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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023035222
(43)【公開日】2023-03-13
(54)【発明の名称】中子、タイヤ及びタイヤ・リム組立体
(51)【国際特許分類】
   B60C 17/04 20060101AFI20230306BHJP
   B60C 15/04 20060101ALI20230306BHJP
【FI】
B60C17/04 A
B60C15/04 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021141888
(22)【出願日】2021-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186015
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100202636
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 麻菜美
(72)【発明者】
【氏名】舘 未来
(72)【発明者】
【氏名】小川 岳
(72)【発明者】
【氏名】山本 雅彦
【テーマコード(参考)】
3D131
【Fターム(参考)】
3D131AA32
3D131AA39
3D131BB01
3D131BB03
3D131BC25
3D131BC32
3D131BC55
3D131BC57
3D131DA15
3D131DA34
3D131DA43
3D131HA14
3D131HA17
3D131JA02
3D131JA08
3D131LA24
3D131LA40
(57)【要約】
【課題】簡易な構成で、より確実にランフラット走行を可能とする、中子、当該中子が内腔内に配設されたタイヤ、及びタイヤ・リム組立体を提供する。
【解決手段】本発明の中子、タイヤ及びタイヤ・リム組立体は、中子1が、タイヤの内腔101内に配設され、中子クラウン部2と、一対の中子サイド部3と、一対の中子ビード部4と、を有し、中子ビード部4に埋設された一対の中子ビードコア5と、一対の中子ビードコア5間に跨って延在する少なくとも一層の中子カーカスプライ6と、中子サイド部3において、中子カーカスプライ6の中子幅方向内側に配置された、サイド補強層7と、を有することを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤの内腔内に配設され、クラウン部と、前記クラウン部の両側に連なる一対のサイド部と、前記一対のサイド部にそれぞれ連なる一対のビード部と、を有する中子であって、
前記ビード部に埋設された一対のビードコアと、
前記一対のビードコア間に跨って延在する少なくとも一層のカーカスプライと、
前記サイド部において、前記カーカスプライの中子幅方向内側に配置された、サイド補強層と、を有することを特徴とする中子。
【請求項2】
少なくとも1つの貫通孔又は前記ビード部に少なくとも1本の連通溝を有する、請求項1に記載の中子。
【請求項3】
前記中子の周方向に直交する断面において、
前記中子の外輪郭は、前記クラウン部と前記一対のサイド部との各境界に角部を有する、請求項1又は2に記載の中子。
【請求項4】
前記ビードコアは、複数のフィラメントを撚り合わせたコードからなる、請求項1~3のいずれか一項に記載の中子。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の中子が内腔内に配設された、タイヤ。
【請求項6】
前記タイヤは、ビードコアを有し、
前記タイヤの前記ビードコアは、複数のフィラメントを撚り合わせたコードからなる、請求項5に記載のタイヤ。
【請求項7】
前記中子の前記一対のビード部は、前記タイヤの一対のビード部のタイヤ幅方向内側にそれぞれ隣接して配置され、
前記タイヤの前記一対のビード部のタイヤ幅方向内側に、前記中子の前記一対のビード部が接続体によって固定されている、請求項5又は6に記載のタイヤ。
【請求項8】
請求項5~7のいずれか一項に記載のタイヤと、前記タイヤが装着されたリムと、を備える、タイヤ・リム組立体。
【請求項9】
前記中子の前記一対のサイド部は、タイヤ径方向に対する傾斜角度が0°~20°で延びている、請求項8に記載のタイヤ・リム組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中子、タイヤ及びタイヤ・リム組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パンク等によってタイヤが故障しても、一定距離を安全に走行(ランフラット走行)するため、タイヤの内部に、車両の荷重を支持するための内部タイヤを設けたタイヤが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第4995438号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来の技術では、内部タイヤ及び外側のタイヤがそれぞれ別のバルブから内圧を充填して使用されていたため、釘等によって、外側のタイヤのみならず、内部タイヤが損傷して内圧が低下してしまうと、車両の荷重を支持できなくなるという問題があった。さらに、内部タイヤ及び外側のタイヤのそれぞれにバルブが必要であることで、空気圧の管理が煩雑であった。
