(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023034803
(43)【公開日】2023-03-13
(54)【発明の名称】音声処理装置、音声処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G10H 1/18 20060101AFI20230306BHJP
G10H 1/02 20060101ALI20230306BHJP
H04R 3/00 20060101ALI20230306BHJP
【FI】
G10H1/18 B
G10H1/02
H04R3/00 310
H04R3/00 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021141221
(22)【出願日】2021-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000116068
【氏名又は名称】ローランド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三津橋 武
(72)【発明者】
【氏名】白石 英明
【テーマコード(参考)】
5D220
5D478
【Fターム(参考)】
5D220EE17
5D220EE25
5D220EE44
5D478DB11
(57)【要約】
【課題】ユーザが音声信号に対する処理の順序を容易に決定可能とする。
【解決手段】時間軸上で音声信号に複数の処理を施すことを設定可能な音声処理装置であって、夫々が音声信号の入力及び出力と入力された音声信号に対する処理の内容を示すブロックを2以上配置可能な画面の表示を制御する表示制御部と、画面に配置済のブロックと、画面に新たに配置されたブロックとの位置関係に基づいて定められたブロックの順番で各ブロックに対応する音声信号の処理を行う信号処理部とを含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
時間軸上で音声信号に複数の処理を施すことを設定可能な音声処理装置であって、
夫々が音声信号の入力及び出力と入力された音声信号に対する処理の内容を示すブロックを2以上配置可能な画面の表示を制御する表示制御部と、
前記画面に配置済のブロックと、前記画面に新たに配置されたブロックとの位置関係に基づいて定められたブロックの順番で各ブロックに対応する音声信号の処理を行う信号処理部と、
を含む音声処理装置。
【請求項2】
前記位置関係に基づいて前記ブロックの順番を示す情報を生成する生成部をさらに含む請求項1に記載の音声処理装置。
【請求項3】
前記生成部は、前記新たに配置されたブロックの位置が前記配置済のブロックに設けられた接続領域に存する場合に、前記配置済のブロックの次に前記新たに配置されたブロックが続く前記ブロックの順番を示す情報を生成する
請求項2に記載の音声処理装置。
【請求項4】
前記生成部は、前記新たに配置されたブロックの位置が前記画面に配置済の隣り合う二つのブロックに設けられた挿入領域に存する場合に、前記二つのブロックの間に前記新たに配置されたブロックが挿入された前記ブロックの順番を示す情報を生成する
請求項2に記載の音声処理装置。
【請求項5】
前記生成部は、前記新たに配置されたブロックの位置が前記配置済のブロックに設けられた上書き領域に存する場合に、前記配置済のブロックを前記新たに配置されたブロックに上書きする前記ブロックの順番を示す情報を生成する
請求項2に記載の音声処理装置。
【請求項6】
前記新たに配置されたブロックが、前記画面中の第1の領域においてドラッグされ、前記配置済のブロックが表示された第2の領域においてドロップされたブロックである
請求項1から5のいずれか一項に記載の音声処理装置。
【請求項7】
前記新たに配置されたブロックが、前記配置済のブロックの中からドラッグ操作によって選択され、前記ドラッグ操作の前の配置位置と異なる位置でドロップされたブロックである
請求項1から5のいずれか一項に記載の音声処理装置。
【請求項8】
前記画面において、配置済の2以上のブロックが前記画面に定義された時間軸の方向に沿って配置される
請求項1から7のいずれか一項に記載の音声処理装置。
【請求項9】
前記画面に配置済の第1のブロックの未来方向に第2のブロックが接続配置される場合に、前記表示制御部は、前記第2のブロックを、前記時間軸の方向に配置され、前記配置済のブロックの中心を通過する仮想の直線上に前記第2のブロックの中心が位置する状態で前記画面に表示する
請求項8に記載の音声処理装置。
【請求項10】
前記画面に配置済のブロックである分岐元ブロックに第1分岐ブロックと第2分岐ブロックとの二つのブロックが接続配置される場合に、前記時間軸の方向に配置され、且つ前記分岐元ブロックの中心を通過する仮想の直線に対し、前記第1分岐ブロック及び前記第
2分岐ブロックの夫々の中心が線対称となるように配置される
請求項8に記載の音声処理装置。
【請求項11】
前記第1分岐ブロック及び前記第2分岐ブロックの夫々の中心が、前記画面において前記仮想の直線である第1の仮想の直線と直交し、前記分岐元ブロックの中心を通過する第2の仮想の直線上に位置する
請求項10に記載の音声処理装置。
【請求項12】
前記時間軸の未来方向を前記分岐元ブロックの前方とし、前記仮想の直線を前記分岐元ブロックの中心線とした場合において、前記第1分岐ブロックの中心が前記分岐元ブロックの左前に配置され、前記第2分岐ブロックの中心が前記分岐元ブロックの右前に配置される
請求項10に記載の音声処理装置。
【請求項13】
前記分岐元ブロックにおける前記第1分岐ブロックの接続領域にドラッグ状態のブロックがドロップされた場合に、前記表示制御部は、前記第1分岐ブロックの配置位置に前記ドロップされたブロックを配置し、前記第2分岐ブロックの配置位置に補完ブロックを配置し、第1集約元ブロックと第2集約元ブロックとの二つのブロックが接続される集約ブロックであって、前記第1集約元ブロックとしての前記第1分岐ブロックと前記第2集約元ブロックとしての前記第2分岐ブロックと接続された集約ブロックを前記画面に配置する
請求項12に記載の音声処理装置。
【請求項14】
前記第1分岐ブロックと前記集約ブロックとの間の挿入領域にドラッグ状態のブロックがドロップされた場合に、前記表示制御部は、前記ドロップされたブロックが第1集約元ブロックとして前記第1分岐ブロックと前記集約ブロックとの間に挿入された状態を表示し、前記第2分岐ブロックと前記集約ブロックとの間に挿入された第2集約元ブロックとしての補完ブロックを配置する
請求項13に記載の音声処理装置。
【請求項15】
前記分岐元ブロックと前記第1分岐ブロックとの間の挿入領域にドラッグ状態のブロックがドロップされた場合に、前記表示制御部は、前記ドロップされたブロックが新たな第1分岐ブロックとして前記集約ブロックと元の第1分岐ブロックとの間に挿入された状態を表示し、前記第2分岐ブロックと前記集約ブロックとの間に挿入された第2集約元ブロックとしての補完ブロックを前記画面に配置する
請求項13に記載の音声処理装置。
【請求項16】
前記第1集約元ブロックである前記画面の配置済のブロックにおける前記第1分岐ブロックの接続領域にドラッグ状態のブロックがドロップされた場合に、前記表示制御部は、ドロップされたブロックを第1集約元ブロックとし、前記第1集約元ブロックが接続された集約ブロックである第1の集約ブロックと接続された第2の集約ブロックを前記画面に配置し、前記第1の集約ブロックを前記第2の集約ブロックに対する第2集約元ブロックに変更し、前記第2の集約ブロックと接続された第3の集約ブロックと、前記第1の集約ブロックに対する第2集約元ブロックであったブロックと前記第3の集約ブロックとを接続する補完ブロックとを前記画面に配置する
請求項15に記載の音声処理装置。
【請求項17】
前記表示制御部は、前記第2の集約ブロックに対する第2集約元ブロックと前記第1の集約ブロックに対する第2集約元ブロックであったブロックとの距離、及び前記第2の集約ブロックに対する第2集約元ブロックと前記補完ブロックとの距離を離れる方向に調整
する
請求項16に記載の音声処理装置。
【請求項18】
前記画面に対し、ブロックの一つとして、複数のブロックによりなされる複数の処理が定義されたセットブロックを配置可能である
請求項1から17のいずれか一項に記載の音声処理装置。
【請求項19】
時間軸上で音声信号に複数の処理を施すことを設定可能な音声処理装置が、
夫々が音声信号の入力及び出力と入力された音声信号に対する処理の内容を示すブロックを2以上配置可能な画面の表示を制御することと、
前記画面に配置済のブロックと、前記画面に新たに配置されたブロックとの位置関係に基づいて定められたブロックの順番で各ブロックに対応する音声信号の処理を行うこととを実行する音声処理方法。
【請求項20】
時間軸上で音声信号に複数の処理を施すことを設定可能な音声処理装置のコンピュータに、
夫々が音声信号の入力及び出力と入力された音声信号に対する処理の内容を示すブロックを2以上配置可能な画面の表示を制御することと、
前記画面に配置済のブロックと、前記画面に新たに配置されたブロックとの位置関係に基づいて定められたブロックの順番で各ブロックに対応する音声信号の処理を行うこととを実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、音声処理装置、音声処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ギター用マルチエフェクタボードにおいて、以下のような技術がある。すなわち、プロセッサが、ディスプレイに対し、ペダルの画像と、ペダル間に存在するシミュレートされたコネクションの画像を含むシグナルチェーンの画像を表示する。ペダルの画像をタッチし、その画像を目的の位置にドラッグすることで、シグナルチェーン内の信号経路を変更可能である(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術では、シグナルチェーンの生成において、ペダルの画像間をコネクションの画像で接続する処理が必要であり、煩雑であった。
【0005】
本開示は、ユーザが音声信号に対する処理の順序を容易に決定可能な音声処理装置、音声処理方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一つは、時間軸上で音声信号に複数の処理を施すことを設定可能な音声処理装置であって、夫々が音声信号の入力及び出力と入力された音声信号に対する処理の内容を示すブロックを2以上配置可能な画面の表示を制御する表示制御部と、画面に配置済のブロックと、画面に新たに配置されたブロックとの位置関係に基づいて定められたブロックの順番で各ブロックに対応する音声信号の処理を行う信号処理部とを含む。
【0007】
本開示は、音声処理装置と同様の特徴を有する音声処理方法、プログラム、プログラムを記憶した非一時的な記憶媒体であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係るエフェクタの構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、エフェクタが行う処理を示すブロック図である。
【
図3】
図3A及び3Bは、エフェクトチェインの編集画面の表示例を示す図である。
【
図4】
図4A及び4Bは、エフェクトチェインの編集画面の表示例を示す図である。
【
図5】
図5A及び5Bは、セットブロックの編集画面の表示例を示す図である。
【
図6】
図6A及び6Bは、配置済のブロックに対してドロップされたブロックの接続先の判定領域ドロップ領域の説明図である。
【
図7】
図7は、ブロックの配置補正の説明図である。
【
図8】
図8Aは、配置済のブロックに対してドロップされたブロックに対する接続先の判定領域の説明図であり、
図8Bは、ブロックの配置補正の説明図である。
【
図9】
図9Aは、配置済のブロックに対してドロップされたブロックに対する接続先の判定領域の説明図であり、
図9Bは、ブロックの配置補正の説明図である。
【
図10】
図10A~10Eは、配置済のブロックに新たなブロックを接続させる場合の手順を示す図である。
【
図11】
図11A~11Eは、配置済のブロックからの信号を二方向に分岐させる場合の手順を示す図である。
【
図12】
図12A~12Eは、配置済のブロックに分岐ブロックを接続した場合の手順を示す図である。
【
図13】
図13Aは、分岐元ブロックに対してドロップされたブロックに対する接続先の判定領域の説明図であり、
図13Bは、集約ブロックに対してドロップされた接続先の判定領域の説明図である。
【
図14】
図14A~14Dは、配置済のブロック間に挿入対象の新たなブロックがドロップされた場合におけるブロックの配置及び接続方法の説明図である。
【
図15】
図15は、ドロップされたブロックの挿入判定の説明図である。
【
図16】
図16A~16Dは、配置済のブロック間に挿入対象の新たなブロックがドロップされた場合におけるブロックの配置及び接続方法の説明図である。
【
図17】
図17A~17Dは、分岐路をなすブロックに新たなブロックが接続された場合におけるブロックの配置及び接続方法の説明図である。
