(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023034922
(43)【公開日】2023-03-13
(54)【発明の名称】床暖房パネル、その設置方法及びヘッダー
(51)【国際特許分類】
F24D 3/16 20060101AFI20230306BHJP
【FI】
F24D3/16 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021141412
(22)【出願日】2021-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】513026399
【氏名又は名称】三菱ケミカルインフラテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086911
【弁理士】
【氏名又は名称】重野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100144967
【弁理士】
【氏名又は名称】重野 隆之
(72)【発明者】
【氏名】柴田 一範
(72)【発明者】
【氏名】浅川 和樹
【テーマコード(参考)】
3L070
【Fターム(参考)】
3L070AA02
3L070BC12
3L070BC16
(57)【要約】
【課題】現場での施工作業が容易である床暖房パネルと、その設置方法を提供する。
【解決手段】床暖房パネル10の基板11Aに切欠部15が設けられ、ガイドプレート16が配置されている。温水配管14は、ガイドプレート16の溝16aに引き通されている。ガイドプレート16は、基板11Aに対し、シート材16sによって起倒回動可能に連結されている。床孔3の一部を覆うようにベースプレート12が設置されている。該ベースプレート12の後方の床孔3内に分岐ヘッダー30,40が配置され、主配管1,2と温水配管14が接続されている。主配管1,2と分岐ヘッダー30,40との接続作業を行うときに、ガイドプレート16を起立回動させる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に配管収容用の溝が設けられた略方形状の複数枚の基板と、
該溝に収容された温水配管と
を有し、
前記一部の基板のコーナー部に切欠部が設けられており、該切欠部にガイドプレートが配置されている床暖房パネルであって、
前記切欠部に臨む該基板の辺縁部に対し、前記ガイドプレートが連結部材によって上方に回動可能に連結されており、
前記温水配管は、前記基板の辺縁部から延出し、前記ガイドプレートの上面の溝に引き通され、前記基板の辺縁部と突き合わされる前記ガイドラインの辺部と反対側の辺部から延出しており、
該辺部から延出した前記温水配管の端部にヘッダーが接続されている床暖房パネル。
【請求項2】
前記連結部材は、前記一部の基板の上面と、前記ガイドプレートの上面とに跨がるシート材であることを特徴とする請求項1の床暖房パネル。
【請求項3】
前記シート材は、アルミシートであるか、又はアルミシートと樹脂シートとのラミネートシートである請求項2の床暖房パネル。
【請求項4】
前記ヘッダーは、ヘッダー本体と、該ヘッダー本体から突設されており、前記温水配管が差し込まれた温水配管接続ノズルと、該ヘッダー本体から突設された、床下の主配管に差し込まれる、主配管接続ノズルとを有する請求項1~3のいずれかの床暖房パネル。
【請求項5】
前記ヘッダー本体の長手方向の少なくとも一端部が角落し形状となっていることを特徴とする請求項4の床暖房パネル。
【請求項6】
前記ヘッダー本体の長手方向の少なくとも一端部が円錐台形状となっていることを特徴とする請求項4の床暖房パネル。
【請求項7】
前記ヘッダーとして、温水往き側のヘッダーと温水戻り側のヘッダーとが設けられており、
該温水往き側のヘッダーと温水戻り側のヘッダーとの間に緩衝材が介在されていることを特徴とする請求項1~6のいずれかの床暖房パネル。
【請求項8】
前記緩衝材はスポンジ状シートである請求項7の床暖房パネル。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の床暖房パネルを躯体床面上に設置し、該躯体床に設けられた床孔を通して前記ヘッダーと主配管とを連結する床暖房パネル設置方法であって、
該躯体床面上に前記床暖房パネルを敷設する工程と、
該ガイドプレートを上方に回動させ、該床孔を通して床下から前記主配管を床上に引き出す工程と、
