程についてさらに詳述する。(1)の配管肉厚除去工程は、配管切削方法を適用して行う。具体的に、配管肉厚除去工程は、切削の準備段階としての取外し工程と、配管の肉厚を切削して除去する配管切削実行工程と、を施工順に備えている。
【0019】
取外し工程は、
図1に二点鎖線で示すように、一本の既設配管1,2につき、既設配管1,2のうち床面3に露出されている領域を、自由端とする工程である。取外し工程は、ヘッダー部材6から既設配管1,2の一端部(入口4側端部)を外して入口4とし、水栓7から既設配管1,2の他端部を外して出口5とし、直線状及び曲線状(例えば
図1の湾曲部分8)の領域を含む一本の保護管9と配管10とする入口4及び出口5を自由端とする工程である。また、本取外し工程で、自由端を後工程で都合のよい(作業のしやすい)向きに向ける工程を含んでもよい。
【0020】
取外し工程では、既設配管1,2における途中部分は、前述のようにスラブ3aに強固に固定されたままであり、したがって直線状及び曲線状の領域を含む既設配管1,2が残存している。本工程によって、後述する配管切削実行工程で配管10における管軸方向の切削すべき範囲の管軸方向一端部及び管軸方向他端部が自由端となる。
【0021】
配管切削実行工程は、既設配管1,2において、配管10の肉厚の全部を切削して除去する工程である。配管10の全部を削除するには、
図2ないし
図5に示すような、管軸方向の中心周りに回転方向Rで回動する切削具13を備えた配管切削装置12が用いられる。
【0022】
本実施形態の配管切削装置12は、
図3に示すように、保護管9内に通されている配管10を、管軸方向の中心周りに回動して切削することにより、肉厚の全部を除去する切削具13と、
図4、
図5に示すように、保護管9及び配管10の外部に配置され、切削具13に回動力を与える駆動部14と、切削具13と駆動部14とを回動力が伝達可能に連結部15と、を備える。以下、詳しく説明する。
【0023】
配管切削実行工程で使用される配管切削装置12の構成について説明する。
図4に示すように、配管切削装置12は、駆動部14の先端に着脱自在な把手16と、把手16の先端側に配置された切削具13と、把手16及び切削具13を連結する連結部15と、を備える。また、
図6に示すように、配管切削装置12は、切削具13を出口5側から引っ張るよう構成される牽引部18と、切削具13及び連結部15を入口4側から押し込むよう構成される送り部17とを備える。
【0024】
図4に示すように、駆動部14については、一般的な回動式電動工具が用いられ、その本体は、その先端に把手16を連結させて、切削具13を管軸方向が回動中心となるように回動させる。
【0025】
把手16は、駆動部14の先端形状に対し着脱可能に連結できるように形成されている。把手16は、管軸方向に沿うよう駆動部14の把持に耐えうる管軸方向の長さに形成されている。また、把手16は、駆動部14の回動力を連結部15に伝達可能に構成されている。
【0026】
連結部15は、把手16と切削具13とを連結する部位である。連結部15は、後端部が把手16の先端部と接続され、先端部が切削具13の後端部と接続されることで、把手16と先端部とを連結する。また、連結部15は、把手16を介して伝達される駆動部14の回動力を切削具13に伝達可能である。さらに、連結部15は、先端部に、切削具13を着脱可能な取付部151を備える。
【0027】
本実施形態の連結部15は、軸線方向に延びる棒状のシャフト19を複数連結して構成されている。具体的に、シャフト19は、軸線方向の両端部に継足部191を備える。継足部191は、他の継足部191と連結可能に構成されている。即ち、一のシャフト19の継足部191と他のシャフト19の継足部191と、を連結することで、シャフト19同士を連結し、連結部15の軸線方向長さを伸ばすことができる。
【0028】
本実施形態のシャフト19は、
図4、
図5に示すように、先端に設けられる継足部191である先端継足部191Aが雄ねじを備え、後端に設けられる後端継足部191Bが雌ねじを備えるように構成され、先端継足部191Aと他のシャフト19の後端継足部191Bと、を螺合することで、シャフト19同士を連結可能に構成されている。