【
図18】
図18A及び18Bは、ブロックの配置位置の自動調整の例を示す図である。
【
図19】
図19A~19Cは、配置済のブロックを上書きする場合の例を示す図である。
【
図20】
図20Aは、画面タッチON時の処理例を示すフローチャートであり、
図20Bは、移動ブロックの特定の処理例を示すフローチャートである。
【
図21】
図21は、パレット領域のブロックの確認の処理例を示すフローチャートである。
【
図22】
図22は、チェインのブロックの確認の処理例を示すフローチャートである。
【
図23】
図23は、ドラッグ処理の例を示すフローチャートである。
【
図24】
図24は、画面タッチOFF時の処理例を示すフローチャートである。
【
図25】
図25は、パレットブロックフラグONの場合におけるチェインブロックの領域確認の処理例を示すフローチャートである。
【
図26】
図26は、ブロックのインサート対象領域内か否かの判定処理の例を示すフローチャートである。
【
図27】
図27は、ブロックのオーバーライト対象領域内か否かの判定処理の例を示すフローチャートである。
【
図28】
図28は、チェインブロックフラグONの場アインおけるチェインブロックの領域確認の処理例を示すフローチャートである。
【
図29】
図29は、インサートの場合のチェイン機能の更新の処理例を示すフローチャートである。
【
図30】
図30は、インサートの場合のチェイン描画の更新の処理例を示すフローチャートである。
【
図31】
図31は、オーバーライトの場合のチェイン機能の更新の処理例を示すフローチャートである。
【
図32】
図32は、オーバーライトの場合のチェイン描画の更新の処理例を示すフローチャートである。
【
図33】
図33は、フットスイッチ押し下げ処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。実施形態の構成は例示であり、実施形態の構成に限定されない。
図1は、実施形態に係るエフェクタ10の構成例を示す図である。エフェクタ10は、「音声処理装置」の一例である。
【0010】
<エフェクタの構成>
エフェクタ10は、バス1に接続された、Central Processing Unit(CPU)11、
記憶装置12、操作子14、ディスプレイ15、タッチパネル16、Digital Signal Processor(DSP)17、アナログ-ディジタル変換器(A/D)18、及びディジタル-アナログ変換器(D/A)19を備えている。A/D18には楽器20が接続されており、D/A19にはアンプ30が接続されている。
【0011】
楽器20は、例えばエレキギターである。但し、楽器は、エレキギター以外の電子楽器(電子ピアノなど)を含み得る。エフェクタは、楽器20の演奏によって楽器20から入力される音声(楽音又は演奏音ともいう)の信号、すなわち音声信号が入力される。エフェクタ10は、入力された音声信号に加工を施すことで、楽器20の演奏音にユーザの所望する効果が付与された音声信号を生成する。エフェクタ10から出力される音声信号は、アンプ20に接続される。アンプ20は、入力された音声信号を増幅する増幅器であり、増幅された音声信号は、アンプ20に内蔵されたスピーカ、又はアンプ20に接続されたスピーカに接続され、スピーカは、音声信号に基づく音声を放音する。
【0012】
CPU11は、「プロセッサ」の一例である。CPU11は、プログラムの実行によって、音声信号に対する効果付与に関する様々な処理を行う。記憶装置12は、ROM及びRAMを含む。ROMは、CPU11によって実行されるプログラムやデータの記憶領域として使用される。RAMは、CPU11の作業領域、プログラムやデータの記憶領域として使用される。ROM及びRAMは、主記憶装置の一例であり、記憶装置12は、さらに、プログラム及びデータを記憶する補助記憶装置を含むことができる。補助記憶装置は、例えば、ハードディスク、Solid State Drive(SSD)、フラッシュメモリ、Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory(EEPROM)などである。
【0013】
操作子14は、エフェクタ10に対する様々な設定を行うつまみ、キー、ボタン、スイッチなどである。ディスプレイ15は、液晶ディスプレイ、有機ELなどであり、情報の表示に使用される。タッチパネル16は、ディスプレイ15に表示されるユーザインタフェース(UI)の操作に使用される。
【0014】
A/D18は、楽器20から入力されたアナログの音声信号をディジタルの音声信号に変換し、DSP17に供給する。CPU11は、プログラムの実行に従って、DSP17に対し、効果付与のために音声信号に対して行う処理または加工のための設定を施す。DSP17は、CPU11によってなされた設定に従って、音声信号に対する様々な処理を行う。処理によって、所望の効果が付与された音声信号が生成される。D/A19は、DSP17から出力された音声信号が入力され、入力されたディジタルの音声信号をアナログの音声信号に変換し、アンプ30に出力する。
【0015】
図2は、エフェクタ10が行う処理を示すブロック図である。
図1に示したCPU11がプログラムを実行することによって、エフェクタ10は、
図2に示すような構成を有する装置として動作する。具体的には、CPU11は、プログラムの実行によって、タッチ管理部111、エフェクトチェイン管理部112、パラメータ変更部113、エフェクト更新部115、及び表示制御部117として動作する。また、記憶装置12は、エフェクト記憶部114として使用される。そして、DSP17は、信号処理部116として動作
する。
【0016】
タッチ管理部111は、ディスプレイ15に設けられたタッチパネル16に対するタッチの有無の判定、すなわちタッチの検出を行う。また、タッチ管理部111は、タッチを検出した場合に、タッチされたディスプレイ15の画面の座標を検出又は算出する。
【0017】
エフェクトチェイン管理部112は、音声信号に付与する効果の種類及び効果付与の順序等を設定(編集)する場合に設定画面に表示されるエフェクトチェイン(後述)を示す情報(エフェクトチェイン情報と称する)を管理する。エフェクトチェイン情報は、記憶装置12に記憶されることで管理される。エフェクトチェイン情報は、エフェクトチェインをなすブロックの数を示す情報、ブロックの種類を示す情報、及びブロックの繋がり(接続順)を示す情報を含む。エフェクトチェイン管理部112は、「生成部」の一例である。
【0018】
表示制御部117は、エフェクトチェイン管理部112が管理するエフェクトチェイン情報に基づくエフェクトチェインをディスプレイ15の設定画面上に表示するための制御を行う。
【0019】
エフェクト記憶部114は、エフェクタ10が付与可能な複数の種類の効果(エフェクトともいう)を音声信号に付与するためのプログラム及びデータ(設定パラメータ)を記憶したライブラリである。効果は、例えば、ディストーション(Distortion)、リバーブ(Reverb)、ディレイ(Delay)などであるが、これらに制限されない。
【0020】
エフェクト更新部115は、設定されたエフェクトチェインに従って、付与対象の効果のプログラム及びパラメータを読み出し、DSP17(信号処理部116)にロードする。このとき、信号処理部116に設定されるパラメータは、パラメータ変更部113によって変更された値に変更することができる。
【0021】
パラメータ変更部113は、タッチ管理部111によって検出されるタッチパネル16のタッチ、又は操作子14の操作入力に従って、変更対象の効果に関して、変更後のパラメータを生成する。パラメータ変更部113は、変更後のパラメータを示す情報をエフェクト更新部115に供給する。エフェクト更新部115は、エフェクトに係るプログラム及びパラメータのロード時に、変更後のパラメータをパラメータ変更部113から受け取っていれば、ロード対象のパラメータの値を、変更後のパラメータの値に変更(更新)する。
【0022】
信号処理部116は、プログラム及びパラメータに従って、楽器20からA/D18を介して入力される音声信号に所定の複数の処理(例:図中の処理001~100)を施す電気・電子回路として動作する。信号処理部116から出力される音声信号は、D/A19を介してアンプ30に接続される。
【0023】
<エフェクトチェイン>
次に、エフェクタ10を用いて編集及び設定されるエフェクトチェインについて説明する。
図3A及び3B、並びに、
図4A及び4Bは、エフェクトチェインの編集画面の表示例を示す図である。
【0024】
図3Aには、ディスプレイ15に表示される、エフェクトチェインの編集画面(設定画面ともいう)50の表示例が図示されている。編集画面50(以下、単に「画面50」と表記する)は、画面50の上側に設けられたパレット領域51と、パレット領域51の下側に設けられた編集領域52とを含む。編集画面50は、「画面」の一例である。パレッ
ト領域51は「第1の領域」の一例であり、編集領域52は「第2の領域」の一例である。
【0025】
パレット領域51には、編集領域52にて編集乃至設定可能な複数種類のブロック60が表示される。パレット領域51は、編集領域52から独立して左右にスクロール可能となっており、スクロールによって非表示状態のブロック60をパレット領域51に表示させることができる。ブロック60は、音声信号の入力及び出力と、音声信号に対して施される処理を示すシンボル(アイコン)である。
【0026】
タッチパネル16へのタッチ(指押し等)によって、パレット領域51に表示されている何れか一つのブロック60を選択すると、選択されたブロック60がドラッグ状態となる。ドラッグ状態において、指を編集領域52に移動させると、ドラッグ状態のブロック60が指の動きに追従して編集領域52に移動する。編集領域52の所望の位置で、指を離すと、編集領域52にブロック60がドロップされ、編集領域52にブロック60が配置された状態となる。
【0027】
本実施形態では、ブロック60は正六角形を有し、6つの頂点6a~6fを有する。ブロック60は、画面50において、対向する平行な二辺が画面50の左右方向に配置される。編集領域52には、時間軸方向が設定されている。本実施形態では、時間軸方向は、編集画面の左右方向に設定されており、編集領域52において、時間は画面50の左から右へ流れる(
図3AのTIMEの矢印を参照)。換言すれば、画面50において、編集領域52の右方向が未来方向である。
【0028】
なお、画面50の左から右へ流れる時間軸の方向は一例であり、画面50における時間軸の方向は、画面50の右から左への方向、上から下への方向、及び下から上への方向のいずれであってもよい。また、時間軸の方向は、画面の上下方向乃至左右方向に対して斜めの方向であってもよい。時間軸の方向がいずれの方向であっても、エフェクトチェインは、時間軸の未来方向に向かって一方向に伸び、画面50上で折り返されることはない。
【0029】
上述したパレット領域51からのブロック60のドラッグ及びドロップを繰り返すことで、編集領域52において、複数のブロック60を左から右への時間軸方向に並べることができる。エフェクトチェインは、編集領域52に、時間軸に沿って配置された複数のブロック60の繋がりで表現される。編集領域52は、パレット領域51から独立して、左右方向にスクロール可能となっており、エフェクトチェインの長さが画面50の左右方向のサイズに収まらない場合、編集領域52のスクロールによって、エフェクトチェインの所望の箇所を画面50に表示することができる。
【0030】
ブロック60は、一つの入力と一つの出力とを有する第1のタイプのブロック60(通常ブロックと称する)と、一つの入力と二つの出力を有する第2のタイプのブロック60(分岐元ブロックと称する)と、二つの入力と一つの出力を有する第3のタイプのブロック60(集約ブロックと称する)とに分類することができる。入力及び出力は頂点6a~6fのいずれかによって示される。
【0031】
図3Aの例では、編集領域52における、“CMP”、“EQ”、“PH”、“DS”、“AMP”、“DLY”、“DS(下線付き)”、及び“AMP(下線付き)”のブロック60の夫々が、通常ブロックに該当する。また、編集領域52における“DIV”のブロック60が、分岐元ブロックに該当する。また、編集領域52における“MIX”のブロック60が集約ブロックに該当する。
【0032】
配置済のブロック60に対し、ドラッグ及びドロップによって、通常ブロックを新たに
配置する場合、これらの新たなブロックは、時間軸方向に沿って、配置済ブロックの右側(未来方向)に配置される。このとき、配置済のブロック60の最も右に位置する頂点6dに対し、新たなブロック60の最も左に位置する頂点6aが接続される。
【0033】
配置済の或るブロック60(例えば、“DIV”のブロック60)から音声信号の出力を二方向に分岐させる場合、分岐元ブロック60が配置済のブロック60の右側に配置される。分岐元ブロック60では、頂点6c及び6eが二つの出力の夫々を示す。
【0034】
分岐元ブロックの頂点6c(第1の出力)に接続される次のブロック(第1の分岐ブロックと称する)は、分岐元ブロックの右上に配置され、その左下の頂点6fが分岐元ブロックの頂点6cに接続される。
