(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023003467
(43)【公開日】2023-01-17
(54)【発明の名称】支援装置、支援システム、支援方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/383 20190101AFI20230110BHJP
G06F 16/338 20190101ALI20230110BHJP
【FI】
G06F16/383
G06F16/338
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021104561
(22)【出願日】2021-06-24
(71)【出願人】
【識別番号】399021943
【氏名又は名称】アイビーリサーチ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】藤澤 正人
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175DA10
5B175FB03
5B175GB02
5B175JC04
(57)【要約】
【課題】単語の説明が含まれている例文をユーザに提示するための支援装置を提供する。
【解決手段】単語の説明が含まれている例文をユーザに提示するための支援装置である。支援装置1においては、過去に作成された過去特許文書に含まれる複数のテキスト文を記憶する記憶部13を備え、データ取得部141が、新規に作成する新規特許文書の特許請求の範囲に対応するクレームデータを取得する。単語抽出部143が、クレームデータに対応する特許請求の範囲に記載された単語のうち、新規特許文書の明細書において説明する対象となる1以上の単語を抽出する。検索部145が、記憶部13に記憶された複数のテキスト文から、1以上の単語から選択された単語である選択単語を説明するテキスト文である説明文を検索する。表示処理部146が、1以上の単語と、検索部145が検索した説明文と、を関連付けて表示部12に表示させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
過去に作成された過去特許文書に含まれる複数のテキスト文を記憶する記憶部と、
新規に作成する新規特許文書の特許請求の範囲に対応するクレームデータを取得するデータ取得部と、
前記クレームデータに対応する特許請求の範囲に記載された単語のうち、前記新規特許文書の明細書において説明する対象となる1以上の単語を抽出する単語抽出部と、
前記記憶部に記憶された前記複数のテキスト文から、前記1以上の単語から選択された単語である選択単語を説明するテキスト文である説明文を検索する検索部と、
前記1以上の単語と、前記検索部が検索した前記説明文と、を関連付けて表示部に表示させる表示処理部と、
を備える支援装置。
【請求項2】
前記検索部は、前記選択単語と所定の助詞とが結合された文を含むテキスト文を前記説明文として検索する、
請求項1に記載の支援装置。
【請求項3】
前記検索部は、説明する対象となる単語と、当該単語を含む前記テキスト文と、当該テキスト文が当該単語を説明する文であるか否かを示すフラグと、を教師データとして学習した学習済みモデルに前記過去特許文書を入力し、前記学習済みモデルが前記説明文として出力する前記テキスト文を取得することにより、前記説明文を検索する、
請求項1又は2に記載の支援装置。
【請求項4】
前記クレームデータに含まれる複数の単語と、複数の前記過去特許文書それぞれに含まれる複数の単語との一致度が閾値以上の一以上の前記過去特許文書を選択過去特許文書として選択する文書選択部をさらに有し、
前記検索部は、前記選択過去特許文書に含まれる前記複数のテキスト文から前記説明文を検索する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の支援装置。
【請求項5】
前記表示処理部は、前記1以上の単語それぞれが前記選択過去特許文書に含まれるか否かを示す情報を前記一以上の単語それぞれに関連付けて前記表示部に表示させる、
請求項4に記載の支援装置。
【請求項6】
前記1以上の単語から前記選択単語を選択する操作を受け付ける操作受付部をさらに有し、
前記検索部は、前記操作受付部が前記操作を受け付けたことに応じて、前記選択単語を説明するテキスト文である前記説明文を検索する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の支援装置。
【請求項7】
前記記憶部は、単語と、前記単語の類義語と、を関連付けて記憶し、
前記検索部は、前記1以上の単語、及び前記記憶部が前記1以上の単語の類義語として記憶している1以上の前記類義語を説明するテキスト文である前記説明文を検索する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の支援装置。
【請求項8】
前記表示処理部は、前記検索部が、前記1以上の単語及び前記1以上の類義語に対応する複数の前記説明文を検索した場合、複数の前記説明文に含まれる前記1以上の類義語を前記1以上の単語に置換した後の前記説明文を前記表示部に表示させる、
請求項7に記載の支援装置。
【請求項9】
