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特開2023-34895炭酸マイクロバブル混合水の製造器及び製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023034895
(43)【公開日】2023-03-13
(54)【発明の名称】炭酸マイクロバブル混合水の製造器及び製造方法
(51)【国際特許分類】
   A47K 3/28 20060101AFI20230306BHJP
   A61H 33/02 20060101ALI20230306BHJP
   B05B 1/18 20060101ALI20230306BHJP
   B01F 21/00 20220101ALI20230306BHJP
   B01F 25/40 20220101ALI20230306BHJP
   A61K 8/19 20060101ALI20230306BHJP
   B01F 23/20 20220101ALI20230306BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20230306BHJP
【FI】
A47K3/28
A61H33/02 A
B05B1/18
B01F1/00 B
B01F5/06
A61K8/19
B01F3/04 Z
A61Q19/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021141360
(22)【出願日】2021-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】512083883
【氏名又は名称】株式会社ホットアルバム炭酸泉タブレット
(74)【代理人】
【識別番号】100073210
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 信昭
(74)【代理人】
【識別番号】100173668
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 吉之助
(72)【発明者】
【氏名】小星 重治
【テーマコード(参考)】
2D132
4C083
4C094
4F033
4G035
【Fターム(参考)】
2D132FA17
2D132FC04
2D132FJ15
2D132FJ20
4C083AB131
4C083AB132
4C083CC25
4C083DD23
4C083DD27
4C083EE12
4C094AA01
4C094BC11
4C094DD17
4C094EE22
4C094GG05
4F033AA11
4F033BA04
4F033DA05
4F033EA01
4F033JA06
4F033LA09
4G035AA08
4G035AA09
4G035AB04
4G035AB27
4G035AC26
4G035AE01
4G035AE13
4G035AE17
(57)【要約】
【目的】使用中のシャワーヘッドのシャワー放水構成に影響を与えることなく炭酸マイクロバブル発生効果を付加することができる炭酸マイクロバブルの製造器及び製造方法を提供する。
【構成】ホース後端の接続部とシャワーヘッドの接続部との間に、固形の炭酸入浴剤を湯水の送水経路中に留置させる入浴剤収容部を配設し、
ホースからシャワーヘッドへ送水される湯水によって炭酸入浴剤が溶解して炭酸マイクロバブルが発生すると共に湯水と混合して炭酸マイクロバブル混合水が生成され、この炭酸マイクロバブル混合水がシャワーヘッドの湯水噴出孔から放出される構成において、
製造器が、ホース後端の接続部とシャワーヘッドの接続部との間に着脱可能に接続される構成であり、
入浴剤収容部の下流側に1枚又は複数枚の網状体が配設され、発生した炭酸マイクロバブルが網状体を通過して更に細分化される構成であることを特徴とする。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前記入浴剤収容部が設けられた炭酸マイクロバブル混合水の製造器が、シャワーヘッドとは別体構成であると共に、ホース後端の接続部とシャワーヘッドの接続部との間に着脱可能に接続される構成であり、
該製造器の本体が、ホース後端の接続部と接続するホース接続部と、シャワーヘッドの接続部と接続するシャワーヘッド接続部と、を有すると共に内部に入浴剤収容部を有し、
該製造器がシャワーヘッドとホースの両方との接続を維持した状態のまま前記入浴剤収容部に炭酸入浴剤を収容するための開口部の開閉が可能な構成であること、
を特徴とする炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【請求項2】
前記製造器の本体が、ホースに接続するホース側本体部と、シャワーヘッドに接続するシャワーヘッド側本体部と、の少なくとも2部材を接合すると共に、これら2部材の何れか一方又は両方の内部に入浴剤収容部を有する構成であり、
ホース側本体部とシャワーヘッド側本体部との接合部分は完全に分離することなく少なくとも一部が接続を維持した状態のまま一方を他方に対してスライド移動させることにより入浴剤収容部の開口部の開閉が可能な構成であること、
を特徴とする請求項1に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【請求項3】
前記製造器の本体が、ホースに接続するホース側本体部と、シャワーヘッドに接続するシャワーヘッド側本体部と、入浴剤収容部と、の少なくとも3部材から成り、ホース側本体部とシャワーヘッド側本体部とが内部に入浴剤収容部を収納した状態で接合される構成であり、
該ホース側本体部とシャワーヘッド側本体部は一方が他方に対して水流方向に離開するように且つ少なくとも一部の接合を維持した状態でスライド移動可能であり、この離開した部分から内部の入浴剤収容部の少なくとも一部が露出し、この露出した部分に入浴剤収容部の開口部が設けられた構成であること、
を特徴とする請求項1に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【請求項4】
ホース側本体部及びシャワーヘッド側本体部の何れか一方又は両方に、スライド移動による離開を規制するロック機構が設けられており、ホース側本体部とシャワーヘッド側本体部のいずれか一方を他方に対して水流方向を軸芯とする回動によって前記ロック機構を解除することによりスライド移動による離開が可能となる構成であることを特徴とする請求項2又は3に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【請求項5】
スライド移動による離開範囲が、少なくとも入浴剤収容部の開口部が離開した部分から露出するまでであると共に、該開口部が露出したところまででスライド移動が規制されて止まる構成であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【請求項6】
ホースから送水される湯水は入浴剤収容部に直線的に送水されることなく該湯水はホース側本体部の内側と入浴剤収容部の外側との間を通って迂回した後に入浴剤収容部に入り込む構成であることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【請求項7】
シャワーヘッドの湯水噴出孔から放出する湯水のpHが6.8~8.5であることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【請求項8】
製造器の本体の少なくとも一部が透明部材で構成されており、この透明部材の部分を通して前記入浴剤収容部の内部を目視可能であることを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【請求項9】
入浴剤収容部の下流側に1枚又は複数枚の網状体が配設され、発生した炭酸マイクロバブルが前記網状体を通過して更に細分化される構成であることを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【請求項10】
1枚又は複数枚の網状体が網状体収容部に収容されており、該網状体収容部が製造器の本体の内部に設けられた構成であることを特徴とする請求項9に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【請求項11】
1枚又は複数枚の網状体が網状体収容部に収容されており、該網状体収容部が前記製造器の本体と別体構成であり、該本体と前記シャワーヘッドとの間に着脱可能に接続される構成であることを特徴とする請求項9に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【請求項12】
前記入浴剤収容部が設けられた炭酸マイクロバブル混合水の製造器が、シャワーヘッドとは別体構成であると共に、ホース後端の接続部とシャワーヘッドの接続部との間に着脱可能に接続する構成であり、
該製造器の本体が、ホース後端の接続部と接続するホース接続部と、シャワーヘッドの接続部と接続するシャワーヘッド接続部と、を有すると共に内部に入浴剤収容部を有し、
該製造器がシャワーヘッドとホースの両方との接続を維持した状態のまま前記入浴剤収容部に炭酸入浴剤を収容するための開口部の開閉が可能な構成であり、
この製造器をホースとシャワーヘッドとの間に介在させた状態で接続して用いること、
を特徴とする炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【請求項13】
前記製造器の本体が、ホースに接続するホース側本体部と、シャワーヘッドに接続するシャワーヘッド側本体部と、の少なくとも2部材を接合した構成であり、
ホース側本体部とシャワーヘッド側本体部との接合部分は完全に分離することなく少なくとも一部が接続を維持した状態のまま一方を他方に対してスライド移動させることにより入浴剤収容部の開口部の開閉が可能な構成であること、
を特徴とする12に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【請求項14】
前記製造器の本体が、ホースに接続するホース側本体部と、シャワーヘッドに接続するシャワーヘッド側本体部と、入浴剤収容部と、の少なくとも3部材から成り、ホース側本体部とシャワーヘッド側本体部とが内部に入浴剤収容部を収納した状態で接合される構成であり、
該ホース側本体部とシャワーヘッド側本体部は一方が他方に対して水流方向に離開するように且つ少なくとも一部の接合を維持した状態でスライド移動可能であり、この離開した部分から内部の入浴剤収容部の少なくとも一部が露出し、この露出した部分に入浴剤収容部の開口部が設けられた構成であること、
を特徴とする請求項12に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【請求項15】
ホース側本体部及びシャワーヘッド側本体部の何れか一方又は両方に、スライド移動による離開を規制するロック機構が設けられており、ホース側本体部とシャワーヘッド側本体部のいずれか一方を他方に対して水流方向を軸芯とする回動によって前記ロック機構を解除した後、該ホース側本体部とシャワーヘッド側本体部のいずれか一方を他方に対してスライド移動して離開させて入浴剤収容部の開口部を露出させ、該開口部に炭酸入浴剤を収容する構成であることを特徴とする請求項13又は14に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【請求項16】
入浴剤収容部の下流側に1枚又は複数枚の網状体を配設し、発生した炭酸マイクロバブルを前記網状体を通過させて更に細分化させる構成であることを特徴とする請求項12~15のいずれかに記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は血行促進などの炭酸泉入浴効果を著しく向上させ炭酸マイクロバブル効果を併せ持つ炭酸マイクロバブル混合水の製造方法、及び前記炭酸マイクロバブル混合水を簡易に得られる製造器に関する。
【背景技術】
【0002】
重炭酸塩(炭酸水素ナトリウム又は炭酸水素カリウム)と、有機酸とを含む混合物を打錠等によって成型し、発泡性組成物(固形物)とすることは、洗浄剤、入浴剤、風呂水清浄剤、プール用殺菌剤等の製品に適用されている。これらの製品(固形物)は、水に投入すると、その成分が反応して炭酸ガスを発生しつつ速やかに溶解する利点を有すると同時に、消費者に快適な使用感を与えるので商品価値を高める効果があり、特に浴剤(入浴剤ということもある。)においては、発生する炭酸ガスの血行促進効果が積極的に利用されている。
【0003】
一方、マイクロバブルと称される、例えば直径0.05mm以下の微細気泡は、濁水や排水の浄化処理、生活用水の殺菌等に広く利用されており、例えば、水浄化処理施設などの濁水処理槽中でマイクロバブルを発生した場合には濁水中に浮遊している汚濁物に気泡を付着させて浮上分離させることができ、湖沼や養殖池等の閉鎖水域でマイクロバブルを発生させた場合には水中への酸素の溶解を促すことができる等の効果を有するものである。
【0004】
従来、このマイクロバブルを利用したマイクロバブルシャワーとして、旋回流を利用した水道水圧使用型のものが知られている(特許文献1参照)。
【0005】
また、炭酸ガス発生成分を湯水に溶解させる技術と、マイクロバブルを発生させて液体中の浄化殺菌を行う技術とを組み合わせたものも知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
特許文献1の技術は、各種入浴剤の如き炭酸ガス発生体を気体発生体として気液混合装置内に配設し、更に該気液混合装置の吐出口側をシャワーヘッドに接続する構成により、入浴成分とマイクロバブルとを混合した湯水をシャワーヘッドから吐出させ、このことによって、洗浄効果と血行促進等の健康増進効果をも期待できる技術である。
一方、炭酸ガス入浴錠剤をシャワーヘッド内の吐出口付近に収容した技術も知られている(特許文献3~5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008-229516号公報
【特許文献2】特開2011-194390号公報
【特許文献3】特許第4177660号
【特許文献4】実用新案登録第3183630号
【特許文献5】実用新案登録第3066561号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記背景技術に挙げた公知技術では、水道水圧の水流による溶解によって従来の入浴剤成分や錠剤では、速やかに溶解してしまい、炭酸ガス発生浴剤の溶解持続時間がきわめて短く、また発泡する泡の径が極めて大きく、体に触れても皮膚や血管中への作用は起き難いという問題があった。特に、シャワーによる湯水の掛流しの場合、シャワーヘッドから吐出する湯水は身体に触れた後は速やかに流れ落ちてしまうため、浴槽内の湯に漬かる場合に比して身体と湯水との接触時間が短く、接触熱容量も面積も大きくない。そのため、前記した炭酸成分による血行促進等の健康増進効果を得るには、身体への接触確立を最大にするためには泡の径が大きすぎること、及び、入浴錠剤の溶解持続時間が短いことが、致命的であることを本発明者は突き止めた。
【0009】
そこで、本出願人は、先に「炭酸ガス成分を混合したマイクロバブル混合水をシャワー吐出した場合であっても、通常のシャワーの使用時間中、炭酸成分を持続的に供給可能で、炭酸ガスの泡径がミクロサイズで体への接触量が大きく、かつ炭酸成分の経皮吸収効率が瞬間的に行われる炭酸入浴錠剤成分によって、血行促進等の健康増進効果を十分に発揮することが期待できるマイクロバブル混合水の製造器を提供すること」を課題とする特許出願(特願2012-236289)を行った。この先出願に係る発明は、その解決手段として、「湯水の導入口と吐出口との間に設けられたマイクロバブル発生部を有する通水路に導入された湯水と、前記マイクロバブル発生部に収容された炭酸入浴錠剤を湯水によって溶解させて得られるマイクロバブル(微細気泡)と、を混合し、前記吐出口から吐出させて、マイクロバブル混合水を得るマイクロバブル混合水の製造方法において、前記マイクロバブル発生部に収容される炭酸入浴錠剤が重炭酸塩、有機酸及びポリエチレングリコールの存在下で、圧縮成形して直径及び厚みがそれぞれ7mm以上、硬度が特定値以上であり、錠剤を湯水に溶かした直後のPHが5.5から8.5の範囲となる錠剤であることを特徴とするマイクロバブル混合水の製造器」を提案した。
【0010】
この先出願に係る発明によれば、「炭酸ガス成分の発生が長時間持続することになるので、炭酸ガス成分が溶解したマイクロバブル混合水と身体との接触時間が長くなり血行促進等の健康増進効果の向上を手軽に図ることができる」等の効果を得ることができる。
【0011】
しかし、本発明者は、この先出願に係る発明について、更に研究を続けたところ、マイクロバブル混合水の製造器に収容される炭酸入浴剤についての工夫だけでは、強い水流に曝され、急速に、短時間で溶解してしまい、重炭酸イオンの身体への接触時間が短くなり、身体を温める十分な効果が得られ難い不都合があるだけではなく、前半に高い濃度の重炭酸シャワーを浴びてしまい、後半は水だけの淡水シャワーとなってしまうため、シャワーを浴びる1回のバスタイム内で、新たな錠剤に交換しなければならず、洗剤やシャンプー剤等で手が滑る中で、シャワーヘッドの開放部を開けての交換作業は煩雑でやり難いという問題点があることを見出した。
【0012】
以上のことから、本発明者は、錠剤状の炭酸入浴剤を収容したマイクロバブル混合水を製造するためのシャワー機器を使用して、炭酸ガスマイクロバブル混合水をシャワー吐出する場合において、血行促進等の健康増進効果を高め、適度な濃度の重炭酸シャワーを長時間享受できる効果を維持しつつ、錠剤状の炭酸入浴剤の溶解速度を最適化し、該錠剤を長持ちさせ、該炭酸入浴剤の交換頻度を減少させることで、ランニングコストも抑えることができるシャワー機器について研究を続けている。
【0013】
そこで本発明の課題は、炭酸入浴剤を簡単かつ容易に短時間で交換・装填することができる構成の炭酸ガスマイクロバブル混合水を吐出することができる炭酸マイクロバブル混合水の製造器及び製造方法を提供することにある。
更に本発明の課題は、既存のシャワーヘッドを使用したままであっても炭酸マイクロバブルシャワーを浴することができる炭酸マイクロバブル混合水の製造器及び製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
1.前記入浴剤収容部が設けられた炭酸マイクロバブル混合水の製造器が、シャワーヘッドとは別体構成であると共に、ホース後端の接続部とシャワーヘッドの接続部との間に着脱可能に接続される構成であり、
該製造器の本体が、ホース後端の接続部と接続するホース接続部と、シャワーヘッドの接続部と接続するシャワーヘッド接続部と、を有すると共に内部に入浴剤収容部を有し、
該製造器がシャワーヘッドとホースの両方との接続を維持した状態のまま前記入浴剤収容部に炭酸入浴剤を収容するための開口部の開閉が可能な構成であること、
を特徴とする炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【0015】
2.前記製造器の本体が、ホースに接続するホース側本体部と、シャワーヘッドに接続するシャワーヘッド側本体部と、の少なくとも2部材を接合すると共に、これら2部材の何れか一方又は両方の内部に入浴剤収容部を有する構成であり、
ホース側本体部とシャワーヘッド側本体部との接合部分は完全に分離することなく少なくとも一部が接続を維持した状態のまま一方を他方に対してスライド移動させることにより入浴剤収容部の開口部の開閉が可能な構成であること、
を特徴とする上記1に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【0016】
3.前記製造器の本体が、ホースに接続するホース側本体部と、シャワーヘッドに接続するシャワーヘッド側本体部と、入浴剤収容部と、の少なくとも3部材から成り、ホース側本体部とシャワーヘッド側本体部とが内部に入浴剤収容部を収納した状態で接合される構成であり、
該ホース側本体部とシャワーヘッド側本体部は一方が他方に対して水流方向に離開するように且つ少なくとも一部の接合を維持した状態でスライド移動可能であり、この離開した部分から内部の入浴剤収容部の少なくとも一部が露出し、この露出した部分に入浴剤収容部の開口部が設けられた構成であること、
を特徴とする上記1に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【0017】
4.ホース側本体部及びシャワーヘッド側本体部の何れか一方又は両方に、スライド移動による離開を規制するロック機構が設けられており、ホース側本体部とシャワーヘッド側本体部のいずれか一方を他方に対して水流方向を軸芯とする回動によって前記ロック機構を解除することによりスライド移動による離開が可能となる構成であることを特徴とする上記2又は3に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【0018】
5.スライド移動による離開範囲が、少なくとも入浴剤収容部の開口部が離開した部分から露出するまでであると共に、該開口部が露出したところまででスライド移動が規制されて止まる構成であることを特徴とする上記1~3のいずれかに記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【0019】
6.ホースから送水される湯水は入浴剤収容部に直線的に送水されることなく該湯水はホース側本体部の内側と入浴剤収容部の外側との間を通って迂回した後に入浴剤収容部に入り込む構成であることを特徴とする上記1~5のいずれかに記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【0020】
7.シャワーヘッドの湯水噴出孔から放出する湯水のpHが6.8~8.5であることを特徴とする上記1~6のいずれかに記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【0021】
8.製造器の本体の少なくとも一部が透明部材で構成されており、この透明部材の部分を通して前記入浴剤収容部の内部を目視可能であることを特徴とする上記1~7のいずれかに記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【0022】
9.入浴剤収容部の下流側に1枚又は複数枚の網状体が配設され、発生した炭酸マイクロバブルが前記網状体を通過して更に細分化される構成であることを特徴とする上記1~8のいずれかに記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【0023】
