IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社エフエーの特許一覧

<>
  • 特開-電子部品基板の分割装置 図1
  • 特開-電子部品基板の分割装置 図2
  • 特開-電子部品基板の分割装置 図3
  • 特開-電子部品基板の分割装置 図4
  • 特開-電子部品基板の分割装置 図5
  • 特開-電子部品基板の分割装置 図6
  • 特開-電子部品基板の分割装置 図7
  • 特開-電子部品基板の分割装置 図8
  • 特開-電子部品基板の分割装置 図9
  • 特開-電子部品基板の分割装置 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023003487
(43)【公開日】2023-01-17
(54)【発明の名称】電子部品基板の分割装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/00 20060101AFI20230110BHJP
   B26F 3/00 20060101ALI20230110BHJP
   B28D 5/00 20060101ALI20230110BHJP
【FI】
H05K3/00 L
H05K3/00 X
B26F3/00 A
B28D5/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021104592
(22)【出願日】2021-06-24
(71)【出願人】
【識別番号】509053938
【氏名又は名称】株式会社エフエー
(74)【代理人】
【識別番号】100133271
【弁理士】
【氏名又は名称】東 和博
(72)【発明者】
【氏名】杉木 一明
【テーマコード(参考)】
3C060
3C069
【Fターム(参考)】
3C060AA10
3C060CB03
3C060CB14
3C069AA03
3C069BB01
3C069CA03
3C069CB03
3C069EA01
(57)【要約】
【課題】1辺2mm以下の超小型の電子部品を実装した電子部品基板から個々の電子部品に効率よく分割できる電子部品基板の分割装置を提供する。
【解決手段】1辺2mm以下の超小型の電子部品3が格子状に実装された電子部品基板1が搬送される搬送ベルト14を備え、搬送ベルトの直下に反力支持面16aを配置し、その下流側近傍に小径かつ円柱状の支持ロール18を配置する。支持ロール18は支持ブロック17から上向きに突出するテーパブロック17Cの頂部の溝部17a内に横向きかつ回転可能に保持する。搬送ベルトの直上に、電子部品基板1の先頭部位fpが支持ロール18により押し上げられた状態で、電子部品基板の分割加工溝4付近を押圧する小径かつ円柱状の押圧ロール36を配置する。押圧ロール36は上下にスライド可能なスライドブロック34から下向きに突出するテーパブロック34Dの頂部に設けた溝部34a内に横向きかつ回転可能に保持する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1辺2mm以下の超小型の電子部品が格子状に複数実装され、縦方向および横方向に分割加工溝が形成された電子部品基板を分割加工溝に沿って分割する分割装置であって、
前記電子部品基板が搬送される搬送ベルトを備え、
前記搬送ベルトの直下に、電子部品基板の分割時に反力を受ける反力支持面が配置されるとともに、反力支持面の下流側近傍に、搬送ベルトの下から電子部品基板の先頭部位を押し上げる形で支持する小径かつ円柱状の支持ロールが配置され、
当該支持ロールは、前記搬送ベルトの直下に配置された支持ブロックから上向きに突出するテーパブロックの頂部に設けられた溝部内に横向きかつ回転可能に保持されており、
前記搬送ベルトの直上に、電子部品基板の先頭部位が前記支持ロールにより押し上げられた状態で、電子部品基板の先頭部位の分割加工溝の位置付近を上方から押圧する小径かつ円柱状の押圧ロールが配置され、
