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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023034811
(43)【公開日】2023-03-13
(54)【発明の名称】組合せ収納家具
(51)【国際特許分類】
   A47B 87/02 20060101AFI20230306BHJP
   A47B 67/04 20060101ALI20230306BHJP
【FI】
A47B87/02
A47B67/04 B
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021141237
(22)【出願日】2021-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】591239003
【氏名又は名称】株式会社SANKA
(74)【代理人】
【識別番号】100097065
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 雅栄
(72)【発明者】
【氏名】神子島 岩男
【テーマコード(参考)】
3B160
3B260
【Fターム(参考)】
3B160AA08
3B160CA07
3B160CA12
3B260BA01
3B260BB02
3B260BC01
3B260BD01
3B260BD02
3B260BE02
3B260BF02
(57)【要約】
【課題】三種類の引出し式家具ユニットを利用者が好みに応じて組合せ配置でき、上層の引出し式家具ユニットの傾きも防止できる組合せ収納家具を提供すること。
【解決手段】三種類の引出し式家具ユニット1から選択される二つ以上を左右に並べて形成されたユニット並設層L上に、三種類の前記引出し式家具ユニット1から選択される二つ以上を左右に並べて形成された別のユニット並設層Lを積載することで上下複数段の引出し収納を構築し得るように構成され、前記引出し式家具ユニット1は、別の引出し式家具ユニット1が積載された際に双方が係止して上層の引出し式家具ユニット1の前方が下方へ傾くことを阻止する倒れ防止係止機構3が設けられている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前方へ引出し自在な引出し体を有する上下に積載可能な引出し式家具ユニットを複数備え、
前記引出し式家具ユニットは、小型家具ユニットと、この小型家具ユニットより左右横幅寸法が大きい中型家具ユニットと、この中型家具ユニットより左右横幅寸法が大きい大型家具ユニットとの三種類から成り、
この三種類の引出し式家具ユニットから選択される二つ以上を左右に並べて形成されたユニット並設層上に、三種類の引出し式家具ユニットから選択される別の引出し式家具ユニットを積載することで上下複数段の引出し収納を構築し得るように構成されている組合せ収納家具において、
前記引出し式家具ユニットは、上部に別の引出し式家具ユニットが積載された際に双方が着脱自在に係止して、積載された引出し式家具ユニット内の前記引出し体を前方へ引出したときにこの引出し式家具ユニットごとこの引出し体の前方が下方へ傾くことを阻止する倒れ防止係止機構が設けられ、
前記倒れ防止係止機構は、前記引出し式家具ユニット下部の左右両側に係止部が設けられ、この係止部が係止する係止受部が前記引出し式家具ユニット上部の左右両側に設けられ、
この倒れ防止係止機構の左右の係止部と係止受部とが、引出し式家具ユニットの左右両端部から内側へ等間隔を置いた位置に配設されていると共に、前記ユニット並設層の前記引出し式家具ユニット間上を別の引出し式家具ユニットが跨ぐようにして積載された際に、上層の引出し式家具ユニットの左右の前記係止部のいずれか一方若しくは双方が、下層のユニット並設層の引出し式家具ユニットの前記係止受部5に係止し得るように、前記小型家具ユニットと前記中型家具ユニットと前記大型家具ユニットの左右横幅寸法が設定されていることを特徴とする組合せ収納家具。
【請求項2】
前記引出し式家具ユニットは、前記小型家具ユニットと、この小型家具ユニットの横幅寸法の1.5倍の横幅寸法を有する前記中型家具ユニットと、前記小型家具ユニットの横幅寸法の2倍の横幅寸法を有する前記大型家具ユニットの三種類から成ることを特徴とする請求項1記載の組合せ収納家具。
【請求項3】