【0005】
そこで、この発明の目的は、簡易な構成で、より確実にランフラット走行を可能とする、中子、当該中子が内腔内に配設されたタイヤ、及びタイヤ・リム組立体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の中子は、
タイヤの内腔内に配設され、クラウン部と、前記クラウン部の両側に連なる一対のサイド部と、前記一対のサイド部にそれぞれ連なる一対のビード部と、を有する中子であって、
前記ビード部に埋設された一対のビードコアと、
前記一対のビードコア間に跨って延在する少なくとも一層のカーカスプライと、
前記サイド部において、前記カーカスプライの中子幅方向内側に配置された、サイド補強層と、を有することを特徴とする。
本発明の中子によれば、簡易な構成で、より確実にランフラット走行を可能とすることができる。
【0007】
本発明の中子においては、少なくとも1つの貫通孔又は前記ビード部に少なくとも1本の連通溝を有することが好ましい。
これにより、内圧充填用のバルブを複数有する特殊なリムを用いずに、より一般的なリムを使用することができるとともに、タイヤ内腔内の内圧管理を簡便に行うことができる。
【0008】
本発明の中子においては、前記中子の周方向に直交する断面において、
前記中子の外輪郭は、前記クラウン部と前記一対のサイド部との各境界に角部を有することが好ましい。
これにより、中子クラウン部のバックリングを効果的に抑制することができる。
【0009】
本発明の中子においては、前記ビードコアは、複数のフィラメントを撚り合わせたコードからなることが好ましい。
これにより、中子ビードコアに塑性変形が生じることを抑制することができるとともに、中子ビードコアの剛性が高くなり過ぎることがなく、リムに装着しやすい。
【0010】
本発明のタイヤは、上記に記載のいずれかの中子が内腔内に配設されている。
本発明のタイヤによれば、簡易な構成で、より確実にランフラット走行を可能とすることができる。
【0011】
本発明のタイヤにおいては、
前記タイヤは、ビードコアを有し、
前記タイヤの前記ビードコアは、複数のフィラメントを撚り合わせたコードからなることが好ましい。
これにより、中子ビード部とタイヤビード部とを連結してリムに装着する場合においても、剛性が高くなり過ぎることなく、リムに装着しやすい。
【0012】
本発明のタイヤにおいては、前記タイヤの前記一対のビード部のタイヤ幅方向内側に、前記中子の前記一対のビード部が接続体によって固定されていることが好ましい。
これにより、中子をタイヤ内腔内に安定的に配設できるとともに、タイヤをリムに装着する場合に、タイヤビード部及び中子ビード部を一体的にリムにフィットさせることができる。
【0013】
本発明のタイヤ・リム組立体は、上記に記載のいずれかのタイヤと、前記タイヤが装着されたリムと、を備えている。
本発明のタイヤ・リム組立体によれば、簡易な構成で、より確実にランフラット走行を可能とすることができる。
【0014】
本発明のタイヤ・リム組立体において、前記中子の前記一対のサイド部は、タイヤ径方向に対する傾斜角度が0°~20°で延びていることが好ましい。
これにより、ランフラット走行状態での中子のたわみを効果的に抑制することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、簡易な構成で、より確実にランフラット走行を可能とする、中子、当該中子が内腔内に配設されたタイヤ、及びタイヤ・リム組立体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係る中子及び中子が内腔内に配設されたタイヤを示す、タイヤ幅方向断面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る中子及び中子が内腔内に配設されたタイヤ、を備える、本発明の一実施形態に係るタイヤ・リム組立体、のタイヤ幅方向に沿う断面を示す断面図である。
図3A】タイヤの通常走行時におけるタイヤ及び中子の状態を説明するための模式図である。
図3B】タイヤの空気圧低下時におけるタイヤ及び中子の状態を説明するための模式図である。
図4】中子ベルト層構造の他の例を説明するための図である。
図5】中子のビード部の連通溝の例について説明するための図である。