【0029】
なお、本実施形態で、連結部15の先端部を構成するシャフト19の先端部には、取付部151としての雄ねじが設けられている。本実施形態の取付部151は、先端継足部191Aの雄ねじと同じ形状の雄ねじである。即ち、先端部分に設けられるシャフト19の先端継足部191Aの雄ねじは取付部151である。なお、このような構成に限らず、例えば、連結部15の先端部を構成するシャフト19の先端部に先端継足部191Aを設けず、先端側に突出する雄ねじを別途設けて取付部151を構成することもできる。なお、先端継足部191Aに雌ねじを設け、後端継足部191Bに雄ねじを設けるように構成することもできる。このように構成する場合であっても、上述の場合と同様に、先端継足部191Aと後端継足部191Bを螺合してシャフト19同士を連結できる。また、このように構成する場合には、連結部15の先端部を構成するシャフト19の先端継足部191Aの雌ねじに、軸線方向の両端部に雄ねじが設けられたねじであるスタッドボルトが螺合して、取付部151としての雄ねじが設けることができる。
【0030】
シャフト19は、それぞれ、筒状の外筒部192と、外筒部192の内部に設けられる棒状の連結棒部193と、を備える。連結棒部193は、軸線方向の一端側(後端側)から他端側(先端側)に回動力を伝達可能な棒状体である。即ち、連結棒部193は、把手16から伝達される回動力によって軸線方向中心に回動し、該回動力を後端側から先端側に伝達する。また、連結棒部193と外筒部192は、軸線方向中心で相対回動自在に設けられている。即ち、連結棒部193が軸線方向中心に回動した際に、回動力は外筒部192には伝達されないように構成されている。また、継足部191は、連結棒部193と同軸で回動可能に設けられている。具体的に、継足部191は、回動力が伝達可能なように連結棒部193に連結されている。さらに、継足部191は、軸線方向中心で外筒部192と相対回動可能なように設けられている。具体的に、継足部191は、外筒部192の端部にベアリング部194を介して設けられている。そのため、連結部15の軸線方向一端部に与えられた回動力は、各シャフト19の連結棒部193及び継足部191を介して、連結部15の軸線方向他端部まで伝達される。
【0031】
シャフト19は、軸線方向において可撓性を有する。即ち、連結部15は、既設配管1,2に挿入された際に、既設配管1,2の管軸方向に沿って曲がることができるよう構成されている。具体的に、連結棒部193及び外筒部192は、軸線が湾曲可能となるように可撓性を有する。本実施形態の連結棒部193は、自然状態において直線状のねじりコイルばねから構成される。また、外筒部192は、可撓性のある筒状体で構成される。本実施形態の外筒部192は、金属製のフレキシブルチューブで構成される。
【0032】
配管切削実行工程で使用される切削具13の構成について説明する。
図3に示すように、切削具13は、配管10の管軸中心に(回転方向Rに)回動して、配管10の管端面に当たって配管10の肉厚全部を切削する部位(切削用工具)である。また、切削具13は、連結部15に伝達された回動力を受けて、回転方向Rに回動可能である。本実施形態において、切削具13は、基端部135と、複数の切削刃部136とを備える。
【0033】
基端部135は、円板状に形成されており、基端部135の中心には、連結部15の取付部151に連結可能な装着凹部135aを備える。装着凹部135aは、連結部15の先端部に設けられる取付部151に螺合可能な雌ねじ135bを有する。また、基端部135は、取付部151との連結を解除可能に構成されている。装着凹部135aと取付部151との螺合を解除することで、基端部135と連結部15との連結が解除される。
【0034】
切削刃部136について述べる。切削刃部136は、基端部135の外周から進行方向に配置されて基端部135の周方向に配置され、切削刃部136は、基端部135の周方向に所定角度だけ離間して複数配置されている。例えば、切削刃部136は、周方向に90°だけ離間して配置されている。この場合、基端部135の径方向に対向する切削刃部136の外周における外径寸法は、配管10の外径寸法よりも大きく、且つ保護管9の内径寸法よりも小さく設定されている。
