(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023035068
(43)【公開日】2023-03-13
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/30 20120101AFI20230306BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20230306BHJP
G06Q 10/00 20230101ALI20230306BHJP
G07B 15/00 20110101ALI20230306BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20230306BHJP
【FI】
G06Q50/30
G06Q50/10
G06Q10/00
G07B15/00 A
G06T7/00 530
G06T7/00 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021141668
(22)【出願日】2021-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】榎本 暢芳
【テーマコード(参考)】
3E127
5B043
5L049
【Fターム(参考)】
3E127AA03
3E127BA25
3E127CA02
3E127DA17
3E127DA22
5B043AA09
5B043BA02
5B043BA04
5B043BA07
5B043CA03
5B043DA05
5B043EA05
5B043FA03
5B043GA02
5B043HA01
5L049AA20
5L049CC11
5L049CC41
(57)【要約】 (修正有)
【課題】利用者が権限非保有者である場合に権限保有者であると認識しない情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供する。
【解決手段】情報処理システムにおいて、情報処理装置1のソフトウェア構成は、媒体が記憶する媒体情報を取得し、利用者から生体情報及び属性情報を取得する取得部11と、生体情報から入力特徴データを抽出する特徴データ抽出部112と、属性情報から入力属性データを抽出する属性データ抽出部113と、記憶部12に記憶された登録特徴データと入力特徴データと、記憶部12に記憶された登録属性データと入力属性データとをそれぞれ比較し、媒体情報に含まれる権限情報が所定の条件を満たすかどうか及び照合結果が照合一致であるかどうか判定し、媒体情報に含まれる権限情報が所定の条件を満たし、且つ、照合結果が照合一致である場合に利用者が正当権限者であることを示す情報を出力する出力制御部114と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体が記憶する媒体情報を取得し、前記媒体を利用する利用者から生体情報及び属性情報を取得する取得部と、
前記生体情報から入力特徴データを抽出する特徴データ抽出部と、
前記属性情報から入力属性データを抽出する属性データ抽出部と、
記憶部に記憶された登録特徴データと前記入力特徴データと、前記記憶部に記憶された登録属性データと前記入力属性データとをそれぞれ比較し、前記比較の結果に応じて照合一致又は照合不一致を含む照合結果を出力する比較部と、
前記媒体情報に含まれる権限情報が所定の条件を満たすかどうか及び前記照合結果が照合一致であるかどうか判定する判定部と、
前記媒体情報に含まれる権限情報が前記所定の条件を満たし、且つ前記照合結果が照合一致である場合に前記利用者が正当権限者であることを示す情報を出力する出力部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記媒体情報は、識別情報をさらに含み、
前記比較部は、前記識別情報に対応する登録特徴データを前記入力特徴データと比較する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記比較部は、前記登録特徴データ及び前記入力特徴データの距離尺度又は類似尺度を求め、前記求められた尺度と予め設定された閾値と比較することで前記照合結果を出力する、請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記入力特徴データは、複数のデータ又は複数種類のデータであり、
前記比較部は、前記入力特徴データそれぞれを前記登録特徴データと比較し、前記比較の結果を統計的に処理して求めた統計結果に基づいて前記照合結果を出力する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記比較部は、前記入力特徴データと前記記憶部に記憶された登録特徴データの一部または全てと比較する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記媒体情報は、入力識別情報をさらに含み、
前記比較部は、前記比較の結果、前記入力特徴データに最も類似する前記登録特徴データに対応する登録識別情報と前記入力識別情報とを比較することで前記照合結果を出力する、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記媒体情報は、入力識別情報をさらに含み、
前記比較部は、前記比較の結果、前記入力特徴データに最も類似する前記登録特徴データから順に所定の範囲までの前記登録特徴データに対応する登録識別情報と前記入力識別情報とを比較することで前記照合結果を出力する、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項8】
プロセッサとメモリを備える情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
媒体が記憶する媒体情報を取得することと、
前記媒体を利用する利用者から生体情報及び属性情報を取得することと、
前記生体情報から前記利用者を識別するために有意なデータである入力特徴データを抽出することと、
前記属性情報から前記利用者が属する属性を表す入力属性データを抽出することと、
記憶部に記憶された登録特徴データと前記入力特徴データと、前記記憶部に記憶された登録属性データと前記入力属性データとをそれぞれ比較することと、
前記比較の結果に応じて照合一致又は照合不一致を含む照合結果を出力することと、
前記媒体情報に含まれる権限情報が所定の条件を満たすかどうか及び前記照合結果が照合一致であるかどうか判定することと、