10.1枚又は複数枚の網状体が網状体収容部に収容されており、該網状体収容部が製造器の本体の内部に設けられた構成であることを特徴とする上記9に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【0024】
11.1枚又は複数枚の網状体が網状体収容部に収容されており、該網状体収容部が前記製造器の本体と別体構成であり、該本体と前記シャワーヘッドとの間に着脱可能に接続される構成であることを特徴とする上記9に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【0025】
12.前記入浴剤収容部が設けられた炭酸マイクロバブル混合水の製造器が、シャワーヘッドとは別体構成であると共に、ホース後端の接続部とシャワーヘッドの接続部との間に着脱可能に接続する構成であり、
該製造器の本体が、ホース後端の接続部と接続するホース接続部と、シャワーヘッドの接続部と接続するシャワーヘッド接続部と、を有すると共に内部に入浴剤収容部を有し、
該製造器がシャワーヘッドとホースの両方との接続を維持した状態のまま前記入浴剤収容部に炭酸入浴剤を収容するための開口部の開閉が可能な構成であり、
この製造器をホースとシャワーヘッドとの間に介在させた状態で接続して用いること、
を特徴とする炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【0026】
13.前記製造器の本体が、ホースに接続するホース側本体部と、シャワーヘッドに接続するシャワーヘッド側本体部と、の少なくとも2部材を接合した構成であり、
ホース側本体部とシャワーヘッド側本体部との接合部分は完全に分離することなく少なくとも一部が接続を維持した状態のまま一方を他方に対してスライド移動させることにより入浴剤収容部の開口部の開閉が可能な構成であること、
を特徴とする12に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【0027】
14.前記製造器の本体が、ホースに接続するホース側本体部と、シャワーヘッドに接続するシャワーヘッド側本体部と、入浴剤収容部と、の少なくとも3部材から成り、ホース側本体部とシャワーヘッド側本体部とが内部に入浴剤収容部を収納した状態で接合される構成であり、
該ホース側本体部とシャワーヘッド側本体部は一方が他方に対して水流方向に離開するように且つ少なくとも一部の接合を維持した状態でスライド移動可能であり、この離開した部分から内部の入浴剤収容部の少なくとも一部が露出し、この露出した部分に入浴剤収容部の開口部が設けられた構成であること、
を特徴とする上記12に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【0028】
15.ホース側本体部及びシャワーヘッド側本体部の何れか一方又は両方に、スライド移動による離開を規制するロック機構が設けられており、ホース側本体部とシャワーヘッド側本体部のいずれか一方を他方に対して水流方向を軸芯とする回動によって前記ロック機構を解除した後、該ホース側本体部とシャワーヘッド側本体部のいずれか一方を他方に対してスライド移動して離開させて入浴剤収容部の開口部を露出させ、該開口部に炭酸入浴剤を収容する構成であることを特徴とする上記13又は14に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【0029】
16.入浴剤収容部の下流側に1枚又は複数枚の網状体を配設し、発生した炭酸マイクロバブルを前記網状体を通過させて更に細分化させる構成であることを特徴とする上記12~15のいずれかに記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【発明の効果】
【0030】
請求項1又は請求項12に示す発明によれば、入浴剤収容部をホース後端の接続部とシャワーヘッドの接続部との間に接続する構成、即ち、シャワーヘッドよりも上流側に配設する構成によって、使用中のシャワーヘッドのシャワーの噴射形態や放水量はそのままの状態、或いは、種々の放水モードが備わっているシャワーヘッドの場合には各放水モードに影響を与えることなく、シャワーヘッドのすぐ上流の位置で炭酸マイクロバブル発生効果を付加することができる。
また、これらの効果は日ごろ使用しているシャワーヘッドに限らず、旅先のホテルやスポーツジム等に配備されている既存のシャワーヘッドとしても適用することができる。
更に、製造器の本体のホース側本体部とシャワーヘッド側本体部とをスライド移動によって離開することにより入浴剤収容部の開口部を露出させて炭酸入浴剤の収容ができるので、入浴前は勿論のこと、入浴中であっても炭酸入浴剤を簡単かつ容易に短時間で交換・装填することができる。
特に、製造器がシャワーヘッドとホースの両方との接続を維持した状態のまま炭酸入浴剤を収容することができるので、ホースとシャワーヘッドとが完全に分離されて別体とならない。従って、入浴時において濡れた手で炭酸入浴剤の収容作業を行った場合であってもシャワーヘッドを浴室の床に取り落としてしまうおそれがなく、シャワーヘッドの破損・浴室床の損傷を防ぐことができる。
【0031】
請求項2又は請求項13に示す発明によれば、製造器の本体が少なくとも2部材構成であるため、極めて簡単な構成が故に破損・故障の問題が生じ難い。
特に、製造器がシャワーヘッドとホースの両方との接続を維持した状態のまま炭酸入浴剤を収容することができるので、ホースとシャワーヘッドとが完全に分離されて別体とならない。従って、入浴時において濡れた手で炭酸入浴剤の収容作業を行った場合であってもシャワーヘッドを浴室の床に取り落としてしまうおそれがなく、シャワーヘッドの破損・浴室床の損傷を防ぐことができる。
【0032】
請求項3又は請求項14に示す発明によれば、製造器の本体が少なくとも3部材構成であるため、極めて簡単な構成が故に破損・故障の問題が生じ難い。
特に、製造器がシャワーヘッドとホースの両方との接続を維持した状態のまま炭酸入浴剤を収容することができるので、ホースとシャワーヘッドとが完全に分離されて別体とならない。従って、入浴時において濡れた手で炭酸入浴剤の収容作業を行った場合であってもシャワーヘッドを浴室の床に取り落としてしまうおそれがなく、シャワーヘッドの破損・浴室床の損傷を防ぐことができる。
【0033】
請求項4又は請求項15に示す発明によれば、ロック機構をロックすることによりシャワー使用中にホース側本体部とシャワーヘッド側本体部とがスライド移動して離開することを防止することができると共に、ロック解除によって容易にスライド移動による離開が可能である。また、このロック機構のロックとロック解除はホース側本体部・シャワーヘッド側本体部の回動によって極めて容易且つ簡単に可能である。
【0034】
請求項5に示す発明によれば、スライド移動範囲が、入浴剤収容部への炭酸入浴剤を収容する際に必要充分な範囲であると共に、ホースに接続されたホース側本体部とシャワーヘッドに接続されたシャワーヘッド側本体部とが分離してしまうことを防止することができる。従って、入浴時に炭酸入浴剤を新たに収容する際に手指やシャワーヘッドが濡れていても容易に収容が可能である。特に、シャワーヘッド側とホース側とが分離することなく炭酸入浴剤の収容が可能であるため使い勝手が極めて良い。
【0035】
請求項6に示す発明によれば、入浴剤収容部に収容された炭酸入浴剤にホースから送水された湯水が直撃することなく迂回によって衝撃が和らげられるため炭酸入浴剤の急激な減りを抑制することができる。
【0036】
請求項7に示す発明によれば、湯水噴出孔から放出する湯水のpHが中性を保つことにより湯水中に重炭酸イオンが多く存在することになるため血行促進効果や洗浄効果が多く期待できる。
【0037】
請求項8に示す発明によれば、錠剤収容部に収容された炭酸入浴剤の溶解状態を外部から常に容易に把握することができる。
【0038】
請求項9又は請求項16に示す発明によれば、入浴剤収容部で発生した炭酸マイクロバブルを、その下流側に配設した網状体を通過させることによって更に細分化された微細な炭酸マイクロバブル(炭酸ナノバブル)となるので、血行促進効果や洗浄効果等が一段と向上することになる。細分化の程度は、配設する網状体の網目メッシュの大きさ、網状体の配設枚数によって適宜設定することができる。
【0039】
請求項10に示す発明によれば、ホース後端とシャワーヘッドとの間に介在させた状態で接続することによって、炭酸入浴剤を用いた炭酸マイクロバブルよりも血行促進効果や洗浄効果等が一段と向上した細分化された微細な炭酸マイクロバブル(炭酸ナノバブル)を得ることができる。
【0040】
請求項11に示す発明によれば、入浴剤収容部と網状体収容部とが別体構成であるため、この網状体収容部を製造器本体とシャワーヘッドとの間に介在させた状態で接続するだけで、入浴剤収容部で発生した炭酸マイクロバブルが更に細分化した炭酸マイクロバブル(炭酸ナノバブル)と成るので一段と向上した炭酸マイクロバブル発生効果を得ることができる。
更に、より細分化された微細な炭酸マイクロバブル(炭酸ナノバブル)までは求めずに通常の炭酸マイクロバブル程度でよい場合は網状体収容部を接続しない状態も容易に選択可能である。
更にまた、ホース後端の接続部とシャワーヘッドの接続部との間に、網状体を収容した網状体収容部のみを配設する構成とすれば、炭酸マイクロバブルシャワーではなく単なるマイクロバブルシャワーとして用いることもできる。
【0041】
尚、本発明において、「湯水」とは、いわゆる水、若しくは加温乃至は加熱してある湯又はこの両者の混合物をいう。また、「マイクロバブル」とは、いわゆる微細気泡と称されるものをいう。尚また、本発明において、「量」は特に断りのない限り「質量」を表し、「%」は特に断りのない限り「質量%」を表し、「部」は特に断りのない限り「質量部」を表す。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】炭酸マイクロバブル混合水の参考例の製造器・製造方法の概略構成図
図2】入浴剤収容部がシャワーヘッドの内部に設けられた構成の参考例において入浴剤収容部への炭酸入浴剤の収容構成を説明する概略正面図
図3図2の概略平面図
図4】ヘッド部と背面部とのロック機構を説明する参考例の要部概略端面図
図5図4に示すロック機構のロック状態を説明する参考例の部分概略断面図
図6】入浴剤収容部への湯水の迂回送水構成を説明する参考例の概略構成図
図7】入浴剤収容部の内部を目視可能であることを説明する参考例の概略右側面図
図8】入浴剤収容部がシャワーヘッドと別体に設けられた構成の本発明の実施例において入浴剤収容部への炭酸入浴剤の収容構成を説明する概略斜視図
図9図8の概略断面図
図10図8の実施例の部品構成を説明する分散斜視図
図11】入浴剤収容部がシャワーヘッドと別体に設けられた構成の他の実施例において入浴剤収容部への炭酸入浴剤の収容構成を説明する概略斜視図
図101】炭酸マイクロバブル混合水の製造器の他の参考例を示す概略分解正面図
図102図101に示す炭酸マイクロバブル混合水の製造器に用いられる網状体の一例を示す2面図(左側面図、正面図)
図103図101に示す炭酸マイクロバブル混合水の製造器の網状体収容部への網状体の収容状態を説明する要部説明断面図
図104】複数枚(2枚)の網状体を収容する場合の収容状態の一例を説明する概略説明図
図105】複数枚(2枚)の網状体を収容する場合の収容状態の他の例を説明する概略説明図
図106】複数枚(2枚)の網状体を収容する場合の収容状態の更に他の例を説明する概略説明図
図107】別の本発明に係る炭酸マイクロバブル混合水の製造器の他の参考例を示す概略分解正面図
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明に係る炭酸マイクロバブル混合水の製造器(以下、単に製造器ということもある。)、及び炭酸マイクロバブル混合水の製造方法(以下、単に製造方法ということもある。)について図面に基づき説明する。
【0044】
図1に示すように、製造器1は、固形の炭酸入浴剤4を湯水の流路中に留置させる入浴剤収容部11が設けられ、ホース3からシャワーヘッド2へ送水される湯水によって前記入浴剤収容部11に収容した炭酸入浴剤4を溶解して炭酸マイクロバブルを発生させると共に湯水と混合して炭酸マイクロバブル混合水を生成し、この炭酸マイクロバブル混合水をシャワーヘッド2の湯水噴出孔21から放出(シャワー吐出)する構成を有するものであり、かかる構成によって炭酸泉入浴効果とマイクロバブル効果を併せ持つ炭酸マイクロバブル混合水を簡易に得ることにより洗浄効果と血行促進等の健康増進効果をも期待できる技術である。
【0045】
本発明の詳細な説明をする前に、先ず、本発明の製造器及び製造方法の参考例について説明する。
参考例は、図2図7に示すように炭酸入浴剤4を収容する入浴剤収容部11がシャワーヘッド2の内部に設けられた態様である。
【0046】
シャワーヘッド2が、持ち手部22と、該持ち手部22の長手方向に直交する方向に向けて前記湯水噴出孔21が設けられたヘッド部23と、を有して成り、
該ヘッド部23の内部に前記入浴剤収容部11が設けられ、前記湯水噴出孔21が設けられた側をヘッド部23の正面側とした時に該ヘッド部23の背面側となる背面部24が背面方向にスライド移動可能であり、この背面部24を背面方向にスライド移動させることによってヘッド部23から前記入浴剤収容部11の開口部12が露出するように前記入浴剤収容部11を引き出すことが可能であり、引き出されて露出した開口部12から前記炭酸入浴剤4を入浴剤収容部11に収容することが可能な構成であること、を主構成とする。
尚、湯水の送水構成としては、シャワーヘッド2の持ち手部22の一端にヘッド部23が設けられ、他端にホース3が接続される接続部が設けられ、ホース3から送水される湯水は持ち手部22の内部に設けられた流路を通ってヘッド部23内に送水される構成である。
【0047】
ヘッド部23に対して背面部24がシャワー使用時に不用意に背面方向にスライド移動することを防止するためにロック機構によってスライド移動が規制されており、入浴剤収容部11に炭酸入浴剤4を収容する際は前記ロック機構を解除することにより背面部24を背面方向にスライド移動させることができる構成となっている。
即ち、ヘッド部23及び背面部24の何れか一方又は両方に、背面部24のスライド移動を規制するロック機構が設けられており、このロック機構を背面部24の回動によって解除することにより該背面部24の背面方向へのスライド移動が可能となる構成である。
【0048】
背面部24のスライド移動を規制するロック機構の具体的構成例としては図4及び図5に示すように、背面部24側に設けられたロック爪部25が矢符X方向への回動によってヘッド部23側に設けられたロック溝部26に入り込むことによりロックされる構成を挙げることができる。
【0049】
ロック機構を解除するには、矢符Xと反対方向である矢符Y方向に背面部24を回動することによって、ロック溝部26からロック爪部25を退出させる。このロック機構の解除によってヘッド部23から背面部24を矢符Zで示す背面方向にスライド移動させることが可能となる。
【0050】
ヘッド部23からの背面部23のスライド移動範囲としては、図2及び図3に示すように、少なくとも入浴剤収容部11の開口部12がヘッド部23から露出する位置までであること、該開口部12が露出した位置でスライド移動が規制されて背面部24のヘッド部23からの引き出しが止まる位置であること、が好ましい。
【0051】
スライド移動の規制手段としては、例えば、ヘッド部23の内側部と入浴剤収容部11の外側部とのいずれか一方に凹部又は凸部等を設け他方に凸部又は凹部を設けること等によって、これらがスライド移動の終点部分で停止規制される等による構成を挙げることができる。
また、ヘッド部23に対する背面部24のスライド構成としては、例えば、ヘッド部23の内壁部分にガイド溝を設け、入浴剤収容部11の外側部分に前記ガイド溝に摺動掛止するガイド部材を設ける構成等を挙げることができる。
【0052】
入浴剤収容部11に収容された炭酸入浴剤4は、湯水がホース3を介してシャワーヘッド2の持ち手部22の流路を通ってヘッド部23に送られ、ヘッド部23に送られた湯水が該ヘッド部23内に設けられた入浴剤収容部11に入り込んで該入浴剤収容部11に収容された炭酸入浴剤4を溶解することによって炭酸マイクロバブルを発生することになるが、図6に示すように、ヘッド部22内に送水された湯水はヘッド部22の内側と入浴剤収容部11の外側との間を通って迂回した後に入浴剤収容部11に入り込む構成であることが好ましい。
かかる構成によれば、入浴剤収容部11に収容された炭酸入浴剤4にホース3から送水された湯水が直撃することなく迂回によって衝撃が和らげられるため炭酸入浴剤の急激な減りを抑制することができる。炭酸入浴剤4の急激な減りが抑制できることによって炭酸泉効果を長く持続することができる。
【0053】
入浴剤収容部11に収容されている炭酸入浴剤4の溶解状態をシャワー吐出中であっても外部から常に容易に把握することができるように、背面部24の少なくとも一部を透明部材で構成された窓部24Aを設け、この透明部材の部分である窓部24Aを通して前記入浴剤収容部11の内部を目視可能な構成とすることが好ましい。
【0054】
上記構成を有する製造器1によってシャワー吐出される炭酸泉マイクロバブル混合水は、シャワーヘッド2の湯水噴出孔21から放出された湯水のpHが6.8~8.5であることが好ましい。かかる構成によれば、湯水噴出孔21から放出する湯水のpHが中性を保つことにより湯水中に重炭酸イオンが多く存在することになるため血行促進効果や洗浄効果が多く期待できる。
【0055】
次に本発明に用いることができる炭酸入浴剤について説明する。
本発明に用いることができる炭酸入浴剤4は、その組成を問わず、固形のものであれば、いずれのものであってもよい。形状や大きさについても特に限定せず、錠剤状、球状、立方形状以外の顆粒状などであってもよい。例えば、最も好ましく用いられる炭酸入浴剤4としては、本発明者が先に提案した特許第6268332号公報に記載のものを挙げることができ、以下に例示する。
【0056】
重炭酸塩をポリエチレングリコール(以下「PEG」ということもある。)等で造粒した後、有機酸(特にクエン酸、コハク酸、リンゴ酸、フマル酸)等をPEGと混合してもしくは造粒し、それぞれを一定比率内の条件で混合し、本発明の賦形剤を加えて錠剤を圧縮成形によって成形し、錠剤の溶解直後のpHが下記範囲となるよう設計することで、錠剤に水が浸透するとき激しく均一にかつ持続的に炭酸ガスを発泡するよう反応させ、かつ発生する炭酸ガス泡はミクロサイズの微細炭酸ガスとして長時間発生させることができ、錠剤は溶解し終わるまでミクロサイズの泡を発泡し続け、泡が空気中に揮散するまえに水中で中和され重炭酸イオンに解離して高濃度の重炭酸イオンが溶存するよう水のpHは5.5から9.0であるよう設計され、好ましくは6.0から8.5、特に前記したように湯水噴出孔21から吐出された際のpHが6.8から8.5の範囲であるときに洗浄効果と血行促進等の健康増進効果という効果が最大限に発揮される。
【0057】
更に、重炭酸塩の混合物が流動層を用いて、PEGで、コーテイングして作成された造粒物であることにより、錠剤中での継続的で均一な反応など、前記効果の発現が大きく発揮される。
【0058】
また、錠剤硬度が15kg以上、好ましく25kg以上、特に好ましくは30kg以上に高硬度とされるほど、塩素中和化合物の継続的で安定な反応が得られ、錠剤内部での塩素中和反応を抑え錠剤が溶解した部分が湯中で塩素を迅速に除去するよう高硬度に成形されることが好ましい。
塩素除去効果が高いほど、シャワー入浴時の場合でも血行促進や体温上昇等の健康増進が大きい効果が発揮される
【0059】
更にまた、錠剤摩損度が10.0wt%以下、特に好ましくは5.0wt%以下、さらに好ましくは3.0wt%以下であるほど、塩素中和化合物の継続的安定な反応が得られ、錠剤内部での塩素中和反応効率を最大にできるだけでなく、シャワー入浴時の場合でさえも血行促進及び体温上昇等の健康増進効果を発揮できる。
【0060】
本発明に好ましく用いられる炭酸入浴剤の錠剤を作製する圧縮成形には、公知の圧縮成形機を特別の制限なく使用でき、例えば、油圧プレス機、単発式打錠機、ロータリー式打錠機、ブリケッティングマシンなどを用いることができる。この打錠機などに用いる杵の大きさは、杵が円形である場合は直径が7mm以上であることが好ましく、杵が三角形や四角形の場合、円形杵に換算して直径が7mm以上となるものが好ましい。そして杵の厚みについても同様である。円形の打錠品を得る場合、錠剤の直径は7mm以上が望ましく、より望ましくは10mm以上とし、厚みも7mm以上、好ましくは10mm以上とし、三角形や四角形等の錠剤とされる場合、円形錠剤に換算して、直径及び厚みの各々が7mm以上、特に10mm以上とすることが好ましい。
【0061】
炭酸入浴剤の錠剤は、必ずしも平面を持つ円形でなくてもよく、7mm以上の固形物であれば、楕円形でもいわゆるタブレット状でも球体でも、形は何ら制限されない。
【0062】
上記した硬度及び摩損度並びに一定サイズ以上の錠剤中でミクロサイズの発泡をゆっくり起こさせ、湯水中への炭酸ガスの溶解をより効率的に行うことが好ましく、そのため硬度は15kg以上、望ましくは25kg以上、特に好ましくは35kg以上であり、また摩損度は10.0wt%以下、好ましくは5wt%以下、特に好ましくは3wt%以下であり、直径や厚みは10mm以上が特に好ましく、錠剤中での炭酸ガスの発生がより効果的に起こり、水中への炭酸ガスの溶解が効率的に行われ、泡の径が細かくなり、本発明に用いて好ましい炭酸入浴剤となる。
【0063】
上記の参考例において、入浴剤収容部11の下流側に1枚又は複数枚の網状体を配設し、発生した炭酸マイクロバブルが前記網状体を通過して更に細分化される構成とすることが好ましい。網状体の配設は入浴剤収容部11と湯水噴出孔21との間、即ち、ヘッド部23の前面側の湯水噴出孔21の部分の内側であることが好ましい。
かかる構成によれば、入浴剤収容部11で発生した炭酸マイクロバブルを、その下流側に配設した網状体を通過させることによって更に細分化された微細な炭酸マイクロバブル(炭酸ナノバブル)となるので、血行促進効果や洗浄効果等が一段と向上することになる。細分化の程度は、配設する網状体の網目メッシュの大きさ、網状体の配設枚数によって適宜設定することができる。
また、網状体の配設によって、炭酸入浴剤4が溶解途中において欠片状に砕けてしまった場合や溶解が進んで小片状まで小さくなってしまった場合であっても、欠片状・小片状の炭酸入浴剤4を網状体で留めることができるので入浴剤収容部11近傍にて溶解させて炭酸マイクロバブルを発生させることができると共に、欠片状態の炭酸入浴剤4が湯水噴出孔21を塞いでしまうことを防止することができる。
