(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023003492
(43)【公開日】2023-01-17
(54)【発明の名称】クランプ装置
(51)【国際特許分類】
B23K 37/04 20060101AFI20230110BHJP
【FI】
B23K37/04 Y
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021104599
(22)【出願日】2021-06-24
(71)【出願人】
【識別番号】000185374
【氏名又は名称】小池酸素工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】518390169
【氏名又は名称】株式会社イトウ電機
(74)【代理人】
【識別番号】110000718
【氏名又は名称】弁理士法人中川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩堀 千早
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 智康
(57)【要約】
【課題】突合せ溶接を行う際に、被溶接材の厚さ方向と端面方向に力を作用させることができるクランプ装置を提供する。
【解決手段】突合せ溶接する被溶接材Bを保持するためのクランプ装置であって、対向して配置された被溶接材を載置する載置面1aを有する載置部材1と、載置部材の載置面側に構成され該載置面に載置された被溶接材に対向して配置された第1回動支点となる軸5を有するフレーム2と、一方の端部側が軸5に取り付けられると共に該軸5から離隔した位置に第2回動支点となる回動ピン7が配置されたリンク片6と、一方の端部側が前記第回動ピン7に取り付けられると共に他方側の端部となる先端部材10aが載置面に載置された被溶接材と接触するレバー10と、フレームに配置されてレバーを被溶接材を押圧する方向又は押圧を解除する方向に駆動する駆動部材となる第1ホース13,第2ホース14と、を有し、回動ピンは、軸5と先端部材の先端を結ぶ線11から離隔した位置に配置されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
突合せ溶接する被溶接材を保持するためのクランプ装置であって、
対向して配置された被溶接材を載置する載置面を有する載置部材と、
前記載置部材の載置面側に構成され該載置面に載置された被溶接材に対向して配置された第1回動支点を有するフレームと、
一方の端部側が前記フレームの第1回動支点に取り付けられると共に該第1回動支点から離隔した位置に第2回動支点が配置されたリンク片と、
一方の端部側が前記第2回動支点に取り付けられると共に他方側の端部が前記載置部材の載置面に載置された被溶接材と接触するレバーと、
前記フレームに配置されて前記レバーを被溶接材を押圧する方向又は押圧を解除する方向に駆動する駆動部材と、を有し、
前記第2回動支点は、前記第1回動支点と前記レバーの他方側の端部を結ぶ線から離隔した位置に配置されていることを特徴とするクランプ装置。
【請求項2】
前記フレームには、前記第1回動支点から離隔した位置にブラケットが配置されており、
前記駆動部材は、前記レバーと該レバーと対向する前記フレームとの間に配置された第1ホースと、前記レバーと該レバーと対向する前記ブラケットとの間に配置された第2ホースと、からなり、
前記第2ホースには圧力流体を付与することなく、前記第1ホースに圧力流体を付与することで該第1ホースの拡径に伴って前記レバーを第1回動支点を中心として回動させて該レバーの他方側の端部を被溶接材に接触させて載置部材の載置面側に押圧し、第1ホースの更なる拡径に伴って前記レバーを第2回動支点を中心として回動させて被溶接材を対向する被溶接材に向けて押圧し、対向して配置された被溶接材を互いに接触させてクランプし、
前記第1ホースには圧力流体を付与することなく、前記第2ホースに圧力流体を付与することで該第2ホースの拡径に伴って前記レバーを前記第2回動支点を中心として回動させると共に前記リンク片を前記第1回動支点を中心として回動させることで、前記レバーによる被溶接材の前記載置部材に対する押圧を解除することを特徴とする請求項1に記載したクランプ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被溶接材を突合せ溶接する際に、対向する被溶接材を厚さ方向に、及び対向する端面を互いに接近させる方向に力を加えて保持するクランプ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ステンレス鋼板や鋼板などを用いて、自動車用マフラー、食品タンク、圧力容器、タンクローリー、化学プラントなどの断面が楕円形状の製品や円形の製品を製造することがある。このような製品を製造する場合、平板やロール状の成型品などの端面を対向させて溶接する突合せ溶接が行われている。