【0035】
各切削刃部136は、先行側面(すくい面)137Aと、後行側面137Bと、外周面137Cと、内周面137Dと、先端面(逃げ面)137Eと、後端面137Fとを備える。
【0036】
先行側面137Aは、中心軸線方向と径方向とに沿う面と、中心軸線方向の先端縁に配管10の管端面10aに当接して配管10を切削する刃先139とを有する。後行側面137Bは、先行側面137Aに平行に配置されている。すなわち、後行側面137Bは、回転方向Rの後続の切削刃部136における先行側面137Aに垂直な方向に沿う面である。また、後行側面137Bは、後続の先行側面137Aに対して回転方向Rに90°以上の角度を持った面である。そして、切削刃部136は、周方向に90°だけ離間して配置されているので、切削刃部136の間に隙間138が生じている。
【0037】
外周面137Cは、径方向外周を形成して回転の周方向に沿い、先行側面137Aと後行側面137Bとを外周で連続する面である。この外周面137Cは円筒面である。内周面137Dは、外周面137Cの径方向内方において、外周面137Cと平行に形成されている。
【0038】
先端面137Eは、外周面137Cにおける先端領域から、配管10の中心に向かって後方に傾斜した面である。換言すれば、径方向の外端縁が、内端縁より管軸方向に先端側に位置するよう傾斜して形成される。
【0039】
先行側面137Aと、先端面137Eとの連続面が刃先139とされており、先端面137Eは、刃先139が管軸方向の先端となるよう、回転方向Rの後方側ほど後端側に傾斜して形成されている。
【0040】
後端面137Fは、先行側面137A及び後行側面137Bの後端に形成され、円板状に形成された基端部135の後端に連続する面である。
【0041】
本実施形態では、外周面137Cと先端面137Eとの連続部、すなわち、外周面137Cにおける管軸方向の先端縁部、及び先端面137Eの径方向外縁部である連続部には、先端稜線部141が形成されている。この先端稜線部141により、刃先側部分が面取りされている。この先端稜線部141(面取り)は切削刃部136の回転方向R側の一部分とされる
【0042】
また、本実施形態では、先行側面137Aと外周面137Cとの連続部、すなわち先行側面137Aの径方向外縁部、及び外周面137Cの回転方向縁部である連続部には、先行稜線部(刃先角部)142が形成されている。この先行稜線部142により、先行側部分が面取りされている。
【0043】
また、本実施形態では、外周面137Cと後端面137Fとの連続部、すなわち、外周面137Cの管軸方向後端縁部、及び後端面137Fの径方向外縁部である連続部には、後端稜線部143が形成されている。この後端稜線部143により、切削刃部136の管軸方向後端縁部が面取りされている。
【0044】
牽引部18は、
図2に示すように、切削具13から先端側に向かって(軸線方向において連結部15と反対側に)延びる索体20と、索体20の延伸方向の中途部分に設けられる中間ガイド部21と、索体20と切削具13とを連結する索体連結部22と、
図6で示す、後述する牽引装置181とを有する。このような牽引部18は、出口5側から引っ張られた引張力を切削具13に伝達し、切削具13を出口5側に牽引する。本実施形態の牽引部18は、後述する迎え本体部184,184によって、出口5側から牽引される。
【0045】
図2で示すように、索体20は、配管10の内径よりも外径が小さい索状体である。また、切削具13を牽引する引張力に耐えることができる索状体である。本実施形態の索体20は、金属製のワイヤで構成される。また、索体20は、中間ガイド部21よりも先端側(配管10の軸線方向で切削具13とは反対側)に位置する先端側索体20Aと、中間ガイド部21よりも後端側(切削具13側)に位置する後端側索体20Bと、を備える。
【0046】