前記引出し式家具ユニットは、別の引出し式家具ユニットを積載可能な天井部の外周縁に立上がり凸部が設けられていて、この立上がり凸部に積載した引出し式家具ユニットが接触することで位置ズレが防止されるように構成されており、
この引出し式家具ユニットは、底部に前記立上がり凸部を避けるための凹部が設けられていて、この凹部で前記ユニット並設層の並設する前記引出し式家具ユニットの立上がり凸部を避けることにより上層のユニット並設層の引出し式家具ユニットが下層のユニット並設層の引出し式家具ユニット間上を跨いで積載されるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の組合せ収納家具。
【請求項4】
前記凹部は、左右の前記係止部より内側に配設されていると共に、左右の係止部から等間隔を置いた位置に配設されているか、又は左側の係止部若しくは右側の係止部から所定の間隔を置いた位置に配設されていることを特徴とする請求項3記載の組合せ収納家具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、幅の異なる引出し式家具ユニットを自由に組合せ配置できる組合せ収納家具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、幅の異なる引出し式収納ボックス(家具ユニット)を上下左右に安定して積載使用することが可能で、利用者が好みに応じて自由に組合せ配置できる組合せ収納家具が提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。
【0003】
ところで、このような積載可能な引出し式収納ボックスは、収納ボックスの天部上に別の引出し式収納ボックスが積載されているだけであると、上層の収納ボックスの引出し体を大きく手前に引き出した際に重心が手前側に移動し、上層の収納ボックスの後側が上方へ傾き倒れて場合によっては落下してしまうことがある。
【0004】
そこで従来、下記特許文献2のように、積載使用時に上層の収納ボックスの傾き防止対策が施された引き出し式収納ボックスが提案されている。
【0005】
この特許文献2を簡単に説明すると、積載可能なボックス本体と、このボックス本体に引き出し自在に収納される引き出し体とから成り、前記ボックス本体の天井部には、係合縁部が設けられ、この係合縁部に係止する係止爪部がボックス本体の底部に設けられていて、ボックス本体の天井部上に別のボックス本体を載置して前記係止爪部を前記係合縁部に係止すると、上下のボックス本体が係止連結されて上層のボックス本体にこのボックス本体の後側が浮き上がろうとする力が作用しても浮き上りが阻止されるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002-219028号公報
【特許文献2】特許第6010648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記したように、幅の異なる家具ユニットを組合せて上下左右に安定して積載使用することが可能な組合せ収納家具や、積載時に上層の引出し式収納ボックスの傾き防止対策が施されている引出し式収納ボックスは従来からあるが、この二つの機能を兼ね備えた組合せ収納家具はない。
【0008】
本発明は、この点、幅の異なる三種類の引出し式家具ユニットを利用者が好みに応じて組合せ配置でき、且つ積載時に上層の引出し式家具ユニットの傾き防止対策も施されている実用性に優れた組合せ収納家具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0010】
前方へ引出し自在な引出し体2を有する上下に積載可能な引出し式家具ユニット1を複数備え、
前記引出し式家具ユニット1は、小型家具ユニット1Aと、この小型家具ユニット1Aより左右横幅寸法が大きい中型家具ユニット1Bと、この中型家具ユニット1Bより左右横幅寸法が大きい大型家具ユニット1Cとの三種類から成り、
この三種類の引出し式家具ユニット1から選択される二つ以上を左右に並べて形成されたユニット並設層L上に、三種類の引出し式家具ユニット1から選択される別の引出し式家具ユニット1を積載することで上下複数段の引出し収納を構築し得るように構成されている組合せ収納家具Aにおいて、
前記引出し式家具ユニット1は、上部に別の引出し式家具ユニット1が積載された際に双方が着脱自在に係止して、積載された引出し式家具ユニット1内の前記引出し体2を前方へ引出したときにこの引出し式家具ユニット1ごとこの引出し体2の前方が下方へ傾くことを阻止する倒れ防止係止機構3が設けられ、