【0003】
突合せ溶接を行う場合、溶接の際に生じる熱歪によって、被溶接材が厚さ方向に波打つように変形することがあり、この変形に伴って溶接すべき端面どうしが厚さ方向にズレが生じることがある。このため、溶接すべき端面の近傍を厚さ方向に拘束することで変形を防ぐようにしたクランプ装置を用いるのが一般的である。
【0004】
上記したクランプ装置は、金属製の載置部材と、この載置部材の上方に配置された押圧部材と、を有して構成されている。そして、被溶接材の端部を載置部材の上面に配置すると共に端面どうしを対向させ、この状態で端面の近傍を被溶接材の上面から載置部材の方向に押圧することで、厚さ方向の変形を防いでいる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
突合せ溶接を行う際に上記した従来の装置を利用しても、対向する端面が離隔する方向に変形して隙間が形成されてしまうという問題が生じている。即ち、被溶接材は厚さ方向への変形が拘束されるものの、押圧されている載置部材の表面に対して滑りが生じることで面内方向への変形が生じ、隙間が形成されてしまう。そして、このような変形が生じた場合、良好な溶接を実現することが困難となるという問題が生じる。
【0006】
また、比較的薄い被溶接材を突合せ溶接する場合、対向する端面どうしを隙間なく接触させることが必要となる。しかし、例えばタンクローリーのタンクやガスタンクのように溶接すべき部位の長さが5m~10mと長くなると、端面どうしを隙間なく接触させるという作業は容易ではないという問題がある。
【0007】
このため、被溶接材の厚さ方向の変形を防ぐことができ、且つ端面方向への力を作用させることができるクランプ装置の開発が要求されているのが実情である。
【0008】
本発明の目的は、突合せ溶接を行う際に、被溶接材の厚さ方向と端面方向に力を作用させることができるクランプ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明に係る代表的なクランプ装置は、突合せ溶接する被溶接材を保持するためのクランプ装置であって、対向して配置された被溶接材を載置する載置面を有する載置部材と、前記載置部材の載置面側に構成され該載置面に載置された被溶接材に対向して配置された第1回動支点を有するフレームと、一方の端部側が前記フレームの第1回動支点に取り付けられると共に該第1回動支点から離隔した位置に第2回動支点が配置されたリンク片と、一方の端部側が前記第2回動支点に取り付けられると共に他方側の端部が前記載置部材の載置面に載置された被溶接材と接触するレバーと、前記フレームに配置されて前記レバーを被溶接材を押圧する方向又は押圧を解除する方向に駆動する駆動部材と、を有し、前記第2回動支点は、前記第1回動支点と前記レバーの他方側の端部を結ぶ線から離隔した位置に配置されているものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るクランプ装置では、リンク片とレバーとが接続された第2回動支点が、第1回動支点とレバーの端部を結ぶ線から離隔した位置に配置されている。このため、第1回動支点を中心としてリンク片を載置部材側に回動させることで、レバーの端部を被溶接材の表面に接触させると共に載置部材側に押圧することができる。そして、リンク片を更に回動させると、レバーの端部が被溶接材に接触しているため、第2回動支点を中心として回動し、この回動に伴って被溶接材を端面側に移動させるような力が作用する。
【0011】
従って、対向した被溶接材の端面どうしが互いに離隔している場合には接近させ、互いに接触している場合には接触状態を保持することができる。従って、被溶接材を載置部材に載置したとき、対向する端面の間に隙間が生じているような場合でもこの隙間を解消することができる。また、溶接の際の熱によって対向する端面どうしが互いに離隔するような変形が生じることがない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施例に係るクランプ装置の要部の構成を説明する図であり、
図2のI‐I断面図である。
【