中間ガイド部21は、索体20の延伸方向の中途部分に設けられる。また、中間ガイド部21の外径は、索体20の外径より大きく形成されている。具体的に、中間ガイド部21の外径は、配管10の内径と略同じ筒体又は柱体である。本実施形態の中間ガイド部21は円柱体である。なお、配管10の内径と略同じとは、配管10の内径と全く同じ径を指すものではなく、配管10の内径に対して、配管10内で移動ができる程度に小さいものを指す。即ち、中間ガイド部21は、配管10の内径に対して、配管10に挿入する際に詰まったり引っかかったりしない程度にだけ外径が小さい筒体又は柱体である。
【0047】
中間ガイド部21は、軸線方向の一端部及び他端部に索体20が連結されることで、索体20の延伸方向の中途部に配置される。また、中間ガイド部21は、内部にベアリングを備え、軸線方向の一端部と軸線方向の他端部とが軸線方向中心で相対回動するように構成されている。具体的に、中間ガイド部21のうち、一端部で索体20が連結される部位と、他端部で索体20が連結される部位とは、軸線方向中心で相対回動するよう構成されている。すなわち、中間ガイド部21は、切削具13の回動が中間ガイド部21よりも先端側に配置される索体20(先端側索体20A)に伝達しないように構成された回動絶縁部である。よって、索体20においては、中間ガイド部21よりも後端側(後端側索体20B)の部分のみ回動が表面に現れる。
【0048】
索体連結部22は、切削具13の先端部に設けられ、切削具13と索体20とを連結する部位である。具体的に、索体連結部22は、外径の最大径が配管10の内径と略同一で、先細り形状の部位である。また、索体連結部22は、切削具13の先端側に配置される。本実施形態の索体連結部22は、連結部15の先端部に設けられる取付部151に、切削具13よりも先端側に位置するように着脱可能に取り付けられる。また、索体連結部22の先端部には、索体20が連結可能に構成される。
【0049】
図6に示すように、送り部17は、入口4側に配置される送り装置171を備える。送り装置171は、連結部(具体的には、シャフト)15を、その後端側から先端側に向かって送り出すことができるよう構成されている。送り装置171は、送り機172と、既設配管1,2の入口4との間に配置される送り接続部173とを備える。なお、本実施形態の送り機172は、既設配管1,2の入口4の開口に対して管軸方向で連結部15を送り出すように配置されている。
【0050】
送り機172は、長尺体を、長尺体の軸線方向に沿って移動させることができる器具である。本実施形態の送り機172は、円形で、連結部15を側方から挟むように配置されている一対の送り本体部174,174を備えている。
【0051】
送り本体部174,174は、上下方向の軸に、それぞれ逆向きに回動するように駆動される。このように構成されることで、一対の送り本体部174,174が回動することで、一対の送り本体部174,174で挟んだ連結部15を、連結部15の軸線方向に沿って移動させることができる。なお、本実施形態の送り機172(送り本体部174,174)は、連結部15を既設配管1,2の入口4側から挿入する向きで移動させるべく動作することも、或いは連結部15を既設配管1,2の入口4から引き抜くように移動させるべく動作することもできる。
【0052】
送り接続部173は、送り本体部174,174と既設配管1,2の入口4とに接続されている。本実施形態の送り接続部173は、補助管175、分岐治具176及び補助管取付具177を備える。
【0053】
補助管175は、送り本体部174,174側に配置されている。補助管175は、連結部15、及び切削具13を内部に挿通可能に構成されている。よって、補助管175の内径は、連結部15、索体20及び切削具13の外径よりも大きく形成されている。また、補助管175の内径は既設配管1,2の内径よりも大きい。分岐治具176は、補助管175の入口4側に接続されている。分岐治具176は、管軸方向、及びそれと直交する方向に沿う管である。分岐治具176は、管軸方向では既設配管1,2に接続されている。管軸方向に直交する方向では、分岐配管10Aに接続され、分岐配管10Aの端部側は、集塵回収部178に接続されている。
【0054】
補助管取付具177は、上方に窓177aが形成され、該窓177aによって分岐治具176内を管軸方向に流れる集塵、例えば、切削工程に伴って発生する切粉や、付着物を確認することができるように構成されている。そして、窓177aによって分岐治具176内を管軸方向に流れる集塵を確認した後に、集塵を集塵回収部178に流すことができる。集塵回収部178は、後述する気流送出部185から送られた気流を利用して、入口4側に流れてきた集塵を回収するよう構成されている。