図3Aの例では、分岐元のブロック“DIV”に接続されたブロック“DS”が第1の分岐ブロックに該当する。
【0035】
また、分岐元ブロックの頂点6e(第2の出力)に接続される次のブロック(第2の分岐ブロックと称する)は、分岐元ブロックの右下に配置され、その左上の頂点6bが分岐元ブロックの頂点6eに接続される。
図3Aの例では、分岐元のブロック“DIV”に接続されたブロック“DS(下線付き)”が第2の分岐ブロックに該当する。
【0036】
また、配置済の二つのブロック60からの出力を集約(ミキシング)する場合、集約ブロックが配置される。
図3Aに示す例では、“AMP”のブロック60(第1の集約元ブロックに該当)と、“AMP(下線付き)”のブロック60(第2の集約元ブロックに該当)とに接続された“MIX”のブロック60が集約ブロックに該当する。
【0037】
集約ブロックは、第1の集約元ブロックの右下に配置され、第2の集約元ブロックの右上に配置される。そして、集約ブロックの左上の頂点6bは、第1の集約元ブロックの右下の頂点6eと接続され、集約ブロックの左下の頂点6fは、第2の集約元ブロックの右上の頂点6cと接続される。
【0038】
第1の分岐ブロックに対しては、通常ブロック、分岐元ブロック、又は集約ブロックを接続することができる。
図3Aの例では、第1の分岐ブロックであるブロック“DS”に通常ブロック“AMP”が接続された場合を示す。第1の分岐ブロックに分岐ブロックが接続された場合、第1の分岐ブロックは分岐元ブロックを兼ねる。また、第1の分岐ブロックに集約ブロックが接続された場合、第1の分岐ブロックは第1又は第2の集約元ブロックを兼ねる。第2の分岐ブロックについても同様である。
【0039】
パレット領域51から編集領域52へブロック60のドラッグ及びドロップを繰り返すことで、編集領域52の時間軸方向(左右方向)に沿って複数のブロック60が並べられたエフェクトチェインを編集することができる。ブロック60の夫々は、入力された音声信号に対して行う処理の内容を示す。従って、エフェクトチェインは、ブロック間を流れる音声信号の入出力の順序と、各ブロックで行われる処理の内容を示す。
【0040】
エフェクトの種類としては、“CMP(コンプレッサ)”、“EQ(イコライザ)”、“DS(ディストーション)”、“AMP(アンプ)”、“DLY(ディレイ)”、“PH(フェイザー):うなり効果”、“NS(ノイズサプレッション):雑音除去効果”などがある。エフェクタ10が音声信号に付与可能な効果の種類及び数は任意であり、上記の例示に制限されない。
【0041】
また、ブロック“DIV”は、入力された音声信号の分岐を処理内容とするブロック(分岐元ブロック)であり、ブロック“MIX”は、入力された二つの音声信号のミキシングを処理内容とするブロック(集約ブロック)である。また、
図3Aの分岐路の一方に位
置し、網掛け(実際は反転表示)及び斜体文字で示すブロック“DS”及び“AMP”は、他方の分岐路に位置する白抜きのブロック“DS”及び“AMP”の夫々に対応するブロック60であり、入力された音声信号をスルーさせる(何もせずに出力する)ことを処理内容とする。音声信号をスルーさせるブロック(スルー用ブロックと称する)は、音声信号の経路を二分して、一方の経路では効果を付与し、他方の経路では効果を付与しない(元の音声信号を維持する)場合に使用される。これらの、ブロック“DIV”、ブロック“MIX”、及びスルー用ブロックは、音声信号に対する効果付与ではなく、音声信号の流れる方向を制御するブロックである観点から、「機能ブロック」と称する。ユーザは、スルー用ブロックに関して、「スルーさせる処理」から、対応するブロック60の処理を実行する処理への設定変更、及びその逆の設定変更が可能である。例えば、ユーザは、ブロック“DS”のスルー用ブロックをブロック“DS”へ設定変更可能であり、また、変更後のブロック“DS”をスルー用ブロックに設定変更可能である。
【0042】
なお、本実施形態では、ブロック間の接続は、二つのブロック60の頂点同士が接する状態を示すことで、ユーザが直感的にブロック間の接続、すなわち音声信号の入出力を把握可能となっている。但し、二つのブロック60の頂点同士が接している必要は必ずしもなく、頂点間に間隙が設けられていてもよい。すなわち、頂点間が離間していてもよい。また、接続関係にある二つのブロック間の角同士が重なる状態であってもよい。接続関係は、音声信号の入出力関係(一方のブロックから出力される音声信号が他方のブロックに入力される関係)を示す。
【0043】
編集領域52では、既に配置済のブロック60を用いてエフェクトチェインを編集することができる。例えば、
図3Bに示すように、配置済のブロック60の一つ(
図3Bの例ではブロック“CMP”)を選択すると、そのブロック“CMP”がドラッグ状態となる。選択は、例えば、エフェクタ10のユーザが指又はタッチペンなどで編集画面50中の編集領域52のブロック“CMP”をタッチすることによって行われる。そして、指等を動かすことで所望の位置へブロック“CMP”を移動させることができる。例えば、
図3Bに示すように、ブロック“PH”とブロック“DIV”との間に、ドラッグされたブロック“CMP”を近づけると、ブロック“PH”とブロック“DIV”との間に挿入位置を示す縦線のシンボル52aが表示される。この状態で、編集画面50から指を離してブロック“CMP”をドロップさせると、ブロック“CMP”がブロック“PH”とブロック“DIV”との間に挿入された状態に自動的に変更される。このようにして、エフェクタ10のユーザは、エフェクトチェインにおけるブロック60の位置又は順序の入れ替えを容易な操作で行うことができる。
【0044】
また、
図4Aに示すように、ユーザは、パレット領域51にあるブロック60を選択(タッチ)してドラッグ状態にし、編集領域52のブロック間に近づけると、上記した挿入位置を示すシンボル52aが編集領域52に表示される。
図4Aに示す例では、ブロック“PH”とブロック“DIV”との間にシンボル52aが表示される。この状態でブロック60がドロップされると、ドロップされたブロック60は、シンボル52aで区切られた二つのブロック60(ブロック“PH”とブロック“DIV”)の間に挿入される。このようにして、エフェクタ10のユーザは、エフェクトチェインに対する新たなブロック60の挿入を容易な操作で行うことができる。
【0045】
また、
図4Bに示すように、ユーザは、パレット領域51にあるブロック60を選択(タッチ)してドラッグ状態にし、編集領域52における上書き対象のブロック(
図4Bに示す例ではブロック“PH”)の上に重ねる。すると、上書き対象のブロック60の輪郭線が太線で表示され、ブロック“PH”が上書き対象として選択されていることが表示される。ブロック60がドロップされると、ドロップされたブロック60は、上書き対象のブロック“PH”の上に重ねて表示され、ブロック“PH”は見えなくなる。このように
して、エフェクタ10のユーザは、エフェクトチェインをなすブロック60を別のブロック60で上書きすることを容易な操作で行うことができる。
【0046】
図5A及び5Bは、セットブロックの編集画面の表示例を示す図である。
図5Aは、セットブロックの編集画面の例を示す。セットブロックとは、2以上のブロック60の組み合わせで形成された短いエフェクトチェイン(ショートチェインと称する)を一つのブロックで表現したものである。
図5Aにおけるセットブロックの編集画面では、パレット領域51に編集可能な複数のセットブロック(“SET1”、“SET2”など)が表示され、いずれかのブロックをタッチすることで、編集対象のセットブロックを選択することができる。パレット領域51からショートチェインを形成するブロック60を選択し、編集領域52の適宜の位置にドロップすることで、編集対象のセットブロックに設定するショートチェインを形成することができる。
【0047】
図5Aの例では、“CMP”、“AMP”及び“NS”のブロック60の夫々が時間軸方向に一列に並べられたショートチェインが形成され、このショートチェインを内容とするセットブロック“SET1”が作成された様子を示す。
【0048】
セットブロック“SET1”は、エフェクトチェインの編集において、通常ブロックと等価な一つのブロックとして使用される。
図5Bに示す例では、編集領域52において、セットブロック“SET1”が、ブロック“EQ”とブロック“DIV”との間に挟まれている。セットブロック“SET1”に入力される音声信号に対し、セットブロック“SET1”を構成するショートチェインに従った処理が行われる。そして、ショートチェインにおける最後のブロックの出力が、セットブロック“SET1”に接続された次のブロック“DIV”に入力される。このように、任意の数のブロック60の組み合わせで形成されたショートチェインをセットブロックとして形成し、エフェクトチェインを形成するブロックの一つとして扱うことができる。これによって、エフェクトチェインの編集を容易にすることができる。
【0049】
<ドロップ時の処理>
次に、新たなブロック60が編集領域52にドロップされた場合における処理の詳細について説明する。
図6A及び6Bは、配置済のブロックに対してドロップされたブロックの接続先の判定領域ドロップ領域の説明図である。
【0050】
図6Aには、編集領域52に配置済のブロック60が図示されている。配置済のブロック60には、判定領域70が設定される。判定領域は、ブロック60の内側に形成された、正十二角形の第1判定領域71と、ブロック60の外側に形成された、正十二角形の第2判定領域72とからなる。第1判定領域71及び第2判定領域72のいずれの中心も、ブロック60の中心60Aに設定されている。第2判定領域72は、ブロック60の中心60Aから伸びて、第1判定領域71及び第2判定領域72の各頂点を通過する直線によって、領域72a~72lに分割される。ドロップされるブロック60の中心が、第1判
定領域71、及び領域72a~72lのいずれに位置するかによって、配置済のブロック60に対する次のブロックの接続状態が決定される。
【0051】
図6Aに示したブロック60の右側(未来方向)に次のブロックを接続する場合、領域72a(右上)、72c(右)及び72e(右下)が、配置済のブロック60に次のブロック60を接続させるとの判定が行われる領域となる。領域72b、72d、72f~72lは不感帯に設定される。ドロップされた次のブロック60の中心が不感帯にある場合には、その位置で次のドロップが浮いた状態(配置位置が未定の状態)となる。
【0052】
例えば、
図6Bに示すように、編集領域52に配置済のブロック60aがあり、ユーザ
がブロック60aの右側に次のブロック60bの接続を所望する場合、ユーザは、ブロック60bをブロック60aの右側にドロップする。このとき、ブロック60bの中心60Aがブロック60aの領域72cに入っている場合、ブロック60bをブロック60aに接続するとの判定が行われ、編集領域52におけるブロック60bの配置位置が自動的に補正される。
【0053】
図7A及び
図7Bは、ブロック60bの配置補正の説明図である。
図7Aに示すように、ドロップ時におけるブロック60bの中心60Aがブロック60aの中心60Aを通過する左右方向の仮想線90a上にあるか否かが判定される。中心60Aが仮想線90a上にないと判定される場合、
図7Bに示すように、ブロック60bの中心が仮想線90a上に位置するように、ブロック60bの位置が自動的に修正される。これによって、編集領域52におけるブロック60bの高さがブロック60aと揃えられ、時間軸80の方向に一列に並ぶ。また、ブロック60bの左側の頂点6aがブロック60aの右側の頂点6dに接するように、ブロック60bの位置が自動的に修正される。
【0054】
図8Aは、配置済のブロック60aに対してドロップされたブロック60bに対する接続先の判定領域の説明図である。
図8B及び8Cは、ブロック60bの配置補正の説明図である。編集領域52に配置済のブロック60aがあり、ユーザがブロック60aを分岐元ブロックとし、第1分岐ブロックとしてのブロック60bの接続を所望する場合を仮定する。この場合、ユーザは、ブロック60bをブロック60aの右上にドロップする。
【0055】
このとき、
図8Aに示すように、ブロック60bの中心60Aがブロック60aの領域72aに入っているか否かが判定される。中心60Aが領域72aに入っていると判定される場合、ブロック60bがブロック60aに対する第1分岐ブロックと判定され、ブロック60bの配置位置が自動的に補正される。
【0056】
図8Bに示すように、ドロップ時におけるブロック60bの中心60Aがブロック60aの中心60A及び頂点6cを通過する仮想線90b上にあるか否かが判定される。中心60Aが仮想線90b上にないと判定される場合、
図8Cに示すように、ブロック60bの中心が仮想線90b上に位置するように、ブロック60bの位置が自動的に修正される。これによって、仮想線90bがブロック60bの中心及び左下の頂点6fを通過する状態となる。また、ブロック60bの左下の頂点6fがブロック60aの右上の頂点6cに接するように、ブロック60bの位置が自動的に修正される。
【0057】