前記媒体情報に含まれる権限情報が前記所定の条件を満たし、且つ前記照合結果が照合一致である場合に前記利用者が正当権限者であることを示す情報を出力することと、
を備える、情報処理方法。
【請求項9】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の情報処理装置の前記各部としてプロセッサを機能させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
利用者に対して何等かのサービスを付与している場合、利用者が本当に当該サービスを利用することができる資格保有者であるかを確認する必要がある。たとえばこのようなサービスとして料金の割引等があるチケットを利用する際、利用者が割引資格保有者であるか否かを確認する必要がある。
【0003】
例えば、引用文献1では、利用者の顔画像を取得し、当該顔画像情報から抽出した年齢、性別等の情報を用いて利用者が割引資格保有者であるかどうかを確認する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、利用者が親戚等である等により割引資格保有者と顔が類似している場合、利用者が割引資格保有者でもないにも関わらず、割引資格保有者であると判断されて割引チケットを利用することができてしまう場合があった。
【0006】
この発明の課題は、上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、割引等のサービスを含む権限を利用する利用者が当該サービス資格保有者を含む権限保有者ではない権限非保有者である場合に権限保有者であると認識しないための技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためにこの発明の一態様は、情報処理装置であって、媒体が記憶する媒体情報を取得し、前記媒体を利用する利用者から生体情報及び属性情報を取得する取得部と、前記生体情報から前記利用者を識別するために有意なデータである入力特徴データを抽出する特徴データ抽出部と、前記属性情報から前記利用者が属する属性を表す入力属性データを抽出する属性データ抽出部と、記憶部に記憶された登録特徴データと前記入力特徴データと、前記記憶部に記憶された登録属性データと前記入力属性データとをそれぞれ比較し、前記比較の結果に応じて照合一致又は照合不一致を含む照合結果を出力する比較部と、前記媒体情報に含まれる権限情報が所定の条件を満たすかどうか及び前記照合結果が照合一致であるかどうか判定する判定部と、前記媒体情報に含まれる権限情報が前記所定の条件を満たし、且つ前記照合結果が照合一致である場合に前記利用者が正当権限者であることを示す情報を出力する出力部と、を備えるようにしたものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る情報処理システムの一例を示す図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態の事前準備における情報処理装置のソフトウェア構成を、
図1に示したハードウェア構成に関連付けて示すブロック図である。
【
図3】
図3は、情報処理装置の事前準備処理動作の一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、第1の実施形態の権限判定処理における情報処理装置のソフトウェア構成を、
図1に示したハードウェア構成に関連付けて示すブロック図である。
【
図5】
図5は、情報処理装置の権限判定処理動作の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、第2の実施形態の権限判定処理における情報処理装置のソフトウェア構成を、
図1に示したハードウェア構成に関連付けて示すブロック図である。
【
図7】
図7は、情報処理装置の権限判定処理動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照してこの発明に係る実施形態を説明する。なお、以降、説明済みの要素と同一又は類似の要素には同一又は類似の符号を付し、重複する説明については基本的に省略する。
【0010】
[第1の実施形態]
(構成)
図1は、第1の実施形態に係る情報処理システムの一例を示す図である。
また、情報処理システムは、情報処理装置1、入力装置2、出力装置3、生体情報取得装置4、属性情報取得装置5、及び媒体6を備える。
【0011】
また、
図1は、情報処理装置1のハードウェア構成の一例も示している。情報処理装置1は、PC(Personal Computer)などのコンピュータによって実現される。情報処理装置1は、制御部11、記憶部12、及び入出力インタフェース13を備える。制御部11、記憶部12、及び入出力インタフェース13は、バスを介して互いに通信可能に接続されている。
【0012】
制御部11は、情報処理装置1を制御する。制御部11は、中央処理ユニット(CPU:Central Processing Unit)等のハードウェアプロセッサを備える。
【0013】
記憶部12は、記憶媒体である。記憶部12は、例えばHDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の随時書込み及び読出し可能な不揮発性メモリと、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリと、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリとを組み合わせて構成される。記憶部12は、記憶領域に、プログラム記憶領域と、データ記憶領域とを備える。プログラム記憶領域は、OS(Operating System)やミドルウェアに加えて、各種処理を実行するために必要なアプリケーションプログラムを格納する。
【0014】
入出力インタフェース13は、入力装置2、出力装置3、生体情報取得装置4、及び属性情報取得装置5との間で情報の送受信を可能にするインタフェースである。入出力インタフェース13は、有線又は無線の通信インタフェースを備えてもよい。すなわち、情報処理装置1と、入力装置2、出力装置3、生体情報取得装置4、及び属性情報取得装置5とは、LANやインターネット等のネットワークを経由して情報の送受信を行ってもよい。なお、
図1に示した例は一例であり、入力装置2、出力装置3、生体情報取得装置4、及び属性情報取得装置5は、情報処理装置1内に配置されていても良いのは勿論である。
【0015】