図2】クランプ装置の部分的な構成を説明するための下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係るクランプ装置は、フレームに取り付けた第1回動支点と、該第1回動始点から離隔して配置された第2回動支点を有し第1回動支点に回動可能に取り付けられたリンク片と、第2回動支点に回動可能に取り付けられたレバーと、を有して構成されている。そして、第1回動支点を中心としてリンク片を回動させることでレバーを被溶接材の端面の近傍に接触させ、リンク片の更なる回動に伴ってレバーは端面の近傍に対する接触状態を保持して、載置面側への力と端面方向への力を作用させるように構成されている。
【0014】
このため、勝手違いに構成した一対のクランプ装置を利用することによって、対向させた夫々の端面の近傍にレバーを接触させて厚さ方向に拘束すると共に、対向させた端面を互いに向かう方向に力を作用させることが可能となる。
【0015】
以下、図により本実施例に係るクランプ装置Aの構成について説明する。
【0016】
突合せ溶接を実施するに際し、対向する端面のうちの一方の端面を有する被溶接材は、本発明に係るクランプ装置によって厚さ方向への力と端面方向への力を付与されることが必要である。しかし、他方の端面を有する被溶接材は、必ずしも本発明に係るクランプ装置によって押圧保持される必要はなく、例えば剛性を有する部材に溶接或いはねじなどによって仮止めすることで拘束しても良い。
【0017】
本実施例では、勝手違いに構成した一対のクランプ部材Aa、Abを対向させて利用しており、対向させた被溶接材B、Cの端面Ba、Caの夫々の近傍にレバー10の先端部材10aを接触させて、厚さ方向への力と端面方向への力を作用させるように構成している。クランプ装置Aは対象となる突合せ溶接すべき部位の長さを満足し得る長さを有している。例えばタンクローリーのタンクの場合、突合せ溶接すべき部位の長さが6m~10m程度になることがある。この場合、クランプ装置Aは6m~10mよりも十分に大きい長さを有して構成されている。
【0018】
クランプ装置Aは、被溶接材B、Cを載置するための載置部材1を有しており、該載置部材1の載置面1aに夫々の被溶接材B、Cの端部を載置すると共に端面Ba、Caを対向させるようにしている。載置部材1は被溶接材B、Cに対する突合せ溶接を実行する際の裏当て金としての機能をも有している。
【0019】
載置部材1の上方であって載置面1aの幅方向の中央を中心として振り分けた位置に、対向させた一対のフレーム2が配置されている。このフレーム2は、後述するレバー10によって被溶接材Bの端面Baの近傍、或いは被溶接材Cの端面Caの近傍に力を作用させたときの反力に対抗することが可能な剛性を有して構成されている。また、一対のフレーム2の載置部材1と対向する夫々の下面2aは、載置面1aの中心に向けて下って傾斜した斜面として形成されている。
【0020】
フレーム2の下面2aには、該フレーム2の長手方向(溶接すべき突合せ部位に沿った方向)に予め設定された間隔を持って複数の軸受4が配置されている。この軸受4には第1回動支点となる軸5が貫通して配置されている。また軸5にはリンク片6が回動可能に取り付けられており、該リンク片6における軸5から所定距離離隔した位置に第2回動支点となる回動ピン7が配置されている。この回動ピン7には、軸受状の支持部材8が回動可能に取り付けられており、この支持部材8にレバー10がボルト8aによって取り付けられている。
【0021】
レバー10は、被溶接材Bの端面Baの近傍、又は被溶接材Cの端面Caの近傍に接触する先端部材10aと、軸5のフレーム2側に摺動可能に載置されて該軸5に対して摺動する摺動部材10bと、を有している。そして、先端部材10aと摺動部材10bは所定位置でボルト10cによって接続されると共に、摺動部材10bが支持部材8に固定されている。レバー10は、クランプ装置Aの長手方向に沿って隣接するレバー10との間に略隙間が生じることのないようにして複数配置されている。
【0022】
上記構成に於いて、回動ピン7は、軸5の中心とレバー10の先端部材10aの先端部分を結ぶ線11よりもフレーム2側に離隔した位置に配置されている。このため、レバー10は軸5を中心とする矢印a方向又は矢印b方向への回動と、軸5及び回動ピン7を中心とする回動が合成された矢印c方向への摺動又は矢印d方向への摺動と、を行うことが可能となる。
【0023】
レバー10を駆動する駆動部材としては、軸5を矢印a、b方向に往復回動させることが可能であれば良く、この機能を有するものであれば利用することが可能である。このような駆動部材としては、電動モーターや油圧モーターがある。しかし、前述したように、溶接部位の長さが10mにも及ぶ場合、軸5に対する負荷が大きくなる虞が生じる。
【0024】
本実施例では、駆動部材として圧力流体(例えば圧縮空気)を供給することによって膨張するホースを利用している。
【0025】
