(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023035448
(43)【公開日】2023-03-13
(54)【発明の名称】監視装置、監視システムおよび監視方法
(51)【国際特許分類】
H04N 7/18 20060101AFI20230306BHJP
H04N 23/63 20230101ALI20230306BHJP
G08B 25/00 20060101ALI20230306BHJP
【FI】
H04N7/18 D
H04N7/18 U
H04N7/18 E
H04N5/232 939
H04N5/232 941
G08B25/00 510M
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021142309
(22)【出願日】2021-09-01
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】岩井 和彦
(72)【発明者】
【氏名】山田 伸
【テーマコード(参考)】
5C054
5C087
5C122
【Fターム(参考)】
5C054CA04
5C054CC02
5C054CF06
5C054CF07
5C054CG05
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5C054CG08
5C054CH08
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5C087BB74
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5C122DA11
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5C122FH24
5C122FK23
5C122FK34
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5C122FK37
5C122FK41
5C122FK42
5C122GA34
5C122HA86
5C122HA88
5C122HB01
(57)【要約】
【課題】監視カメラの画角ずれを確実に検知し、その画角ずれ量を簡易に調整して、常に同じ設定状態で監視を継続することができるようにする。
【解決手段】本発明の監視装置は、カメラ101により撮像されたカメラ画像301に基づいて、侵入検知エリアに侵入した発報対象が検出された場合に、警報を発報する画像解析サーバ102を備えた監視装置であって、前記画像解析サーバ102は、前記カメラ画像301(基準画像)を取得し、前記基準画像に含まれる固定物に対応した固定物エリア(基準エリア)を設定させ、前記カメラ画像301(ライブ画像)を取得し、前記ライブ画像に含まれる固定物に対応した固定物エリア(参照エリア)を抽出して、前記基準エリアおよび前記参照エリアの基準位置との比較結果に基づいて画角ずれ量を算出し、前記画角ずれ量を解消する操作を案内する調整画面を含む監視画面を生成して表示する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置により撮像された撮像画像に基づいて、侵入検知エリアに侵入した発報対象が検出された場合に警報を発報するプロセッサを備えた監視装置であって、
前記プロセッサは、
前記撮像画像の基準画像を取得し、前記基準画像に含まれる固定物に対応した基準エリアを設定させ、
前記撮像画像のライブ画像を取得し、前記ライブ画像に含まれる固定物に対応した参照エリアを抽出し、
前記基準エリアおよび前記参照エリアの基準位置との比較結果に基づき、画角ずれ量を算出し、
前記画角ずれ量を解消する操作を案内する画角調整画面を含む監視画面を生成して表示する、
ことを特徴とする監視装置。
【請求項2】
前記基準エリアは、
前記固定物の輪郭に基づいて設定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の監視装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記基準エリアおよび前記参照エリアの基準位置との比較において、侵入検知エリアの絶対位置を介在させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の監視装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記基準エリアの候補である候補基準エリアを複数提示し、任意の前記候補基準エリアを選択するユーザの操作に基づいて、前記基準エリアを設定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の監視装置。
