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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023034775
(43)【公開日】2023-03-13
(54)【発明の名称】充填包装機
(51)【国際特許分類】
   B65B 7/18 20060101AFI20230306BHJP
   B65B 7/16 20060101ALI20230306BHJP
【FI】
B65B7/18
B65B7/16 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021141179
(22)【出願日】2021-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000180298
【氏名又は名称】四国化工機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106091
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 直都
(74)【代理人】
【識別番号】100079038
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 彰
(74)【代理人】
【識別番号】100199369
【弁理士】
【氏名又は名称】玉井 尚之
(72)【発明者】
【氏名】澁野 武志
(72)【発明者】
【氏名】西内 和正
(72)【発明者】
【氏名】近藤 光
(72)【発明者】
【氏名】加藤 久高
【テーマコード(参考)】
3E049
【Fターム(参考)】
3E049AA03
3E049BA01
3E049DB01
3E049FA07
(57)【要約】
【課題】カートンよりなる有底角筒状の容器を用いて内容物充填容器を形成するに当たり、容器の角部に確実に折り癖を付けておくことにより、形成される内容物充填容器に角部の成形不良が生じない充填包装機を提供する。
【解決手段】充填包装機1は、搬送経路Rの所定箇所に、封止前の容器C1の隣り合う側壁によって形成された4つの角部のうち少なくとも1つの所定の角部C132,C134に縦折り罫FR12,FR14に沿って折り癖を付ける予備ブレーカ部5を備えている。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部開口を有するカートンよりなる複数の容器を前後方向にのびる搬送経路に沿って1列または左右複数列に並んだ状態で搬送しながら前記容器への内容物の充填および前記上部開口の封止を順次行うことにより内容物充填容器を形成する充填包装機であって、
前記容器は、平坦なスリーブ状に折り畳まれたカートンブランクを4つの縦折り罫に沿って角筒状となるように折り曲げるとともにその一方の端部を内側に折り曲げて封止することにより形成されたものであって、前後左右の4つの側壁を有しており、
前記搬送経路の所定箇所に、封止前の前記容器の隣り合う側壁によって形成されている4つの角部のうち少なくとも1つの所定の角部に前記縦折り罫に沿って折り癖を付ける予備ブレーカ部が設けられている、充填包装機。
【請求項2】
前記予備ブレーカ部は、前記4つの角部のうち前記カートンブランクの平坦な幅中間部に位置する2つの縦折り罫に対応する2つの角部の一方または両方に、前記縦折り罫に沿って折り癖を付けるようになされている、請求項1の充填包装機。
【請求項3】
前記予備ブレーカ部は、前記容器の列毎に、前記角部の外側部分に係合させられる係合凹部を有する上下移動可能な外側係合部材と前記角部の内側部分に係合させられる係合凸部を有する上下移動可能な内側係合部材とよりなる少なくとも1対の係合ユニットを備えており、前記角部が前記外側係合部材および前記内側係合部材により内外両側から押圧されて折り癖を付けられるようになっている、請求項1または2の充填包装機。
【請求項4】
前記外側係合部材が、外周縁部に前記係合凹部を構成する環状の係合凹溝を有しかつ水平軸を中心として回転可能な外側係合ローラよりなり、
前記内側係合部材が、外周縁部に前記係合凸部を構成する環状の係合凸条を有しかつ水平軸を中心として回転可能な内側係合ローラよりなる、請求項3の充填包装機。
【請求項5】
対をなす前記外側係合ローラおよび前記内側係合ローラは、これらの回転中心が同一の高さに配置されるように支持部材によって回転可能に支持されているとともに、昇降手段によって前記支持部材とともに同時に昇降させられるようになっている、請求項4の充填包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、充填包装機に関し、より詳細には、カートンよりなる複数の容器を所定の搬送経路に沿って搬送しながら容器内に飲料、食品等の内容物を充填して密封包装することにより内容物充填容器を形成する充填包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の充填包装機に用いられる容器としては、紙を主体とするカートンブランクを有底角筒状に成形してなるカートンが一般に知られている。この容器は、例えば、平坦なスリーブ状に折り畳まれたカートンブランクを4つの縦折り罫に沿って角筒状となるように折り曲げた後、その一方の端部を内側に折り曲げて封止することにより、上部開口を有する有底角筒状に形成される。
そして、形成された複数の容器を、充填包装機において搬送コンベアで所定方向に搬送しながら、内容物の充填および容器の上部開口の封止等を順次行うことにより、内容物充填容器が形成される。
ここで、容器の4つの側壁の上部には、上部開口を封止する際に所定形状に折り曲げるための上部折り罫が形成されている。但し、容器の材料として用いられるカートンブランクは、ある程度の可撓性を有するものであるため、折り曲げ加工後のスプリングバック作用により折り曲げの角度が不十分となり、容器の上部開口の封止に支障を来たす場合がある。
【0003】
そこで、上記のような問題を解消する手段として、搬送コンベア上の所定箇所に容器の上部に予め折り癖を付けるトップブレーカ部を設けた充填包装機が提案されている。具体的には、充填包装機のトップブレーカ部として、例えば以下に示すものが知られている。
まず、下記の特許文献1には、容器の上部を切妻屋根状に折り曲げるためのトップブレーカ部であって、容器の上方開口に臨むように昇降自在に設けられかつ下降時に容器の搬送方向と平行をなす前後方向両側の側壁上部を内側に折り曲げる逆V形の折り曲げプレートと、容器の搬送方向と直角をなす左右方向両側に左右揺動自在に設けられかつ容器の上部を左右両側から押圧することにより容器の上部を切妻屋根状に折り曲げる左ウイングおよび右ウイングとを備えたものが開示されている。
また、下記の特許文献2には、容器の上部を左右両側に張り出したフラップが形成されるように平坦に折り曲げるためのトップブレーカ部であって、容器の搬送方向と直角をなす左右方向に容器が入り込みうる間隔をあけて所定高さ位置に水平に配置された左右1対の固定挟圧片と、容器の搬送方向と平行をなす前後方向両側に前後揺動自在に設けられかつ容器の上部を前後両側から押圧することにより固定挟圧片と協働して容器の上部を左右両側に広がるように平坦に折り畳む前後1対の可動挟圧片(ウイング)とを備えたものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭62-191602号公報