図6】中子ビードコア及びタイヤビードコアの構成について説明するための図である。
図7】本発明の一実施形態に係るタイヤ・リム組立体の一部を拡大して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る中子、タイヤ及びタイヤ・リム組立体の実施形態について、図面を参照しながら例示説明する。各図において共通する構成要素には同一の符号を付している。
【0018】
以下、特に断りのない限り、各要素の寸法、長さ関係、位置関係等は、中子をタイヤ内腔内に配設し、タイヤをリムに装着し、所定の内圧を充填し、無負荷とした、基準状態で測定されるものとする。
【0019】
ここで、「リム」とは、例えば、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会)のJATMA YEAR BOOK、欧州ではETRTO (The European Tyre and Rim Technical Organisation)のSTANDARDS MANUAL、米国ではTRA (The Tire and Rim Association, Inc.)のYEAR BOOK等に記載されているまたは将来的に記載される、適用サイズにおけるリム(ETRTOのSTANDARDS MANUALではMeasuring Rim、TRAのYEAR BOOKではDesign Rim)を用いることができる(すなわち、上記の「リム」には、現行サイズに加えて将来的に上記産業規格に含まれ得るサイズも含む。「将来的に記載されるサイズ」の例としては、ETRTOのSTANDARDS MANUAL 2013年度版において「FUTURE DEVELOPMENTS」として記載されているサイズを挙げることができる。)。また、タイヤの構成部材又はタイヤに配設される部材の寸法、形状等に対応した任意のリムを用いることもできる。
また、「所定の内圧」とは、上記のJATMA YEAR BOOK等に記載されている、適用サイズ・プライレーティングにおける単輪の最大負荷能力に対応する空気圧(最高空気圧)をいい、上記産業規格に記載のないサイズの場合は、タイヤを装着する車両ごとに規定される最大負荷能力に対応する空気圧(最高空気圧)をいうものとする。
なお、ここでいう空気は、窒素ガス等の不活性ガスその他に置換することも可能である。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態に係る中子1及び中子1が内腔内に配設されたタイヤ10を示す、タイヤ幅方向断面図である。図1において、タイヤ10は、リム20に装着され、所定の内圧を充填された状態が示されている。図2は、本発明の一実施形態に係る中子1及び中子1が内腔内に配設されたタイヤ10、を備える、本発明の一実施形態に係るタイヤ・リム組立体30、のタイヤ幅方向に沿う断面を示す断面図である。
【0021】
本明細書において、「中子幅方向」及び「タイヤ幅方向」とは、タイヤ10の回転軸と平行な方向をいう。図1において、中子幅方向及びタイヤ幅方向は、矢印Wで示される。また、「中子径方向」及び「タイヤ径方向」とは、タイヤ10の回転軸と直交する方向をいう。図1において、中子径方向及びタイヤ径方向は、矢印Rで示される。
【0022】
本明細書において、タイヤ径方向に沿ってタイヤ10の回転軸に近い側を「タイヤ径方向内側」と称し、タイヤ径方向に沿ってタイヤ10の回転軸から遠い側を「タイヤ径方向外側」と称する。また、タイヤ幅方向に沿ってタイヤ赤道面CLに近い側を「タイヤ幅方向内側」と称し、タイヤ幅方向に沿ってタイヤの赤道面CLから遠い側を「タイヤ幅方向外側」と称する。
【0023】
本明細書において、中子径方向に沿ってタイヤ10の回転軸に近い側を「中子径方向内側」と称し、中子径方向に沿ってタイヤ10の回転軸から遠い側を「中子径方向外側」と称する。また、中子幅方向に沿ってタイヤ赤道面CLに近い側を「中子幅方向内側」と称し、中子幅方向に沿ってタイヤの赤道面CLから遠い側を「中子幅方向外側」と称する。
【0024】
本発明の一実施形態において、タイヤ10の構成は特に限定されない。タイヤ10は、例えば、図1に示すようにトレッド部12(以下、タイヤトレッド部12と称する)と、タイヤトレッド部12の両側に連なる一対のサイド部13(以下、タイヤサイド部13と称する)と、一対のタイヤサイド部13にそれぞれ連なる一対のビード部14(以下、タイヤビード部14と称する)とを有している。タイヤビード部14には、一対のビードコア15(以下、タイヤビードコア15と称する)が埋設されている。そして、タイヤ10は、一対のタイヤビードコア15の間にトロイド状に跨って延在する少なくとも一層(本実施形態においては一層)のカーカスプライ16(以下、タイヤカーカスプライ16と称する)を有し、タイヤカーカスプライ16のクラウン部のタイヤ径方向外側には、少なくとも一層(本実施形態においては二層)のベルト層17(以下、タイヤベルト層17)を有している。また、タイヤビード部14において、タイヤカーカスプライ16で囲まれた領域には、タイヤビードコア15からタイヤ径方向外側へ延びるビードフィラ18が配置されている。