【請求項5】
前記画角調整画面は、
前記撮像装置の向きに関するパラメータを備えており、
前記パラメータを調整するユーザの操作に基づいて、前記画角ずれ量を解消する、
ことを特徴とする請求項1に記載の監視装置。
【請求項6】
前記画角調整画面は、
前記ライブ画像を表示する表示部と、
前記侵入検知エリアおよび前記基準エリアの少なくとも一方を前記ライブ画像上に重畳させる重畳ボタンを備えている、
ことを特徴とする請求項1に記載の監視装置。
【請求項7】
前記画角調整画面は、
さらに、前記基準エリアと、前記パラメータの調整操作後の前記参照エリアとのずれ発生の有無を確認する再表示ボタンを備えている、
ことを特徴とする請求項1に記載の監視装置。
【請求項8】
前記パラメータは、
前記撮像装置の設置日時、撮像装置の名称、IPアドレス、パン、チルト、またはズームをパラメータ項目として備えている、
ことを特徴とする請求項4に記載の監視装置。
【請求項9】
前記画角調整画面は、
前記画角ずれ量の原因となる前記パラメータ項目の表示方法が他の前記パラメータ項目と異なる強調表示を行う、
ことを特徴とする請求項7に記載の監視装置。
【請求項10】
前記監視画面は、
各種設定画面と、前記画角調整画面とを切り替えることができる、画面切り替えタブを備えている、
ことを特徴とする請求項1に記載の監視装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、
前記基準画像の輝度分布と前記ライブ画像の輝度分布との差を算出することで、前記撮像装置に異常が発生しているか否かを判定し、前記異常と判定した場合に、ユーザに故障が発生していることを報知する、
ことを特徴とする請求項1に記載の監視装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、
前記輝度分布として輝度信号平均値を用い、
前記基準画像の前記輝度信号平均値の変化量を算出して、前記変化量が所定の閾値を超える変化である場合に、前記撮像装置に故障が発生していることをユーザに報知する、
ことを特徴とする請求項9に記載の監視装置。
【請求項13】
撮像された撮像画像に基づいて、侵入検知エリアに侵入した発報対象が検出された場合に警報を発報する監視システムであって、
複数の撮像装置と、
前記撮像装置とネットワークを介して接続されているサーバ装置と、
前記サーバ装置から発報された警報を、ネットワークを介して受信する監視端末と、を備え、
前記サーバ装置は、
前記撮像画像の基準画像を取得し、前記基準画像に含まれる固定物に対応した基準エリアを設定させ、
前記撮像画像のライブ画像を取得し、前記ライブ画像に含まれる固定物に対応した参照エリアを抽出し、
前記基準エリアおよび前記参照エリアの基準位置との比較結果に基づき、画角ずれ量を算出し、
前記画角ずれ量を解消する操作を案内する画角調整画面を含む監視画面を生成し、前記監視端末に送信する、
ことを特徴とする監視システム。
【請求項14】
前記監視端末は、
前記サーバ装置から送られてくる情報を表示する表示画面を備えたモバイル端末である、
ことを特徴とする請求項12に記載の監視システム。
【請求項15】
前記サーバ装置は、
前記撮像装置の内、少なくとも1つの前記撮像装置の画角ずれを検知した際に、所定エリア内に設置されている複数の前記撮像装置の各前記ライブ画像を確認できる一覧画面を前記監視端末に送信する、
ことを特徴とする請求項12に記載の監視システム。
【請求項16】
前記サーバ装置は、
前記一覧画面に表示される複数の前記ライブ画像の中から任意の画像を選択するユーザの操作に基づき、前記ライブ画像に対応する前記撮像装置のビューア画面を送信する、
ことを特徴とする請求項14に記載の監視システム。
【請求項17】
前記サーバ装置は、
ユーザにより選択された前記撮像装置の前記ライブ画像、前記撮像装置の前記基準画像、前記撮像装置のパラメータ、または前記撮像装置が画角ずれを発生していることを報知するコメントを有する、前記ビューア画面を送信する、
ことを特徴とする請求項15に記載の監視システム。
【請求項18】
撮像装置により撮像された撮像画像に基づいて、侵入検知エリアに侵入した発報対象が検出された場合に警報の発報処理をプロセッサにより実行する監視方法であって、
前記プロセッサは、
前記撮像画像の基準画像を取得し、前記基準画像に含まれる固定物に対応した基準エリアを設定させ、
前記撮像画像のライブ画像を取得し、前記ライブ画像に含まれる固定物に対応した参照エリアを抽出し、