前記表示処理部は、前記新規特許文書の明細書を編集するための表示領域に、前記過去特許文書に含まれる前記複数のテキスト文からユーザにより選択された選択テキスト文を表示させた後に、前記選択テキスト文における、前記選択単語が表示されている位置の直前又は直後の位置に前記説明文を表示させる、
請求項1から7のいずれか1項に記載の支援装置。
【請求項10】
前記表示処理部は、前記検索部が、複数の前記過去特許文書から検索された複数の前記説明文に含まれる複数の前記選択単語に異なる符号が付されている場合に、当該異なる符号を1つの符号に置換した後に複数の前記説明文を前記表示部に表示させる、
請求項1から9のいずれか1項に記載の支援装置。
【請求項11】
単語を説明する説明文を検索する支援装置と、前記支援装置から前記説明文を受信する端末装置と、を備え、
前記支援装置は、
過去に作成された過去特許文書に含まれる複数のテキスト文を記憶する記憶部と、
新規に作成する新規特許文書の特許請求の範囲に対応するクレームデータを前記端末装置から取得するデータ取得部と、
前記クレームデータに対応する特許請求の範囲に記載された単語のうち、前記新規特許文書の明細書において説明する対象となる1以上の単語を抽出する単語抽出部と、
前記記憶部に記憶された前記複数のテキスト文から、前記1以上の単語から選択された単語である選択単語を説明するテキスト文である前記説明文を検索し、前記1以上の単語と、検索した前記説明文と、を関連付けて前記端末装置に送信する検索部と、
を備え、
前記端末装置は、
入力された前記クレームデータを前記支援装置に送信するクレームデータ送信部と、
前記支援装置から受信した、前記1以上の単語と、前記検索部が検索した前記説明文と、を関連付けて表示部に表示させる表示処理部と、
を備える、
支援システム。
【請求項12】
新規に作成する新規特許文書の特許請求の範囲に対応するクレームデータを取得するステップと、
前記クレームデータに対応する特許請求の範囲に記載された単語のうち、前記新規特許文書の明細書において説明する対象となる1以上の単語を抽出するステップと、
過去に作成された過去特許文書に含まれる複数のテキスト文を記憶する記憶部を参照し、前記記憶部に記憶された前記複数のテキスト文から、前記1以上の単語から選択された単語である選択単語を説明するテキスト文である説明文を検索するステップと、
前記1以上の単語と、前記検索するステップが検索した前記説明文と、を関連付けて表示部に表示させるステップと、
を備える支援方法。
【請求項13】
コンピュータに、
新規に作成する新規特許文書の特許請求の範囲に対応するクレームデータを取得するステップと、
前記クレームデータに対応する特許請求の範囲に記載された単語のうち、前記新規特許文書の明細書において説明する対象となる1以上の単語を抽出するステップと、
過去に作成された過去特許文書に含まれる複数のテキスト文を記憶する記憶部を参照し、前記記憶部に記憶された前記複数のテキスト文から、前記1以上の単語から選択された単語である選択単語を説明するテキスト文である説明文を検索するステップと、
前記1以上の単語と、前記検索するステップが検索した前記説明文と、を関連付けて表示部に表示させるステップと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支援装置、支援システム、支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが入力した文字に対応する例文を検索して表示する入力支援装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許明細書の執筆においては、特許請求の範囲に記載されている単語を説明する文章が記載される。そのため、特許明細書の作成を支援する装置においては、単語の説明が含まれている例文をユーザに提示することが求められる。しかしながら、特許文献1に記載の装置は、ユーザが入力したい項目名と文字の一部を入力したことに応じて、入力された項目名及び文字に対応する例文を表示する。したがって、従来の装置には、単語の説明が含まれていない例文も表示してしまうという問題があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、単語の説明が含まれている例文をユーザに提示するための支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の支援装置においては、過去に作成された過去特許文書に含まれる複数のテキスト文を記憶する記憶部と、新規に作成する新規特許文書の特許請求の範囲に対応するクレームデータを取得するデータ取得部と、前記クレームデータに対応する特許請求の範囲に記載された単語のうち、前記新規特許文書の明細書において説明する対象となる1以上の単語を抽出する単語抽出部と、前記記憶部に記憶された前記複数のテキスト文から、前記1以上の単語から選択された単語である選択単語を説明するテキスト文である説明文を検索する検索部と、前記1以上の単語と、前記検索部が検索した前記説明文と、を関連付けて表示部に表示させる表示処理部と、を備える。
【0007】
前記検索部は、前記選択単語と所定の助詞とが結合された文を含むテキスト文を前記説明文として検索してもよい。
【0008】
前記検索部は、説明する対象となる単語と、当該単語を含む前記テキスト文と、当該テキスト文が当該単語を説明する文であるか否かを示すフラグと、を教師データとして学習した学習済みモデルに前記過去特許文書を入力し、前記学習済みモデルが前記説明文として出力する前記テキスト文を取得することにより、前記説明文を検索してもよい。