【0025】
図2に示すように、タイヤ・リム組立体30において、タイヤ10は、リム20に装着されている。リム20の構成は特に限定されないが、例えば、図1及び図2に示すように、タイヤ10のタイヤビード部14が装着されるリム本体21と、このリム本体21を保持し車軸に取り付けられるディスク22と、バルブ23とを備えている。なお、図1においては、ディスク22は省略されている。また、JIS-D4102に基づき、リム本体21は、タイヤ10のタイヤビード部14がタイヤ径方向の外側に取り付けられるビードシート部21aと、このビードシート部21aのタイヤ幅方向の両端からタイヤ径方向の外側に突出するリムフランジ21bと、ビードシート部21aの隣に設けられた突起であるハンプ21cと、を有している。
【0026】
図1に示すように、タイヤ10の内部には、タイヤ10のタイヤ内周面100によって内腔101(以下、タイヤ内腔101ともいう)が区画されている。
【0027】
本発明の一実施形態において、タイヤ10の内腔101内に、中子1が配設されている。中子1は、クラウン部2(以下、中子クラウン部2と称する)と、中子クラウン部2の両側に連なる一対のサイド部3(以下、中子サイド部3と称する)と、一対のサイド部3にそれぞれ連なる一対のビード部4(以下、中子ビード部4と称する)とを有している。中子ビード部4には、一対のビードコア5(以下、中子ビードコア5と称する)が埋設されている。そして、中子1は、一対の中子ビードコア5の間に跨って延在する少なくとも一層(本実施形態においては一層)のカーカスプライ6(以下、中子カーカスプライ6と称する)を有している。中子サイド部3においては、中子カーカスプライ6の中子幅方向内側に、サイド補強層7が配置されている。
【0028】
図3Aは、タイヤ10の通常走行時におけるタイヤ10及び中子1の状態を説明するための模式図であり、図3Bは、タイヤ10の空気圧低下時におけるタイヤ10及び中子1の状態を説明するための模式図である。
【0029】
中子1は、図3Aに示すように、タイヤ10の通常走行時においては、タイヤ内周面100と中子1とは非接触である。図3Bに示すように、タイヤ10の内圧が低下すると、中子1とタイヤ内周面100とが接触し、中子1は、タイヤ10からタイヤ径方向内側へ押圧される。中子1がタイヤ径方向内側へ押圧されると、中子1には、圧縮応力及び引張応力が発生して、中子1を変形させる力が生じる。例えば、図3Bに示すように中子1がタイヤ10からタイヤ径方向の外力を受け、中子サイド部がタイヤサイド部13側に変形した際、中子サイド部3の曲げの外側に配置された中子カーカスプライ6には引張応力が発生する。このとき中子カーカスプライ6が引張応力に抵抗することにより、中子1の変形が抑制されるため、中子1はタイヤ10からの外力に抵抗し、タイヤ10のたわみは抑制される。また、中子1の内部では、サイド補強層7が変形することにより圧縮応力が発生する。具体的には、サイド補強層7が外力を受けて縮む方向に変形する場所には、圧縮応力が発生する。このときサイド補強層7はタイヤ10からの外力に抵抗することで、タイヤ10のたわみは抑制される。そうすると、中子1は、内圧が低下したタイヤ10の荷重を中子1の構成部材によって支え、簡易な構成で、より確実にランフラット走行を可能とすることができる。
【0030】
なお、中子1は、上述のとおりタイヤ10の通常走行時にはタイヤ10と非接触であることから、タイヤ10自体のタイヤサイド部13に補強ゴムを備えたタイヤと比較して、本実施形態の中子1を備えた本実施形態のタイヤ10は、通常走行時の縦剛性が大きくなり難く、タイヤの乗り心地性能の低下を防止することができる。
ただし、本実施形態のタイヤ10は、タイヤ10自体のタイヤサイド部13に補強ゴムを備えていてもよい。
【0031】
以下、本実施形態の中子1、タイヤ10及びタイヤ・リム組立体30における、好適な構成や変形例等について、説明する。
【0032】
まず、本実施形態における中子に関連する好適な構成や変形例について説明する。
【0033】
本実施形態において、中子クラウン部2の構成は特に限定されないが、例えば、中子カーカスプライ6の中子径方向外側には、少なくとも一層(本実施形態においては一層)のベルト層8(以下、中子ベルト層8と称する)を設けてもよい。
なお、中子1は、ベルト層を有しない構成とすることもできる。
【0034】
中子ベルト層8は、例えば、複数本のコード(ポリエステル、ナイロン、レーヨン、アラミドなどの有機繊維コードや、スチールコードなどの金属コード等、任意のコード)を被覆ゴムで被覆して形成することができる。
【0035】
中子ベルト層8は、図1に示すように一層からなるものとしてもよいが、図4に示す中子ベルト層8の他の例のように、複数の層(図4においては3層)からなるものとしてもよい。