前記基準エリアおよび前記参照エリアの基準位置との比較結果に基づき、画角ずれ量を算出し、
前記画角ずれ量を解消する操作を案内する画角調整画面を含む監視画面を生成して表示する、
ことを特徴とする監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視カメラの画角ずれを確実に検知し、その画角ずれ量を簡易に調整できるようにした監視装置および監視システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、踏切を撮影する監視カメラの撮像画像に基づき、踏切内に障害物が存在するか否かを監視する装置において、監視カメラの位置変化を検知する専用のジャイロセンサ等を用いることなく、監視カメラが位置変化を起こしているか否かを監視する対象領域を指定し、この対象領域の平常時の基準画像と撮影時の比較画像に含まれる直線部分のずれ量から監視カメラの位置変化量を算出するようにした踏切監視装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術は、監視領域に対象領域を指定し、その対象領域に含まれる直線部分が対象領域の外周と交わる点の相対移動量に基づき、監視カメラが当初位置から位置や姿勢の変化を算出して、位置データを出力して、位置調整に向けた注意信号を発信するものである。
【0005】
そのため、監視領域内に適切な直線部分が存在しない場合や、直線部分が存在する場合でも、その直線部分が遠方に位置する場合、監視カメラの当初位置から位置や姿勢の変化を算出するための対象領域が設定できないという問題があった。特に、ディープラーニングなどの機械学習により構築される画像認識モデル(機械学習モデル)を利用して検知エリア内に侵入する物体等を検知する場合、監視カメラの画角ずれが発生した場合でも、その画角ずれ量を調整し、既に構築された機械学習モデルを再利用できるようにすることが望まれる。しかし、従来の技術では、画角ずれを簡易に調整するための仕組みについて、何ら考慮されていないものであった。
【0006】
そこで、本発明は、このような問題点に鑑みて為されたもので、監視領域における直線部分の有無にかかわらず、監視カメラの画角ずれを確実に検知し、その画角ずれ量を簡易に調整して、常に同じ設定状態で監視を継続することができる監視装置、監視システムおよび監視方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の監視装置は、撮像装置により撮像された撮像画像に基づいて、侵入検知エリアに侵入した発報対象が検出された場合に警報を発報するプロセッサを備えた監視装置であって、前記プロセッサは、前記撮像画像の基準画像を取得し、前記基準画像に含まれる固定物に対応した基準エリアを設定させ、前記撮像画像のライブ画像を取得し、前記ライブ画像に含まれる固定物に対応した参照エリアを抽出し、前記基準エリアおよび前記参照エリアの基準位置との比較結果に基づき、画角ずれ量を算出し、前記画角ずれ量を解消する操作を案内する画角調整画面を含む監視画面を生成して表示する構成とする。
【0008】
また、本発明の監視システムは、撮像された撮像画像に基づいて、侵入検知エリアに侵
入した発報対象が検出された場合に警報を発報する監視システムであって、複数の撮像装置と、前記撮像装置とネットワークを介して接続されているサーバ装置と、前記サーバ装置から発報された警報を、ネットワークを介して受信する監視端末と、を備え、前記サーバ装置は、前記撮像画像の基準画像を取得し、前記基準画像に含まれる固定物に対応した基準エリアを設定させ、前記撮像画像のライブ画像を取得し、前記ライブ画像に含まれる固定物に対応した参照エリアを抽出し、前記基準エリアおよび前記参照エリアの基準位置との比較結果に基づき、画角ずれ量を算出し、前記画角ずれ量を解消する操作を案内する画角調整画面を含む監視画面を生成し、前記監視端末に送信する構成とする。
【0009】
また、本発明の監視方法は、撮像装置により撮像された撮像画像に基づいて、侵入検知エリアに侵入した発報対象が検出された場合に警報の発報処理をプロセッサにより実行する監視方法であって、前記プロセッサは、前記撮像画像の基準画像を取得し、前記基準画像に含まれる固定物に対応した基準エリアを設定させ、前記撮像画像のライブ画像を取得し、前記ライブ画像に含まれる固定物に対応した参照エリアを抽出し、前記基準エリアおよび前記参照エリアの基準位置との比較結果に基づき、画角ずれ量を算出し、前記画角ずれ量を解消する操作を案内する画角調整画面を含む監視画面を生成して表示する構成とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、監視領域における直線部分の有無にかかわらず、監視カメラの画角ずれを確実に検知し、その画角ずれ量を簡易に調整して、常に同じ設定状態で監視を継続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1実施形態に係る監視システムの全体構成図