【0009】
前記クレームデータに含まれる複数の単語と、複数の前記過去特許文書それぞれに含まれる複数の単語との一致度が閾値以上の一以上の前記過去特許文書を選択過去特許文書として選択する文書選択部をさらに有し、前記検索部は、前記選択過去特許文書に含まれる前記複数のテキスト文から前記説明文を検索してもよい。
【0010】
前記表示処理部は、前記1以上の単語それぞれが前記選択過去特許文書に含まれるか否かを示す情報を前記一以上の単語それぞれに関連付けて前記表示部に表示させてもよい。
【0011】
前記1以上の単語から前記選択単語を選択する操作を受け付ける操作受付部をさらに有し、前記検索部は、前記操作受付部が前記操作を受け付けたことに応じて、前記選択単語を説明するテキスト文である前記説明文を検索してもよい。
【0012】
前記記憶部は、単語と、前記単語の類義語と、を関連付けて記憶し、前記検索部は、前記1以上の単語、及び前記記憶部が前記1以上の単語の類義語として記憶している1以上の前記類義語を説明するテキスト文である前記説明文を検索してもよい。
【0013】
前記表示処理部は、前記検索部が、前記1以上の単語及び前記1以上の類義語に対応する複数の前記説明文を検索した場合、複数の前記説明文に含まれる前記1以上の類義語を前記1以上の単語に置換した後の前記説明文を前記表示部に表示させてもよい。
【0014】
前記表示処理部は、前記新規特許文書の明細書を編集するための表示領域に、前記過去特許文書に含まれる前記複数のテキスト文からユーザにより選択された選択テキスト文を表示させた後に、前記選択テキスト文における、前記選択単語が表示されている位置の直前又は直後の位置に前記説明文を表示させてもよい。
【0015】
前記表示処理部は、前記検索部が、複数の前記過去特許文書から検索された複数の前記説明文に含まれる複数の前記選択単語に異なる符号が付されている場合に、当該異なる符号を1つの符号に置換した後に複数の前記説明文を前記表示部に表示させてもよい。
【0016】
本発明の第2の態様の支援システムにおいては、単語を説明する説明文を検索する支援装置と、前記支援装置から前記説明文を受信する端末装置と、を備え、前記支援装置は、過去に作成された過去特許文書に含まれる複数のテキスト文を記憶する記憶部と、新規に作成する新規特許文書の特許請求の範囲に対応するクレームデータを前記端末装置から取得するデータ取得部と、前記クレームデータに対応する特許請求の範囲に記載された単語のうち、前記新規特許文書の明細書において説明する対象となる1以上の単語を抽出する単語抽出部と、前記記憶部に記憶された前記複数のテキスト文から、前記1以上の単語から選択された単語である選択単語を説明するテキスト文である前記説明文を検索し、前記1以上の単語と、検索した前記説明文と、を関連付けて前記端末装置に送信する検索部と、を備え、前記端末装置は、入力された前記クレームデータを前記支援装置に送信するクレームデータ送信部と、前記支援装置から受信した、前記1以上の単語と、前記検索部が検索した前記説明文と、を関連付けて表示部に表示させる表示部と、を備える。
【0017】
本発明の第3の態様の支援方法においては、新規に作成する新規特許文書の特許請求の範囲に対応するクレームデータを取得するステップと、前記クレームデータに対応する特許請求の範囲に記載された単語のうち、前記新規特許文書の明細書において説明する対象となる1以上の単語を抽出するステップと、過去に作成された過去特許文書に含まれる複数のテキスト文を記憶する記憶部を参照し、前記記憶部に記憶された前記複数のテキスト文から、前記1以上の単語から選択された単語である選択単語を説明するテキスト文である説明文を検索するステップと、前記1以上の単語と、前記検索するステップが検索した前記説明文と、を関連付けて表示部に表示させるステップと、を備える。
【0018】
本発明の第4の態様のプログラムにおいては、コンピュータに、新規に作成する新規特許文書の特許請求の範囲に対応するクレームデータを取得するステップと、前記クレームデータに対応する特許請求の範囲に記載された単語のうち、前記新規特許文書の明細書において説明する対象となる1以上の単語を抽出するステップと、過去に作成された過去特許文書に含まれる複数のテキスト文を記憶する記憶部を参照し、前記記憶部に記憶された前記複数のテキスト文から、前記1以上の単語から選択された単語である選択単語を説明するテキスト文である説明文を検索するステップと、前記1以上の単語と、前記検索するステップが検索した前記説明文と、を関連付けて表示部に表示させるステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、単語の説明が含まれている例文をユーザに提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図5】説明文選択画面の画面遷移の一例を示す図である。
【
図6】キーワード選択画面の変形例を示す図である。
【
図8】支援装置1における処理の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[支援装置1の概要]