【0036】
図4は、中子ベルト層構造の他の例を説明するための図である。図4に示す他の例において、中子ベルト層8は、3層のベルトプライ8A、8B及び8Cからなる。ベルトプライ8Aは、中子径方向において最も外側に配置されている。ベルトプライ8Bは、ベルトプライ8Aの中子径方向内側に配置され、ベルトプライ8Cは、ベルトプライ8Bの中子径方向内側に配置されている。
【0037】
ベルトプライ8Aを構成するコード8ACの中子周方向(図4において、タイヤ赤道面CLに対する傾斜角度)に対する傾斜角度θ1は、45°以上とすることが好ましい。
このような構成によれば、傾斜角度θ1を45°未満とするよりも、中子幅方向Wに近い角度となるため、中子幅方向の圧縮剛性が高くなり、バックリング時に発生する最外層のベルトの中子幅方向の圧縮を抑制し、バックリング(中子クラウン部2の中子幅方向中央部分が大きく変形し、タイヤ10の内周面から離間する現象)を抑制できる。
【0038】
また、図4に示す例において、ベルトプライ8Bを構成するコード8BCの中子周方向に対する傾斜角度θ2及びベルトプライ8Cを構成するコード8CCの中子周方向に対する傾斜角度θ3は、特に限定されない。例えば、それぞれ30°以上で、交錯するようにしてもよい。
【0039】
本実施形態において、中子クラウン部2は、中子径方向外側に頂面2aを備えている。中子クラウン部2の頂面2aは、例えば、タイヤ10の内圧低下時に中子1がタイヤ10の荷重を支持する際に、タイヤ内周面100と接触することになる、中子1の全周にわたる外周面を意味する。
【0040】
中子クラウン部2の頂面2aを構成する部分の材質は特に限定されないが、例えば、中子1に中子ベルト層8が設けられている場合には、中子ベルト層8の被覆ゴムによって構成されているものとしてもよい。また、中子1に中子ベルト層が設けられていない場合には、中子カーカスプライ6の被覆ゴムによって構成されているものとしてもよい。また、中子1の中子ベルト層8の有無に関わらず、中子ベルト層8及び中子カーカスプライ6の被覆ゴムよりもタイヤ径方向外側に設けられた、別部材のゴムによって構成されていてもよい。
【0041】
中子1に中子ベルト層8を設けた場合、最もタイヤ径方向外側に配置された中子ベルト層8のコード(コードの被覆ゴムを除く)と、頂面2aとの距離は、製造上の観点から、0.02mm以上とすることが好ましい。
【0042】
なお、中子1に中子ベルト層8を設けない場合、中子クラウン部2における中子カーカスプライ6のカーカスコード(コードの被覆ゴムを除く)と、頂面2aとの距離は、製造上の観点から、0.02mm以上とすることが好ましい。
【0043】
なお、中子クラウン部2の頂面2aには、溝等を設けてもよく、例えば、中子幅方向に延びる溝(図示せず)を設けることもできる。中子クラウン部2の頂面に中子幅方向に延びる溝を設けることによって、中子1の重量を抑えながら、中子1のバックリングを抑制することもできる。
【0044】
中子1の中子カーカスプライ6の材質は特に限定されず、中子カーカスプライ6を構成するカーカスコードとして、ポリエステル、ナイロン、レーヨン、アラミドなどの有機繊維コードや、スチールコードなどの金属コードを採用してもよい。
【0045】
中子1の中子カーカスプライ6の中子径方向内側には、インナーライナーを設けてもよく、設けなくてもよい。タイヤ10のランフラット走行時における荷重支持の観点からは、インナーライナーを設けずに、その重量分をサイド補強層7の増強等に充てることが好ましい。
【0046】
本実施形態の中子1は、少なくとも1つの貫通孔9または中子ビード部4に連通溝90を有することが好適である。
【0047】
本実施形態において、貫通孔9は、図1に示すように、中子クラウン部2において、タイヤ内腔101と中子1の内腔11を導通するように形成されている。このような構成によれば、タイヤ10本体に内圧を充填することによって、貫通孔9を介して中子1もタイヤ10本体と内圧を同等にすることができる。よって、内圧充填用のバルブを複数有する特殊なリムを用いずに、より一般的なリムを使用することができるとともに、タイヤ10の内腔内の内圧管理を簡便に行うことができる。
【0048】
また、貫通孔9の中子1における配置位置は特に限定されないが、中子1のタイヤのランフラット走行時における荷重負担のための支持力の低下を抑制する観点からは、サイド補強層7とサイド補強層7との間、即ち、中子クラウン部2等に配置されることが好ましい。
【0049】
本実施形態において、中子1は、中子ビード部4に少なくとも1本(図示例では1本)の連通溝90を有してもよい。図5は、中子ビード部4の連通溝90の例について説明するための図である。図5に点線で示すように、中子ビード部4に、タイヤ内腔101と中子1の内腔11とを連通する連通溝90を設けることができる。このような構成によれば、タイヤ10本体に内圧を充填することによって、連通溝90を介して、中子1もタイヤ10本体と内圧を同等にすることができ、内圧充填用のバルブを複数有する特殊なリムを用いずに、より一般的なリムを使用することができるとともに、タイヤ10の内腔内の内圧管理を簡便に行うことができる。
