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特開2023-34997ロッドレンズアレイ、ロッドレンズアレイアセンブリ、センサユニット、読取装置、検査装置および記録システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023034997
(43)【公開日】2023-03-13
(54)【発明の名称】ロッドレンズアレイ、ロッドレンズアレイアセンブリ、センサユニット、読取装置、検査装置および記録システム
(51)【国際特許分類】
   G02B 3/00 20060101AFI20230306BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20230306BHJP
【FI】
G02B3/00
G06T1/00 420G
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021141555
(22)【出願日】2021-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000104629
【氏名又は名称】キヤノン・コンポーネンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】黛 崇浩
(72)【発明者】
【氏名】加藤 裕介
(72)【発明者】
【氏名】加藤 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】霜田 修一
(72)【発明者】
【氏名】小川 大輔
【テーマコード(参考)】
5B047
【Fターム(参考)】
5B047AA01
5B047BB02
5B047BC05
5B047BC11
(57)【要約】
【課題】ロッドレンズアレイを縮小光学系に適用するのに有利な技術を提供する。
【解決手段】光軸が互いに平行になるように、前記光軸と垂直な配列方向に沿って配列された複数のロッドレンズを備えるロッドレンズアレイであって、前記複数のロッドレンズのうち一部のロッドレンズの入射面および出射面の少なくとも1つの端面を覆うように遮光材が塗布されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光軸が互いに平行になるように、前記光軸と垂直な配列方向に沿って配列された複数のロッドレンズを備えるロッドレンズアレイであって、
前記複数のロッドレンズのうち一部のロッドレンズの入射面および出射面の少なくとも1つの端面を覆うように遮光材が塗布されていることを特徴とするロッドレンズアレイ。
【請求項2】
前記複数のロッドレンズのうち前記遮光材が塗布されていないロッドレンズの端面から、前記光軸の方向に対して当該ロッドレンズの取込角の3倍以上の角度の位置に、前記遮光材が配されていることを特徴とする請求項1に記載のロッドレンズアレイ。
【請求項3】
前記複数のロッドレンズのうち前記遮光材が塗布されていないロッドレンズの端面から、前記光軸の方向に対して27°以上の角度の位置に、前記遮光材が配されていることを特徴とする請求項1に記載のロッドレンズアレイ。
【請求項4】
前記ロッドレンズアレイは、前記複数のロッドレンズのうち前記遮光材が塗布されたロッドレンズが配された複数の第1部分と、前記複数のロッドレンズのうち前記遮光材が塗布されていないロッドレンズが配された複数の第2部分と、が交互に配されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のロッドレンズアレイ。
【請求項5】
前記複数の第1部分のそれぞれは、前記配列方向に沿って配列され、前記遮光材が塗布された複数のロッドレンズを含んでいることを特徴とする請求項4に記載のロッドレンズアレイ。
【請求項6】
前記複数の第2部分のそれぞれは、ロッドレンズとしては前記遮光材が塗布されていない1つのロッドレンズのみを含んでいることを特徴とする請求項4または5に記載のロッドレンズアレイ。
【請求項7】
前記ロッドレンズアレイのうち前記遮光材が配される面において、前記第1部分のうち少なくとも前記配列方向の端部に前記第2部分よりも凹んでいる凹部が配されることを特徴とする請求項4乃至6の何れか1項に記載のロッドレンズアレイ。
【請求項8】
前記凹部において、前記遮光材の厚みが、前記第2部分と前記凹部との段差よりも小さいことを特徴とする請求項7に記載のロッドレンズアレイ。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか1項に記載のロッドレンズアレイと、
前記ロッドレンズアレイと前記ロッドレンズアレイから出射される光を受光するためのセンサとの位置関係を固定するためのフレームと、
を含むことを特徴とするロッドレンズアレイアセンブリ。
【請求項10】
請求項4乃至8の何れか1項に記載のロッドレンズアレイと、
前記ロッドレンズアレイと前記ロッドレンズアレイから出射される光を受光するためのセンサとの位置関係を固定するためのフレームと、
を含むロッドレンズアレイアセンブリであって、
前記フレームは、前記ロッドレンズアレイを収容する収容部を備え、
