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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023035029
(43)【公開日】2023-03-13
(54)【発明の名称】利用者位置認証システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/36 20130101AFI20230306BHJP
   G07C 9/29 20200101ALI20230306BHJP
   G07C 9/27 20200101ALI20230306BHJP
   G07C 9/28 20200101ALI20230306BHJP
   G07C 9/22 20200101ALI20230306BHJP
【FI】
G06F21/36
G07C9/29
G07C9/27
G07C9/28
G07C9/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021141608
(22)【出願日】2021-08-31
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年7月1日掲載アドレスhttps://lookmee.jp/attendance/においてウェブサイト掲載。 令和3年7月1日から社会福祉法人央西会 西保育園(販売日 令和3年7月30日),社会福祉法人松美会 しおかぜの里こども園(販売日 令和3年8月10日),株式会社office nanakamado.なな園(販売日 令和3年8月18日),医療法人はあと みらい保育園やとみ(販売日 令和3年8月25日),学校法人曽根学園 東二番丁幼稚園(販売日 令和3年8月31日) に販売。
(71)【出願人】
【識別番号】515203631
【氏名又は名称】ユニファ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104776
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100119194
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 明夫
(72)【発明者】
【氏名】山口 隆広
(72)【発明者】
【氏名】保坂 学
【テーマコード(参考)】
3E138
【Fターム(参考)】
3E138AA01
3E138BA01
3E138CA02
3E138JA03
3E138JB03
3E138JB08
3E138JB14
3E138JB15
3E138JC14
3E138JC19
(57)【要約】      (修正有)
【課題】精度よく屋内でも安定して使用可能な利用者が所定施設に存在することを認証する利用者位置認証システムを提供する。
【解決手段】利用者位置認証システムにおいて、認証サーバは、認証に使用される認証記号情報を生成する認証記号生成部と、認証記号生成部で生成された認証記号情報を施設に設置されている記号表示端末に通知する記号通知部、記号表示端末に表示された認証記号情報に対応する認証記号を利用者が読み取り、読み取った認証記号が被認証記号として入力される利用者端末から送出されてくる被認証記号に対応する被認証記号情報を受け付ける認証要求受付部及び認証記号情報と被認証記号情報とに基づいて利用者が施設に存在することを認証する認証部を備える。認証部は、認証記号情報と被認証記号情報とが一致しているとき、利用者が施設に存在していると認証する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が所定施設に存在することを認証する利用者位置認証システムであって、
認証に使用される認証記号情報を生成する認証記号生成部と、
該認証記号生成部で生成された前記認証記号情報を前記所定施設に設置されている記号表示端末に通知する記号通知部と、
前記記号表示端末に表示された前記認証記号情報に対応する認証記号を前記利用者が読み取り、読み取った前記認証記号が被認証記号として入力される利用者端末から送出されてくる前記被認証記号に対応する被認証記号情報を受け付ける認証要求受付部と、
前記認証記号情報と前記被認証記号情報とに基づいて前記利用者が前記所定施設に存在することを認証する認証部とを備え、
該認証部は、
前記認証記号情報と前記被認証記号情報とが一致しているとき、前記利用者が前記所定施設に存在していると認証することを特徴とする利用者位置認証システム。
【請求項2】
前記認証記号と前記被認証記号とが、絵柄により構成されていることを特徴とする請求項1に記載の利用者位置認証システム。
【請求項3】
前記認証記号生成部は、所定時間ごとに前記認証記号情報を生成し、生成された前記認証記号情報が、前記記号通知部から前記記号表示端末に通知されることにより、前記認証記号情報が切り替わることを特徴とする請求項1または2に記載の利用者位置認証システム。
【請求項4】
前記認証部は、
前記認証記号情報が切り替わった後、所定猶予時間が経過するまでの間、切り替わる前の前記認証記号情報と切り替わった後の前記認証記号情報との何れか一方と、前記被認証記号情報とが一致しているとき、前記利用者が前記所定施設に存在していると認証することを特徴とする請求項3に記載の利用者位置認証システム。
【請求項5】
前記所定施設への入所または退所の記憶を要求する打刻要求情報を受け付ける打刻要求受付部と、
前記所定施設への入所時刻及び退所時刻を含む打刻情報を記憶する記憶部とを備え、
前記認証部が、前記利用者が前記所定施設に存在していると認証したときに、前記打刻要求情報が前記利用者端末から送出されてくるようになっており、前記打刻要求情報を前記打刻要求受付部で受け付けると、前記打刻情報が前記記憶部に記憶されることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の利用者位置認証システム。
【請求項6】
前記打刻情報を他の利用者端末に通知する打刻情報通知部を備え、
前記記憶部に前記打刻情報が記憶されたときに、前記打刻情報通知部が前記打刻情報を前記他の利用者端末に通知することを特徴とする請求項5に記載の利用者位置認証システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、利用者が所定施設に存在することを認証する利用者位置認証システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