図9Aは、配置済のブロック60aに対してドロップされたブロック60bに対する接続先の判定領域の説明図である。
図9Bは、ブロック60bの配置補正の説明図である。編集領域52に配置済のブロック60aがあり、ユーザがブロック60aをブロック60bで上書きすることを所望する場合を仮定する。この場合、ユーザは、ブロック60bをブロック60aの上に重ねてドロップする。
【0058】
このとき、
図9Aに示すように、ブロック60bの中心60Aがブロック60aの第1判定領域71に入っているか否かが判定される。中心60Aが第1判定領域71に入っていると判定される場合、ブロック60aがブロック60bによって上書きされると判定され、ブロック60bの配置位置が自動的に補正される。
【0059】
ドロップされたブロック60bの中心が第1判定領域71に入っていると判定される場合、ドロップ時におけるブロック60bの中心60Aがブロック60aの中心60Aと一致するか否かが判定される。中心60Aが一致しないと判定される場合、
図9Bに示すように、ブロック60bの中心がブロック60aの中心60Aに位置するように、ブロック60bの位置が自動的に修正される。これによって、ブロック60bがブロック60aに
重なり、ブロック60aが隠れて見えない状態となる。このようにして、ブロック60aがブロック60bに上書きされる。
【0060】
図10A~10Eは、配置済のブロックに新たなブロックを接続させる場合の手順を示す図である。
図10A~10Eには、配置済のブロック60であるブロック“1”に、新たなブロック60であるブロック“2”を接続する手順を示す。
図10Aでは、編集領域52にブロック“1”が配置されている。ブロック“1”の出力が一つである場合、ユーザは、ブロック“2”をブロック“1”の右側にドロップする(
図10B)。
【0061】
すると、
図6Bを用いて説明した、ブロック“1”とブロック“2”との位置関係に係る判定が行われる。このとき、ブロック“2”の中心60Aがブロック“1”の領域72cに入っている場合、ブロック“2”がブロック“1”の右側に自動配置される。これによって、ブロック“1”及びブロック“2”の各中心60Aを通過する仮想線90が時間軸80の方向に配置され、ブロック“1”の右側の頂点とブロック“2”の左側の頂点とが接する状態となる(
図10C)。
【0062】
図10Dは、ブロック“1”の入力及び出力を示す。ブロック“1”の左側の頂点(頂点6a)は、音声信号の入力を示し、右側の頂点(頂点6d)は、ブロック“1”からの音声信号の出力を示す。
図10Eは、ブロック“1”及びブロック“2”の入力及び出力を示す。ブロック“1”については
図10Dに関してした説明と同じである。ブロック“2”については、左側の頂点(頂点6a)が入力となり、右側の頂点(頂点6d)が、ブロック“2”からの音声信号の出力を示す。
【0063】
図11A~11Eは、配置済のブロックからの信号を二方向に分岐させる場合の手順(第1の分岐手順)を示す図である。
図11Aに示すように、編集領域52において、通常ブロックであるブロック“1”、“2”及び“3”が、時間軸80の方向に並んで配置済である場合を仮定する。そして、ブロック“3”の右上に通常ブロックであるブロック“4”が第1分岐ブロックとしてドロップされた場合を仮定する。
【0064】
この場合、ブロック“4”の中心60Aがブロック“3”の領域72aに入るか否かが判定される(
図8A参照)。中心60Aが領域72aに入る場合、ブロック“4”の位置が自動補正され、ブロック“4”がブロック“3”の右上に位置し、ブロック“3”の右上の頂点(頂点6c)とブロック“4”の左下の頂点(頂点6f)とが接した状態となり、これらの頂点とブロック“3”及び“4”の各中心60Aが同一直線上に位置する状態となる(
図11B、
図8C参照)。
【0065】
すると、ブロック“3”が通常ブロックの扱いから分岐元ブロックの扱いに変更される。これにより、第2分岐ブロックとしてのブロック“空”が、編集領域52において、ブロック“3”の左下に自動的に配置される。ブロック“空”は、処理の内容が音声信号のスルーであるブロック60である。ブロック“3”の右下の頂点(頂点6e)と、ブロック“空”の左上の頂点(頂点6b)と、ブロック“3”及び“空”の各中心60Aとは、同一の仮想の直線90上に位置する状態となる(
図11C)。
図11Cにおいて、ブロック“4”(の中心)とブロック“空”(の中心)とは、仮想の直線90に対して線対称となっている。そして、ブロック“3”(分岐元ブロック)から見た仮想の直線90の未来方向をブロック“3”の前方と定義した場合において、ブロック“4”(第1分岐ブロック)は、ブロック“3”の左前に位置し、ブロック“空”(第2分岐ブロック)はブロック“3”の右前に位置する。
【0066】
続いて、第1分岐ブロックであるブロック“4”を第1の集約元ブロックとし、第2分岐ブロックであるブロック“空”を第2の集約元ブロックとする集約ブロック(ブロック
“MIX”)であるブロック“M”が編集領域52に自動的に配置される。ブロック“M”の中心60Aはブロック“1”、“2”及び“3”を通過する仮想の直線上に位置する。また、ブロック“4”の右下の頂点(頂点6e)とブロック“M”の左上の頂点(頂点6b)とが接する。そして、ブロック“空”の右上の頂点(頂点6c)とブロック“M”の左下の頂点(頂点6f)とが接する(
図11D)。
【0067】
このように、直列のエフェクトチェインの右上に第1分岐ブロックとなるブロックを配置すると、第2分岐ブロック及び集約ブロックが自動的に配置され、第1分岐ブロックにおけるエフェクトが施された音声信号と、第2分岐ブロックでスルーされた音声信号とが集約ブロックでミキシングされるエフェクトチェインを簡易に作成することができる。
【0068】
図11Eは、
図11Dに示したエフェクトチェインにおける音声信号の経路を示す。
図11Eにおいて、ブロック“1”及びブロック“2”を経た音声信号は、ブロック“3”にてブロック“4”とブロック“空”へ分岐し、ブロック“M”で再び合流する。
【0069】
図12A~12Eは、配置済のブロックからの信号を二方向に分岐させる場合の手順(第2の分岐手順)を示す図である。
図12Aに示すように、編集領域52において、通常ブロックであるブロック“1”及び“2”が、時間軸80の方向に並んで配置済である場合を仮定する。そして、ブロック“2”の右側に専用の分岐元ブロック(ブロック“DIV”)であるブロック“D”がドロップされた場合を仮定する。ブロック“D”は、自動配置によって、
図12Aにおける下線の位置に配置され、ブロック“2”と接続された状態となる。
【0070】
その後、
図12Bに示すように、ブロック“D”の右上に、次のブロック“3”をドロップすると、ブロック“3”は、自動配置によって、
図12Bにおける下線の位置に配置され、ブロック“D”と接続された第1分岐ブロックとなる。
【0071】
すると、
図11C及び
図11Dを用いて説明したのと同様に、ブロック“空”及びブロック“M”が自動配置され、分岐路及びその合流状態が形成される(
図12C)。そして、例えば、ブロック“M”にブロック“4”を接続することができる(
図12D)。音声信号の経路としては、
図12Eに示すように、ブロック“1”及びブロック“2”を経た音声信号は、ブロック“D”にてブロック“3”とブロック“空”へ分岐し、ブロック“M”で再び合流し、ブロック“4”を経た後に出力される。
【0072】
第1の分岐手順では、音声信号に対する効果付与を行うブロックを分岐元ブロックとして使用する。第2の分岐手順では、分岐元ブロックとして、分岐専用のブロック“D”(ブロック“DIV”)を使用する。第2の分岐手順でも、ユーザは、信号を一旦分岐させてその後に合流させる音声信号の経路を容易に作成することができる。
【0073】
図13Aは、専用の分岐元ブロック(ブロック“DIV”)に対してドロップされたブロックに対する接続先の判定領域の説明図である。ブロック“DIV”の判定領域は、通常ブロックの判定領域と異なり、領域72cが不感帯に設定されている。このため、次のブロックをブロック“DIV”の右側にドロップしても自動配置は起こらない。そして、領域72a又は72eに次のブロック60の中心60Aがドロップされた場合に、自動配置が起こる。
【0074】
これにより、次のブロックが分岐元ブロックの右側にドロップされても自動配置は起こらないため、第1分岐ブロックの位置、又は第2分岐ブロックの位置に確実に次のブロック60を接続することができる。なお、領域72eに次のブロック60をドロップした場合にも自動配置は起こる。このため、第1分岐ブロックの未接続状態において、第2分岐
ブロックを分岐元ブロックに接続させた場合に、第1分岐ブロックの位置にブロック“空”が自動配置され、さらにブロック“MIX”が自動配置される。
【0075】
図13Bは、集約ブロック(ブロック“MIX”)に対してドロップされた接続先の判定領域の説明図である。ブロック“MIX”の判定領域は、通常ブロックの判定領域と異なり、領域72a及び72dが不感帯に設定されている。このため、次のブロック60をブロック“MIX”の右上又は右下にドロップしても自動配置は起こらず、右側に配置した場合に自動配置が起こる。これにより、ブロック“MIX”の右側に次のブロック60を確実に接続することができる。
【0076】
図14A~14Dは、配置済のブロック間に挿入対象の新たなブロックがドロップされた場合におけるブロックの配置及び接続方法の説明図である。
図14Aにおいて、
図11Dに示したエフェクトチェインが編集領域52に表示されていると仮定する。このような状態において、ブロック“4”とブロック“M”との間に、挿入対象のブロック“5”をドロップしたと仮定する。
【0077】
ブロック“5”がドロップされた位置によって、ブロック“4”とブロック“M”との間に、ブロック“5”を挿入すると判定された場合には、以下となる。すなわち、ブロック“4”の右側にブロック“5”が自動配置され、ブロック“5”の右下に、ブロック“M”が自動配置される(
図14B)。
【0078】
さらに、ブロック“3”に接続されたブロック“空”とブロック“M”とを接続する新たなブロック“空”(補完ブロックと称する)が自動的に配置される(
図14C)。補完ブロックのブロック“空”は、左側の頂点が元のブロック“空”の右側の頂点に接するように配置される。また、補完ブロックのブロック“空”は、その右上の頂点がブロック“MIX”の左下の頂点と接するように配置される。
【0079】
図14Dは、音声信号の経路を示す。ブロック“1”及びブロック“2”を経た音声信号は、ブロック“3”にてブロック“4”とブロック“空”へ分岐する。ブロック“4”に入力された音声信号は、ブロック“5”を経た後にブロック“M”で合流する。ブロック“空”に入力された音声信号は、補完ブロックのブロック“空”を経た後にブロック“M”で合流する。
【0080】
このように、第1集約元ブロックと集約ブロックとの間にブロック60を挿入することができる。これにより、分岐路に通常ブロックを挿入し、分岐路において2以上の効果を付与可能とすることができる。ブロックの挿入時には、挿入されたブロック60(ブロック“5”)と対をなす補完ブロック(ブロック“空”)が自動的に配置される。これにより、ユーザが分岐路における効果の追加を容易に行うことができる。
【0081】
なお、
図14Aの状態において、第2集約元ブロック(ブロック“空”)と集約ブロック(ブロック“M”)との間にブロック“5”が挿入された場合、同様の処理が行われる。すなわち、ブロック“空”とブロック“M”との間にブロック“5”が挿入される。また、ブロック“4”とブロック“M”との間が、ブロック“5”に対応する補完ブロックである新たなブロック“空”により接続される。
【0082】
図15は、ドロップされたブロック60の挿入判定の説明図である。
図15には、
図14Aに示したブロック“4”及びブロック“M”が図示されている。ブロック“4”及びブロック“M”の夫々は、上述した判定領域70を有している。ブロック“4”は、その頂点6eがブロック“M”の頂点6bと接しており、頂点6eに対応するブロック“4”の領域72eと、頂点6bに対応するブロック“M”の領域72kとは重複範囲を有する
。この重複範囲に、ドロップされたブロック60の中心が入っている場合に、ブロック“4”とブロック“M”との間にブロック60を挿入すると判定される。
図15には、重複範囲に入ったブロック“5”の中心60Aを図示している。このように、ユーザは、ドロップするブロック60を、直感的に挿入したい二つのブロック60の間でドロップすれば、その間にブロック60が挿入されるようになっている。
【0083】
図16A~16Dは、配置済のブロック間に挿入対象の新たなブロックがドロップされた場合におけるブロックの配置及び接続方法の説明図である。
図16Aにおいて、
図11Dに示したエフェクトチェインが編集領域52に表示されていると仮定する。このような状態において、ブロック“3”とブロック“4”との間に、挿入対象のブロック“5”をドロップしたと仮定する。
【0084】
