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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023035193
(43)【公開日】2023-03-13
(54)【発明の名称】コンベヤ装置、並びに、移載装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 13/071 20060101AFI20230306BHJP
   B65G 47/68 20060101ALI20230306BHJP
   B65G 21/16 20060101ALI20230306BHJP
【FI】
B65G13/071 A
B65G47/68 A
B65G21/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021141844
(22)【出願日】2021-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】592026819
【氏名又は名称】伊東電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】伊東 一夫
(72)【発明者】
【氏名】中村 竜彦
(72)【発明者】
【氏名】植田 浩司
(72)【発明者】
【氏名】前川 和寛
【テーマコード(参考)】
3F033
3F070
【Fターム(参考)】
3F033BB02
3F033BB05
3F033BC07
3F070AA06
3F070BD01
3F070EA07
3F070EA21
(57)【要約】
【課題】物品を様々な方向に搬送することが可能なコンベヤ装置、並びに、移載装置を提供する。
【解決手段】物品と接して物品を付勢する複数のコロ部材51と、環状部材55と、複数の回転体52とを有する回転体列部材81と、環状部材55を走行させる動力源とを有するコンベヤ装置において、環状部材55がコロ部材51と接してコロ部材51を回転させるものであり、回転体52の内のいずれかの回転体52(回転体A)といずれかのコロ部材51の間で環状部材55が挟まれているコンベヤ装置とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品と接して物品を付勢する複数のコロ部材と、環状部材と、複数の回転体とを有する回転体列部材と、前記環状部材を走行させる動力源とを有するコンベヤ装置であって、
前記環状部材が前記コロ部材と接して前記コロ部材を回転させるものであり、前記回転体の内のいずれかの回転体Aといずれかの前記コロ部材の間で前記環状部材が挟まれていることを特徴とするコンベヤ装置。
【請求項2】
前記環状部材が、前記回転体Aと前記コロ部材の間で押し付けられた状態となっていることを特徴とする請求項1に記載のコンベヤ装置。
【請求項3】
前記回転体Aは、前記コロ部材の真下の位置に配されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンベヤ装置。
【請求項4】
前記回転体列部材を複数列有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のコンベヤ装置。
【請求項5】
前記回転体列部材を構成する複数の前記回転体が平面視で曲線状に配列されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のコンベヤ装置。
【請求項6】
前記環状部材が走行している状態を側面視したとき、上部側が一方に移動し、下部側が逆方向に移動し、
回転体Bを有し、前記回転体Bと、いずれかの前記回転体Aの間で前記環状部材の下部側が挟まれていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のコンベヤ装置。
【請求項7】
前記環状部材は、弾性変形可能であり、回転体Aと前記コロ部材の間で挟まれた際に断面形状が変形することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のコンベヤ装置。
【請求項8】
前記環状部材は、断面形状が略円形であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のコンベヤ装置。
【請求項9】
主搬送コンベヤ部と、副搬送コンベヤ部と、前記主搬送コンベヤ部又は前記副搬送コンベヤ部の少なくとも一方を昇降させる昇降手段とを有し、前記主搬送コンベヤ部は一定の平面領域にあって物品を一定の方向に搬送するものであり、前記副搬送コンベヤ部は前記主搬送コンベヤ部と同一の平面領域に配置されていて前記主搬送コンベヤ部の搬送方向に対して交差する方向に物品を搬送するものであり、前記昇降手段によって一方の搬送面を他方の搬送面よりも上に上昇させて物品を所望の方向に搬送する移載装置において、前記主搬送コンベヤ部と、前記副搬送コンベヤ部のいずれかが、請求項1乃至8のいずれかに記載のコンベヤ装置であることを特徴とする移載装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベヤ装置に関する。また、そのようなコンベヤ装置によって一部が構成される移載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