また、情報処理装置1が自動改札機等のゲート装置である場合、利用者の通行を物理的に阻止するためのゲート等を含んでも良いのは勿論である。
【0016】
媒体6は、ICカード、QRコード(登録商標)カード、携帯端末等である。媒体6は、識別情報及び権限情報を含む媒体情報を入力装置2と送受信可能である。ここで、識別情報は、媒体6を識別するための情報であり、権限情報は、権限を示す情報である。なお、権限は、利用者が所定のサービスを受ける権利を有していることを示したものである。例えば、権限情報は、媒体6の利用者が割引を受けることが可能である、課金を行うことが可能である、特定のレーンを通行することが可能である等の情報を含む。なお、権限情報は、特定の範囲でサービスを受けることが可能であることを示す情報を含んでも良い。例えば、権限情報は、何時から何時までであれば割引を受けることが可能である等の情報であっても良い。すなわち、権限情報は、利用者が所定のサービスを受けることができることを示す情報又は、特定の範囲で利用者が所定のサービスを受けることができることを示す情報を含む。
【0017】
入力装置2は、媒体6から媒体情報を取得可能な読み取り機を含む。読み取り機は、例えば、無線又は光学を用いて媒体情報を取得可能である、ICカードリーダ、QRコードリーダ、NFC(Near Field Communication)リーダ等であって良い。例えば、利用者が媒体6を所定の読み取り機に翳すことで入力装置2は、媒体6から媒体情報を取得する。そして、入力装置2は、媒体情報及び媒体情報を取得した日時を含む日時情報を情報処理装置1に出力する。さらに、入力装置2は、利用者が各種情報を入力するためのキーボードやポインティングデバイス等を含んでも良い。また、入力装置2は、記憶部12に格納するべきデータを、USBメモリ等のメモリ媒体から読み出すためのリーダや、そのようなデータをディスク媒体から読み出すためのディスク装置を含んでも良い。
【0018】
出力装置3は、情報処理装置1から利用者に提示するべき出力データを表示するディスプレイを含む。また、出力装置3は、PCやスマートフォン等の他の情報処理装置1に入力するべきデータを、USBメモリ等のメモリ媒体に書き込むためのライタや、そのようなデータをディスク媒体に書き込むためのディスク装置を含んでも良い。
【0019】
生体情報取得装置4は、媒体6を所持する利用者からの生体情報を取得するためのカメラ、指紋センサ、静脈センサ、虹彩センサ、及びマイク等を含む。ここで、生体情報は、顔、指紋、静脈、虹彩、声などの利用者の一部又はそれに準ずるものを利用して利用者を識別可能な情報である。生体情報取得装置4は、例えば、利用者の指を指紋センサにタッチさせることにより生体情報である指紋情報を取得することが可能である。そして、生体情報取得装置4は、生体情報及び生体情報を取得した取得日時を情報処理装置1に出力可能である。また、生体情報取得装置4は、取得日時及び生体情報を記憶する記憶部を備えていてもよい。さらに、生体情報取得装置4は、生体情報を時系列的に複数回取得しても良い。なお、生体情報取得装置4は、これらに限られるものではなく、生体情報が取得可能な装置であれば任意の装置で良いのは勿論である。
【0020】
属性情報取得装置5は、利用者の属性情報を取得するためのカメラ、距離センサ等を含む。ここで、属性情報は、利用者の外見から取得可能な利用者に属する属性を表す情報であり、例えば、利用者の年齢、性別、身長等を含む情報である。属性情報取得装置5は、例えば、カメラにより撮影した利用者の顔撮影画像、利用者の全身を撮影した全身撮影画像、又は距離センサにより利用者頭部の3次元位置を属性情報として取得することが可能である。そして、属性情報取得装置5は、属性情報及び属性情報を取得した取得日時を情報処理装置1に出力可能である。また、属性情報取得装置5は、取得日時及び属性情報を記憶する記憶部を備えていても良い。なお、属性情報取得装置5は、これらに限られるものではなく、属性情報が取得可能な装置であれば任意の装置で良いのは勿論である。
【0021】
・事前準備
第1の実施形態において、情報処理装置1は、利用者が権限保有者であるかどうかを判定するために、各種情報を事前に入手しておく必要がある。以下では、情報処理装置1の事前準備での構成及び動作について説明する。
【0022】
(事前準備でのソフトウェア構成)
図2は、第1の実施形態の事前準備における情報処理装置1のソフトウェア構成を、
図1に示したハードウェア構成に関連付けて示すブロック図である。
記憶部12は、取得データ記憶部121及び抽出データ記憶部122を備える。
【0023】
取得データ記憶部121は、制御部11の後述する取得部111によって取得された取得データを記憶する。なお、取得データは、後述する。
【0024】
抽出データ記憶部122は、制御部11の後述する特徴データ抽出部112及び属性データ抽出部113によって抽出されたデータを記憶する。なお、抽出されたデータは、後述する。
【0025】
制御部11は、取得部111、特徴データ抽出部112、属性データ抽出部113、及び出力制御部114を備える。これらの機能部は、記憶部12に格納されているアプリケーションプログラムを上記ハードウェアプロセッサが実行することにより実現される。
【0026】
取得部111は、媒体情報取得部1111、生体情報取得部1112、及び属性情報取得部1113を備える。
【0027】
媒体情報取得部1111は、入力装置2から受信した媒体情報及び日時情報を取得する。媒体情報取得部1111は、取得した媒体情報に含まれる識別情報及び日時情報を生体情報取得部1112及び属性情報取得部1113に出力する。さらに、媒体情報取得部1111は、媒体情報及び日時情報を取得データ記憶部121に記憶させても良い。
【0028】
生体情報取得部1112は、生体情報取得装置4から受信した生体情報を取得する。生体情報取得部1112は、取得した生体情報及び識別情報を特徴データ抽出部112に出力する。また、生体情報取得部1112は、媒体情報取得部1111から受信した日時情報に対応する日時の生体情報を要求し、当該生体情報を取得しても良い。なお、生体情報取得部1112は、取得した生体情報を取得データ記憶部121に記憶させても良い。
【0029】
属性情報取得部1113は、属性情報取得装置5から受信した属性情報を取得する。属性情報取得部1113は、取得した属性情報及び識別情報を属性データ抽出部113に出力する。なお、属性情報取得部1113は、取得した属性情報及び識別情報を取得データ記憶部121に記憶させても良い。
【0030】