前記倒れ防止係止機構3は、前記引出し式家具ユニット1下部の左右両側に係止部4が設けられ、この係止部4が係止する係止受部5が前記引出し式家具ユニット1上部の左右両側に設けられ、
この倒れ防止係止機構3の左右の係止部4と係止受部5とが、引出し式家具ユニット1の左右両端部から内側へ等間隔P1を置いた位置に配設されていると共に、前記ユニット並設層Lの前記引出し式家具ユニット1間上を別の引出し式家具ユニット1が跨ぐようにして積載された際に、上層の引出し式家具ユニット1の左右の前記係止部4のいずれか一方若しくは双方が、下層のユニット並設層Lの引出し式家具ユニット1の前記係止受部5に係止し得るように、前記小型家具ユニット1Aと前記中型家具ユニット1Bと前記大型家具ユニット1Cの左右横幅寸法が設定されていることを特徴とする組合せ収納家具に係るものである。
【0011】
また、前記引出し式家具ユニット1は、前記小型家具ユニット1Aと、この小型家具ユニット1Aの横幅寸法の1.5倍の横幅寸法を有する前記中型家具ユニット1Bと、前記小型家具ユニット1Aの横幅寸法の2倍の横幅寸法を有する前記大型家具ユニット1Cの三種類から成ることを特徴とする請求項1記載の組合せ収納家具に係るものである。
【0012】
また、前記引出し式家具ユニット1は、別の引出し式家具ユニット1を積載可能な天井部の外周縁に立上がり凸部6が設けられていて、この立上がり凸部6に積載した引出し式家具ユニット1が接触することで位置ズレが防止されるように構成されており、
この引出し式家具ユニット1は、底部に前記立上がり凸部6を避けるための凹部7が設けられていて、この凹部7で前記ユニット並設層Lの並設する前記引出し式家具ユニット1の立上がり凸部6を避けることにより上層のユニット並設層Lの引出し式家具ユニット1が下層のユニット並設層Lの引出し式家具ユニット1間上を跨いで積載されるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の組合せ収納家具に係るものである。
【0013】
また、前記凹部7は、左右の前記係止部4より内側に配設されていると共に、左右の係止部4から等間隔を置いた位置に配設されているか、又は左側の係止部4若しくは右側の係止部4から所定の間隔を置いた位置に配設されていることを特徴とする請求項3記載の組合せ収納家具に係るものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明は上述のように構成したから、三種類の左右横幅寸法の異なる引出し式家具ユニットを、利用者が好みに応じて組合せ配置して複数の引出しを有する引出し収納を構築でき、しかも、倒れ防止係止機構により上層の引出し式家具ユニット内の引出し体を前方へ引出したときにこの引出し式家具ユニットごとこの引出し体の前方が下方へ傾くことが阻止されると共に、たとえ上下に積載される引出し式家具ユニット同士の左右横幅寸法が同一でなく、下層のユニット並設層の前記引出し式家具ユニット間上を上層の引出し式家具ユニットが跨ぐようにして積載された場合であっても、上層の引出し式家具ユニットの係止部が下層の引出し式家具ユニットの係止受部に係止できて前記倒れ防止係止機構が確実に機能できるなど、極めて実用性に優れた組合せ収納家具となる。
【0015】
また、請求項2記載の発明においては、前記作用・効果を確実に発揮する三種類の左右横幅寸法の引出し式家具ユニットを簡易に設計実現可能となる一層実用性に優れた構成の組合せ収納家具となる。
【0016】
また、請求項3記載の発明においては、引出し式家具ユニットに対し別の引出し式家具ユニットを立上がり凸部により位置ズレ防止状態で安定的に積載できると共に、下層のユニット並設層の引出し式家具ユニット間上を上層の引出し式家具ユニットが跨ぐようにして積載された際には、引出し式家具ユニットの底部に設けられている凹部で並設する引出し式家具ユニットの立上がり凸部を避けて支障なく積載可能となる一層実用性に優れた構成の組合せ収納家具となる。
【0017】
また、請求項4記載の発明においては、前記作用・効果を確実に発揮する凹部を簡易構成にして容易に設計実現可能となる一層実用性に優れた構成の組合せ収納家具となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施例の小型家具ユニットを示す斜視図である。