ブロック“5”がドロップされた位置によって、ブロック“3”とブロック“4”との間に、ブロック“5”を挿入すると判定された場合には、以下となる。すなわち、ブロック“4”があった位置にブロック“5”が自動配置され、ブロック“5”の右側に、ブロック“4”が配置される。そして、ブロック“4”の右下に、ブロック“M”が配置される(
図16B)。
【0085】
さらに、ブロック“4”に対応する補完ブロックとして、ブロック“3”に接続されたブロック“空”とブロック“M”とを接続するブロック“空”が自動的に配置される(
図16C)。補完ブロックのブロック“空”は、左側の頂点が元のブロック“空”の右側の頂点に接するように配置される。また、補完ブロックのブロック“空”は、その右上の頂点がブロック“MIX”の左下の頂点と接するように配置される。
【0086】
図16Dは、音声信号の経路を示す。ブロック“1”及びブロック“2”を経た音声信号は、ブロック“3”にてブロック“5”とブロック“空”へ分岐する。ブロック“5”に入力された音声信号は、ブロック“4”を経た後にブロック“M”で合流する。ブロック“空”に入力された音声信号は、補完ブロックのブロック“空”を経た後にブロック“M”で合流する。
【0087】
このように、分岐元ブロックと第1分岐ブロックとの間に通常ブロックを挿入し、分岐路に通常ブロックを挿入して、分岐路において2以上の効果を付与可能とすることができる。これにより、ユーザが分岐路における効果の追加を容易に行うことができる。なお、分岐元ブロック(ブロック“3”)と第2分岐ブロック(ブロック“空”)との間にブロック“5”が挿入された場合、同様の処理が行われ、ブロック“4”とブロック“M”との間が補完ブロックのブロック“空”により接続される。
【0088】
なお、
図16Aに示す状態において、第2集約元ブロック(ブロック“空”)と集約ブロック(ブロック“M”)との間にブロック“5”が挿入された場合、同様の処理が行われる。すなわち、ブロック“3”とブロック“空”との間にブロック“5”が挿入される。また、ブロック“4”とブロック“M1”との間が、ブロック“5”に対応する補完ブロックである新たなブロック“空”により接続される。
【0089】
図17A~17D、
図18A、及び
図18Bは、分岐路をなすブロックに新たなブロックが接続された場合におけるブロックの配置及び接続方法の説明図である。編集領域52において、ブロック“1”~“7”と、集約ブロック(ブロック“MIX”)であるブロック“M1”とによって、
図17Aに示す状態のエフェクトチェインが表示されていると仮定する。そして、ユーザによって、分岐路にあるブロック“5”の右上に、新たなブロック“8”が接続されたと仮定する。
【0090】
すると、ブロック“8”の出力とブロック“M1”の出力とを集約する新たな集約ブロックであるブロック“M2”が自動的に配置される(
図17B)。次に、既存のブロック“M1”がブロック“8”に対応するブロック“空”に変更される(
図17C)。この変更によって、ブロック“7”の出力を集約する集約ブロックがなくなってしまう。このため、ブロック“M2”の出力とブロック“7”の出力とを集約する集約ブロックであるブロック“M3”と、ブロック“7”とブロック“M3”とを接続するスルー用ブロックであるブロック“空2”とが自動配置される。
【0091】
但し、ブロック“空”とブロック“7”とが接したままの状態であると、ブロック“7”の出力がブロック“空”に入力されるのかブロック“空2”に入力されるのかがわかりにくい。このため、
図18Aに示すように、ブロック“空”とブロック“7”とが離れているように、ブロック“6”、“7”及び“空2”の夫々を下方に下げる。また、ブロック“4”、“5”及び“M2”の左右方向の長さdは、ブロック60の3つ分の左右方向のサイズより長い。このため、ブロック“6”、“7”及び“空2”の夫々の間に所定の間隙を設ける。すなわち、ブロック“6”の左側の頂点からブロック“空2”の右側の頂点までの距離がdとなるようにブロックの間隔を調整する。
【0092】
図18Bは、
図18Aに示すエフェクトチェインにおける音声信号の経路を示す。ブロック“1”に入力された信号は、ブロック“2”を経てブロック“3”に入力される。ブロック“3”からは、ブロック“4”とブロック“6”とに音声信号の経路が分岐する。ブロック“4”からブロック“5”に続く音声信号の経路は、ブロック“5”において、ブロック“8”とブロック“空”とに分岐し、ブロック“M2”で合流する。一方、ブロック“6”に入力された音声信号の経路は、ブロック“7”及び“空2”を辿り、ブロック“M3”でブロック“M2”と合流する。
【0093】
図19A~19Cは、配置済のブロックを上書きする場合の例を示す図である。編集領域52において、
図19Aに示すような、ブロック“1”~“5”、“M”、“空1”及び“空2”からなるエフェクトチェインが表示されていると仮定する。ユーザがブロック“空1”の位置で効果の付与を所望する場合には、所望の効果を付与するブロック“6”を、ブロック“空1”に重なるようにドロップする。
【0094】
すると、
図9に示した上書きの判定が行われ、ブロック“空1”がブロック“6”に上書きされる(
図19B)。このようにして、ブロックの上書き作業を容易に行うことができる。
図19の例では、分岐路のスルー用ブロックを効果付与用のブロックに容易に置換することができる。
【0095】
図19Cは、音声信号の経路を示す。ブロック“1”に入力された信号は、ブロック“2”を経てブロック“3”に入力される。ブロック“3”からは、ブロック“4”とブロック“5”とに音声信号の経路が分岐する。ブロック“4”からブロック“5”に続く音声信号の経路は、ブロック“M”にて集約(合流)される。ブロック“6”からブロック“空2”に続く経路は、ブロック“M”でブロック“5”の経路と合流する。
【0096】
<エフェクタにおける処理例>
図20Aは、画面タッチON時の処理例を示すフローチャートである。
図20Aに示す処理は、編集画面50へのタッチをタッチパネル16が検出することによって開始される。ステップS001では、タッチ管理部111(CPU11)は、ブロック60のドラッグ処理用の初期処理を行う。初期処理として、タッチ管理部111は、タッチ位置の座標(タッチON座標)をタッチパネル16からの出力に基づいて獲得する。また、タッチ管理部111は、移動ブロックの特定を行う。
【0097】
図20Bは、移動ブロックの特定の処理例を示すフローチャートである。ステップS003において、タッチ管理部111は、パレット領域51上に表示されたブロック60の確認処理を行う。
【0098】
図21は、ステップS003の処理の詳細を示す図である。ステップS011では、タッチ管理部111は、パレット領域51上のブロック数Nを確認する。パレット領域51上のブロック数は、記憶装置12に記憶されている。また、タッチ管理部111は、ターゲットを特定するための変数iの値を1に設定する。
【0099】
ステップS012では、タッチ管理部111は、現在のiの値に対応する、パレット領域51にあるブロック60の一つをターゲットとして特定し、そのブロック60が有する判定領域内にタッチON座標が入っているか否かを判定する。変数iの値と、ターゲットとなるブロック60との対応関係を示す情報は、記憶装置12に記憶されている。判定領域内にタッチON座標が入っていると判定される場合には、処理がステップS015に進み、そうでない場合には、処理がステップS013に進む。
【0100】
ステップS015に処理が進んだ場合には、タッチ管理部111は、ターゲットとして特定したパレット領域51上のブロック60を移動ブロックとして確定する。ステップS016では、タッチ管理部111は、パレットブロックフラグをONに設定する。その後、処理がステップS004に進む。バレットブロックフラグは、フラグがONのとき、ブロック60がパレット領域51のブロック60であることを示す。
【0101】
ステップS013では、タッチ管理部111は、変数iの値をインクリメント(現在のiの値に1を加算)し、処理をステップS014に進める。
【0102】
ステップS014では、タッチ管理部111は、変数iの値がブロック数Nを上回るか否かを判定する。iの値がNの値を上回ることは、次のターゲットとなるブロック60がないことを意味する。iの値がNの値を上回ると判定される場合には、処理が
図20のステップS004に進み、そうでない場合には、処理がステップS012に戻る。
【0103】
ステップS004では、タッチ管理部111は、編集領域52に配置済のブロック60、すなわち、エフェクトチェインを構成するブロックの確認を行う。
図22は、ステップS004の詳細を示すフローチャートである。
【0104】
ステップS021では、タッチ管理部111は、編集領域52上のエフェクトチェインを構成するブロック60の数を変数Nに設定する。エフェクトチェインを構成するブロック60の数は、エフェクトチェイン管理部112にて管理され、記憶装置12に記憶されている。また、タッチ管理部111は、ターゲットを示す変数iの値を1に設定する。
【0105】
ステップS022では、タッチ管理部111は、現在の変数iの値に対応する、編集領域52に配置されたブロック60の一つをターゲットとして特定し、そのブロック60が有する判定領域内にタッチON座標が入っているか否かを判定する。変数iの値と、ターゲットとなるブロック60との対応関係を示す情報は、エフェクトチェイン管理部112にて管理され、記憶装置12に記憶されている。ステップS022において、判定領域内にタッチON座標が入っていると判定される場合には、処理がステップS025に進み、そうでない場合には、処理がステップS023に進む。
【0106】
ステップS025に処理が進んだ場合には、タッチ管理部111は、ターゲットとして特定した編集領域52上のエフェクトチェインをなすブロック60を移動ブロックとして確定する。ステップS026では、タッチ管理部111は、チェインブロックフラグをO
Nに設定する。その後、移動ブロックの特定処理が終了し、処理がステップS002に進む。チェインブロックフラグは、フラグがONのとき、ブロック60が編集領域52の配置済のブロックであることを示す。
【0107】
ステップS023では、タッチ管理部111は、変数iの値をインクリメントし、処理をステップS024に進める。
【0108】
ステップS024では、タッチ管理部111は、変数iの値がブロックの数Nを上回るか否かを判定する。iの値がNの値を上回ると判定される場合には、その後、移動ブロックの特定処理が終了し、処理が
図20のステップS002に進む。iの値がNの値以下である場合には、処理がステップS022に戻る。
【0109】
ステップS002では、タッチ管理部111は、ドラッグ処理を起動する。これにより、ステップS003又はステップS004で特定されたブロック60のドラッグ処理が行われ、ユーザによってタッチされたブロック60がドラッグ状態となる。
【0110】
図23は、ドラッグ処理の例を示すフローチャートである。ステップS031において、タッチ管理部111は、タッチ座標、すなわち、ドラッグされたブロック60である移動ブロックの座標を当該ブロック60の移動に応じて更新する。ステップS032では、移動ブロックの移動、すなわち、タッチ座標の更新に伴い、表示制御部117が、移動ブロックが画面50上で移動する様子を表示する。
【0111】
図24は、画面タッチOFF時の処理例を示すフローチャートである。当該処理は、ドラッグ中のブロック60から指等を離すことによってタッチ状態を解除(OFF)した場合に開始される。
【0112】
ステップS041において、タッチ管理部111は、ドロップ処理用の初期処理を行う。初期処理として、タッチ管理部111は、タッチパネル16から指等が離れた(ドロップされた)ときにおけるドラッグ状態のブロック60の中心60Aの座標(タッチOFF座標と称する)をタッチパネル16からの出力に基づいて獲得する。また、タッチ管理部111は、チェインブロックの領域(編集領域52)の確認を行う。
【0113】
ステップS042では、タッチ管理部111は、ブロック60のドロップ処理を行う。ステップS042では、チェイン機能を更新する処理と、チェイン描画を更新する処理とが行われる。
【0114】
ステップS0403では、タッチ管理部111は、ドラッグ処理を停止する。これにより、ドラッグに伴うタイマー割込がOFFとされる。その後、画面タッチOFFの処理が終了する。このように、画面50のタッチ状態を解除することで、ドラッグされていたブロック60のドロップに係る処理が実行される。
【0115】
図25は、パレットブロックフラグONの場合におけるチェインブロックの領域確認(S41)の処理例を示すフローチャートである。ステップS051において、タッチ管理部111は、編集領域52においてエフェクトチェインをなすブロックの数を変数Nに設定する。エフェクトチェインを構成するブロック60の数は、エフェクトチェイン管理部112にて管理され、記憶装置12に記憶されている。また、タッチ管理部111は、ターゲットを特定するための変数iの値を1に設定する。
【0116】
ステップS052では、タッチ管理部111は、現在のiの値に対応する、編集領域52中のブロック60の一つをターゲットとして特定する。タッチ管理部111は、ターゲ