学校や会社などの施設への入所や出勤、あるいは、退所や退勤の記録はこれまでタイムカードにより行われることが多かった。しかし、タイムカードによる打刻は、複数人が同時に行うことができず打刻待ちが生ずる問題や、その打刻待ちの間に複数人が近接したり、打刻の際にパネルやボタンに複数人が接触したりすることにより、感染症が拡散するリスクが生じるという問題などがあった。そこで、利用者が保有するスマートフォンなどの携帯情報端末を利用して打刻することが考えられてきた。しかし、携帯情報端末を利用して打刻する場合、利用者が実際にその施設に存在していることを認証する必要が生ずる。この点に関して、これまでに、利用者が施設に存在していることを認証するシステムが提案されている。例えば、下記特許文献1に記載されている携帯電話端末を用いた勤怠管理システムが知られている。この勤怠管理システムでは、携帯電話端末でGPS(Global Positioning System)情報を受信して、これに含まれる位置情報を勤怠情報に付加することにより、利用者がその施設に存在していることを認証するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-26086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の発明では、GPS情報を使用して位置情報を求めているため、GPS衛星からの電波が受信できない屋内等の場所では位置を特定できず、また、GPS情報から求めた位置と実際の携帯電話端末の位置とが大きくずれることがあり位置精度が高くないという問題があった。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、精度よく屋内でも安定して使用可能な利用者が所定施設に存在することを認証する利用者位置認証システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、利用者が所定施設に存在することを認証する利用者位置認証システムであって、認証に使用される認証記号情報を生成する認証記号生成部と、該認証記号生成部で生成された前記認証記号情報を前記所定施設に設置されている記号表示端末に通知する記号通知部と、前記記号表示端末に表示された前記認証記号情報に対応する認証記号を前記利用者が読み取り、読み取った前記認証記号が被認証記号として入力される利用者端末から送出されてくる前記被認証記号に対応する被認証記号情報を受け付ける認証要求受付部と、前記認証記号情報と前記被認証記号情報とに基づいて前記利用者が前記所定施設に存在することを認証する認証部とを備え、該認証部は、前記認証記号情報と前記被認証記号情報とが一致しているとき、前記利用者が前記所定施設に存在していると認証することを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の構成に加えて、前記認証記号と前記被認証記号とが、絵柄により構成されていることを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の構成に加えて、前記認証記号生成部は、所定時間ごとに前記認証記号情報を生成し、生成された前記認証記号情報が、前記記号通知部から前記記号表示端末に通知されることにより、前記認証記号情報が切り替わることを特徴とする。
【0009】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の構成に加えて、前記認証部は、前記認証記号情報が切り替わった後、所定猶予時間が経過するまでの間、切り替わる前の前記認証記号情報と切り替わった後の前記認証記号情報との何れか一方と、前記被認証記号情報とが一致しているとき、前記利用者が前記所定施設に存在していると認証することを特徴とする。
【0010】
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4の何れか一項に記載の構成に加えて、前記所定施設への入所または退所の記憶を要求する打刻要求情報を受け付ける打刻要求受付部と、前記所定施設への入所時刻及び退所時刻を含む打刻情報を記憶する記憶部とを備え、前記認証部が、前記利用者が前記所定施設に存在していると認証したときに、前記打刻要求情報が前記利用者端末から送出されてくるようになっており、前記打刻要求情報を前記打刻要求受付部で受け付けると、前記打刻情報が前記記憶部に記憶されることを特徴とする。
【0011】
請求項6に係る発明は、請求項5に記載の構成に加えて、前記打刻情報を他の利用者端末に通知する打刻情報通知部を備え、前記記憶部に前記打刻情報が記憶されたときに、前記打刻情報通知部が前記打刻情報を前記他の利用者端末に通知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、所定施設に設置されている記号表示端末に、認証に使用される認証記号情報に対応する認証記号が表示され、利用者がその認証記号を読み取り、読み取った認証記号が被認証記号として利用者端末に入力される。このため、記号表示端末の表示を読み取ることができる範囲にいる複数の利用者が、同時に各自の利用者端末に入力できるようになっている。また、利用者同士が近接することもなく、利用者が自らの利用者端末に入力するため複数の利用者が共通して接触する部分も発生しない。このため、感染症が利用者の間で拡散するリスクも低減される。また、上述のように利用者が記号表示端末に表示される認証記号を読み取り、読み取った認証記号を被認証記号として利用者端末に入力するようになっているため、記号表示端末の表示を読み取れるほどの近傍に利用者がいることを確認できる。そして、この記号表示端末は所定施設に設置されているため、正確に精度よく利用者が所定施設に存在することを認証できる。また、記号表示端末に認証記号が表示され、読み取られた認証記号が被認証記号として利用者端末に入力される構成になっているため、屋内でも安定して使用することができる。
【0013】
請求項2の発明によれば、認証記号と被認証記号とが、絵柄により構成されているため、取り扱いが容易であり、幼児でも操作することができる。