【0050】
なお、本実施形態において、リム20には1つのバルブ23が設けられているが、タイヤ10と中子1のそれぞれにバルブを設けてもよい。
【0051】
中子1の開口総面積a1は特に限定されないが、タイヤ内腔101と中子1の内腔11間における熱交換を十分に可能にするため、開口総面積a1が、タイヤ10のエアボリュームに対して、以下の関係を満たすことが好ましい。

a1≧4.35×10 ̄5×[{(タイヤ半径)2-(リム半径)2}×タイヤ断面幅] ...(式1)

なお、上記式1の単位はmmである。
図2において、タイヤ外径はOD1、リム径はRD、タイヤ断面幅はSWと称している。上記式1における「タイヤ半径」とは、タイヤ外径OD1/2の値であり、「リム半径」とは、リム径RD/2の値である。
ここで、中子1の開口総面積a1とは、貫通孔9を設ける場合には、基準状態における、中子1に設けられた各貫通孔9の面積の総和を意味し、各貫通孔9の面積は、中子1の頂面2aの展開図上で測定されるものとする。また、中子1の開口総面積a1とは、連通溝90を設ける場合には、基準状態において、連通溝90の、中子ビード部4の中子幅方向外側とタイヤビード部14とが接触せずに、タイヤ内腔101に開口している部分の、溝面積の総和を意味する。
また、貫通孔9を設ける場合には、開口総面積a1は、中子1の頂面2aの表面積未満とすることが好ましい。ここで、中子1の頂面2aの表面積とは、中子1の頂面2aの展開図上において、タイヤ10の内圧低下時に中子1がタイヤ10の荷重を支持する際に、タイヤ10の内周面と接触することになる、中子1の全周にわたる外周面の面積(貫通孔9が形成された部分の面積も含むものとする)を意味する。
【0052】
本実施形態では、中子1の周方向に直交する断面(中子幅方向断面ともいう)において、中子1の外輪郭は、中子クラウン部2と一対の中子サイド部3との各境界に角部C1を有することが好適である。図1に示すように、中子1の外輪郭は、中子クラウン部2の頂面2aと、一対の中子サイド部3のタイヤ10側(中子幅方向外側)の外表面3aとの境界に、角部C1を有している。本明細書における「角部」とは、中子1の周方向に直交する断面において、中子クラウン部2の頂面2aと、一対の中子サイド部3の外表面3aとがなす角を意味する。
このような構成によれば、図3Bに示すように、タイヤ10の内圧低下時に中子1がタイヤ10の内周面に接触した際に、中子1の角部C1がタイヤ10の内周面に対して突っ張ることで、中子1がタイヤ幅方向に滑るのを防止し、中子クラウン部2のバックリングを効果的に抑制することができる。
【0053】
本実施形態において、中子ビード部4に埋設された中子ビードコア5の構成は特に限定されないが、例えば、図6に示すように、周囲をゴムにより被覆された複数(図6の例においては4段×4列)のビードワイヤ51c(以下、ビードワイヤあるいはビードコードを意味する)を備える。ビードワイヤ51cは、モノワイヤで形成されてもよいが、複数のフィラメントを撚り合わせたコードからなるものとすることが好適である。フィラメントには、ポリエステル、ナイロン、レーヨン、アラミドなどの有機繊維や、スチールなどの金属繊維を用いることができる。ビードワイヤ51cを、複数のフィラメントを撚り合わせたコードで形成した場合、ビードワイヤ51cを、当該コードと同径のモノワイヤで形成した場合と比較して、当該コードの複数のフィラメントの1本1本は、当該モノワイヤよりも相対的に細くなるため、ビードワイヤ51cの曲げ剛性が低くなるとともに、ビードワイヤ51cの塑性変形が起こりにくい。そのため、中子1をタイヤ10に配設する際に、中子ビード部4が変形して、中子ビードコア5に塑性変形が生じることを抑制することができる。さらに、後述するように、中子ビード部4とタイヤビード部14とを連結してリム20に装着する場合においては、中子ビードコア5の剛性が高くなり過ぎることがなく、リム20に装着しやすい。
【0054】
ゴムを除く中子ビードコア5の断面積a2については特に限定されないが、タイヤ10のランフラット走行時における荷重支持の際に、中子カーカスプライ6に発生する張力に耐えうる構成とするとともに、中子ビード部4のリムに対する位置決めができる観点から、リム径RD(inch)に対する中子ビードコア5の断面積a2(mm)の比(以下、比a2/RDともいう)を、0.45mm/inch以上とすることが好ましい。また、中子ビード部4をリム20に装着する場合における、リム20への装着性の観点から、比a2/RDを1.07mm/inch以下とすることが好ましい。より好ましくは、比a2/RDは、0.47mm/inch以上0.90mm/inch以下である。