【特許文献2】特開昭63-125105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、カートンブランクから形成される有底角筒状の容器にあっては、平坦なスリーブ状に折り畳まれたカートンブランクの形態に戻ろうとするスプリングバック作用により、隣り合う側壁によって形成された4つの角部が直角になっていない、すなわち、同カートンブランクの両側の折り畳み縁部に対応する2つの角部が鋭角となり、残りの2つの角部が鈍角となっている場合がある。
このように角部が変形した状態の容器の上部に対して、特許文献1,2記載のような従来のトップブレーカ部によって折り癖を付けたとしても、鈍角に変形している2つの角部はスプリングバック作用により丸みを持ったものとなり、製品として得られる内容物充填容器に角部の成形不良が生じるおそれがあった。
【0006】
この発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、カートンよりなる有底角筒状の容器を用いて内容物充填容器を形成するに当たり、容器の角部に確実に折り癖を付けておくことにより、形成される内容物充填容器に角部の成形不良が生じない充填包装機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、上記の目的を達成するために、以下の態様からなる。
【0008】
1)上部開口を有するカートンよりなる複数の容器を前後方向にのびる搬送経路に沿って1列または左右複数列に並んだ状態で搬送しながら前記容器への内容物の充填および前記上部開口の封止を順次行うことにより内容物充填容器を形成する充填包装機であって、
前記容器は、平坦なスリーブ状に折り畳まれたカートンブランクを4つの縦折り罫に沿って角筒状となるように折り曲げるとともにその一方の端部を内側に折り曲げて封止することにより形成されたものであって、前後左右の4つの側壁を有しており、
前記搬送経路の所定箇所に、封止前の前記容器の隣り合う側壁によって形成されている4つの角部のうち少なくとも1つの所定の角部に前記縦折り罫に沿って折り癖を付ける予備ブレーカ部が設けられている、充填包装機。
【0009】
2)前記予備ブレーカ部は、前記4つの角部のうち前記カートンブランクの平坦な幅中間部に位置する2つの縦折り罫に対応する2つの角部の一方または両方に、前記縦折り罫に沿って折り癖を付けるようになされている、前記1)の充填包装機。
【0010】
3)前記予備ブレーカ部は、前記容器の列毎に、前記角部の外側部分に係合させられる係合凹部を有する上下移動可能な外側係合部材と前記角部の内側部分に係合させられる係合凸部を有する上下移動可能な内側係合部材とよりなる少なくとも1対の係合ユニットを備えており、前記角部が前記外側係合部材および前記内側係合部材により内外両側から押圧されて折り癖を付けられるようになっている、前記1)または2)の充填包装機。
【0011】
4)前記外側係合部材が、外周縁部に前記係合凹部を構成する環状の係合凹溝を有しかつ水平軸を中心として回転可能な外側係合ローラよりなり、
前記内側係合部材が、外周縁部に前記係合凸部を構成する環状の係合凸条を有しかつ水平軸を中心として回転可能な内側係合ローラよりなる、前記3)の充填包装機。
【0012】
5)対をなす前記外側係合ローラおよび前記内側係合ローラは、これらの回転中心が同一の高さに配置されるように支持部材によって回転可能に支持されているとともに、昇降手段によって前記支持部材とともに同時に昇降させられるようになっている、前記4)の充填包装機。
【発明の効果】
【0013】
上記1)の充填包装機によれば、予備ブレーカ部において、容器の隣り合う側壁によって形成されている4つの角部のうち少なくとも1つの所定の角部に縦折り罫に沿って折り癖が付けられるようになっているので、製品として形成される内容物充填容器に角部の成形不良が生じるのを確実に回避することができる。
【0014】
上記2)の充填包装機によれば、容器の4つの角部のうちカートンブランクの幅中間に位置する2つの縦折り罫に対応する2つの角部がスプリングバック作用により鈍角に変形している場合でも、これら2つの角部の少なくとも一方が、予備ブレーカ部において縦折り罫に沿って折り癖が付けられることで、容器の変形が軽減される。従って、予備ブレーカ部の下流側にトップブレーカ部が設けられている場合には、トップブレーカ部における容器の上部への折り癖の付与がより正確に行われ、ひいては製品である内容物充填容器の角部成型不良をより一層確実に回避できる。
特に、対角位置の鈍角に変形した2つの角部が2対の係合ユニットによって折り癖を付けられる場合には、同2つの角部が適正な位置に誘導されながら縦折り罫に沿って正確に折り癖が付けられるので、上記効果がより一層確実に奏される。
【0015】
上記3)の充填包装機によれば、容器の角部が外側係合部材および内側係合部材によって内外両側から押圧されるので、角部に確実に折り癖を付けることができる。
【0016】
上記4)の充填包装機によれば、外側係合部材および内側係合部材が、外側係合ローラおよび内側係合ローラによって構成されているので、容器の変形した角部を矯正しながら同角部にスムーズにかつ正確に折り癖を付けることができる。
【0017】
上記5)の充填包装機によれば、外側係合ローラおよび内側係合ローラが常に同じ高さで容器の角部を内外両側から押圧するようになっているので、押圧力が角部に確実に作用して正確に折り癖を付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】この発明の実施形態に係る充填包装機の全体構成を示す側面図である。
図2】同充填包装機の搬送コンベアの一部を示す側面図である。
図3】(a)は同搬送コンベアの一部を示す平面図であり、(b)は同搬送コンベアの一部を示す正面図である。
図4】同搬送コンベアに用いられる第1保持プレートおよび第2保持プレートを示すものであって、(a)は第1保持プレートの正面図、(b)は第1保持プレートの側面図、(c)は第2保持プレートの側面図、(d)は第2保持プレートの正面図である。図4(c)中、二点鎖線の円Eで囲まれた部分は、二点鎖線の円eで囲まれた部分の断面を拡大して示したものである。
図5】同充填包装機に使用される有底角筒状の容器を形成するための初期形態のカートンブランクを示す正面図である。
図6】同初期形態のカートンブランクを平坦なスリーブ状とした2次形態のカートンブランクを示すものであって、(a)は正面図、(b)は平面図であり、(b)には同カートンブランクが角筒状に折り曲げられる工程を併せて示している。
図7】有底角筒状の容器を示すものであって、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図である。
図8】同容器の角部が変形している状態を示す平面図である。
図9】同充填包装機のトップシール部において上部開口が封止された状態の内容物充填容器を示すものであって、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図である。
図10】同充填包装機のフラップシール部においてフラップが容器表面にシールされた完成状態の内容物充填容器を示すものであって、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図である。
図11】同充填包装機のトップブレーカ部による容器上部の折り曲げ工程を順次示す部分拡大側面図である。
図12】同トップブレーカ部の部分拡大正面図である。
図13】同充填包装機の予備ブレーカ部の一部を示すものであって、(a)は平面図、(b)は側面図である。
図14】同予備ブレーカ部の正面図である。
図15】同予備ブレーカ部の係合ユニットを示すものであって、(a)は外側係合ローラの側面図であり、(b)は内側係合ローラの側面図であり、(c)は外側係合ローラの変形例の部分拡大側面図である。