配送場や集荷場、倉庫等では、搬送物の搬送にコンベヤラインが利用されている。例えば、配送場では、搬送先が複数あり、物品を配送先ごとに仕分けて搬送する必要がある。このため、配送場のコンベヤラインでは、搬送路が多数に分岐されているものが多い。例えば、搬送路の下流側が2方向に分岐し、分岐したそれぞれの搬送路が再び分岐するといった具合である。
【0003】
このように、搬送路が分岐するコンベヤラインでは、分岐部分に、物品の搬送方向を変更可能な移載装置を配置する。このような移載装置として、特許文献1に開示されたものがある。特許文献1に開示された移載装置は、主搬送部としてローラ式搬送手段を有しており、副搬送部としてベルト式搬送手段を有している。
【0004】
ローラ式搬送手段は、ローラコンベヤであり、複数の搬送ローラが一対のフレームに取り付けられている。ベルト式搬送手段は、単体ベルトユニットを複数有している。そして、それぞれの単体ベルトユニットが搬送ローラの間に配されており、主搬送部と副搬送部がユニット化されている。
また、単体ベルトユニットは、無端ベルトと、板状部材と、板状部材に取り付けられる複数の係合部材を有している。それぞれの係合部材は、いずれもコロ状の部材であり、無端ベルトは、それぞれの係合部材に外側から接している。いくつかの係合部材は、テンションプーリとして機能する。すなわち、無端ベルトは、一定の張力が付与された状態で、係合部材に懸架されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-90339号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記した従来のベルトユニットを有する移載装置は、主搬送方向と副搬送方向が平面視で直交する方向となっている。つまり、従来のベルトユニットを有する移載装置は、上流側から搬送された物品を様々な方向に搬送するという点において改良の余地があった。言い換えると、直線的に搬送されていた物品の搬送方向を移載装置で変更し、物品を副搬送路に導入するとき、物品を様々な軌跡で搬送させる(分岐角度を様々なものとする)という点において改良の余地があった。
【0007】
そこで本発明は、物品を様々な方向に搬送することが可能なコンベヤ装置、並びに、移載装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明の一つの様相は、物品と接して物品を付勢する複数のコロ部材と、環状部材と、複数の回転体とを有する回転体列部材と、前記環状部材を走行させる動力源とを有するコンベヤ装置であって、前記環状部材が前記コロ部材と接して前記コロ部材を回転させるものであり、前記回転体の内のいずれかの回転体Aといずれかの前記コロ部材の間で前記環状部材が挟まれていることを特徴とするコンベヤ装置である。
【0009】
本様相のコンベヤ装置は、コロ部材と接してコロ部材を回転させる環状部材が、コロ部材と回転体によって挟まれており、環状部材が位置ずれし難い。すなわち、複数のコロ部材の並び方向を様々な方向に変更し、物品の搬送方向を様々な方向に変更しても、それぞれのコロ部材にしっかりと動力を伝達して回転させることが可能となる。このことから、物品の搬送方向を様々な方向に変更できる。
【0010】
上記した様相は、前記環状部材が、前記回転体Aと前記コロ部材の間で押し付けられた状態となっていることが好ましい。
【0011】
かかる様相によると、環状部材がより強固に挟まれるので、環状部材の位置ずれをより確実に防止できる。
【0012】
上記した様相は、前記回転体Aは、前記コロ部材の真下の位置に配されていることが好ましい。
【0013】
かかる様相によると、コロ部材の下側で環状部材をしっかりと支持できる。
【0014】
上記した様相は、前記回転体列部材を複数列有することが好ましい。
【0015】
かかる様相によると、コロ部材の列を複数列並べてコンベヤ装置の搬送面を形成できる。すなわち、複数列のコロ部材の列によって搬送物を付勢できるため、物品の搬送方向をより確実に規定の方向にすることができる。
【0016】
上記した様相は、前記回転体列部材を構成する複数の前記回転体が平面視で曲線状に配列されていることが好ましい。
【0017】
かかる様相によると、曲線状に曲がる搬送路を形成できる。
【0018】
上記した様相は、前記環状部材が走行している状態を側面視したとき、上部側が一方に移動し、下部側が逆方向に移動し、回転体Bを有し、前記回転体Bと、いずれかの前記回転体Aの間で前記環状部材の下部側が挟まれていることが好ましい。
【0019】
かかる様相によると、回転体Bと回転体Aの間でも環状部材が挟まれるので、環状部材の位置ずれをより確実に防止できる。
【0020】
上記した好ましい様相は、前記環状部材が、前記回転体Bと前記回転体Aの間で押し付けられた状態となっていることがより好ましい。
【0021】
かかる様相によると、回転体Bと回転体Aの間で環状部材がより強固に挟まれるので、環状部材の位置ずれをさらに確実に防止できる。
【0022】
上記した様相は、前記環状部材は、弾性変形可能であり、回転体Aと前記コロ部材の間で挟まれた際に断面形状が変形することが好ましい。
【0023】
かかる様相によると、環状部材がコロ部材や回転体Aに密着した状態となり、走行時に位置ずれし難くなる。
【0024】
上記した様相は、前記環状部材は、断面形状が略円形であることが好ましい。
【0025】
かかる様相によると、環状部材の摩擦力を伝達する面に制限が無く、どの方向からでもコロ部材や回転体と接触させることできるので、コロ部材や回転体の配置位置を適宜変更することができる。
【0026】