図2】本実施例の中型家具ユニットを示す斜視図である。
図3】本実施例の大型家具ユニットを示す斜視図である。
図4】本実施例の小型家具ユニットと中型家具ユニットと大型家具ユニットを示す背面図である。
図5】本実施例の組合せ収納家具の構築例1を示す説明正面図である。
図6】本実施例の組合せ収納家具の構築例2を示す説明正面図である。
図7】本実施例の組合せ収納家具の構築例3を示す説明正面図である。
図8】本実施例の倒れ防止係止機構を示す説明部分拡大斜視図である。
図9】本実施例の引出し式家具ユニット上に別の引出し式家具ユニットを積載した状態における、上層の引出し式家具ユニットの係止部と下層の引出し式家具ユニットの係止受部との位置関係を示す一部を切欠いた説明部分拡大側面図である。
図10図9の積載状態において、上層の引出し式家具ユニットの引出し体を前方へ引き出すことで重心が前方へ移動した際に、上層の引出し式家具ユニットの係止部が下層の引出し式家具ユニットの係止受部に係止して上下の引出し式家具ユニットが連結されている状態を示す説明側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の最適な実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示し簡単に説明する。
【0020】
本発明の組合せ収納家具Aは、前方へ引出し自在な引出し体2を有する上下に積載可能な引出し式家具ユニット1を複数備えており、また、この引出し式家具ユニット1は、小型家具ユニット1Aと、この小型家具ユニット1Aより左右横幅寸法が大きい中型家具ユニット1Bと、この中型家具ユニット1Bより左右横幅寸法が大きい大型家具ユニット1Cとの三種類から成る。
【0021】
この三種類の引出し式家具ユニット1から選択される二つ以上を左右に並べて形成されたユニット並設層L上に、別の引出し式家具ユニット1を積載することで複数の引出しを有する引出し収納を構築できる。また、三種類の引出し式家具ユニット1から選択される二つ以上を左右に並べて形成されたユニット並設層L上に、三種類の引出し式家具ユニット1から選択される二つ以上を左右に並べて形成された別のユニット並設層Lを積載することで複数の引出しを有する引出し収納を構築することもできる。
【0022】
すなわち、三種類の横幅寸法の異なる引出し式家具ユニット1を、利用者が好みに応じて組合せ配置して上下複数段の引出し収納を構築できる。
【0023】
また、この際、倒れ防止係止機構3により上下の引出し式家具ユニット1双方が着脱自在に係止して、積載された引出し式家具ユニット1内の前記引出し体2を前方へ引出したときにこの引出し式家具ユニット1ごとこの引出し体2の前方が下方へ傾くことが阻止される。
【0024】
具体的には、前記引出し式家具ユニット1下部の左右両側に設けられている係止部4が、引出し式家具ユニット1上部の左右両側に設けられている係止受部5に係止することで、上下の引出し式家具ユニット1双方が着脱自在に係止する前記倒れ防止係止機構3が設けられている。
【0025】
また、この左右の係止部4と係止受部5とは、引出し式家具ユニット1の左右両端部から内側へ等間隔P1を置いた位置に配設されていると共に、下層のユニット並設層Lの並設する前記引出し式家具ユニット1間上を別の引出し式家具ユニット1が跨ぐようにして積載された際に、上層の引出し式家具ユニット1の左右の前記係止部4のいずれか一方若しくは双方が、この上層の引出し式家具ユニット1が跨いでいる下層の引出し式家具ユニット1の前記係止受部5に係止し得るように、前記小型家具ユニット1Aと前記中型家具ユニット1Bと前記大型家具ユニット1Cの左右横幅寸法が設定されている。
【0026】
すなわち、上下に積載される引出し式家具ユニット1同士の左右横幅寸法が同一ではなく、下層のユニット並設層Lの前記引出し式家具ユニット1間上を別の引出し式家具ユニット1が跨ぐようにして積載された場合においても、上層の引出し式家具ユニット1の係止部4が、下層のユニット並設層Lの引出し式家具ユニット1の係止受部5に係止して前記倒れ防止係止機構3が機能することになる。
【実施例0027】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0028】
本実施例の組合せ収納家具Aは、前方へ引出し自在な引出し体2を有する上下に積載可能な引出し式家具ユニット1を複数備えている。