【0064】
前記網状体は、入浴剤収容部11の下流側だけでなく上流側に配設することもできる。この上流側に網状体を配設することにより、溶解途中に砕けて欠片状に砕けたり、溶解が進んで小片状になった炭酸入浴剤4が製造器1の上流のホース3内に流れ込んでしまうことを防止することができる。
【0065】
上記の参考例において、製造器1の主要構成部材であるシャワーヘッド2は入浴剤収容部11が設けられた構成のものであるが、その他の構成、即ち、湯水噴出孔21の孔の直径・形状・数や孔群の配置・配列、素材構成やその他の構成については公知のいずれのものでよく、一般に、湯水が供給されるホース3と、該ホース3が接続される持ち手部22と、該持ち手部22と一体構成であると共に湯水噴出孔21を有するヘッド部23と、を有して成る構成を有するものであるが、持ち手部22とヘッド部23とは一体構成であってもよいし、別体で形成されたものを一体となるように接続又は結合したものであってもよいし、ヘッド部23が持ち手部22に対して向きや角度が変えられるように直接又は間接的に接続されたものであってもよいし、種々の放水モードを備えており気分や状況に応じて所望の放水モードを選択することができるものであってもよいし、少なくとも湯水噴出孔21を有するヘッド部23を備えた構成のもの、即ち、タイプ・形状・大きさ等が異なる様々な構成を有する既存の一般的なシャワーヘッド2を用いることができる。
【0066】
次に、本発明の製造器1及び製造方法の具体的構成の実施例について説明する。
本発明の製造器1及び製造方法は、図8図10に示すように炭酸入浴剤4を収容する入浴剤収容部11がシャワーヘッド2とは別体で設けられた態様である。
【0067】
本発明の特徴点は、入浴剤収容部11が設けられた炭酸マイクロバブル混合水の製造器1が、シャワーヘッド2とは別体構成であると共に、ホース3後端の接続部とシャワーヘッド2の接続部との間に着脱可能に接続される構成であり、
該製造器1の本体が、ホース3後端の接続部と接続するホース側本体部と13、シャワーヘッド2の接続部と接続するシャワーヘッド側本体部14と、ホース側本体部13及び/又はシャワーヘッド側本体部14の内部に設けられた入浴剤収容部11と、の少なくとも3部材構成であると共に、
ホース側本体部13とシャワーヘッド側本体部14のいずれか一方が他方に対して水流方向にスライド移動して離開することにより、この離開した部分から内部の入浴剤収容部11の少なくとも一部が露出し、この露出した部分に前記炭酸入浴剤4を入浴剤収容部11に収容するための開口部12が設けられた構成であること、を主構成とする。
尚、ホース側本体部13にはホース3の後端と接続可能なホース接続部が設けられ、シャワーヘッド側本体部14にはシャワーヘッド2に接続可能なシャワーヘッド接続部14Aが設けられている。
尚また、湯水の送水構成としては、湯水はホース3から該ホース3の後端に接続したホース接続部13Aからホース側本体部13内に送られ、この送られた湯水は入浴剤収容部11内に入り込んで該入浴剤収容部11に収容された炭酸入浴剤4を溶解することによって炭酸マイクロバブルが発生し、湯水と混合することによって炭酸マイクロバブル混合水となり、この炭酸マイクロバブル混合水がシャワーヘッド側本体部14とシャワーヘッド接続部14Aを通り、該シャワーヘッド接続部14Aに接続したシャワーヘッド2に送られ、該シャワーヘッド2の湯水噴出孔21からシャワー吐出されることになる。
【0068】
ホース3からホース側本体部13内に送水された湯水は、図9に示すように、入浴剤収容部11に直線的に送水されることなく該湯水は入浴剤収容部11の底部に当たってホース側本体部13の内側と入浴剤収容部11の外側との間を通って迂回した後に入浴剤収容部11に入り込む構成であることが好ましい。
かかる構成によれば、入浴剤収容部11に収容された炭酸入浴剤4にホース3から送水された湯水が直撃することなく迂回によって衝撃が和らげられるため炭酸入浴剤の急激な減りを抑制することができる。炭酸入浴剤4の急激な減りが抑制できることによって炭酸泉効果を長く持続することができる。
【0069】
ホース側本体部13及びシャワーヘッド側本体部14の何れか一方又は両方には、シャワー使用時に不用意に一方が他方に対してスライド移動して離開することを防止するためにロック機構によってスライド移動が規制されており、入浴剤収容部11に炭酸入浴剤4を収容する際は前記ロック機構を解除することにより背面部24を背面方向にスライド移動させることができる構成となっている。
即ち、ホース側本体部13とシャワーヘッド側本体部14のいずれか一方を他方に対して水流方向を軸芯とする回動によって前記ロック機構を解除することによりスライド移動による離開が可能となる構成である。
【0070】
スライド移動を規制するロック機構の具体的構成例としては、シャワーヘッド側本体部14側に設けられたロック爪部15が前記した回動によってヘッド部23側に設けられたロック溝部16に入り込むことによりロックされる構成を挙げることができる。
【0071】
ロック機構を解除するには、ロック時と反対方向に回動することによって、ロック溝部16からロック爪部15を退出させる。このロック機構の解除によってホース側本体部13とシャワーヘッド側本体部14とが離開するように水流方向にスライド移動させることが可能となる。
【0072】
ホース側本体部13とシャワーヘッド側本体部14との離開時におけるスライド移動範囲としては、図8及び図9に示すように、少なくとも入浴剤収容部11の開口部12が離開した部分から露出する位置までであること、該開口部12が露出した位置でスライド移動が規制されて離開が止まる位置であること、が好ましい。
【0073】
スライド移動の規制手段としては、例えば、図10に示すガイド部材17をシャワーヘッド側本体部14の内部に取り付けると共に入浴剤収容部11をホース側本体部13の内側に取り付け、ガイド部材17のガイド脚部17Aがホース側本体部13の内側部と入浴剤収容部11の外側部との間に入り込ませて先端爪部17Bを入浴剤収容部11の口縁部11Aに掛止すること等によって、これらがスライド移動の終点部分で停止規制される等による構成を挙げることができる。
また、スライド構成としては、例えば、前記ガイド脚部17Aがホース側本体部13の内側と入浴剤収容部11の外側との間を摺動する構成等を挙げることができる。
【0074】
入浴剤収容部11に収容されている炭酸入浴剤4の溶解状態をシャワー吐出中であっても外部から常に容易に把握することができるように、入浴剤収容部11とその外側部分であるホース側本体部13(及びシャワーヘッド側本体部14)の少なくとも一部を透明部材で形成することにより、この透明部材で形成された部分を通して前記入浴剤収容部11の内部を目視可能な構成とすることが好ましい。
【0075】
上記構成を有する製造器1によってシャワーヘッド2内に送水された後、該シャワーヘッド2の湯水噴出孔21からシャワー吐出される炭酸泉マイクロバブル混合水は、湯水のpHが6.8~8.5であることが好ましい。かかる構成によれば、湯水噴出孔21から放出する湯水のpHが中性を保つことにより湯水中に重炭酸イオンが多く存在することになるため血行促進効果や洗浄効果が多く期待できる。
【0076】
以上、図8図10に基づき本発明の製造器及び製造方法の実施例について説明したが、本発明の製造器1は図8図10に示す形状に限らず図11に示すような細径型であってもよい。この細径型の製造器1では入浴剤収容部11に収容する炭酸入浴剤4の向きが、前記した図8図10に示す製造器1では炭酸入浴剤4の厚み方向を水流方向と一致させていた収容向きとは異なり、直径方向を水流方向と一致させた収容向きとしている。
尚、その他の各部の構成及び当該構成に基づく作用・機能は同様である。
【0077】
図8図10に示す実施例は、製造器1の本体が、ホース3に接続するホース側本体部13と、シャワーヘッド2に接続するシャワーヘッド側本体部14と、入浴剤収容部11と、の少なくとも3部材から成り、ホース側本体部13とシャワーヘッド側本体部14とが内部に入浴剤収容部11を収納した状態で接合される構成であり、該ホース側本体部13とシャワーヘッド側本体部14は一方が他方に対して水流方向に離開するように且つ少なくとも一部の接合を維持した状態でスライド移動可能であり、この離開した部分から内部の入浴剤収容部11の少なくとも一部が露出し、この露出した部分に入浴剤収容部11の開口部12が設けられた構成であるが、本発明はかかる構成に限定されず、下記のような構成を採ることもできる。
【0078】
例えば、製造器1の本体は、ホース3後端の接続部と接続するホース接続部13Aと、シャワーヘッド2の接続部と接続するシャワーヘッド接続部14Aと、を有すると共に内部に入浴剤収容部11を有し、更に該製造器1がシャワーヘッド2とホース3の両方との接続を維持した状態のまま入浴剤収容部11に炭酸入浴剤4を収容するための開口部12の開閉が可能な構成を基本構成とするものであり、かかる基本構成を有していれば上記実施例で図示した3部材構成ではなく、1部材構成、2部材構成、或いは4部材以上の構成であっても本発明に包含される。
即ち、ホース側本体部13、シャワーヘッド側本体部14、入浴剤収容部11の3つの構成部材は、1つずつが独立した部材で形成されていてもよいし、3つの内のいずれか2つ又は3つ全部が1つの部材で一体的に形成されていてもよいし、或いは3つの部材のいずれか1つ又は2つ、更には3つ全ての構成部材が各々2つ以上の部材から形成されていてもよい。好ましい部材構成としては、上記の実施例に挙げた3部材構成と、ホース側本体部13とシャワーヘッド側本体部14との2部材を接合すると共に、これら2部材の何れか一方又は両方の内部に入浴剤収容部11が一体的に形成された構成の2構成を挙げることができる。
【0079】
製造器1がシャワーヘッド2とホース3の両方との接続を維持した状態のまま入浴剤収容部11に炭酸入浴剤4を収容するための開口部11の開閉が可能な構成としては、上記した実施例ではホース側本体部13とシャワーヘッド側本体部14とが少なくとも一部の接続を維持したまま一方が他方に対してスライド移動して離開することにより離開部分に開口部12が露出する構成としていたが、例えば、ホース側本体部13とシャワーヘッド側本体部14とが1部材構成である場合はいずれか一方又は両方の任意の箇所に開閉可能な扉部材を設け、この扉部材を開放した時にこの開放した部分が開口部12と成る構成とすることもできる。この扉部材としては、例えば、薄肉部や蝶番部を介して一部において本体との接続を維持したまま開口可能な構成を挙げることができる。
かかる構成の場合であっても、製造器1がシャワーヘッド2とホース3の両方との接続を維持した状態のまま炭酸入浴剤4を収容することができるので、ホース3とシャワーヘッド2とが完全に分離されて別体とならない。従って、入浴時において濡れた手で炭酸入浴剤4の収容作業を行った場合であってもシャワーヘッド2を浴室の床に取り落としてしまうおそれがなく、シャワーヘッド2の破損・浴室床の損傷を防ぐことができる。
【0080】
炭酸入浴剤4の収容に際しては、ホース側本体部13とシャワーヘッド側本体部14との接合部分は完全に分離することなく少なくとも一部が接続を維持した状態のまま一方を他方に対してスライド移動させることにより入浴剤収容部11の開口部12の開閉することにより行う。
【0081】
上記構成を有する本発明の製造器1、製造方法によれば、製造器1の本体のホース側本体部13とシャワーヘッド側本体部14とをスライド移動によって離開することにより入浴剤収容部11の開口部12を露出させて炭酸入浴剤4の収容ができるので、入浴前は勿論のこと、入浴中であっても炭酸入浴剤4を簡単かつ容易に短時間で交換・装填することができる。
特に、製造器1がシャワーヘッド2とホース3の両方との接続を維持した状態のまま炭酸入浴剤4を収容することができるので、ホース3とシャワーヘッド2とが完全に分離されて別体とならない。従って、入浴時において濡れた手で炭酸入浴剤4の収容作業を行った場合であってもシャワーヘッド2を浴室の床に取り落としてしまうおそれがなく、シャワーヘッド2の破損・浴室床の損傷を防ぐことができる。
【0082】
また、本発明の製造器1・製造方法において、入浴剤収容部11の下流側に1枚又は複数枚の網状体を配設し、発生した炭酸マイクロバブルが前記網状体を通過して更に細分化される構成とすることが好ましい。
【0083】
かかる構成によれば、入浴剤収容部11で発生した炭酸マイクロバブルを、その下流側に配設した網状体を通過させることによって更に細分化された微細な炭酸マイクロバブル(炭酸ナノバブル)となるので、血行促進効果や洗浄効果等が一段と向上することになる。細分化の程度は、配設する網状体の網目メッシュの大きさ、網状体の配設枚数によって適宜設定することができる。
また、網状体の配設によって、炭酸入浴剤4が溶解途中において欠片状に砕けてしまった場合や溶解が進んで小片状まで小さくなってしまった場合であっても、欠片状・小片状の炭酸入浴剤4を網状体で留めることができるので入浴剤収容部11近傍にて溶解させて炭酸マイクロバブルを発生させることができると共に、欠片状態の炭酸入浴剤4が湯水噴出孔21を塞いでしまうことを防止することができる。
【0084】
網状体の配設は1枚又は複数枚の網状体を製造器1の本体の内部に設けた構成としてもよいし、或いは、1枚又は複数枚の網状体を製造機1の本体とは別体構成の網状体収容部に収容し、製造器1本体と前記シャワーヘッド2との間に着脱可能に接続する構成とすることもできる。
【0085】
前記網状体は、入浴剤収容部11の下流側だけでなく上流側に配設することもできる。この上流側に網状体を配設することにより、溶解途中に砕けて欠片状に砕けたり、溶解が進んで小片状になった炭酸入浴剤4が製造器1の上流のホース3内に流れ込んでしまうことを防止することができる。
【0086】
本発明の製造器1・製造方法が適用されるシャワーヘッド2は、公知のいずれのものでよく、一般に、湯水が供給されるホース3と、該ホース3が接続される持ち手部と、該持ち手部と一体構成であると共に湯水噴出孔21を有するヘッド部と、を有して成る構成を有するものであるが、持ち手部とヘッド部とは一体構成であってもよいし、別体で形成されたものを一体となるように接続又は結合したものであってもよいし、ヘッド部が持ち手部に対して向きや角度が変えられるように直接又は間接的に接続されたものであってもよいし、種々の放水モードを備えており気分や状況に応じて所望の放水モードを選択することができるものであってもよいし、少なくとも湯水噴出孔21を有するヘッド部を備えた構成のもの、即ち、タイプ・形状・大きさ等が異なる様々な構成を有する既存の一般的なシャワーヘッド2を用いることができる。即ち、日ごろ使用しているシャワーヘッドや、旅先のホテルやスポーツジム等に配備されている既存のシャワーヘッドを用いることができる。
【0087】
本発明の製造器1が接続されるシャワーヘッド2とホース3は、元々は、一般的に雄ネジ構成であるシャワーヘッド2の接続部と、一般的に雌ネジ構成であるホース3の接続部と、が螺合接続されており、この螺合接続を取り外し、この間に第2実施例の製造器1を介在させた状態で接続する構成である。従って、製造器1のシャワーヘッド接続部14Aはシャワーヘッド2の接続部と螺合接続可能な雌ネジ構成を有し、ホース接続部13Aはホース3の接続部と螺合接続可能な雄ネジ構成を有する。尚、シャワーヘッド2の接続部とホース3の接続部の雄ネジ構成・雌ネジ構成が逆である場合はシャワーヘッド接続部14A・ホース接続部13Aについても逆の雄ネジ構成・雌ネジ構成となる。
尚、既存のシャワーヘッド2の接続部(雄ネジ部分)に、本発明の入浴剤収容部11を有する本発明に係る製造器1を接続する際に、製造器1のシャワーヘッド接続部14A(雌ネジ部分)がネジ径やネジピッチ等の違いによって螺合できない場合、前記接続部とシャワーヘッド接続部14Aとの間に調整用接続部を用いればよい。
尚また、ホース3の後端の接続部(雌ネジ部分)に、本発明に係る製造器1を接続する際に、製造器1のホース側接続部13A(雄ネジ部分)がネジ径やネジピッチ等の違いによって螺合できない場合、前記接続部とホース接続部13Aとの間に調節用接続部を用いればよい。
【0088】
本発明者は、更に下記に示す別発明についても、研究成果を開示する。
【0089】
[書類名]特許請求の範囲
[請求項101]
ホース後端の接続部とシャワーヘッドの接続部との間に、固形の炭酸入浴剤を湯水の送水経路中に留置させる入浴剤収容部を配設し、
ホースからシャワーヘッドへ送水される湯水によって前記炭酸入浴剤が溶解して炭酸マイクロバブルが発生すると共に湯水と混合して炭酸マイクロバブル混合水が生成され、この炭酸マイクロバブル混合水がシャワーヘッドの湯水噴出孔から放出される構成の炭酸マイクロバブル混合水の製造器において、
該製造器が、ホース後端の接続部とシャワーヘッドの接続部との間に着脱可能に接続される構成であり、
前記入浴剤収容部の下流側に1枚又は複数枚の網状体が配設され、発生した炭酸マイクロバブルが前記網状体を通過して更に細分化される構成であることを特徴とする炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
[請求項102]
1枚又は複数枚の網状体が網状体収容部に収容されており、該網状体収容部が前記入浴剤収容部と一体構成であることを特徴とする請求項101に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
[請求項103]
任意の枚数の網状体を網状体収容部に選択的に収容可能であり、該網状体収容部が前記入浴剤収容部と一体構成であることを特徴とする請求項101に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
[請求項104]
1枚又は複数枚の網状体が網状体収容部に収容されており、該網状体収容部が前記入浴剤収容部と別体構成であり、該入浴剤収容部と前記シャワーヘッドの接続部との間に着脱可能に接続される構成であることを特徴とする請求項101に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
[請求項105]
任意の枚数の網状体を網状体収容部に選択的に収容可能であり、該網状体収容部が前記入浴剤収容部と別体構成であり、該入浴剤収容部と前記シャワーヘッドの接続部との間に着脱可能に接続される構成であることを特徴とする請求項101に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
[請求項106]
ホース後端の接続部とシャワーヘッドの接続部との間に、固形の炭酸入浴剤を湯水の送水経路中に留置させる入浴剤収容部を配設し、
ホースからシャワーヘッドへ送水される湯水によって前記炭酸入浴剤を溶解させて炭酸マイクロバブルを発生させると共に湯水と混合して炭酸マイクロバブル混合水を生成し、この炭酸マイクロバブル混合水をシャワーヘッドの湯水噴出孔からシャワー放出させる構成の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法において、
ホース後端の下流側とシャワーヘッドの上流側との間の通水経路中に前記入浴剤収容部を配設し、
該入浴剤収容部の下流側とシャワーヘッドの上流側との間に、1枚又は複数枚の網状体を収容する網状体収容部を配設し、前記入浴剤収容部で発生した炭酸マイクロバブルを前記網状体を通過させることにより更に細分化させる構成であること、
を特徴とする炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
[請求項107]
1枚又は複数枚の網状体が網状体収容部に収容されており、該網状体収容部が前記入浴剤収容部と一体構成であることを特徴とする請求項106に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
[請求項108]
任意の枚数の網状体を網状体収容部に選択的に収容可能であり、該網状体収容部が前記入浴剤収容部と一体構成であることを特徴とする請求項106に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
[請求項109]
1枚又は複数枚の網状体が網状体収容部に収容されており、該網状体収容部が前記入浴剤収容部と別体構成であり、該入浴剤収容部と前記シャワーヘッドの接続部との間に着脱可能に接続される構成であることを特徴とする請求項106に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
[請求項110]
任意の枚数の網状体を網状体収容部に選択的に収容可能であり、該網状体収容部が前記入浴剤収容部と別体構成であり、該入浴剤収容部と前記シャワーヘッドの接続部との間に着脱可能に接続される構成であることを特徴とする請求項106に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【0090】
以下、かかる別発明について説明する。
[書類名]明細書
[発明の名称]炭酸マイクロバブル混合水の製造器及び製造方法
[技術分野]
【0091】
本発明は血行促進などの炭酸泉入浴効果を著しく向上させ炭酸マイクロバブル効果を併せ持つ炭酸マイクロバブル混合水の製造方法、及び前記炭酸マイクロバブル混合水を簡易に得られる製造器に関する。
「背景技術」
【0092】
重炭酸塩(炭酸水素ナトリウム又は炭酸水素カリウム)と、有機酸とを含む混合物を打錠等によって成型し、発泡性組成物(固形物)とすることは、洗浄剤、入浴剤、風呂水清浄剤、プール用殺菌剤等の製品に適用されている。これらの製品(固形物)は、水に投入すると、その成分が反応して炭酸ガスを発生しつつ速やかに溶解する利点を有すると同時に、消費者に快適な使用感を与えるので商品価値を高める効果があり、特に浴剤(入浴剤ということもある。)においては、発生する炭酸ガスの血行促進効果が積極的に利用されている。
【0093】
従来、入浴剤を用いて炭酸マイクロバブルシャワー水を得るため、炭酸入浴剤をシャワーヘッドに入れ込む技術が知られている(特許文献101~103参照)。
【0094】
これら特許文献101~103に記載の技術は、シャワーヘッドに炭酸入浴剤をセットする構成であるため、セット可能なシャワーヘッドがない場合、シャワーヘッドによる炭酸マイクロバブルシャワーを浴することができなかった。
特に、海外旅行中に炭酸マイクロバブルシャワー水を浴したいという願望があっても、ホテル等の宿泊施設には炭酸入浴剤をセット可能なものは無く、断念せざるを得なかった。
【0095】