本発明の他の様相は、主搬送コンベヤ部と、副搬送コンベヤ部と、前記主搬送コンベヤ部又は前記副搬送コンベヤ部の少なくとも一方を昇降させる昇降手段とを有し、前記主搬送コンベヤ部は一定の平面領域にあって物品を一定の方向に搬送するものであり、前記副搬送コンベヤ部は前記主搬送コンベヤ部と同一の平面領域に配置されていて前記主搬送コンベヤ部の搬送方向に対して交差する方向に物品を搬送するものであり、前記昇降手段によって一方の搬送面を他方の搬送面よりも上に上昇させて物品を所望の方向に搬送する移載装置において、前記主搬送コンベヤ部と、前記副搬送コンベヤ部のいずれかが、上述のコンベヤ装置であることを特徴とする移載装置である。
【0027】
本様相においても、主搬送コンベヤ部、副搬送コンベヤ部のいずれかにおいて、物品の搬送方向を様々な方向に変更することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によると、物品を様々な方向に搬送することが可能なコンベヤ装置、並びに、移載装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の実施形態に係る移載装置を有するコンベヤラインを示す平面図である。
図2】(a)は、図1のベルトユニットを模式的に示す斜視図であり、(b)は、(a)の取付板部を示す斜視図である。
図3図2のベルトユニットを模式的に示す説明図である。
図4図3のコロ部材及びプーリ部材を示す断面図である。
図5】(a)は、図1とは異なるベルトユニットを模式的に示す斜視図であり、(b)は、(a)の取付板部を示す斜視図である。
図6図1図5とは異なるベルトユニットの一部分を模式的に示す説明図である。
図7】本発明の実施形態に係るコンベヤ装置であり、図1図5図6とは異なるベルトユニットを有するコンベヤ装置を示す平面図である。
図8図2図5図6図7とは異なるベルトユニットを模式的に示す図であり、(a)は取付板部の厚さ方向を視線方向とした説明図、(b)は(a)の一部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態に係る移載装置1について、図面を参照しつつ詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0031】
本実施形態の移載装置1は、図1に示すように、コンベヤライン2上の搬送経路が分岐する部位(分岐部)に設けられている。すなわち、コンベヤライン2は、主コンベヤライン10と、その主コンベヤライン10から枝分かれする副コンベヤライン11を有する。
【0032】
主コンベヤライン10は、上流側コンベヤ装置12と、下流側コンベヤ装置13と、その間に位置する移載装置1の一部によって形成される。主コンベヤライン10で搬送物が搬送される場合、上流側から導入された搬送物(物品、図示しない)が上流側コンベヤ装置12、移載装置1、下流側コンベヤ装置13の順に導入されていき、そのまま直線的に搬送されていく。
副コンベヤライン11は、移載装置1の一部と、副搬送コンベヤ装置14によって形成される。副コンベヤライン11で搬送物が搬送される場合、上流側コンベヤ装置12から移載装置1に導入された搬送物が移載装置1で搬送方向を変更し、移載装置1から副搬送コンベヤ装置14に導入される。そして、副搬送コンベヤ装置14の下流側に搬送されていく。
【0033】
ここで、本実施形態では、平面視において、主コンベヤライン10の搬送方向(長手方向)に沿って延びる仮想線と、副コンベヤライン11の搬送方向(長手方向)に沿って延びる仮想線のなす角(以下、分岐角度とも称す)が45度となっている。
【0034】
上流側コンベヤ装置12と、下流側コンベヤ装置13は、所謂ローラコンベヤである。すなわち、複数の搬送ローラと、互いに平行に延びる一対のコンベヤフレームを有しており、複数の搬送ローラが2つのコンベヤフレームに回転可能な状態で軸支されている。
【0035】
副搬送コンベヤ装置14は、所謂ローラコンベヤであり、複数の搬送ローラが並べられて形成されている。この副搬送コンベヤ装置14は、一対のコンベヤフレームであるフレーム部材14a,14bを有する。さらに、また、上流側取付部材14cを有する。
【0036】
副搬送コンベヤ装置14の上流側部分では、搬送用ローラの一方の軸が一方のフレーム部材14aに固定され、他方の軸が上流側取付部材14cに固定される。すなわち、搬送用ローラが一方のフレーム部材14aと、上流側取付部材14cに回転可能な状態で軸支されている。対して、下流側部分では、搬送用ローラの2つの軸が2つのフレーム部材14a,14bに回転可能な状態で軸支されている。
【0037】
これら上流側コンベヤ装置12、下流側コンベヤ装置13、副搬送コンベヤ装置14では、それぞれ複数の搬送ローラの上部によって搬送面が形成される。なお、「搬送面」とは、コンベヤ装置で搬送物を搬送するとき、搬送物が載置される部分である。
【0038】
移載装置1は、主搬送コンベヤ部20と、副搬送コンベヤ部21と、図示しない昇降機構(昇降手段)を有する。昇降機構は、具体的には、カム機構、クランク機構であり、例えば、直動カムを有するものでもよい。この場合、副搬送コンベヤ部21の複数のベルトユニット30(詳しくは後述する)をフレーム部材や台座部材に固定し、このフレーム部材や台座部材に直動カムと接するコロ等のカムフォローを設けてもよい。すなわち、昇降機構は、複数のベルトユニット30を昇降させる機構であればよい。