前記温水配管に接続された分岐ヘッダーと該主配管とを接続する工程と、
該主配管を床下に戻し、前記ヘッダーを該床孔内に配置し、前記ガイドプレートを前記躯体床上に倒伏させる工程と、
該床孔をカバープレートで塞ぐ工程と
を有する床暖房パネル設置方法。
【請求項10】
一方向に延在したヘッダー本体と、
該ヘッダー本体から突設された温水配管接続ノズル及び主配管接続ノズルと
を有する床暖房パネル用ヘッダーにおいて、
前記ヘッダー本体の長手方向の少なくとも一端側の角縁部が角落し形状となっていることを特徴とするヘッダー。
【請求項11】
一方向に延在したヘッダー本体と、
該ヘッダー本体から突設された温水配管接続ノズル及び主配管配管接続ノズルと
を有する床暖房パネル用ヘッダーにおいて、
前記ヘッダー本体の長手方向の少なくとも一端部が、先端ほど小径となる円錐台形状となっていることを特徴とする床暖房パネル用ヘッダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床暖房パネルに関する。また、本発明は、該床暖房パネルの温水配管と床下の主配管とをヘッダーを介して接続する床暖房パネル設置方法に関する。さらに、本発明は、この床暖房パネルに用いられるヘッダーに関する。
【背景技術】
【0002】
床暖房パネルとして、上面に配管引き回し用の溝を有した基板の該溝に温水配管を引き回したものが広く用いられている。広い面積の床暖房を行うための床暖房パネルには、温水配管は複数本(複数回路)設けられている。
【0003】
このように複数回路の温水配管を備えた床暖房パネルに対しては、ボイラ等からの温水が往き側主配管から分岐ヘッダーを介して各温水配管に供給される。各温水配管を流れる間に温水は降温し、戻り側温水配管の末端から分岐ヘッダー及び戻り側主配管を介してボイラ等に戻り、再度加熱されて往き側主配管に送り出される。
【0004】
床下に配設された主配管とこの床暖房パネルの温水配管とを接続した構造として、特許文献1には、床上にベースプレートを配置し、温水配管を該ベースプレートでガイドして床開口付近に導き、分岐ヘッダーを介して主配管に接続した構造が記載されている。
【0005】
ベースプレートは、床開口に係合する厚盤部を備えており、該厚盤部の上面が凹所となっている。この凹所の底面に開口が設けられている。
【0006】
主配管を分岐ヘッダーに接続するには、ベースプレートの凹所の該開口に主配管を下から上へ通した後、該主配管の上端に分岐ヘッダーの主配管設置ノズルを差し込むようにする(特許文献1の
図15,16)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1では、床暖房パネルを躯体床上に設置し、主配管と接続する場合、床暖房パネルを躯体床上に敷設した後、床暖房パネルから延出した温水配管の先端部及び床下から引き出した主配管の先端部をそれぞれ分岐ヘッダーと接続する。この際、温水配管の先端部近傍を上方に持ち上げるので、温水配管が床暖房パネルの溝から外れる。そのため、温水配管及び主配管と分岐ヘッダーとを接続した後、分岐ヘッダーをベースプレートの開口に納めるときに温水配管を床暖房パネルの溝に再度係合させる(嵌め直す)。しかし、温水配管は剛性が高く、また本数が多いので、施工現場で各温水配管を床暖房パネルの溝に嵌め直すのに手間がかかっていた。
【0009】
本発明は、現場での施工作業が容易である床暖房パネルと、その設置方法を提供することを目的とする。また、本発明は、この床暖房パネルに用いるのに好適なヘッダーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は次を要旨とするものである。
【0011】
[1] 上面に配管収容用の溝が設けられた略方形状の複数枚の基板と、
該溝に収容された温水配管と
を有し、
前記一部の基板のコーナー部に切欠部が設けられており、該切欠部にガイドプレートが配置されている床暖房パネルであって、
前記切欠部に臨む該基板の辺縁部に対し、前記ガイドプレートが連結部材によって上方に回動可能に連結されており、
前記温水配管は、前記基板の辺縁部から延出し、前記ガイドプレートの上面の溝に引き通され、前記基板の辺縁部と突き合わされる前記ガイドラインの辺部と反対側の辺部から延出しており、
該辺部から延出した前記温水配管の端部にヘッダーが接続されている床暖房パネル。
【0012】
[2] 前記連結部材は、前記一部の基板の上面と、前記ガイドプレートの上面とに跨がるシート材であることを特徴とする[1]の床暖房パネル。
【0013】