図16】同予備ブレーカ部の係合ユニットおよび支持部材を分解して示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
この発明の実施形態に係る充填包装機について、図1図16を参照しながら以下に説明する。
以下の説明において、図1の右を「前」、同左を「後」といい、また、左右は前から見た場合の左右をいうものとする。
また、図1図2図11および図13(b)は、充填包装機の全体または一部の側面を、チャンバの手前側の側壁を省略して示したものである。
【0020】
この実施形態の充填包装機(1)は、カートンよりなる容器(C1)に飲料、食品等の内容物を充填して封止することにより、内容物充填容器(C2)を形成するためのものである。
図1に示すように、充填包装機(1)は、前後に長い密閉型(箱型)のチャンバ(2)を有している。チャンバ(2)の前端壁(23)にカートンブランク入口(201)が設けられ、チャンバ(2)の頂壁(21)後端部に内容物充填容器出口(202)が設けられている。
【0021】
チャンバ(2)の前端部(2a)には、角筒状に折り曲げられたカートンブランク(CB12)の一方の端部を封止して底部を成形することにより有底角筒状の容器(カートン)(C1)を形成するボトム成形部(3)が設けられている。
ボトム成形部(3)には、放射状の複数のカートンホルダ(30a)を有するタレット(30)が水平軸周りに回転自在に設けられているとともに、タレット(30)の回転方向(図1の反時計回り方向)に沿って、カートンブランク入口(201)から導入された角筒状カートンブランク(CB12)をカートンホルダ(30a)にセットする受入部(31)、カートンブランク(CB12)の一方の端部を加熱するボトム加熱部(32)、カートンブランク(CB12)の一方の端部を内側に折り込んで折り癖を付けるボトムブレーカ部(33)、カートンブランク(CB12)の一方の端部を封止することにより有底角筒状の容器(C1)を形成するボトムシール部(34)、形成された容器(C1)をカートンアンローダ(35a)により次工程に移送する移送部(35)が順次設けられている。
受入部(31)には、カートンマガジンからピッカーによって引き抜かれて角筒状となされたカートンブランク(CB12)が、カートンローダ(36)によりカートンブランク入口(201)を通じて送られるようになっている。
図示の充填包装機(1)の場合、ボトム成形部(3)が設けられているチャンバ(2)の前端部(2a)は、側面より見て前斜め上方に傾斜した両屋根型の形状を有している。同形状によって、チャンバ(2)の前端部(2a)の高さが抑えられている。
【0022】
また、チャンバ(2)内には、ボトム成形部(3)の後側(下流側)から後端部までのトンネル状部分(2b)に、複数の容器(C1)を、これらの開口が上向きとなる状態で、後方にのびる水平な搬送経路(R)に沿って搬送する搬送コンベア(4)が設けられている。
そして、搬送経路(R)上に、上流側(前側)から下流側(後側)に向かって、容器(C1)に予備的に折り癖を付ける予備ブレーカ部(5)、容器(C1)上部に折り癖を付けるトップブレーカ部(6)、容器(C1)を殺菌する殺菌部(7)、容器(C1)に内容物を充填する充填部(8)、容器(C1)上部を封止するトップシール部(9)、封止に伴い内容物充填容器(C2)上部に形成されたフラップ(C21)を折り込んで同容器(C2)の表面にシールするフラップシール部(10)、および、内容物充填容器(C2)をチャンバ(2)外に排出させる排出部(11)が順次設けられている。
【0023】
上記の基本構成を有する充填包装機(1)において、チャンバ(2)内には、所定の複数箇所からクリーンエアが吹出供給されるとともに、チャンバ(2)内を流通したクリーンエアが所定の複数箇所から吸引排出されるようになっている。これにより、チャンバ(2)内は、クリーンエア吸引排出エリアを除いて、そのほぼ全体がクリーンエアによって陽圧に保持され、無菌状態が保持される。
より詳細には、チャンバ(2)内の殺菌部(7)、充填部(8)およびトップシール部(9)には、特に高い無菌性が要求されることから、ULPAフィルタ(F)(JIS Z8122:2000に規定する定格流量で粒径が0.15μmの粒子に対して99.9995%以上の粒子捕集率を持ち、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つエアフィルタ)により清浄化されたクリーンエアが、給気配管(P1)を通してクリーンエア吹出口(AB1)(AB2)から吹出供給される。
また、チャンバ(2)内における殺菌部(7)、充填部(8)およびトップシール部(9)以外の箇所、例えばフラップシール部(10)に設けられた熱風吹出口(101)(図1参照)やボトム成形部(3)に設けられた熱風吹出口(図示略)には、そこまで高い清浄度が要求されないことから、HEPAフィルタ(JIS Z8122:2000に規定する定格流量で粒径が0.3μmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率を持ち、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つエアフィルタ)により清浄化されたクリーンエアが供給される。
チャンバ(2)内を流通したクリーンエアの排出は、チャンバ(2)内の所定の複数箇所に設けられかつ排気配管を通じて排気ファンに接続されたクリーンエア吸込口から吸引排出されるようになっている。図1に示すように、チャンバ(2)におけるボトム成形部(3)およびフラップシール部(10)の上方の頂壁(21)部分に設けられたクリーンエア吸込口(AS1)(AS2)は、排気配管(P2)を通じて排気ファン(E)に接続されている。排気配管(P2)の途中には、バタフライバルブ(V)等の流量調整弁が設けられており、チャンバ(2)内からのクリーンエアの排出流量を調整できるようになっている。
【0024】
チャンバ(2)内は、その全体を洗浄(CIP)および滅菌(SIP)できるように構成されている。洗浄時は、チャンバ(2)のカートンブランク入口(201)および内容物充填容器出口(202)が閉じられ、所定の複数箇所に設けられた洗浄ノズル(12)からアルカリ性溶液、酸性溶液等の洗浄剤が噴射供給された後、すすぎが行われるようになっている。同様に、滅菌時も、チャンバ(2)のカートンブランク入口(201)および内容物充填容器出口(202)が閉じられ、所定の複数箇所から滅菌剤が供給されて、滅菌が行われるようになっている。
【0025】
図2図4に詳しく示すように、搬送コンベア(4)は、4列1ピッチ送りの構成を有するものであって、搬送経路(R)の左右両側に配置されて前後のスプロケット(41)に巻き掛けられたエンドレス状の左右2本のコンベアチェーン(42)と、左右のコンベアチェーン(42)間に搬送経路(R)に沿って互いに平行に配置されかつ容器(C1)の底部を支持する4本のボトムレール(43)と、両コンベアチェーン(42)の左右に向かい合うリンク間に架設されかつ4本のボトムレール(43)上で容器(C1)を開口が上向きとなるように保持する多数の容器ホルダ(44)とを備えている。
容器(C1)は、搬送コンベア(4)の前端部において、ボトム成形部(3)の移送部(35)からカートンアンローダ(35a)によって容器ホルダ(44)に順次移送される(図1参照)。
【0026】
各容器ホルダ(44)は、左右方向にのびる長い垂直板材よりなりかつ両コンベアチェーン(42)のリンク(421)に渡し止められた前後1対の第1保持プレート(441)と、前後方向にのびる短い垂直板材よりなりかつ前後の第1保持プレート(441)の所定の長さ方向複数箇所に介在固定された左右2枚で対をなす計4対の第2保持プレート(442)とを有している。