なお、作図の都合上、一部のベルトユニット30のみに符号を付し、他への符号を省略する。また、他の部材も同様に、必要に応じて複数のうちの一部のみに符号を付し、他への符号を省略する。
【0039】
そして、昇降機構によって副搬送コンベヤ部21(複数のベルトユニット30)が昇降することで、移載装置1では、副搬送コンベヤ部21の搬送面が主搬送コンベヤ部20の搬送面よりも高位置となる状態と、副搬送コンベヤ部21の搬送面が主搬送コンベヤ部20の搬送面よりも低位置となる状態が切り替わる。
なお、主搬送コンベヤ部20の搬送面は、後述する複数の短尺ローラ41bの上部によって形成される。また、副搬送コンベヤ部21の搬送面は、後述するコロ部材51の上部によって形成される。
【0040】
副搬送コンベヤ部21の搬送面が低位置であるとき、移載装置1は、導入された搬送物を主搬送コンベヤ部20によって下流側コンベヤ装置13へ搬送する動作が可能である。つまり、搬送物を主搬送方向(主コンベヤライン10の搬送方向)に搬送する主搬送動作が可能となる。
対して、副搬送コンベヤ部21の搬送面が高位置であるとき、移載装置1は、導入された搬送物を副搬送コンベヤ部21によって副搬送コンベヤ装置14へ搬送する動作が可能である。つまり、搬送物を副搬送方向(副コンベヤライン11の搬送方向)に搬送する副搬送動作が可能となる。なお、主搬送方向と副搬送方向は、互いに交差する方向である。
【0041】
主搬送コンベヤ部20は、コンベヤフレーム40に複数の搬送部材41を取り付けて形成されている。コンベヤフレーム40は、互いに平行に延びる一対の第一フレーム部材40aと、第二フレーム部材40bを有する。
【0042】
第一フレーム部材40a、第二フレーム部材40bは、いずれも主搬送方向に延びる長尺状の部材である。この2つのフレーム部材は、一方の第二フレーム部材40bが、副搬送コンベヤ装置14側(副コンベヤライン11)に配され、もう一方の第一フレーム部材40aがその逆側に配される。
ここで、第二フレーム部材40bは、上端部分が、副搬送動作時の副搬送コンベヤ部21の搬送面よりも低位置となるように配される。なお、第一フレーム部材40aの上端部分は、移載装置1の搬送面よりも高位置となるように配される。ここでいう「移載装置1の搬送面」は、主搬送動作時の主搬送コンベヤ部20の搬送面と、副搬送動作時の副搬送コンベヤ部21の搬送面の双方である。
つまり、この第二フレーム部材40bの上端部分は、第一フレーム部材40aの上端部分よりも低位置に配されている。
【0043】
また、第二フレーム部材40bは、上側の適宜な部分に切欠溝(切欠部)が形成されている。この切欠溝は、少なくとも主搬送動作時にベルトユニット30の一部が配される部分となっている。
【0044】
搬送部材41は、丸棒状のシャフト部材41aに複数の短尺ローラ41bを取り付けて形成されている。
【0045】
一つの搬送部材41に属する複数の短尺ローラ41bは、平面視で主搬送方向と直交する方向に間隔を開けて並んだ状態となっている。これらの短尺ローラ41bは、いずれも同じシャフト部材41aを回転軸として回転する円筒状の部材である。なお、本実施形態の短尺ローラ41bは、少なくとも外周部分が衝撃吸収性(クッション性)を有する衝撃吸収ローラとなっている。詳細には、短尺ローラ41bを樹脂製のローラとし、衝撃吸収ローラとしてもよい。この他、短尺ローラ41bは、金属製の筒状体(芯材)に対し、その外周面を覆うように樹脂製部材を取り付けて形成してもよい。この樹脂製部材は、ウレタン樹脂、ゴム等の樹脂を原料としてもよく、円環状に連続する円筒状の部材としてもよい。つまり、短尺ローラ41bは、円筒状となる樹脂製部材の内孔の内部に、金属製の筒状体が配されて形成されたものでもよい。
【0046】
主搬送コンベヤ部20の複数の搬送部材41は、図1で示されるように、主搬送方向で間隔を空けて並んだ状態となっている。そして、それぞれの搬送部材41は、シャフト部材41aの長手方向の両端が第一フレーム部材40a、第二フレーム部材40bにそれぞれ取り付けられ、回転可能な状態で軸支されている。つまり、シャフト部材41aは、長手方向が平面視で主搬送方向を横切る方向となるように取り付けられている。なお、本実施形態では、シャフト部材41aの長手方向を主搬送方向と直交する方向としている。
また、主搬送コンベヤ部20では、複数の搬送部材41に属する複数の短尺ローラ41bが、平面視で千鳥状(又は略千鳥状)となるように配されている。
【0047】
副搬送コンベヤ部21は、複数のベルトユニット30を有する。
【0048】
ベルトユニット30は、本実施形態の特徴的な部分である。このベルトユニット30は、図2で示されるように、取付板部50と、複数のコロ部材51(コロ)と、複数のプーリ部材52(回転体A)と、複数の補助プーリ部材53(回転体B)と、駆動用係合部材54と、無端ベルト55(環状部材)を有している。
なお、以下の説明では、説明の都合上、図2図3で示されるように、第1コロ部材51a乃至第5コロ部材51eの5つのコロ部材51と、第1プーリ部材52a乃至第5プーリ部材52eの5つのプーリ部材52が設けられているものとして説明する。また、2つの第1補助プーリ部材53aと、第2補助プーリ部材53bの2つの補助プーリ部材53が設けられているものとして説明する。
しかしながら、図1から自明なように、コロ部材51やプーリ部材52は、5つ以上設けられてもよく、5つ以下であってもよい。そして、補助プーリ部材53の数もまた、適宜変更してもよい。
【0049】