【0014】
請求項3の発明によれば、所定時間ごとに認証記号情報が切り替わるため、利用者は最新の認証記号を読み取り、利用者端末に入力しなければ認証が成功しない。このため、確実に利用者が所定施設に存在することを認証できるとともに、不正も防止できる。
【0015】
請求項4の発明によれば、認証記号情報が切り替わった後、所定猶予時間が経過するまでの間、切り替わる前の認証記号情報と切り替わった後の認証記号情報との何れか一方と、被認証記号情報とが一致しているとき、利用者が所定施設に存在していると認証するようになっている。このため、利用者が、切り替わり前の認証記号情報に対応する認証記号を読み取り、利用者端末に入力している途中で、認証記号情報が切り替わってしまっても、所定猶予時間が経過するまでの間であれば、認証が成功するようになっている。利用者は、認証記号情報の切り替わり前後で、再度、入力する手間を省くことができ、使い勝手がよく、操作性が向上する。
【0016】
請求項5の発明によれば、利用者が所定施設に存在していると認証したときに、打刻要求情報が利用者端末から送出されるようになっており、打刻要求情報を受け付けると、打刻情報が記憶されるようになっている。すなわち、利用者が所定施設に存在していることを確認できたときのみ、打刻情報が記憶されるようになっている。このため、利用者が所定施設にいないのに打刻してしまうことを防止できる。
【0017】
請求項6の発明によれば、打刻情報が記憶されたときに、この打刻情報が他の利用者端末に通知される。このため、複数の利用者端末の間で、打刻情報を共有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】この発明の実施の形態に係る利用者位置認証システムのシステム構成概略図である。
図2】同実施の形態に係る認証サーバの概略機能ブロック図である。
図3】同実施の形態に係る各端末の概略機能ブロック図であり、(a)は記号表示端末、(b)は利用者端末、(c)は管理者端末を示す図である。
図4】同実施の形態に係る記号表示端末の認証記号表示画面の例を示す概略図である。
図5】同実施の形態に係る利用者端末の表示画面の例を示す概略図であり、(a)は初期画面、(b)は施設選択画面、(c)は被認証記号入力画面、(d)は入力中の被認証記号入力画面、(e)は認証成功後の打刻要求画面、(f)は認証失敗時のエラー表示画面である。
図6】同実施の形態に係る管理者端末の帳票表示画面の例を示す概略図である。
図7】同実施の形態に係る管理者端末の表示画面の例を示す概略図であり、(a)は一括打刻要求画面、(b)は認証機能の切替設定画面である。
図8】同実施の形態に係る利用者位置認証システムの動作の流れの一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
この発明の実施の形態について、図1図8を用いて説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施の形態に係る利用者位置認証システム1のシステム構成概略図である。この利用者位置認証システム1は、利用者が所定施設に存在することを認証するためのシステムである。ここで、「認証」とは、利用者が所定施設に存在することを確認することを意味する。このシステム1は、認証サーバ2、「所定施設」としての施設5Aに設置されている記号表示端末6A、同じく「所定施設」としての施設5Bに設置されている記号表示端末6B、利用者端末7、利用者端末7、施設5Aの管理者が使用する管理者端末8A、施設5Bの管理者が使用する管理者端末8Bなどが、通信回線9を介して接続された構成になっている。ただし、施設5A、施設5B以外にも複数の施設がこのシステム1によって管理されており、また、このシステム1には、記号表示端末6Aや記号表示端末6B以外の複数の記号表示端末、利用者端末7や利用者端末7以外の複数の利用者端末、管理者端末8Aや管理者端末8B以外の複数の管理者端末が接続されている。
【0021】
以下では、施設5Aと施設5B等を代表して施設5と表示し、同様に、記号表示端末6Aと記号表示端末6B等を代表して記号表示端末6、利用者端末7と利用者端末7等を代表して利用者端末7、管理者端末8Aと管理者端末8B等を代表して管理者端末8と表示する。
【0022】
図1では、1つの施設5に対して、1台の記号表示端末6が設置され、1台の管理者端末8が対応付けられている。しかし、必ずしもこのように構成する必要はなく、1つの施設5に複数台の記号表示端末6が設置され、複数台の管理者端末8を対応付けるように構成してもよい。
【0023】
この利用者位置認証システム1では、認証に使用される認証記号情報が、認証サーバ2から施設5に設置されている記号表示端末6に向けて通知され、記号表示端末6では受け付けた認証記号情報に対応する認証記号601が表示される。利用者が、この記号表示端末6から認証記号601を目視により読み取ると、利用者によって、読み取られた認証記号601が被認証記号として利用者端末7に入力され、入力された被認証記号に対応する被認証記号情報が認証サーバ2に送出される。認証サーバ2では、認証記号情報と、受け付けた被認証記号情報とを比較判定することにより、記号表示端末6が設置されている施設5に利用者が存在することを認証するように動作する。
【0024】
なお、施設5としては、保育園、幼稚園、学校、塾、音楽教室、会社などの施設であってもよいし、屋外の工事現場などに対応させるようにしてもよい。本実施形態では、施設5Aを保育園(「あいうえお保育園」)とし、施設5Bを塾(「かきくけこ塾」)として説明する。
【0025】
また、通信回線9は、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、VPN(Virtual Private Network)などで構成してもよい。
【0026】
次に、この利用者位置認証システム1の各構成について説明する。
【0027】
図2は、認証サーバ2の概略機能ブロック図である。このサーバ2は、制御部20、認証記号生成部24、発生記号保持部25、記号通知部26、切替完了受付部27、有効記号保持部28、認証要求受付部29、認証部30、認証結果通知部31、打刻要求受付部32、記憶部33、打刻情報通知部34、帳票情報通知部35、時計部36、通信回線9を介して情報を送信する送信部37、通信回線9を介して情報を受信する受信部38を含むように構成されている。