ットのブロック60と、当該ブロック60に隣接するブロック60の夫々の判定領域70によって形成される挿入(Insert)対象の判定領域(「挿入領域」と称する。
図15参照)内にタッチOFF座標が入るか否かを判定する。挿入領域内にタッチOFF座標が入っていると判定される場合には、処理がステップS056に進み、そうでない場合には、処理がステップS053に進む。
【0117】
図26は、ステップS052の処理の詳細を示すフローチャートである。ステップS061において、タッチ管理部111は、ブロック60の挿入領域の数を変数Nに設定する。編集領域52における挿入領域及びその数は、エフェクトチェイン管理部112にて管理され、記憶装置12に記憶されている。また、タッチ管理部111は、ターゲットとなる挿入領域を特定するための変数iの値を1に設定する。
【0118】
ステップS062では、タッチ管理部111は、現在のiの値に対応する挿入領域の一つをターゲットとして特定する。タッチ管理部111は、ターゲットの挿入領域内にタッチOFF座標が入るか否かを判定する。挿入領域内にタッチOFF座標が入っていると判定される場合には、処理がステップS056に進み、そうでない場合には、処理がステップS063に進む。
【0119】
ステップS063では、タッチ管理部111は、変数iの値をインクリメントし、処理をステップS064に進める。
【0120】
ステップS064では、タッチ管理部111は、変数iの値が挿入領域の数Nを上回るか否かを判定する。iの値がNの値を上回ることは、次のターゲットとなる挿入領域がないことを意味する。iの値がNの値を上回ると判定される場合には、処理が
図25のステップS053に進み、そうでない場合には、処理がステップS062に戻る。
【0121】
ステップS053では、タッチ管理部111は、ターゲットのブロック60の上書き(Overwrite)対象の判定領域(「上書き領域」と称する。
図9A参照)内にタッチOFF
座標が入るか否かを判定する。上書き領域内にタッチOFF座標が入っていると判定される場合には、処理がステップS057に進み、そうでない場合には、処理がステップS054に進む。
【0122】
図27は、ステップS053の処理の詳細を示すフローチャートである。ステップS071では、タッチ管理部111は、タッチOFF座標が上書き領域内の座標か否かを判定する。タッチOFF座標が上書き領域内の座標であると判定される場合には、処理がステップS057に進み、そうでない場合には、処理がステップS054に進む。
【0123】
ステップS054では、タッチ管理部111は、変数iの値をインクリメントし、処理をステップS055に進める。
【0124】
ステップS055では、タッチ管理部111は、変数iの値がブロック数Nを上回るか否かを判定する。iの値がNの値を上回ることは、次のターゲットとなるブロック60がないことを意味する。iの値がNの値を上回ると判定される場合には、処理が
図24のステップS042に進み、そうでない場合には、処理がステップS052に戻る。
【0125】
ステップS056に処理が進んだ場合には、タッチ管理部111は、ターゲットのブロック60と、その隣接ブロックとの間に、ドロップされたブロック60を挿入することを決定する。その後、処理が
図24のステップS042に進む。
【0126】
ステップS057に処理が進んだ場合には、タッチ管理部111は、ターゲットのブロ
ック60をドロップされたブロック60によって上書きすることを決定する。その後、処理が
図24のステップS042に進む。
【0127】
図28は、チェインブロックフラグONの場合におけるチェインブロックの領域確認(S41)の処理例を示すフローチャートである。当該フローチャートは、
図25に示したパレットブロックフラグONの場合における処理から、上書きに係るステップS053及びS057の処理を除いた内容となる。個々のステップS051、S052、S054~S056の処理は、
図25と同様であるため、説明は省略する。
【0128】
図29は、ステップS042におけるチェイン機能の更新の処理の詳細を示すフローチャートである。
図29は、挿入の場合におけるチェイン機能の更新処理を示す。ステップS091において、エフェクトチェイン管理部112(CPU11)は、補完ブロックの挿入処理を行う(
図14、
図15等におけるブロック“空”を参照)。
【0129】
ステップS092では、エフェクトチェイン管理部112は、挿入に応じて、記憶装置12に記憶されている、エフェクトチェインの接続状態を示す情報を更新する。
【0130】
ステップS093では、エフェクト更新部115が、エフェクトチェインの更新に従って、挿入対象のブロック60の処理プログラムをエフェクト記憶部114から読み出してロードする。これによって、挿入対象のブロック60で行われる処理が、信号処理部116に設定される。その後、処理が
図30のステップS101へ進む。
【0131】
図30は、挿入の場合におけるチェイン描画の更新(S042)の詳細を示すフローチャートである。ステップS101では、表示制御部117が、エフェクトチェインの更新に従って、挿入対象のブロックの位置決め処理を行う。
【0132】
ステップS102では、表示制御部117は、更新したエフェクトチェインの接続状態に従って、ブロックを描画する。これによって、ディスプレイ15の画面50の編集領域52には、例えば、
図14A~14C、或いは、
図16A~16Cに示したような、ブロック60の間に挿入対象のブロック60が挿入され、さらに補完ブロック(ブロック“空”など)が自動配置されたエフェクトチェインが表示される。その後、処理が
図24のステップS043に進む。
【0133】
図31は、ステップS042におけるチェイン機能の更新の処理の詳細を示すフローチャートである。
図31は、上書きの場合におけるチェイン機能の更新処理を示す。ステップS111において、エフェクトチェイン管理部112(CPU11)は、上書きに応じて、記憶装置12に記憶されている、エフェクトチェインの接続状態を示す情報を更新する。
【0134】
ステップS112では、エフェクト更新部115が、エフェクトチェインの更新に従って、上書き対象のブロック60の処理プログラムをエフェクト記憶部114から読み出してロードする。これによって、上書き対象のブロック60で行われる処理が、信号処理部116に設定され、上書きされたブロック60の処理は行われなくなる。その後、処理が
図32のステップS121へ進む。
【0135】
図32は、上書きの場合におけるチェイン描画の更新(S042)の詳細を示すフローチャートである。ステップS121では、表示制御部117が、エフェクトチェインの更新に従って、上書き対象のブロック60を描画する。これによって、ディスプレイ15の画面50の編集領域52には、例えば、
図19A及び19Bに示したような、ブロック“空1”が上書き対象のブロック60であるブロック“6”で上書きされたエフェクトチェ
インが表示される。その後、処理が
図24のステップS043に進む。
【0136】
図20~
図32に示した処理によって、ユーザは、編集領域52を用いてエフェクトチェインを編集することができる。エフェクトチェインに基づく信号処理の設定は、信号処理部116に施される。当該信号処理(エフェクトチェイン)のオン/オフは、例えば、操作子14の一つであるフットスイッチ(フットSW)によって行われる。但し、フットスイッチ以外でエフェクトチェインのオンオフ操作がなされてもよい。
【0137】
図33は、編集領域52に一つのブロック60が設定されており、そのブロック60に対応する処理が信号処理部116に設定されている場合において、操作子14の一つであるフットスイッチ(フットSW)の押し下げ操作をした場合における処理例を示すフローチャートである。
【0138】
ステップS131では、フットスイッチの押し下げを検知したパラメータ変更部113(CPU11)が、エフェクトチェイン(信号処理部116)の内部状態(内部STATE)を反転させる。このとき、エフェクトチェインがオフであればオンの状態に、オンであればオフの状態に反転する。
【0139】
ステップS132では、エフェクタ10が備える発光ダイオード(LED)の表示態様が、内部状態の更新に従って更新される。例えば、オフからオンへの状態変更であれば、LEDが点灯し、オンからオフであれば、LEDが消灯する。
【0140】
ステップS133では、パラメータ変更部113から、エフェクトチェインのオン又はオフを受けたエフェクト更新部115(CPU11)が、エフェクトチェイン管理部112からエフェクトチェインの内容を示す情報を取得する。エフェクト更新部115は、エフェクトチェインをなすブロック60が1か2以上かを判定する。このとき、ブロック60が2以上であれば処理がステップS134に進み、そうでなければ処理がステップS138に進む。
【0141】
ステップS134に処理が進んだ場合には、エフェクト更新部115は、エフェクトチェインのブロック数を変数Nに設定し、変数iの値を1に設定する。
【0142】
ステップS135では、エフェクト更新部115は、現在の変数iの値に対応するエフェクトチェイン中のブロック60に対する処理状態(オン/オフ)を更新する。処理状態のオンは、ブロック60に設定された効果を付与(印加)することを意味し、オフは音声信号をスルーさせる(効果を付与しない)ことを意味する。更新は、信号処理部116に対するロードの内容更新、或いは、信号処理部116(DSP)に設定済の信号処理(電子回路)のオン/オフによって行う。
【0143】
ステップS136では、エフェクト更新部115は、変数iの値をインクリメントする。ステップS137では、エフェクト更新部115は、iの値がNの値を上回っているか否かを判定する。iの値がNの値を上回ることは、エフェクトチェインをなす全てのブロック60に関してステップS135の処理が行われたことを意味する。iの値がNの値を上回ると判定される場合、
図33の処理が終了し、そうでない場合には、処理がステップS135に戻る。
【0144】
ステップS138に処理が進んだ場合には、エフェクト更新部115は、対象のブロック60に対する処理状態(オン(効果付与)/オフ(スルー))を更新する。すなわち、ステップS135におけるエフェクトチェインをなすブロック60に一つに対して行う処理と同様の処理を行う。処理が終了すると、
図33の処理が終了する。
【0145】
なお、エフェクトチェインにセットブロック(
図5A)が含まれている場合には、エフェクト更新部115は、ステップS135又はS138において、セットブロックを構成するショートチェインをなす各ブロック60に関して、ステップS134~S137と同様の処理を行う。
【0146】
このように、ユーザは、フットスイッチの操作(エフェクトチェインのオン/オフ)によって、エフェクトチェインに基づく効果の付与又はスルーを容易に変更することができる。
【0147】
<変形例1>
上述した実施形態は、以下のような変形が可能である。例えば、
図34Aに示すように、正六角形であるブロック60は、画面50で90°回転していてもよい。すなわち、ブロック60が、その頂点の二つを上下方向に向けて配置され、左右方向において、ブロック60同士が辺の一つを対向させる状態で配置されてもよい。辺同士は重なってもよい。
【0148】
図34Aに示すように、隣接するブロック60同士は、各ブロック60の中心60Aが同一の仮想直線上に並ぶ状態で配置される。この場合でも、ブロック60は、時間軸80に沿って左から右へ並べられる。
【0149】
図34Bは、
図34Aに示した変形例1における判定領域を示す。変形例1のブロック60に係る判定領域70は、実施形態における判定領域70(
図6)と同じである。
図34Bに示すように、配置済のブロック60cが有する右側の領域72cに、ドロップされたブロック60dの中心60Aが入るか否かが判定される。
【0150】
中心60Aが領域72cに入る場合、
図34Cに示すように、ブロック60c及び60dの各中心60Aが左右方向の仮想線上に位置するように、ブロック60dの位置が自動的に変更される。
【0151】
<変形例2>
図35Aに示すように、ブロック60の外形は、正方形であってもよい。この場合、左右方向(時間軸80の方向)に並べられるブロックは、頂点同士が接する、又は対向するようにして、各ブロック60の中心が左右方向の同一の仮想直線上に位置するように配置される。また、音声信号の経路が分岐する場合、分岐元ブロックの上側に第1分岐ブロックが配置され、分岐元ブロックの下側に第2の分岐ブロックが配置される。そして、分岐元ブロックの中心を通過する垂線に対し、第1分岐ブロック及び第2分岐ブロックの各中心60Aと、隣接するブロック同士の二つの頂点が通過するように配置される。
【0152】
また、音声信号の経路が集約される場合、集約ブロックの中心を通過する垂線に対し、第1集約元ブロック及び第2集約元ブロックの各中心と、隣接するブロック同士の二つの頂点が通過するように配置される。
【0153】
<変形例3>