【0029】
本実施例の引出し式家具ユニット1について説明すると、上下に積載可能な収納本体8内に図示省略の引出し収納部が設けられ、この引出し収納部内に、前方へ引き出しスライド自在に前記引出し体2が収納されている。
【0030】
また、この収納本体8は、詳しく図示していないが、底壁の左右両端部と後端部とに左右側壁と後壁とが立設状態に連設する形態に形成(一体成形)された合成樹脂製の基体部と、この基体部の上部開口部の形状に略合致する形態に形成(一体成形)された合成樹脂製の天壁部(天井部)とから成り、前記基体部の上部開口部に、この上部開口部を閉塞するように前記天壁部が係止固定されることで、図1図3に示すような平面視略方形状であって前面が開口する合成樹脂製のボックス(箱)形体に形成され、この収納本体8の内部空間が前記引出し収納部として構成されている。
【0031】
また、この収納本体8の天壁部は、外周縁部の全周に立上がり凸部6が設けられていることによりこの立上がり凸部6を除いた内側部分が下方へ浅底に凹設する天面形状に形成(一体成形)されていて、この凹面部9上に別の引出し式家具ユニット1の収納本体8底部の後述する接地脚10を載置することで引出し式家具ユニット1が上下に積み重ねられ(積載され)、この際、上層の引出し式家具ユニット1の接地脚10が下層の引出し式家具ユニット1の前記立上がり凸部6に接触することで、上下の引出し式家具ユニット1同士が位置決められるように構成されている(図5図6図7図10参照)。
【0032】
また、本実施例の前記引出し式家具ユニット1は、図1図3に示すように、高さ幅寸法と奥行き幅寸法が同一であって、左右横幅寸法が異なる三種類を備えており、最も左右横幅寸法の小さい小型家具ユニット1Aと、この小型家具ユニット1Aより左右横幅寸法が大きい中型家具ユニット1Bと、この中型家具ユニット1Bより左右横幅寸法が大きい大型家具ユニット1Cとから成る。
【0033】
さらに詳しくは、前記中型家具ユニット1Bは、前記小型家具ユニット1Aの左右横幅寸法の1.5倍の左右横幅寸法を有し、前記大型家具ユニット1Cは、前記小型家具ユニット1Aの左右横幅寸法の2倍の左右横幅寸法を有する形状に設定されている。例えば、小型家具ユニット1Aは左右横幅寸法が26cm、中型家具ユニット1Bは左右横幅寸法が39cm、大型家具ユニット1Cは左右横幅寸法が52cmに設定構成されている。
【0034】
そして、この三種類の引出し式家具ユニット1から選択される二つ以上を左右に並べて形成されたユニット並設層L上に、三種類の前記引出し式家具ユニット1から選択される別の引出し式家具ユニット1、若しくは三種類の引出し式家具ユニット1から選択される二つ以上を左右に並べて形成された別のユニット並設層Lを積載することで、引出しが上下複数段であって且つ左右にも複数の引出しが連続する大容量型の引出し収納を構築し得るように構成されている。
【0035】
尚、図面は、引出し式家具ユニット1を上下二段に積載した組合せ収納家具の構築例を示しているが、これに限らず三段以上積載して組合せ収納家具を構築することも可能である。
【0036】
またこの際、例えば図5に示すように、小型家具ユニット1Aの右隣に中型家具ユニット1Bを並べて形成したユニット並設層L1上に、大型家具ユニット1Cをその右端の位置が下層の中型家具ユニット1Bの右端と合致するように積載して階段形の引出し収納を構築したり、図6に示すように、大型家具ユニット1Cの右隣に中型家具ユニット1Bを並べて形成したユニット並設層L2上に、このユニット並設層L2と左右幅が同一となるように中型家具ユニット1Bの左右両隣に小型家具ユニット1Aを並べて形成したユニット並設層L3を積載して二段ボックス形の引出し収納を構築したり、図7に示すように、二つの中型家具ユニット1Bを左右に並べて形成したユニット並設層L4上に、このユニット並設層L4と左右幅が同一となるように大型家具ユニット1Cの右隣に小型家具ユニット1Aを並べて形成したユニット並設層L5を積載して二段ボックス形の引出し収納を構築したりすると、下層のユニット並設層L(L1,L2,L4)の並設する前記引出し式家具ユニット1間上を上層の引出し式家具ユニット1が跨ぐようにして積載されるが、この際、引出し式家具ユニット1の底部には、前記立上がり凸部6を避けるための凹部7が設けられていて、この凹部7で前記ユニット並設層Lの並設する前記引出し式家具ユニット1の立上がり凸部6を避けることにより、上層の引出し式家具ユニット1が下層のユニット並設層Lの引出し式家具ユニット1間上を跨いで支障なく積載されるように構成されている。