そして、前後2枚の第1保持プレート(441)によって、4本のボトムレール(43)で底部が支持された4つの容器(C1)の前後側壁が保持されているとともに、4対それぞれの左右2枚の第2保持プレート(442)によって、4つの容器(C1)それぞれの左右側壁が保持されている。つまり、対をなす前後2枚の第1保持プレート(441)および4対それぞれの左右2枚の第2保持プレート(442)により、容器(C1)を前後左右から取り囲んで保持する保持部(440)が形成されている。容器ホルダ(44)を上記のような第1保持プレート(441)および第2保持プレート(442)によって構成すれば、チャンバ(2)内における上下方向のクリーンエアの流れが妨げられず、クリーンエアの流れを下向きの安定した流れとする整流効果が得られ易くなる。
対をなす前後2枚の第1保持プレート(441)は、これらの左右両端部が、左右のコンベアチェーン(42)における互いに向かい合うリンク(421)の内側面に、垂直板状のブロック(45)を介して取り付けられている。そして、コンベアチェーン(42)のリンク(421)のピッチが、搬送コンベア(4)による容器(C1)の搬送ピッチ(P)に相当するようになされている(図2参照)。
各第1保持プレート(441)および各第2保持プレート(442)には、容器(C1)の側壁外面と点接触させられる半球状突起(441a)(442a)が形成されている。これらの半球状突起(441a)(442a)の存在により、容器(C1)の側壁外面が各第1保持プレート(441)および各第2保持プレート(442)の内側面と密着するのが回避されるので、殺菌部(7)において、殺菌剤の噴霧による容器(C1)の側壁外面の殺菌が確実に行われる。
各第1保持プレート(441)の上縁部には、容器(C1)を保持する部分に、他の部分よりも上方に突出した上方凸部(441b)が設けられている。これらの上方凸部(441b)により、容器(C1)をより安定して保持することが可能となり、また、上方凸部(441b)以外の第1保持プレート(441)上縁部の高さが抑えられることで、トップブレーカ部(6)等における容器(C1)上部への加工が支障なく行われる。各上方凸部(441b)の先端部分は、カートンアンローダ(35a)により容器(C1)を保持部(440)へ移送する際のガイドとなるように、前後方向外方に向かって斜め上方に傾斜させられている。
前後1対の第1保持プレート(441)のうち後側の第1保持プレート(441)の上縁部には、上方凸部(441b)どうしの間の部分に、後方に向かって水平状に折り曲げられた後方凸部(441c)が設けられている。これらの後方凸部(441c)によって、前後に隣り合う容器ホルダ(44)どうしの隙間のうち容器(C1)が存在しない部分が塞がれるので、クリーンエアの流通を容器(C1)の周辺に集中させることができる。
【0027】
図5は、容器(C1)の材料として用いられる初期形態のカートンブランク(CB10)を示したものである。このカートンブランク(CB10)は、紙を主体とする積層体を所定形状に打ち抜くことにより形成されたものであって、その内外両面は熱可塑性樹脂層により構成されている。また、上記積層体には、必要に応じて、その厚さ中間にアルミニウム箔等よりなるバリア層が設けられている。上記構成の積層体よりなるカートンブランク(CB10)は、折り曲げて所定形状に成形することが可能であるが、若干の可撓性を有するものであるため、折り曲げ加工後にスプリングバックが生じることがある。
図5に示すように、カートンブランク(CB10)は、やや横長の方形状のものであって、所定形状に折り曲げるための複数の折り罫が形成されている。
具体的には、まず、カートンブランク(CB10)には、同カートンブランク(CB10)を角筒状に折り曲げるための第1~第4縦折り罫(FR11)(FR12)(FR13)(FR14)が、左右方向に所定間隔おきに形成されている。図5の左端の第1縦折り罫(FR11)および左から3番目の第3縦折り罫(FR13)は、全長に亘って一直線状のものであるが、左から2番目の第2縦折り罫(FR12)は長さ中間部分に縦長平行四辺形の部分(FR121)を有し、右端の第4縦折り罫(FR14)は長さ中間部分に縦長六角形の部分(FR141)を有している。これらの部分(FR121)(FR141)により、製品である内容物充填容器(C2)の2つの角部に縦長平行四辺形および縦長六角形の面取部(図7図10では省略)が形成され、内容物充填容器(C2)が手で持ち易いものとなされる。なお、面取部を構成する部分の折り罫の形状は上記に限定されず、例えば平行四辺形以外の四角形や楕円形等の曲線形状であってもよい。また、面取部が形成されない場合もある。
また、カートンブランク(CB10)には、第1~第4縦折り罫(FR11)(FR12)(FR13)(FR14)によって区画された部分を、さらに頂壁形成部(CB101)、側壁形成部(CB102)および底壁形成部(CB103)に区画して折り曲げるための第1上部横折り罫(FR21)および第1下部横折り罫(FR23)が形成されている。第1上部横折り罫(FR21)は、第1および第2縦折り罫(FR11)(FR12)間の部分が左方に向かってやや斜め上向きに傾斜した斜直線状となされ、第3および第4縦折り罫(FR13)(FR14)間の部分が右方に向かってやや斜め上向きに傾斜した斜直線状となされている。
カートンブランク(CB10)の底壁形成部(CB103)のうち第1および第2縦折り罫(FR11)(FR12)間の部分および第3および第4縦折り罫(FR13)(FR14)間の部分には、それぞれ、第1下部横折り罫(FR23)を上辺とする2等辺三角形を形成するように2本の下部斜め折り罫(FR32)が形成され、また、上記各2本の下部斜め折り罫(FR32)の交点どうしを結ぶように左右方向にのびる第2下部横折り罫(FR24)が形成され、さらに、上記各交点からカートンブランク(CB10)の下端縁まで短くのびる下部縦折り罫(FR42)が形成されている。
カートンブランク(CB10)の頂壁形成部(CB101)には、その上端縁よりやや下方位置に、カートンブランク(CB10)の横幅全体に亘って左右方向にのびる第2上部横折り罫(FR22)が形成されている。カートンブランク(CB10)のうち第2上部横折り罫(FR22)よりも上方部分は、有底角筒状容器(C1)の上部開口(C10)を封止する際のシール代となされる。頂壁形成部(CB101)のうち第1および第2縦折り罫(FR11)(FR12)間の部分および第3および第4縦折り罫(FR13)(FR14)間の部分には、それぞれ、第1上部横折り罫(FR21)を下辺とする三角形を形成するように2本の上部斜め折り罫(FR31)が形成されている。第1上部横折り罫(FR21)および2本の上部斜め折り罫(FR31)によって囲まれた各部分は、後述するように容器(C1)の上部が折り曲げられた際に左右方向外方に倒れる上部三角パネル部(C14)を形成する(図5図7参照)。上記各2本の上部斜め折り罫(FR31)の交点は、第2上部横折り罫(FR22)上に位置している。また、上記各交点からカートンブランク(CB10)の上端縁まで短くのびるように、上部縦折り罫(FR41)が形成されている。頂壁形成部(CB101)のうち第2および第3縦折り罫(FR12)(FR13)間の部分には、円形状の口栓取付部(CB104)が形成されている(図7~10では省略)。口栓取付部(CB104)は、口栓(図示略)を容易に差し込んで取り付けられるように、同部分の紙層が円形に切除されて破断強度が弱められたものである。
【0028】