【
図3】カメラ画像上に設定される侵入検知エリアを示す説明図
【
図5】画角ずれ検知処理における前処理である基準画像登録処理の手順を示すフロー図
【
図9】基準画像登録後の画角ずれ報知処理の手順を示すフロー図
【
図10】基準点を侵入検知エリアの中心点として、また参照点を固定物エリアの各中心点とする場合の概要図
【
図11】基準画像およびライブ画像で共通に設定される侵入検知エリアの基準点と固定物エリアの各参照点との位置関係を比較する場合の概要図
【
図16】輝度異常判定処理および画角ずれ検知処理の概要を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0012】
前記課題を解決するためになされた第1の発明は、撮像装置により撮像された撮像画像に基づいて、侵入検知エリアに侵入した発報対象が検出された場合に警報を発報するプロセッサを備えた監視装置であって、前記プロセッサは、前記撮像画像の基準画像を取得し、前記基準画像に含まれる固定物に対応した基準エリアを設定させ、前記撮像画像のライ
ブ画像を取得し、前記ライブ画像に含まれる固定物に対応した参照エリアを抽出し、前記基準エリアおよび前記参照エリアの基準位置との比較結果に基づき、画角ずれ量を算出し、前記画角ずれ量を解消する操作を案内する画角調整画面を含む監視画面を生成して表示する構成とする。
【0013】
これによると、監視領域における直線部分の有無にかかわらず、監視カメラの画角ずれを確実に検知し、その画角ずれ量を簡易に調整して、常に同じ設定状態で監視を継続することができる。
【0014】
また、第2の発明は、前記基準エリアは、前記固定物の輪郭に基づいて設定する構成とする。
【0015】
これによると、固定物の輪郭に基づいた候補枠が表示されるため、ユーザは、固定物の全体を確実に含む基準エリアを設定することができる。
【0016】
また、第3の発明は、前記プロセッサは、前記基準エリアおよび前記参照エリアの基準位置との比較において、侵入検知エリアの絶対位置を介在させる構成とする。
【0017】
これによると、プロセッサによって、位置変動を生じない侵入検知エリアの絶対位置と基準エリアの基準位置の距離と、前述した絶対位置と参照エリアの基準位置の距離との比較を行うため、監視カメラの画角ずれを確実に検知することができる。
【0018】
また、第4の発明は、前記プロセッサは、前記基準エリアの候補である候補基準エリアを複数提示し、任意の前記候補基準エリアを選択するユーザの操作に基づいて、前記基準エリアを設定する構成とする。
【0019】
これによると、プロセッサによって、自動検出される固定物の輪郭に基づく候補枠を複数表示されるため、ユーザは、監視領域における固定物を速やかに確認することができ、また簡易に基準エリアを設定することができる。
【0020】
また、第5の発明は、前記画角調整画面は、前記撮像装置の向きに関するパラメータを備えており、前記パラメータを調整するユーザの操作に基づいて、前記画角ずれ量を解消する構成とする。
【0021】
これによると、画角調整画面上に、監視カメラの向きに関するパラメータ(パン、チルト等)が表示されるため、ユーザは、表示されたパラメータを操作することにより、監視カメラの画角ずれ量を簡易かつ速やかに調整することができる。
【0022】
また、第6の発明は、前記画角調整画面は、前記ライブ画像を表示する表示部と、前記侵入検知エリアおよび前記基準エリアの少なくとも一方を前記ライブ画像上に重畳させる重畳ボタンを備えている構成とする。
【0023】
これによると、侵入検知エリアおよび基準エリアの少なくとも一方が、ライブ画像上に重畳されるため、ユーザは、直感的にどの程度の画角ずれが発生しているのかを確認することができる。
【0024】
また、第7の発明は、前記画角調整画面は、さらに、前記基準エリアと、前記パラメータの調整操作後の前記参照エリアとのずれ発生の有無を確認する再表示ボタンを備えている構成とする。
【0025】
これによると、画角調整画面上に表示される基準エリアとパラメータの調整操作後の参照エリアの重なり具合を確認することで、ユーザは、画角ずれの修正具合を直感的かつ簡易に確認することができる。
【0026】
また、第8の発明は、前記パラメータは、前記撮像装置の設置日時、撮像装置の名称、IPアドレス、パン、チルト、またはズームをパラメータ項目として備えている構成とする。