【0037】
具体的には、前記引出し式家具ユニット1(収納本体8)の底部には、図1(b),図2(b),図3(b)に示すように、その外周縁部に沿って外周縁部よりやや内側位置に、下方へ向かって凸出する方形枠状の凸条が設けられ(一体成形され)ていて、この下向き凸条が前記接地脚10として構成されていると共に、この接地脚10の前後部に上方へ凹むように切欠された切欠凹部が設けられ(一体成形され)ていて、この前後の切欠凹部が前記凹部7として構成されている。
【0038】
また、この凹部7は、その左右横幅寸法が、前記立上がり凸部6の左右部の横幅二つ分よりやや大きい凹み横幅を有する形状に形成されていて、左右に並んだ引出し式家具ユニット1の隣接する立上がり凸部6を避けて上層の引出し式家具ユニット1の前記接地脚10が下層のユニット並設層Lの引出し式家具ユニット1の前記凹面部9に載置できるように構成されている(図5図7参照)。
【0039】
また、前記小型家具ユニット1Aは、前記接地脚10の前後部であって左右方向の中間位置の一箇所に前記凹部7が設けられ(図1(b)参照)、前記中型家具ユニット1Bは、前記接地脚10の前後部であって左右寄り位置の二箇所に前記凹部7が設けられ(図2(b)参照)、前記大型家具ユニット1Cは、前記接地脚10の前後部であって左右方向の中間位置と左右寄り位置の三箇所に前記凹部7が設けられている(図3(b)参照)。
【0040】
さらに、前記小型家具ユニット1Aの左側端部から前記凹部7までの間隔P2と、前記中型家具ユニット1Bの左側端部から左側の前記凹部7までの間隔P2と、前記大型家具ユニット1Cの左側端部から左側の前記凹部7までの距離P2と、小型家具ユニット1Aの右側端部から前記凹部7までの間隔P2と、中型家具ユニット1Bの右側端部から右側の前記凹部7までの間隔P2と、大型家具ユニット1Cの右側端部から右側の前記凹部7までの間隔P2とが、全て同一の間隔となるように設定構成されている(図4参照)。
【0041】
また、複数の凹部7を有する前記中型家具ユニット1Bと前記大型家具ユニット1Cとは、中型家具ユニット1Bの左右の前記凹部7間の間隔P3と、大型家具ユニット1Cの左側の前記凹部7と中間の凹部7との間の間隔P3と、大型家具ユニット1Cの右側の前記凹部7と中間の凹部7との間の間隔P3とが全て同一の間隔となるように設定構成されていると共に、この間隔P3は、前記間隔P2よりやや小さい間隔に設定構成されている(図4参照)。
【0042】
このように間隔P2,P3を設定していることにより、図5図7に示した組合せ構築例をはじめ、どのような組合せ積載状態であっても、下層のユニット並設層Lの並設する前記引出し式家具ユニット1間上をその立上がり凸部6を凹部7で避けて上層の式家具ユニット1が跨いで積載可能となることが、出願人の試作実験により確認されている。
【0043】
また、前記接地脚10後部の後面の、前記凹部7に隣接する部位には、下層のユニット並設層Lの前記引出し式家具ユニット1間上を上層の引出し式家具ユニット1若しくは上層ユニット並設層Lの引出し式家具ユニット1が跨ぐようにして積載された際に、後述する係止部4と係止していない係止受部5を避けるための避け凹部12が設けられ(一体成形され)ている(図4図8参照)。さらに詳しくは、前記避け凹部12は、前記小型家具ユニット1Aにおいては、接地脚10の後部後面部の、前記凹部7に隣接する左右部に設けられ(図4(a)参照)、前記中型家具ユニット1Bと前記大型家具ユニット1Cにおいては、接地脚10の後部後面部の、左側の凹部7に隣接する左側部と右側の凹部7に隣接する右側部とに設けられている(図4(b)(c)参照)。
【0044】
また、本実施例は、上部に別の引出し式家具ユニット1が積載された際に双方が着脱自在に係止して、積載された引出し式家具ユニット1内の前記引出し体2を前方へ引出したときにこの引出し式家具ユニット1ごとこの引出し体2の前方が下方へ傾くことを阻止する倒れ防止係止機構3が設けられており、この倒れ防止係止機構3は、前記引出し式家具ユニット1下部の左右両側に係止部4が設けられ、この係止部4が係止する係止受部5が前記引出し式家具ユニット1上部の左右両側に設けられている。
【0045】