【0028】
制御部20は、プログラムの実行や演算処理を行うCPU21、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等が用いられプログラムやデータを記憶する補助記憶装置22、CPU21によるプログラムの実行や演算処理のワークエリアとして動作する揮発性メモリのRAM23を含むように構成されており、認証サーバ2を構成する各要素の動作を制御する。
【0029】
認証記号生成部24は、認証に使用される認証記号情報を生成する。この認証記号情報は、通信回線9を介して認証サーバ2に接続されている各々の記号表示端末6について互いに相違するように、例えば、ランダムに生成される。また、認証記号生成部24は、所定時間ごとに認証記号情報を生成し、生成された認証記号情報が、記号表示端末6に通知される。このように、認証記号情報は所定時間ごとに切り替わるようになっている。ここで、所定時間は、初期値として深夜0時と昼12時の12時間ごとに切り替わるようになっているが、例えば、10分間ごと、30分間ごとまたは1時間ごとなど任意に設定できるようにしてもよい。認証記号情報が切り替わるため、利用者はその都度、記号表示端末6を読み取らなければ、認証が成功しないことになり不正の防止になる。
【0030】
発生記号保持部25は、認証記号生成部24で生成された認証記号情報を記憶して保持する。この発生記号保持部25は、認証サーバ2に接続されている各々の記号表示端末6に対応付けて認証記号情報を保持するようになっている。すなわち、記号表示端末6Aのための発生記号保持部25A、記号表示端末6Bのための発生記号保持部25Bのように記号表示端末6ごとに、それぞれ認証記号情報が保持される。
【0031】
記号通知部26は、発生記号保持部25に保持された認証記号情報を、通信回線9を介して記号表示端末6に通知する。
【0032】
この認証記号情報が記号表示端末6に受け付けられ、記号表示端末6の表示がこの認証記号情報に対応する認証記号601に切り替わると、認証記号601が切り替わったことを示す切替完了情報が記号表示端末6から認証サーバ2に通知される。切替完了受付部27では、この切替完了情報を受け付ける。切替完了情報を受け付けることにより、記号表示端末6に表示される認証記号601が切り替わったことを、認証サーバ2側で確実に確認することができる。例えば、記号表示端末6が通信回線9に接続されていない場合には、記号表示端末6に向けて認証記号情報を通知しても、記号表示端末6からの切替完了情報は返ってこない。これにより、認証サーバ2側では、認証記号601が切り替わっていないことを検出できる。このような場合、切替完了受付部27が切替完了情報を受け付けるまでは、記号通知部26から通知した認証記号情報でなく、その前の認証記号情報を有効な認証記号情報として認証を行うようにすればよい。こうすることにより、認証サーバ2側の認証記号情報と、記号表示端末6に表示される認証記号601に対応する認証記号情報とが、不一致となる不具合を防止できる。
【0033】
切替完了受付部27が切替完了情報を受け付けると、発生記号保持部25に保持されている認証記号情報が、有効記号保持部28に設定される。そして、有効記号保持部28に設定された認証記号情報が、有効な認証記号情報として認証に利用される。この有効記号保持部28は、認証サーバ2に接続されている各々の記号表示端末6に対応付けて認証記号情報を保持するようになっている。すなわち、記号表示端末6Aのための有効記号保持部28A、記号表示端末6Bのための有効記号保持部28Bのように記号表示端末6ごとに、それぞれ認証記号情報が保持される。
【0034】
記号表示端末6に表示された認証記号601を利用者が読み取り、利用者が読み取った認証記号601を被認証記号として利用者端末7に入力すると、この被認証記号に対応する被認証記号情報が利用者端末7から認証サーバ2に送出される。そして、認証要求受付部29は、利用者端末7から送出されてくる被認証記号情報を受け付ける。なお、利用者端末7からは、被認証記号情報だけでなく、施設5を一意に特定する施設IDも送出されてくるが、この施設IDも認証要求受付部29で受け付ける。ここで、利用者端末7から送出されてくる被認証記号情報と施設IDとを含むように認証要求情報が構成されており、この認証要求情報が認証要求受付部29で受け付けられるようになっている。
【0035】
認証部30は、認証要求受付部29で受け付けた施設IDに関連付けられている被認証記号情報と、それと同一の施設IDによって特定される施設5に設置されている記号表示端末6に対応する有効記号保持部28に保持されている認証記号情報とに基づいて、利用者がその施設5に存在することを認証する。具体的には、認証記号情報と被認証記号情報とが一致しているとき、利用者がその施設5に存在していると認証する。
【0036】
なお、認証部30は、認証記号情報が切り替わった後、所定猶予時間が経過するまでの間、切り替わる前の認証記号情報と切り替わった後の認証記号情報との何れか一方と、被認証記号情報とが一致しているとき、利用者が施設5に存在していると認証するようにしてもよい。例えば、切替完了受付部27が切替完了情報を受け付けた時刻を保持し、かつ、切替完了情報を受け付けたときに有効記号保持部28に設定されていた認証記号情報を前認証記号情報として保持しておく。上述のように切替完了情報を受け付けると、有効記号保持部28は、発生記号保持部25に保持されている認証記号情報によって更新される。そして、切替完了受付部27が切替完了情報を受け付けた時刻から所定猶予時間が経過するまでの間は、保持している前認証記号情報と、有効記号保持部28に更新されて保持されている認証記号情報との何れか一方と、被認証記号情報とが一致すれば、利用者が施設5に存在していると認証するようにすればよい。所定猶予時間としては、30秒間、1分間、2分間など任意に設定できるようにすればよい。このようにすることにより、利用者が、切り替わり前の認証記号情報に対応する認証記号601を読み取り、利用者端末7に入力している途中で、認証記号情報が切り替わってしまっても、所定猶予時間が経過するまでの間であれば、認証が成功するようになる。このため、利用者は、認証記号情報の切り替わり前後で、再度、入力する手間を省くことができる。特に、幼児が被認証記号を入力する場合には、時間がかかることが想定され、再入力を回避できる効果は大きなものとなる。