【0027】
これによると、画角調整画面上に、監視カメラの設置日時、監視カメラの名称、IPアドレス、パン、チルト、またはズームに関する情報が表示されるため、ユーザは、監視カメラの設置状態等を、複雑な操作を要することなく簡易に確認することができる。
【0028】
また、第9の発明は、前記画角調整画面は、前記画角ずれ量の原因となる前記パラメータ項目の表示方法が他の前記パラメータ項目と異なる強調表示を行う構成とする。
【0029】
これによると、画角ずれの原因となっている監視カメラのパラメータ項目の表示方法が他の前記パラメータ項目と異なるため、ユーザは、監視カメラのどのパラメータに異常が発生しているのかを簡易かつ速やかに把握することができる。
【0030】
また、第10の発明は、前記監視画面は、各種設定画面と、前記画角調整画面とを切り替えることができる、画面切り替えタブを備えている構成とする。
【0031】
これによると、監視画面の表示を任意の画面に切り替えることができるため、ユーザは、好きなタイミングで基準エリアの確認、修正または変更を行うことができる。
【0032】
また、第11の発明は、前記プロセッサは、前記基準画像の輝度分布と前記ライブ画像の輝度分布との差を算出することで、前記撮像装置に異常が発生しているか否かを判定し、前記異常と判定した場合に、ユーザに故障が発生していることを報知する構成とする。
【0033】
これによると、プロセッサによって監視カメラが故障している旨がユーザに報知されるため、ユーザは、速やかに監視カメラの交換作業に移ることができ、監視カメラの侵入検知処理および画角ずれ検知処理を適切に実施できる状態に戻すことができる。
【0034】
また、第12の発明は、前記プロセッサは、前記輝度分布として輝度信号平均値を用い、前記基準画像の前記輝度信号平均値の変化量を算出して、前記変化量が所定の閾値を超える変化である場合に、前記撮像装置に故障が発生していることをユーザに報知する構成とする。
【0035】
これによると、監視カメラの故障を効率的に検出することができるため、ユーザの目視確認等の負担を減らすことができる。
【0036】
また、第13の発明は、撮像された撮像画像に基づいて、侵入検知エリアに侵入した発報対象が検出された場合に警報を発報する監視システムであって、複数の撮像装置と、前記撮像装置とネットワークを介して接続されているサーバ装置と、前記サーバ装置から発報された警報を、ネットワークを介して受信する監視端末と、を備え、前記サーバ装置は、前記撮像画像の基準画像を取得し、前記基準画像に含まれる固定物に対応した基準エリアを設定させ、前記撮像画像のライブ画像を取得し、前記ライブ画像に含まれる固定物に対応した参照エリアを抽出し、前記基準エリアおよび前記参照エリアの基準位置との比較結果に基づき、画角ずれ量を算出し、前記画角ずれ量を解消する操作を案内する画角調整画面を含む監視画面を生成し、前記監視端末に送信する構成とする。
【0037】
これによると、第1の発明と同様に、常に同じ設定状態で監視を継続することができる。
【0038】
また、第14の発明は、前記監視端末は、前記サーバ装置から送られてくる情報を表示する表示画面を備えたモバイル端末である構成とする。
【0039】
これによると、ユーザは、特定のエリア内に限らずいかなる場所において、画角ずれの発生を速やかに確認することができる。
【0040】
また、第15の発明は、前記サーバ装置は、前記撮像装置の内、少なくとも1つの前記撮像装置の画角ずれを検知した際に、所定エリア内に設置されている複数の前記撮像装置の各前記ライブ画像を確認できる一覧画面を前記監視端末に送信する構成とする。
【0041】
これによると、所定エリア内に設置されている複数の監視カメラの各ライブ画像を一覧で表示されるため、ユーザは、複数の監視カメラの撮影状況を簡易に確認することができ、また、直感的に画角ずれを発生している監視カメラを把握することができる。
【0042】
また、第16の発明は、前記サーバ装置は、前記一覧画面に表示される複数の前記ライブ画像の中から任意の画像を選択するユーザの操作に基づき、前記ライブ画像に対応する前記撮像装置のビューア画面を送信する構成とする。
【0043】
これによると、複数の監視カメラのライブ画像の中から任意の監視カメラのライブ画像を選択することで、ユーザは、任意の監視カメラの設定状態等を簡易かつ速やかに確認することができる。
【0044】
また、第17の発明は、前記サーバ装置は、ユーザにより選択された前記撮像装置の前記ライブ画像、前記撮像装置の前記基準画像、前記撮像装置のパラメータ、および前記撮像装置が画角ずれを発生していることを報知するコメントを有する、前記ビューア画面を送信する構成とする。