[3] 前記シート材は、アルミシートであるか、又はアルミシートと樹脂シートとのラミネートシートである[2]の床暖房パネル。
【0014】
[4] 前記ヘッダーは、ヘッダー本体と、該ヘッダー本体から突設されており、前記温水配管が差し込まれた温水配管接続ノズルと、該ヘッダー本体から突設された、床下の主配管に差し込まれる、主配管接続ノズルとを有する[1]~[3]のいずれかの床暖房パネル。
【0015】
[5] 前記ヘッダー本体の長手方向の少なくとも一端部が角落し形状となっていることを特徴とする[4]の床暖房パネル。
【0016】
[6] 前記ヘッダー本体の長手方向の少なくとも一端部が円錐台形状となっていることを特徴とする[4]の床暖房パネル。
【0017】
[7] 前記ヘッダーとして、温水往き側のヘッダーと温水戻り側のヘッダーとが設けられており、
該温水往き側のヘッダーと温水戻り側のヘッダーとの間に緩衝材が介在されていることを特徴とする[1]~[6]のいずれかの床暖房パネル。
【0018】
[8] 前記緩衝材はスポンジ状シートである[7]の床暖房パネル。
【0019】
[9] [1]~[8]のいずれか1項に記載の床暖房パネルを躯体床面上に設置し、該躯体床に設けられた床孔を通して前記ヘッダーと主配管とを連結する床暖房パネル設置方法であって、
該躯体床面上に前記床暖房パネルを敷設する工程と、
該ガイドプレートを上方に回動させ、該床孔を通して床下から前記主配管を床上に引き出す工程と、
前記温水配管に接続された分岐ヘッダーと該主配管とを接続する工程と、
該主配管を床下に戻し、前記ヘッダーを該床孔内に配置し、前記ガイドプレートを前記躯体床上に倒伏させる工程と、
該床孔をカバープレートで塞ぐ工程と
を有する床暖房パネル設置方法。
【0020】
[10] 一方向に延在したヘッダー本体と、
該ヘッダー本体から突設された温水配管接続ノズル及び主配管接続ノズルと
を有する床暖房パネル用ヘッダーにおいて、
前記ヘッダー本体の長手方向の少なくとも一端側の角縁部が角落し形状となっていることを特徴とするヘッダー。
【0021】
[11] 一方向に延在したヘッダー本体と、
該ヘッダー本体から突設された温水配管接続ノズル及び主配管配管接続ノズルと
を有する床暖房パネル用ヘッダーにおいて、
前記ヘッダー本体の長手方向の少なくとも一端部が、先端ほど小径となる円錐台形状となっていることを特徴とする床暖房パネル用ヘッダー。
【発明の効果】
【0022】
本発明の床暖房パネルでは、温水配管を有した基板と、該基板から延出した温水配管が係合するガイドプレートとが連結部材で連結されている。このガイドプレートから延出した温水配管に分岐ヘッダーが接続されているので、施工現場で温水配管と分岐ヘッダーとを接続する作業が不要である。
【0023】
また、本発明の床暖房パネルを設置施工する場合、躯体床上に床暖房パネルを敷設した後、ガイドプレートを上側に回動させ、分岐ヘッダーを躯体床の床孔から十分に離隔させることができる。そのため、床下から主配管を床上に容易に引き出し、主配管をヘッダーに接続することができる。この際、ガイドプレートを上方に、好ましくは斜めとなるように起立させることにより、温水配管が床暖房パネルの溝から外れることがない。そのため、温水配管を床暖房パネルの溝に嵌め直す作業が不要である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図2】
図1の床暖房パネルの一部分の拡大図である。
【
図4】床暖房パネルの施工途中における
図2と同一部分の平面図である。
【
図5】床暖房パネルの施工方法を示す床孔付近の断面図である。
【
図6】床暖房パネルの施工後における床孔付近の断面図である。
【
図13】
図8のXIII-XIII線断面図である。
【
図14】別の実施の形態に係る分岐ヘッダーの斜視図である。
【
図15】さらに別の実施の形態に係る分岐ヘッダーの端部の斜視図である。
【
図16】床暖房パネルの施工途中における床孔付近の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。
【0026】
本発明の床暖房パネルを用いた床暖房システムにあっては、
図1~6の通り、ボイラ(図示略)からの温水を往き側主配管1(
図5、6)及びヘッダー(分岐ヘッダー)30を介して床暖房パネル10の温水配管14の往き側に供給し、温水配管14の戻り側からの降温した温水を分岐ヘッダー40及び戻り側主配管2(
図5,6)を介してボイラに戻し、再び加熱して循環させるよう構成している。まず、