【0055】
前述の牽引部18は、出口5側に配置される牽引装置181を備える。牽引装置181は、索体20を牽引する迎え機182と、迎え機182と既設配管1,2の出口5とを接続する迎え接続部183とを備える。
図6に示すように、本実施形態の迎え機182は、既設配管1,2の出口5の開口に対して管軸方向に牽引するように配置されている。
【0056】
迎え機182は、長尺体を、長尺体の軸線方向に沿って移動させることができるように構成されている。本実施形態の迎え機182は、円形で索体を側方から挟むように配置された一対の迎え本体部184,184を備えている。迎え本体部184,184は、上下方向を軸にそれぞれ逆向きに回動するように駆動される。よって、迎え機182では、一対の迎え本体部184,184が回動することで、一対の迎え本体部184,184で挟んだ索体20を、索体20の軸線方向に沿って移動できる。
【0057】
迎え接続部183は、索体20、連結部15、及び切削具13を挿通可能に構成されている。そのため、迎え接続部183の内径は、索体20、連結部15、切削具13の外径よりも大きい。また、本実施形態の迎え接続部183は、軸線方向に沿って延びる直線状の補助管により構成されている。
【0058】
本実施形態の迎え部181は、送り部17側に気流を送り出す気流送出部185を備える。気流送出部185は、コンプレッサーにより構成されている。また、この気流送出部185は、迎え接続部183に気流管185aを介して接続されている。よって、気流送出部185から送り出された気流Fが迎え接続部183を介して、既設配管1,2の出口5側から入口4側に流れることで、集塵回収部178側に流すことができる。
【0059】
図6に示すように、本実施形態では、送り部17及び牽引部18に変圧器186を備える。変圧器186は、迎え機182に電源と電気的が接続され、送り機172と迎え機182とが、電源ケーブル187により接続されている。また、送り部17及び牽引部18には、図示しない制御装置が設けられ、この制御装置により、連結部15を送り出す送り本体部174,174と、迎え本体部184,184との駆動のタイミングが一致されるよう構成されている。
【0060】
次に、配管切削装置12を用いて配管10の肉厚を切削する方法について説明する。なお、
図2では、配管切削方法を模式的に説明するため、入口4側に配置される送り機172や、迎え機182、配管10の湾曲部分8等を図示しない。
【0061】
本実施形態の配管切削方法は、前述の取外し工程と、配管10における管軸方向の範囲の全域にわたって、切削具13で配管10の肉厚の全部を切除する切削工程を備える。
【0062】
切削工程は、
図2(a)に示すように、配管10の出口5側から入口4側に牽引部18を挿通する準備工程と、入口4側から露出した牽引部18の後端部に切削具13及び連結部15を連結し、切削具13を入口4側から出口5側に移動させつつ、配管10の肉厚の全部を切削する切削実行工程と、を備える。
【0063】
準備工程では、配管10の出口5から入口4側に向かって牽引部18を挿通する。具体的には、あらかじめ、索体20の呼び線を配管10内に挿通して、該呼び線によって索体20(先端側索体20A)を配管10の出口5から入口4まで牽引して挿通する。索体20が入口4から露出したのちに、中間ガイド部21、後端側索体20B、索体連結部22を索体20(先端側索体20A)の後端部に連結することで、牽引部18が配管10の出口5側から入口4側に挿通され、準備工程は完了する。
【0064】
なお、準備工程では、上記のように呼び線を用いて、索体20のみを一旦配管10内に挿通してから、入口4側で中間ガイド部21及び索体連結部22を連結する場合について説明したが、このような場合に限らず、索体連結部22及び中間ガイド部21が取付けられた索体20を呼び線によって牽引して配管10内に挿通してもよい。また、牽引部18を挿通する場合に、呼び線を用いて挿通する場合に限らず、出口5側から牽引部18を押し込んで配管10内に挿通することもできる。