【0055】
なお、中子1にビードフィラを設けるかどうかは特に限定されない。図1に示す例においては、中子1にはビードフィラ50を設けているが、中子ビードコア5のタイヤ径方向外側に、ビードフィラを設けなくともよい。
【0056】
中子1のサイド補強層7の材質は特に限定されないが、例えばゴムとすることができる。また、サイド補強層7に用いるゴムは、一般にサイド補強型のランフラットタイヤのサイド部を補強する際に用いられるゴムに対して、相対的に硬いゴムとすることが好ましい。タイヤのサイド部に硬いゴムを用いた場合、縦剛性が大きくなり、タイヤの乗り心地性能を低下させる場合があることが知られている。これに対し、中子1は、上述のとおりタイヤ10の通常走行時においてはタイヤ10と非接触であることから、中子1のサイド補強層7に硬いゴムを用いても、通常走行時においてはタイヤ10の乗り心地性能を低下させることを抑制することができる。また、タイヤ10のランフラット走行時においては、中子1の撓みを十分に抑制し、中子1及びタイヤ10の耐久性を確保することができる。
中子1のサイド補強層7に用いるゴムの硬さは、より具体的には、タイヤ10のランフラット走行時における中子1の撓みを十分に防止する観点から、ヤング率を7.9MPa以上とすることが好ましい。
なお、サイド補強層7は、1つの種類のゴムから形成されてもよく、また、複数の種類のゴムから形成されるものとしてもよい。
【0057】
本実施形態において、中子1の一対の中子サイド部3は、タイヤ径方向に対する傾斜角度が0°~20°で延びていることが好ましい。ここで、「タイヤ径方向に対する傾斜角度が0~20度で延びている」とは、タイヤ幅方向断面において、中子サイド部3の中心線が、タイヤ径方向Rに対して0°~20°の傾斜角度で延び、タイヤ径方向外側に向かって、タイヤ幅方向外側へ広がる方向に延びていることを指す。本実施形態において、中子サイド部3の中心線L1(以下、サイド部中心線L1)とは、図1に点線で示すように、中子サイド部3のうち、中子サイド部3と中子クラウン部2との境界近傍を除く、当該境界近傍より中子径方向内側の部分の、厚み中心を結んだ線をいう。当該サイド部中心線L1の構成は特に限定されないが、本実施形態のように、中子1の高さ方向の中心近傍では、中子幅方向外側又は内側に向かって湾曲することなく、ほぼ直線状であることが好ましい。このような構成によれば、タイヤ10のランフラット走行時において、タイヤ10から中子1に対する入力と、リム20から中子1に対する入力が、タイヤ幅方向にずれてしまうことを抑制して、中子サイド部3に発生するモーメントを抑え、たわみを抑制することができる。中子サイド部3が、タイヤ径方向外側に向かってタイヤ幅方向内側に狭まる方向の場合は、中子クラウン部2もバックリングを助長する為、タイヤ径方向外側に向かってタイヤ幅方向外側へ広がる方向とすることが好ましい。
【0058】
本実施形態において、中子1の外径OD2(図2参照)に対する、タイヤ10の内面径ID(図2参照)の比(以下、比ID/OD2ともいう)は、タイヤ10の通常走行時において、タイヤ10が撓んだ時に中子1と接触させないようにする観点からは、1.17超とすることが好ましい。また、タイヤ10のランフラット走行時において、中子1によって十分に撓みを抑制しランフラット耐久性を向上させる観点からは、比ID/OD2を1.21未満とすることが好ましい。
ここで、タイヤ10の内面径IDとは、タイヤ・リム組立体のタイヤ幅方向に沿う断面において、基準状態で、タイヤ内周面100同士のタイヤ径方向における最大距離を意味する。また、中子1の外径OD2とは、タイヤ・リム組立体のタイヤ幅方向に沿う断面において、基準状態で、中子1の頂面2a同士のタイヤ径方向における最大距離を意味する。
【0059】
なお、中子1を構成する、中子カーカスプライ6の被覆ゴム、中子ビードコア5のビードワイヤ51cを被覆するゴム、中子ベルト層8のコードの被覆ゴム等の各ゴム部材の物性等は、特に限定されない。
【0060】
次に、本実施形態におけるタイヤ10に関連する好適な構成について述べる。
【0061】
タイヤ10のタイヤベルト層17は、例えば、複数本のコード(ポリエステル、ナイロン、レーヨン、アラミドなどの有機繊維コードや、スチールコードなどの金属コード等、任意のコード)を被覆ゴムで被覆して形成することができる。
【0062】
タイヤ10のタイヤカーカスプライ16の材質は特に限定されず、タイヤカーカスプライを構成するカーカスコードとして、ポリエステル、ナイロン、レーヨン、アラミドなどの有機繊維コードや、スチールコードなどの金属コードを採用してもよい。
【0063】