前記収容部のうち前記ロッドレンズアレイの前記配列方向に沿って延びる側面と対向する側壁は、前記ロッドレンズアレイの前記複数の第1部分に対向する複数の第3部分を備え、
前記複数の第3部分に、溝が形成されていることを特徴とするロッドレンズアレイアセンブリ。
【請求項11】
前記溝が、前記第3部分のうち少なくとも前記配列方向の端部に形成されていることを特徴とする請求項10に記載のロッドレンズアレイアセンブリ。
【請求項12】
請求項7または8に記載のロッドレンズアレイと、
前記ロッドレンズアレイと前記ロッドレンズアレイから出射される光を受光するためのセンサとの位置関係を固定するためのフレームと、
を含むロッドレンズアレイアセンブリであって、
前記フレームは、前記ロッドレンズアレイを収容する収容部を備え、
前記収容部のうち前記ロッドレンズアレイの前記配列方向に沿って延びる側面と対向する側壁は、前記ロッドレンズアレイの前記複数の第1部分に対向する複数の第3部分を備え、
前記複数の第3部分に、溝が形成され、
前記溝が、前記溝が形成された前記複数の第3部分に対向する前記複数の第1部分のうち前記凹部と対向していることを特徴とするロッドレンズアレイアセンブリ。
【請求項13】
前記側壁のうち前記第2部分に対向する第4部分に、溝が形成されていないことを特徴とする請求項10乃至12の何れか1項に記載のロッドレンズアレイアセンブリ。
【請求項14】
前記遮光材が、前記ロッドレンズアレイと前記フレームとを結合する結合部材として機能していることを特徴とする請求項9乃至13の何れか1項に記載のロッドレンズアレイアセンブリ。
【請求項15】
請求項9乃至14の何れか1項に記載のロッドレンズアレイアセンブリと、
前記ロッドレンズアレイから出射される光を受光するセンサと、
を含むことを特徴とするセンサユニット。
【請求項16】
前記ロッドレンズアレイが、前記センサ上に物体像を縮小結像することを特徴とする請求項15に記載のセンサユニット。
【請求項17】
前記ロッドレンズアレイから前記センサまでの距離が、前記センサ上に結像される物体から前記ロッドレンズアレイまでの距離よりも短いことを特徴とする請求項15または16に記載のセンサユニット。
【請求項18】
照明装置と、
前記照明装置によって照明された被照明体の画像情報を取得するためのイメージセンサと、
を含む読取装置であって、
前記イメージセンサが、請求項15乃至17の何れか1項に記載のセンサユニットを含むことを特徴とする読取装置。
【請求項19】
請求項18に記載の読取装置と、
前記読取装置で取得した画像情報を用いて前記被照明体の良否を判定する判定器と、
を含むことを特徴とする検査装置。
【請求項20】
請求項18に記載の読取装置と、
前記読取装置で取得した画像情報を記録媒体に記録する記録装置と、
を含むことを特徴とする記録システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロッドレンズアレイ、ロッドレンズアレイアセンブリ、センサユニット、読取装置、検査装置および記録システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、光軸に直交する方向に屈折率分布を持った光ファイバを多数直線状に配列した、正立等倍像を形成するレンズアレイが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6-342131号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示されるようなレンズアレイを、被写界深度を深くするために縮小光学系に適用すると、近接する複数のレンズによって合成される像の重なりは、等倍光学系に適用する場合よりも発生しやすくなってしまう。
【0005】
本発明は、ロッドレンズアレイを縮小光学系に適用するのに有利な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題に鑑みて、本発明の実施形態に係るロッドレンズアレイは、光軸が互いに平行になるように、前記光軸と垂直な配列方向に沿って配列された複数のロッドレンズを備えるロッドレンズアレイであって、前記複数のロッドレンズのうち一部のロッドレンズの入射面および出射面の少なくとも1つの端面を覆うように遮光材が塗布されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
上記手段によって、ロッドレンズアレイを縮小光学系に適用するのに有利な技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係るロッドレンズアレイの構成例を示す斜視図。
図2図1のロッドレンズアレイを用いたセンサユニットの構成例を示す図。
図3図1のロッドレンズアレイを用いたロッドレンズアレイアセンブリを示す図。
図4図1のロッドレンズアレイを用いたロッドレンズアレイアセンブリを示す図。
図5図1のロッドレンズアレイを用いたロッドレンズアレイアセンブリを示す図。
図6図1のロッドレンズアレイが組み込まれた読取装置、検査装置および記録システムの構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