上述した初期形態のカートンブランク(CB10)は、容器(C1)内面を構成する面どうしが重なるように第1および第3縦折り罫(FR11)(FR13)の箇所で封筒状に折り畳まれるとともに、左右側縁部どうしがオーバーラップさせられて接着やヒートシール等により接合されることにより、図6に示す平坦なスリーブ状に折り畳まれた第2形態のカートンブランク(CB11)となされ、この形態でカートンマガジンに多数枚積み重ねられてストックされる。
次いで、この第2形態のカートンブランク(CB11)が、前述の通りカートンマガジンからピッカーによって1枚ずつ引き抜かれると、第1~第4縦折り罫(FR11)(FR12)(FR13)(FR14)に沿って略直角に折り曲げられて横断面四角形の角筒状のカートンブランク(CB12)となされ(図6(b)参照)、カートンローダ(36)によりボトム成形部(3)の受入部(31)へと送られる。
そして、この角筒状カートンブランク(CB12)の一方の端部(底壁形成部(CB103))が、ボトム加熱部(32)において所定温度に加熱され、次いで、ボトムブレーカ部(33)において第1下部横折り罫(FR23)、2つの下部斜め折り罫(FR32)、第2下部横折り罫(FR24)および下部縦折り罫(FR42)に沿って内側に折り曲げられて折り癖を付けられた後、ボトムシール部(34)において超音波シールやヒートシール等により封止される。これにより、有底角筒状の容器(C1)が形成される。
【0029】
図7に示すように、容器(C1)は、方形状の底壁(C11)と、底壁(C11)の4辺から上方にのびる前後左右の4つの側壁(C121)(C122)(C123)(C124)とを備えており、4つの側壁(C121)(C122)(C123)(C124)の上端縁によって上部開口(C10)が形成されている。底壁(C11)は、図示のような正方形となされる他、長方形であってもよく、その場合、4つの側壁(C121)(C122)(C123)(C124)の横断面も同じ長方形となる。また、4つの側壁(C121)(C122)(C123)(C124)は、第1上部横折り罫(FR21)よりも下方部分が内容物充填容器(C2)の側壁を形成する側壁形成部(CB102)となされ、同上方部分が内容物充填容器(C2)の頂壁を形成する頂壁形成部(CB101)となされる。
容器(C1)の4つの角部(C131)(C132)(C133)(C134)は、少なくとも底壁(C11)に近い下部においては、いずれもほぼ直角となされているが、その上部においては、直角とならずに変形している場合がある。より具体的に言うと、図8に示すように、容器(C1)の上部は、カートンブランク(CB10)の第1および第3縦折り罫(FR11)(FR13)に対応する第1および第3角部(C131)(C133)が鋭角となり、第2および第4縦折り罫(FR12)(FR14)に対応する第2および第4角部(C132)(C134)が鈍角となるように変形していることがある。これは、カートンブランク(CB10)を構成している積層体が有する可撓性に起因して、容器(C1)の4つの側壁(C121)(C122)(C123)(C124)に、図6に示す第2形態のカートンブランク(CB11)の形状、すなわち、折り畳まれた平坦なスリーブ形状に戻ろうとするスプリングバック作用が生じ、それによって角部(C131)(C132)(C133)(C134)に変形が生じるものである。
【0030】
図11および図12に示すように、トップブレーカ部(6)は、容器(C1)の列毎に、容器(C1)の上部を前後両側から押圧して折り曲げる前後1対の第1折り曲げ部材(62F)(62B)と、容器(C1)の上方に昇降自在に設けられかつ容器(C1)内に進入して左右側壁(C123)(C124)の上部を左右方向外方に広がるように押圧して折り曲げる第2折り曲げ部材(63)とを備えている。
前後1対の第1折り曲げ部材(62F)(62B)は、左右に長い板状体よりなりかつ各列の容器(C1)の上部を前後両側から押圧しうるように前後揺動自在に設けられた前ウイング(62F)および後ウイング(62B)によって構成されている。また、第2折り曲げ部材(63)は、各列の容器(C1)にその上部開口(C10)を通じて挿入されて容器(C1)の上部を左右方向外方に広げうるように昇降自在に設けられた垂直な折り曲げプレート(63)によって構成されている。これらの前ウイング(62F)および後ウイング(62B)ならびに折り曲げプレート(63)は、全体が1つの折り曲げユニット(60)として昇降自在となされている。
各列の容器(C1)がトップブレーカ部(6)に到来して一時的に停止させられると、折り曲げユニット(60)が下降し、各列の容器(C1)にその上部開口(C10)から折り曲げプレート(63)が挿入され、容器(C1)の左右側壁(C123)(C124)の上部が左右方向外方に押圧されて折り曲げられる。次いで、折り曲げユニット(60)の下降が停止した時点で、前ウイング(62F)および後ウイング(62B)が、前後方向内方に向かって揺動させられ、容器(C1)の前後側壁(C121)(C122)の上部を押圧する。これにより、容器(C1)の上部が第1上部横折り罫(FR21)、上部斜め折り罫(FR31)、第2上部横折り罫(FR22)および上部縦折り罫(FR41)に沿って折り曲げられ、折り癖が付けられる。
【0031】
充填部(8)において上部開口(C10)を通じて内容物が充填された容器(C1)は、充填部(8)の下流側のトップシール部(9)において、前後左右の側壁(C121)(C122)(C123)(C124)の上部が第1上部横折り罫(FR21)、上部斜め折り罫(FR31)、第2上部横折り罫(FR22)および上部縦折り罫(FR41)よりなる上部折り罫に沿って左右方向外方に広がるように折り曲げられるとともに、それによって上部開口(C10)に形成された前後縁部(第2上部横折り罫(FR22)よりも上方部分)どうしが重ね合わせられてシールされる。これにより、図9に示すような左右方向に長いフラップ(C21)を上部に有する内容物充填容器(C2)が形成される。
上記の内容物充填容器(C2)は、次のフラップシール部(10)において、フラップ(C21)の左右両側部が、下方に折り込まれて左右側壁の上部表面にシールされることにより、図10に示すような略直方体状の最終形態となされる。
なお、図示の内容物充填容器(C2)は、その頂壁が後方に向かって斜め下向きに傾斜したものとなされているが、頂壁が水平である内容物充填容器を形成する場合にも、この発明による充填包装機を同様に適用できる。
【0032】
図13図16は、予備ブレーカ部(5)およびその構成部材の詳細構造を示したものである。予備ブレーカ部(5)に関する以下の説明において、「前」は図13の右、「後」は図13の左をいい、また、「左右」は前から見た場合の左右、すなわち図14の左右をいうものとする。
予備ブレーカ部(5)は、図1に示すように、搬送コンベア(4)におけるトップブレーカ部(6)の上流側(前側)に隣接して配置されている。そして、予備ブレーカ部(5)では、容器(C1)の4つの角部(C131)(C132)(C133)(C134)のうち少なくとも1つの所定の角部に縦折り罫(FR11)(FR12)(FR13)(FR14)に沿って予備的に折り癖を付ける工程が行われる。
この実施形態の予備ブレーカ部(5)の場合、容器(C1)の4つの角部(C131)(C132)(C133)(C134)のうち第2形態のカートンブランク(CB11)の平坦面に設けられた第2および第4縦折り罫(FR12)(FR14)に対応する第2および第4角部(C132)(C134)に、第2および第4縦折り罫(FR12)(FR14)に沿って折り癖を付けるように構成されている。