図1は、支援装置1の概要を示す図である。支援装置1は、特許明細書のように、単語の意味を説明する文が含まれる文書の作成を支援するための装置である。支援装置1は、例えばパーソナルコンピュータ等の情報処理装置である。以下では、支援装置1が、ユーザが特許明細書を作成することを目的として操作する端末であることを例として説明する。
【0022】
支援装置1は、過去に記載された特許明細書である過去特許文書から、新規に作成する特許明細書において記載される単語を説明する説明文の候補を抽出し、抽出した候補を提示する。特許明細書において記載される単語は、例えば特許請求の範囲(すなわちクレーム)に含まれている単語である。支援装置1は、提示した説明文の候補からユーザが選択した候補の説明文を、ユーザが作成する新規の特許明細書の文章の中に挿入する。
【0023】
具体的には、支援装置1は、特許出願書類のうち特許請求の範囲に対応するテキストデータであるクレームデータを取得する。支援装置1は、クレームデータに含まれる単語のうちユーザが作成している明細書において説明する対象となる単語を抽出する。支援装置1は、抽出した単語を説明するテキスト文である説明文を、過去に記載された特許文書である過去特許文書が記憶された過去特許文書DBから検索する。支援装置1は、検索した単語の説明文を、該単語と関連付けて表示する。支援装置1は、表示された単語の説明文からユーザが好適な説明文を選択する操作を受けることにより、ユーザが編集中の文書に選択した説明文を挿入する。このように、支援装置1は、過去特許文書に記載された単語の説明文をユーザが新規に作成する特許明細書において流用できるようにすることで、ユーザによる新規の特許明細書の作成を支援する。
【0024】
[支援装置1の構成例]
図2は、実施形態にかかる支援装置1の構成を示す図である。支援装置1は、操作部11と、表示部12と、記憶部13と、制御部14と、を備える。制御部14は、データ取得部141と、操作受付部142と、単語抽出部143と、文書選択部144と、検索部145と、表示処理部146と、を備える。
【0025】
操作部11は、支援装置1のユーザから操作入力を受け付け、受け付けた操作に対応する制御信号を操作受付部142に出力する。操作部11は、例えば、マウスやキーボード等である。表示部12は、制御部14からの制御信号に応答し、画像や表示処理部146が生成した表示画面を表示する。表示部12は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等である。
【0026】
記憶部13は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスク又はSSD(Solid State Drive)を含む。記憶部13は、支援装置1を機能させるための各種プログラムを記憶する。記憶部13は、過去に作成された過去特許文書に含まれる複数のテキスト文を記憶する。過去特許文書は過去に作成された特許明細書、公開された特許公報又は特許公開公報等である。記憶部13は、単語と、単語の類義語と、を関連付けて記憶してもよい。記憶部13は、例えば単語と類義語を関連付けたテーブルを記憶する。
【0027】
制御部14は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部14は、記憶部13に記憶されている制御プログラムを実行することにより、データ取得部141、操作受付部142、単語抽出部143、文書選択部144、検索部145及び表示処理部146として機能する。
【0028】
データ取得部141は、新規に作成する新規特許文書の特許請求の範囲に対応するクレームデータを取得する。クレームデータは、特許を受けようとする権利範囲を特定するための文を示すテキストデータである。特許請求の範囲が複数の請求項に区分されている場合、クレームデータは、請求項の全部又は一部を示すデータである。データ取得部141は、一例として、特許請求の範囲のテキスト文を入力するための画面に入力されたテキスト文に対応するテキストデータをクレームデータとして取得する。データ取得部141は、クレームデータが含まれる電子ファイルを記憶媒体から読み出したり、通信回線を介して外部装置から取得したりすることにより、クレームデータを取得してもよい。データ取得部141は、クレームデータを取得すると、単語抽出部143及び文書選択部144にクレームデータを出力する。
【0029】
操作受付部142は、操作部11から入力された信号に基づいて、ユーザの操作内容を特定する。操作受付部142は、1以上の単語から選択単語を選択する操作を受け付ける。選択単語は、過去特許文書から説明文を検索する対象となる単語である。操作受付部142は、受け付けた操作内容が、表示処理部146が表示した、後述するキーワード選択画面に含まれる複数の単語から選択単語を選択する操作である場合、選択された単語を検索部145に出力する。
【0030】
単語抽出部143は、クレームデータに対応する特許請求の範囲に記載された単語のうち、新規特許文書の明細書において説明する対象となる1以上の単語を抽出する。単語抽出部143は、データ取得部141からクレームデータを取得すると、形態素解析を行う。そして、単語抽出部143は、解析結果に基づいてクレームデータに含まれる名詞、形容詞又は副詞の少なくともいずれかの単語を特定し、特定した単語を、新規特許文書の明細書において説明する対象となる単語として抽出する。単語抽出部143は、抽出した単語を検索部145に出力する。