そこで本発明者は、炭酸マイクロバブルシャワー専用のシャワーヘッドに付け替えることなく、既存のシャワーヘッドさえあれば炭酸マイクロバブルシャワーを浴することができる技術を先に提案した(特許文献104及び105)。
【0096】
これら特許文献104、105に記載の技術は、既存の一般的なシャワーヘッドに、細孔を有する弾性体及び/又は網状体を被冠させ、この弾性体及び/又は網状体に炭酸入浴剤を収容し、シャワーヘッドの湯水噴出孔から噴出した湯水によって該シャワーヘッドの直外で炭酸マイクロバブルを発生させて炭酸マイクロバブルシャワーが得られるものである。
[先行技術文献]
[特許文献]
【0097】
[特許文献101]特開2008-241261号公報
[特許文献102]特開昭62-283915号公報
[特許文献103]特開2007-289289号公報
[特許文献104]特許6727249号公報
[特許文献105]特許6744890号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
【0098】
本発明者は上記先発明について更に研究を続けた結果、日ごろ使用しているシャワーヘッドのシャワーの噴射形態や放水量が好みである、或いは、日ごろ使用しているシャワーヘッドが種々の放水モードを備えており気分や状況に応じて所望の放水モードを選択することができる、等の理由から、シャワーヘッドのシャワー放水構成はそのまま変更されることなく維持したままの状態で、炭酸マイクロバブル発生効果は付加したい、という要望があることが判った。
【0099】
本発明(以下、「別の本発明」は単に「本発明」と記す。)は、かかる要望を解決するために成されたもので、使用中のシャワーヘッドのシャワー放水構成に影響を与えることなく炭酸マイクロバブル発生効果を付加することができる炭酸マイクロバブルの製造器及び製造方法を提供することを課題とする。
[課題を解決するための手段]
【0100】
101.ホース後端の接続部とシャワーヘッドの接続部との間に、固形の炭酸入浴剤を湯水の送水経路中に留置させる入浴剤収容部を配設し、
ホースからシャワーヘッドへ送水される湯水によって前記炭酸入浴剤が溶解して炭酸マイクロバブルが発生すると共に湯水と混合して炭酸マイクロバブル混合水が生成され、この炭酸マイクロバブル混合水がシャワーヘッドの湯水噴出孔から放出される構成の炭酸マイクロバブル混合水の製造器において、
該製造器が、ホース後端の接続部とシャワーヘッドの接続部との間に着脱可能に接続される構成であり、
前記入浴剤収容部の下流側に1枚又は複数枚の網状体が配設され、発生した炭酸マイクロバブルが前記網状体を通過して更に細分化される構成であることを特徴とする炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【0101】
102.1枚又は複数枚の網状体が網状体収容部に収容されており、該網状体収容部が前記入浴剤収容部と一体構成であることを特徴とする上記101に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【0102】
103.任意の枚数の網状体を網状体収容部に選択的に収容可能であり、該網状体収容部が前記入浴剤収容部と一体構成であることを特徴とする上記101に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【0103】
104.1枚又は複数枚の網状体が網状体収容部に収容されており、該網状体収容部が前記入浴剤収容部と別体構成であり、該入浴剤収容部と前記シャワーヘッドの接続部との間に着脱可能に接続される構成であることを特徴とする上記101に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【0104】
105.任意の枚数の網状体を網状体収容部に選択的に収容可能であり、該網状体収容部が前記入浴剤収容部と別体構成であり、該入浴剤収容部と前記シャワーヘッドの接続部との間に着脱可能に接続される構成であることを特徴とする上記101に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【0105】
106.ホース後端の接続部とシャワーヘッドの接続部との間に、固形の炭酸入浴剤を湯水の送水経路中に留置させる入浴剤収容部を配設し、
ホースからシャワーヘッドへ送水される湯水によって前記炭酸入浴剤を溶解させて炭酸マイクロバブルを発生させると共に湯水と混合して炭酸マイクロバブル混合水を生成し、この炭酸マイクロバブル混合水をシャワーヘッドの湯水噴出孔からシャワー放出させる構成の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法において、
ホース後端の下流側とシャワーヘッドの上流側との間の通水経路中に前記入浴剤収容部を配設し、
該入浴剤収容部の下流側とシャワーヘッドの上流側との間に、1枚又は複数枚の網状体を収容する網状体収容部を配設し、前記入浴剤収容部で発生した炭酸マイクロバブルを前記網状体を通過させることにより更に細分化させる構成であること、
を特徴とする炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【0106】
107.1枚又は複数枚の網状体が網状体収容部に収容されており、該網状体収容部が前記入浴剤収容部と一体構成であることを特徴とする上記106に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【0107】
108.任意の枚数の網状体を網状体収容部に選択的に収容可能であり、該網状体収容部が前記入浴剤収容部と一体構成であることを特徴とする上記106に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【0108】
109.1枚又は複数枚の網状体が網状体収容部に収容されており、該網状体収容部が前記入浴剤収容部と別体構成であり、該入浴剤収容部と前記シャワーヘッドの接続部との間に着脱可能に接続される構成であることを特徴とする上記106に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【0109】
110.任意の枚数の網状体を網状体収容部に選択的に収容可能であり、該網状体収容部が前記入浴剤収容部と別体構成であり、該入浴剤収容部と前記シャワーヘッドの接続部との間に着脱可能に接続される構成であることを特徴とする上記106に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
[発明の効果]
【0110】
請求項101又は106に示す発明によれば、使用中のシャワーヘッドのシャワー放水構成に影響を与えることなく炭酸マイクロバブル発生効果を付加することができる炭酸マイクロバブルの製造器及び製造方法を提供することができる。
【0111】
特に、入浴剤収容部と網状体とを、シャワーヘッドの接続部とホース後端の接続部との間に接続する構成、即ち、シャワーヘッドよりも上流側に配設する構成によって、使用中のシャワーヘッドのシャワーの噴射形態や放水量はそのままの状態、或いは、種々の放水モードが備わっているシャワーヘッドの場合には各放水モードに影響を与えることなく、シャワーヘッドのすぐ上流の位置で炭酸マイクロバブル発生効果を付加することができる。
また、これらの効果は日ごろ使用しているシャワーヘッドに限らず、旅先のホテルやスポーツジム等に配備されている既存のシャワーヘッドにも適用することができる。
【0112】
請求項102又は107に示す発明によれば、入浴剤収容部で発生した炭酸マイクロバブルを、その下流側に配設した網状体を通過させることによって更に細分化された微細な炭酸マイクロバブル(炭酸ナノバブル)となるので、毛髪洗浄効果等が一段と向上することになる。細分化の程度は、収容する網状体の網目メッシュの大きさ、網状体の収容枚数によって適宜設定することができる。
また、入浴剤収容部と網状体収容部とが一体構成であるため、この一体構成の製造器をホース後端の接続部とシャワーヘッドの接続部との間に介在させた状態で接続するだけで、一段と向上したマイクロバブル発生効果を得ることができる。
【0113】
請求項103又は108に示す発明によれば、網状体収容部に収容する網状体の枚数を任意に設定できるため、発生した炭酸マイクロバブルの更なる細分化(ナノバブル化)の程度を選択的に設定することができる。
【0114】
請求項104又は109に示す発明によれば、入浴剤収容部で発生した炭酸マイクロバブルを、その下流側に配設した網状体を通過させることによって更に細分化された微細な炭酸マイクロバブル(炭酸ナノバブル)となるので、毛髪洗浄効果等が一段と向上することになる。細分化(ナノバブル化)の程度は、収容する網状体の網目メッシュの大きさ、網状体の収容枚数によって適宜設定することができる。
また、入浴剤収容部と網状体収容部とが別体構成であるため、この別体構成の網状体収容部をシャワーヘッドの接続部と入浴剤収容部との間に介在させた状態で接続するだけで、入浴剤収容部で発生した炭酸マイクロバブルが更に細分化した炭酸マイクロバブル(炭酸ナノバブル)と成るので一段と向上した炭酸マイクロバブル発生効果を得ることができる。
更に、より細分化された微細な炭酸マイクロバブル(炭酸ナノバブル)までは求めずに通常の炭酸マイクロバブル程度でよい場合は網状体収容部を接続しない状態も容易に選択可能である。
更にまた、ホース後端の接続部とシャワーヘッドの接続部との間に、入浴剤収容部を配することなく、網状体を収容した網状体収容部のみを配設する構成とすれば、炭酸マイクロバブルシャワーではなく単なるマイクロバブルシャワーとして用いることもできる。
【0115】
請求項105又は110に示す発明によれば、網状体収容部に収容する網状体の枚数を任意に設定できるため、発生した炭酸マイクロバブルの更なる細分化(ナノバブル化)の程度を選択的に設定することができる。
【0116】
尚、本発明において、「湯水」とは、いわゆる水、若しくは加温乃至は加熱してある湯又はこの両者の混合物をいう。また、「マイクロバブル」とは、いわゆる微細気泡と称されるものをいう。尚また、本発明において、「量」は特に断りのない限り「質量」を表し、「%」は特に断りのない限り「質量%」を表し、「部」は特に断りのない限り「質量部」を表す。
[図面の簡単な説明]
【0117】
図101]本発明に係る炭酸マイクロバブル混合水の製造器の一実施例を示す概略分解正面図
図102図101に示す炭酸マイクロバブル混合水の製造器に用いられる網状体の一実施例を示す2面図(左側面図、正面図)
図103図101に示す炭酸マイクロバブル混合水の製造器の網状体収容部への網状体の収容状態を説明する要部説明断面図
図104]複数枚(2枚)の網状体を収容する場合の収容状態の一例を説明する概略説明図
図105]複数枚(2枚)の網状体を収容する場合の収容状態の他の例を説明する概略説明図
図106]複数枚(2枚)の網状体を収容する場合の収容状態の更に他の例を説明する概略説明図
図107]本発明に係る炭酸マイクロバブル混合水の製造器の他の実施例を示す概略分解正面図
[発明を実施するための形態]
【0118】
以下、本発明に係る炭酸マイクロバブル混合水の製造器(以下、単に製造器ということもある。)、及び炭酸マイクロバブル混合水の製造方法(以下、単に製造方法ということもある。)について図面に基づき説明する。
【0119】
本発明は炭酸泉入浴効果とマイクロバブル効果を併せ持つ炭酸マイクロバブル混合水を簡易に得ることができる製造器と、炭酸マイクロバブル混合水の製造方法であり、炭酸ガス成分とマイクロバブルとを混合した湯水を製造器のシャワーヘッドの湯水噴出孔から吐出(シャワー吐出)させることによって洗浄効果と血行促進等の健康増進効果をも期待できる技術である。
【0120】
しかも本発明は、国内外を問わず旅行先であっても、宿泊施設やトレーニングジムやスイミングプール等に備えられている既存の一般的なシャワーヘッドに適用するだけで、炭酸入浴剤による炭酸マイクロバブル混合水を気軽に浴びることができる利点がある。また、この既存のシャワーヘッドへの製造器の装着及び取り外しは、シャワーヘッドの接続部とホース後端の接続物の間に製造器を介在させるように接続するだけでよいので極めて容易に行うことができる。
【0121】
特に、本発明は、炭酸入浴剤の収容部を有していない既存の様々なシャワーヘッド、特に、お気に入り等の使用中のシャワーヘッドのシャワーの噴射形態や放水量はそのままの状態、或いは、種々の放水モードが備わっているシャワーヘッドの場合には各放水モードに影響を与えることなく、シャワーヘッドのすぐ上流の位置で炭酸マイクロバブル発生効果、即ち、洗浄効果と血行促進等の健康増進効果を発揮できる技術である。
【0122】
以下、図101図103に基づき本発明の実施例について詳説する。
【0123】
本発明の製造器1は、
ホース3後端の接続部31とシャワーヘッド2の接続部21との間に、固形の炭酸入浴剤4を湯水の送水経路中に留置させる入浴剤収容部11を配設し、
ホース3からシャワーヘッド2へ送水される湯水によって前記炭酸入浴剤4が溶解して炭酸マイクロバブルが発生すると共に湯水と混合して炭酸マイクロバブル混合水が生成され、この炭酸マイクロバブル混合水がシャワーヘッド2の湯水噴出孔22から放出される構成において、
該製造器1が、ホース3後端の接続部31とシャワーヘッド2の接続部21との間に着脱可能に接続される構成であり、
前記入浴剤収容部11の下流側に1枚又は複数枚(本実施例では3枚)の網状体5・5・5が配設され、発生した炭酸マイクロバブルが前記網状体5・5・5を通過して更に細分化される構成であること、
を主構成とするものである。
【0124】
また、本発明の製造方法は、
ホース3後端の接続部31とシャワーヘッド2の接続部21との間に、固形の炭酸入浴剤4を湯水の送水経路中に留置させる入浴剤収容部11を配設し、
ホース3からシャワーヘッド2へ送水される湯水によって前記炭酸入浴剤4を溶解させて炭酸マイクロバブルを発生させると共に湯水と混合して炭酸マイクロバブル混合水を生成し、この炭酸マイクロバブル混合水をシャワーヘッド2の湯水噴出孔22からシャワー放出させる構成において、
ホース3後端の下流側とシャワーヘッド2の上流側との間の通水経路中に前記入浴剤収容部11を配設し、
該入浴剤収容部11の下流側とシャワーヘッド2の上流側との間に、1枚又は複数枚(本実施例では3枚)の網状体5・5・5を収容する網状体収容部12を配設し、前記入浴剤収容部11で発生した炭酸マイクロバブルを前記網状体5・5・5を通過させることにより更に細分化させる構成であること、
を主構成とするものである。
【0125】
本発明の製造器1・製造方法が適用されるシャワーヘッド2は、公知のいずれのものでよく、一般に、湯水が供給されるホース3と、該ホース3が接続される持ち手部と、該持ち手部と一体構成であると共に湯水噴出孔22を有するヘッド部と、を有して成る構成を有するものであるが、持ち手部とヘッド部とは本実施例に示すような一体構成に限らず、別体で形成されたものを一体となるように接続又は結合したものであってもよいし、ヘッド部が持ち手部に対して向きや角度が変えられるように直接又は間接的に接続されたものであってもよいし、種々の放水モードを備えており気分や状況に応じて所望の放水モードを選択することができるものであってもよいし、少なくとも湯水噴出孔22を有するヘッド部を備えた構成のもの、即ち、タイプ・形状・大きさ等が異なる様々な構成を有する既存の一般的なシャワーヘッド2を用いることができる。
【0126】
本発明の製造器1が接続されるシャワーヘッド2とホース3は、元々は、一般的に雄ネジ構成である接続部21と、一般的に雌ネジ構成である接続部31と、が螺合接続されており、この螺合接続を取り外し、この間に本発明の製造器1を介在させた状態で接続する構成である。従って、製造器1の上流側の被接続部13はホース3の接続部31と螺合接続可能な雄ネジ構成を有し、製造器1の下流側の被接続部14はシャワーヘッド2の接続部21と螺合接続可能な雌ネジ構成を有する。尚、接続部21と接続部31の雄ネジ構成・雌ネジ構成が逆である場合は被接続部13・被接続部14についても逆の雌ネジ構成・雄ネジ構成となる。
【0127】
本発明の製造器1は、図101図103に示すように、入浴剤収容部11の下流側に配設される網状体収容部12が一体構成により接続されており、該網状体収容部12内に3枚の網状体5・5・5が収容されている。
【0128】
入浴剤収容部11には脱着可能な蓋部15が液密気密状態で螺合取付けされており、この蓋部15の脱着により内部に炭酸入浴剤4を収容することができる。また、網状体収容部12には脱着可能な蓋部16が液密気密状態で螺合取付けされており、この蓋部16の脱着により内部に1枚又は複数枚(本実施例では3枚)の網状体5・5・5を収容することができる。尚、蓋部15・蓋部16は入浴剤収容部11・網状体収容部12を液密気密状態で開閉可能であれば螺合取付に限らず、公知公用の他の密閉手段を用いてもよい。
【0129】
網状体収容部12に収容される網状体5は、図102に示すように縦横メッシュを有する金属製又は合成樹脂製の網状構成を有し、網目の大きさ(目合い)は概ね0.5mm~1.5mm程度であることが好ましい。また、網状体5は、ホース3内に通水される湯水の水圧が掛かっても形状を維持できるように縁が枠体51によって補強された構成であることが好ましい。更に、網状体5は、網状体収容部12内壁部に凸条に形成されたガイド部17・17間に枠体51部分が挿し込まれることにより位置固定された状態で配設されることが好ましい。
【0130】
図101図103に示す本実施例のように網状体5を3枚構成とする場合、各網状体5・5・5の網目の大きさ(目合い)は同じであってもよいが、上流から下流に向かって段々と細かくなることが好ましい。
【0131】
ホース3から送水される湯水は、入浴剤収容部11に入り、内部に収容された炭酸入浴剤4を溶解して炭酸マイクロバブルを発生させると共に湯水と混合して炭酸マイクロバブル混合水が生成され、更にこの炭酸マイクロバブル混合水は網状体収容部12に入り、内部に収容された網状体5・5・5を通過することにより更に細分化された微細なマイクロバブル(ナノバブル)となる。従って、入浴剤収容部11のみを通過した炭酸マイクロバブル混合水よりも毛髪洗浄効果等が一段と向上することになる。特に複数枚の網状体5・5・5・・・を配設した場合には、一枚通過する毎に細分化が進むため、多段階に細分化された極めて微細な炭酸マイクロバブル(ナノバブル)混合水シャワーを得ることができる。
【0132】
次に本発明に用いることができる炭酸入浴剤4は、その組成を問わず、固形のものであれば、いずれのものであってもよい。形状や大きさについても特に限定せず、錠剤状、球状、立方形状以外の顆粒状などであってもよい。例えば、最も好ましく用いられる炭酸入浴剤4としては、本発明者が先に提案した特許第6268332号公報に記載のものを挙げることができ、以下に例示する。
【0133】
重炭酸塩をポリエチレングリコール(以下「PEG」ということもある。)等で造粒した後、有機酸(特にクエン酸、コハク酸、リンゴ酸、フマル酸)等をPEGと混合してもしくは造粒し、それぞれを一定比率内の条件で混合し、本発明の賦形剤を加えて錠剤を圧縮成形によって成形し、錠剤の溶解直後のpHが下記範囲となるよう設計することで、錠剤に水が浸透するとき激しく均一にかつ持続的に炭酸ガスを発泡するよう反応させ、かつ発生する炭酸ガス泡はミクロサイズの微細炭酸ガスとして長時間発生させることができ、錠剤は溶解し終わるまでミクロサイズの泡を発泡し続け、泡が空気中に揮散するまえに水中で中和され重炭酸イオンに解離して高濃度の重炭酸イオンが溶存するよう水のpHは5.5から9.0であるよう設計され、好ましくは6.0から8.5、特に6.3から8.0である際、洗浄効果と血行促進等の健康増進効果という効果が最大限に発揮される。
【0134】
更に、重炭酸塩の混合物が流動層を用いて、PEGで、コーテイングして作成された造粒物であることにより、錠剤中での継続的で均一な反応など、前記効果の発現が大きく発揮される。
【0135】
また、錠剤硬度が15kg以上、好ましく25kg以上、特に好ましくは30kg以上に高硬度とされるほど、塩素中和化合物の継続的で安定な反応が得られ、錠剤内部での塩素中和反応を抑え錠剤が溶解した部分が湯中で塩素を迅速に除去するよう高硬度に成形されることが好ましい。
塩素除去効果が高いほど、シャワー入浴時の場合でも血行促進や体温上昇等の健康増進が大きい効果が発揮される
【0136】
更にまた、錠剤摩損度が10.0wt%以下、特に好ましくは5.0wt%以下、さらに好ましくは3.0wt%以下であるほど、塩素中和化合物の継続的安定な反応が得られ、錠剤内部での塩素中和反応効率を最大にできるだけでなく、シャワー入浴時の場合でさえも血行促進及び体温上昇等の健康増進効果を発揮できる。
【0137】
本発明に好ましく用いられる炭酸入浴剤の錠剤を作製する圧縮成形には、公知の圧縮成形機を特別の制限なく使用でき、例えば、油圧プレス機、単発式打錠機、ロータリー式打錠機、ブリケッティングマシンなどを用いることができる。この打錠機などに用いる杵の大きさは、杵が円形である場合は直径が7mm以上であることが好ましく、杵が三角形や四角形の場合、円形杵に換算して直径が7mm以上となるものが好ましい。そして杵の厚みについても同様である。円形の打錠品を得る場合、錠剤の直径は7mm以上が望ましく、より望ましくは10mm以上とし、厚みも7mm以上、好ましくは10mm以上とし、三角形や四角形等の錠剤とされる場合、円形錠剤に換算して、直径及び厚みの各々が7mm以上、特に10mm以上とすることが好ましい。
【0138】
炭酸入浴剤の錠剤は、必ずしも平面を持つ円形でなくてもよく、7mm以上の固形物であれば、楕円形でもいわゆるタブレット状でも球体でも、形は何ら制限されない。
【0139】
上記した硬度及び摩損度並びに一定サイズ以上の錠剤中でミクロサイズの発泡をゆっくり起こさせ、湯水中への炭酸ガスの溶解をより効率的に行うことが好ましく、そのため硬度は15kg以上、望ましくは25kg以上、特に好ましくは35kg以上であり、また摩損度は10.0wt%以下、好ましくは5wt%以下、特に好ましくは3wt%以下であり、直径や厚みは10mm以上が特に好ましく、錠剤中での炭酸ガスの発生がより効果的に起こり、水中への炭酸ガスの溶解が効率的に行われ、泡の径が細かくなり、本発明に用いて好ましい炭酸入浴剤となる。
【0140】
以上の構成を有する本発明の製造器1・製造方法によれば、使用中のシャワーヘッドのシャワー放水構成に影響を与えることなく炭酸マイクロバブル発生効果を付加することができる。
【0141】