このため、フレーム2の下面2aとレバー10との間には、ホース継手13aと接続された第1ホース13がフレーム2の全長にわたって配置されている。また、レバー10のフレーム2とは反対面側には、ホース継手14aと接続された第2ホース14がフレーム2の全長にわたって配置されている。第1ホース13は第2ホース14よりも十分に大きい太さを有している。
【0026】
前述したように、第2ホース14はレバー10のフレーム2とは反対側に配置される。このため、軸受4の下面4a(フレーム2と反対側の面、載置部材1側の面)には、軸5から離隔した位置にブラケット15が取り付けられている。このブラケット15は、レバー10の先端部材10a側に向けて延長すると共にレバー10に接近するように屈折して形成された屈折片15aと、屈折片15aのレバー10側の面に形成された起立片15bと、を有して構成されている。そして、ブラケット15の屈折片15a、起立片15bとレバー10の間に第2ホース14が配置されている。
【0027】
第1ホース13は、レバー10をフレーム2から下方に向けて離隔させる方向、即ち、レバー10の先端部材10aを被溶接材Bに対し接近させる方向に駆動する機能を有する。また、第2ホース14は、レバー10を被溶接材B側からフレーム2側に接近させる方向に駆動する機能を有する。従って、第1ホース13、第2ホース14に対し交互に圧縮空気を供給することで、レバー10を被溶接材B、Cに向けて互いに接近させる方向に、或いは離隔させる方向に駆動することが可能である。
【0028】
図3に示すように、空気供給口17dから第1ホース13、第2ホース14に圧縮空気を供給する空気配管17には複数の電磁切換弁17a、17b、排気制御弁17cが配置されている。
【0029】
上記の如く構成されたクランプ装置Aでは、先ず電磁切換弁17aから配管系17への圧縮空気の供給を停止した状態で、電磁切換弁17bを操作して第1ホース13と導通させ、その後、電磁切換弁17aを開放して、第1ホース13に圧縮空気を供給する。圧縮空気の供給に伴って第1ホース13が膨張してレバー10をフレーム2から離隔する方向に付勢する。
【0030】
初期段階ではレバー10の先端部材10aの先端が自由端となっているため、このレバー10に対する第1ホース13による付勢に伴って、リンク片6が軸5を中心として矢印a方向に回動する。そして、先端部材10aの先端が被溶接材Bの表面に接触したとき、該レバー10は先端が被溶接材Bと接触し、摺動部材10bが軸5の上面に接触していることとなる。
【0031】
第1ホース13によるレバー10への更なる付勢に伴って、支持部材8が回動ピン7を中心として回動し、同時にリンク片6が軸5を中心として回動し、両回動が合成されることで、先端部材10aは被溶接材Bの表面に沿って矢印c方向に移動する。この移動により、被溶接材Bに対し対向する被溶接材C方向への力が作用することとなり、被溶接材Bの端面Baと対向する被溶接材Cの端面Caとの間に隙間が形成されている場合、この隙間をなくして接触させることが可能となる。
【0032】
第1ホース13に供給される圧縮空気が予め設定された値に到達したとき、レバー10は停止する。この状態で、レバー10の先端部材10aが被溶接材Bを厚さ方向への力を作用させて載置部材1側に押し付けると共に、対向する被溶接材C側に押し付けることが可能となる。
【0033】
被溶接材Bの溶接を行っている間、レバー10には膨張した第1ホース13による付勢を受け続けている。このため、溶接時の熱によって被溶接材Bに厚さ方向への変形が生じようとしてもこの変形を防ぐことが可能であり、同時に被溶接材Bに面内方向への変形が生じようとしてもこの変形を防ぐことが可能である。
【0034】
特に、第1ホース13が圧縮空気によって付勢されているため、長手方向に生じる膨張度合いに変動が生じる虞が極めて小さい。このため、レバー10を介して被溶接材Bに作用する力は略均一となり、溶接を実行している間、均一な状態で変形を防ぐことが可能となる。
【0035】
被溶接材Bに対する目的の溶接が終了したとき、電磁切換弁17bを操作して圧縮空気の供給を第1ホース13から第2ホース14に切り換える。この切り換えに伴って、第2ホース14が膨張を開始し、第1ホース13に供給されている圧縮空気は排気制御弁17cから排気され、第1ホース13が収縮する。
【0036】
第2ホース14の膨張に伴って、レバー10はリンク片6の軸5を中心とする矢印b方向への回動、及び回動ピン7を中心とする回動が合成されて矢印d方向に移動し、先端部材10aが被溶接材Bから上方に離隔した初期状態に戻って停止する。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明に係るクランプ装置は、比較的薄い板を突合せ溶接する際に利用するのみならず、対向する端面を接触させた状態で溶接する際に利用して有利である。