【0031】
文書選択部144は、クレームデータに含まれる複数の単語と、複数の過去特許文書それぞれに含まれる複数の単語との一致度が閾値以上の一以上の過去特許文書を選択過去特許文書として選択する。選択過去特許文書は、単語の説明文を抽出する対象とする過去特許文書である。文書選択部144は、例えば、クレームデータに含まれる単語ごとに、過去特許文書における当該単語の出現回数を特定し、出現回数が閾値以上の単語が含まれている過去特許文書を選択過去特許文書として選択する。文書選択部144は、出現回数が閾値以上の単語が複数含まれている過去特許文書を選択過去特許文書として選択してもよい。
【0032】
文書選択部144は、クレームデータにおける複数の単語が記載されている順番と同じ順番で当該複数の単語が含まれている過去特許文書を選択過去特許文書として選択してもよい。また、文書選択部144は、クレームデータにおける複数の単語それぞれの間の距離と同等の距離で当該複数の単語が含まれている過去特許文書を選択過去特許文書として選択してもよい。
【0033】
一例として、文書選択部144は、クレームデータに含まれる単語それぞれが過去特許文書に出現する回数の総和により一致度を算出してもよい。文書選択部144は、クレームデータに含まれる単語ごとに、該単語が過去特許文書に出現する回数から定まるスコアを算出し、単語ごとのスコアの総和を算出することで一致度を算出してもよい。文書選択部144は、クレームデータに含まれる複数の単語のうち、過去特許文書に共通して含まれる単語の数に基づいて一致度を算出してもよい。文書選択部144は、例えば、クレームデータに含まれる単語が、「電極群」、「静電容量方式」及び「透明タッチパネル」である場合、「静電容量方式」及び「透明タッチパネル」の2種類の単語が含まれる文献の一致度が、「電極群」の1種類のみが含まれる文献の一致度よりも高いと判定する。
【0034】
また、文書の中で繰り返し使用される単語は重要な単語であると考えられる。そこで、文書選択部144は、クレームデータに含まれる単語のうち、過去特許文書に所定の回数以上出現する単語の数又は抽出した単語に対する重要な単語の割合に基づいて一致度を算出してもよい。
【0035】
さらに、文書選択部144は、クレームデータにおける重要な単語同士が出現する距離と、過去特許文書において同じ組み合わせの単語同士が出現する距離と、の関係に基づいて一致度を算出してもよい。なお、文書選択部144は、ユーザが指定する単語を重要な単語としてもよい。なお、文書選択部144は、単語と当該単語の同義語とを同じ単語として扱って、上述の処理をしてもよい。
【0036】
文書選択部144は、ユーザが複数の過去特許文書から一以上の過去特許文書を選択する操作に基づいて、選択過去特許文書を選択してもよい。この場合、文書選択部144は、表示処理部146を介して
図3に示す明細書選択画面を表示して、ユーザに選択過去特許文書の選択を促す。明細書選択画面においては、表示処理部146は、文書選択部144から取得した一致度が所定の閾値以上となる過去特許文書を表示してもよい。
図3に示す明細書選択画面の例においては、「Copy」ボタンが押された操作を操作受付部142が受け付けると、文書選択部144は、ユーザが選択した過去特許文書を選択過去特許文書として選択する。文書選択部144は、選択された選択過去特許文書を検索部145に出力する。
【0037】
検索部145は、記憶部13に記憶された複数のテキスト文から、1以上の単語から選択された単語である選択単語を説明するテキスト文である説明文を検索する。検索部145は、記憶部13に記憶された過去特許文書から、単語抽出部143が抽出したクレームデータに含まれる単語のうち選択された単語を含むテキスト文を、単語を説明する説明文として検索する。検索部145は、例えば文書選択部144から入力された選択過去特許文書から、選択された単語を含むテキスト文を検索する。検索部145は、選択単語を含む1文を説明文としてもよく、選択単語を含む文の前後の文を含む複数の文を説明文としてもよく、選択単語が含まれる段落に含まれる全ての文を説明文としてもよい。
【0038】
検索部145は、選択単語と所定の助詞とが結合された文を含むテキスト文を説明文として検索してもよい。検索部145は、一例として名詞である選択単語と、所定の助詞と、が結合された主語を含む文を含むテキスト文を検索する。助詞は助詞的に用いられる語を含む。所定の助詞とは、例えば、「は」、「が」、「とは」又は「においては」等のように、説明文において用いられる助詞として予め登録された助詞である。検索部145が、このように動作することで、単語の意味、性質又は動作等を説明する文が抽出される蓋然性を高めることができる。
【0039】
検索部145は、操作受付部142が操作を受け付けたことに応じて、選択単語を説明するテキスト文である説明文を検索してもよい。
図4は、説明文を検索する対象となる単語を選択するためのキーワード選択画面の一例を示す。
図4に示すキーワード選択画面では、単語抽出部143から入力された単語に関連付けて「検索」ボタンが配置されている。ユーザの操作により「検索」ボタンが押されると、検索部145は、ボタンに関連付けられた単語を選択単語に決定し、選択単語を説明する説明文を、記憶部13に記憶された過去特許文書から検索する。
【0040】