特に、炭酸入浴剤4を収容する入浴剤収容部11と網状体5を収容する網状体収容部12とを、シャワーヘッド2の接続部21とホース3後端の接続部31との間に接続する構成、即ち、シャワーヘッド2よりも上流側に配設する構成によって、使用中のシャワーヘッド2のシャワーの噴射形態や放水量はそのままの状態、或いは、種々の放水モードが備わっているシャワーヘッド2の場合には各放水モードに影響を与えることなく、シャワーヘッド2のすぐ上流の位置で炭酸マイクロバブル発生効果を付加することができる。
また、これらの効果は日ごろ使用しているシャワーヘッド2に限らず、旅先のホテルやスポーツジム等に配備されている既存のシャワーヘッド2にも適用することができる。
更に、入浴剤収容部11で発生した炭酸マイクロバブルを、その下流側に配設した網状体5を通過させることによって更に細分化された微細な炭酸マイクロバブル(炭酸ナノバブル)となるので、毛髪洗浄効果等が一段と向上することになる。細分化の程度は、収容する網状体5の網目メッシュの大きさ、網状体5の収容枚数によって適宜設定することができる。網状体収容部12に収用する網状体5の枚数を任意に設定できる構成とすれば、生した炭酸マイクロバブルの更なる細分化(ナノバブル化)の程度を選択的に設定することができる。
更にまた、図101図103に示す実施例では、入浴剤収容部11と網状体収容部12とが一体構成であるため、この一体構成の製造器1をホース3後端の接続部31とシャワーヘッド2の接続部21との間に介在させた状態で接続するだけで、一段と向上したマイクロバブル発生効果を得ることができる。
【0142】
以上、図101図103に示す実施例に基づき本発明について説明したが、本発明は上記実施例に限定されず本発明の範囲内において様々な態様を採ることができる。
【0143】
網状体収容部12に配設する網状体5の枚数を複数枚とする場合、例えば、図104に示すように、網目の大きさ(目合い)が同じ網状体5・5・5の網目が重合状態において揃うことなく交差するように一枚毎に網目の角度を変えて配設することが好ましい。
【0144】
また、図105に示すように、網目の大きさ(目合い)が異なる網状体5・5を配設することも好ましい。
【0145】
更に、網状体5は縦横メッシュに限らず、図106に示すような多数の細孔が穿孔された板状材を用いることもできる。かかる細孔構成の網状体5を複数枚配設する場合には異なる孔径の網状体5・5を用いることが好ましい。
【0146】
また、上記図101図103に示す実施例では、製造器1の入浴剤収容部11と網状体収容部12は一体構成であったが、この2つが別体構成である態様も本発明に包含される。
即ち、図107に示すように、網状体収容部12が入浴剤収容部11と別体構成であり、該入浴剤収容部11とシャワーヘッド2の接続部21との間に着脱可能に接続される構成である。かかる構成によれば、別体構成の網状体収容部12をシャワーヘッド2の接続部21と入浴剤収容部11との間に介在させた状態で接続するだけで、入浴剤収容部11で発生した炭酸マイクロバブルが更に細分化した炭酸マイクロバブル(炭酸ナノバブル)と成るので一段と向上した炭酸マイクロバブル発生効果を得ることができる。
【0147】
また、かかる構成によれば、より細分化された微細な炭酸マイクロバブル(炭酸ナノバブル)までは求めずに通常の炭酸マイクロバブル程度でよい場合は網状体収容部12を接続しない状態、即ち、シャワーヘッド2の接続部21とホース3後端の接続部31との間に入浴剤収容部11のみを接続した状態も容易に選択可能である。
【0148】
更に、ホース3後端の接続部31とシャワーヘッド2の接続部21との間に、入浴剤収容部11を配することなく、網状体5を収容した網状体収容部12のみを配設する構成とすれば、炭酸マイクロバブルシャワーではなく単なるマイクロバブルシャワーとして用いることもできる。
【0149】
更にまた、ホース3後端の接続部31とシャワーヘッド2の接続部21との間に他の機能手段を付加したものに本発明の製造器1の網状体収容部12を付加したり、入浴剤収容部11を付加したり、或いは入浴剤収容部11と網状体収容部12の両方を付加することも本発明に包含される。
尚、他の機能手段としては、例えば、塩素除去装置、酸化還元装置、ろ過装置、アロマ付加装置等を挙げることができる。尚また、入浴剤収容部11が既に取り付けられている場合や、他社製の入浴剤収容部を利用する場合、本発明の製造器1の網状体収容部12を付加することも本発明に包含される。
【0150】
また、図107に示す網状体収容部12が入浴剤収容部11と別体構成である態様においても、該網状体収容部12に収容する網状体5の枚数は任意の枚数を選択的に収容可能であり、かかる構成によれば、網状体5の枚数を任意に設定することにより、発生した炭酸マイクロバブルの更なる細分化(ナノバブル化)の程度を選択的に設定することができる。
【符号の説明】
【0151】
以下は、図1図11の符号を示す。
1 炭酸マイクロバブル混合水の製造器
11 入浴剤収容部
11A 口縁部
12 開口部
13 ホース側本体部
13A ホース接続部
14 シャワーヘッド側本体部
14A シャワーヘッド接続部
15 ロック爪部
16 ロック溝部
17 ガイド部材
17A ガイド脚部
18 網状体収容部
2 シャワーヘッド
21 湯水噴出孔
22 持ち手部
23 ヘッド部
24 背面部
24A 窓部
25 ロック爪部
26 ロック溝部
3 ホース
4 炭酸入浴剤
5 網状体
X ロック機構(ロック)の回動方向を示す矢符
Y ロック機構(解除)の回動方向を示す矢符
Z 背面方向へのスライド移動方向を示す矢符
以下は、図101図107の符号を示す。
1 炭酸マイクロバブル混合水の製造器
11 入浴剤収容部
12 網状体収容部
13 被接続部
14 被接続部
15 蓋部
16 蓋部
17 ガイド部
2 シャワーヘッド
21 接続部
22 湯水噴出孔
3 ホース
31 接続部
4 炭酸入浴剤
5 網状体
51 枠体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図101
図102
図103
図104
図105
図106
図107
【手続補正書】
【提出日】2021-09-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は血行促進などの炭酸泉入浴効果を著しく向上させ炭酸マイクロバブル効果を併せ持つ炭酸マイクロバブル混合水の製造方法、及び前記炭酸マイクロバブル混合水を簡易に得られる製造器に関する。
【背景技術】
【0002】
重炭酸塩(炭酸水素ナトリウム又は炭酸水素カリウム)と、有機酸とを含む混合物を打錠等によって成型し、発泡性組成物(固形物)とすることは、洗浄剤、入浴剤、風呂水清浄剤、プール用殺菌剤等の製品に適用されている。これらの製品(固形物)は、水に投入すると、その成分が反応して炭酸ガスを発生しつつ速やかに溶解する利点を有すると同時に、消費者に快適な使用感を与えるので商品価値を高める効果があり、特に浴剤(入浴剤ということもある。)においては、発生する炭酸ガスの血行促進効果が積極的に利用されている。
【0003】
一方、マイクロバブルと称される、例えば直径0.05mm以下の微細気泡は、濁水や排水の浄化処理、生活用水の殺菌等に広く利用されており、例えば、水浄化処理施設などの濁水処理槽中でマイクロバブルを発生した場合には濁水中に浮遊している汚濁物に気泡を付着させて浮上分離させることができ、湖沼や養殖池等の閉鎖水域でマイクロバブルを発生させた場合には水中への酸素の溶解を促すことができる等の効果を有するものである。
【0004】
従来、このマイクロバブルを利用したマイクロバブルシャワーとして、旋回流を利用した水道水圧使用型のものが知られている(特許文献1参照)。
【0005】
また、炭酸ガス発生成分を湯水に溶解させる技術と、マイクロバブルを発生させて液体中の浄化殺菌を行う技術とを組み合わせたものも知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
特許文献1の技術は、各種入浴剤の如き炭酸ガス発生体を気体発生体として気液混合装置内に配設し、更に該気液混合装置の吐出口側をシャワーヘッドに接続する構成により、入浴成分とマイクロバブルとを混合した湯水をシャワーヘッドから吐出させ、このことによって、洗浄効果と血行促進等の健康増進効果をも期待できる技術である。
一方、炭酸ガス入浴錠剤をシャワーヘッド内の吐出口付近に収容した技術も知られている(特許文献3~5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008-229516号公報
【特許文献2】特開2011-194390号公報
【特許文献3】特許第4177660号
【特許文献4】実用新案登録第3183630号
【特許文献5】実用新案登録第3066561号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記背景技術に挙げた公知技術では、水道水圧の水流による溶解によって従来の入浴剤成分や錠剤では、速やかに溶解してしまい、炭酸ガス発生浴剤の溶解持続時間がきわめて短く、また発泡する泡の径が極めて大きく、体に触れても皮膚や血管中への作用は起き難いという問題があった。特に、シャワーによる湯水の掛流しの場合、シャワーヘッドから吐出する湯水は身体に触れた後は速やかに流れ落ちてしまうため、浴槽内の湯に漬かる場合に比して身体と湯水との接触時間が短く、接触熱容量も面積も大きくない。そのため、前記した炭酸成分による血行促進等の健康増進効果を得るには、身体への接触確立を最大にするためには泡の径が大きすぎること、及び、入浴錠剤の溶解持続時間が短いことが、致命的であることを本発明者は突き止めた。
【0009】
そこで、本出願人は、先に「炭酸ガス成分を混合したマイクロバブル混合水をシャワー吐出した場合であっても、通常のシャワーの使用時間中、炭酸成分を持続的に供給可能で、炭酸ガスの泡径がミクロサイズで体への接触量が大きく、かつ炭酸成分の経皮吸収効率が瞬間的に行われる炭酸入浴錠剤成分によって、血行促進等の健康増進効果を十分に発揮することが期待できるマイクロバブル混合水の製造器を提供すること」を課題とする特許出願(特願2012-236289)を行った。この先出願に係る発明は、その解決手段として、「湯水の導入口と吐出口との間に設けられたマイクロバブル発生部を有する通水路に導入された湯水と、前記マイクロバブル発生部に収容された炭酸入浴錠剤を湯水によって溶解させて得られるマイクロバブル(微細気泡)と、を混合し、前記吐出口から吐出させて、マイクロバブル混合水を得るマイクロバブル混合水の製造方法において、前記マイクロバブル発生部に収容される炭酸入浴錠剤が重炭酸塩、有機酸及びポリエチレングリコールの存在下で、圧縮成形して直径及び厚みがそれぞれ7mm以上、硬度が特定値以上であり、錠剤を湯水に溶かした直後のPHが5.5から8.5の範囲となる錠剤であることを特徴とするマイクロバブル混合水の製造器」を提案した。
【0010】
この先出願に係る発明によれば、「炭酸ガス成分の発生が長時間持続することになるので、炭酸ガス成分が溶解したマイクロバブル混合水と身体との接触時間が長くなり血行促進等の健康増進効果の向上を手軽に図ることができる」等の効果を得ることができる。
【0011】
しかし、本発明者は、この先出願に係る発明について、更に研究を続けたところ、マイクロバブル混合水の製造器に収容される炭酸入浴剤についての工夫だけでは、強い水流に曝され、急速に、短時間で溶解してしまい、重炭酸イオンの身体への接触時間が短くなり、身体を温める十分な効果が得られ難い不都合があるだけではなく、前半に高い濃度の重炭酸シャワーを浴びてしまい、後半は水だけの淡水シャワーとなってしまうため、シャワーを浴びる1回のバスタイム内で、新たな錠剤に交換しなければならず、洗剤やシャンプー剤等で手が滑る中で、シャワーヘッドの開放部を開けての交換作業は煩雑でやり難いという問題点があることを見出した。
【0012】
以上のことから、本発明者は、錠剤状の炭酸入浴剤を収容したマイクロバブル混合水を製造するためのシャワー機器を使用して、炭酸ガスマイクロバブル混合水をシャワー吐出する場合において、血行促進等の健康増進効果を高め、適度な濃度の重炭酸シャワーを長時間享受できる効果を維持しつつ、錠剤状の炭酸入浴剤の溶解速度を最適化し、該錠剤を長持ちさせ、該炭酸入浴剤の交換頻度を減少させることで、ランニングコストも抑えることができるシャワー機器について研究を続けている。
【0013】
そこで本発明の課題は、炭酸入浴剤を簡単かつ容易に短時間で交換・装填することができる構成の炭酸ガスマイクロバブル混合水を吐出することができる炭酸マイクロバブル混合水の製造器及び製造方法を提供することにある。
更に本発明の課題は、既存のシャワーヘッドを使用したままであっても炭酸マイクロバブルシャワーを浴することができる炭酸マイクロバブル混合水の製造器及び製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
1.前記入浴剤収容部が設けられた炭酸マイクロバブル混合水の製造器が、シャワーヘッドとは別体構成であると共に、ホース後端の接続部とシャワーヘッドの接続部との間に着脱可能に接続される構成であり、
該製造器の本体が、ホース後端の接続部と接続するホース接続部と、シャワーヘッドの接続部と接続するシャワーヘッド接続部と、を有すると共に内部に入浴剤収容部を有し、
該製造器がシャワーヘッドとホースの両方との接続を維持した状態のまま前記入浴剤収容部に炭酸入浴剤を収容するための開口部の開閉が可能な構成であること、
を特徴とする炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【0015】
2.前記製造器の本体が、ホースに接続するホース側本体部と、シャワーヘッドに接続するシャワーヘッド側本体部と、の少なくとも2部材を接合すると共に、これら2部材の何れか一方又は両方の内部に入浴剤収容部を有する構成であり、
ホース側本体部とシャワーヘッド側本体部との接合部分は完全に分離することなく少なくとも一部が接続を維持した状態のまま一方を他方に対してスライド移動させることにより入浴剤収容部の開口部の開閉が可能な構成であること、
を特徴とする上記1に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【0016】
3.前記製造器の本体が、ホースに接続するホース側本体部と、シャワーヘッドに接続するシャワーヘッド側本体部と、入浴剤収容部と、の少なくとも3部材から成り、ホース側本体部とシャワーヘッド側本体部とが内部に入浴剤収容部を収納した状態で接合される構成であり、
該ホース側本体部とシャワーヘッド側本体部は一方が他方に対して水流方向に離開するように且つ少なくとも一部の接合を維持した状態でスライド移動可能であり、この離開した部分から内部の入浴剤収容部の少なくとも一部が露出し、この露出した部分に入浴剤収容部の開口部が設けられた構成であること、
を特徴とする上記1に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【0017】
4.ホース側本体部及びシャワーヘッド側本体部の何れか一方又は両方に、スライド移動による離開を規制するロック機構が設けられており、ホース側本体部とシャワーヘッド側本体部のいずれか一方を他方に対して水流方向を軸芯とする回動によって前記ロック機構を解除することによりスライド移動による離開が可能となる構成であることを特徴とする上記2又は3に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【0018】
5.スライド移動による離開範囲が、少なくとも入浴剤収容部の開口部が離開した部分から露出するまでであると共に、該開口部が露出したところまででスライド移動が規制されて止まる構成であることを特徴とする上記1~3のいずれかに記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【0019】
6.ホースから送水される湯水は入浴剤収容部に直線的に送水されることなく該湯水はホース側本体部の内側と入浴剤収容部の外側との間を通って迂回した後に入浴剤収容部に入り込む構成であることを特徴とする上記1~5のいずれかに記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【0020】
7.シャワーヘッドの湯水噴出孔から放出する湯水のpHが6.8~8.5であることを特徴とする上記1~6のいずれかに記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【0021】
8.製造器の本体の少なくとも一部が透明部材で構成されており、この透明部材の部分を通して前記入浴剤収容部の内部を目視可能であることを特徴とする上記1~7のいずれかに記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【0022】
9.入浴剤収容部の下流側に1枚又は複数枚の網状体が配設され、発生した炭酸マイクロバブルが前記網状体を通過して更に細分化される構成であることを特徴とする上記1~8のいずれかに記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【0023】
10.1枚又は複数枚の網状体が網状体収容部に収容されており、該網状体収容部が製造器の本体の内部に設けられた構成であることを特徴とする上記9に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【0024】
11.1枚又は複数枚の網状体が網状体収容部に収容されており、該網状体収容部が前記製造器の本体と別体構成であり、該本体と前記シャワーヘッドとの間に着脱可能に接続される構成であることを特徴とする上記9に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【0025】
12.前記入浴剤収容部が設けられた炭酸マイクロバブル混合水の製造器が、シャワーヘッドとは別体構成であると共に、ホース後端の接続部とシャワーヘッドの接続部との間に着脱可能に接続する構成であり、
該製造器の本体が、ホース後端の接続部と接続するホース接続部と、シャワーヘッドの接続部と接続するシャワーヘッド接続部と、を有すると共に内部に入浴剤収容部を有し、
該製造器がシャワーヘッドとホースの両方との接続を維持した状態のまま前記入浴剤収容部に炭酸入浴剤を収容するための開口部の開閉が可能な構成であり、
この製造器をホースとシャワーヘッドとの間に介在させた状態で接続して用いること、
を特徴とする炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【0026】
13.前記製造器の本体が、ホースに接続するホース側本体部と、シャワーヘッドに接続するシャワーヘッド側本体部と、の少なくとも2部材を接合した構成であり、
ホース側本体部とシャワーヘッド側本体部との接合部分は完全に分離することなく少なくとも一部が接続を維持した状態のまま一方を他方に対してスライド移動させることにより入浴剤収容部の開口部の開閉が可能な構成であること、
を特徴とする12に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【0027】
14.前記製造器の本体が、ホースに接続するホース側本体部と、シャワーヘッドに接続するシャワーヘッド側本体部と、入浴剤収容部と、の少なくとも3部材から成り、ホース側本体部とシャワーヘッド側本体部とが内部に入浴剤収容部を収納した状態で接合される構成であり、
該ホース側本体部とシャワーヘッド側本体部は一方が他方に対して水流方向に離開するように且つ少なくとも一部の接合を維持した状態でスライド移動可能であり、この離開した部分から内部の入浴剤収容部の少なくとも一部が露出し、この露出した部分に入浴剤収容部の開口部が設けられた構成であること、
を特徴とする上記12に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【0028】
15.ホース側本体部及びシャワーヘッド側本体部の何れか一方又は両方に、スライド移動による離開を規制するロック機構が設けられており、ホース側本体部とシャワーヘッド側本体部のいずれか一方を他方に対して水流方向を軸芯とする回動によって前記ロック機構を解除した後、該ホース側本体部とシャワーヘッド側本体部のいずれか一方を他方に対してスライド移動して離開させて入浴剤収容部の開口部を露出させ、該開口部に炭酸入浴剤を収容する構成であることを特徴とする上記13又は14に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【0029】
16.入浴剤収容部の下流側に1枚又は複数枚の網状体を配設し、発生した炭酸マイクロバブルを前記網状体を通過させて更に細分化させる構成であることを特徴とする上記12~15のいずれかに記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【発明の効果】
【0030】
請求項1又は請求項12に示す発明によれば、入浴剤収容部をホース後端の接続部とシャワーヘッドの接続部との間に接続する構成、即ち、シャワーヘッドよりも上流側に配設する構成によって、使用中のシャワーヘッドのシャワーの噴射形態や放水量はそのままの状態、或いは、種々の放水モードが備わっているシャワーヘッドの場合には各放水モードに影響を与えることなく、シャワーヘッドのすぐ上流の位置で炭酸マイクロバブル発生効果を付加することができる。
また、これらの効果は日ごろ使用しているシャワーヘッドに限らず、旅先のホテルやスポーツジム等に配備されている既存のシャワーヘッドとしても適用することができる。
更に、製造器の本体のホース側本体部とシャワーヘッド側本体部とをスライド移動によって離開することにより入浴剤収容部の開口部を露出させて炭酸入浴剤の収容ができるので、入浴前は勿論のこと、入浴中であっても炭酸入浴剤を簡単かつ容易に短時間で交換・装填することができる。
特に、製造器がシャワーヘッドとホースの両方との接続を維持した状態のまま炭酸入浴剤を収容することができるので、ホースとシャワーヘッドとが完全に分離されて別体とならない。従って、入浴時において濡れた手で炭酸入浴剤の収容作業を行った場合であってもシャワーヘッドを浴室の床に取り落としてしまうおそれがなく、シャワーヘッドの破損・浴室床の損傷を防ぐことができる。
【0031】
請求項2又は請求項13に示す発明によれば、製造器の本体が少なくとも2部材構成であるため、極めて簡単な構成が故に破損・故障の問題が生じ難い。
特に、製造器がシャワーヘッドとホースの両方との接続を維持した状態のまま炭酸入浴剤を収容することができるので、ホースとシャワーヘッドとが完全に分離されて別体とならない。従って、入浴時において濡れた手で炭酸入浴剤の収容作業を行った場合であってもシャワーヘッドを浴室の床に取り落としてしまうおそれがなく、シャワーヘッドの破損・浴室床の損傷を防ぐことができる。