特徴データ抽出部112は、生体情報から利用者を識別するために有意となる特徴データを抽出する。特徴データ抽出部112は、特徴抽出用フィルタアルゴリズム、特徴抽出用ニューラルネットワークアルゴリズム等を用いて生体情報から特徴データを抽出する。特徴データ抽出部112は、これらのアルゴリズムを組み合わせて用いることで、生体情報から特徴データを抽出しても良い。また、特徴データ抽出部112は、複数の生体情報がある場合、複数の生体情報の中でデータの安定性やノイズの少なさ等の条件に基づいて1つ又は複数の生体情報を選択し、選択した生体情報を用いて特徴データを抽出しても良い。さらに、抽出される特徴データは1つに限られず、特徴データ抽出部112は、1つ又は複数の生体情報から複数の特徴データを抽出しても良い。特徴データ抽出部112は、抽出した特徴データを媒体情報取得部1111で取得した媒体情報のうちの識別情報と関連付ける。そして、特徴データ抽出部112は、識別情報と関連付けられた特徴データを登録特徴データとして抽出データ記憶部122に記憶させる。
【0031】
属性データ抽出部113は、属性情報から利用者の人物属性である属性データを抽出する。例えば、属性情報取得装置5から取得した属性情報に含まれる顔画像から人物属性として利用者の年代、性別を抽出する。属性データ抽出部113は、例えば、属性特徴抽出用フィルタアルゴリズム、属性特徴抽出用ニューラルネットワークアルゴリズム等を用いて属性情報から属性データを抽出する。属性データ抽出部113は、これらのアルゴリズムを組み合わせて用いることで、属性情報から属性データを抽出しても良い。また、人物属性として利用者の身長を用いても良い。この場合、属性データ抽出部113は、属性情報に含まれる全身撮影画像から利用者の身長を求める。属性データ抽出部113は、例えば、入力画像中の特定部位(頭頂部、目鼻位置等)の位置を画像平面で検出し、その位置を予め求めておいた2次元画像中の位置と身長との対応表に照らして変換して身長を求める。或いは、属性データ抽出部113は、距離センサで計測した利用者頭部の3次元位置の結果から身長を推定しても良い。なお、属性データ抽出部113は、年齢及び身長を推定する際、一定の範囲で推定して良い。例えば、利用者の年齢を10代と推定しても良いし、20代前半、20代半ば、20代後半等と推定して良い。同様に、属性データ抽出部113は、身長を推定する際、160センチ代と推定しても良いし、170センチ前半、170センチ半ば、170センチ後半と推定しても良い。これらの幅は、任意に決定して良いのは勿論である。
【0032】
属性データ抽出部113は、抽出した属性データと識別情報を関連付ける。そして、属性データ抽出部113は、識別情報と関連付けられた属性データを抽出データ記憶部122に記憶させる。属性データ抽出部113は、属性データに日時情報を含めて抽出データ記憶部122に記憶させても良い。
【0033】
また、出力制御部114は、抽出データ記憶部122に各種データが記憶された場合、事前準備が終了した旨の情報を、入出力インタフェース13を介して出力装置3に出力しても良い。
【0034】
(事前準備処理動作)
図3は、情報処理装置1の事前準備処理動作の一例を示すフローチャートである。
情報処理装置1の制御部11が記憶部12に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、このフローチャートの動作が実現される。
【0035】
動作は、入力装置2が媒体6の媒体情報を取得したことで開始する。なお、利用者が事前準備を行いたい旨の操作を入力装置2に対して行うことで動作を開始しても良い。この場合、出力装置3は、利用者に媒体6を入力装置2の所定の場所に翳すように促す等して、媒体6の媒体情報を入力装置2が取得する。
【0036】
媒体情報取得部1111は、入出力インタフェース13を通じて、入力装置2から媒体情報及び日時情報を取得する(ステップST11)。媒体情報は、媒体6の識別情報及び権限情報を含む。媒体情報取得部1111は、媒体情報及び日時情報を取得データ記憶部121に記憶させても良い。また、媒体情報取得部1111は、媒体情報に含まれる識別情報及び日時情報を生体情報取得部1112及び属性情報取得部1113に出力する。
【0037】
生体情報取得部1112は、入出力インタフェース13を通じて、生体情報取得装置4から生体情報を取得する(ステップST12)。生体情報取得部1112は、生体情報取得装置4から送信された生体情報を受信する。或いは、生体情報取得部1112は、媒体情報取得部1111から受信した日時情報に対応した生体情報を取得するための要求を生体情報取得装置4に出力し、生体情報取得装置4から生体情報を取得するようにしても良い。例えば、生体情報取得部1112は、日時情報に対応する生体情報を時系列的に取得しても良い。すなわち、生体情報取得部1112は、複数の生体情報を取得しても良い。また、生体情報取得部1112は、複数種類の生体情報を取得しても良い。例えば、生体情報取得部1112は、指紋データ及び虹彩データを生体情報として取得しても良い。生体情報取得部1112は、取得した生体情報、識別情報、及び日時情報を特徴データ抽出部112に出力する。ここで、以下で記載する複数の生体情報は、単一種類の生体情報を複数、複数種類の生体情報、又はこれらの生体情報の両方を有する場合のいずれかの意味であるとする。生体情報取得部1112は、取得した生体情報、識別情報、及び日時情報を特徴データ抽出部112に出力する。なお、生体情報取得部1112は、取得した生体情報を識別情報と関連付けて取得データ記憶部121に記憶させても良い。
【0038】
特徴データ抽出部112は、生体情報に基づいて特徴データを抽出する(ステップST13)。ここで、特徴データは、利用者を識別するために有意となるデータである。例えば、特徴データ抽出部112は、特徴抽出用フィルタアルゴリズム、特徴抽出用ニューラルネットワークアルゴリズム等を用いて生体情報から特徴データを抽出する。特徴データ抽出部112は、1つ又は複数の生体情報から1つ又は複数の特徴データを抽出する。すなわち、特徴データ抽出部112は、1つの生体情報から1つ又は複数の特徴データを抽出しても良いし、複数の生体情報から1つ又は複数の特徴データを抽出しても良い。
【0039】
特徴データ抽出部112は、抽出した特徴データと識別情報を関連付ける。そして、特徴データ抽出部112は、識別情報と関連付けられた特徴データを登録特徴データとして抽出データ記憶部122に記憶させる。特徴データ抽出部112は、登録特徴データに日時情報を含めて抽出データ記憶部122に記憶させても良い。なお、特徴データ抽出部112は、生体情報取得部1112から受信した生体情報を使用するのではなく、取得データ記憶部121に記憶された生体情報を使用しても良いのは勿論である。