検索部145が、クレームデータに対応する特許請求の範囲の技術分野との関連性が高い技術分野の過去特許文書から説明文を検索することで、ユーザの意図により近い単語の説明文を探すことができる蓋然性が高まると考えられる。そこで、検索部145は、選択過去特許文書に含まれる複数のテキスト文から説明文を検索してもよい。すなわち、検索部145は、文書選択部144から入力された選択過去特許文書を対象として、選択単語の説明文を検索してもよい。
【0041】
また、選択単語の類義語を説明する説明文も検索部145が検索することで、選択単語の説明文として使用できる説明文が見つかる可能性が高まる。そこで、検索部145は、1以上の単語、及び記憶部13が1以上の単語の類義語として記憶している1以上の類義語を説明するテキスト文である説明文を検索してもよい。検索部145は、記憶部13に記憶された単語と類義語とを関連付けた情報を参照し、選択単語の類義語を特定する。そして、検索部145は、特定された類義語を説明する説明文を検索する。検索部145がこのように構成されることで、支援装置1においては、少ない操作で容易にユーザの意図に沿った説明文を探すことができる。
【0042】
[説明文を検索する操作画面の例]
ここで、
図5を用いて説明文を検索する流れについて説明する。
図5は、キーワード選択画面において説明文を検索したい単語をユーザが選択し、検索された説明文をユーザが編集中の文書に挿入するまでの画面の遷移を示す図である。
図5(a)は、
図4に示すキーワード選択画面が、文書編集ソフトが起動しているウインドウに重畳して表示されている例を示す。文書編集ソフトが起動しているウインドウには、ユーザが編集している文書が表示されている。キーワード選択画面において単語と関連付けられた「検索」ボタンをユーザが押すと、表示処理部146は
図5(b)に示す検索結果表示画面を表示する。
【0043】
図5(b)は、選択された単語を説明する説明文として検索された文の一覧を表示し、ユーザの選択を促す検索結果表示画面の一例である。このように、表示処理部146は、1以上の単語と、検索部145が検索した説明文と、を関連付けて表示部に表示させる。すなわち、表示処理部146は説明文の検索結果として、単語と、検索結果として取得された単語の説明文と、を関連付けて検索結果表示画面に表示する。表示処理部146は、単語と説明文を関連付けて表示する方法として、説明文中に含まれる選択された単語をハイライトして強調表示してもよいし、検索結果表示画面の所定の欄に選択された単語を表示してもよい。
【0044】
そして、表示された説明文の候補のうち好適な説明文を選択する操作を操作受付部142が受け付けると、表示処理部146は、
図5(c)に示すように、文書編集ソフトが起動しているウインドウに、選択された説明文を挿入する。表示処理部146は、選択された説明文を所定の位置に挿入する。所定の位置は、例えば、編集中の文書の末尾、又は画面上で入力位置として指定されている場所である。
【0045】
ここで、ユーザにより選択された説明文が、編集中の明細書に記入された選択単語に対応する位置に挿入されると、ユーザにとっての利便性が高い。そこで、表示処理部146は、新規特許文書の明細書を編集するための表示領域に、過去特許文書に含まれる複数のテキスト文からユーザにより選択された選択テキスト文を表示させた後に、選択テキスト文における、選択単語が表示されている位置の直前又は直後の位置に説明文を表示させてもよい。
【0046】
表示処理部146は、検索結果表示画面において、検索された説明文を表示させ、検索結果表示画面に表示された説明文のうちユーザが選択した説明文を、文書編集ソフトが起動中のウインドウにおける選択単語が表示されている位置の直前又は直後の位置に挿入する。表示処理部146は、編集中のウインドウにおいて、選択単語を含む文と他の文とを区切る句点の直前又は直後に説明文を挿入してもよい。表示処理部146は、文書編集ソフトが起動中のウインドウにおいて選択単語を示すテキストと説明文とを置換させることで、説明文を明細書に挿入してもよい。このように構成されることで、表示処理部146はユーザの所望の位置に説明文を挿入させることができ、ユーザの操作を削減することができる。
【0047】
ところで、キーワード選択画面においては、単語に対応する説明文が選択過去特許文書に含まれているか否かを示す情報を表示すれば、説明文が含まれていない選択過去特許文書を検索するためのユーザの操作を削減できるので利便性が高い。そこで、表示処理部146は、1以上の単語それぞれが選択過去特許文書に含まれるか否かを示す情報を一以上の単語それぞれに関連付けて表示部12に表示させてもよい。すなわち、表示処理部146は、単語抽出部143から取得した単語が文書選択部144から取得した選択過去特許文書に含まれるか否かを判定し、それぞれの単語が選択過去特許文書に含まれるか否かを示す画面を表示部12に表示させる。
【0048】
図6は、キーワード選択画面の画面構成の変形例を示す図である。
図6に示すキーワード選択画面では、抽出された単語の前に「●」及び「★」が表示されている。ここで、「●」は、単語が選択過去特許文書に含まれていることを示し、「★」は、単語が選択過去特許文書に含まれていないことを示す。なお、「●」及び「★」は一例であり、単語が選択過去特許文書に含まれるか否かは、フォントのサイズ又は色の違い等、どのような態様で表示されてもよい。
【0049】
[機械学習済みモデルを用いた検索処理]