図35Bに示すように、ブロック60の外形は、正八角形であってもよい。この場合も、左右方向(時間軸80の方向)に並べられるブロックは、頂点同士が接する、又は対向するようにして、各ブロック60の中心が左右方向の同一の仮想直線上に位置するように配置される。また、音声信号の経路が分岐する場合、分岐元ブロックの右上に第1分岐ブロックが配置され、分岐元ブロックの右下に第2の分岐ブロックが配置される。また、分岐元ブロックの中心と第1分岐ブロックの中心を通過する直線上に、分岐元ブロックと第1分岐ブロックの隣り合う二つの頂点が位置するように配置される。また、分岐元ブロッ
クの中心と第2分岐ブロックの中心を通過する直線上に、分岐元ブロックと第2分岐ブロックの隣り合う二つの頂点が位置するように配置される。
【0154】
<変形例4>
図35Cに示すように、ブロック60の外形が正八角形で、隣り合うブロック60の辺同士が対向するように配置されてもよい。この場合も、隣り合うブロック60同士は、これらの中心が同一の直線上に位置するように配置される。
【0155】
変形例2~4においても、編集領域52に配置済のブロック60に対し、ドロップされたブロック60に対する判定領域が設けられ、ドロップされたブロック60の中心が判定領域内に入る場合に、ドロップされたブロック60の位置が自動的に変更されてもよい。なお、変形例2~4に示した正方形、正八角形以外の正多角形がブロック60の外形に適用されてもよい。正多角形以外の多角形をブロック60の外形に用いてもよい。
【0156】
<変形例5>
図36Aに示すように、ブロック60の外形は円形であってもよい。この場合も、隣り合うブロック60は、各ブロック60の中心が同一の仮想直線上に位置するように配置される。隣り合うブロック60は、一点で接する状態か、所定の距離を空けた状態で配置される。
【0157】
図36Bは、
図36Aに示した変形例5における判定領域を示す。変形例5のブロック60(
図36Bでは60e)に係る判定領域70は、実施形態における判定領域70(
図6)と同じものを適用可能である。
図36Bに示すように、配置済のブロック60eが有する右側の領域72cに、ドロップされたブロック60fの中心60Aが入るか否かが判定される。
【0158】
ブロック60fの中心60Aが領域72cに入る場合、
図36Cに示すように、ブロック60e及び60fの各中心60Aが左右方向の仮想線上に位置するように、ブロック60fの位置が自動的に変更される。
【0159】
但し、
図36Dに示すように、ブロック60の外形が円の場合は、各中心60Aを通過する仮想直線が時間軸80と平行にならない状態で、ブロック60間の距離が一定の距離に調整されるようにしてもよい。
【0160】
<変形例6>
本実施形態では、ブロック60同士の接続は、頂点同士が接続される頂点接続であるが、変形例2及び4で示したように、隣り合うブロック60の辺同士が所定の距離で配置される面接続(又は辺接続)であってもよい。さらに、
図37Aに示すように、エフェクトチェインが頂点接続と面接続との組み合わせで作成されてもよい。
図37Aに示す例では、原則としてブロック60同士が面接続であるが、ブロック“OD”とブロック“CHO”、或いはブロック“PS”とブロック“CHO”のように、ブロック60同士が頂点接続によって接続される。
図37Aに示す例では、原則に従った面接続でブロック60を配置しようとすると、ブロック60が重なってしまうような場合、或いは距離が不自然に空いてしまう場合などに、頂点接続によってブロック60間を接続するようにしている。もっとも、ブロック60間の接続を頂点接続にするか面接続にするかは上記以外のルールに従ってなされてもよい。
【0161】
<変形例7>
また、
図37Bに示すように、エフェクトチェインは、多角形のブロック60と、円形のブロック60との組み合わせによって構成されてもよい。
【0162】
<実施形態の作用効果>
実施形態に係るエフェクタ10(音声処理装置)は、時間軸80上で音声信号に複数の処理(効果等)を施すことを設定可能である。エフェクタ10は、夫々が音声信号の入力及び出力と入力された音声信号に対する処理の内容を示すブロック60を2以上配置可能な画面50の表示を制御する表示制御部117を含む。また、エフェクタ10は、画面50に配置済のブロック60と、画面50に新たに配置されたブロックとの位置関係に基づいて定められたブロックの順番で各ブロック60に対応する音声信号の処理を行う信号処理部116を含む。
【0163】
すなわち、エフェクタ10では、画面50の編集領域52にブロック60がドロップされた場合に、配置済のブロック60とドロップされたブロック60との位置関係に基づいてブロックの順番、すなわち接続順が決定される(
図24のS042、
図29のS092、
図31のS111)。信号処理部116は、エフェクトチェインにおける各ブロック60の接続順で音声信号に対する処理を行う。これによって、ユーザは、編集領域52に配置されたブロック60間を仮想の配線で繋ぐなどの作業を行わなくても、信号処理部116で行われる処理の順番を設定することができる。これにより、ユーザが音声信号に対する処理の順序を容易に決定することができる。また、画面50において、ブロック60間が配線などで接続されないため、画面50のスペースを有効利用できる。
【0164】
また、エフェクタ10は、ブロック60の位置関係(接続順)に基づいてブロックの順番を示す情報(エフェクトチェイン情報)を生成するエフェクトチェイン管理部112(生成部)を含む。これによって、ユーザは、ブロック60の配置によって、自動的に音声信号の処理の順番を決定することができる。
【0165】
エフェクトチェイン管理部112は、チェイン機能の更新処理(
図24、
図29、
図31)におけるエフェクトチェインの接続状態を更新する。これによって、エフェクトチェイン管理部112は、画面50に新たに配置されたブロック60bの位置が配置済のブロック60aに設けられた接続領域(領域72a、72c、72e)に存する場合に(
図6)、配置済のブロック60aの次にブロック60bが続くブロックの順番(接続順)を示す情報を生成する。
【0166】
また、エフェクトチェイン管理部112は、編集領域52に新たに配置された(ドロップされた)ブロック60の位置(中心60Aの位置)が画面50に配置済の隣り合う二つのブロック(ブロック“4”とブロック“M”。
図15参照)に設けられた挿入領域(領
域72eと領域72kの重複領域)に存する場合に、二つのブロック“4”及び“M”の間にドロップされたブロック60が挿入されたブロックの順番を示す情報を生成する。すなわち、エフェクトチェイン管理部112は、“4”→“5”→“M”の順番を示すエフェクトチェイン情報を生成する。本実施形態において、ブロック60の位置は、ブロック60の中心60Aの位置としているが、中心60A以外の位置がブロック60の位置の決定に用いられてもよい。
【0167】
また、エフェクトチェイン管理部112は、編集領域52に新たに配置された(ドロップされた)ブロック60bの位置(中心60Aの位置)が配置済のブロック60aに設けられた上書き領域(領域71)に存する場合に(
図9A)、配置済のブロック60aを新たに配置されたブロック60bに上書きするブロックの順番を示す情報(エフェクトチェイン情報)を生成する。
【0168】
実施形態において、編集領域52に新たに配置されたブロックは、例えば、画面50中の第1の領域(パレット領域)においてドラッグされ、配置済のブロックが表示された第
2の領域(編集領域52)においてドロップされたブロックである(
図4A)。或いは、新たに配置されたブロックは、編集領域52に配置済のブロックの中からドラッグ操作によって選択され、ドラッグ操作前の配置位置と異なる位置でドロップされたブロックであってもよい(
図3B)。
【0169】
実施形態では、画面50において、配置済の2以上のブロックが画面50に定義された時間軸80の方向に沿って配置される(
図3A)。例えば、
図7Aにおいて、画面50に配置済の第1のブロック(ブロック60a)の未来方向に第2のブロック(ブロック60b)が接続配置される場合、表示制御部117は、ブロック60bを、時間軸80の方向に配置され、配置済のブロック60aの中心60Aを通過する仮想の直線90a上にブロック60bの中心60Aが位置する状態で画面50に表示する。これによって、ユーザは、直感的にブロック60aと60bとの接続関係を把握することができる。
【0170】
表示制御部117は、第2のブロックたるブロック60bが第1のブロックたるブロック60aの接続領域(領域72c)上でドロップされた場合に、仮想の直線90a上に中心60Aが位置するブロック60bの表示(自動配置)を行う。よって、ユーザのドロップ位置に余裕を持たせることができる。
【0171】
画面50において、ブロック60bがブロック60aと一点で交わってもよい(
図7B)。また、画面50において、ブロック60bがブロック60aと時間軸80の方向において所定の距離を空けて配置されてもよい。また、ブロック60a及びブロック60bの外形が多角形(正六角形)であり、ブロック60a及び60bの隣り合う頂点(6dと6a)が仮想の直線90a上に位置する(
図7B)。但し、ブロック60の外形は、正四角形、或いは正八角形等の正多角形でもよく、正多角形以外の多角形でもよい。また、ブロック60の外形は円形でもよい。
【0172】
実施形態では、
図11Cに示すように、画面50に配置済のブロックである分岐元ブロック“3”に第1分岐ブロック(ブロック“4”)と第2分岐ブロック(ブロック“空”)との二つのブロックが接続配置される場合がある。この場合、時間軸80の方向に配置され、且つ分岐元ブロック“3”の中心を通過する仮想の直線90に対し、第1分岐ブロック“4”及び第2分岐ブロック“空”の夫々の中心が線対称となるように第1及び第2分岐ブロックが配置される。
【0173】
ここで、
図35Aに示すように、画面50において、第1分岐ブロック及び第2分岐ブロックの夫々の中心が、第1の仮想の直線91と直交し、分岐元ブロックの中心を通過する第2の仮想92の直線上に位置するようにしてもよい。
【0174】
また、
図11Cに示すように、時間軸80の未来方向を分岐元ブロック“3”の前方とし、仮想の直線90を分岐元ブロック“3”の中心線とした場合において、第1分岐ブロック“4”の中心が分岐元ブロック“3”の左前(左斜め前、
図11Cでは右上)に配置され、第2分岐ブロック“空”の中心が分岐元ブロック“3”の右前(右斜め前、
図11Cでは右下)に配置される。
【0175】
図11Cに示すように、分岐元ブロック“3”における第1分岐ブロックの接続領域(領域72a)にドラッグ状態のブロック“4”がドロップされたと仮定する。この場合、表示制御部117は、第1分岐ブロックの配置位置にドロップされたブロック“4”を配置し、第2分岐ブロックの配置位置に補完ブロック“空”を配置する。また、表示制御部117は、第1集約元ブロックと第2集約元ブロックとの二つのブロックが接続される集約ブロックであって、第1集約元ブロックとしての第1分岐ブロック“4”と第2集約元ブロックとしての第2分岐ブロック“空”と接続された集約ブロック“M”を画面50に
配置する。これによって、ユーザが分岐路を容易に作成することができる。
【0176】
また、
図14A~Cに示すように、第1分岐ブロック“4”と集約ブロック“M”との間の挿入領域(
図15)にドラッグ状態のブロック“5”がドロップされた場合に、表示制御部117は、ドロップされたブロック“5”が第1集約元ブロックとして第1分岐ブロック“4”と集約ブロック“4”との間に挿入された状態を表示する。また、表示制御部117は、第2分岐ブロック“空”と集約ブロック“M”との間に挿入された第2集約元ブロックとしての補完ブロック“空”を画面50に配置する。これによって、ユーザが分岐路に追加のブロックを容易に挿入することができる。
【0177】
また、
図16A~Cに示すように、分岐元ブロック“3”と第1分岐ブロック“4”との間の挿入領域(
図15参照)にドラッグ状態のブロック“5”がドロップされた場合を仮定する。この場合、表示制御部117は、ドロップされたブロック“5”が新たな第1分岐ブロックとして集約元ブロック“3”と元の第1分岐ブロック“4”との間に挿入された状態を表示する。また、表示制御部117は、第2分岐ブロック“空”と集約ブロック“M”との間に挿入された第2集約元ブロックとしての補完ブロック“空”を画面50に配置する。これによって、ユーザは分岐路に追加のブロックを容易に挿入することができる。
【0178】
また、
図17A~Dに示すように、第1集約元ブロックである画面50に配置済のブロック“5”における第1分岐ブロックの接続領域(領域72a)にドラッグ状態のブロック“8”がドロップされた場合を仮定する。この場合、表示制御部117は、ドロップされたブロック“8”を第1集約元ブロックとし、第1集約元ブロック“5”が接続された集約ブロックである第1の集約ブロック“M1”と接続された第2の集約ブロック“M2”を画面50に配置する。また、表示制御部117は、第1の集約ブロック“M1”を第2の集約ブロック“M2”に対する第2集約元ブロックに変更する。そして、表示制御部117は、第2の集約ブロック“M2”と接続された第3の集約ブロック“M3”と、第1の集約ブロック“5”に対する第2集約元ブロックであったブロック“7”と第3の集約ブロック“M3”とを接続する補完ブロック“空2”とを画面50に配置する。これによって、ユーザは、さらなる分岐路を容易に作成することができる。