【0065】
図2(b)に示すように、切削実行工程では、入口4から露出した索体連結部22と切削具13及び連結部15とを連結する。具体的には、取付部151のうち、切削具13が連結される部分よりも先端側で索体連結部22と取付部151を連結する。そして、索体連結部22と切削具13及び連結部15とを連結した状態で、配管10の入口4側から切削具13を挿通して配管10の肉厚の全部を切削する。
【0066】
具体的には、切削具13を配管10の入口4から挿通して出口5側に移動させつつ、駆動部14を回動させて、駆動部14の回動力によって切削具13を回転方向Rに回動させて、切削刃部136で配管10を削る。この時、切削刃部136の外径寸法は、配管10の外径寸法よりも大きく、且つ保護管9の内径寸法よりも小さく設定されており、
図4(b)で示すように、切削具13の刃先139が、管端10aの管端面全体に当たる。
【0067】
また、本実施形態で、切削具13は、出口5側から牽引部18によって牽引されつつ、入口4側から送り部17によって押し込まれることで、入口4側から出口5側に移動する。なお、本実施形態で、切削具13は、主として入口4側から送り部17の送り本体部174,174の駆動によって押し込まれることで入口4側から出口5側に移動し、迎え本体部184,184の駆動により牽引部18によって、出口5側に牽引される。
【0068】
さらに、本実施形態で、配管10の切削によって生じた切粉は、気流送出部185からのエアによって吹き飛ばされ、配管10の入口4から排出されるように構成される。
図6に示すように、気流送出部185からのエアは、出口5側から入口4側に向かう気流Fを形成し、切粉が気流Fに沿って配管10内を流れることで切粉が排出される。また、切削刃部136同士の間には隙間138が生じている。この隙間138のために、気流送出部185からのエアを入口4側に送ることができる。この時に、補助管取付具177の窓177aから連結部15の配管10への挿入具合や、切粉の通過具合(排出具合)を確認できる。
【0069】
ここで、本実施形態の切削具13において、外周面137Cと先端面137Eとの連続部、すなわち、外周面137Cにおける管軸方向の先端縁部、及び先端面137Eの径方向外縁部である連続部には、先端稜線部141が形成され、刃先側部分が面取りされている。そして、先端稜線部141によって面取りが形成されていることにより、切削刃部136の刃先139が保護管9に引っ掛からず、切削が容易である。
【0070】
ところで、
図7(a)に示すように、既設配管1,2は、所定間隔でバンド23の押圧力によって、スラブ3a等に強固に固定されている。したがって、バンド23の押圧力により、保護管9や配管10がひしゃげた歪部1Aが生ずる。そして、配管10の所定間隔の全部を切削すると、歪部1Aによって影部分が生じ、この影部分には切粉G等がたまり易くなる。そのため、切削実行工程では、所定間隔ごとに切削具13を入口4から抜去する作業が採用される。
【0071】
切削実行工程では、切削具13によって管軸方向に配管10を切削する進行工程(
図7(a))、所定間隔ごとに切削具13を入口4から抜去する抜去工程(
図7(b))、配管10の切除により切粉G等の粉塵が保護管9に残留しているかいないかを知る検知工程(
図7(c)(d))、再度、切削具13により配管10を入口4側から切削する後続工程、とを備えている。
【0072】
進行工程(
図7(a))では、上述のように、先端稜線部141が形成され、刃先側部分が面取りされ、先端稜線部141によって面取りが形成されていることにより、切削刃部136の刃先139が保護管9に引っ掛からず、切削が容易であることは述べた。
【0073】
抜去工程(
図7(b))では、外周面137Cの管軸方向後端縁部、及び後端面137Fの径方向外縁部である連続部には、後端稜線部143が形成されて、切削刃部136の管軸方向後端縁部が面取りされている。この後端稜線部143(面取り)が形成されていることにより、切削刃部136の後端縁部が保護管9に引っ掛からず、抜去が容易である。
【0074】
検知工程(