【0040】
属性情報取得部1113は、入出力インタフェース13を通じて、属性情報取得装置5から属性情報を取得する(ステップST14)。属性情報取得部1113は、属性情報取得装置5から送信された属性情報を受信する。或いは、属性情報取得部1113は、媒体情報取得部1111から受信した日時情報に対応した媒体情報を取得するための要求を属性情報取得装置5に送信し、属性情報を取得するようにしても良い。例えば、属性情報取得部1113は、日時情報の日時に対応する属性情報を時系列的に取得しても良い。すなわち、属性情報取得部1113は、複数の属性情報を取得しても良い。また、属性情報取得部1113は、複数種類の属性情報を取得しても良い。例えば、属性情報取得部1113は、顔画像及び全身画像を属性情報として取得しても良い。ここで、以下で記載する複数の属性情報は、単一種類の属性情報を複数、複数種類の生体情報、又はこれらの属性情報の両方を有する場合のいずれかの意味であるとする。属性情報取得部1113は、取得した属性情報、識別情報、及び日時情報を属性データ抽出部113に出力する。なお、属性情報取得部1113は、取得した属性情報を識別情報と関連付けて取得データ記憶部121に記憶させても良い。
【0041】
属性データ抽出部113は、属性情報に基づいて属性データを抽出する(ステップST15)。ここで、属性データは、利用者の属性を表すデータである。属性データ抽出部113は、例えば、属性特徴抽出用フィルタアルゴリズム、属性特徴抽出用ニューラルネットワークアルゴリズム等を用いて属性情報から属性データを抽出する。属性データ抽出部113は、1つ又は複数の属性情報から1つ又は複数の属性データを抽出する。すなわち、属性データ抽出部113は、1つの属性情報から1つ又は複数の属性データを抽出しても良いし、複数の属性情報から1つ又は複数の属性データを抽出しても良い。
【0042】
属性データ抽出部113は、抽出した属性データと識別情報を関連付ける。そして、属性データ抽出部113は、識別情報と関連付けられた属性データを登録属性データとして抽出データ記憶部122に記憶させる。属性データ抽出部113は、登録属性データに日時情報を含めて抽出データ記憶部122に記憶させても良い。なお、属性データ抽出部113は、属性情報取得部1113から受信した属性情報を使用するのではなく、取得データ記憶部121に記憶された属性情報を使用しても良いのは勿論である。
【0043】
また、出力制御部114は、抽出データ記憶部122に登録特徴データ及び登録属性データが記憶された場合、事前準備が終了した旨の情報を、入出力インタフェース13を介して出力装置3に出力し、利用者に伝えるようにしても良い。
【0044】
なお、ステップST12及びステップST13をまとめたステップA0と、ステップST14及びステップST15をまとめたステップB0は、処理の順序を問わない。すなわち、ステップA0とステップB0は、交換可能であるし、並列で処理しても良い。
【0045】
以上の事前処理動作により、記憶部12に必要なデータが記憶されることになり、情報処理装置1は、利用者が権限保有者であるかどうか判定が実施可能となる。
【0046】
・権限判定処理
次に、第1の実施形態において、利用者が権限保有者かどうかの判定処理を行うための情報処理装置1の構成及び動作について説明する。ここで、事前準備動作を行う情報処理装置1と、権限判定処理動作を行う情報処理装置1は、同じであっても良いが異なる装置であっても良い。異なる装置である場合、事前準備動作で記憶部12に記憶された情報が権限判定処理を行う情報処理装置1にネットワーク等を通じて送信され、権限判定処理動作を行う情報処理装置1の記憶部12に当該情報が記憶されていれば良い。例えば、事前準備動作を行うのが券売機であり、権限判定処理動作を行うのが改札機であって良い。
【0047】
(権限判定処理でのソフトウェア構成)
図4は、第1の実施形態の権限判定処理における情報処理装置1のソフトウェア構成を、
図1に示したハードウェア構成に関連付けて示すブロック図である。
制御部11は、事前準備で説明した各部に加えて、特徴データ比較部115、属性データ比較部116、権限判定部117、及び権限保有者判定部118をさらに備える。これらの機能部は、記憶部12に格納されているアプリケーションプログラムを上記ハードウェアプロセッサが実行することにより実現される。
【0048】
また、記憶部12は、事前準備で説明した各部に加えて条件記憶部123をさらに備える。
【0049】
条件記憶部123は、どのような条件で利用者が割引等を受けることができるかという条件を記憶する。なお、当該条件は、情報処理装置1を管理する管理者等が事前に条件記憶部123に記憶させておくものとする。
【0050】
媒体情報取得部1111は、媒体情報及び日時情報を生体情報取得装置4から受信し、媒体情報に含まれる識別情報及び日時情報を生体情報取得部1112及び属性情報取得部1113に出力する。さらに媒体情報取得部1111は、権限判定部117に権限情報及び日時情報を出力する。
【0051】
特徴データ抽出部112は、事前準備と同様に生体情報から特徴データを抽出する。そして、特徴データ抽出部112は、抽出した特徴情報と識別情報を関連付けて入力特徴データとして特徴データ比較部115に出力する。
【0052】
属性データ抽出部113は、事前準備と同様に属性情報から属性データを抽出する。そして、属性データ抽出部113は、抽出した属性データを入力属性データとして属性データ比較部116に出力する。
【0053】
特徴データ比較部115は、入力特徴データと抽出データ記憶部122に記憶された登録特徴データとを比較する。特徴データ比較部115は、例えば、入力特徴データ及び登録特徴データを比較するために、ユークリッド距離、マハラノビス距離、街区距離等のような距離尺度、又はCosine類似度等の類似度尺度を求める。そして、特徴データ比較部115は、求められた尺度と予め設定された閾値とを比較して、入力特徴データと登録特徴データとの照合一致又は照合不一致を判定する。また、特徴データ抽出部112から複数の入力特徴データを受信した場合、特徴データ比較部115は、それぞれの入力特徴データを登録特徴データと比較し、比較結果を統計的処理して求めた結果により、入力特徴データと登録特徴データとの照合一致又は照合不一致を判定することとして良い。ここで、統計的処理は、例えば、距離や類似度の平均、最頻値、距離最小値、類似度最大値等を用いる処理であって良い。
【0054】