検索部145は、機械学習を用いて検索処理を実施してもよい。
図7は、検索部の検索処理の一例を示す図である。検索部145は、説明する対象となる単語と、当該単語を含むテキスト文と、当該テキスト文が当該単語を説明する文であるか否かを示すフラグと、を教師データとして学習した学習済みモデルに過去特許文書を入力し、学習済みモデルが説明文として出力するテキスト文を取得することにより、説明文を検索してもよい。
【0050】
具体的には、検索部145は、説明する対象となる単語と、当該単語を含むテキスト文と、当該テキスト文が当該単語を説明する文であるか否かを示すフラグと、を教師データとして、単語と、単語を説明する説明文と、の関係を学習した学習済みモデルを生成する。検索部145は、生成した学習済みモデルに選択過去特許文書又は選択過去特許文書に含まれる複数のテキスト文と選択単語とを入力することで、選択過去特許文書に含まれる選択単語を説明する説明文を特定する。
【0051】
[単語の置換処理]
検索部145が、選択単語に類似する類義語の説明文を検索した場合、ユーザが作成している明細書の中に類義語の説明文が挿入されてしまうと、類義語を選択単語に置換する作業をユーザが行う必要が生じてしまう。そこで、表示処理部146は、検索部145が、1以上の単語及び1以上の類義語に対応する複数の説明文を検索した場合、複数の説明文に含まれる1以上の類義語を1以上の単語に置換した後の説明文を表示部に表示させてもよい。表示処理部146は、検索部145が選択単語の類義語に対応する説明文を検索した場合において、検索された説明文を編集中の文書に挿入する操作を受け付けた場合、説明文中に含まれる類義語を選択単語に置換したうえで、選択単語に置換された後の説明文を編集中の文書に挿入する。表示処理部146がこのように構成されていることで、ユーザの作業を削減することができるので、明細書の作成に要する時間を短縮することが可能になる。
【0052】
また、検索部145が検索した説明文において選択単語に付されている符号が、ユーザが作成している明細書で選択単語に付している符号と異なっているという場合がある。この場合にも、説明文が明細書に挿入された後に、符号を置換する作業をユーザが行う必要が生じてしまう。そこで、表示処理部146は、検索部145が、複数の過去特許文書から検索された複数の説明文に含まれる複数の選択単語に異なる符号が付されている場合に、当該異なる符号を1つの符号に置換した後に複数の説明文を表示部に表示させてもよい。
【0053】
具体的には、操作受付部142が、編集中の文書に説明文を挿入する操作を受け付けた場合、表示処理部146は、説明文中に含まれる選択単語に対応する符号を、ユーザが編集中の文書における選択単語に対応する符号に置換したうえで、置換された説明文を編集中の文書に挿入する。ユーザが編集中の明細書に符号が付されていない場合、表示処理部146は、過去特許文書から検索された説明文から符号を削除してもよい。ユーザが編集中の明細書に符号が付されていない場合、表示処理部146は、選択単語に付する符号を設定するための画面を表示し、入力された符号を選択単語に付してもよい。
【0054】
[支援装置1における処理の流れ]
図8は、支援装置1における処理の流れを示すフローチャートである。
図8に示すフローチャートは、支援装置1が起動し、説明文を検索する準備ができた時点から開始している。
【0055】
データ取得部141は、クレームデータを取得する(S01)。データ取得部141は、クレームデータを取得すると、単語抽出部143にクレームデータを出力する。単語抽出部143は、入力されたクレームデータに含まれる単語を抽出する(S02)。単語抽出部143は、抽出した単語を文書選択部144及び検索部145に出力する。文書選択部144は、入力された単語に基づいて、過去特許文書からクレームデータと一致する単語を含む文書を選択する(S03)。文書選択部144は、選択された過去特許文書を検索部145に出力する。
【0056】
表示処理部146は、単語抽出部143が抽出した単語が配置されたキーワード選択画面を表示する(S04)。検索部145は、キーワード選択画面において、単語の選択を受け付けたかどうかを判定する(S05)。操作受付部142が単語の選択を受け付けていない場合(S05におけるNO)、検索部145はS05に戻り、再度判定を行う。操作受付部142が単語の選択を受け付けた場合(S05におけるYES)、検索部145はS06に処理を進める。
【0057】
検索部145は、選択された単語の説明文を記憶部13に記憶された過去特許文書から検索する(S06)。表示処理部146は、説明文の検索結果を示す検索結果表示画面を表示部12に表示させる(S07)。表示処理部146は、操作受付部142が説明文の選択を受け付けたかどうかを判定する(S08)。操作受付部142が説明文の選択を受け付けていない場合(S08におけるNO)、表示処理部146はS08に戻り、再度判定を行う。操作受付部142が説明文の選択を受け付けた場合(S08におけるYES)、表示処理部146はS09に処理を進める。
【0058】
表示処理部146は、選択された説明文を、文書編集ソフトが起動しているウインドウにおける所定の位置へ挿入する(S09)。操作受付部142は、終了条件を満たすかどうかを判定する(S10)。終了条件は、例えば、ユーザがキーワード選択画面を閉じる操作を行ったことである。終了条件を満たす場合(S10におけるYES)、操作受付部142は、処理を終了する。終了条件を満たさない場合(S10におけるNO)、操作受付部142は、S05に処理を進め、単語の選択操作を待機する。