当該押圧ロールは、前記搬送ベルトの直上に配置され上下にスライド可能なスライドブロックから下向きに突出するテーパブロックの頂部に設けられた溝部内に横向きかつ回転可能に保持されていることを特徴とする、電子部品基板の分割装置。
【請求項2】
前記スライドブロックから下向きに突出するテーパブロックの頂部に設けられた溝部内の両端に、前記押圧ロールの端部を支持する軸穴が設けられていることを特徴とする、請求項1記載の電子部品基板の分割装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電子部品が実装された電子部品基板を分割加工溝に沿って電子部品毎に分割する分割装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子部品基板、例えばセラミック基板は、生産性を考慮して、基板上に複数の電子部品をまとめて実装して製造されることが多い。電子部品基板は基板本体の上に複数の電子部品が実装されており、基板本体には、予め電子部品に沿って縦方向および横方向にドリルやVカットで分割加工線が入れられている。そして、電子部品基板の完成後に分割加工線に沿って個々の電子部品を分離するようにしている。
【0003】
電子部品基板を複数の個片に分割する方法として、手で曲げ力を加え、分割加工線を基点に亀裂を進展させて分割する方法、基板の下面に分割加工線に対向するエッジをあてがい、基板に下向きの曲げ力を加えて分割する方法(特許文献1)、さらには、基板の両側を基板保持部で保持し、基板の切断加工線の裏側からブレードを押し当て、同時に基板保持部を押し当て方向に対向して回転させ、基板を分割する方法(特許文献2)が知られている。
【0004】
しかしながら、近年は、電子部品の高度集積技術の進歩により電子部品の小型化が進んでおり、特許文献1、特許文献2のいずれの分割方法によれば、1辺数ミリ単位の小型の電子部品にあっては、基板上の分割加工線にエッジ又はブレードをあてがい又は押し当てることが大変困難で、正確に分割するのが非常に困難であった。このため、本出願人は、先に、1辺数ミリ単位の小型の電子部品を複数実装した電子部品基板を分割加工溝に沿って効率良く分割できるようにした電子部品基板の分割装置(特許文献3)を提案した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭57-4714号公報
【特許文献2】特許2801453号公報
【特許文献3】特開2010-199163号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本出願人が先に提案した特許文献3の装置によれば、電子部品基板に実装された1辺数ミリ単位(例:1辺4mm)の電子部品を先頭から順次効率よく分割することができる。しかしながら、その後、スマートフォン向けなど電子部品の小型化がさらに進行し1辺2mm以下(さらには1辺1mm以下)の超小型の電子部品を実装した電子部品基板の分割に対しては、本出願人が先に提案した装置では対応が難しいという課題があった。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、1辺2mm以下の超小型の電子部品を実装した電子部品基板から個々の電子部品に効率よく分割することのできる、電子部品基板の分割装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る電子部品基板の分割装置は、
1辺2mm以下の超小型の電子部品が格子状に複数実装され、縦方向および横方向に分割加工溝が形成された電子部品基板を分割加工溝に沿って分割する分割装置であって、
前記電子部品基板が搬送される搬送ベルトを備え、
前記搬送ベルトの直下に、電子部品基板の分割時に反力を受ける反力支持面を配置するとともに、反力支持面の下流側近傍に、搬送ベルトの下から電子部品基板の先頭部位を押し上げる形で支持する小径かつ円柱状の支持ロールを配置し、
当該支持ロールを、前記搬送ベルトの直下に配置した支持ブロックから上向きに突出するテーパブロックの頂部に設けた溝部内に横向きかつ回転可能に保持し、