【0032】
請求項3又は請求項14に示す発明によれば、製造器の本体が少なくとも3部材構成であるため、極めて簡単な構成が故に破損・故障の問題が生じ難い。
特に、製造器がシャワーヘッドとホースの両方との接続を維持した状態のまま炭酸入浴剤を収容することができるので、ホースとシャワーヘッドとが完全に分離されて別体とならない。従って、入浴時において濡れた手で炭酸入浴剤の収容作業を行った場合であってもシャワーヘッドを浴室の床に取り落としてしまうおそれがなく、シャワーヘッドの破損・浴室床の損傷を防ぐことができる。
【0033】
請求項4又は請求項15に示す発明によれば、ロック機構をロックすることによりシャワー使用中にホース側本体部とシャワーヘッド側本体部とがスライド移動して離開することを防止することができると共に、ロック解除によって容易にスライド移動による離開が可能である。また、このロック機構のロックとロック解除はホース側本体部・シャワーヘッド側本体部の回動によって極めて容易且つ簡単に可能である。
【0034】
請求項5に示す発明によれば、スライド移動範囲が、入浴剤収容部への炭酸入浴剤を収容する際に必要充分な範囲であると共に、ホースに接続されたホース側本体部とシャワーヘッドに接続されたシャワーヘッド側本体部とが分離してしまうことを防止することができる。従って、入浴時に炭酸入浴剤を新たに収容する際に手指やシャワーヘッドが濡れていても容易に収容が可能である。特に、シャワーヘッド側とホース側とが分離することなく炭酸入浴剤の収容が可能であるため使い勝手が極めて良い。
【0035】
請求項6に示す発明によれば、入浴剤収容部に収容された炭酸入浴剤にホースから送水された湯水が直撃することなく迂回によって衝撃が和らげられるため炭酸入浴剤の急激な減りを抑制することができる。
【0036】
請求項7に示す発明によれば、湯水噴出孔から放出する湯水のpHが中性を保つことにより湯水中に重炭酸イオンが多く存在することになるため血行促進効果や洗浄効果が多く期待できる。
【0037】
請求項8に示す発明によれば、錠剤収容部に収容された炭酸入浴剤の溶解状態を外部から常に容易に把握することができる。
【0038】
請求項9又は請求項16に示す発明によれば、入浴剤収容部で発生した炭酸マイクロバブルを、その下流側に配設した網状体を通過させることによって更に細分化された微細な炭酸マイクロバブル(炭酸ナノバブル)となるので、血行促進効果や洗浄効果等が一段と向上することになる。細分化の程度は、配設する網状体の網目メッシュの大きさ、網状体の配設枚数によって適宜設定することができる。
【0039】
請求項10に示す発明によれば、ホース後端とシャワーヘッドとの間に介在させた状態で接続することによって、炭酸入浴剤を用いた炭酸マイクロバブルよりも血行促進効果や洗浄効果等が一段と向上した細分化された微細な炭酸マイクロバブル(炭酸ナノバブル)を得ることができる。
【0040】
請求項11に示す発明によれば、入浴剤収容部と網状体収容部とが別体構成であるため、この網状体収容部を製造器本体とシャワーヘッドとの間に介在させた状態で接続するだけで、入浴剤収容部で発生した炭酸マイクロバブルが更に細分化した炭酸マイクロバブル(炭酸ナノバブル)と成るので一段と向上した炭酸マイクロバブル発生効果を得ることができる。
更に、より細分化された微細な炭酸マイクロバブル(炭酸ナノバブル)までは求めずに通常の炭酸マイクロバブル程度でよい場合は網状体収容部を接続しない状態も容易に選択可能である。
更にまた、ホース後端の接続部とシャワーヘッドの接続部との間に、網状体を収容した網状体収容部のみを配設する構成とすれば、炭酸マイクロバブルシャワーではなく単なるマイクロバブルシャワーとして用いることもできる。
【0041】
尚、本発明において、「湯水」とは、いわゆる水、若しくは加温乃至は加熱してある湯又はこの両者の混合物をいう。また、「マイクロバブル」とは、いわゆる微細気泡と称されるものをいう。尚また、本発明において、「量」は特に断りのない限り「質量」を表し、「%」は特に断りのない限り「質量%」を表し、「部」は特に断りのない限り「質量部」を表す。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】本発明に係る炭酸マイクロバブル混合水の製造器・製造方法の概略構成図
図2】入浴剤収容部がシャワーヘッドの内部に設けられた構成の参考例において入浴剤収容部への炭酸入浴剤の収容構成を説明する概略正面図
図3図2の概略平面図
図4】ヘッド部と背面部とのロック機構を説明する参考例の要部概略端面図
図5図4に示すロック機構のロック状態を説明する参考例の部分概略断面図
図6】入浴剤収容部への湯水の迂回送水構成を説明する参考例の概略構成図
図7】入浴剤収容部の内部を目視可能であることを説明する参考例の概略右側面図
図8】入浴剤収容部がシャワーヘッドと別体に設けられた構成の本発明の実施例において入浴剤収容部への炭酸入浴剤の収容構成を説明する概略斜視図
図9図8の概略断面図
図10図8の実施例の部品構成を説明する分散斜視図
図11】入浴剤収容部がシャワーヘッドと別体に設けられた構成の他の実施例において入浴剤収容部への炭酸入浴剤の収容構成を説明する概略斜視図
図12】炭酸マイクロバブル混合水の製造器の他の参考例を示す概略分解正面図
図13図12に示す炭酸マイクロバブル混合水の製造器に用いられる網状体の一例を示す2面図(左側面図、正面図)
図14図12に示す炭酸マイクロバブル混合水の製造器の網状体収容部への網状体の収容状態を説明する要部説明断面図
図15】複数枚(2枚)の網状体を収容する場合の収容状態の一例を説明する概略説明図
図16】複数枚(2枚)の網状体を収容する場合の収容状態の他の例を説明する概略説明図
図17】複数枚(2枚)の網状体を収容する場合の収容状態の更に他の例を説明する概略説明図
図18】別の本発明に係る炭酸マイクロバブル混合水の製造器の他の参考例を示す概略分解正面図
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明に係る炭酸マイクロバブル混合水の製造器(以下、単に製造器ということもある。)、及び炭酸マイクロバブル混合水の製造方法(以下、単に製造方法ということもある。)について図面に基づき説明する。
【0044】
図1に示すように、製造器1は、固形の炭酸入浴剤4を湯水の流路中に留置させる入浴剤収容部11が設けられ、ホース3からシャワーヘッド2へ送水される湯水によって前記入浴剤収容部11に収容した炭酸入浴剤4を溶解して炭酸マイクロバブルを発生させると共に湯水と混合して炭酸マイクロバブル混合水を生成し、この炭酸マイクロバブル混合水をシャワーヘッド2の湯水噴出孔21から放出(シャワー吐出)する構成を有するものであり、かかる構成によって炭酸泉入浴効果とマイクロバブル効果を併せ持つ炭酸マイクロバブル混合水を簡易に得ることにより洗浄効果と血行促進等の健康増進効果をも期待できる技術である。
【0045】
本発明の詳細な説明をする前に、先ず、本発明の製造器及び製造方法の参考例について説明する。
参考例は、図2図7に示すように炭酸入浴剤4を収容する入浴剤収容部11がシャワーヘッド2の内部に設けられた態様である。
【0046】
シャワーヘッド2が、持ち手部22と、該持ち手部22の長手方向に直交する方向に向けて前記湯水噴出孔21が設けられたヘッド部23と、を有して成り、
該ヘッド部23の内部に前記入浴剤収容部11が設けられ、前記湯水噴出孔21が設けられた側をヘッド部23の正面側とした時に該ヘッド部23の背面側となる背面部24が背面方向にスライド移動可能であり、この背面部24を背面方向にスライド移動させることによってヘッド部23から前記入浴剤収容部11の開口部12が露出するように前記入浴剤収容部11を引き出すことが可能であり、引き出されて露出した開口部12から前記炭酸入浴剤4を入浴剤収容部11に収容することが可能な構成であること、を主構成とする。
尚、湯水の送水構成としては、シャワーヘッド2の持ち手部22の一端にヘッド部23が設けられ、他端にホース3が接続される接続部が設けられ、ホース3から送水される湯水は持ち手部22の内部に設けられた流路を通ってヘッド部23内に送水される構成である。
【0047】
ヘッド部23に対して背面部24がシャワー使用時に不用意に背面方向にスライド移動することを防止するためにロック機構によってスライド移動が規制されており、入浴剤収容部11に炭酸入浴剤4を収容する際は前記ロック機構を解除することにより背面部24を背面方向にスライド移動させることができる構成となっている。
即ち、ヘッド部23及び背面部24の何れか一方又は両方に、背面部24のスライド移動を規制するロック機構が設けられており、このロック機構を背面部24の回動によって解除することにより該背面部24の背面方向へのスライド移動が可能となる構成である。
【0048】
背面部24のスライド移動を規制するロック機構の具体的構成例としては図4及び図5に示すように、背面部24側に設けられたロック爪部25が矢符X方向への回動によってヘッド部23側に設けられたロック溝部26に入り込むことによりロックされる構成を挙げることができる。
【0049】
ロック機構を解除するには、矢符Xと反対方向である矢符Y方向に背面部24を回動することによって、ロック溝部26からロック爪部25を退出させる。このロック機構の解除によってヘッド部23から背面部24を矢符Zで示す背面方向にスライド移動させることが可能となる。
【0050】
ヘッド部23からの背面部23のスライド移動範囲としては、図2及び図3に示すように、少なくとも入浴剤収容部11の開口部12がヘッド部23から露出する位置までであること、該開口部12が露出した位置でスライド移動が規制されて背面部24のヘッド部23からの引き出しが止まる位置であること、が好ましい。
【0051】
スライド移動の規制手段としては、例えば、ヘッド部23の内側部と入浴剤収容部11の外側部とのいずれか一方に凹部又は凸部等を設け他方に凸部又は凹部を設けること等によって、これらがスライド移動の終点部分で停止規制される等による構成を挙げることができる。
また、ヘッド部23に対する背面部24のスライド構成としては、例えば、ヘッド部23の内壁部分にガイド溝を設け、入浴剤収容部11の外側部分に前記ガイド溝に摺動掛止するガイド部材を設ける構成等を挙げることができる。
【0052】
入浴剤収容部11に収容された炭酸入浴剤4は、湯水がホース3を介してシャワーヘッド2の持ち手部22の流路を通ってヘッド部23に送られ、ヘッド部23に送られた湯水が該ヘッド部23内に設けられた入浴剤収容部11に入り込んで該入浴剤収容部11に収容された炭酸入浴剤4を溶解することによって炭酸マイクロバブルを発生することになるが、図6に示すように、ヘッド部22内に送水された湯水はヘッド部22の内側と入浴剤収容部11の外側との間を通って迂回した後に入浴剤収容部11に入り込む構成であることが好ましい。
かかる構成によれば、入浴剤収容部11に収容された炭酸入浴剤4にホース3から送水された湯水が直撃することなく迂回によって衝撃が和らげられるため炭酸入浴剤の急激な減りを抑制することができる。炭酸入浴剤4の急激な減りが抑制できることによって炭酸泉効果を長く持続することができる。
【0053】
入浴剤収容部11に収容されている炭酸入浴剤4の溶解状態をシャワー吐出中であっても外部から常に容易に把握することができるように、背面部24の少なくとも一部を透明部材で構成された窓部24Aを設け、この透明部材の部分である窓部24Aを通して前記入浴剤収容部11の内部を目視可能な構成とすることが好ましい。
【0054】
上記構成を有する製造器1によってシャワー吐出される炭酸泉マイクロバブル混合水は、シャワーヘッド2の湯水噴出孔21から放出された湯水のpHが6.8~8.5であることが好ましい。かかる構成によれば、湯水噴出孔21から放出する湯水のpHが中性を保つことにより湯水中に重炭酸イオンが多く存在することになるため血行促進効果や洗浄効果が多く期待できる。
【0055】
次に本発明に用いることができる炭酸入浴剤について説明する。
本発明に用いることができる炭酸入浴剤4は、その組成を問わず、固形のものであれば、いずれのものであってもよい。形状や大きさについても特に限定せず、錠剤状、球状、立方形状以外の顆粒状などであってもよい。例えば、最も好ましく用いられる炭酸入浴剤4としては、本発明者が先に提案した特許第6268332号公報に記載のものを挙げることができ、以下に例示する。
【0056】
重炭酸塩をポリエチレングリコール(以下「PEG」ということもある。)等で造粒した後、有機酸(特にクエン酸、コハク酸、リンゴ酸、フマル酸)等をPEGと混合してもしくは造粒し、それぞれを一定比率内の条件で混合し、本発明の賦形剤を加えて錠剤を圧縮成形によって成形し、錠剤の溶解直後のpHが下記範囲となるよう設計することで、錠剤に水が浸透するとき激しく均一にかつ持続的に炭酸ガスを発泡するよう反応させ、かつ発生する炭酸ガス泡はミクロサイズの微細炭酸ガスとして長時間発生させることができ、錠剤は溶解し終わるまでミクロサイズの泡を発泡し続け、泡が空気中に揮散するまえに水中で中和され重炭酸イオンに解離して高濃度の重炭酸イオンが溶存するよう水のpHは5.5から9.0であるよう設計され、好ましくは6.0から8.5、特に前記したように湯水噴出孔21から吐出された際のpHが6.8から8.5の範囲であるときに洗浄効果と血行促進等の健康増進効果という効果が最大限に発揮される。
【0057】
更に、重炭酸塩の混合物が流動層を用いて、PEGで、コーテイングして作成された造粒物であることにより、錠剤中での継続的で均一な反応など、前記効果の発現が大きく発揮される。
【0058】
また、錠剤硬度が15kg以上、好ましく25kg以上、特に好ましくは30kg以上に高硬度とされるほど、塩素中和化合物の継続的で安定な反応が得られ、錠剤内部での塩素中和反応を抑え錠剤が溶解した部分が湯中で塩素を迅速に除去するよう高硬度に成形されることが好ましい。
塩素除去効果が高いほど、シャワー入浴時の場合でも血行促進や体温上昇等の健康増進が大きい効果が発揮される
【0059】
更にまた、錠剤摩損度が10.0wt%以下、特に好ましくは5.0wt%以下、さらに好ましくは3.0wt%以下であるほど、塩素中和化合物の継続的安定な反応が得られ、錠剤内部での塩素中和反応効率を最大にできるだけでなく、シャワー入浴時の場合でさえも血行促進及び体温上昇等の健康増進効果を発揮できる。
【0060】
本発明に好ましく用いられる炭酸入浴剤の錠剤を作製する圧縮成形には、公知の圧縮成形機を特別の制限なく使用でき、例えば、油圧プレス機、単発式打錠機、ロータリー式打錠機、ブリケッティングマシンなどを用いることができる。この打錠機などに用いる杵の大きさは、杵が円形である場合は直径が7mm以上であることが好ましく、杵が三角形や四角形の場合、円形杵に換算して直径が7mm以上となるものが好ましい。そして杵の厚みについても同様である。円形の打錠品を得る場合、錠剤の直径は7mm以上が望ましく、より望ましくは10mm以上とし、厚みも7mm以上、好ましくは10mm以上とし、三角形や四角形等の錠剤とされる場合、円形錠剤に換算して、直径及び厚みの各々が7mm以上、特に10mm以上とすることが好ましい。
【0061】
炭酸入浴剤の錠剤は、必ずしも平面を持つ円形でなくてもよく、7mm以上の固形物であれば、楕円形でもいわゆるタブレット状でも球体でも、形は何ら制限されない。
【0062】
上記した硬度及び摩損度並びに一定サイズ以上の錠剤中でミクロサイズの発泡をゆっくり起こさせ、湯水中への炭酸ガスの溶解をより効率的に行うことが好ましく、そのため硬度は15kg以上、望ましくは25kg以上、特に好ましくは35kg以上であり、また摩損度は10.0wt%以下、好ましくは5wt%以下、特に好ましくは3wt%以下であり、直径や厚みは10mm以上が特に好ましく、錠剤中での炭酸ガスの発生がより効果的に起こり、水中への炭酸ガスの溶解が効率的に行われ、泡の径が細かくなり、本発明に用いて好ましい炭酸入浴剤となる。
【0063】
上記の参考例において、入浴剤収容部11の下流側に1枚又は複数枚の網状体を配設し、発生した炭酸マイクロバブルが前記網状体を通過して更に細分化される構成とすることが好ましい。網状体の配設は入浴剤収容部11と湯水噴出孔21との間、即ち、ヘッド部23の前面側の湯水噴出孔21の部分の内側であることが好ましい。
かかる構成によれば、入浴剤収容部11で発生した炭酸マイクロバブルを、その下流側に配設した網状体を通過させることによって更に細分化された微細な炭酸マイクロバブル(炭酸ナノバブル)となるので、血行促進効果や洗浄効果等が一段と向上することになる。細分化の程度は、配設する網状体の網目メッシュの大きさ、網状体の配設枚数によって適宜設定することができる。
また、網状体の配設によって、炭酸入浴剤4が溶解途中において欠片状に砕けてしまった場合や溶解が進んで小片状まで小さくなってしまった場合であっても、欠片状・小片状の炭酸入浴剤4を網状体で留めることができるので入浴剤収容部11近傍にて溶解させて炭酸マイクロバブルを発生させることができると共に、欠片状態の炭酸入浴剤4が湯水噴出孔21を塞いでしまうことを防止することができる。
【0064】
前記網状体は、入浴剤収容部11の下流側だけでなく上流側に配設することもできる。この上流側に網状体を配設することにより、溶解途中に砕けて欠片状に砕けたり、溶解が進んで小片状になった炭酸入浴剤4が製造器1の上流のホース3内に流れ込んでしまうことを防止することができる。
【0065】
上記の参考例において、製造器1の主要構成部材であるシャワーヘッド2は入浴剤収容部11が設けられた構成のものであるが、その他の構成、即ち、湯水噴出孔21の孔の直径・形状・数や孔群の配置・配列、素材構成やその他の構成については公知のいずれのものでよく、一般に、湯水が供給されるホース3と、該ホース3が接続される持ち手部22と、該持ち手部22と一体構成であると共に湯水噴出孔21を有するヘッド部23と、を有して成る構成を有するものであるが、持ち手部22とヘッド部23とは一体構成であってもよいし、別体で形成されたものを一体となるように接続又は結合したものであってもよいし、ヘッド部23が持ち手部22に対して向きや角度が変えられるように直接又は間接的に接続されたものであってもよいし、種々の放水モードを備えており気分や状況に応じて所望の放水モードを選択することができるものであってもよいし、少なくとも湯水噴出孔21を有するヘッド部23を備えた構成のもの、即ち、タイプ・形状・大きさ等が異なる様々な構成を有する既存の一般的なシャワーヘッド2を用いることができる。
【0066】
次に、本発明の製造器1及び製造方法の具体的構成の実施例について説明する。
本発明の製造器1及び製造方法は、図1及び図8図10に示すように炭酸入浴剤4を収容する入浴剤収容部11がシャワーヘッド2とは別体で設けられた態様である。
【0067】
本発明の特徴点は、入浴剤収容部11が設けられた炭酸マイクロバブル混合水の製造器1が、シャワーヘッド2とは別体構成であると共に、ホース3後端の接続部とシャワーヘッド2の接続部との間に着脱可能に接続される構成であり、
該製造器1の本体が、ホース3後端の接続部と接続するホース側本体部と13、シャワーヘッド2の接続部と接続するシャワーヘッド側本体部14と、ホース側本体部13及び/又はシャワーヘッド側本体部14の内部に設けられた入浴剤収容部11と、の少なくとも3部材構成であると共に、
ホース側本体部13とシャワーヘッド側本体部14のいずれか一方が他方に対して水流方向にスライド移動して離開することにより、この離開した部分から内部の入浴剤収容部11の少なくとも一部が露出し、この露出した部分に前記炭酸入浴剤4を入浴剤収容部11に収容するための開口部12が設けられた構成であること、を主構成とする。
尚、ホース側本体部13にはホース3の後端と接続可能なホース接続部が設けられ、シャワーヘッド側本体部14にはシャワーヘッド2に接続可能なシャワーヘッド接続部14Aが設けられている。
尚また、湯水の送水構成としては、湯水はホース3から該ホース3の後端に接続したホース接続部13Aからホース側本体部13内に送られ、この送られた湯水は入浴剤収容部11内に入り込んで該入浴剤収容部11に収容された炭酸入浴剤4を溶解することによって炭酸マイクロバブルが発生し、湯水と混合することによって炭酸マイクロバブル混合水となり、この炭酸マイクロバブル混合水がシャワーヘッド側本体部14とシャワーヘッド接続部14Aを通り、該シャワーヘッド接続部14Aに接続したシャワーヘッド2に送られ、該シャワーヘッド2の湯水噴出孔21からシャワー吐出されることになる。
【0068】
ホース3からホース側本体部13内に送水された湯水は、図9に示すように、入浴剤収容部11に直線的に送水されることなく該湯水は入浴剤収容部11の底部に当たってホース側本体部13の内側と入浴剤収容部11の外側との間を通って迂回した後に入浴剤収容部11に入り込む構成であることが好ましい。
かかる構成によれば、入浴剤収容部11に収容された炭酸入浴剤4にホース3から送水された湯水が直撃することなく迂回によって衝撃が和らげられるため炭酸入浴剤の急激な減りを抑制することができる。炭酸入浴剤4の急激な減りが抑制できることによって炭酸泉効果を長く持続することができる。
【0069】
ホース側本体部13及びシャワーヘッド側本体部14の何れか一方又は両方には、シャワー使用時に不用意に一方が他方に対してスライド移動して離開することを防止するためにロック機構によってスライド移動が規制されており、入浴剤収容部11に炭酸入浴剤4を収容する際は前記ロック機構を解除することにより背面部24を背面方向にスライド移動させることができる構成となっている。
即ち、ホース側本体部13とシャワーヘッド側本体部14のいずれか一方を他方に対して水流方向を軸芯とする回動によって前記ロック機構を解除することによりスライド移動による離開が可能となる構成である。
【0070】
スライド移動を規制するロック機構の具体的構成例としては、シャワーヘッド側本体部14側に設けられたロック爪部15が前記した回動によってヘッド部23側に設けられたロック溝部16に入り込むことによりロックされる構成を挙げることができる。
【0071】
ロック機構を解除するには、ロック時と反対方向に回動することによって、ロック溝部16からロック爪部15を退出させる。このロック機構の解除によってホース側本体部13とシャワーヘッド側本体部14とが離開するように水流方向にスライド移動させることが可能となる。
【0072】
ホース側本体部13とシャワーヘッド側本体部14との離開時におけるスライド移動範囲としては、図8及び図9に示すように、少なくとも入浴剤収容部11の開口部12が離開した部分から露出する位置までであること、該開口部12が露出した位置でスライド移動が規制されて離開が止まる位置であること、が好ましい。
【0073】