【0059】
[支援装置1による効果]
以上説明したように、支援装置1は、過去に作成された過去特許文書に含まれる複数のテキスト文を記憶する記憶部を備える。そして、単語抽出部143が、データ取得部141が取得したクレームデータに対応する特許請求の範囲に記載された単語のうち、新規特許文書の明細書において説明する対象となる1以上の単語を抽出し、検索部145が、記憶部に記憶された複数のテキスト文から、1以上の単語から選択された単語である選択単語を説明するテキスト文である説明文を検索する。表示処理部146は、1以上の単語と、検索部145が検索した説明文と、を関連付けて表示部12に表示させる。
【0060】
支援装置1がこのように構成されることで、ユーザが作成した特許請求の範囲に含まれている単語の説明が含まれている例文をユーザに提示することができるので、ユーザが単語の説明文を作成する手間を省くことができる。また、ユーザが単語に関する知識が不足している場合であっても、過去特許文書の説明文を流用することで、質が高い明細書を作成することが可能になる。
【0061】
[変形例]
図9は、変形例にかかる支援システムSの構成を示すブロック図である。支援システムSは、支援装置2及び情報端末3を備える。支援装置2は、情報端末3からクレームデータ及びユーザの操作を示す情報を受信し、クレームデータに含まれる単語、過去特許文書の検索結果及び該単語を説明する説明文の検索結果を情報端末3に送信するサーバである。支援装置2は、単一のコンピュータによって構成されてもよく、互いに連携する複数のコンピュータによって構成されてもよく、コンピュータ資源の集合であるクラウドコンピューティングによって構成されてもよい。
【0062】
支援装置2は、通信部21、記憶部22及び制御部23を有する。制御部23は、データ取得部231、単語抽出部232、文書選択部233及び検索部234を有する。支援装置2は、支援装置1と対応する機能を有しているが、情報端末3を介して、ユーザに操作画面を表示し、ユーザの操作を受け付ける点において異なる。以下では、支援装置1において説明した機能については説明を省略し、支援装置2が支援装置1と異なる点を中心に説明する。
【0063】
通信部21は、情報端末3とデータを送受信するためのネットワークインターフェースである。記憶部22及び制御部23はそれぞれ支援装置1における記憶部13及び制御部14に対応する機能を有する。データ取得部231は、通信部21を介して情報端末3からクレームデータを取得する。単語抽出部232、文書選択部233及び検索部234はそれぞれ支援装置1における単語抽出部143、文書選択部144及び検索部145に対応する機能を有するが、ユーザの操作を、通信部21を介して端末装置から受け付け、それぞれが処理した結果を、通信部21を介して情報端末3に送信し、情報端末3において画面表示させる点において異なる。
【0064】
情報端末3は、操作受付部142及び表示処理部146に対応する機能を有する。すなわち、情報端末3は、ユーザの操作内容を特定し、ユーザの操作内容を支援装置2に送信する。また、情報端末3は、支援装置2からデータを受信し、表示部に各種の操作画面を表示させる。また、情報端末3は、クレームデータ送信部を備え、操作受付部142がユーザからクレームデータの入力操作を受け付けると、入力されたクレームデータを支援装置2に送信する。
【0065】
[支援システムSによる効果]
以上説明したように、支援システムSにおいては、単語を説明する説明文を検索する支援装置2と、支援装置2から説明文を受信する情報端末3と、を備える。支援装置2は、過去に作成された過去特許文書に含まれる複数のテキスト文を記憶する記憶部22と、新規に作成する新規特許文書の特許請求の範囲に対応するクレームデータを端末装置から取得するデータ取得部231と、クレームデータに対応する特許請求の範囲に記載された単語のうち、新規特許文書の明細書において説明する対象となる1以上の単語を抽出する単語抽出部232と、記憶部22に記憶された複数のテキスト文から、1以上の単語から選択された単語である選択単語を説明するテキスト文である説明文を検索し、1以上の単語と、検索した説明文と、を関連付けて情報端末3に送信する検索部234と、を備える。
【0066】
情報端末3は、入力されたクレームデータを支援装置に送信するクレームデータ送信部と、支援装置2から受信した、1以上の単語と、検索部234が検索した説明文と、を関連付けて表示部に表示させる表示処理部と、を備える。支援装置Sがこのように構成されることで、ユーザの環境への影響を低減させながら、単語の説明が含まれている例文をユーザに提示することができるシステムを提供する。
【0067】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0068】
1 支援装置
2 支援装置
3 情報端末
11 操作部
12 表示部
13 記憶部
14 制御部
141 データ取得部
142 操作受付部
143 単語抽出部
144 文書選択部
145 検索部
146 表示処理部
21 通信部
22 記憶部
23 制御部
231 データ取得部
232 単語抽出部
233 文書選択部
234 検索部