前記搬送ベルトの直上に、電子部品基板の先頭部位が前記支持ロールにより押し上げられた状態で、電子部品基板の先頭部位の分割加工溝の位置付近を上方から押圧する小径かつ円柱状の押圧ロールを配置し、
当該押圧ロールを、前記搬送ベルトの直上で上下にスライド可能に配置したスライドブロックから下向きに突出するテーパブロックの頂部に設けた溝部内に横向きかつ回転可能に保持したことを第1の特徴とする。
【0009】
本発明によると、搬送ベルト上を電子部品基板が下流側へ搬送され、電子部品基板の先頭部位が下流側の支持ロールによって押し上げられた時に、電子部品基板の先頭部位の分割加工溝位置を上方の押圧ロールが上から押圧するから、同分割加工溝を起点として、電子部品基板の先頭部位に上向きの曲げ力が加わり、電子部品基板の先頭部位が分割される。小径かつ円柱状の支持ロールは搬送ベルトの下方に配置された支持ブロックから上向きに突出するテーパブロックの頂部の溝部内に、同じく小径かつ円柱状の押圧ロールは搬送ベルトの上方に配置されたスライドブラックから下向きに突出するテーパブロックの頂部の溝部内に、それぞれ横向きかつ回転可能に保持されているので、分割時に支持ロールに生じる撓みおよび押圧ロールに生じる撓みがそれぞれの溝部内で抑制される結果、分割時に電子部品基板の加工溝付近にかかる押圧力が横方向に均一化され、確実に分割できる。また、支持ロールと押圧ロールの小径化、両ロールの上下方向および前後方向の間隔の狭小化を同時に実現できるので、超小型サイズの電子部品に対しても、電子部品基板の分割を効率よく行える。
【0010】
本発明に係る電子部品基板の分割装置は、
前記スライドブロックから下向きに突出するテーパブロックの頂部に設けた溝部内の両端に、前記押圧ロールの端部を支持する軸穴を設けたことを第2の特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように、本発明によると、搬送ベルト上を搬送される電子部品基板や電子部品列から、実装された1辺2mm超小型サイズの電子部品を順次効率よく分割することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態を示すもので、電子部品基板の分割装置の斜視図、
図2図1に示す分割装置の正面図、
図3図1に分割装置の背面図、
図4】支持ブロックとスライドブロックを示す斜視図、
図5】支持ブロックとスライドブロックを示す縦断面図、
図6図5のA-A線矢視断面図、
図7】(A)(B)は電子部品基板から電子部品を分割する様子を示す説明図、
図8】電子部品基板から電子部品を分割する様子を示す説明図、セラミック基板の平面図、
図9】(A)(B)は電子部品基板から電子部品を分割する様子を示す平面図、
図10】(A)(B)は超小型の電子部品を実装した電子部品基板の平面図と要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。図1ないし図10は、本発明の第1の実施形態を示すもので、これらの図において符号Sは電子部品基板の分割装置、符号1は電子部品基板を示している。
【0014】
最初に電子部品基板1について説明すると、電子部品基板1は、図10(A)に示すように、セラミック製の基板本体2に複数の超小型の電子部品3・・・が縦方向および横方向に格子状に実装されている。各電子部品3の周囲には、縦方向および横方向に格子状に延びる分割加工溝4(分割幅寸法W=縦方向に0.8~1.2mm、横方向に0.8~1.2mm)・・・が設けられている。分割加工溝4は、図11(B)に示すように、基板本体2の上下面に設けられている。なお、電子部品基板1の厚さtは0.2~0.5mmである。
【0015】
分割装置Sは、図1ないし図3に示すように、下部ユニット10と上部ユニット30から構成されている。
【0016】
下部ユニット10は、ベースフレーム11の下面に床面G上に支持される足部12を備え、ベースフレーム11の上部にモータ13により駆動される搬送ベルト14を備えている。搬送ベルト14は、上流側(図2の右側)から下流側(図2の左側)へ電子部品基板1を1枚ずつ搬送する役目をする。図中、符号15は搬送ベルト14を張設状態に支持するプーリーである。