【0045】
これによると、ビューア画面上に、任意の監視カメラのライブ画像と基準画像が表示されるため、ユーザは、直感的に画角ずれを把握することができる。また、サーバ装置において画角ずれが検出されている場合、ビューア画面上に、画角ずれを発生していることを報知するコメントも表示されるため、ユーザは、画角ずれが適切に修正されない状態が放置されることを避けることができる。
【0046】
また、第18の発明は、撮像装置により撮像された撮像画像に基づいて、侵入検知エリアに侵入した発報対象が検出された場合に警報の発報処理をプロセッサにより実行する監視方法であって、前記プロセッサは、前記撮像画像の基準画像を取得し、前記基準画像に含まれる固定物に対応した基準エリアを設定させ、前記撮像画像のライブ画像を取得し、前記ライブ画像に含まれる固定物に対応した参照エリアを抽出し、前記基準エリアおよび前記参照エリアの基準位置との比較結果に基づき、画角ずれ量を算出し、前記画角ずれ量を解消する操作を案内する画角調整画面を含む監視画面を生成して表示する構成とする。
【0047】
これによると、第1の発明と同様に、常に同じ設定状態で監視を継続することができる。
【0048】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、下記に開示される実施の形態はすべて例示であって、本開示に係る監視装置および監視システムに制限を加
える意図はない。
【0049】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る監視システムの全体構成図である。
【0050】
監視システムは、通常、撮像装置により撮像された撮像画像に基づいて、ディープラーニングなどの機械学習により構築される画像認識モデル(機械学習モデル)を利用して侵入検知エリア内に出現した人物を発報対象として検知し、侵入検知エリアに侵入した発報対象が検出された場合に警報を発報するものである。なお、発報対象の検知は、人物の全身が侵入検知エリアに出現した場合に限らず、体の一部が侵入検知エリアに出現した場合に検知してもよい。また、発報対象の人物の姿勢(例として転倒)や、状態(例として体温や心拍数)を基に検知してもよい。
【0051】
第1実施形態に係る監視システムは、前述した通常機能に加え、撮像装置により撮像された撮像画像に基づいて、撮像装置の画角ずれを検知して、その旨を監視員(ユーザ)に報知するものである。この監視システムは、複数のカメラ101(撮像装置)と、画像解析サーバ102(画角ずれ検出装置)と、監視端末103(報知装置)を備えている。カメラ101と、画像解析サーバ102と、監視端末103は、ネットワークを介して相互に接続されている。
【0052】
カメラ101は、屋内外の所定の監視領域ごとに設置される。カメラ101は、監視領域として、人や動物等の発報対象の侵入を検知する領域である侵入検知領域、および、侵入検知領域付近に設置されている固定物を撮影する。カメラ101は、監視領域を撮影したカメラ画像を、ネットワークを介して画像解析サーバ102に送信する。
【0053】
画像解析サーバ102は、カメラ101が設置される店舗等の機器室やデータセンター等に設置される。画像解析サーバ102は、監視領域のカメラ画像をカメラ101から取得して、サーバ内に事前登録されている監視領域の基準画像と比較することにより、カメラ101の画角ずれを検知する処理(画角ずれ検知処理)を行う。また、画像解析サーバ102は、画角ずれを検知すると、その旨をユーザに報知する処理を行う。具体的には、監視端末103に所定の報知動作を行うように指示する。なお、画像解析サーバ102の機能は、クラウドコンピュータにより実現されるものであってもよい。
【0054】
監視端末103は、カメラ101が設置された店舗等の事務室などに設置される。監視端末103は、例えば、PCに画角ずれ検知用のアプリケーションをインストールすることで実現することができる。監視端末103では、画像解析サーバ102からの指示に応じて、画角ずれが発生していることを店舗等の従業員(ユーザ)に知らせる報知動作として、報知画面が表示される。なお、監視端末103は、スマートフォンやタブレット端末などのモバイル端末であってもよい。モバイル端末では、画角ずれが発生していることをユーザに知らせる報知動作として、報知画面の表示やアラーム音の出力や振動の出力が行われる。
【0055】
なお、本実施形態では、店舗等の屋内に設置されたカメラ101の画角ずれを検知して係員に報知するものとしたが、カメラ101の設置場所は屋内に限定されない。例えば、遊園地等の野外に設置されたカメラ101の画角ずれを検知して係員(ユーザ)に報知するものであってもよい。