図1(a)~図6(b)を参照して、本開示の実施形態によるロッドレンズアレイについて説明する。図1(a)~1(c)は、本実施形態のロッドレンズアレイ100の構成例を示す斜視図である。複数のロッドレンズ101の光軸Lが互いに平行になるように、複数のロッドレンズ101の光軸Lの法線方向Nに直線状に(一列に)配列されることによって、ロッドレンズアレイ100が構成されている。言い換えると、複数のロッドレンズ101がそれらの光軸Lが互いに平行になるように、光軸方向とは異なる配列方向(光軸と垂直な方向)に沿って配列されることによって、このロッドレンズアレイが構成されている。ロッドレンズ101は、後述するように遮光されていないロッドレンズ101aと遮光されているロッドレンズ101bとを含むが、特に区別しない場合はロッドレンズ「101」と表記し、区別が必要な場合は、ロッドレンズ101「a」、ロッドレンズ101「b」のように添え字する。また、上述のロッドレンズ101を配列する配列方向は光軸方向に対して垂直である必然性は無く、光軸方向と異なっていればよい。また、本実施形態のロッドレンズアレイ100を構成するロッドレンズ101は、入射側の面も出射側の面もいずれも平面であり、ロッドレンズ内に屈折率分布を持つレンズである。さらに、このロッドレンズ101は、物体の正立像を像面上に結ぶ(中間像を結ぶ)レンズである。
【0011】
複数のロッドレンズ101は、結合材102によって結合されている。ロッドレンズアレイ100は、複数のロッドレンズ101の光軸方向(光軸L)に交差する面151および面152を備えている。面151および面152において、ロッドレンズ101の光軸方向の端面は、周囲の結合材102と略同一面になっている。また、図1(a)~1(c)に示される構成において、複数のロッドレンズ101が1列に並ぶ例が示されているが、これに限られることはない。2列以上のロッドレンズ101が、法線方向N(光軸方向とは異なるロッドレンズ101の配列方向)に沿って直線状に並んでいてもよい。ロッドレンズ101の列数によらず、ロッドレンズアレイ100は、図1(a)~1(c)に示される法線方向N(配列方向)に沿った方向が、長手方向の形状を有しうる。以下、ロッドレンズ101が配列する配列方向を図1(a)~1(c)に示されるように「法線方向N」と記載する場合があるが、上述のように配列方向は、ロッドレンズ101の光軸Lの方向に対して垂直である必然性は無く、光軸方向と異なっていればよい。
【0012】
複数のロッドレンズ101は、図1(a)~1(c)に示されるように、ロッドレンズアレイ100の面151の側の端面を覆うように遮光材103が塗布されたロッドレンズ101bを含む。また、複数のロッドレンズ101は、図1(a)~1(c)に示されるように、面151の側の端面が遮光材103によって覆われていないロッドレンズ101aを含む。ロッドレンズ101aの面152の側の端面は、遮光材103によって覆われていない。一方、ロッドレンズ101bの面152の側の端面は、遮光材103によって覆われていなくてもよいし、遮光材103が塗布されていてもよい。つまり、複数のロッドレンズ101のうち一部のロッドレンズ101bの入射面および出射面の少なくとも1つの端面を覆うように遮光材103が塗布されている。
【0013】
ロッドレンズ101aは、例えば、光軸Lの法線方向に同心円状に屈折率分布を有することによってレンズ作用を示す。つまり、ロッドレンズ101aにおいて、一端の側から光が入射し、他端の側に結像する。ロッドレンズ101bは、基本的にはロッドレンズ101aと同じロッドレンズである。しかしながら、ロッドレンズ101bは、面151の側の端面を覆うように遮光材103が塗布されている。結果として、ロッドレンズ101bは、ロッドレンズアレイ100の面151の側から光が入射する場合、入射する光の少なくとも一部が遮光され、面152の側においてロッドレンズ101aよりも結像し難くなっている。また、ロッドレンズ101bは、ロッドレンズアレイ100の面152の側から光が入射する場合、出射する光の少なくとも一部が遮光され、面151の側においてロッドレンズ101aよりも結像し難くなっている。遮光材103には、黒色などの着色された樹脂が用いられうる。遮光材103は、ロッドレンズ101bの端部全体を覆っていてもよいし、一部を覆っていてもよい。ロッドレンズ101bの少なくとも一部が遮光材103によって覆われることによって、ロッドレンズ101bは、ロッドレンズ101aよりも結像し難くなる。
【0014】
図2(a)~2(d)は、ロッドレンズアレイ100を用いたロッドレンズアレイアセンブリ300およびセンサユニット200の構成例を示す図である。図2(a)は、ロッドレンズアレイアセンブリ300の構成例を示す斜視図である。図2(a)に示されるように、ロッドレンズアレイアセンブリ300は、図1(a)~1(c)に示されるロッドレンズアレイ100と、ロッドレンズアレイ100とロッドレンズアレイ100から出射される光を受光するためのセンサ212との位置関係を固定するためのフレーム301と、を含む。フレーム301は、ロッドレンズアレイ100を収容する収容部310を備えている。
【0015】