図7(c)(d))では、入口4から抜去された切削具13に代えて、連結部15に切粉G等の滞留している場合の刷毛15Aを取付ける。また、刷毛15Aに索体20を取付けて、牽引部18によって出口5に引く。切粉G等の粉塵が残留していれば、気流送出部185からのエアを加圧して、刷毛15Aで切粉Gを除去する。切粉Gの除去が行われていれば、刷毛15Aを入口4から抜去する。
【0075】
後続工程では、再び連結部15に切削具13を取付け、まだ切削されていない配管10を、入口4側から切削する。そして、次の所定間隔(次のバンド23の位置)に切削具13が至ったら、切削具13を入口4側から抜去し、連結部15に刷毛15Aを取付け、切粉Gを検査する。すなわち、進行工程、抜去工程、検知工程、という工程を繰返して、切削具13により配管10を切削する。切削具13が入口4から出口5まで移動し、出口5から出ると切削実行工程は完了する。
【0076】
このように、切削実行工程に用いられる切削具13は、保護管9の内部に配置された配管10の管軸方向中心に回転して、配管10の肉厚全部を切削する切除刃であり、配管10の入口4から配管10の管軸方向に進行させ、管軸方向の所定の部位に至ると入口4から抜去し、進行および抜去を繰返すよう用いられる。
【0077】
そして、切削具13の構成によれば、切削刃部136は、周方向に離間して配置されているから、切削具13が配管10の切削に伴うエアを通すことが可能であり、しかも切削刃部136の外径寸法は、配管10の外径寸法よりも大きく、保護管9の内径寸法よりも小さく設定されているから、刃先139によって配管を切除することができる。
【0078】
また、本実施形態の切削具13では、外周面137Cにおける管軸方向の先端縁部、及び先端面137Eの径方向外縁部である連続部には、先端稜線部141が形成され、先端稜線部141により、刃先側部分が面取りされている。また、先行側面137Aの径方向外縁部、及び外周面137Cの回転方向縁部である連続部には、先行稜線部(刃先角部)142が形成され、この先行稜線部142により、先行側部分が面取りされている。この先端稜線部141、先行稜線部(刃先角部)142の面取りにより、切削実行工程の進行工程では、保護管9の内部に刃先139が引っ掛かることなく、配管10の切除が円滑になる。
【0079】
また、外周面137Cの管軸方向後端縁部、及び後端面137Fの径方向外縁部である連続部には、後端稜線部143が形成され、後端稜線部143により、切削刃部136の管軸方向後端縁部が面取りされている。この構成により、切削実行工程の抜去工程にも切削刃部136が保護管9の内部に引っ掛かることなく、配管10の切除が円滑になる。
【0080】
配管更新工法では、(1)切削実行工程が完了したのちに、(2)挿入工程に移行する。挿入工程では、
図8に示すように、保護管9の内部に、新配管11を挿入する。本実施形態では、配管10の外径を有する新配管11を、保護管9に挿入する。また、本実施形態では、索体20及び、新配管11の端部を固定可能な配管挿入具を用いて新配管11を保護管9に挿入する。
【0081】
配管挿入具は、先端取付部34と、中継部材66とから構成される。先端取付部34は、前記索体20の先端部に取付けられる。先端取付部34は、輪状とされた上、かしめリング等を用いてかしめられることで、中継部材66とが一体化されている。
【0082】
中継部材66は、挿入部65と、円錐台面65cとを備える。挿入部65は、新配管11の先端に接続され、新配管11の外径と同じ外径の継手である。円錐台面65cは、外周が順次後方へ向けて大きくなるよう構成されており、円錐台面65cの最大径は、挿入部65よりもわずかに小径とされる。円錐台面65cの後方に、中継部材66の径方向中心に配置したねじ孔に螺合するねじが形成されている。
【0083】
挿入工程では、索体20の後端部に取り付けられた配管挿入具を新配管11の先端部に取り付け、索体20を牽引することで、新配管11を入口4側から出口5側へと牽引し、配管10の内部に新配管11を挿入する。
【0084】
図8(a)に示すように、挿入工程では、初めに、あらかじめ、索状の呼び線を保護管9内に挿通して、該呼び線によって索体20を保護管9の出口5から入口4まで牽引して挿通し、入口4側から露出した索体20に配管挿入具を取り付ける。入口4側で配管挿入具を索体20に取り付けてから、配管挿入具に新配管11の先端部を固定する。