容器(C1)の第2角部および第4角部(C132)(C134)は、平坦なスリーブ状をした第2形態のカートンブランク(CB11)では平坦な幅中間部の一部を構成していたため、同カートンブランク(CB11)が角筒状に折り曲げられた際に、材料自体が有する可撓性により、スプリングバック作用が生じて丸みを帯びた状態となることがある。特に、第2角部(C132)の場合、その長さ中間に設けられた縦長平行四辺形の部分(FR121)が折り曲げの抵抗となる上、破断強度が弱められた口栓取付部(CB104)と第2角部(C132)との間の後側壁(C122)部分が外側に膨れるように変形しやすく、第2縦折り罫(FR12)に加えられる折り曲げ力を逃してしまうため、丸みが残ってしまうことがある。そのため、これら第2および第4角部(C132)(C134)に折り癖を付けるのが好ましいと言える。
なお、図5に示すように、第2縦折り罫(FR12)は、第1上部横折り罫(FR21)および上部斜め折り罫(FR31)と1点で交差しているが、同交差点と縦長平行四辺形の部分(FR121)の上端との間に間隔が設けられているのが好ましく、それによって同交差点での容器(C1)上部の折り曲げがシャープになり、成形性が向上する。
【0033】
予備ブレーカ部(5)は、容器(C1)の列毎に、角部(C132)(C134)の外側部分に係合させられる係合凹部(520)を有する上下移動可能な外側係合部材(52)と、第2または第4角部(C132)(C134)の内側部分に係合させられる係合凸部(530)を有する上下移動可能な内側係合部材(53)とよりなる少なくとも1対(ここでは2対)の係合ユニット(51)を備えている。そして、各角部(C132)(C134)が、対をなす外側係合部材(52)および内側係合部材(53)により内外両側から挟圧されて折り癖を付けられるようになっている。
外側係合部材(52)は、外周縁部に前記係合凹部を構成する環状の係合凹溝(520)を有しかつ水平軸を中心として回転可能な外側係合ローラ(52)よりなる。
内側係合部材(53)は、外周縁部に前記係合凸部を構成する環状の係合凸条(530)を有しかつ水平軸を中心として回転可能な内側係合ローラ(53)よりなる。
【0034】
対をなす外側係合ローラ(52)および内側係合ローラ(53)は、これらの回転中心が同一の高さに配置されるように支持部材(54)によって回転可能に支持されているとともに、昇降手段(56)によって支持部材(54)とともに同時に昇降させられるようになっている。この実施形態では、2対の外側係合ローラ(52)および内側係合ローラ(53)の回転中心がすべて同一の高さに配置されるようになっている。
支持部材(54)は、図16に示すように、角棒状のベースブロック(541)と、ベースブロック(541)の両側面に取り付けられた2枚の外側支持プレート(542)および2枚の内側支持プレート(543)とよりなる。ベースブロック(541)の両側面には、その長さ中間部に内側支持プレート(543)の厚みとほぼ等しい深さを有する切欠部(541a)が設けられている。また、ベースブロック(541)の長さ中間部には、2本の嵌合ピン(541b)が貫通状に取り付けられており、各嵌合ピン(541b)の両端部が両切欠部(541a)から突出させられている。
各内側支持プレート(543)は、両側縁部の下側部分が側方に凸弧状に突出した略T形のものであって、その上端部に2つの嵌合孔(543a)が形成され、その両側方突出部に軸挿通孔(543b)が形成されている。そして、ベースブロック(541)の各切欠部(541a)に各内側支持プレート(543)の上端部が嵌め込まれるとともに、各内側支持プレート(543)の2つの嵌合孔(543a)にベースブロック(541)の2本の嵌合ピン(541b)の突出端部がそれぞれ嵌め込まれるようになっている。
各外側支持プレート(542)は、横長の水平部(542a)および水平部(542a)の両端部から下方にのびる2つの垂下部(542b)を有する略逆U形のものである。各垂下部(542b)の下端部分には、軸挿通孔(542c)が形成されている。そして、各外側支持プレート(542)の水平部(542a)が、ボルト・ナット(図示略)等によってベースブロック(541)の両側面に取り付けられている。
なお、外側支持プレート(542)および内側支持プレート(543)は、上記のように別体に設ける他、一体のものとしてもよい。
【0035】
各外側係合ローラ(52)は、略円板状のローラ本体(521)と、ローラ本体(521)の中心部に貫通状に取り付けられた水平軸部材(522)とよりなる。ローラ本体(521)の外周縁部には、横断面略V形をした環状の係合凹溝(520)が設けられている。そして、各外側係合ローラ(52)が、両外側支持プレート(542)における対をなす垂下部(542b)の下端部分間に介在されて、水平軸部材(522)の両端部が軸挿通孔(542c)に緩く挿入されることにより、各外側係合ローラ(52)が両外側支持プレート(542)に回転自在に支持されている。
各内側係合ローラ(53)は、略円板状のローラ本体(531)と、ローラ本体(531)の中心部に貫通状に取り付けられた水平軸部材(532)とよりなる。ローラ本体(531)の外周縁部には、横断面略V形をした環状の係合凸条(530)が設けられている。そして、各内側係合ローラ(53)が、両内側支持プレート(543)の対をなす側方突出部間に介在されて、水平軸部材(532)の両端部が軸挿通孔(543b)に緩く挿入されることにより、各内側係合ローラ(53)が両内側支持プレート(543)に回転自在に支持されている。
【0036】
各支持部材(54)のベースブロック(541)は、左右方向にのびる板状のブラケット(551)の下面に、容器(C1)の第2および第4角部(C132)(C134)を結ぶ対角線方向に沿ってのびるように、ボルト等で固定されている。ブラケット(551)には、左右2本の昇降シャフト(552)の下端部が取り付けられている。2本の昇降シャフト(552)は、これらの長さ中間部が、チャンバ(2)の頂壁(21)に貫通状に取り付けられた2つの垂直スリーブ(553)にそれぞれ上下スライド自在に挿通されているとともに、これらの上端部どうしが左右方向にのびる水平な連結バー(554)によって連結されている。
チャンバ(2)の頂壁(21)には、昇降シャフト(552)を昇降させるための昇降装置(56)(昇降手段)が設けられている。この実施形態では、昇降装置(56)は、チャンバ(2)の頂壁(21)上面における2つの垂直スリーブ(553)間の部分に設けられた流体圧シリンダ(56)よりなる。流体圧シリンダ(56)は、例えばエアシリンダよりなり、上下方向に進退駆動させられるピストンロッド(561)を有している。ピストンロッド(561)の上端部は、連結バー(554)の長さ中間部に連結されている。流体圧シリンダ(56)のピストンロッド(561)を進退駆動させると、昇降シャフト(552)が昇降させられ、それによって、各係合ユニット(51)の外側係合ローラ(52)および内側係合ローラ(53)が、搬送中の容器(C1)と干渉しない上方の退避位置と、容器(C1)の第2または第4角部(C132)(C134)に係合して折り癖を付ける際の下限位置との間で昇降させられる。
また、図13に示すように、予備ブレーカ部(5)には、各列の容器(C1)の上方への移動を阻止するための容器押さえ部材(57)が、各係合ユニット(51)および支持部材(54)と干渉しないようにかつ各列の容器(C1)の上部開口(C10)から所定距離上方に間隔をあけて設けられている。容器押さえ部材(57)は、例えば、予備ブレーカ部(5)の下流側に隣接するトップブレーカ部(6)の支持バー(64)に前方突出状に設けられた水平板材によって構成することができる。
なお、各係合ユニット(51)の支持部材(54)および昇降装置(56)は、上記態様には限定されず、適宜変更可能である。
【0037】