取付板部50は、立板状の部材であり、厚さ方向の一方側から他方側に向かって凸となるように緩やかに湾曲している。すなわち、取付板部50は湾曲板であり、長手方向の両端部分が長手方向の中心側よりも厚さ方向の一方側に位置する。
取付板部50は、図2(b)で示されるように、上側に複数の切欠部50aを有する。すなわち、取付板部50は、上側の部分が櫛歯状になっている。
【0050】
コロ部材51は、円環状に連続するローラ状のコロ外周部60と、コロ外周部60の回転軸となる棒状のコロ軸部61を有している。なお、コロ外周部60とコロ軸部61の間には、ベアリング部材62が介在している(図4参照)。このコロ部材51は、動力を持たずに空転するものであり、無端ベルト55から動力を受けて回転する。
【0051】
プーリ部材52は、円環状に連続するローラ状のプーリ外周部65と、プーリ外周部65の回転軸となる棒状のプーリ軸部66を有している。なお、プーリ外周部65のプーリ軸部66の間には、ベアリング部材67が介在している(図4参照)。
プーリ外周部65の外周面には、係合溝部68(図4等参照)が設けられている。係合溝部68は、円環状に連続する溝部分であり、プーリ外周部65の中心側(径方向内側)に向かって窪んだ溝部分である。
【0052】
補助プーリ部材53は、上記したプーリ部材52と同様の構造であり、図2(a)で示されるように、円筒状のプーリ外周部70と、プーリ外周部70の回転軸となる棒状のプーリ軸部71を有している。そして、プーリ外周部70の外周面には、係合溝部72が形成されている。
【0053】
駆動用係合部材54は、ローラ状(略円盤状)の部材であり、外部のモータ(動力源、図示しない)から動力を受けて回転する軸部材が中心部分に挿通されている。なお、本実施形態の副搬送コンベヤ部21では、複数のベルトユニット30(図1参照)のそれぞれの駆動用係合部材54が、平面視で直線状に並ぶように配されており、同じ軸部材が挿通されている(詳細な図示を省略する)。すなわち、副搬送コンベヤ部21が、駆動用係合部材54を回転させるためのモータ(動力源)を有しており、それぞれのベルトユニット30の駆動用係合部材54が同じモータからの動力で回転する。
【0054】
なお、副搬送コンベヤ部21が形成する曲路の外側(カーブの外側であり、図1では上側)に配されるベルトユニット30と、曲路の内側(カーブの内側であり、図1では下側)に配されるベルトユニット30では、駆動用係合部材54の径の大きさが異なる。
より詳細には、複数のベルトユニット30は、曲路の外側に配されるベルトユニット30ほど、駆動用係合部材54の径が大きくなる。すなわち、最も内側のベルトユニット30に属する駆動用係合部材54の径が最も小さく、この駆動用係合部材54の径よりも内側から2番目のベルトユニット30に属する駆動用係合部材54の径がやや大きい。同じく、内側から3番目のベルトユニット30に属する駆動用係合部材54の径は、内側から2番目のベルトユニット30に属する駆動用係合部材54の径よりもやや大きい。以下同様に、曲路の外側に配されるベルトユニット30ほど径が大きくなっていき、最も外側に配される駆動用係合部材54の径が最も大きい。
【0055】
無端ベルト55は、環状に連続する樹脂製(ゴム製)の部材であり、本実施形態では、丸ベルトを採用している。すなわち、無端ベルト55は、断面形状が円形又は略円形で延びる部材である。
【0056】
本実施形態のベルトユニット30は、図2図3で示されるように、第1コロ部材51a乃至第5コロ部材51eからなるコロ列部80と、第1プーリ部材52a乃至第5プーリ部材52eからなるプーリ列部81(回転体列部材)とを有している。さらに、第1補助プーリ部材53a、第2補助プーリ部材53bからなる補助プーリ列部82を有している。
【0057】
コロ列部80は、複数のコロ部材51が間隔を開けて並んで形成されている。
プーリ列部81もまた、複数のプーリ部材52が間隔を開けて並んで形成されている。
本実施形態では、コロ列部80に属するコロ部材51の数と、プーリ列部81に属するプーリ部材52の数を同数としている。そして、それぞれのコロ部材51と、それぞれのプーリ部材52が一対一対応しており、それぞれのコロ部材51の下側にそれぞれ別のプーリ部材52が位置している。これら、コロ列部80におけるコロ部材51の並び方向と、プーリ列部81におけるプーリ部材52の並び方向は、いずれも取付板部50の長手方向と同方向である。つまり、コロ列部80とプーリ列部81は、上下で隣接する位置でこれら2列が並んだ状態となっている。
【0058】
加えて、コロ列部80で隣接する2つのコロ部材51の間に形成される間隔と、プーリ列部81で隣接する2つのプーリ部材52の間に形成される間隔は、取付板部50の長手方向における長さ(間隔の幅)が同一(又は略同一)となっている。
さらには、図3で示されるように、取付板部50の厚さ方向を視線方向とした側面視において、上側のコロ部材51の回転軸(回転中心)と、プーリ部材52の回転軸(回転中心)とが上下方向で並んだ状態となっている。つまり、同側面視において、上下で並ぶコロ部材51とプーリ部材52のそれぞれの回転軸(回転中心)は、取付板部50の長手方向における位置(図3の左右方向における位置)が同一の位置となっている。言い換えると、同側面視において、上下で並ぶコロ部材51とプーリ部材52のそれぞれの回転軸(回転中心)は、直線状に並んだ位置にある。
つまり、本実施形態では、それぞれのコロ部材51の真下となる位置にプーリ部材52が位置している。
【0059】