【0037】
認証結果通知部31は、認証部30における認証が成功したか、あるいは、失敗したかを示す認証結果情報を利用者端末7に通知する。
【0038】
認証が成功したという認証結果情報が通知されると、利用者の操作に基づいて、施設5への入所または退所の記憶を要求する打刻要求情報が利用者端末7から認証サーバ2に向けて送出されてくる。打刻要求受付部32では、送られてくるこの打刻要求情報を受け付ける。打刻要求情報は、施設5への入所の打刻であるか、施設5からの退所の打刻であるかを示す入所・退所フラグ、施設ID、及び、個人を一意に特定できる個人IDを含むように構成されている。
【0039】
打刻要求受付部32で打刻要求情報を受け付けると、施設5への入所時刻または退所時刻と施設IDなどが、個人IDに関連付けられて打刻情報として記憶部33に記憶される。この打刻情報は、個人ID、施設ID、入所打刻時刻、退所打刻時刻を含むように構成される。
【0040】
打刻情報が記憶部33に記憶されると、利用者端末7の利用者端末IDに関連付けられて、あらかじめ記憶部33に記憶されている他の利用者端末7Xの利用者端末IDを用いて、記憶部33に記憶された打刻情報が、打刻情報通知部34から他の利用者端末7Xに通知される。こうすることにより、複数の利用者端末7の間で、打刻情報を共有することができる。例えば、父親が子供を保育園に登園させ、父親が自身の利用者端末7を使用して登園時の入所打刻要求情報を送出すると、その入所打刻情報が、母親の利用者端末7Xに通知されるような使い方が想定される。なお、利用者端末IDは、利用者端末7を一意に特定できる英数字の並びである。また、利用者端末IDとして、その利用者の電子メールアドレスを用いてもよい。利用者の電子メールアドレスを用いることにより、異なる利用者端末7を使用した場合でも、その利用者が使用している利用者端末7を特定することができる。
【0041】
また、打刻情報として登園時などの入所打刻時刻、または、退園時などの退所打刻時刻の何れか一方のみしか記憶されていない場合、その翌日に、打刻漏れの可能性があることを利用者端末7に通知するようになっている。
【0042】
記憶部33に記憶される打刻情報は、帳票情報として管理される。この帳票情報は、個人ID、施設ID、日付ごとの打刻情報の配列を含むように構成される。帳票情報を要求する帳票要求情報が、管理者端末8から認証サーバ2に送出され、この帳票要求情報を認証サーバ2の受信部38で受け付けると、帳票情報が帳票情報通知部35から管理者端末8に向けて通知される。管理者端末8から送出されるこの帳票要求情報は、個人ID、施設ID、何日から何日までの打刻情報を要求するのかを設定する日付の期間を含むように構成される。
【0043】
時計部36は、打刻時刻を決定する時刻を提供する。
【0044】
図3は、認証サーバ2に通信回線9を介して接続される各端末の概略機能ブロック図であり、(a)は記号表示端末6、(b)は利用者端末7、(c)は管理者端末8を示す図である。これらの記号表示端末6、利用者端末7及び管理者端末8は、タブレット、スマートフォン、PC(Personal Computer)などの情報端末や携帯情報端末を用いることができる。本実施形態では、一例として記号表示端末6がタブレット、利用者端末7がスマートフォン、管理者端末8がノートPCで構成されている。
【0045】
図3(a)に示すように、記号表示端末6は、図示しないCPU、補助記憶装置及びRAMを含むように構成され各構成要素の動作を制御する制御部60、認証記号受付部61、切替完了通知部62、時計部63、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の表示装置で構成される表示部64、キーボードやタッチパネル等の入力装置で構成される入力部65、通信回線9を介して情報を送信する送信部67、通信回線9を介して情報を受信する受信部68を含むように構成されている。
【0046】
認証記号受付部61は、認証サーバ2から通信回線9を介して通知される認証記号情報を受け付ける。
【0047】
この認証記号情報を認証記号受付部61で受け付けると、制御部60の制御に基づいて、受け付けた認証記号情報に対応する認証記号601が表示部64に表示される。このように、認証記号情報を受け付けて、表示部64に表示される認証記号601が切り替わると、切替完了通知部62は、認証記号601の切り替わりが完了したことを示す切替完了情報を認証サーバ2に向けて通知する。
【0048】
時計部63は、時刻を提供し、この時刻が、記号表示端末6に表示される。
【0049】
図4は、記号表示端末6の表示部64に表示される認証記号表示画面600の例を示す概略図である。この画面600の左上部には、3個の動物の絵柄602、603、604が表示されている。この3個の絵柄602、603、604が、認証記号601を示している。利用者は、認証記号601であるこの3個の動物の絵柄602、603、604を記号表示端末6から読み取って、読み取った3個の絵柄を被認証記号として利用者端末7に入力して認証を行う。図4の例では、認証記号601が3個の絵柄により構成されているが、絵柄の数は3個に限らず、1個であってもよいし、3個以外の複数個の絵柄により構成するようにしてもよい。また、本実施形態では、認証記号601が干支を示す12種類の動物の絵柄、すなわち、「ねずみ(子)」、「うし(丑)」、「とら(寅)」、「うさぎ(卯)」、「たつ(辰)」、「へび(巳)」、「うま(午)」、「ひつじ(未)」、「さる(申)」、「とり(酉)」、「いぬ(戌)」、「いのしし(亥)」の中から選択して構成されるようになっている。これらの12種類の動物の絵柄は、あらかじめ記号表示端末6に記憶されている。
【0050】
なお、認証記号601を、動物以外の食べ物、乗り物、楽器などの絵柄で構成するようにしてもよいし、片仮名、平仮名、アルファベット、漢字などの文字や数字などのその他の記号を用いて構成するようにしてもよい。
【0051】