図1を参照して床暖房パネル10について説明する。
【0027】
[床暖房パネルの説明]
この床暖房パネル10は、複数枚の略長方形の基板11と、複数本の小根太12とが、各々の長手方向を平行方向として交互に配列され、各基板11の上面に形成された配管配設用の溝内に温水配管14が引き回された構成となっている。基板11の上面には、均熱シート(図示略)が貼り付けられている。
【0028】
この実施の形態では、この床暖房パネル10は、全体として3本の温水配管14が引き回され、3回路の温水循環配管構成となっている。温水配管14は隣り合う一方の基板11から他方の基板11に連続して引き回されている。
【0029】
1つの基板11Aのコーナー部に、L字状に切り欠いた形状の切欠部15が設けられ、この切欠部15内に、温水配管14を案内するガイドプレート16が配置されている。
図4~6の通り、建物の部屋の躯体床4に直径50~150mm程度の床孔3が設けられ、この床孔3とオーバーラップするようにベースプレート20が設置されている。後に詳述する通り、このベースプレート20の後側に分岐ヘッダー30,40が配置され、各分岐ヘッダー30,40の温水配管接続ノズル33,43に各温水配管14の末端が接続されている。
【0030】
[ガイドプレートの説明]
ガイドプレート16は、
図2~5の通り、長方形板状であり、上面には各温水配管14が係合する6条の溝16aが設けられている。ガイドプレート16は、基板11Aの切欠部15の辺縁部11fに対し、一辺部(
図2,4の右辺部)16fが突き合わされている。
【0031】
ガイドプレート16は基板11Aに対し、
図3の通り、辺縁部11fと一辺部16fとの突き合わせ部を回動中心として、矢印θの如く上下方向に起倒回動可能に連結されている。回動可能な手段としては、基材の辺縁部とガイドプレートの辺部とを嵌合させて回動可能すること、などが挙げられる。
【0032】
その他の例として、
図3では該一辺部16fと辺縁部11fとを跨ぐようにして、ガイドプレート16の上面から基板11Aの上面に連続してシート材16s(
図3)が貼着されている。
【0033】
シート材16sは屈曲可能な材料及び厚みを有しており、これにより、ガイドプレート16は基板11Aに対し、
図3の通り、辺縁部11fと一辺部16fとの突き合わせ部を回動中心として、矢印θの如く上下方向に起倒回動可能に連結されている。なお、シート材の素材は特に限定されず、樹脂シート、木質シート、不織布、織布、金属シートなどが挙げられる。中でもアルミシート又はアルミシートと樹脂シートのラミネートシートである。
【0034】
[ベースプレートの説明]
図8~13に示すように、ベースプレート20は略長方形の盤状であり、長手方向すなわち温水配管延在方向(
図1の左右方向)と直交方向の両端側が薄板部21(
図10)となっており、該長手方向中央部付近に厚盤部23が設けられている。なお、
図9の通り、ベースプレート20の後縁部の上面は前縁部の上面よりも後述のカバープレート46の厚み分だけ低くなっている。
【0035】
厚盤部23には、上面から凹陥する幅広溝状の凹所24が設けられている。この凹所24の底面24aは、ベースプレート20の後縁(
図8,9の左側の縁部)に向って下り勾配となっている。
【0036】
凹所24の底面24aには、前後方向に延在する5枚の仕切壁28が設けられ、これにより、6条の温水配管係合用スリット27が区画形成されている。スリット27の配列ピッチは、ガイドプレート16から延出する温水配管14の配列ピッチと同一である。
【0037】
ベースプレート20には、該ベースプレート20を床4に留め付けるためのビス挿通孔29が設けられている。
【0038】
[分岐ヘッダーの説明]
図7の通り、分岐ヘッダー30,40は、それぞれ直方体形状のヘッダー本体31,41と、該ヘッダー本体31,41の底面から下方に突出した主配管接続ノズル32,42と、ヘッダー本体31,41の一方の長手方向側面から側方に突出した、温水配管接続ノズル33,43とを備えている。
【0039】
分岐ヘッダー30,40は、床暖房パネル10の温水配管14に、床暖房パネルの製作工場にて予め接続された状態で施工現場に搬入される。このヘッダー30,40同士の接触を防ぐために、ヘッダー30,40同士の間にスポンジ状シートよりなる緩衝材39を介在させることが好ましい。
【0040】
[床暖房パネル10の設置施工手順]
床暖房パネルを建物の床4の所定位置に展開して配置する。
【0041】