図2(b)は、センサユニット200の構成例を示す斜視図であり、図2(c)は、センサユニット200の各構成の配置例を示す分解斜視図である。図2(b)に示されるように、センサユニット200は、ロッドレンズアレイアセンブリ300と、ロッドレンズアレイ100から出射される光を受光するセンサ212と、を含む。センサ212は、基板211の上に配されることによってセンサアセンブリ210を構成し、それぞれのセンサ212の位置が固定されうる。また、センサアセンブリ210には、センサ212を動作させるための駆動素子213などが配されていてもよい。
【0016】
図2(d)は、センサユニット200の断面図であり、ロッドレンズアレイ100は、フレーム301の収容部310に収容されている。例えば、フレーム301には突き当て部303が設けられ、突き当て部303によって、ロッドレンズ101のフレーム301の収容部310における光軸方向の高さが決定されうる。また、フレーム301によって、ロッドレンズアレイ100とセンサアセンブリ210を構成するセンサ212との間の位置関係が決定される。光は、図2(b)~2(d)において、下側から入射し、ロッドレンズアレイ100を通りセンサ212上に結像する。図2(a)において、図の簡単化のために描かれていないが、ロッドレンズ101bのセンサ212が配される側に、上述の遮光材103が塗布される構成が示されている。しかしながら、これに限られることはなく、ロッドレンズ101bのセンサ212とは反対の側の面に遮光材103が塗布されていてもよい。また、図2(d)に示される構成において、ロッドレンズ101のフレーム301の収容部310における光軸方向の高さを決定する突き当て部303が、ロッドレンズ101の光が入射する側に配される場合が示されている。しかしながら、これに限られることはない。突き当て部303が、ロッドレンズ101の光が出射するセンサ212の側に配され、ロッドレンズ101のフレーム301の収容部310における光軸方向の高さが決まってもよい。
【0017】
センサユニット200において、例えば、凸凹がある被写体の撮像など、ロッドレンズアレイ100の被写界深度を深くする必要性が生じる場合がある。被写界深度を深くするために複数のロッドレンズ101が並ぶロッドレンズアレイ100を縮小光学系に適用した場合、近接する複数のロッドレンズ101によって合成される像の重なりの影響が大きくなってしまう。そこで、本実施形態において、複数のロッドレンズ101のうち一部のロッドレンズ101bが像を形成しない、または、ロッドレンズ101bが像を形成することを抑制することによって、複数のロッドレンズ101が形成する像の重なりの影響を抑制する。これによって、ロッドレンズアレイ100が、センサ上に物体像を縮小結像する。このとき、ロッドレンズアレイ100からセンサ212までの距離が、センサ上に結像される物体からロッドレンズアレイ100までの距離よりも短くなりうる。例えば、被写体に対して像を取り込める範囲は、隣り合うロッドレンズ101aにおいて互いに一部が重なっていてもよい。一方、1つのロッドレンズ101aがセンサ212上に結像する範囲において、他のロッドレンズ101aが結像しないように、ロッドレンズ101aおよびロッドレンズ101bを配する。ロッドレンズアレイ100がこのような構成を備えることによって、像の重なりの影響を抑制しつつ、被写体の全体を撮像することができる。ここで、本実施形態の縮小光学系の結像倍率は0.3倍程度であるがその限りではなく、この結像倍率は0.05倍以上0.9倍以下(より好ましくは0.15倍以上0.35倍以下)であることが望ましい。
【0018】
例えば、図1(a)~1(c)に示されるように、ロッドレンズアレイ100は、結合材102中に遮光材103が塗布されたロッドレンズ101bがそれぞれ配された複数の部分112と、結合材102中に複数のロッドレンズ101のうち遮光材103が塗布されていないロッドレンズ101aがそれぞれ配された複数の部分111と、が交互に配されていてもよい。このとき、複数の部分111のそれぞれは、ロッドレンズ101としては遮光材103が塗布されていない1つのロッドレンズ101aのみを含んでいてもよい。換言すると、部分111に、法線方向N(配列方向)に沿って1つの遮光材103が塗布されていないロッドレンズ101aが配されていてもよい。また、複数の部分112のそれぞれは、法線方向N(配列方向)に沿って配列され、遮光材103が塗布された複数のロッドレンズ101bを含んでいてもよい。換言すると、部分112に、法線方向N(配列方向)に沿って複数の遮光材103が塗布されたロッドレンズ101bが配されていてもよい。
【0019】
部分112に法線方向N(ロッドレンズ101の配列方向)に沿って配されるロッドレンズ101bの数は、ロッドレンズ101の取込角(開口角)やセンサ212に配される光電変換素子などの配置ピッチなどに応じて適宜設計されればよい。部分112に法線方向N(配列方向)に沿って配されるロッドレンズ101bの数は、何れの部分112において同じであってもよいし、センサ212の配置などに応じて一部で異なっていてもよい。例えば、図2(b)に示されるように、センサユニット200を長尺化するために、複数のセンサ212が、センサアセンブリ210の基板211上に配される場合がある。部分112に対応する位置にセンサ212の継ぎ目がある場合など、部分112に対応する位置にセンサ212の継ぎ目がない場合よりも部分112に配されるロッドレンズ101bの数が多くなりうる。ここで、取込角とは、ロッドレンズ101の光入射面と光軸とが交わる位置に入射する光束のうちロッドレンズで結像可能な光束(光線の集まり)と光軸とがなす角度のうち、最大の角度のことである。また取込角は開口角と称する場合もある。この取込角(開口角)は、本実施形態では9度だが12度でも良く、好ましくは3度以上21度以下(4.8度以上12.3度以下)であることが望ましい。