【0085】
図8(b)に示すように、新配管11の先端部が配管挿入具に固定されてから、索体20を迎え本体部184,184の駆動によって出口5から牽引し、新配管11の先端部を入口4から出口5まで移動させる。新配管11の先端部が出口5から露出すると挿入工程が完了する。以上の工程で、本実施形態の配管更新は完了する。
【0086】
また、連結部15は、切削具13の外径よりも外径が小さい棒状体であるシャフト19を備え、シャフト19は、径方向に曲げることができ、管軸方向一端側から他端側に回動力を伝達可能であり、かつ、シャフト19の軸線方向他端部は、他のシャフト19の軸線方向一端部と回動力を伝達可能な状態で連結可能である。よって、切削工程において、シャフト19を必要に応じて継ぎ足すことができるため、連結部15の長さを切削工程の途中で適宜調整可能であるので、あらかじめ連結部15を配管10の切削すべき領域の全域分の長さだけ用意する場合に比べて、入口4側に露出した連結部15を配置するための作業スペースを低減できる。例えば、上記実施形態では連結部15の長さが送り機172で押し出すのに足りない場合に、シャフト19を継ぎ足すことができる。また、例えば、入口側から切削具13を引いて配管10を切削する場合には、1本のシャフトの全部が送り機よりも入口側にある場合にシャフト19の連結を解除して、シャフトを取外すことができる。このように、シャフトの本数を調整することで、連結部の長さを適宜調節することができる。
【0087】
連結部15は、駆動部14の回動力によって回動し、該回動力を駆動部14から切削具13まで伝達する連結棒部193と、連結棒部193の径外方を覆うように設けられる外筒部192と、を備え、外筒部192と連結棒部193は相対回動自在に設けられるので、連結棒部193が回動することにより、切削具13で配管10が削られるので、保護管9にも損傷を与えることを抑制できる。
【0088】
以上、本発明の実施形態について一例を挙げて説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0089】
上記実施形態の切削具13では、先行稜線部(刃先角部)142として面取りされていたが、面取りでなくてもよい。上記実施形態の切削具13では、先行側面137A、及び後行側面137Bは、径方向に沿って形成されていたが、径方向に対して傾斜してもよく、管軸方向に対して傾斜してもよい。
【0090】
上記実施形態の切削具13では、後行側面137Bは、先行側面137Aに対して先端側で交差する方向とすることもでき、後行側面137Bは、後続の先行側面137Aに対して回転方向Rに90°以下の角度を持った面とすることもできる。
【0091】
上記実施形態の切削具13では、四つの切削刃部136を形成したが、四つ未満でも、五つ以上の複数の切削刃部136を構成することもできる。上記実施形態では、刃先139が管軸方向の先端となるよう、回転方向Rの後方側ほど後端側に傾斜して形成されている例を挙げたが、刃先139の傾斜角度は、上記実施形態には限定されない。
【符号の説明】
【0092】
1,2…既設配管、1A…歪部、3a…スラブ、4…入口、5…出口、9…保護管、10…配管、11…新配管、12…配管切削装置、13…切削具、14…駆動部、15…連結部、15A…刷毛、17…送り部、18…牽引部、20…索体、21…中間ガイド部、22…索体連結部、23…バンド、34…先端取付部、65…挿入部、66…中継部材、135a…装着凹部、135…基端部、136…切削刃部、137A…先行側面、137B…後行側面、137C…外周面、137D…内周面、137E…先端面、137F…後端面、138…隙間、139…刃先、141…先端稜線部、142…先行稜線部、143…後端稜線部、171…送り装置、172…送り機、173…送り接続部、174,174…送り本体部、175…補助管、176…分岐治具、177…補助管取付具、178…集塵回収部、181…牽引装置、182…迎え機、184,184…迎え本体部、185…気流送出部、F…気流、R…回転方向