【符号の説明】
【0038】
A クランプ装置
Aa、Ab クランプ部材
B、C 被溶接材
Ba、Ca 端面
1 載置部材
1a 載置面
2 フレーム
2a、4a 下面
4 軸受
5 軸
6 リンク片
7 回動ピン
8 支持部材
8a、10c ボルト
10 レバー
10a 先端部材
10b 摺動部材
11 軸5の中心と先端部材10aの先端部分を結ぶ線
13 第1ホース
13a、14a ホース継手
14 第2ホース
15 ブラケット
15a 屈折片
15b 起立片
17 空気配管
17a、17b 電磁切換弁
17c 排気制御弁
17d 空気供給口
【手続補正書】
【提出日】2022-12-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
突合せ溶接する被溶接材を保持するためのクランプ装置であって、
対向して配置された被溶接材を載置する載置面を有する載置部材と、
前記載置部材の載置面側に構成され該載置面に載置された被溶接材に対向して配置された第1回動支点と該第1回動支点から離隔した位置に配置されたブラケットを有するフレームと、
一方の端部側が前記フレームの第1回動支点に取り付けられると共に該第1回動支点から離隔した位置に第2回動支点が配置されたリンク片と、
一方の端部側が前記第2回動支点に取り付けられると共に他方側の端部が前記載置部材の載置面に載置された被溶接材と接触するレバーと、
前記レバーと該レバーと対向する前記フレームとの間に配置された第1ホースと、前記レバーと該レバーと対向する前記ブラケットとの間に配置された第2ホースと、からなり、前記レバーを被溶接材を押圧する方向又は押圧を解除する方向に駆動する駆動部材と、を有し、
前記第2回動支点は、前記第1回動支点と前記レバーの他方側の端部を結ぶ線から離隔した位置に配置されており、
前記第2ホースには圧力流体を付与することなく、前記第1ホースに圧力流体を付与することで該第1ホースの拡径に伴って前記レバーを第1回動支点を中心として回動させて該レバーの他方側の端部を被溶接材に接触させて載置部材の載置面側に押圧し、第1ホースの更なる拡径に伴って前記レバーを第2回動支点を中心として回動させて被溶接材を対向する被溶接材に向けて押圧し、対向して配置された被溶接材を互いに接触させてクランプし、
前記第1ホースには圧力流体を付与することなく、前記第2ホースに圧力流体を付与することで該第2ホースの拡径に伴って前記レバーを前記第2回動支点を中心として回動させると共に前記リンク片を前記第1回動支点を中心として回動させることで、前記レバーによる被溶接材の前記載置部材に対する押圧を解除するように構成されていることを特徴とするクランプ装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
上記課題を解決するために本発明に係る代表的なクランプ装置は、突合せ溶接する被溶接材を保持するためのクランプ装置であって、対向して配置された被溶接材を載置する載置面を有する載置部材と、前記載置部材の載置面側に構成され該載置面に載置された被溶接材に対向して配置された第1回動支点と該第1回動支点から離隔した位置に配置されたブラケットを有するフレームと、一方の端部側が前記フレームの第1回動支点に取り付けられると共に該第1回動支点から離隔した位置に第2回動支点が配置されたリンク片と、
一方の端部側が前記第2回動支点に取り付けられると共に他方側の端部が前記載置部材の載置面に載置された被溶接材と接触するレバーと、前記レバーと該レバーと対向する前記フレームとの間に配置された第1ホースと、前記レバーと該レバーと対向する前記ブラケットとの間に配置された第2ホースと、からなり、前記レバーを被溶接材を押圧する方向又は押圧を解除する方向に駆動する駆動部材と、を有し、前記第2回動支点は、前記第1回動支点と前記レバーの他方側の端部を結ぶ線から離隔した位置に配置されており、前記第2ホースには圧力流体を付与することなく、前記第1ホースに圧力流体を付与することで該第1ホースの拡径に伴って前記レバーを第1回動支点を中心として回動させて該レバーの他方側の端部を被溶接材に接触させて載置部材の載置面側に押圧し、第1ホースの更なる拡径に伴って前記レバーを第2回動支点を中心として回動させて被溶接材を対向する被溶接材に向けて押圧し、対向して配置された被溶接材を互いに接触させてクランプし、前記第1ホースには圧力流体を付与することなく、前記第2ホースに圧力流体を付与することで該第2ホースの拡径に伴って前記レバーを前記第2回動支点を中心として回動させると共に前記リンク片を前記第1回動支点を中心として回動させることで、前記レバーによる被溶接材の前記載置部材に対する押圧を解除するように構成されているものである。