スライド移動の規制手段としては、例えば、図10に示すガイド部材17をシャワーヘッド側本体部14の内部に取り付けると共に入浴剤収容部11をホース側本体部13の内側に取り付け、ガイド部材17のガイド脚部17Aがホース側本体部13の内側部と入浴剤収容部11の外側部との間に入り込ませて先端爪部17Bを入浴剤収容部11の口縁部11Aに掛止すること等によって、これらがスライド移動の終点部分で停止規制される等による構成を挙げることができる。
また、スライド構成としては、例えば、前記ガイド脚部17Aがホース側本体部13の内側と入浴剤収容部11の外側との間を摺動する構成等を挙げることができる。
【0074】
入浴剤収容部11に収容されている炭酸入浴剤4の溶解状態をシャワー吐出中であっても外部から常に容易に把握することができるように、入浴剤収容部11とその外側部分であるホース側本体部13(及びシャワーヘッド側本体部14)の少なくとも一部を透明部材で形成することにより、この透明部材で形成された部分を通して前記入浴剤収容部11の内部を目視可能な構成とすることが好ましい。
【0075】
上記構成を有する製造器1によってシャワーヘッド2内に送水された後、該シャワーヘッド2の湯水噴出孔21からシャワー吐出される炭酸泉マイクロバブル混合水は、湯水のpHが6.8~8.5であることが好ましい。かかる構成によれば、湯水噴出孔21から放出する湯水のpHが中性を保つことにより湯水中に重炭酸イオンが多く存在することになるため血行促進効果や洗浄効果が多く期待できる。
【0076】
以上、図1及び図8図10に基づき本発明の製造器及び製造方法の実施例について説明したが、本発明の製造器1は図8図10に示す形状に限らず図11に示すような細径型であってもよい。この細径型の製造器1では入浴剤収容部11に収容する炭酸入浴剤4の向きが、前記した図8図10に示す製造器1では炭酸入浴剤4の厚み方向を水流方向と一致させていた収容向きとは異なり、直径方向を水流方向と一致させた収容向きとしている。
尚、その他の各部の構成及び当該構成に基づく作用・機能は同様である。
【0077】
図1及び図8図10に示す実施例は、製造器1の本体が、ホース3に接続するホース側本体部13と、シャワーヘッド2に接続するシャワーヘッド側本体部14と、入浴剤収容部11と、の少なくとも3部材から成り、ホース側本体部13とシャワーヘッド側本体部14とが内部に入浴剤収容部11を収納した状態で接合される構成であり、該ホース側本体部13とシャワーヘッド側本体部14は一方が他方に対して水流方向に離開するように且つ少なくとも一部の接合を維持した状態でスライド移動可能であり、この離開した部分から内部の入浴剤収容部11の少なくとも一部が露出し、この露出した部分に入浴剤収容部11の開口部12が設けられた構成であるが、本発明はかかる構成に限定されず、下記のような構成を採ることもできる。
【0078】
例えば、製造器1の本体は、ホース3後端の接続部と接続するホース接続部13Aと、シャワーヘッド2の接続部と接続するシャワーヘッド接続部14Aと、を有すると共に内部に入浴剤収容部11を有し、更に該製造器1がシャワーヘッド2とホース3の両方との接続を維持した状態のまま入浴剤収容部11に炭酸入浴剤4を収容するための開口部12の開閉が可能な構成を基本構成とするものであり、かかる基本構成を有していれば上記実施例で図示した3部材構成ではなく、1部材構成、2部材構成、或いは4部材以上の構成であっても本発明に包含される。
即ち、ホース側本体部13、シャワーヘッド側本体部14、入浴剤収容部11の3つの構成部材は、1つずつが独立した部材で形成されていてもよいし、3つの内のいずれか2つ又は3つ全部が1つの部材で一体的に形成されていてもよいし、或いは3つの部材のいずれか1つ又は2つ、更には3つ全ての構成部材が各々2つ以上の部材から形成されていてもよい。好ましい部材構成としては、上記の実施例に挙げた3部材構成と、ホース側本体部13とシャワーヘッド側本体部14との2部材を接合すると共に、これら2部材の何れか一方又は両方の内部に入浴剤収容部11が一体的に形成された構成の2構成を挙げることができる。
【0079】
製造器1がシャワーヘッド2とホース3の両方との接続を維持した状態のまま入浴剤収容部11に炭酸入浴剤4を収容するための開口部11の開閉が可能な構成としては、上記した実施例ではホース側本体部13とシャワーヘッド側本体部14とが少なくとも一部の接続を維持したまま一方が他方に対してスライド移動して離開することにより離開部分に開口部12が露出する構成としていたが、例えば、ホース側本体部13とシャワーヘッド側本体部14とが1部材構成である場合はいずれか一方又は両方の任意の箇所に開閉可能な扉部材を設け、この扉部材を開放した時にこの開放した部分が開口部12と成る構成とすることもできる。この扉部材としては、例えば、薄肉部や蝶番部を介して一部において本体との接続を維持したまま開口可能な構成を挙げることができる。
かかる構成の場合であっても、製造器1がシャワーヘッド2とホース3の両方との接続を維持した状態のまま炭酸入浴剤4を収容することができるので、ホース3とシャワーヘッド2とが完全に分離されて別体とならない。従って、入浴時において濡れた手で炭酸入浴剤4の収容作業を行った場合であってもシャワーヘッド2を浴室の床に取り落としてしまうおそれがなく、シャワーヘッド2の破損・浴室床の損傷を防ぐことができる。
【0080】
炭酸入浴剤4の収容に際しては、ホース側本体部13とシャワーヘッド側本体部14との接合部分は完全に分離することなく少なくとも一部が接続を維持した状態のまま一方を他方に対してスライド移動させることにより入浴剤収容部11の開口部12の開閉することにより行う。
【0081】
上記構成を有する本発明の製造器1、製造方法によれば、製造器1の本体のホース側本体部13とシャワーヘッド側本体部14とをスライド移動によって離開することにより入浴剤収容部11の開口部12を露出させて炭酸入浴剤4の収容ができるので、入浴前は勿論のこと、入浴中であっても炭酸入浴剤4を簡単かつ容易に短時間で交換・装填することができる。
特に、製造器1がシャワーヘッド2とホース3の両方との接続を維持した状態のまま炭酸入浴剤4を収容することができるので、ホース3とシャワーヘッド2とが完全に分離されて別体とならない。従って、入浴時において濡れた手で炭酸入浴剤4の収容作業を行った場合であってもシャワーヘッド2を浴室の床に取り落としてしまうおそれがなく、シャワーヘッド2の破損・浴室床の損傷を防ぐことができる。
【0082】
また、本発明の製造器1・製造方法において、入浴剤収容部11の下流側に1枚又は複数枚の網状体を配設し、発生した炭酸マイクロバブルが前記網状体を通過して更に細分化される構成とすることが好ましい。
【0083】
かかる構成によれば、入浴剤収容部11で発生した炭酸マイクロバブルを、その下流側に配設した網状体を通過させることによって更に細分化された微細な炭酸マイクロバブル(炭酸ナノバブル)となるので、血行促進効果や洗浄効果等が一段と向上することになる。細分化の程度は、配設する網状体の網目メッシュの大きさ、網状体の配設枚数によって適宜設定することができる。
また、網状体の配設によって、炭酸入浴剤4が溶解途中において欠片状に砕けてしまった場合や溶解が進んで小片状まで小さくなってしまった場合であっても、欠片状・小片状の炭酸入浴剤4を網状体で留めることができるので入浴剤収容部11近傍にて溶解させて炭酸マイクロバブルを発生させることができると共に、欠片状態の炭酸入浴剤4が湯水噴出孔21を塞いでしまうことを防止することができる。
【0084】
網状体の配設は1枚又は複数枚の網状体を製造器1の本体の内部に設けた構成としてもよいし、或いは、1枚又は複数枚の網状体を製造機1の本体とは別体構成の網状体収容部に収容し、製造器1本体と前記シャワーヘッド2との間に着脱可能に接続する構成とすることもできる。
【0085】
前記網状体は、入浴剤収容部11の下流側だけでなく上流側に配設することもできる。この上流側に網状体を配設することにより、溶解途中に砕けて欠片状に砕けたり、溶解が進んで小片状になった炭酸入浴剤4が製造器1の上流のホース3内に流れ込んでしまうことを防止することができる。
【0086】
本発明の製造器1・製造方法が適用されるシャワーヘッド2は、公知のいずれのものでよく、一般に、湯水が供給されるホース3と、該ホース3が接続される持ち手部と、該持ち手部と一体構成であると共に湯水噴出孔21を有するヘッド部と、を有して成る構成を有するものであるが、持ち手部とヘッド部とは一体構成であってもよいし、別体で形成されたものを一体となるように接続又は結合したものであってもよいし、ヘッド部が持ち手部に対して向きや角度が変えられるように直接又は間接的に接続されたものであってもよいし、種々の放水モードを備えており気分や状況に応じて所望の放水モードを選択することができるものであってもよいし、少なくとも湯水噴出孔21を有するヘッド部を備えた構成のもの、即ち、タイプ・形状・大きさ等が異なる様々な構成を有する既存の一般的なシャワーヘッド2を用いることができる。即ち、日ごろ使用しているシャワーヘッドや、旅先のホテルやスポーツジム等に配備されている既存のシャワーヘッドを用いることができる。
【0087】
本発明の製造器1が接続されるシャワーヘッド2とホース3は、元々は、一般的に雄ネジ構成であるシャワーヘッド2の接続部と、一般的に雌ネジ構成であるホース3の接続部と、が螺合接続されており、この螺合接続を取り外し、この間に第2実施例の製造器1を介在させた状態で接続する構成である。従って、製造器1のシャワーヘッド接続部14Aはシャワーヘッド2の接続部と螺合接続可能な雌ネジ構成を有し、ホース接続部13Aはホース3の接続部と螺合接続可能な雄ネジ構成を有する。尚、シャワーヘッド2の接続部とホース3の接続部の雄ネジ構成・雌ネジ構成が逆である場合はシャワーヘッド接続部14A・ホース接続部13Aについても逆の雄ネジ構成・雌ネジ構成となる。
尚、既存のシャワーヘッド2の接続部(雄ネジ部分)に、本発明の入浴剤収容部11を有する本発明に係る製造器1を接続する際に、製造器1のシャワーヘッド接続部14A(雌ネジ部分)がネジ径やネジピッチ等の違いによって螺合できない場合、前記接続部とシャワーヘッド接続部14Aとの間に調整用接続部を用いればよい。
尚また、ホース3の後端の接続部(雌ネジ部分)に、本発明に係る製造器1を接続する際に、製造器1のホース側接続部13A(雄ネジ部分)がネジ径やネジピッチ等の違いによって螺合できない場合、前記接続部とホース接続部13Aとの間に調節用接続部を用いればよい。
【0088】
本発明者は、更に下記に示す別発明(本発明の第2発明)についても、研究成果を開示する。
【0089】
[書類名]特許請求の範囲
[請求項101]
ホース後端の接続部とシャワーヘッドの接続部との間に、固形の炭酸入浴剤を湯水の送水経路中に留置させる入浴剤収容部を配設し、
ホースからシャワーヘッドへ送水される湯水によって前記炭酸入浴剤が溶解して炭酸マイクロバブルが発生すると共に湯水と混合して炭酸マイクロバブル混合水が生成され、この炭酸マイクロバブル混合水がシャワーヘッドの湯水噴出孔から放出される構成の炭酸マイクロバブル混合水の製造器において、
該製造器が、ホース後端の接続部とシャワーヘッドの接続部との間に着脱可能に接続される構成であり、
前記入浴剤収容部の下流側に1枚又は複数枚の網状体が配設され、発生した炭酸マイクロバブルが前記網状体を通過して更に細分化される構成であることを特徴とする炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
[請求項102]
1枚又は複数枚の網状体が網状体収容部に収容されており、該網状体収容部が前記入浴剤収容部と一体構成であることを特徴とする請求項101に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
[請求項103]
任意の枚数の網状体を網状体収容部に選択的に収容可能であり、該網状体収容部が前記入浴剤収容部と一体構成であることを特徴とする請求項101に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
[請求項104]
1枚又は複数枚の網状体が網状体収容部に収容されており、該網状体収容部が前記入浴剤収容部と別体構成であり、該入浴剤収容部と前記シャワーヘッドの接続部との間に着脱可能に接続される構成であることを特徴とする請求項101に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
[請求項105]
任意の枚数の網状体を網状体収容部に選択的に収容可能であり、該網状体収容部が前記入浴剤収容部と別体構成であり、該入浴剤収容部と前記シャワーヘッドの接続部との間に着脱可能に接続される構成であることを特徴とする請求項101に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
[請求項106]
ホース後端の接続部とシャワーヘッドの接続部との間に、固形の炭酸入浴剤を湯水の送水経路中に留置させる入浴剤収容部を配設し、
ホースからシャワーヘッドへ送水される湯水によって前記炭酸入浴剤を溶解させて炭酸マイクロバブルを発生させると共に湯水と混合して炭酸マイクロバブル混合水を生成し、この炭酸マイクロバブル混合水をシャワーヘッドの湯水噴出孔からシャワー放出させる構成の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法において、
ホース後端の下流側とシャワーヘッドの上流側との間の通水経路中に前記入浴剤収容部を配設し、
該入浴剤収容部の下流側とシャワーヘッドの上流側との間に、1枚又は複数枚の網状体を収容する網状体収容部を配設し、前記入浴剤収容部で発生した炭酸マイクロバブルを前記網状体を通過させることにより更に細分化させる構成であること、
を特徴とする炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
[請求項107]
1枚又は複数枚の網状体が網状体収容部に収容されており、該網状体収容部が前記入浴剤収容部と一体構成であることを特徴とする請求項106に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
[請求項108]
任意の枚数の網状体を網状体収容部に選択的に収容可能であり、該網状体収容部が前記入浴剤収容部と一体構成であることを特徴とする請求項106に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
[請求項109]
1枚又は複数枚の網状体が網状体収容部に収容されており、該網状体収容部が前記入浴剤収容部と別体構成であり、該入浴剤収容部と前記シャワーヘッドの接続部との間に着脱可能に接続される構成であることを特徴とする請求項106に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
[請求項110]
任意の枚数の網状体を網状体収容部に選択的に収容可能であり、該網状体収容部が前記入浴剤収容部と別体構成であり、該入浴剤収容部と前記シャワーヘッドの接続部との間に着脱可能に接続される構成であることを特徴とする請求項106に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【0090】
以下、かかる別発明について説明する。
[書類名]明細書
[発明の名称]炭酸マイクロバブル混合水の製造器及び製造方法
[技術分野]
【0091】
本発明は血行促進などの炭酸泉入浴効果を著しく向上させ炭酸マイクロバブル効果を併せ持つ炭酸マイクロバブル混合水の製造方法、及び前記炭酸マイクロバブル混合水を簡易に得られる製造器に関する。
「背景技術」
【0092】
重炭酸塩(炭酸水素ナトリウム又は炭酸水素カリウム)と、有機酸とを含む混合物を打錠等によって成型し、発泡性組成物(固形物)とすることは、洗浄剤、入浴剤、風呂水清浄剤、プール用殺菌剤等の製品に適用されている。これらの製品(固形物)は、水に投入すると、その成分が反応して炭酸ガスを発生しつつ速やかに溶解する利点を有すると同時に、消費者に快適な使用感を与えるので商品価値を高める効果があり、特に浴剤(入浴剤ということもある。)においては、発生する炭酸ガスの血行促進効果が積極的に利用されている。
【0093】
従来、入浴剤を用いて炭酸マイクロバブルシャワー水を得るため、炭酸入浴剤をシャワーヘッドに入れ込む技術が知られている(特許文献101~103参照)。
【0094】
これら特許文献101~103に記載の技術は、シャワーヘッドに炭酸入浴剤をセットする構成であるため、セット可能なシャワーヘッドがない場合、シャワーヘッドによる炭酸マイクロバブルシャワーを浴することができなかった。
特に、海外旅行中に炭酸マイクロバブルシャワー水を浴したいという願望があっても、ホテル等の宿泊施設には炭酸入浴剤をセット可能なものは無く、断念せざるを得なかった。
【0095】
そこで本発明者は、炭酸マイクロバブルシャワー専用のシャワーヘッドに付け替えることなく、既存のシャワーヘッドさえあれば炭酸マイクロバブルシャワーを浴することができる技術を先に提案した(特許文献104及び105)。
【0096】
これら特許文献104、105に記載の技術は、既存の一般的なシャワーヘッドに、細孔を有する弾性体及び/又は網状体を被冠させ、この弾性体及び/又は網状体に炭酸入浴剤を収容し、シャワーヘッドの湯水噴出孔から噴出した湯水によって該シャワーヘッドの直外で炭酸マイクロバブルを発生させて炭酸マイクロバブルシャワーが得られるものである。
[先行技術文献]
[特許文献]
【0097】
[特許文献101]特開2008-241261号公報
[特許文献102]特開昭62-283915号公報
[特許文献103]特開2007-289289号公報
[特許文献104]特許6727249号公報
[特許文献105]特許6744890号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
【0098】
本発明者は上記先発明について更に研究を続けた結果、日ごろ使用しているシャワーヘッドのシャワーの噴射形態や放水量が好みである、或いは、日ごろ使用しているシャワーヘッドが種々の放水モードを備えており気分や状況に応じて所望の放水モードを選択することができる、等の理由から、シャワーヘッドのシャワー放水構成はそのまま変更されることなく維持したままの状態で、炭酸マイクロバブル発生効果は付加したい、という要望があることが判った。
【0099】
本発明(以下、「別の本発明」は単に「本発明」と記す。)は、かかる要望を解決するために成されたもので、使用中のシャワーヘッドのシャワー放水構成に影響を与えることなく炭酸マイクロバブル発生効果を付加することができる炭酸マイクロバブルの製造器及び製造方法を提供することを課題とする。
[課題を解決するための手段]
【0100】
101.ホース後端の接続部とシャワーヘッドの接続部との間に、固形の炭酸入浴剤を湯水の送水経路中に留置させる入浴剤収容部を配設し、
ホースからシャワーヘッドへ送水される湯水によって前記炭酸入浴剤が溶解して炭酸マイクロバブルが発生すると共に湯水と混合して炭酸マイクロバブル混合水が生成され、この炭酸マイクロバブル混合水がシャワーヘッドの湯水噴出孔から放出される構成の炭酸マイクロバブル混合水の製造器において、
該製造器が、ホース後端の接続部とシャワーヘッドの接続部との間に着脱可能に接続される構成であり、
前記入浴剤収容部の下流側に1枚又は複数枚の網状体が配設され、発生した炭酸マイクロバブルが前記網状体を通過して更に細分化される構成であることを特徴とする炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【0101】
102.1枚又は複数枚の網状体が網状体収容部に収容されており、該網状体収容部が前記入浴剤収容部と一体構成であることを特徴とする上記101に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【0102】
103.任意の枚数の網状体を網状体収容部に選択的に収容可能であり、該網状体収容部が前記入浴剤収容部と一体構成であることを特徴とする上記101に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【0103】
104.1枚又は複数枚の網状体が網状体収容部に収容されており、該網状体収容部が前記入浴剤収容部と別体構成であり、該入浴剤収容部と前記シャワーヘッドの接続部との間に着脱可能に接続される構成であることを特徴とする上記101に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【0104】
105.任意の枚数の網状体を網状体収容部に選択的に収容可能であり、該網状体収容部が前記入浴剤収容部と別体構成であり、該入浴剤収容部と前記シャワーヘッドの接続部との間に着脱可能に接続される構成であることを特徴とする上記101に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【0105】
106.ホース後端の接続部とシャワーヘッドの接続部との間に、固形の炭酸入浴剤を湯水の送水経路中に留置させる入浴剤収容部を配設し、
ホースからシャワーヘッドへ送水される湯水によって前記炭酸入浴剤を溶解させて炭酸マイクロバブルを発生させると共に湯水と混合して炭酸マイクロバブル混合水を生成し、この炭酸マイクロバブル混合水をシャワーヘッドの湯水噴出孔からシャワー放出させる構成の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法において、
ホース後端の下流側とシャワーヘッドの上流側との間の通水経路中に前記入浴剤収容部を配設し、
該入浴剤収容部の下流側とシャワーヘッドの上流側との間に、1枚又は複数枚の網状体を収容する網状体収容部を配設し、前記入浴剤収容部で発生した炭酸マイクロバブルを前記網状体を通過させることにより更に細分化させる構成であること、
を特徴とする炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【0106】
107.1枚又は複数枚の網状体が網状体収容部に収容されており、該網状体収容部が前記入浴剤収容部と一体構成であることを特徴とする上記106に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【0107】
108.任意の枚数の網状体を網状体収容部に選択的に収容可能であり、該網状体収容部が前記入浴剤収容部と一体構成であることを特徴とする上記106に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【0108】