ここで、取付板部50は、上記したように湾曲板となっている。このため、1つのコロ列部80(ベルトユニット30)に属する複数のコロ部材51は、平面視で曲線状に並んだ状態となる(図1参照)。したがって、その下方側の複数のプーリ部材52もまた、平面視で曲線状に並んだ状態となる。
【0060】
補助プーリ列部82においても、補助プーリ部材53が間隔を開けて並んで形成されている。
本実施形態では、第1補助プーリ部材53a、第2補助プーリ部材53bのそれぞれが、所定のプーリ部材52(第2プーリ部材52b、第4プーリ部材52d)の真下に位置している。言い換えると、プーリ列部81に属する複数のプーリ部材52には、真下に補助プーリ部材53が配されているものと、下側に補助プーリ部材53が配されていないものがある。
【0061】
詳細には、図3で示されるように、取付板部50の厚さ方向を視線方向とした側面視において、上下で並ぶプーリ部材52の回転軸(回転中心)と、補助プーリ部材53の回転軸(回転中心)とは、上下方向で直線状に並んだ状態となっている。
つまり、同側面視において、上下で並ぶプーリ部材52と補助プーリ部材53のそれぞれの回転軸(回転中心)は、取付板部50の長手方向における位置(図3の左右方向における位置)が同一の位置となっている。
したがって、本実施形態のベルトユニット30は、コロ部材51、プーリ部材52、補助プーリ部材53が上下方向で並んで列となる部分と、コロ部材51、プーリ部材52が上下方向で並んで列となる部分を有する。これらは、取付板部50の長手方向でそれぞれ間隔を開けて配されている。
【0062】
無端ベルト55は、一定の張力が付与された状態で懸架されている。具体的には、図3で示されるように、無端ベルト55は、大別して、上側走行部85と、動力源係合部86と、下側走行部87と、上下連結部88を有する。
【0063】
上側走行部85は、プーリ部材52の回転中心よりも上側に位置する部分であり、複数のプーリ部材52の上側で延びた部分である。
動力源係合部86は、上側走行部85の一端部から駆動用係合部材54に向かって下方側に延びる部分と、駆動用係合部材54の側方から下方を経て逆側の側方へと至る部分と、駆動用係合部材54から上方に延びて下側走行部87の一端部に連なる部分を有する。なお、駆動用係合部材54の側方から下方を経て逆側の側方へと至る部分は、駆動用係合部材54の外周面と接触している。
【0064】
下側走行部87は、プーリ部材52の回転中心よりも下側であり、補助プーリ部材53の回転中心よりも上側となる位置で、複数のプーリ部材52の下側で延びた部分である。
上下連結部88は、下側走行部87の長手方向の端部(他端部であり、上記一端部の逆側となる端部)と、上側走行部85の長手方向の端部(他端部)の間に位置する部分である(図2(a)参照)。
【0065】
ここで、コロ部材51の下側では、図4等で示されるように、上側走行部85の一部がプーリ部材52の係合溝部68に嵌入されている。そして、上側走行部85のうち、その上側に位置する部分がコロ部材51の外周面と密着している。
この上側走行部85は、コロ部材51とプーリ部材52に挟まれ、これらによって押圧されることで、拉げた状態となっている。つまり、自然状態では断面形状が円形(又は略円形)となるところ、上側走行部85が押し潰れた状態となることで、断面形状が略楕円形となるように一時的に弾性変形している。
【0066】
そして、このように弾性変形することで、上側走行部85が係合溝部68の溝壁部分や溝底部分と密着している。また、上側走行部85の上端部分がコロ部材51に下側から押し当てられて密着している。言い換えると、上側走行部85が各部に押し当てられた状態となっている。このとき、例えば、係合溝部68の溝幅(図4の左右方向の長さ)を、自然状態における上側走行部85の幅(図4の左右方向の長さ)よりもやや短くしてもよい。本実施形態では、上側走行部85の自然状態における上下方向の長さを、係合溝部68の最大深さよりも長くしている。
以上のように、上側走行部85(無端ベルト55)が押圧される構造によると、無端ベルト55の動力を確実にコロ部材51に伝達することができる。また、上側走行部85(無端ベルト55)の一部がコロ部材51とプーリ部材52によって囲まれた状態となることで、無端ベルト55の意図しない位置ずれをより確実に防止できる。
【0067】
また、本実施形態では、上下方向で隣接するコロ部材51とプーリ部材52の外周面同士の間に僅かに隙間が形成されるように、コロ部材51とプーリ部材52を配置している。
【0068】
プーリ部材52の下側では、下側走行部87の一部がプーリ部材52の係合溝部68に嵌入されている。
ここで、下側走行部87のうち、プーリ部材52と補助プーリ部材53の間に位置する部分では、下側走行部87の上側部分がプーリ部材52の係合溝部68に嵌入され、下側部分が補助プーリ部材53の係合溝部72に嵌入されている(図2(a)参照)。すなわち、下側走行部87は、プーリ部材52と補助プーリ部材53に挟まれている。
【0069】
上下連結部88は、図2(a)で示されるように、プーリ列部81のうちで、最も並び方向の端部側に位置するプーリ部材52(第5プーリ部材52e)の係合溝部68に嵌まり込んだ状態となっている。このように、無端ベルト55は、複数のプーリ部材52、複数の補助プーリ部材53と各部で係合した状態となっている。なお、ベルトユニット30には、別途テンションプーリ等を設け、無端ベルト55と接触させるように配置してもよい。
【0070】