具体的には、前記収納本体8の後部底部の左右両側に、左右方向に長く後方に突出する凸部が形成(一体成形)されて、この後向き凸部が前記係止部4として構成されていると共に、前記収納本体8の後部上部の左右両側に、左右方向に長く前方に突出する凸部が形成(一体成形)されて、この前向き凸部が前記係止受部5として構成されている。
【0046】
さらに詳しくは、図8に示すように、前記収納本体8の前記接地脚10は、その後部左右部の後面が、前方に向かって凹む形状に凹設されていると共に、この凹設部11内には水平後方へ短く薄板状に突出する後向き凸鍔部が形成(一体成形)されていて(凸鍔部が残る形態に前記凹設部11が形成されていて)、この凹設部11内の凸鍔部が左右方向に長く後方に突出する前記係止部4として構成されている。
【0047】
一方、前記収納本体8の天壁部後部の立上がり凸部6の左右部には、前記係止部4(前記凹設部11)と同等の左右幅をもって水平前方へ短く薄板状に突出する凸鍔部が形成(一体成形)されていて、この凸鍔部が左右方向に長く前方に突出し前記凹設部11内に挿入配設可能な前記係止受部5として構成されている。
【0048】
そして、引出し式家具ユニット1(の収納本体8)の天壁部に、別の引出し式家具ユニット1を前方に位置をずらした状態で上方から載置することで、下層の引出し式家具ユニット1の立上がり凸部6の前部上に上層の引出し式家具ユニット1の接地脚10の左右部を載置し(上層の引出し式家具ユニット1を前側が若干上を向いた傾斜状態で載置し)、その後、上層の引出し式家具ユニット1を下層の引出し式家具ユニット1に対し後方へスライド移動させることにより上層の引出し式家具ユニット1の前記係止部4を下層の引出し式家具ユニット1の前記係止受部5の下側に位置させて(下層の引出し式家具ユニット1の前記係止受部5を上層の引出し式家具ユニット1の前記凹設部11内に挿入配設して)、上下の引出し式家具ユニット1(の収納本体8)同士を係止連結し得るように構成されており、これにより係止部4の上動が阻止されて、上層の引出し式家具ユニット1が下層の引出し式家具ユニット1と同等の水平状態で載置(積載)されるように構成されている。
【0049】
また、本実施例は、引出し式家具ユニット1を上下に積載して前記係止部4を前記係止受部5の下側に位置させた際に、係止部4と係止受部5とが常時係止する状態とはならず、上下に小間隔を置いて離間した状態となるように構成されている(図9参照)。すなわち、上層の引出し式家具ユニット1の引出し体2を引き出すなどしてこの上層の引出し式家具ユニット1(収納本体8)の後部が上方へ少し持ち上がると、上層の収納本体8の前記係止部4が上動してこの係止部4の上面が下層の収納本体8の前記係止受部5の下面に面接係止し、係止部4の係止受部5に対する上動(下層の引出し式家具ユニット1に対し上層の引出し式家具ユニット1後部の浮き上がり)が阻止されるように構成されている(図10参照)。図示していないが、引出し式家具ユニット1を上下に積載した際に、前記係止部4が前記係止受部5に常時係止状態となる構成が採用されていても良い。
【0050】
また、本実施例では、前記左右の係止部4と係止受部5とは、引出し式家具ユニット1の収納本体8の左右両端部から内側へ等間隔P1を置いた位置に配設されている。
【0051】
具体的には、左右の係止部4は、収納本体8の左右両端部と前記凹部7(中型家具ユニット1Bと大型家具ユニット1Cの場合は、収納本体8の左右両端部に最も近い左右両側の凹部7)との間の途中位置に、すなわち収納本体8の左右両端部から、前記間隔P2よりも前記間隔P3よりも小さい間隔P1を置いた前記接地脚10の後部左右部の後面位置に設けられており、左右の係止受部5は、左右の係止部4に位置を対応させて収納本体8の左右両端部から間隔P1を置いた前記立上がり凸部6の後部左右部に設けられている(図4参照)。さらに詳しく説明すると、本実施例は、係止受部5を係止部4の存する凹設部11内に挿入し易くするため(係止部4を係止受部5に係止し易くするため)に、左右の係止受部5の収納本体8の左右両端部からの間隔が、左右の係止部4の収納本体8の左右両端部からの間隔よりもわずかに長く設定されていて、厳密にいうと左右の係止部4と引出し式家具ユニット1の左右両端部からの間隔と、左右の係止受部5と引出し式家具ユニット1の左右両端部からの間隔とが等間隔とはなっていないが、請求項1中の「左右の係止部と係止受部とが、引出し式家具ユニットの左右両端部から内側へ等間隔を置いた位置に配設され」なる記載は、本実施例のように、左右の係止部4と引出し式家具ユニット1(収納本体8)の左右両端部からの間隔と、左右の係止受部5と引出し式家具ユニット1(収納本体8)の左右両端部からの間隔とが多少異なるような場合をも含む意味合いで用いている。