認証サーバ2から通知される認証記号情報と、記号表示端末6に表示される認証記号601とは対応付けがなされている。例えば、12種類の動物の絵柄に対応するように数値を割り当てる。すなわち、「ねずみ」を“0”、「うし」を“1”、「とら」を“2”、「うさぎ」を“3”、「たつ」を“4”、「へび」を“5”、「うま」を“6”、「ひつじ」を“7”、「さる」を“8”、「とり」を“9”、「いぬ」を“10”、「いのしし」を“11”に割り当てるようにしてもよい。このように対応付けることにより、認証記号情報を3個の数値の並びとして構成することができ、例えば、認証サーバ2から通知される“2”“9”“4”を内容とする認証記号情報を、記号表示端末6が受け付けると、“2”“9”“4”に対応する認証記号601である「とら」(“2”に対応)、「とり」(“9”に対応)、「たつ」(“4”に対応)が特定されて、図4のように、認証記号601を示す「1ばんめ」の領域に「とら」の絵柄602、「2ばんめ」の領域に「とり」の絵柄603、「3ばんめ」の領域に「たつ」の絵柄604が表示される。
【0052】
図4の例では、「タッチで打刻する」ボタン605をタップすることにより、入所または退所の打刻を記号表示端末6からも行えるようになっている。タップとは、画面を軽く叩くようにして、一瞬だけ画面に触れる操作のことをいう。
【0053】
図3(b)に示すように、利用者端末7は、図示しないCPU、補助記憶装置及びRAMを含むように構成され各構成要素の動作を制御する制御部70、認証要求送出部71、認証結果受付部72、打刻要求送出部73、LCD等の表示装置で構成される表示部74、タッチパネル等の入力装置で構成される入力部75、通信回線9を介して情報を送信する送信部77、通信回線9を介して情報を受信する受信部78を含むように構成されている。
【0054】
認証要求送出部71は、制御部70の制御に基づいて、被認証記号情報や施設IDを含むように構成される認証要求情報を、通信回線9を介して認証サーバ2に向けて送出する。
【0055】
認証結果受付部72は、制御部70の制御に基づいて、認証サーバ2から通知される認証結果情報を受け付ける。
【0056】
打刻要求送出部73は、制御部70の制御に基づいて、入所・退所フラグ、施設ID及び打刻の対象となる個人IDを含むように構成される打刻要求情報を認証サーバ2に送出する。
【0057】
図5は、利用者端末7の表示部74に表示される表示画面の例を示す概略図であり、(a)は初期画面700、(b)は施設選択画面701、(c)は被認証記号入力画面702、(d)は入力中の被認証記号入力画面703、(e)は認証成功後の打刻要求画面704、(f)は認証失敗時のエラー表示画面705である。
【0058】
利用者端末7が、認証サーバ2との接続を確立するために、利用者端末IDやパスワードを認証サーバ2に向けて通知し、ログインが成功すると、図5(a)の初期画面700が表示される。この初期画面700では、認証サーバ2から通知されるお知らせなどが表示される。
【0059】
この初期画面700の右上部に配置されているアイコン711をタップすると、図5(b)に示す施設選択画面701が表示される。この施設選択画面701では、施設5を選択することができ、「あいうえお保育園」ボタン721または「かきくけこ塾」ボタン722の何れか一方を選択する。また、「あいうえお保育園」の表示の下側には、「恭平」、「静香」の表示があるが、この2名が、打刻の対象となる個人として、施設5である「あいうえお保育園」に関連付けられている。同様に、「かきくけこ塾」の表示の下側に表示されている「恭平」が、打刻の対象となる個人として、施設5である「かきくけこ塾」に関連付けられている。なお、選択できる施設5と、その施設5に関連付けられている個人は、あらかじめ利用者端末7に記憶されている。
【0060】
施設選択画面701の中央部に配置されている「次へ」ボタン723をタップすると、図5(c)に示す被認証記号入力画面702が表示される。この被認証記号入力画面702の上部には、「1ばんめ」入力領域732、「2ばんめ」入力領域733、「3ばんめ」入力領域734により構成される被認証記号入力領域731が配置されており、利用者が記号表示端末6から読み取った認証記号601が被認証記号として入力される。被認証記号入力画面702の中央部から下部にかけて、認証記号601を構成する絵柄と同様の干支を示す12種類の動物の絵柄735が表示されている。これらの12種類の動物の絵柄は、あらかじめ、利用者端末7に記憶されている。この12種類の動物の絵柄735の表示をタップすると、タップした順序で、被認証記号入力領域731の「1ばんめ」入力領域732から順番に絵柄が入力される(図5(d)参照)。また、被認証記号入力画面702の左下部に配置されている「削除」ボタン736をタップすると、タップするたびに最後に被認証記号入力領域731に入力された絵柄から順に削除され、再度、絵柄をタップすることにより被認証記号入力領域731に入力できるようになっている。被認証記号入力領域731の3個の入力領域732、733、734に、記号表示端末6から読み取った認証記号601と同様の絵柄が入力されると、これが被認証記号となる。そして、被認証記号入力画面702の右下部に配置されている「認証」ボタン737をタップすると、被認証記号情報や施設IDを含む認証要求情報が、認証サーバ2に向けて送出される。
【0061】
上述の認証記号情報と認証記号との対応付けと同様に、被認証記号と被認証記号情報との関係も対応付けられている。すなわち、12種類の動物の絵柄に対応するように数値が割り当てられている。そうすると、例えば、被認証記号が、「とら」(“2”に対応)、「とり」(“9”に対応)、「たつ」(“4”に対応)のように入力された場合、被認証記号情報は、“2”“9”“4”の3個の数値の並びとして構成される。
【0062】
認証が成功して、利用者端末7が認証サーバ2からの認証成功を示す認証結果情報を受け付けると、図5(e)に示す打刻要求画面704が表示される。この打刻要求画面704では、打刻の対象となる個人を設定できるようになっており、「恭平」ボックス741と「静香」ボックス742に初期状態でチェックが入っている。また、これらのチェックボックス741、742をタップすることによりチェックを外し、打刻の対象から外すこともできる。そして、この打刻要求画面704の下部に配置されている入所打刻に相当する「登園する」ボタン743、または、退所打刻に相当する「降園する」ボタン744をタップすると、入所・退所フラグ、施設ID及び個人IDを含む打刻要求情報が認証サーバ2に送出される。その後は、図5(a)に示す初期画面700が表示される。