本実施形態では、駆動用係合部材54が回転することで無端ベルト55が走行している。そして、上側走行部85の走行方向と、その下方の下側走行部87の走行方向(移動方向)は逆方向となっている。すなわち、上側走行部85と下側走行部87の一方は、コロ列部80の並び方向の一方端側に向かう方向(図4の左右方向の一端側に向かう方向)に走行(移動)する。そして、他方は、コロ列部80の並び方向の他方端側に向かう方向(図4の左右方向の他端側に向かう方向)に走行(移動)する。
【0071】
また、本実施形態のベルトユニット30は、図2図3で示されるように、2つの隣接するコロ部材51の間であり、上側走行部85の上方となる部分に隙間部90を有する。この隙間部90は、副搬送コンベヤ部21の搬送面が上方に位置するとき、主搬送コンベヤ部20の搬送部材41の一部が配される部分となる。
【0072】
本実施形態の副搬送コンベヤ部21は、上記したように、複数のベルトユニット30を有しており、これらが間隔を開けて並んだ状態で配置されている(図1参照)。このとき、それぞれのベルトユニット30は、取付板部50(図2等参照)の厚さ方向が同方向となるように配されている。また、それぞれのベルトユニット30の長手方向の長さ、コロ部材51の数が異なる。したがって、プーリ部材52の数も異なる。
【0073】
ここで、本実施形態の移載装置1は、図1で示されるように、平面視において、主搬送コンベヤ部20のみが位置する領域と、副搬送コンベヤ部21のみが位置する領域と、主搬送コンベヤ部20と副搬送コンベヤ部21の双方が位置する領域を有する。すなわち、第一フレーム部材40aと第二フレーム部材40bの間であって、副搬送コンベヤ部21が位置する部分が、主搬送コンベヤ部20と副搬送コンベヤ部21の双方が位置する部分となる。すなわち、主搬送コンベヤ部20と副搬送コンベヤ部21(主搬送路と副搬送路)は、少なくとも一部が同一の平面領域に配置されている。
【0074】
上記した実施形態では、分岐角度を45度としたコンベヤライン2で使用する移載装置1の例を示した。しかしながら、本発明はこれに限るものではない。
例えば、それぞれのベルトユニット30における取付板部50の湾曲度合を変更することで、副搬送動作を実行する際の搬送物の搬送方向を適宜変更できる。このことにより、分岐角度を45度としたコンベヤラインの他、分岐角度が様々な角度となるコンベヤラインのそれぞれで使用可能な移載装置を構築できる。
【0075】
上記した例では、取付板部50を湾曲板とした例について説明したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、図5で示されるように、ベルトユニット130の取付板部150は、立板状のもの(略平板状の部材を直立する姿勢したもの)でもよい。すなわち、平面視で曲線状に延びるものに替わって、平面視で略直線状に延びたものとしてもよい。
このようなベルトユニットは、従来の移載装置のように、ローラコンベヤ(ローラ式搬送手段)に属する複数の搬送ローラの間に配することで、主搬送方向と副搬送方向とが平面視で直交する方向となる移載装置の構築が可能となる。
【0076】
上記した実施形態では、コロ部材51の真下にプーリ部材52が位置し、コロ部材51、プーリ部材52、補助プーリ部材53が上下方向で並ぶように配した例について説明した(図3等参照)。しかしながら、本発明はこれに限るものではない。
例えば、図6で示されるように、コロ部材51の回転軸(回転中心)と、プーリ部材52の回転軸(回転中心)とが、取付板部の長手方向(図6の左右方向)でずれた位置となるように配してもよい。この場合、取付板部の厚さ方向を視線方向とした平面視において、斜め方向で離れたコロ部材51、プーリ部材52によって無端ベルト55が挟まれた状態となる。このような構成によると、コロ部材51と無端ベルト55との接触面積を大きくすることができる(接触角を大きくできる)。
また、この場合、コロ部材51とプーリ部材52を、斜め方向にやや離れた位置に配することで、無端ベルト55を押圧しない構成としてもよい。しかしながら、コロ部材51とプーリ部材52を近接配置して無端ベルト55を押圧する構成とすることが、無端ベルト55の動力を確実に伝達するという点において好ましい。なお、無端ベルト55を押圧する強さは、上記した実施形態と同様に、コロ部材51とプーリ部材52の距離を変更することで適宜変更することができる。
【0077】
すなわち、上記した各実施形態においてコロ部材51とプーリ部材52を取り付けるとき、これらの距離は適宜変更可能である。言い換えると、コロ部材51とプーリ部材52の取り付け位置は、近接、離反させてもよい。このとき、コロ部材51とプーリ部材52の外周面同士が離れた状態となるように配してもよく、外周面同士(外周面の一部同士)が接触した状態となるように配置してもよい。
【0078】
上記した実施形態では、昇降機構により、副搬送コンベヤ部21の複数のベルトユニット30が昇降する例を示した。しかしながら、本発明の移載装置は、これに限るものではない。
例えば、主搬送コンベヤ部20が昇降するものとしてもよく、主搬送コンベヤ部20と副搬送コンベヤ部21の双方が昇降する構成としてもよい。主搬送コンベヤ部20と副搬送コンベヤ部21の双方が昇降する構成では、主搬送コンベヤ部20の上昇に伴って副搬送コンベヤ部21が下降し、主搬送コンベヤ部20の下降に伴って副搬送コンベヤ部21が上昇するものとしてもよい。
【0079】
上記した実施形態では、移載装置1が主搬送コンベヤ部20、副搬送コンベヤ部21からなる2つのコンベヤ装置を備えたものとした。すなわち、複数のベルトユニット30を有するコンベヤ装置(副搬送コンベヤ部21)が、移載装置1の一部を構成するものとした。