各係合ユニット(51)について、より詳しく説明すると、まず、内側係合ローラ(53)は、2つの内側支持プレート(543)によって、各内側支持プレート(543)との間にやや隙間を残した状態で支持されており、同隙間の分だけ水平軸部材(532)の方向に移動できるようになっている。同様に、外側係合ローラ(52)も、2つの外側支持プレート(542)によって、各外側支持プレート(542)との間にやや隙間を残した状態で支持されており、同隙間の分だけ水平軸部材(522)の方向に移動できるようになっている。個々の容器(C1)によって、第2および第4角部(C132)(C134)の変形の状態にバラツキがあり、これらの角部(C132)(C134)に沿って外側係合ローラ(52)および内側係合ローラ(53)を係合させるには、外側係合ローラ(52)および内側係合ローラ(53)は、上記のように水平軸部材(522)(532)の方向に若干移動可能とするのが好ましい。内側係合ローラ(53)と両内側支持プレート(543)との隙間は、内側係合ローラ(53)が両内側支持プレート(543)間の中央に位置した状態で片側の内側支持プレート(543)に対して0.1~3mmであるのが好ましく、より好ましくは0.5~1.5mmである。外側係合ローラ(52)と両外側支持プレート(542)との隙間も上記と同様である。
また、図15(c)に示したように、外側係合ローラ(52X)は、そのローラ本体を2つのローラ分割体(521X)によって構成するとともに、両ローラ分割体(521X)どうしの間および各ローラ分割体(521X)と各外側支持プレート(542)との間にそれぞれリング状のスペーサ(523)を介在させたものであってもよい。図示は省略したが、内側係合ローラ(53)についても、各内側支持プレート(543)との間にリング状のスペーサを介在させてもよい。これらの態様では、スペーサ(523)によって外側係合ローラ(52X)および内側係合ローラ(53)の水平軸部材(522)(532)の方向の動きが規制されるが、スペーサ(523)は外側係合ローラ(52X)および内側係合ローラ(53)の回転を妨げないようなものとする必要がある。
【0038】
各列の容器(C1)は、搬送ホルダ(44)で保持された状態で搬送コンベア(4)により搬送されるが、容器(C1)の上部は搬送ホルダ(44)から上方に突出しているので、搬送ホルダ(44)の拘束を受けることがなく、前述した理由により菱形に変形している場合がある。
各列の容器(C1)が予備ブレーカ部(5)に到来すると、各列の容器(C1)に対応して設けられた2対の係合ユニット(51)、すなわち、2つの外側係合ローラ(52)および2つの内側係合ローラ(53)が待機位置から下降し、2つの内側係合ローラ(53)は容器(C1)の内部に入り込む。
2つの内側係合ローラ(53)は、鈍角に変形した第2および第4角部(C132)(C134)の内側部分にそれぞれ係合して、これらの角部(C132)(C134)を外側に押し広げながら下降し、容器(C1)の上部を正方形に矯正しうるように配置されている。
ここで、各内側係合ローラ(53)を変形した第2または第4角部(C132)(C134)の内側部分にスムーズに沿わせるには、各内側係合ローラ(53)の直径を大きくした方が良い。但し、この実施形態では、2つの内側係合ローラ(53)は、これらの回転中心が、正方形に矯正された容器(C1)の第2および第4角部(C132)(C134)を結んだ対角線上に並ぶように配置されているため、内側係合ローラ(53)の直径を前記対角線の長さの半分よりもやや小さくなるように設定している。
なお、外側係合ローラ(52)および内側係合ローラ(53)を1対のみ設けて、両ローラ(52)(53)により、第2および第4角部(C132)(C134)の一方のみに折り癖を付けるようにすることも可能であり、その場合、内側係合ローラ(53)の直径をさらに大きくして角部(C132)(C134)の内側部分にスムーズに沿わせるようにすることができる。
2つの外側係合ローラ(52)は、2つの内側係合ローラ(53)により内側から押し広げられる第2および第4角部(C132)(C134)を挟んで、2つの内側係合ローラ(53)に対向する外側位置に配置される。
2つの外側係合ローラ(52)および2つの内側係合ローラ(53)は、これらの回転中心が同一の高さに位置するように、支持部材(54)によって支持されている。これら4つのローラ(52)(53)(特に対をなす内側係合ローラ(53)および外側係合ローラ(52)どうし)の回転中心の高さがずれていると、第2および第4角部(C132)(C134)に掛かる力が逃げるおそれがあるが、回転中心の高さが一致していれば力が逃げるおそれがなく、より確実に第2および第4角部(C132)(C134)に折り癖を付けることができる。
【0039】
外側係合ローラ(52)の係合凹溝(520)は、横断面略V形であって、その角度は約90°となされている。この係合凹溝(520)の2つの傾斜面(520a)が第2および第4角部(C132)(C134)の外側部分に係合しながら下降させられるとともに、内側係合ローラ(53)の係合凸条(530)が第2および第4角部(C132)(C134)の内側部分に係合しながら下降させられることにより、第2および第4角部(C132)(C134)がほぼ直角に矯正されるとともに、第2および第4角部(C132)(C134)に第2および第4縦折り罫(FR12)(FR14)に沿って正確に折り癖が付けられる。すなわち、内側係合ローラ(53)の係合凸条(530)が、平坦なスリーブ状に折り畳まれた第2形態のカートンブランク(CB11)では平坦な幅中間部に設けられていた第2および第4角部(C132)(C134)の内側部分を外側に向けて押すと、それぞれの角部(C132)(C134)を折り曲げようとする力に反発して、同角部(C132)(C134)を形成している2つの隣接する側壁(C121)(C122)(C123)(C124)部分が外側に膨らもうとするが、外側係合ローラ(52)の係合凹溝(520)の2つの傾斜面(520a)が上記2つの隣接する側壁(C121)(C122)(C123)(C124)部分を内側に向かって押圧することにより、角部(C132)(C134)を折り曲げる力が逃げなくなり、角部(C132)(C134)を直角に折り曲げて確実に癖折りすることができる。
内側係合ローラ(53)の係合凸条(530)は、横断面略V形であって、その角度を小さくする方が第2および第4角部(C132)(C134)に折り癖を付ける効果も大きくなるが、小さすぎると容器(C1)内面に傷を付けるおそれがあるため、30~95°であるのが好ましく、より好ましくは55~75°である。また、内側係合ローラ(53)の係合凸条(530)の先端の曲率半径Rは、小さくする方が第2および第4角部(C132)(C134)に折り癖を付ける効果も大きくなるが、小さすぎると容器(C1)内面に傷を付けるおそれがあるため、0.2~2mmであるのが好ましく、より好ましくは0.3~0.8mmである。
外側係合ローラ(52)の係合凹溝(520)の角度は、小さくする方が第2および第4角部(C132)(C134)に折り癖を付ける効果も大きくなるが、小さすぎると容器(C1)外面に傷を付けるおそれあるため、70~120°であるのが好ましく、より好ましくは85~95°である。また、外側係合ローラ(52)の係合凹溝(520)の底部の曲率半径Rは、小さくする方が第2および第4角部(C132)(C134)に折り癖を付ける効果も大きくなるが、部品加工精度の限界等を考慮すると、好ましくは0.2~2mmであり、より好ましくは0.2~0.5mmである。なお、外側係合ローラ(52)の係合凹溝(520)は、容器(C1)の第2および第4角部(C132)(C134)の先端部分と接触しないように、対応する底部付近を切除してもよい(図示略)。あるいは、図15(c)の変形例の外側係合ローラ(52X)のように、ローラ本体を2つのローラ分割体(521X)に分割して、両者(521X)の間にリング状のスペーサ(523)を介在させることにより、容器(C1)の角部(C132)(C134)の先端部分が非接触状に収容される空隙を形成してもよい。