【0063】
一方、認証が失敗して、利用者端末7が、認証サーバ2から認証失敗を示す認証結果情報を受け付けると、図5(f)に示すエラー表示画面705が表示される。このエラー表示画面705の下部には、認証が失敗したことを通知し再度の被認証記号の入力を促すエラーメッセージ751が表示され、この表示をタップすると、図5(c)に示す被認証記号入力画面702が表示される。
【0064】
図3(c)に示されているように、管理者端末8は、図示しないCPU、補助記憶装置及びRAMを含むように構成され各構成要素の動作を制御する制御部80、帳票情報要求部81、LCD等の表示装置で構成される表示部84、キーボード等の入力装置で構成される入力部85、通信回線9を介して情報を送信する送信部87、通信回線9を介して情報を受信する受信部88を含むように構成されている。この管理者端末8は、管理者がその施設5についての帳票を表示させたり、その施設5に設置されている記号表示端末6に対する認証サーバ2の設定を変更したりするために使用される。
【0065】
帳票情報要求部81は、制御部80の制御に基づいて、帳票情報を要求するために、個人ID、施設ID、何日から何日までの打刻情報を要求するのかを設定する日付の期間を含む帳票要求情報を、通信回線9を介して認証サーバ2に送出する。
【0066】
図6は、管理者端末8の表示部84に表示される帳票表示画面800の例を示す概略図である。管理者端末8から認証サーバ2に帳票要求情報を送出すると、その要求に対応する個人ID、施設ID、日付ごとの打刻情報の配列を含む帳票情報が、認証サーバ2から通知される。管理者端末8は、この帳票情報を受け付けて、帳票表示画面800を表示する。この帳票表示画面800において、打刻の対象となる個人に相当する園児名「太田真理子」、「渋谷こだま」、「渋谷ひかり」等の表示をタップすると、その個人の入所打刻時刻や退所打刻時刻などの一覧が表示される。
【0067】
図7は、管理者端末8の表示画面の例を示す概略図であり、(a)は一括打刻要求画面801、(b)は認証機能の切替設定画面802である。
【0068】
図7(a)に示す一括打刻要求画面801では、打刻の対象となる複数の個人について入所打刻または退所打刻の要求を認証サーバ2に送出し、複数人について一括して打刻情報を認証サーバ2に記憶させることができる。
【0069】
また、図7(b)に示す認証機能の切替設定画面802では、記号表示端末6に認証記号601を表示させるか非表示にするかを設定できる。切替設定画面802の「有効」ボタン811を選択すると、認証記号601が記号表示端末6に表示され、利用者端末7を用いた認証機能が有効になる。一方、「無効」ボタン812を選択すると、認証記号601が記号表示端末6に表示されず、利用者端末7を用いた認証機能が無効になる。
【0070】
次に、本実施の形態に係る利用者位置認証システム1の使用方法について説明する。
【0071】
図8は、利用者位置認証システム1の動作の流れの一例を示す概略図である。
【0072】
まず、記号表示端末6と認証サーバ2との接続を確立するため、記号表示端末6から記号表示端末ID、パスワード、施設ID等を認証サーバ2に向けて通知して、ログインを行う(S600ステップ)。記号表示端末6が認証サーバ2に対してログインすることにより、認証サーバ2では、記号表示端末6と施設IDとが関連付けされる。なお、記号表示端末IDは、記号表示端末6を一意に特定できる英数字の並びである。
【0073】
次に、認証サーバ2は、認証記号情報を生成して(S200ステップ)、生成したこの認証記号情報を記号表示端末6に通知する(S201ステップ)。
【0074】
記号表示端末6は、認証記号情報を受け付けると(S601ステップ)、認証記号情報に対応する認証記号601を表示部64に表示するとともに(S602ステップ)、認証記号601の表示が完了し認証記号601が切り替わったことを示す切替完了情報を認証サーバ2に通知する(S603ステップ)。
【0075】
この切替完了情報を受け付けると(S202ステップ)、認証サーバ2は、S201ステップにおいて記号表示端末6に向けて通知した認証記号情報を有効な認証記号情報として認証サーバ2内部の有効記号保持部28に設定し保持する。
【0076】
他方、利用者が利用者端末7と認証サーバ2との接続を確立するためには、利用者端末7から利用者端末IDやパスワード等を認証サーバ2に向けて通知して、ログインを行う(S700ステップ)。利用者端末7が認証サーバ2にログインすると、利用者端末7に図5(a)に示すような初期画面700が表示される。利用者が利用者端末7を用いて打刻しようとする場合には、この初期画面700の右上部に配置されているアイコン711をタップする。そうすると、利用者端末7には、図5(b)に示すような施設選択画面701が表示され、続いて、利用者が施設5を選択する操作を行うと、図5(c)に示すような被認証記号入力画面702が表示される(S701ステップ)。
【0077】
ここで、利用者は、記号表示端末6に表示されている認証記号601を読み取り、読み取った認証記号601を被認証記号として利用者端末7に入力する(S702ステップ)。入力後、利用者が、図5(c)や図5(d)に示す「認証」ボタン737をタップすると、被認証記号情報や施設IDを含む認証要求情報が、認証サーバ2に向けて送出される(S703ステップ)。
【0078】
この認証要求情報を受け付けると(S203ステップ)、認証サーバ2は、この認証要求情報に含まれる施設IDに関連付けられている記号表示端末6の記号表示端末IDを抽出して、抽出された記号表示端末IDに対応する記号表示端末6についての有効記号保持部28に保持されている認証記号情報を読み出し、読み出したこの認証記号情報と、利用者端末7から送出されてきた認証要求情報に含まれる被認証記号情報とを比較判定して認証を行う(S204ステップ)。この認証は、有効記号保持部28に保持されている認証記号情報と認証要求情報に含まれる被認証記号情報とが一致していれば、抽出された記号表示端末6が設置されている施設5に利用者が存在していると認証する。その後、認証の成否を示す認証結果情報が、利用者端末7に通知される(S205ステップ)。
【0079】