しかしながら、複数のベルトユニット30を有するコンベヤ装置は、移載装置1の一部とする他、単独でコンベヤラインの少なくとも一部を形成するものとしてもよい。例えば、曲路を有するコンベヤラインにおいて、複数のベルトユニット30を有するコンベヤ装置により、曲路部分を形成してもよい。この他、上記したベルトユニット130を複数有するコンベヤ装置により、搬送物を直線的に搬送する部分を形成してもよい。これらのコンベヤ装置は、当然のことながら、搬送経路が分岐する部位に設けなくてもよい。
【0080】
例えば、図7で示されるような、コンベヤライン200において、上流側コンベヤ装置212と、下流側コンベヤ装置213の間に、カーブコンベヤ装置201(コンベヤ装置)を配してもよい。
このカーブコンベヤ装置201は、曲路部分を有する形成するものであり、一対のコンベヤフレームの間に複数のベルトユニット230を並べて配置している。一対のコンベヤフレームは、互いに平行に延びており、いずれも平面視で曲線状となるように湾曲しつつ延びている。
ベルトユニット230は、上流側コンベヤ装置212の下流部分と、下流側コンベヤ装置213の上流部分の間で延びている。このベルトユニット230は、平面視で略円弧状となるように延びており、より詳細には、円弧の端と端のなす角が略180度(中心角が略180度)となるように延びている。
【0081】
上記したように、コンベヤラインの曲路部分を形成するコンベヤ装置の他、コンベヤラインのS字状に延びる部分を形成するコンベヤ装置を形成してもよい。すなわち、取付板部の形状を平面視でS字状に延びた形状としたベルトユニットを複数有するコンベヤ装置を形成してもよい。このコンベヤ装置においても、ベルトユニットを複数並べた状態とする。
【0082】
上記した実施形態では、下側走行部87がプーリ部材52と補助プーリ部材53に挟まれた状態であり、下側走行部87の断面形状が自然状態との断面形状と同一又は略同一となる例について説明した。すなわち、下側走行部87が押し潰れていない状態で配されている例について説明した。
しかしながら、プーリ部材52と補助プーリ部材53をより近接する位置に配し、これらに挟まれる下側走行部87が押し付けられた状態(押し潰れた状態)となるようにしてもよい。すなわち、下側走行部87の断面形状が略楕円形となるように一時的に弾性変形した状態となっていてもよい。このとき、補助プーリ部材53に係合溝部72を設けず、下側走行部87が補助プーリ部材53の外周面に押し当てられる構造としてもよい。
【0083】
上記した実施形態のベルトユニット30では、コロ部材51が上下方向にスライド移動するように形成してもよい。例えば、コロ部材51の回転軸が挿通される取付板部50の孔を上下に延びた長孔とし、コロ部材51を上下方向に移動可能な状態で取付板部50に取り付ける。ここで、上記したように、コロ部材51は、弾性を有する無端ベルト55の上に載置された状態となっている。このため、コロ部材51上に搬送物が位置し、搬送物の荷重がコロ部材51にかかると、コロ部材51が無端ベルト55を押圧し、無端ベルト55がより拉げた状態に一時的に変形する。このことから、コロ部材51が一時的に下方に移動した状態となる。また、この状態から、コロ部材51上に搬送物が位置しない状態となると、無端ベルト55の一時的な変形が解除され、コロ部材51が上方に移動する。
【0084】
上記した実施形態では、コロ部材51を一つのコロ(一つのコロ本体部)によって構成されるものとした。しかしながら、本発明のコロ部材は、搬送面を形成するコロ本体部そのものによって構成されるものに限らず、図8で示されるコロ部材351のように、コロ本体部346と、コロ本体部346を回転させるための補助部材347によって構成されたものでもよい。
【0085】
本実施形態の補助部材347は、上記したコロ部材51と同様のものである。つまり、本実施形態コロ部材351は、コロ本体部346、補助部材347(回転体C)からなる2つ(複数)のコロによって構成される。コロ本体部346は、径の異なる円筒状の部分である大径部346aと小径部346bとを有しており、これらが段差を介して連続している。すなわち、コロ本体部346は、段付きのコロ(ローラ、回転体)である。
大径部346aは、搬送面を形成する部分である。小径部346bは、外周面が補助部材347の外周面が接触した状態となっている。そして、上記と同様に、無端ベルト55(上側走行部85)が走行することで、補助部材347が回転する。このことにより、補助部材347と共にコロ本体部346が回転する。
【0086】
以上のように、無端ベルト55は、搬送面を形成するコロ(ローラ、回転体)に直接接触してもよく、他部材(補助部材347)を介して間接的に接触してもよい。すなわち、搬送面を形成するコロ、又は、このコロを回転させるための部材(回転体)と接触していればよい。そして、無端ベルト55は、これらコロ又はコロを回転させるための部材と、他の回転体(プーリ部材52、回転体A)の間で挟まれていればよい。
【符号の説明】
【0087】
1 移載装置
20 主搬送コンベヤ部
21 副搬送コンベヤ部
51,351 コロ部材
52 プーリ部材(回転体A)
53 補助プーリ部材(回転体B)
55 無端ベルト(環状部材)
81 プーリ列部(回転体列部材)
201 カーブコンベヤ装置(コンベヤ装置)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8