さらに、特徴データ比較部115は、当該比較結果を権限保有者照合結果として権限保有者判定部118に出力する。なお、権限保有者照合結果は、照合一致又は照合不一致のみを含むのではなく、照合一致の度合い(距離尺度や類似度尺度)を表す類似性指標を含んでも良い。
【0055】
属性データ比較部116は、入力属性データと抽出データ記憶部122に記憶された登録属性データとを比較する。比較する際、属性データは、1つに限られず複数種類の属性データを使用しても良い。例えば、属性データ比較部116は、身長、性別、年齢等の属性データを比較して良い。例えば、属性データ比較部116は、身長又は年齢を比較する際、入力属性データが登録属性データの範囲内に含まれるかどうかを判定する。また、属性データ比較部116は、入力属性データと登録属性データとの類似度合いを算出しても良い。
【0056】
さらに、属性データ比較部116は、当該比較結果を属性データ比較結果として権限保有者判定部118に出力する。なお、属性データ比較結果は、照合一致又は照合不一致のみを含むのではなく、類似度合い等を表す類似属性指標を含んでも良い。
【0057】
権限判定部117は、媒体情報に含まれる権限情報が、条件記憶部123に記憶された所定の条件を満たすかどうか判定する。ここで、条件記憶部123に記憶された所定の条件は、例えば、利用サービスレベル、価格帯、利用時間帯等である。また、権限情報が所定の条件を満たすと判定された場合、権限判定部117は、権限情報が所定の条件を満たす、すなわち利用者が権限保有者であることを示す権限判定結果を権限保有者判定部118に出力する。一方、権限情報が所定の条件を満たさないと判定された場合、権限判定部117は、利用者が権限非保有者であることを示す情報を出力制御部114に出力する。
【0058】
権限保有者判定部118は、権限保有者照合結果及び属性データ比較結果に基づいて利用者が権限保有者であるかどうか判定する。権限保有者判定部118は、例えば、権限保有者照合結果が照合一致を示し、属性データ比較結果が照合一致を示した場合、利用者が権限保有者であると判定する。すなわち、権限保有者判定部118は、入力特徴データ及び入力属性データが有効である場合、利用者が権限保有者であると判定する。逆に入力特徴データ又は入力属性データのいずれかが無効である場合、権限保有者判定部118は、利用者が権限非保有者であると判定する。また、権限保有者判定部118は、判定結果を出力制御部114に出力する。
【0059】
また、上記のように判定結果のみをもって権限保有者であると判定する代わりに、権限保有者判定部118は、判定結果に含まれる類似性指標、属性指標を再度評価して利用者が権限保有者であるかどうか判定しても良い。例えば、類似性指標及び属性仕様が所定の閾値以下である場合、権限保有者判定部118は、利用者に再度生体情報及び属性情報を入力する必要があるという情報を出力制御部114に出力しても良い。出力制御部114は、当該情報に基づいて出力装置3に当該情報を出力する。結果として、生体情報取得装置4は、利用者の生体情報を再度取得することになる。
【0060】
(権限判定処理での動作)
図5は、情報処理装置1の権限判定処理動作の一例を示すフローチャートである。
情報処理装置1の制御部11が記憶部12に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、このフローチャートの動作が実現される。
【0061】
動作は、入力装置2が媒体6の媒体情報を取得したことで開始する。なお、利用者が事前準備を行いたい旨の操作を入力装置2に対して行うことで動作を開始しても良い。この場合、出力装置3は、利用者に媒体6を入力装置2の所定の場所に翳すように促す等して、媒体6の媒体情報を入力装置2が取得する。
【0062】
媒体情報取得部1111は、入出力インタフェース13を通じて、入力装置2から媒体情報及び日時情報を取得する(ステップST21)。媒体情報取得部1111は、媒体情報を取得データ記憶部121に記憶させても良い。また、媒体情報取得部1111は、媒体情報に含まれる識別情報及び日時情報を生体情報取得部1112及び属性情報取得部1113に出力する。さらに、媒体情報取得部1111は、媒体情報に含まれる権限情報及び日時情報を権限判定部117に出力する。
【0063】
権限判定部117は、権限情報が、条件記憶部123に記憶された所定の条件を満たすかどうか判定する(ステップST22)。例えば、権限情報が割引を受けることが可能であることを示し、日時情報(すなわち、媒体から情報を取得した日時)が午前11時であり、条件記憶部123に記憶された所定の条件が利用時間帯(午前10時から午後4時まで)で割引を受けることが可能である場合、権限判定部117は、権限情報が条件を持たすと判定する。また、権限情報が特定の範囲で利用者が所定のサービスを受けることができる情報を含む場合、権限判定部117は、条件記憶部123に記憶された条件を使用せずに権限情報及び日時情報のみで所定の条件を満たすかどうか判定しても良い。権限情報が所定の条件を満たすと判定された場合、権限判定部117は、利用者が権限保有者であることを示す権限判定結果を権限保有者判定部118に出力し、処理は、ステップST23に進む。一方、権限情報が所定の条件を満たさないと判定された場合、権限判定部117は、利用者が権限非保有者であることを示す情報を出力制御部114に出力し、処理は、ステップST31に進む。
【0064】
生体情報取得部1112は、入出力インタフェース13を通じて、生体情報取得装置4から生体情報を取得する(ステップST23)。事前準備処理と同様に、生体情報取得部1112は、生体情報を取得する。生体情報取得部1112は、取得した生体情報、識別情報、及び日時情報を特徴データ抽出部112に出力する。なお、生体情報取得部1112は、取得した生体情報を識別情報と関連付けて取得データ記憶部121に記憶させても良い。
【0065】
特徴データ抽出部112は、生体情報に基づいて特徴データを抽出する(ステップST24)。事前準備処理と同様に、特徴データ抽出部112は、生体情報に基づいて特徴データを抽出する。そして、特徴データ抽出部112は、抽出した特徴データを入力特徴データとして、識別情報と共に特徴データ比較部115に出力する。
【0066】
特徴データ比較部115は、入力特徴データと登録特徴データとを比較する(ステップST25)。特徴データ比較部115は、特徴データ抽出部112から受信した識別情報に基づいて抽出データ記憶部122に記憶された登録特徴データを取得する。そして、特徴データ比較部115は、入力特徴データと登録特徴データとを比較する。特徴データ比較部115は、当該比較結果を権限保有者照合結果として権限保有者判定部118に出力する。なお、権限保有者照合結果は、類似性指標を含んでも良い。