109.1枚又は複数枚の網状体が網状体収容部に収容されており、該網状体収容部が前記入浴剤収容部と別体構成であり、該入浴剤収容部と前記シャワーヘッドの接続部との間に着脱可能に接続される構成であることを特徴とする上記106に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【0109】
110.任意の枚数の網状体を網状体収容部に選択的に収容可能であり、該網状体収容部が前記入浴剤収容部と別体構成であり、該入浴剤収容部と前記シャワーヘッドの接続部との間に着脱可能に接続される構成であることを特徴とする上記106に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
[発明の効果]
【0110】
請求項101又は106に示す発明によれば、使用中のシャワーヘッドのシャワー放水構成に影響を与えることなく炭酸マイクロバブル発生効果を付加することができる炭酸マイクロバブルの製造器及び製造方法を提供することができる。
【0111】
特に、入浴剤収容部と網状体とを、シャワーヘッドの接続部とホース後端の接続部との間に接続する構成、即ち、シャワーヘッドよりも上流側に配設する構成によって、使用中のシャワーヘッドのシャワーの噴射形態や放水量はそのままの状態、或いは、種々の放水モードが備わっているシャワーヘッドの場合には各放水モードに影響を与えることなく、シャワーヘッドのすぐ上流の位置で炭酸マイクロバブル発生効果を付加することができる。
また、これらの効果は日ごろ使用しているシャワーヘッドに限らず、旅先のホテルやスポーツジム等に配備されている既存のシャワーヘッドにも適用することができる。
【0112】
請求項102又は107に示す発明によれば、入浴剤収容部で発生した炭酸マイクロバブルを、その下流側に配設した網状体を通過させることによって更に細分化された微細な炭酸マイクロバブル(炭酸ナノバブル)となるので、毛髪洗浄効果等が一段と向上することになる。細分化の程度は、収容する網状体の網目メッシュの大きさ、網状体の収容枚数によって適宜設定することができる。
また、入浴剤収容部と網状体収容部とが一体構成であるため、この一体構成の製造器をホース後端の接続部とシャワーヘッドの接続部との間に介在させた状態で接続するだけで、一段と向上したマイクロバブル発生効果を得ることができる。
【0113】
請求項103又は108に示す発明によれば、網状体収容部に収容する網状体の枚数を任意に設定できるため、発生した炭酸マイクロバブルの更なる細分化(ナノバブル化)の程度を選択的に設定することができる。
【0114】
請求項104又は109に示す発明によれば、入浴剤収容部で発生した炭酸マイクロバブルを、その下流側に配設した網状体を通過させることによって更に細分化された微細な炭酸マイクロバブル(炭酸ナノバブル)となるので、毛髪洗浄効果等が一段と向上することになる。細分化(ナノバブル化)の程度は、収容する網状体の網目メッシュの大きさ、網状体の収容枚数によって適宜設定することができる。
また、入浴剤収容部と網状体収容部とが別体構成であるため、この別体構成の網状体収容部をシャワーヘッドの接続部と入浴剤収容部との間に介在させた状態で接続するだけで、入浴剤収容部で発生した炭酸マイクロバブルが更に細分化した炭酸マイクロバブル(炭酸ナノバブル)と成るので一段と向上した炭酸マイクロバブル発生効果を得ることができる。
更に、より細分化された微細な炭酸マイクロバブル(炭酸ナノバブル)までは求めずに通常の炭酸マイクロバブル程度でよい場合は網状体収容部を接続しない状態も容易に選択可能である。
更にまた、ホース後端の接続部とシャワーヘッドの接続部との間に、入浴剤収容部を配することなく、網状体を収容した網状体収容部のみを配設する構成とすれば、炭酸マイクロバブルシャワーではなく単なるマイクロバブルシャワーとして用いることもできる。
【0115】
請求項105又は110に示す発明によれば、網状体収容部に収容する網状体の枚数を任意に設定できるため、発生した炭酸マイクロバブルの更なる細分化(ナノバブル化)の程度を選択的に設定することができる。
【0116】
尚、本発明において、「湯水」とは、いわゆる水、若しくは加温乃至は加熱してある湯又はこの両者の混合物をいう。また、「マイクロバブル」とは、いわゆる微細気泡と称されるものをいう。尚また、本発明において、「量」は特に断りのない限り「質量」を表し、「%」は特に断りのない限り「質量%」を表し、「部」は特に断りのない限り「質量部」を表す。
[図面の簡単な説明]
【0117】
図12]本発明に係る炭酸マイクロバブル混合水の製造器の一実施例を示す概略分解正面図
図13図12に示す炭酸マイクロバブル混合水の製造器に用いられる網状体の一実施例を示す2面図(左側面図、正面図)
図14図12に示す炭酸マイクロバブル混合水の製造器の網状体収容部への網状体の収容状態を説明する要部説明断面図
図15]複数枚(2枚)の網状体を収容する場合の収容状態の一例を説明する概略説明図
図16]複数枚(2枚)の網状体を収容する場合の収容状態の他の例を説明する概略説明図
図17]複数枚(2枚)の網状体を収容する場合の収容状態の更に他の例を説明する概略説明図
図18]本発明に係る炭酸マイクロバブル混合水の製造器の他の実施例を示す概略分解正面図
[発明を実施するための形態]
【0118】
以下、本発明に係る炭酸マイクロバブル混合水の製造器(以下、単に製造器ということもある。)、及び炭酸マイクロバブル混合水の製造方法(以下、単に製造方法ということもある。)について図面に基づき説明する。
【0119】
本発明は炭酸泉入浴効果とマイクロバブル効果を併せ持つ炭酸マイクロバブル混合水を簡易に得ることができる製造器と、炭酸マイクロバブル混合水の製造方法であり、炭酸ガス成分とマイクロバブルとを混合した湯水を製造器のシャワーヘッドの湯水噴出孔から吐出(シャワー吐出)させることによって洗浄効果と血行促進等の健康増進効果をも期待できる技術である。
【0120】
しかも本発明は、国内外を問わず旅行先であっても、宿泊施設やトレーニングジムやスイミングプール等に備えられている既存の一般的なシャワーヘッドに適用するだけで、炭酸入浴剤による炭酸マイクロバブル混合水を気軽に浴びることができる利点がある。また、この既存のシャワーヘッドへの製造器の装着及び取り外しは、シャワーヘッドの接続部とホース後端の接続物の間に製造器を介在させるように接続するだけでよいので極めて容易に行うことができる。
【0121】
特に、本発明は、炭酸入浴剤の収容部を有していない既存の様々なシャワーヘッド、特に、お気に入り等の使用中のシャワーヘッドのシャワーの噴射形態や放水量はそのままの状態、或いは、種々の放水モードが備わっているシャワーヘッドの場合には各放水モードに影響を与えることなく、シャワーヘッドのすぐ上流の位置で炭酸マイクロバブル発生効果、即ち、洗浄効果と血行促進等の健康増進効果を発揮できる技術である。
【0122】
以下、図12図14に基づき本発明の実施例について詳説する。
【0123】
本発明の製造器1は、
ホース3後端の接続部31とシャワーヘッド2の接続部21との間に、固形の炭酸入浴剤4を湯水の送水経路中に留置させる入浴剤収容部11を配設し、
ホース3からシャワーヘッド2へ送水される湯水によって前記炭酸入浴剤4が溶解して炭酸マイクロバブルが発生すると共に湯水と混合して炭酸マイクロバブル混合水が生成され、この炭酸マイクロバブル混合水がシャワーヘッド2の湯水噴出孔22から放出される構成において、
該製造器1が、ホース3後端の接続部31とシャワーヘッド2の接続部21との間に着脱可能に接続される構成であり、
前記入浴剤収容部11の下流側に1枚又は複数枚(本実施例では3枚)の網状体5・5・5が配設され、発生した炭酸マイクロバブルが前記網状体5・5・5を通過して更に細分化される構成であること、
を主構成とするものである。
【0124】
また、本発明の製造方法は、
ホース3後端の接続部31とシャワーヘッド2の接続部21との間に、固形の炭酸入浴剤4を湯水の送水経路中に留置させる入浴剤収容部11を配設し、
ホース3からシャワーヘッド2へ送水される湯水によって前記炭酸入浴剤4を溶解させて炭酸マイクロバブルを発生させると共に湯水と混合して炭酸マイクロバブル混合水を生成し、この炭酸マイクロバブル混合水をシャワーヘッド2の湯水噴出孔22からシャワー放出させる構成において、
ホース3後端の下流側とシャワーヘッド2の上流側との間の通水経路中に前記入浴剤収容部11を配設し、
該入浴剤収容部11の下流側とシャワーヘッド2の上流側との間に、1枚又は複数枚(本実施例では3枚)の網状体5・5・5を収容する網状体収容部12を配設し、前記入浴剤収容部11で発生した炭酸マイクロバブルを前記網状体5・5・5を通過させることにより更に細分化させる構成であること、
を主構成とするものである。
【0125】
本発明の製造器1・製造方法が適用されるシャワーヘッド2は、公知のいずれのものでよく、一般に、湯水が供給されるホース3と、該ホース3が接続される持ち手部と、該持ち手部と一体構成であると共に湯水噴出孔22を有するヘッド部と、を有して成る構成を有するものであるが、持ち手部とヘッド部とは本実施例に示すような一体構成に限らず、別体で形成されたものを一体となるように接続又は結合したものであってもよいし、ヘッド部が持ち手部に対して向きや角度が変えられるように直接又は間接的に接続されたものであってもよいし、種々の放水モードを備えており気分や状況に応じて所望の放水モードを選択することができるものであってもよいし、少なくとも湯水噴出孔22を有するヘッド部を備えた構成のもの、即ち、タイプ・形状・大きさ等が異なる様々な構成を有する既存の一般的なシャワーヘッド2を用いることができる。
【0126】
本発明の製造器1が接続されるシャワーヘッド2とホース3は、元々は、一般的に雄ネジ構成である接続部21と、一般的に雌ネジ構成である接続部31と、が螺合接続されており、この螺合接続を取り外し、この間に本発明の製造器1を介在させた状態で接続する構成である。従って、製造器1の上流側の被接続部13はホース3の接続部31と螺合接続可能な雄ネジ構成を有し、製造器1の下流側の被接続部14はシャワーヘッド2の接続部21と螺合接続可能な雌ネジ構成を有する。尚、接続部21と接続部31の雄ネジ構成・雌ネジ構成が逆である場合は被接続部13・被接続部14についても逆の雌ネジ構成・雄ネジ構成となる。
【0127】
本発明の製造器1は、図12図14に示すように、入浴剤収容部11の下流側に配設される網状体収容部12が一体構成により接続されており、該網状体収容部12内に3枚の網状体5・5・5が収容されている。
【0128】
入浴剤収容部11には脱着可能な蓋部15が液密気密状態で螺合取付けされており、この蓋部15の脱着により内部に炭酸入浴剤4を収容することができる。また、網状体収容部12には脱着可能な蓋部16が液密気密状態で螺合取付けされており、この蓋部16の脱着により内部に1枚又は複数枚(本実施例では3枚)の網状体5・5・5を収容することができる。尚、蓋部15・蓋部16は入浴剤収容部11・網状体収容部12を液密気密状態で開閉可能であれば螺合取付に限らず、公知公用の他の密閉手段を用いてもよい。
【0129】
網状体収容部12に収容される網状体5は、図13に示すように縦横メッシュを有する金属製又は合成樹脂製の網状構成を有し、網目の大きさ(目合い)は概ね0.5mm~1.5mm程度であることが好ましい。また、網状体5は、ホース3内に通水される湯水の水圧が掛かっても形状を維持できるように縁が枠体51によって補強された構成であることが好ましい。更に、網状体5は、網状体収容部12内壁部に凸条に形成されたガイド部17・17間に枠体51部分が挿し込まれることにより位置固定された状態で配設されることが好ましい。
【0130】
図12図14に示す本実施例のように網状体5を3枚構成とする場合、各網状体5・5・5の網目の大きさ(目合い)は同じであってもよいが、上流から下流に向かって段々と細かくなることが好ましい。
【0131】
ホース3から送水される湯水は、入浴剤収容部11に入り、内部に収容された炭酸入浴剤4を溶解して炭酸マイクロバブルを発生させると共に湯水と混合して炭酸マイクロバブル混合水が生成され、更にこの炭酸マイクロバブル混合水は網状体収容部12に入り、内部に収容された網状体5・5・5を通過することにより更に細分化された微細なマイクロバブル(ナノバブル)となる。従って、入浴剤収容部11のみを通過した炭酸マイクロバブル混合水よりも毛髪洗浄効果等が一段と向上することになる。特に複数枚の網状体5・5・5・・・を配設した場合には、一枚通過する毎に細分化が進むため、多段階に細分化された極めて微細な炭酸マイクロバブル(ナノバブル)混合水シャワーを得ることができる。
【0132】
次に本発明に用いることができる炭酸入浴剤4は、その組成を問わず、固形のものであれば、いずれのものであってもよい。形状や大きさについても特に限定せず、錠剤状、球状、立方形状以外の顆粒状などであってもよい。例えば、最も好ましく用いられる炭酸入浴剤4としては、本発明者が先に提案した特許第6268332号公報に記載のものを挙げることができ、以下に例示する。
【0133】
重炭酸塩をポリエチレングリコール(以下「PEG」ということもある。)等で造粒した後、有機酸(特にクエン酸、コハク酸、リンゴ酸、フマル酸)等をPEGと混合してもしくは造粒し、それぞれを一定比率内の条件で混合し、本発明の賦形剤を加えて錠剤を圧縮成形によって成形し、錠剤の溶解直後のpHが下記範囲となるよう設計することで、錠剤に水が浸透するとき激しく均一にかつ持続的に炭酸ガスを発泡するよう反応させ、かつ発生する炭酸ガス泡はミクロサイズの微細炭酸ガスとして長時間発生させることができ、錠剤は溶解し終わるまでミクロサイズの泡を発泡し続け、泡が空気中に揮散するまえに水中で中和され重炭酸イオンに解離して高濃度の重炭酸イオンが溶存するよう水のpHは5.5から9.0であるよう設計され、好ましくは6.0から8.5、特に6.3から8.0である際、洗浄効果と血行促進等の健康増進効果という効果が最大限に発揮される。
【0134】
更に、重炭酸塩の混合物が流動層を用いて、PEGで、コーテイングして作成された造粒物であることにより、錠剤中での継続的で均一な反応など、前記効果の発現が大きく発揮される。
【0135】
また、錠剤硬度が15kg以上、好ましく25kg以上、特に好ましくは30kg以上に高硬度とされるほど、塩素中和化合物の継続的で安定な反応が得られ、錠剤内部での塩素中和反応を抑え錠剤が溶解した部分が湯中で塩素を迅速に除去するよう高硬度に成形されることが好ましい。
塩素除去効果が高いほど、シャワー入浴時の場合でも血行促進や体温上昇等の健康増進が大きい効果が発揮される
【0136】
更にまた、錠剤摩損度が10.0wt%以下、特に好ましくは5.0wt%以下、さらに好ましくは3.0wt%以下であるほど、塩素中和化合物の継続的安定な反応が得られ、錠剤内部での塩素中和反応効率を最大にできるだけでなく、シャワー入浴時の場合でさえも血行促進及び体温上昇等の健康増進効果を発揮できる。
【0137】
本発明に好ましく用いられる炭酸入浴剤の錠剤を作製する圧縮成形には、公知の圧縮成形機を特別の制限なく使用でき、例えば、油圧プレス機、単発式打錠機、ロータリー式打錠機、ブリケッティングマシンなどを用いることができる。この打錠機などに用いる杵の大きさは、杵が円形である場合は直径が7mm以上であることが好ましく、杵が三角形や四角形の場合、円形杵に換算して直径が7mm以上となるものが好ましい。そして杵の厚みについても同様である。円形の打錠品を得る場合、錠剤の直径は7mm以上が望ましく、より望ましくは10mm以上とし、厚みも7mm以上、好ましくは10mm以上とし、三角形や四角形等の錠剤とされる場合、円形錠剤に換算して、直径及び厚みの各々が7mm以上、特に10mm以上とすることが好ましい。
【0138】
炭酸入浴剤の錠剤は、必ずしも平面を持つ円形でなくてもよく、7mm以上の固形物であれば、楕円形でもいわゆるタブレット状でも球体でも、形は何ら制限されない。
【0139】
上記した硬度及び摩損度並びに一定サイズ以上の錠剤中でミクロサイズの発泡をゆっくり起こさせ、湯水中への炭酸ガスの溶解をより効率的に行うことが好ましく、そのため硬度は15kg以上、望ましくは25kg以上、特に好ましくは35kg以上であり、また摩損度は10.0wt%以下、好ましくは5wt%以下、特に好ましくは3wt%以下であり、直径や厚みは10mm以上が特に好ましく、錠剤中での炭酸ガスの発生がより効果的に起こり、水中への炭酸ガスの溶解が効率的に行われ、泡の径が細かくなり、本発明に用いて好ましい炭酸入浴剤となる。
【0140】
以上の構成を有する本発明の製造器1・製造方法によれば、使用中のシャワーヘッドのシャワー放水構成に影響を与えることなく炭酸マイクロバブル発生効果を付加することができる。
【0141】
特に、炭酸入浴剤4を収容する入浴剤収容部11と網状体5を収容する網状体収容部12とを、シャワーヘッド2の接続部21とホース3後端の接続部31との間に接続する構成、即ち、シャワーヘッド2よりも上流側に配設する構成によって、使用中のシャワーヘッド2のシャワーの噴射形態や放水量はそのままの状態、或いは、種々の放水モードが備わっているシャワーヘッド2の場合には各放水モードに影響を与えることなく、シャワーヘッド2のすぐ上流の位置で炭酸マイクロバブル発生効果を付加することができる。
また、これらの効果は日ごろ使用しているシャワーヘッド2に限らず、旅先のホテルやスポーツジム等に配備されている既存のシャワーヘッド2にも適用することができる。
更に、入浴剤収容部11で発生した炭酸マイクロバブルを、その下流側に配設した網状体5を通過させることによって更に細分化された微細な炭酸マイクロバブル(炭酸ナノバブル)となるので、毛髪洗浄効果等が一段と向上することになる。細分化の程度は、収容する網状体5の網目メッシュの大きさ、網状体5の収容枚数によって適宜設定することができる。網状体収容部12に収用する網状体5の枚数を任意に設定できる構成とすれば、生した炭酸マイクロバブルの更なる細分化(ナノバブル化)の程度を選択的に設定することができる。
更にまた、図12図14に示す実施例では、入浴剤収容部11と網状体収容部12とが一体構成であるため、この一体構成の製造器1をホース3後端の接続部31とシャワーヘッド2の接続部21との間に介在させた状態で接続するだけで、一段と向上したマイクロバブル発生効果を得ることができる。
【0142】
以上、図12図14に示す実施例に基づき本発明について説明したが、本発明は上記実施例に限定されず本発明の範囲内において様々な態様を採ることができる。
【0143】
網状体収容部12に配設する網状体5の枚数を複数枚とする場合、例えば、図15に示すように、網目の大きさ(目合い)が同じ網状体5・5・5の網目が重合状態において揃うことなく交差するように一枚毎に網目の角度を変えて配設することが好ましい。
【0144】
また、図16に示すように、網目の大きさ(目合い)が異なる網状体5・5を配設することも好ましい。
【0145】
更に、網状体5は縦横メッシュに限らず、図17に示すような多数の細孔が穿孔された板状材を用いることもできる。かかる細孔構成の網状体5を複数枚配設する場合には異なる孔径の網状体5・5を用いることが好ましい。
【0146】
また、上記図12図14に示す実施例では、製造器1の入浴剤収容部11と網状体収容部12は一体構成であったが、この2つが別体構成である態様も本発明に包含される。
即ち、図18に示すように、網状体収容部12が入浴剤収容部11と別体構成であり、該入浴剤収容部11とシャワーヘッド2の接続部21との間に着脱可能に接続される構成である。かかる構成によれば、別体構成の網状体収容部12をシャワーヘッド2の接続部21と入浴剤収容部11との間に介在させた状態で接続するだけで、入浴剤収容部11で発生した炭酸マイクロバブルが更に細分化した炭酸マイクロバブル(炭酸ナノバブル)と成るので一段と向上した炭酸マイクロバブル発生効果を得ることができる。
【0147】
また、かかる構成によれば、より細分化された微細な炭酸マイクロバブル(炭酸ナノバブル)までは求めずに通常の炭酸マイクロバブル程度でよい場合は網状体収容部12を接続しない状態、即ち、シャワーヘッド2の接続部21とホース3後端の接続部31との間に入浴剤収容部11のみを接続した状態も容易に選択可能である。
【0148】
更に、ホース3後端の接続部31とシャワーヘッド2の接続部21との間に、入浴剤収容部11を配することなく、網状体5を収容した網状体収容部12のみを配設する構成とすれば、炭酸マイクロバブルシャワーではなく単なるマイクロバブルシャワーとして用いることもできる。
【0149】
更にまた、ホース3後端の接続部31とシャワーヘッド2の接続部21との間に他の機能手段を付加したものに本発明の製造器1の網状体収容部12を付加したり、入浴剤収容部11を付加したり、或いは入浴剤収容部11と網状体収容部12の両方を付加することも本発明に包含される。
尚、他の機能手段としては、例えば、塩素除去装置、酸化還元装置、ろ過装置、アロマ付加装置等を挙げることができる。尚また、入浴剤収容部11が既に取り付けられている場合や、他社製の入浴剤収容部を利用する場合、本発明の製造器1の網状体収容部12を付加することも本発明に包含される。
【0150】
また、図18に示す網状体収容部12が入浴剤収容部11と別体構成である態様においても、該網状体収容部12に収容する網状体5の枚数は任意の枚数を選択的に収容可能であり、かかる構成によれば、網状体5の枚数を任意に設定することにより、発生した炭酸マイクロバブルの更なる細分化(ナノバブル化)の程度を選択的に設定することができる。
【符号の説明】
【0151】
以下は、図1図11の符号を示す。
1 炭酸マイクロバブル混合水の製造器
11 入浴剤収容部
11A 口縁部
12 開口部
13 ホース側本体部
13A ホース接続部
14 シャワーヘッド側本体部
14A シャワーヘッド接続部
15 ロック爪部
16 ロック溝部
17 ガイド部材
17A ガイド脚部
18 網状体収容部
2 シャワーヘッド
21 湯水噴出孔
22 持ち手部
23 ヘッド部
24 背面部
24A 窓部
25 ロック爪部
26 ロック溝部
3 ホース
4 炭酸入浴剤
5 網状体
X ロック機構(ロック)の回動方向を示す矢符
Y ロック機構(解除)の回動方向を示す矢符
Z 背面方向へのスライド移動方向を示す矢符
以下は、図12図18の符号を示す。
1 炭酸マイクロバブル混合水の製造器
11 入浴剤収容部
12 網状体収容部
13 被接続部
14 被接続部
15 蓋部
16 蓋部
17 ガイド部
2 シャワーヘッド
21 接続部
22 湯水噴出孔
3 ホース
31 接続部
4 炭酸入浴剤
5 網状体
51 枠体
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18