【0020】
図1(a)に示されるように、ロッドレンズアレイ100の面151は、平坦であってもよい。しかしながら、ロッドレンズアレイ100の面151が平坦である場合、ロッドレンズ101aとして機能させるロッドレンズ101まで、遮光材103が流れ込んでしまう可能性がある。そこで、ロッドレンズアレイ100の面151において、遮光材103が塗布されているロッドレンズ101bが配された部分112のうち少なくとも一部が、遮光材103が塗布されていないロッドレンズ101aが配された部分111よりも凹んでいてもよい。例えば、図1(b)に凹部104として示されるように、ロッドレンズアレイ100の遮光材103が配される面151において、部分112の全体が部分111よりも凹んでいてもよい。また、例えば、図1(c)に示されるように、ロッドレンズアレイ100の遮光材103が配される面151において、部分112のうち少なくとも法線方向N(配列方向)の端部に部分111よりも凹んでいる凹部104が配されていてもよい。凹部104は、例えば、切削工具などを用いてロッドレンズアレイ100の面151の一部を切削することによって形成できる。
【0021】
図1(b)、1(c)に示されるように、ロッドレンズアレイ100のうち遮光材103が配される面151において、凹部104が配される。これによって、ロッドレンズ101aに遮光材103が流れ込んでしまうことを抑制でき、図1(a)に示される構成よりも、ロッドレンズアレイ100を作製する際の歩留まりが高くなりうる。また、凹部104を設けけることによって、遮光材103を塗布する際の塗布量を、図1(a)に示される構成よりも厳密に制御しなくてもよくなりうる。また、遮光材103を塗布する際の塗布量を多めにすることによって、より確実にロッドレンズ101bの端面に遮光材103を形成することが可能になりうる。また、部分112のうち部分111よりも凹んでいる部分(凹部104)が、ブラスト処理などによって粗面化されたブラスト処理面であってもよい。凹部104が、ブラスト処理面であることによって、遮光材103を塗布する際に、遮光材103が凹部104の全体に濡れ広がりやすくなりうる。結果として、より確実にロッドレンズ101bの端面に遮光材103を形成することが可能になりうる。
【0022】
次に、ロッドレンズ101bの上に塗布される遮光材103のロッドレンズ101aに対する影響について考える。遮光材103は、ロッドレンズアレイ100の面151上で厚みを有する。例えば、ロッドレンズ101aの取込角の内側に遮光材103が存在した場合、ロッドレンズ101aによって得られた像の周縁部が、ぼけてしまう可能性がある。このため、遮光材103が塗布されていないロッドレンズ101aの面151の側の端面から、光軸方向に対してロッドレンズ101aの取込角以上の角度の位置に(取込角の外側に)、遮光材103が配(塗布)されていることが望ましい。別の言い方をすれば、遮光材103が塗布されていないロッドレンズ101aの面151の光軸上の点と遮光材103を結ぶ直線と、ロッドレンズ101aの光軸Lとがなすいずれの角度も、取込角(開口角)よりも大きいことが望ましい。より好ましくは取込角の2倍(さらには3倍)よりも大きいと尚よい。ここにおける遮光材103は、ロッドレンズ101aの面151よりも物体側(光入射側)に位置する遮光材である。
【0023】
図1(a)~1(c)において示されている角度θをロッドレンズ101aの取込角とした場合、ロッドレンズ101aの面151の側の端面から光軸方向に対して角度θ傾いた仮想線131によって構成される錐形状の面と面151との間に、遮光材103が配されうる。別の言い方をすれば、前述の角度θをロッドレンズ101aの取込角とした場合、遮光材103は、下記の円錐(錐体)の側面と面151との間に配されうる。この円錐(錐体)は、ロッドレンズ101aの面151側の中心(光軸上の点)を頂点とし、ロッドレンズ101aの光軸に対して取り込み角θ傾いた仮想線131をロッドレンズ101aの光軸を回転中心として回転させた軌跡を側面とした円錐(錐体)である。この円錐(錐体)は、ロッドレンズ101aの光軸を回転中心としており、面151の物体側(ロッドレンズ101aの反対側)に位置している。ロッドレンズアレイ100の面151において、ロッドレンズ101aの取込角内に遮光材103が配されていないことによって、ロッドレンズ101aに対する遮光材103の影響が抑制できる。さらに、マージンを考慮し、遮光材103が塗布されていないロッドレンズ101aの面151の側の端面から、光軸方向に対してロッドレンズ101aの取込角の3倍以上の角度の位置に(取込角の3倍よりも外側の位置に)、遮光材103が配されていてもよい。例えば、ロッドレンズアレイ100の面151の部分112のうち部分111よりも凹んでいる部分(凹部104)において、遮光材103の表面が、部分111の表面(面151)よりもロッドレンズアレイ100の面152に近くてもよい。