【0067】
属性情報取得部1113は、入出力インタフェース13を通じて、属性情報取得装置5から属性情報を取得する(ステップST26)。事前準備処理と同様に、属性情報取得部1113は、属性情報を取得する。属性情報取得部1113は、取得した属性情報、識別情報、及び日時情報を属性データ抽出部113に出力する。なお、属性情報取得部1113は、取得した属性情報を識別情報と関連付けて取得データ記憶部121に記憶させても良い。
【0068】
属性データ抽出部113は、属性情報に基づいて属性データを抽出する(ステップST27)。事前準備処理と同様に、属性データ抽出部113は、属性情報に基づいて属性データを抽出する。そして、属性データ抽出部113は、抽出した属性データを入力属性データとして、識別情報と共に属性データ比較部116に出力する。
【0069】
属性データ比較部116は、入力属性データと登録属性データとを比較する(ステップST28)。属性データ比較部116は、属性データ抽出部113から受信した識別情報に基づいて抽出データ記憶部122に記憶された登録属性データを取得する。そして、属性データ比較部116は、入力属性データと登録属性データとを比較する。属性データ比較部116は、当該比較結果を属性データ比較結果として権限保有者判定部118に出力する。なお、属性データ比較結果は、類似属性指標を含んでも良い。
【0070】
権限保有者判定部118は、権限保有者照合結果及び属性データ比較結果が共に照合一致するかを判定する(ステップST29)。権限保有者照合結果及び属性データ比較結果が共に照合一致を示した場合、権限保有者判定部118は、利用者が権限保有者であると判定する。この場合、権限保有者判定部118は、利用者が権限保有者であることを示す権限保有情報を出力制御部114に出力する。一方、権限保有者照合結果又は属性データ比較結果の少なくとも一方が照合不一致である場合、権限保有者判定部118は、利用者が権限非保有者であると判定する。この場合、権限保有者判定部118は、利用者が権限非保有者であることを示す権限非保有情報を出力制御部114に出力する。
【0071】
権限保有者情報を受信した場合、出力制御部114は、入出力インタフェース13を通じて、利用者が正当権限保有者である旨の情報を出力装置3に送信する(ステップST30)。出力装置3は、当該情報に応じて利用者が正当権限保有者である旨を表示しても良い。
【0072】
なお、情報処理装置1が改札機等である場合、制御部11は、ゲート等を開き利用者を通行可能にしても良いのは勿論である。
【0073】
一方、権限判定部117又は権限保有者判定部118から権限非保有者であることを示す情報を受信した場合、出力制御部114は、入出力インタフェース13を通じて、利用者が正当権限非保有者である旨の情報を出力装置3に出力する(ステップST31)。この場合、例えば、利用者に対して再度媒体を入力装置2の所定の場所に再度翳し、媒体情報を入力装置2に取得させることを促す情報も出力しても良い。
【0074】
なお、ステップST21及びステップST22をまとめたステップA1と、ステップST23乃至ステップST25をまとめたステップB1と、ステップST26乃至ステップST28をまとめたステップC1は、処理の順序を問わない。すなわち、ステップA1と、ステップB1と、ステップC1とは、交換可能であるし、並列で処理しても良い。
【0075】
(第1の実施形態の作用効果)
第1の実施形態によれば、利用者が権限非保有者である場合に権限保有者であると認識しないための技術を提供することが可能になる。
【0076】
[第2の実施形態]
(構成)
第2の実施形態におけるハードウェア構成は、第1の実施形態と同じであるため、説明を省略する。また、事前準備におけるソフトウェア構成及び事前準備処理動作も第1の実施形態と同じであるため、説明を省略する。
【0077】
・権限判定処理
(権限判定処理でのソフトウェア構成)
図6は、第2の実施形態の権限判定処理における情報処理装置1のソフトウェア構成を、
図1に示したハードウェア構成に関連付けて示すブロック図である。
【0078】
第1の実施形態のソフトウェア構成と異なる点は、制御部11に識別情報比較部119を備える点である。この機能部は、記憶部12に格納されているアプリケーションプログラムを上記ハードウェアプロセッサが実行することにより実現される。
【0079】
特徴データ抽出部112は、第1の実施形態と同様に、生体情報に基づいて特徴データを抽出する。そして、抽出された特徴データを入力特徴データとして特徴データ比較部115に出力し、識別情報を識別情報比較部119に出力する。
【0080】
特徴データ比較部115は、入力特徴データと登録特徴データとを比較する。ここで、第1の実施形態では、特徴データ比較部115は、識別情報に基づいた登録特徴データと入力特徴データとを比較していた。しかしながら、第2の実施形態では、特徴データ比較部115は、入力特徴データと抽出データ記憶部122に記憶された登録特徴データの全て又は一部を比較する。一部を比較する場合、例えば、特徴データ比較部115は、入力特徴データの類似範囲を決定し、当該類似範囲に該当する登録特徴データを抽出データ記憶部122から取得して比較する。なお、類似範囲は、入力特徴データに所定の係数を掛けた値で算出しても良いし、所定の閾値によって決定しても良いし、登録特徴データをあらかじめ所定の統計処理によって部分データに大分類化しておいて、各分類の代表値との類似性が高い部分データに限定するなどの方法を用いても良い。また、比較の順序は、登録順序毎でも良いし、ランダムな順序でも良い。特徴データ比較部115は、入力特徴データに最も類似する登録特徴データに対応する識別情報を識別情報比較部119に出力する。なお、特徴データ比較部115は、入力特徴データに最も類似する登録特徴データに対応する識別情報のみだけでなく、上位から所定の範囲までの登録特徴データに対応する識別情報を識別情報比較部119に出力しても良い。
【0081】
識別情報比較部119は、特徴データ抽出部112から受信した識別情報(すなわち、入力特徴データに対応した識別情報)と特徴データ比較部115から受信した識別情報を比較する。そして、比較の結果を権限保有者照合結果として権限保有者判定部118に出力する。
【0082】
(権限判定処理での動作)
図7は、情報処理装置1の権限判定処理動作の一例を示すフローチャートである。
情報処理装置1の制御部11が記憶部12に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、このフローチャートの動作が実現される。