【0017】
下部ユニット10の上部には、搬送ベルト14の直下に位置する反力支持板16が図示しないブラケットにより支持されている。反力支持板16の上面には、搬送ベルト14上で電子部品基板1を分割する時に生じる反力を支持する反力支持面16a(図7参照)が形成されている。
【0018】
搬送ベルト14の直下で反力支持板16の下流側近傍には、支持ブロック17が配置されている。支持ブロック17は、小径(直径1.0mm~3.0mm)かつ円柱状(軸状)の支持ロール18を全長にわたり回転可能に保持するもので、ブラケット19を介してベースフレーム11に支持されている。
【0019】
支持ブロック17は、図4に示すように、前後に延びる両側部17Aと左右に延びる中央部17Bを備え、さらに中央部17Bの上面にテーパブロック部17Cを備えている。テーパブロック部17Cの上部は断面三角形のテーパ部17cとなっており、テーパ部17cの頂部には両端部を残し左右(横方向)に延びる溝部17aが設けられている。溝部17aには円柱状(軸状)の支持ロール18が、図5および図6に示すように、溝部17aの上端から上面が少しだけ突出する形で、回転可能に収容され保持されている。
【0020】
支持ロール18は、搬送ベルト14上を下流側に搬送された電子部品基板1を分割する時に電子部品基板1の先頭部位を下から持ち上げて支持するもので、図7に示すように、支持ロール18の上端が反力支持面16aよりも少し上方になる位置(図示例の場合、反力支持面16aから支持ロール18の上端までの高さH=0.1mm~0.3mm)に設定されている。ここで、電子部品基板1の先頭部位には、図10(A)に示す電子部品基板1の周辺部1A、図9(A)に示す電子部品列U1~Un、図9(B)に示す電子部品3が含まれる。支持ロール18の長さ寸法は電子部品基板1の横方向幅寸法よりも大きくなるように設定されている。
【0021】
支持ロール18は、搬送ベルト14の直上に位置する押圧ロール36と協働して、電子部品基板1の先頭部位を分割する機能を発揮するが、支持ロール18は、支持ブロック17のテーパ部17c頂部の溝部17a内に全長にわたり回転可能に保持されるので、分割時に撓みが抑制され、押圧ロール36による押圧力を均一に支持する結果、電子部品基板1の分割を確実にする。搬送ベルト14の下流側には、電子部品基板1から分割された先頭部位を収容する収容部20が配置されている。
【0022】
モータ13からの駆動力は、搬送ベルト14に伝達されるとともに、伝達ベルト21を介して同期歯車22から上部ユニット30の送りベルト36に伝達されるようになっており、送りベルト37と搬送ベルト14が同期して駆動し、搬送ベルト14上の電子部品基板1を上側の送りベルト37が抑えながら分割位置まで搬送させるようになっている。
【0023】
上部ユニット30は、上部フレーム31に上下動用のモータ32とエアシリンダ33が支持されている。エアシリンダ33の下端にはスライドブロック34が支持され、スライドブロック34は、エアシリンダ33の両脇に配置されたガイド部35,35によって上下方向にスライド可能に支持されている。モータ32はスライドブロック34および押圧ロール36の高さを位置決めし、エアシリンダ33は押圧ロール36による電子部品基板1の分割時に押圧ロール36に作用する反力を支持する。
【0024】
スライドブロック34は、図4に示すように、上下に延びる両側部34Aと、左右に延びる上部連結部34Bおよび下部連結部34Cを備え、下部連結部34Cの下面にテーパブロック34Dを備えている。テーパブロック34Dは、中央テーパブロック部34D1と、左右の側部テーパブロック部34D2からなり、各テーパブロック部34D1~34D2の下部は頂部が下を向く断面三角形のテーパ部34dとなっており、中央テーパブロック部34D1のテーパ部から左右の側部テーパブロック部34D2のテーパ部にかけて、両端部を残して、頂部に溝部34aが設けられている。
【0025】