本実施形態において、タイヤビード部14に埋設されたタイヤビードコア15の構成は特に限定されないが、例えば、中子ビードコア5と同様に、図6に示すような、周囲をゴムにより被覆された複数(図6においては4段×4列)のビードワイヤ151c(以下、ビードワイヤあるいはビードコードを意味する)を備えるものとしてもよい。ビードワイヤ151cは、モノワイヤで形成されてもよいが、複数のフィラメントを撚り合わせたコードからなるものとすることが好適である。フィラメントには、ポリエステル、ナイロン、レーヨン、アラミドなどの有機繊維や、スチールなどの金属繊維を用いることができる。タイヤビードコア15を、複数のフィラメントを撚り合わせたコードで形成した場合、ビードワイヤ151cを、当該コードと同径のモノワイヤで形成した場合と比較して、当該コードの複数のフィラメントの1本1本は、当該モノワイヤよりも相対的に細くなるため、ビードワイヤ151cの曲げ剛性が低くなる。そのため、中子ビード部4とタイヤビード部14とを連結してリム20に装着する場合において、中子ビードコア5及びタイヤビードコア15の剛性が高くなり過ぎることなく、リム20に装着しやすい。
【0064】
以下、本実施形態におけるタイヤ・リム組立体30に関連する好適な構成等について説明する。
【0065】
図7は、本発明の一実施形態に係るタイヤ・リム組立体30の一部を拡大して示す図である。図7に示すように、本実施形態のタイヤ・リム組立体30において、中子1の一対の中子ビード部4は、タイヤ10の一対のタイヤビード部14のタイヤ幅方向内側にそれぞれ隣接して配置され、タイヤビード部14のタイヤ幅方向内側に、中子ビード部4が接続体40によって固定されていることが好ましい。接続体40による固定の態様は特に限定されないが、例えば、接続体40が、タイヤビード部14のタイヤ幅方向外側から、中子ビード部4の中子幅方向内側に亘って延びて、接続体40は、中子ビード部4の中子幅方向内側に固定されている態様としてもよい。
このような構成によれば、中子ビード部4とタイヤビード部14とが接続体40によって連結されて、中子1をタイヤ内腔101内に安定的に配設できるとともに、タイヤ10をリム20に装着する場合に、タイヤビード部14及び中子ビード部4を一体的にリム20にフィットさせることができる。
【0066】
接続体40を中子ビード部4の中子幅方向内側に固定する手段については特に限定されず、化学的な方法および物理的な方法で固定することができる。例えば、接続体40の中子ビード部4側の端部40e1側を、接着剤、加硫、ステープル(タッカー等)等によって、中子ビード部4の中子幅方向内側に取り付ける構成としてもよい。
【0067】
また、接続体40をタイヤビード部14のタイヤ幅方向外側に固定する手段については特に限定されないが、例えば、接続体40をタイヤビード部14のタイヤ幅方向外側からタイヤ10のビードトウに亘って埋設し、ゴムで挟んで加硫したものとしてもよい。
【0068】
接続体40は、タイヤビード部14のタイヤ幅方向外側から、中子ビード部4の中子幅方向内側に亘って延びるものであれば、延在する範囲は特に限定されない。中子1、タイヤ10及びリム20の連結の耐久性をより高めるためには、接続体40のタイヤビード部14側の端部40e2が、タイヤサイド部13の一部に亘って延びていることが好ましい。
【0069】
なお、接続体40は、中子周方向に亘って連続して延びていてもよく、中子周方向に断続的に配置されていてもよい。
【0070】
本実施形態において、接続体40の材質は特に限定されないが、例えば、平織りのポリエステル等の有機繊維から形成することができる。
【0071】
なお、本発明に係る中子、タイヤ及びタイヤ・リム組立体は、上述した各例のものに限られず、様々な変形例が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明に係るタイヤは、任意の種類のタイヤに利用できるものであるが、好適には、一般的な乗用車タイヤよりも大径のタイヤである、SUVやライトトラック等のタイヤに利用することができる。
【符号の説明】
【0073】
1:中子、 2:中子クラウン部、 3:中子サイド部、 3a:外表面、 4:中子ビード部、 5:中子ビードコア、 6:中子カーカスプライ、 7:サイド補強層、 8:中子ベルト層、 8A、8B、8C:ベルトプライ、 8AC、8BC、8CC:コード、 9:貫通孔、 10:タイヤ、 11:中子内腔、 12:タイヤトレッド部、 12a:タイヤトレッド、 13:タイヤサイド部、 14:タイヤビード部、 15:タイヤビードコア、 16:タイヤカーカスプライ、 17:タイヤベルト層、 18:ビードフィラ、 19:周方向溝、 20:リム、 21:リム本体、 21a:ビードシート部、 21b:リムフランジ、 21c:ハンプ、 22:ディスク、 23:バルブ、 30:タイヤ・リム組立体、 40:接続体、 40e1、40e2:端部、 50:ビードフィラ、 51c、151c:ビードワイヤ、 100:タイヤ内周面、 101:タイヤ内腔
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7