利用者端末7がこの認証結果情報を受け付けると(S704ステップ)、認証が成功した場合(S705ステップの成功の場合)には、図5(e)に示すような打刻要求画面704が表示部74に表示され(S706ステップ)、打刻要求の入力に進む(S707ステップ)。一方、認証が失敗した場合(S705ステップの失敗の場合)には、図5(f)に示すようなエラー表示画面705が表示され、再度、図5(c)に示す被認証記号入力画面702が表示される(S701ステップ)。
【0080】
S706ステップにおいて表示される打刻要求画面704(図5(e)参照)で、打刻の対象となる個人を選択し、入所打刻要求に相当する「登園する」ボタン743、または、退所打刻要求に相当する「降園する」ボタン744の何れかをタップすると、入所・退所フラグや個人IDを含む打刻要求情報が認証サーバ2に向けて送出される(S708ステップ)。
【0081】
この打刻要求情報を受け付けると(S206ステップ)、認証サーバ2では、施設5への入所打刻時刻または退所打刻時刻と施設IDなどが個人IDに関連付けられて打刻情報として記憶部33に記憶される(S207ステップ)。
【0082】
また、管理者が管理者端末8と認証サーバ2との接続を確立させるときには、管理者端末8から管理者端末IDやパスワード等を認証サーバ2に向けて通知して、ログインを行う(S800ステップ)。管理者端末8が認証サーバ2にログインすると、認証サーバ2から帳票情報を取り出して表示させたり、施設5に設置されている記号表示端末6に対する認証サーバ2の機能の設定を変更させたりすることができる。なお、管理者端末IDとは、管理者端末8を一意に特定できる英数字の並びである。認証サーバ2から帳票情報を読み出すときには、個人ID、施設ID、何日から何日までの打刻情報を要求するのかを設定する日付の期間を含む帳票要求情報を管理者端末8から認証サーバ2に向けて送出する(S801ステップ)。
【0083】
この帳票要求情報を受け付けると(S208ステップ)、認証サーバ2は、記憶部33に記憶されている帳票情報を読み出して、読み出した帳票情報を管理者端末8に通知する(S209ステップ)。
【0084】
管理者端末8が、この帳票情報を受け付けると(S802ステップ)、図6に示すような帳票表示画面800が、管理者端末8の表示部84に表示される(S803ステップ)。
【0085】
次に、本実施の形態に係る利用者位置認証システム1の効果について説明する。
【0086】
本実施の形態によれば、施設5に設置されている記号表示端末6に、認証に使用される認証記号情報に対応する認証記号601が表示され、利用者がその認証記号601を読み取り、読み取った認証記号601が被認証記号として利用者端末7に入力される。このため、記号表示端末6の表示部64の表示を読み取ることができる範囲にいる複数の利用者が、同時に各自の利用者端末7に入力できるようになっている。また、利用者同士が近接することもなく、利用者が自らの利用者端末7に入力するため複数の利用者が共通して接触する部分も発生しない。このため、感染症が利用者の間で拡散するリスクも低減される。また、上述のように利用者が記号表示端末6に表示される認証記号601を読み取り、読み取った認証記号601を被認証記号として利用者端末7に入力するようになっているため、記号表示端末6の表示を読み取れるほどの近傍に利用者がいることを確認できる。そして、この記号表示端末6は施設5に設置されているため、正確に精度よく利用者がその施設5に存在することを認証できる。また、記号表示端末6に認証記号601が表示され、読み取られた認証記号601が被認証記号として利用者端末7に入力される構成になっているため、屋内でも安定して使用することができる。
【0087】
また、本実施の形態によれば、認証記号601と被認証記号とが、絵柄により構成されているため、取り扱いが容易であり、幼児でも操作することができる。
【0088】
また、本実施の形態によれば、所定時間ごとに認証記号情報が切り替わるため、利用者は最新の認証記号601を読み取り、利用者端末7に入力しなければ認証が成功しない。このため、確実に利用者が施設5に存在することを認証できるとともに、不正も防止できる。
【0089】
また、本実施の形態によれば、認証記号情報が切り替わった後、所定猶予時間が経過するまでの間、切り替わる前の認証記号情報と切り替わった後の認証記号情報との何れか一方と、被認証記号情報とが一致しているとき、利用者が施設5に存在していると認証するようになっている。このため、利用者が、切り替わり前の認証記号情報に対応する認証記号601を読み取り、利用者端末7に入力している途中で、認証記号情報が切り替わってしまっても、所定猶予時間が経過するまでの間であれば、認証が成功するようになっている。利用者は、認証記号情報の切り替わり前後で、再度、入力する手間を省くことができ、使い勝手がよく、操作性が向上する。
【0090】
また、本実施の形態によれば、利用者が施設5に存在していると認証したときに、打刻要求情報が利用者端末7から送出されるようになっており、打刻要求情報を受け付けると、打刻情報が記憶されるようになっている。すなわち、利用者が施設5に存在していることを確認できたときのみ、打刻情報が記憶されるようになっている。このため、利用者が施設5にいないのに打刻してしまうことを防止できる。
【0091】
また、本実施の形態によれば、打刻情報が記憶されたときに、この打刻情報が他の利用者端末に通知される。このため、複数の利用者端末7の間で、打刻情報を共有することができる。
【符号の説明】
【0092】
1…利用者位置認証システム、2…認証サーバ、5,5A,5B…施設(所定施設)、6,6A,6B…記号表示端末、7,7,7…利用者端末、8,8A,8B…管理者端末、9…通信回線、20…制御部、24…認証記号生成部、25…発生記号保持部、26…記号通知部、27…切替完了受付部、28…有効記号保持部、29…認証要求受付部、30…認証部、31…認証結果通知部、32…打刻要求受付部、33…記憶部、34…打刻情報通知部、35…帳票情報通知部、36…時計部、37…送信部、38…受信部、60…制御部、61…認証記号受付部、62…切替完了通知部、70…制御部、71…認証要求送出部、72…認証結果受付部、73…打刻要求送出部、80…制御部、81…帳票情報要求部、601…認証記号、731…被認証記号入力領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8