【0179】
上記の場合において、表示制御部117は、第2の集約ブロック“M2”に対する第2集約元ブロック“空”と前記第1の集約ブロック“M1”に対する第2集約元ブロックであったブロック“7”との距離、及び第2の集約ブロック“M2”に対する第2集約元ブロック“空”と前記補完ブロック“空2”との距離を離れる方向に調整する。これにより、ユーザが直感的にブロック間の接続状態を把握することが可能となる。実施形態にて示した構成は、目的を逸脱しない範囲で適宜組み合わせることができる。
【0180】
<付記>
上述した実施形態は、以下の付記を開示する。付記は適宜組み合わせることができる。[付記1] 時間軸上で音声信号に複数の処理を施すことを設定可能な音声処理装置(10)であって、
夫々が音声信号の入力及び出力と入力された音声信号に対する処理の内容を示すブロックを2以上配置可能な画面の表示を制御する表示制御部(117)と、
前記画面に配置済のブロックと、前記画面に新たに配置されたブロックとの位置関係に基づいて定められたブロックの順番で各ブロックに対応する音声信号の処理を行う信号処理部(116)と、
を含む音声処理装置。(
図2)(1)
【0181】
[付記2] 前記位置関係に基づいて前記ブロックの順番を示す情報を生成する生成部
(112)をさらに含む
付記1に記載の音声処理装置。(
図2)(2)
【0182】
[付記3] 前記生成部は、前記新たに配置されたブロックの位置が前記配置済のブロックに設けられた接続領域に存する場合に、前記配置済のブロックの次に前記新たに配置されたブロックが続く前記ブロックの順番を示す情報を生成する
付記2に記載の音声処理装置。(
図24のS042)(3)
【0183】
[付記4] 前記生成部は、前記新たに配置されたブロックの位置が前記画面に配置済の隣り合う二つのブロックに設けられた挿入領域に存する場合に、前記二つのブロックの間に前記新たに配置されたブロックが挿入された前記ブロックの順番を示す情報を生成する
付記2に記載の音声処理装置。(
図24のS042、
図29)(4)
【0184】
[付記5] 前記生成部は、前記新たに配置されたブロックの位置が前記配置済のブロックに設けられた上書き領域に存する場合に、前記配置済のブロックを前記新たに配置されたブロックに上書きする前記ブロックの順番を示す情報を生成する
付記2に記載の音声処理装置。(
図24のS042、
図31)(5)
【0185】
[付記6] 前記新たに配置されたブロックが、前記画面中の第1の領域においてドラッグされ、前記配置済のブロックが表示された第2の領域においてドロップされたブロックである
付記1から5のいずれか一項に記載の音声処理装置。(
図4A)(6)
【0186】
[付記7] 前記新たに配置されたブロックが、前記配置済のブロックの中からドラッグ操作によって選択され、前記ドラッグ操作の前の配置位置と異なる位置でドロップされたブロックである
付記1から5のいずれか一項に記載の音声処理装置。(
図3B)(7)
【0187】
[付記8] 前記画面において、配置済の2以上のブロックが前記画面に定義された時間軸の方向に沿って配置される
付記1から7のいずれか一項に記載の音声処理装置。(
図3A)(8)
【0188】
[付記9] 前記画面に配置済の第1のブロックの未来方向に第2のブロックが接続配置される場合に、前記表示制御部は、前記第2のブロックを、前記時間軸の方向に配置され、前記配置済のブロックの中心を通過する仮想の直線上に前記第2のブロックの中心が位置する状態で前記画面に表示する
付記8に記載の音声処理装置。(
図7B)(9)
【0189】
[付記10] 前記表示制御部は、前記第2のブロックが前記第1のブロックの接続領域上でドロップされた場合に、前記仮想の直線上に中心が位置する前記第2のブロックの表示を行う
付記9に記載の音声処理装置。(
図7A、7B)
【0190】
[付記11] 前記画面において、前記第2のブロックが前記第1のブロックと一点で交わる
付記9又は10に記載の音声処理装置。(
図7B)
【0191】
[付記12] 前記画面において、前記第2のブロックが前記第1のブロックと前記時間軸の方向において所定の距離を空けて配置される
付記9又は10に記載の音声処理装置。(
図34C)
【0192】
[付記13] 前記第1のブロック及び前記第2のブロックの外形が多角形であり、前記第1のブロック及び前記第2のブロックの隣り合う頂点が前記仮想の直線上に位置する付記9に記載の音声処理装置。(
図7B)
【0193】
[付記14] 前記第1のブロック及び前記第2のブロックの夫々の外形が円形である付記9に記載の音声処理装置。(
図36C,36D)
【0194】
[付記15] 前記画面に配置済のブロックである分岐元ブロックに第1分岐ブロックと第2分岐ブロックとの二つのブロックが接続配置される場合に、前記時間軸の方向に配置され、且つ前記分岐元ブロックの中心を通過する仮想の直線に対し、前記第1分岐ブロック及び前記第2分岐ブロックの夫々の中心が線対称となるように配置される
付記8に記載の音声処理装置。(
図11C)(10)
【0195】
[付記16] 前記第1分岐ブロック及び前記第2分岐ブロックの夫々の中心が、前記画面において前記仮想の直線である第1の仮想の直線と直交し、前記分岐元ブロックの中心を通過する第2の仮想の直線上に位置する
付記15に記載の音声処理装置。(
図35A)(11)
【0196】
[付記17] 前記時間軸の未来方向を前記分岐元ブロックの前方とし、前記仮想の直線を前記分岐元ブロックの中心線とした場合において、前記第1分岐ブロックの中心が前記分岐元ブロックの左前に配置され、前記第2分岐ブロックの中心が前記分岐元ブロックの右前に配置される
付記15に記載の音声処理装置。(
図11C)(12)
【0197】
[付記18] 前記分岐元ブロックにおける前記第1分岐ブロックの接続領域にドラッグ状態のブロックがドロップされた場合に、前記表示制御部は、前記第1分岐ブロックの配置位置に前記ドロップされたブロックを配置し、前記第2分岐ブロックの配置位置に補完ブロックを配置し、第1集約元ブロックと第2集約元ブロックとの二つのブロックが接続される集約ブロックであって、前記第1集約元ブロックとしての前記第1分岐ブロックと前記第2集約元ブロックとしての前記第2分岐ブロックと接続された集約ブロックを前記画面に配置する
付記15に記載の音声処理装置。(
図11A~D)(13)
【0198】
[付記19] 前記分岐元ブロックにおける前記第2分岐ブロックの接続領域にドラッグ状態のブロックがドロップされた場合に、前記表示制御部は、前記第2分岐ブロックの配置位置に前記ドロップされたブロックを配置し、前記第1ブロックの配置位置に補完ブロックを配置し、前記第1分岐ブロック及び前記第2分岐ブロックと接続された集約ブロックを前記画面に配置する
付記12に記載の音声処理装置。
【0199】
[付記20] 前記第1分岐ブロックと前記集約ブロックとの間の挿入領域にドラッグ状態のブロックがドロップされた場合に、前記表示制御部は、前記ドロップされたブロックが第1集約元ブロックとして前記第1分岐ブロックと前記集約ブロックとの間に挿入された状態を表示し、前記第2分岐ブロックと前記集約ブロックとの間に挿入された第2集約元ブロックとしての補完ブロックを前記画面に配置する
付記18に記載の音声処理装置。(
図14A~C)(14)
【0200】
[付記21] 前記第2分岐ブロックと前記集約ブロックとの間の挿入領域にドラッグ
状態のブロックがドロップされた場合に、前記表示制御部は、前記ドロップされたブロックが第2集約元ブロックとして前記第2分岐元ブロックと前記集約ブロックとの間に挿入された状態を表示し、前記第1分岐元ブロックと前記集約ブロックとの間に挿入された第1集約元ブロックとしての補完ブロックを配置する
付記18に記載の音声処理装置。(
図16A~C)
【0201】
[付記22] 前記分岐元ブロックと前記第1分岐ブロックとの間の挿入領域にドラッグ状態のブロックがドロップされた場合に、前記表示制御部は、前記ドロップされたブロックが新たな第1分岐ブロックとして前記集約ブロックと元の第1分岐ブロックとのとの間に挿入された状態を表示し、前記第2分岐ブロックと前記集約ブロックとの間に挿入された第2集約元ブロックとしての補完ブロックを前記画面に配置する
付記18に記載の音声処理装置。(
図16A~C)(15)
【0202】
[付記23] 前記分岐元ブロックと前記第2分岐ブロックとの間の挿入領域にドラッグ状態のブロックがドロップされた場合に、前記表示制御部は、前記ドロップされたブロックが新たな第2分岐ブロックとして前記集約元ブロックと元の第2分岐ブロックとの間に挿入された状態を表示し、前記第1分岐ブロックと前記集約ブロックとの間に挿入された第1集約元ブロックとしての補完ブロックを前記画面に配置する
付記15又は16に記載の音声処理装置。
【0203】
[付記24] 前記第1集約元ブロックである前記画面に配置済のブロックにおける前記第1分岐ブロックの接続領域にドラッグ状態のブロックがドロップされた場合に、前記表示制御部は、ドロップされたブロックを第1集約元ブロックとし、前記第1集約元ブロックが接続された集約ブロックである第1の集約ブロックと接続された第2の集約ブロックを前記画面に配置し、前記第1の集約ブロックを前記第2の集約ブロックに対する第2集約元ブロックに変更し、前記第2の集約ブロックと接続された第3の集約ブロックと、前記第1の集約ブロックに対する第2集約元ブロックであったブロックと前記第3の集約ブロックとを接続する補完ブロックとを前記画面に配置する
付記18に記載の音声処理装置。(
図17A~D)(16)
【0204】
[付記25] 前記表示制御部は、前記第2の集約ブロックに対する第2集約元ブロックと前記第1の集約ブロックに対する第2集約元ブロックであったブロックとの距離、及び前記第2の集約ブロックに対する第2集約元ブロックと前記補完ブロックとの距離を離れる方向に調整する
付記24に記載の音声処理装置。(
図18A)(17)
【0205】
[付記26] 前記画面に配置されるブロックの外形が多角形である
付記1から24のいずれか一項に記載の音声処理装置。(
図3A、
図34A、
図35A~C)
【0206】
[付記27] 前記画面に配置されるブロックの外形が円形である
付記1から24のいずれか一項に記載の音声処理装置。(
図36A~D)
【0207】
[付記28] 前記画面に外形が多角形のブロックと、外形が円形のブロックとが混在して配置される
付記1から26のいずれか一項に記載の音声処理装置。(
図37B)
【0208】
[付記29] 前記画面において、接続関係にあるブロック同士が一点で接する
付記26から28のいずれか一項に記載の音声処理装置。(
図7B)
【0209】
[付記30] 前記接続関係にあるブロック同士の各中心と、前記第1のブロック及び前記第2のブロックの隣り合う頂点が仮想の直線上に位置する
付記30に記載の音声処理装置。(
図7B)
【0210】
[付記31] 前記画面において、接続関係にあるブロック同士が所定の距離を空けて配置される
付記26から28のいずれか一項に記載の音声処理装置。(
図34A)
【0211】
[付記32] 前記接続関係にあるブロックの夫々が有する辺の一つが距離を空けて平行に配置されている
付記31に記載の音声処理装置。(
図34A)
【0212】
[付記33] 前記画面に対し、ブロックの一つとして、複数のブロックによりなされる複数の処理が定義されたセットブロックを配置可能である
付記1から32のいずれか一項に記載の音声処理装置。(
図5B)(18)
【0213】
[付記34] 前記補完ブロックにおいてなされる処理は、入力される音声信号をスルーさせる処理である
付記18又は19に記載の音声処理装置。(
図11C)
【0214】
[付記35] 時間軸上で音声信号に複数の処理を施すことを設定可能な音声処理装置が、
夫々が音声信号の入力及び出力と入力された音声信号に対する処理の内容を示すブロックを2以上配置可能な画面の表示を制御することと、
前記画面に配置済のブロックと、前記画面に新たに配置されたブロックとの位置関係に基づいて定められたブロックの順番で各ブロックに対応する音声信号の処理を行うこととを実行する音声処理方法。(19)
【0215】
[付記36] 時間軸上で音声信号に複数の処理を施すことを設定可能な音声処理装置のコンピュータに、
夫々が音声信号の入力及び出力と入力された音声信号に対する処理の内容を示すブロックを2以上配置可能な画面の表示を制御することと、
前記画面に配置済のブロックと、前記画面に新たに配置されたブロックとの位置関係に基づいて定められたブロックの順番で各ブロックに対応する音声信号の処理を行うこととを実行させるプログラム。(20)
【符号の説明】
【0216】
10・・・エフェクタ
11・・・CPU
12・・・記憶装置
14・・・操作子
15・・・ディスプレイ
16・・・タッチパネル
17・・・DSP
18・・・アナログ-ディジタル変換器
19・・・ディジタル-アナログ変換器
20・・・楽器
21・・・アンプ
60・・・ブロック
111・・・タッチ管理部
112・・・エフェクトチェイン管理部
113・・・パラメータ変更部
114・・・エフェクト記憶部
115・・・エフェクト更新部
116・・・信号処理部