図1(b)、1(c)に示されるように、凹部104は、ロッドレンズ101aに隣接して配されうる。したがって、凹部104において、遮光材103の厚みを、部分111と凹部104との段差よりも小さくする。凹部104に配された遮光材103の表面が、ロッドレンズアレイ100の部分111の面151よりも凹んだ位置にあることによって、遮光材103のロッドレンズ101aに対する影響が抑制できる。ここで、ロッドレンズ101aの取込角の内側(外側)とは、ロッドレンズ101aの光入射面と光軸との交点を頂点とし、光軸となす角度が取込角となる曲面を側面とした円錐(光入射面の光入射側の円錐)の内側(外側)を意味している。別の言い方をすれば、ロッドレンズ101aの取込角の内側(外側)とは、ロッドレンズ101aの光入射面と光軸との交点を頂点、取込角の2倍を頂角とし、光入射面の光入射側(物体側、被写体側)に存在する円錐の内側(外側)を意味している。尚、これらの円錐(円錐形状)の回転中心(回転中心軸)は、ロッドレンズの光軸と一致している。
【0024】
ロッドレンズアレイ100に用いられるロッドレンズ101は、上述のように9°程度の取込角を有しうる。したがって、遮光材103が塗布されていないロッドレンズ101aの面151の側の端面から、光軸方向に対して9°以上の角度の位置に、遮光材103が配されていてもよい。さらに、マージンを考慮し、遮光材103が塗布されていないロッドレンズ101aの面151の側の端面から、光軸方向に対して27°以上の角度の位置に、遮光材103が配されていてもよい。
【0025】
次いで、ロッドレンズアレイアセンブリ300を構成するロッドレンズアレイ100およびフレーム301の構造、また、ロッドレンズアレイアセンブリ300を作製する際に、ロッドレンズアレイ100をフレーム301に固定するプロセスについて説明する。図3(a)~5は、フレーム301の収容部310にロッドレンズアレイ100を収容した際の種々の構成例を示す図である。
【0026】
図3(a)、3(b)は、図1(a)に示されるような、凹部104が配されていないロッドレンズアレイ100をフレーム301の収容部310に収容した際の上面図および側面からの正射影図である。上述したように、ロッドレンズアレイ100の面151が平坦な場合、遮光材103を塗布した際に、ロッドレンズ101aとして機能させるロッドレンズ101まで、遮光材103が流れ込んでしまう可能性がある。遮光材103のロッドレンズ101aへの流れ込みを抑制するために、収容部310のうちロッドレンズアレイ100の面151と面152との間の法線方向N(ロッドレンズ101の配列方向)に沿って延びる側面と対向する側壁は、ロッドレンズアレイ100の部分112に対向する部分312を備え、部分312に、溝302が形成されていてもよい。図3(a)は、部分312のうち法線方向N(配列方向)の中央部に、溝302が形成されている場合を示している。図3(b)は、部分312のうち法線方向N(配列方向)の端部に、溝302が形成されている場合を示している。溝302が配されることによって、必要量以上の遮光材103の少なくとも一部が溝302に流れ込み、ロッドレンズ101aまで遮光材103が流れ込んでしまうことを抑制できる。溝302は、遮光材103がロッドレンズ101aに流れ込むことを抑制するために配されるため、収容部310のロッドレンズアレイ100の側面に対向する側壁のうち部分111に対向する部分には、溝が形成されていなくてもよい。
【0027】
図3(a)に示される構成において、溝302の数が少なく、また、法線方向N(配列方向)における溝302の位置の精度も高い精度を必要としない。また、図3(b)に示される構成において、図3(a)に示される構成よりも遮光材103がロッドレンズ101aまで流れ込んでしまうことを抑制できる。また、法線方向N(配列方向)における溝302の位置の精度も高い精度を必要としない。
【0028】
図3(c)は、図1(c)に示されるような、ロッドレンズアレイ100の部分112の端部に凹部104が配されている場合のロッドレンズアレイ100をフレーム301の収容部310に収容した際の上面図および側面からの正射影図である。図3(c)に示されるように、溝302が、溝302が形成された部分312に対向する部分112のうち部分111よりも凹んでいる部分(凹部104)と対向して配されていてもよい。この場合、凹部104の深さと溝302の深さとは、同じであってもよいし、一方が他方に比べて深くてもよい。図3(c)では、凹部104よりも溝302の方が深い場合が示されている。凹部104と溝302とを対向させるため、ロッドレンズアレイ100における凹部104の形成およびフレーム301における溝302の形成に高い精度を必要とする。しかしながら、遮光材103を塗布する際に、遮光材103がロッドレンズ101aに流れ込んでしまうことを抑制する効果は、図3(a)、3(b)に示される構成よりも大きくなる。
【0029】