溝部34aには、図6に示すように、小径(直径1.0mm~3.0mm)かつ円柱状(軸状)の押圧ロール36が、溝部34aの下端から下面が少し突出する形で、回転可能に保持されている。左右の側部テーパブロック部34D2の溝部34aの内端面には、図5に示すように、円柱状(軸状)の押圧ロール36を軸支する軸穴34bが設けられており、押圧ロール36は下向きの溝部34aに収容された状態で両端部が左右の軸穴34bによって軸支され、収容状態が保持されるようになっている。
【0026】
押圧ロール36は、搬送ベルト14上を下流側に搬送される電子部品基板1の分割加工溝4位置を上から押圧するもので、押圧ロール36の長さ寸法は電子部品基板1の横方向幅寸法よりも大きくなるように設定されている。押圧ロール36と支持ロール18の水平方向距離(中心軸間距離)は、電子部品基板1の分割幅寸法(W、W)および電子部品基板1の厚さtにあわせて設定されるが、同水平方向距離は、図示しないサーボモータにより支持ブロック17の位置を調整することにより、調整可能である。また、押圧ロール36は、支持ロール18とともに、上記数値の範囲内で、例えば直径(ロール径)1.2mm,1.6mm,2.0mmのサイズのものがそれぞれ用意され、電子部品基板1の厚さt、電子部品3のサイズを基準にして組合せが決定される。
【0027】
押圧ロール36は、搬送ベルト14の直下に位置する支持ロール18と協働して、電子部品基板1の先頭部位を分割する機能を発揮するが、押圧ロール36は、スライドブロック34と一体なテーパブロック34Dのテーパ部34dの先端部(頂部)に形成された溝部34a内に全長にわたり回転可能に保持されるので、分割時の押圧ロール36の撓みが抑制され、押圧ロール36による押圧力が電子部品基板1の分割加工溝4に均一に作用する結果、電子部品基板1の分割を確実にする。
【0028】
次に上記構成の分割装置Sを用いて、電子部品基板1を個々の超小型サイズの電子部品3に分割する方法を説明する。
【0029】
最初に、電子部品基板1の厚さtおよび実装される電子基板3のサイズに合わせて、押圧ロール36および支持ロール18の組合せを決定し、押圧ロール36および支持ロール18の高さ方向および水平方向位置を調整する。次に、電子部品基板1を搬送ベルト14上に載せ、モータ13を駆動して、搬送ベルト14上の電子部品基板1を下流側に搬送すると、図7(A)(B)に示すように、搬送ベルト14上を搬送される電子部品基板1の先頭部位fp、すなわち、電子部品基板1の周辺部1Aが、押圧ロール36の下面を通り、その先の支持ロール18の直上を乗り越えようとする。
【0030】
この時、支持ロール18の上端が反力支持面16aよりも所定高さHだけ上方に位置し、押圧ロール36が前記周辺部1Aの分割加工溝4位置を上から押圧し、当該分割加工溝4を起点とする上向きの曲げ力が先頭部位fp(周辺部1A)に強く作用し、図8に示すように、先頭部位fpが電子部品基板1から容易に分割される。
【0031】
次に、先頭に位置する1列目の電子部品列U1が、押圧ロール36の下面を通り、その先の支持ロール18の直上を乗り越えようとすると、この時も、支持ロール18と押圧ロール36の協働により分割加工溝4を起点とする上向きの曲げ力が先頭の電子部品列U1に強く作用し、同電子部品列U1が電子部品基板1から容易に分割される。
【0032】
同様にして、次の2列目の電子部品列U2が、支持ロール18の直上を通過する時に、次の分割加工溝4を起点とする上向きの曲げ力が同電子部品列U2に強く作用して、同電子部品列U2が電子部品基板1の本体から容易に分割される。このようにして、図9(A)に示すように、電子部品基板1の全ての電子部品列U1~Unが順次分割され、下流側に搬送され、収容部20に収容される。
【0033】
次に、収容部20に収容された個々の電子部品列U1~Unを搬送ベルト14の上流側に移送し、図9(B)に示すように、各電子部品列U1~Unの向きを90度変えて、1個又は複数個まとめて搬送ベルト14上に載せる。そして、再びモータ13を駆動して、搬送ベルト14上の個々の電子部品列U1~Unを下流側に搬送すると、搬送ベルト14上の電子部品列U1~Unの個々の電子部品3・・・が、先頭の電子部品3から順次分割される。すなわち、先頭の電子部品3が、押圧ロール36の下面を通り、その先の支持ロール18の直上を乗り越えようとする時、直後の分割加工溝4を起点とする上向きの曲げ力が先頭の電子部品3に強く作用し、同電子部品3が電子部品列U1・・・の各本体から分割される。