【0052】
また、この係止部4が設けられる前記凹設部11は、小型家具ユニット1Aのそれも中型家具ユニット1Bのそれも大型家具ユニット1Cのそれも全て同一の左右横幅を有するものに構成されており、従ってこの凹設部11から隣接する前記凹部7までの間隔幅寸法も、全て同一の間隔幅寸法を有するように構成されている。
【0053】
この係止部4と係止受部5の配置を上述のように構成したことと、前記小型家具ユニット1A,前記中型家具ユニット1B,前記大型家具ユニット1Cの左右横幅寸法を上述のように構成したこととにより、前記ユニット並設層Lの前記引出し式家具ユニット1間上を別の引出し式家具ユニット1が跨ぐようにして積載された際に、上層の引出し式家具ユニット1の左右の前記係止部4のいずれか一方若しくは双方が、下層のユニット並設層Lの引出し式家具ユニット1の前記係止受部5に係止し得るように構成されている。
【0054】
具体的には、例えば図5に示した組合せ収納家具の構築例においては、上層の大型家具ユニット1Cは、左側の係止部4が下層のユニット並設層L1の左側の小型家具ユニット1Aの右側の係止受部5に係止すると共に、上層の大型家具ユニット1Cの右側の係止部4が下層のユニット並設層L1の右側の中型家具ユニット1Bの右側の係止受部5に係止して上層の大型家具ユニット1Cに前記倒れ防止係止機構3が機能する。尚、この場合、下層右側の中型家具ユニット1Bの左側の係止受部5は、上層の大型家具ユニット1Cの前記避け凹部12に配置する。
【0055】
また、図6に示した組合せ収納家具の構築例においては、上層のユニット並設層L3の左側の小型家具ユニット1Aは、左側の係止部4だけが下層のユニット並設層L2の左側の大型家具ユニット1Cの左側の係止受部5に係止(上層左側の小型家具ユニット1Aの右側の係止部4は非係止状態)して上層左側の小型家具ユニット1Aに前記倒れ防止係止機構3が機能し、上層のユニット並設層L3の中間の中型家具ユニット1Bは、右側の係止部4だけが下層のユニット並設層L2の右側の中型家具ユニット1Cの左側の係止受部5に係止(上層中間の中型家具ユニット1Bの左側の係止部4は非係止状態)して上層中間の中型家具ユニット1Bに前記倒れ防止係止機構3が機能し、上層のユニット並設層L3の右側の小型家具ユニット1Aは、右側の係止部4だけが下層のユニット並設層L2の右側の中型家具ユニット1Cの右側の係止受部5に係止(上層右側の小型家具ユニット1Aの左側の係止部4は非係止状態)して上層右側の小型家具ユニット1Aに前記倒れ防止係止機構3が機能する。尚、この場合、下層左側の大型家具ユニット1Cの右側の係止受部5は、上層中間の中型家具ユニット1Bの前記避け凹部12に配置する。
【0056】
また、図7に示した組合せ収納家具の構築例においては、上層のユニット並設層L5の左側の大型家具ユニット1Cは、左側の係止部4が下層のユニット並設層L4の左側の中型家具ユニット1Bの左側の係止受部5に係止すると共に、上層左側の大型家具ユニット1Cの右側の係止部4が下層のユニット並設層L4の右側の中型家具ユニット1Bの左側の係止受部5に係止して上層左側の大型家具ユニット1Cに前記倒れ防止係止機構3が機能し、上層のユニット並設層L5の右側の小型家具ユニット1Aは、右側の係止部4だけが下層のユニット並設層L4の右側の中型家具ユニット1Bの右側の係止受部5に係止(上層右側の小型家具ユニット1Aの左側の係止部4は非係止状態)して上層右側の小型家具ユニット1Aに前記倒れ防止係止機構3が機能する。尚、この場合、下層左側の中型家具ユニット1Cの右側の係止受部5は、上層左側の大型家具ユニット1Cの前記避け凹部12に配置する。
【0057】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0058】
1 引出し式家具ユニット
1A 小型家具ユニット
1B 中型家具ユニット
1C 大型家具ユニット
2 引出し体
3 倒れ防止係止機構
4 係止部
5 係止受部
6 立上がり凸部
7 凹部
A 組合せ収納家具
L ユニット並設層
P1 間隔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10