図4(a)は、凹部104がロッドレンズアレイ100の部分112の端部に形成され、フレーム301のロッドレンズアレイ100の部分112に対向する部分312のうち法線方向N(配列方向)の中央部に、溝302形が成されている場合を示している。図4(b)は、凹部104がロッドレンズアレイ100の部分112の全体に形成され、フレーム301のロッドレンズアレイ100の部分112に対向する部分312のうち法線方向N(配列方向)の中央部に、溝302形が成されている場合を示している。図4(c)は、凹部104がロッドレンズアレイ100の部分112の全体に形成され、フレーム301のロッドレンズアレイ100の部分112に対向する部分312のうち法線方向N(配列方向)の端部に、溝302形が成されている場合を示している。凹部104と溝302とを組み合わせることによって、遮光材103がロッドレンズ101aに流れ込んでしまうことを抑制する効果は大きい。
【0030】
凹部104は、面151に対する正射影において、直線状に形成されるものに限られることはない。例えば、図5に示されるように、面151に対する正射影において、凹部104の周縁部が、曲線であってもよい。例えば、切削工具などの形状に応じて、凹部104の周縁部は、種々の形状を有しうる。
【0031】
図3(a)~5に示されるように、溝302を設けた場合、上述のように、遮光材103が溝302に流れ込む。この場合、溝302を介してロッドレンズアレイ100の側面とフレーム301の側面との間に、遮光材103が毛細管現象などによって入り込みやすくなる。したがって、遮光材103が、ロッドレンズアレイ100とフレーム301とを結合する結合部材として機能してもよい。つまり、遮光材103が、黒色などに色付けされた接着剤であってもよい。この場合、フレーム301の収容部310にロッドレンズアレイ100を収容し、結合部材として機能する遮光材103を塗布することによって、ロッドレンズアレイアセンブリ300が作製される。遮光材103が、結合部材として機能することによって、ロッドレンズアレイアセンブリ300を製造する際の工程数の増大が抑制される。
【0032】
遮光材103を結合部材として機能させる場合など、使用時の温度などの環境変化によってロッドレンズアレイ100およびフレーム301との間で応力が発生する可能性がある。図3(b)、3(c)、4(c)に示されるように、溝302がロッドレンズ101aの近くに配された場合、ロッドレンズ101aに、この応力が影響を与える可能性がある。この場合、図3(a)、4(a)、4(b)に示されるように、溝302をフレーム301の側壁の中央部に配した方が、ロッドレンズアレイ100およびフレーム301との間で発生する応力の影響を抑制できる。一方、図3(b)、3(c)、4(c)に示される構成は、より確実にロッドレンズ101aに遮光材103が流れ込むことを抑制できる。
【0033】
また、遮光材103を結合部材として機能させる場合に、ロッドレンズアレイ100およびフレーム301の法線方向N(配列方向)の長尺化などによって、応力の影響が顕著になる可能性もある。そのため、溝302は、フレーム301の法線方向N(配列方向)に中央部から端部に向かって、連続的または段階的に浅くなるようにしてもよい。つまり、ロッドレンズアレイアセンブリ300の法線方向N(配列方向)の中央部において、ロッドレンズアレイ100とフレーム301とを強固に固定し、端部に向かうにしたがって、ロッドレンズアレイ100とフレーム301との結合強度を弱くしてもよい。
【0034】
このように、複数のロッドレンズ101のうち一部のロッドレンズ(ロッドレンズ101b)が結像し難くなるように遮光材103を塗布する。これによって、近接する複数のロッドレンズによって合成される像の重なりに起因する画質の低下を抑制しつつ、ロッドレンズアレイ100を縮小光学系に適用し、被写界深度を深くすることが可能になる。
【0035】
センサユニット200において、ロッドレンズ101a、101bを備えるロッドレンズアレイ100を用いずに、複数のロッドレンズを所定の間隔を開けて配置することが考えられる。しかしながら、φ1.0mm程度のロッドレンズをセンサ212に配される光電変換素子などの位置に応じて、所定の間隔で光軸を揃えて配置するためには高い精度が求められ、コストアップの原因にもなりうる。一方、本実施形態では、センサユニット200などに一般的に用いられるロッドレンズアレイを加工するため、センサユニット200などにロッドレンズアレイ100を組み付ける際の精度は、通常のセンサユニット200を作製する際と同等でありうる。また、ロッドレンズアレイ100は、汎用的なロッドレンズアレイに遮光材103を塗布するだけで作製できる。また、遮光材103は、ロッドレンズアレイ100とフレーム301との結合部材としても使用できるため、コストに対する影響も抑制できる。
【0036】
また、一部のロッドレンズ101を遮光するために、汎用的なロッドレンズアレイに配された複数のロッドレンズ101のうち一部のロッドレンズの上に、ロッドレンズアレイとは別部材の遮光用部材を配置することが考えられる。例えば、遮光用部材として、ロッドレンズアレイを覆うように、一部が開口した金属板や樹脂板などを配することが考えられる。しかしながら、遮光用部材は、構造や材料の違いなどから、ロッドレンズアレイとは異なる線膨張率を有する可能性が高い。そのため、温度などの環境変化やセンサユニット200の長尺化に対して、汎用的なロッドレンズアレイのそれぞれのロッドレンズ101に対する遮光用部材の位置合わせは困難である。一方、本実施形態において、ロッドレンズアレイ100の面151に直接、遮光材103が塗布されるため、環境変化やセンサユニット200の長尺化に対応できる。