外側係合ローラ(52)の係合凹溝(520)の2つの傾斜面(520a)は、容器(C1)の第2および第4角部(C132)(C134)を形成している2つの隣り合う側壁(C121)(C122)(C123)(C124)部分を所要幅に亘って押圧するのに十分な幅が必要であり、それぞれ少なくとも2mm以上の幅を有していることが好ましい。特に、第2角部(C132)の外側部分に係合させられる外側係合ローラ(52)においては、第2角部(C132)と口栓取付部(CB104)との間の後側壁(C122)部分の強度が他の部分よりも弱いため、同後側壁(C122)部分の幅の約半分を支持できるように係合凹溝(520)の傾斜面(520a)の幅を設定するのが好ましい。
【0040】
内側係合ローラ(53)および外側係合ローラ(52)は、これらの昇降ストローク下限位置を低くする方が容器(C1)の第2および第4角部(C132)(C134)のより低い位置まで折り癖を付けることができるが、外側係合ローラ(52)が搬送コンベア(4)の搬送ホルダ(44)と干渉しないように設定する必要がある。この実施形態のように容器(C1)の上部に口栓取付部(CB104)が設けられている場合、外側係合ローラ(52)および内側係合ローラ(53)の昇降ストローク下限位置は、これらの回転中心(すなわち容器(C1)の第2および第4角部(C132)(C134)との係合位置)が少なくとも口栓取付部(CB104)の中心よりも下方に位置するように設定されるのが好ましい。
また、外側係合ローラ(52)は、その直径を小さくする方が容器(C1)の第2および第4角部(C132)(C134)のより低い位置まで折り癖を付けることができるが、小さすぎると容器(C1)外面との摩擦抵抗が大きくなって容器(C1)外面に傷を付けるおそれがある。
対をなす外側係合ローラ(52)と内側係合ローラ(53)との間隔は、小さくする方が第2および第4角部(C132)(C134)に折り癖を付ける効果も大きくなるが、少なくとも容器(C1)を構成するカートンブランク(CB10)の厚さと同程度は必要であり、好ましくは0.4~2mm、より好ましくは0.5~1mmとなされる。
外側係合ローラ(52)および内側係合ローラ(53)により容器(C1)の第2および第4角部(C132)(C134)に折り癖が付けられた後、両ローラ(52)(53)が上昇させられると、これらと共に容器(C1)も上昇しようとするが、容器(C1)の上部開口(C10)の縁が容器押さえ部材(57)に当接させられることにより、容器(C1)の上昇が阻止される。この際、外側係合ローラ(52)および内側係合ローラ(53)が回転することによって容器(C1)の内外面との摩擦抵抗が低減されるため、容器(C1)の内外面に傷が付かない。
【0041】
上記の通り、この実施形態の充填包装機(1)によれば、予備ブレーカ部(5)において、折り癖を付けるのが難しい容器(C1)の鈍角に変形した2つの角部(C132)(C134)に、丸みを帯びることなく確実に折り癖を付けることができるので、製品である内容物充填容器(C2)に角部の成形不良が生じるのを確実に防止することができる。
特に、この実施形態に係る充填包装機(1)では、予備ブレーカ部(5)において、容器(C1)の鈍角に変形している第2および第4角部(C132)(C134)を同時に癖折りするようになっているので、対角位置にある第2および第4角部(C132)(C134)が直角となるように容器(C1)が矯正(位置決め)された状態で、これらの角部(C132)(C134)に第2および第4縦折り罫(FR12)(FR14)に沿って正確に折り癖が付けられる。
なお、予備ブレーカ部(5)において、容器(C1)の鈍角に変形した2つの角部(C132)(C134)に折り癖を付けるのを、1つの角部毎に分けて前後2工程で行う事も可能であるが、充填包装機(1)の省スペースの点では上記実施形態の方が有利である。
また、予備ブレーカ部(5)において、容器(C1)の鈍角に変形した2つの角部(C132)(C134)のうち一方の角部のみに折り癖を付けるようにしてもよい。但し、上記実施形態のように対角位置にある2つの鈍角に変形した角部(C132)(C134)に折り癖を付ける方が、容器(C1)を変形させようとするスプリングバックの力が弱められて、容器(C1)の変形が軽減されるので、より有利である。
【0042】
予備ブレーカ部(5)の配置は、トップシール部(9)よりも上流側(前側)であればよく、例えば充填部(8)よりも上流側に配置すれば、変形した容器(C1)の上部が内容物の充填の妨げとなるのを回避できる点で有利である。
もっとも、上記実施形態のように予備ブレーカ部(5)をトップブレーカ部(6)よりも上流側(前側)に配置すれば、トップブレーカ部(6)において容器(C1)の上部に折り癖を付ける工程がより確実に行われるため、さらに有利である。すなわち、容器(C1)の第2および第4角部(C132)(C134)が丸みを帯びていると、トップブレーカ部(6)において容器(C1)の上部に折り癖を付ける際、特に第1上部横折り罫(FR21)および上部斜め折り罫(FR31)が集まる交差点に角が定まらず、これが製品(内容物充填容器(C2))の角部の成形不良の原因となることがあるが、予備ブレーカ部(5)において第2および第4角部(C132)(C134)を丸みが生じないように癖折りしておけば、トップブレーカ部(6)において上記のような不具合が起こらず、製品(C2)の角部成形不良をなくすことができる。
【0043】
上記の実施形態では、この発明を、カートンよりなる容器(C1)の上部を左右両側に張り出したフラップ(C21)が形成されるように平坦に折り曲げて上部開口(C10)を封止することにより内容物充填容器(C2)を形成する充填包装機(1)に適用しているが、その他、例えば特許文献1記載の充填包装機のように、カートンよりなる容器の上部を切妻屋根状となるように内側に折り曲げて上部開口を封止することにより内容物充填容器を形成する充填包装機についても、この発明を適用することができ、上記実施形態と同様に製品の角部の成形不良を確実になくすことができる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
この発明は、カートンよりなる複数の容器を所定の搬送経路に沿って搬送しながら容器内に飲料、食品等の内容物を充填して密封包装することにより内容物充填容器を形成する充填包装機として好適に用いられる。
【符号の説明】
【0045】
(1):充填包装機
(2):チャンバ
(4):搬送コンベア
(5):予備ブレーカ部
(51):係合ユニット
(52):外側係合ローラ(外側係合部材)
(520):係合凹溝(係合凹部)
(53):内側係合ローラ(内側係合部材)
(530):係合凸条(係合凸部)
(54):支持部材
(56):流体圧シリンダ(昇降手段)
(6)トップブレーカ部
(8):充填部
(9):トップシール部
(10):フラップシール部
(11):排出部
(CB11):平坦なスリーブ状に折り畳まれたカートンブランク
(C1):容器(カートン)
(C10):上部開口
(C121):前側壁
(C122):後側壁
(C123):左側壁
(C124):右側壁
(C131):第1角部
(C132):第2角部
(C133):第3角部
(C134):第4角部
(FR11):第1縦折り罫
(FR12):第2縦折り罫
(FR13):第3縦折り罫
(FR14):第4縦折り罫
(C2):内容物充填容器
(R):搬送経路
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