【0034】
このようにして、分割装置Sを用いて、電子部品基板1を個々の電子部品列U1~Unに、さらに個々の電子部品列U1~Unを個々の電子部品3・・・に簡単に分割することができる。
【0035】
本実施形態の分割装置Sによると、1辺2mm以下、さらには1辺1mm以下の超小型サイズの電子部品を実装した電子部品基板を個々の超小型サイズの電子部品に分割することができる。本実施形態の分割装置Sは、搬送ベルト14の直下の支持ロール18が、搬送ベルト14の直上に位置する押圧ロール36と協働して、電子部品基板1の先頭部位fpを分割する機能を発揮する。
【0036】
すなわち、本実施形態の分割装置Sでは、電子部品基板1の分割時に、搬送ベルト14の直下の長尺な支持ロール18は、支持ブロック17のテーパ部17c頂部の溝部17a内に全長にわたり回転可能に保持されているので、分割時の支持ロール18の撓みが抑制され、押圧ロール36による押圧力を全長にわたり均一に支持し、また、搬送ベルト14の直上の長尺な押圧ロール36は、スライドブロック34と一体なテーパブロック34Dのテーパ部34cの先端に形成された溝部34a内に全長にわたり回転可能に保持されるので、分割時の押圧ロール36の撓みが抑制され、押圧ロール36による押圧力が電子部品基板1の分割加工溝4に均一に作用し、両ロール18,36の協働作用により、電子部品基板1の分割を確実にすることができる。
【0037】
本実施形態の分割装置Sによると、支持ロール18と押圧ロール36の小径化、両ロールの上下方向および前後方向の間隔の狭小化を同時に実現できるので、1辺2mm以下の超小型サイズの電子部品、さらには1辺1mm以下の超小型サイズの電子部品に対し、電子部品基板の分割を効率よく行える。
【0038】
本実施形態の分割装置Sは、分割後の電子部品列U1~Unを上流側に移送して、再び搬送ベルト14上を下流側に搬送させ、個々の電子部品3に分割するようにしたが、搬送ベルト14の下流に第2搬送ベルトを配置し、分割後の電子部品列U1~Unをロボットアームで90度旋回し、第2搬送ベルトに移送し、第2搬送ベルト上で、分割装置Sの分割機構(反力支持面16a、支持ロール18、押圧ロール36等)により、個々の電子部品3に分割するようにしてもよい。
【0039】
かくして、本発明の電子部品基板の分割装置によれば、電子部品基板を1辺2mm以下の超小型サイズの電子部品に効率よく分割することができる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、複数の電子部品を実装した電子部品基板を個々の電子部品毎に分割する装置として利用可能である。
【符号の説明】
【0041】
1 電子部品基板
1A 基板の周辺部
2 基板本体
3 電子部品
4 分割加工溝
10 下部ユニット
11 ベースフレーム
12 足部
13,32 モータ
14 搬送ベルト
15 プーリー
16 反力支持板
16a 反力支持面
17 支持ブロック
17A,34A 側部
17B 中央部
17C,34D テーパブロック部
17c,34d テーパ部
17a,34a 溝部
18 支持ロール
20 収容部
21 伝達ベルト
22 同期歯車
30 上部ユニット
31 上部フレーム
33 エアシリンダ
34 スライドブロック
34B 上部連結部
34C 下部連結部
34D1 中央テーパブロック部
34D2 側部テーパブロック部
34b 軸穴
35 ガイド部
36 押圧ロール
37 送りベルト
fp 先頭部位
t 基板の厚さ
H 反力支持面から支持ロールの上端までの高さ
U1~Un 電子部品列
W 基板の分割幅寸法
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10