床暖房パネル10の配置前又は配置後に、切り欠き状部15の位置に合わせて床4に床孔3を開ける。
【0042】
図5のように、ガイドプレート16を上方に、好ましくは20~45°程度の起立角度となるように斜めに起立させ、ヘッダー30,40を床孔13から上方へ十分に離隔させる。この状態で、この床孔3を通して床下の主配管1,2を床上に引き出す。そして、主配管1,2を分岐ヘッダー30,40の主配管接続ノズル32,42に装着し、バンド(図示略)によって締め付ける。
【0043】
次に、ベースプレート20の厚盤部23を床孔3に差し込み、薄板部21を床4上に重ねる。そして、主配管1,2を床4の下側に戻しつつ、ガイドプレート16を躯体床4上に倒伏させ、温水配管14をスリット27及び凹所24に係合させ、分岐ヘッダー30,40を床孔3内に配置する。なお、分岐ヘッダー30に連なる温水配管14は、
図8の上側から偶数番目のスリット27に係合する。分岐ヘッダー40に連なる温水配管14は
図8の上側から奇数番目のスリット27に係合する。
【0044】
この際、分岐ヘッダー30,40のヘッダー本体31,41を床孔3内に位置させ、分岐ヘッダー30の温水配管接続ノズル33を凹所24内に差し込むことが好ましい。また、分岐ヘッダー40の温水配管接続ノズル43を分岐ヘッダー30のヘッダー本体31の上側に配置することが好ましい。
【0045】
次いで、ビス挿通孔29を通してビス(図示略)を床4にねじ込むことにより、ベースプレート20を床4に固定する。その後、
図6の通り、床孔3を塞ぐようにカバープレート46を配置し、カバープレート46を床4にビスで固定する。この実施の形態では、カバープレート46の左右幅はベースプレート20の左右幅とほぼ等しい。この実施の形態では、カバープレート46の前縁はベースプレート20の後縁に重ねられているが、両者を重ね合わせることなく突き合わせてもよい。
【0046】
この床暖房パネル設置方法にあっては、ガイドプレート16を斜めに起立させた状態で主配管1,2を床孔3を通して床上に引き出し、分岐ヘッダー30,40と主配管1,2との接続を行うので、床孔3を大きくすることなく、分岐ヘッダー30,40と主配管1,2との接続作業を容易に行うことができる。また、温水配管14と分岐ヘッダー30,40との接続作業時にガイドプレート16を上方に斜めに起立させても、温水配管14が床暖房パネルの溝やガイドプレート16の溝16aから外れることがないので、温水配管14の溝への嵌め直し作業が不要である。
【0047】
本発明は、厚さが5mm~9mm例えば5.5mmと薄形であり、2回路(2本)以上(例えば2~10回路)の温水配管を備えた大面積の床暖房パネルの温水配管を主配管に接続する場合に好適である。
【0048】
[ヘッダーの別形状例]
上記実施の形態では、ヘッダー30,40のヘッダー本体31,41は直方体形状となっているが、
図14のように、ヘッダー本体31,41の長手方向の少なくとも一端、好ましくは両端において、後縁(温水配管接続ノズル33,43の突出方向と反対側の側面と、ヘッダー本体31,41の端面とが交わる角縁)を角落し形状(面取り形状)としてもよい。好ましくは、該角縁を丸みを有した形状とする。これにより、ヘッダー30,40を床孔3内に配置し易くなる。なお、後縁だけでなく前縁も角落し形状(面取り形状)としてもよい。
【0049】
角落し形状とする代りに、
図15のように、ヘッダー本体31,41の長手方向の端部を、先端に向って小径となる円錐台形状としても、同様の効果を得ることができる。円錐台形状への切削加工は、旋盤を用いて比較的容易に行うことができる。
【0050】
[床孔とガイドプレートとの別の位置関係]
図4では、ガイドプレート16の他辺側(一辺部16fと反対側の辺部)が床孔3上に張り出しているが、
図16のように、該他辺側が床孔3から離反する位置関係であってもよい。
【0051】
[別の形態]
上記実施の形態は本発明の一例である。本発明は上記以外の形態とされてもよい。例えば、往き側主配管を分岐ヘッダー40に接続し、戻り側主配管を分岐ヘッダー30に接続してもよい。
【符号の説明】
【0052】
1,2 主配管
3 床孔
4 床
10 床暖房パネル
14 温水配管
15 切欠部
16 ガイドプレート
16a 溝
16s シート材
20 ベースプレート
21 薄板部
23 厚盤部
24 凹所
24a 凹所の底面
27 スリット
28 仕切壁
30,40 分岐ヘッダー
31,41 ヘッダー本体
32,42 主配管接続ノズル
33,43 温水配管接続ノズル
39 緩衝材
46 カバープレート