【0037】
次いで、本実施形態のロッドレンズアレイ100の応用例として、ロッドレンズアレイ100が組み込まれたセンサユニット200を含む読取装置、検査装置、記録システムについて説明する。図6(a)は、ロッドレンズアレイ100が組み込まれたセンサユニット200を含む読取装置400、および、読取装置400を含む検査装置500について説明する図である。図6(b)は、ロッドレンズアレイ100が組み込まれたセンサユニット200を含む読取装置400、および、読取装置400を含む記録システム510について説明する図である。
【0038】
読取装置400は、図6(a)、6(b)に示されるように、照明装置401と、照明装置401によって照明された被照明体411(被写体)の画像情報を取得するためのイメージセンサ402と、を含む。イメージセンサ402には、上述のロッドレンズアレイ100が組み込まれたセンサユニット200が配されている。
【0039】
被照明体411が、図6(a)、6(b)に示されるように大きさ(高さ)に差がある場合、撮像に際して深い被写界深度が求められる。したがって、ロッドレンズアレイ100が上述の構成を備えることによって、ロッドレンズアレイ100が組み込まれたセンサユニット200を含む読取装置400は、高さが異なる被照明体411に対してピントを合わせることが可能になる。
【0040】
大きさが異なる被照明体411に対してピントを合わせられる読取装置400は、例えば、図6(a)に示されるような、検査装置500に適用することができる。検査装置500は、読取装置400と、読取装置400で取得した画像情報を用いて被照明体411の良否を判定する判定器501と、を含みうる。また、検査装置500は、図6(a)に示されるような、被照明体411を搬送するための搬送装置502を備えていてもよい。検査装置500は、例えば、ライン状のロッドレンズアレイ100およびセンサアセンブリ210を備えるセンサユニット200(ラインセンサユニット)を含み、搬送装置502上を移動する被照明体411を検査する検査装置であってもよい。大きさが異なる被照明体411に対してピントを合わせられる読取装置400によって、検査装置500での検査の精度を高めることが可能になる。
【0041】
また、大きさが異なる被照明体411に対してピントを合わせられる読取装置400は、例えば、図6(b)に示されるような、記録システム510に適用することができる。記録システム510は、読取装置400と、読取装置400によって取得された画像情報に基づいて記録媒体に記録を行う記録装置511と、を含む。記録システム510は、複写機やプリンタ、ハードディスクやメモリにデータを記録するデータ記録装置などを含む。図6(b)は、記録システム510のうち複写機やプリンタなどの紙媒体などに記録をする例を示している。記録システム510は、上述の検査装置500のように被照明体411を移動させながら撮像を行ってもよいし、読取装置400が移動することによって被照明体411を撮像してもよい。被照明体411が、図6(b)に示されるように、凸凹している場合であっても、ロッドレンズアレイ100が組み込まれたセンサユニット200を含む読取装置400を備える記録システム510は、被照明体411の表面にピントが合った像を記録することができる。
【0042】
記録装置511は、例えば、インクジェット方式や電子写真方式などの任意の方法で、記録媒体513(例えば紙)に文字を含む画像などを記録することができる。この場合、記録システム510は、搬送装置512を含みうる。搬送装置512として、記録媒体を上流から下流へと搬送する搬送ローラを用いることができる。ひとつの実施形態において、記録システム510はコピー処理を行うことができ、この場合、記録装置511は、読取装置400が読み取った画像情報を、画像として記録媒体に記録する。また、ひとつの実施形態において、記録システム510はフィードバック制御を行うことができる。例えば、読取装置400が、記録装置511によって記録が行われた後の記録媒体513に対する画像情報の読取を行い、読取データとして記録装置511に送信することができる。この読取データに基づき、記録装置511は記録媒体への記録状態を確認することができ、次回の記録時における記録パラメータを制御することができる。
【0043】
また、記録システム510は、上述のように、紙などの記録媒体513に記録する装置に限られるものではない。記録装置511が、読取装置400が読み取った画像情報などを、電子データとしてハードディスクやメモリなどの記録媒体に記録してもよい。この場合、記録装置511が、ハードディスクやメモリなどの記録媒体を内包していてもよい。この場合、記録システム510に、搬送装置512は配されていなくてもよい。
【0044】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0045】
100:ロッドレンズアレイ、101a,101b:ロッドレンズ、102:結合材、103:遮光材、151,152:面
図1
図2
図3
図4
図5
図6