【0083】
動作は、入力装置2が媒体6の媒体情報を取得したことで開始する。なお、利用者が事前準備を行いたい旨の操作を入力装置2に対して行うことで動作を開始しても良い。この場合、出力装置3は、利用者に媒体6を入力装置2の所定の場所に翳すように促す等して、媒体6の媒体情報を入力装置2が取得する。
【0084】
ステップST21~ステップST23は、
図5を参照しながら説明した第1の実施形態の権限判定処理の動作と同じであるため、ここでの説明を省略する。
【0085】
特徴データ抽出部112は、生体情報に基づいて特徴データを抽出する(ステップST41)。第1の実施形態と同様に、特徴データ抽出部112は、生体情報に基づいて特徴データを抽出する。そして、特徴データ抽出部112は、抽出した特徴データを入力特徴データとして特徴データ比較部115に出力し、入力特徴データに対応する識別情報を入力識別情報として識別情報比較部119に出力する。
【0086】
特徴データ比較部115は、入力特徴データと登録特徴データとを比較する(ステップST42)。特徴データ比較部115は、入力特徴データと抽出データ記憶部122に記憶された登録特徴データの全て又は一部を比較する。特徴データ比較部115は、入力特徴データに最も類似する登録特徴データに対応する識別情報を登録識別情報として識別情報比較部119に出力する。なお、特徴データ比較部115は、入力特徴データに最も類似する登録特徴データに対応する識別情報のみだけでなく、上位から所定の範囲までの登録特徴データに対応する複数の識別情報を登録識別情報として識別情報比較部119に出力しても良い。
【0087】
識別情報比較部119は、入力識別情報と、登録識別情報とを比較する(ステップST43)。識別情報比較部119は、特徴データ比較部115から受信した類似の登録特徴データに対応する登録識別情報と、特徴データ抽出部112から受信した入力特徴データに対応する入力識別情報とを比較し、これらの情報が一致するかを判定する。なお、識別情報比較部119は、特徴データ比較部115から複数の登録識別情報を受信した場合、いずれかの登録識別情報が入力識別情報と一致すればこれらの情報が一致したと判定して良い。また、識別情報比較部119は、比較結果を権限保有者照合結果として、権限保有者判定部118に出力する。なお、権限保有者照合結果は、識別情報の一致又は不一致の比較結果についての情報を含む。
【0088】
ステップST26~ステップST28は、
図5を参照しながら説明した第1の実施形態の権限判定処理の動作と同じであるため、ここでの説明を省略する。
【0089】
権限保有者判定部118は、権限保有者照合結果及び属性データ比較結果が共に一致するかを判定する(ステップST44)。ここで、第1の実施形態では、権限保有者照合結果が特徴データと一致しているかの照合結果であったが、第2の実施形態では、識別情報が一致しているかどうかの照合結果である。権限保有者照合結果及び属性データ比較結果が共に照合一致を示した場合、権限保有者判定部118は、利用者が権限保有者であると判定する。この場合、権限保有者判定部118は、利用者が権限保有者であることを示す権限保有情報を出力制御部114に出力する。一方、権限保有者照合結果又は属性データ比較結果の少なくとも一方が照合不一致である場合、権限保有者判定部118は、利用者が権限非保有者であると判定する。この場合、権限保有者判定部118は、利用者が権限非保有者であることを示す権限非保有情報を出力制御部114に出力する。
【0090】
ステップST30~ステップST31は、
図5を参照しながら説明した第1の実施形態の権限判定処理の動作と同じであるため、ここでの説明を省略する。
【0091】
なお、ステップST21及びステップST22をまとめたステップA2と、ステップST23及びステップST41乃至ステップST43をまとめたステップB2と、ステップST26乃至ステップST28をまとめたステップC2は、処理の順序を問わない。すなわち、ステップA2と、ステップB2と、ステップC2とは、交換可能であるし、並列で処理しても良い。
【0092】
(第2の実施形態の作用効果)
第2の実施形態によれば、入力された生体情報に対して登録された特徴データの全部または一部を用いて比較することにより、より確実に利用者が権限非保有者である場合に権限保有者であると認識しないための技術を提供することが可能になる。
【0093】
[他の実施形態]
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明は、駅務機器等で用いることが想定されるが、それ以外にも本人確認が必要な状況であれば任意に使用可能である。例えば、オンラインで行われる試験での本人確認等でも使用可能である。
【0094】
また、前記実施形態に記載した手法は、計算機(コンピュータ)に実行させることができるプログラム(ソフトウェア手段)として、例えば磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD-ROM、DVD、MO等)、半導体メモリ(ROM、RAM、フラッシュメモリ等)等の記憶媒体に格納し、また通信媒体により伝送して頒布することもできる。なお、媒体側に格納されるプログラムには、計算機に実行させるソフトウェア手段(実行プログラムのみならずテーブル、データ構造も含む)を計算機内に構成させる設定プログラムをも含む。本装置を実現する計算機は、記憶媒体に記憶されたプログラムを読み込み、また場合により設定プログラムによりソフトウェア手段を構築し、このソフトウェア手段によって動作が制御されることにより上述した処理を実行する。なお、本明細書で言う記憶媒体は、頒布用に限らず、計算機内部或いはネットワークを介して接続される機器に設けられた磁気ディスク、半導体メモリ等の記憶媒体を含むものである。
【0095】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0096】
1…情報処理装置
2…入力装置
3…出力装置
4…生体情報取得装置
5…属性情報取得装置
6…媒体
11…制御部
111…取得部
1111…媒体情報取得部
1112…生体情報取得部
1113…属性情報取得部
112…特徴データ抽出部
113…属性データ抽出部
114…出力制御部
115…特徴データ比較部
116…属性データ比較部
117…権限判定部
118…権限保有者判定部
119…識別情報比較部
12…記憶部
121…取得データ記憶部
122…抽出データ記憶部
123…条件記憶部
13…入出力インタフェース