【0056】
次に、第1実施形態に係る画像解析サーバ102で行われる画角ずれ検知処理について説明する。
図2は、カメラの撮影状況を示す説明図である。
図3は、カメラ画像上に設定される侵入検知エリアを示す説明図である。
図4は、画角ずれ検知処理の概要を示す説明
図である。
【0057】
図2に示すように、カメラ101は、監視領域として、屋内の侵入検知エリア201、および、侵入検知エリア201付近に設置されている固定物を撮像する。なお、カメラ101が複数設置されて、その複数のカメラ101により、屋内の全域が漏れなく撮影されることで、画角ずれ検出処理における死角をなくして検知漏れを防止するものとしてもよい。
【0058】
カメラ101の画角は、様々な原因によりずれることがある。例えば、パン・チルト機能を有するカメラ101で誤操作が行われることで、カメラ101の画角がずれることがある。また、清掃や点検などの際に作業者がカメラ101に接触することで、カメラ101の画角がずれることがある。
【0059】
なお、本実施形態において、カメラ101の画角とは、カメラ101により実際に撮影される被写体の範囲を表し、撮影条件としてのカメラ101の向き(姿勢)に関するものである。さらに、ズーム機能を有するカメラ101では、撮影条件としてのズーム倍率、すなわち、レンズの光軸を中心にした撮影範囲の広さが含まれる。
【0060】
ところで、侵入検知処理は、画像認識モデル(機械学習モデル)を用いて行われる。カメラ101の画角がずれると、カメラ101の撮影範囲が、カメラ設置時の画角202から画角ずれ発生時の画角203へと変化するため、カメラ画像上に設定された被写体がずれて、侵入検知エリア201に侵入する発報対象を検知する精度が低下する。精度を改善するためには、技術者が画像認識モデルのパラメータを調整し直したり、あるいは、時間をかけて学習データを収集して学習をやり直したりする必要がある。しかしながら、このような手法は大変手間のかかるものであり、調整にかかる負担が大きい。
【0061】
そこで、本実施形態では、画像解析サーバ102は、まず
図3に示すような、侵入検知エリア201、および、侵入検知エリア201付近に設置されている固定物302が撮像領域内に含まれるカメラ画像301を取得する。続いて、画像解析サーバ102は、カメラ画像301に基づいて、屋内に設置されているカメラ101の画角ずれを検知する処理(画角ずれ検知処理)を行い、監視端末103を介して画角ずれが発生したことをユーザに報知する。ユーザは、画像解析サーバ102から報知された情報を基に、監視端末103を介してカメラ101の画角ずれを修正する。なお、画角ずれの修正はユーザ自らが行ってもよいし、本実施形態のシステムが自動で行ってもよい。
【0062】
具体的に、画角ずれ検知処理は、
図4に示すように、画像解析サーバ102内で行われる。画像解析サーバ102は、画角ずれ検知処理を行うために、カメラ101より一定時間間隔で送らせてくる監視領域のライブ画像との比較対象となる基準画像を設定する処理(基準画像登録処理)を行う。
【0063】
画像解析サーバ102に設けられているカメラ画像取得部401が、カメラ101からカメラ画像301を取得する。カメラ画像取得部401は、取得したカメラ画像301を基準画像設定部402に送信する。基準画像設定部402は、カメラ画像301を取得後、監視端末103を介してユーザの操作を反映し、カメラ画像301を基に基準画像の設定を行う。基準画像設定部402は、基準画像の設定後、基準画像を基準画像蓄積部403に送信する。基準画像蓄積部403は、取得した基準画像を、カメラ101より一定時間間隔で送らせてくる監視領域のライブ画像との比較対象として保管する。なお、基準画像蓄積部403は、画像解析サーバ102の外に設けても良く、例えば、カメラ101に設けられたメモリ(図示せず)を基準画像蓄積部403として利用することができる。
【0064】
基準画像登録処理後、画像解析サーバ102は、カメラ101から一定時間間隔でカメラ画像301を取得する。カメラ画像取得部401は、取得したカメラ画像301を画像解析サーバ102に設けられている固定物エリア検知部404に送信する。固定物エリア検知部404は、カメラ画像301を取得後、カメラ画像301に含まれる固定物エリアを検出する。ここでカメラ画像301に含まれる固定物は、公知のディープラーニングによる物体認識技術を用いて認識することができる。そして、認識した固定物に対応した固定物エリアを検出後、画像解析サーバ102は、画角変更判定部405において、カメラ画像301から検出された固定物エリアの中心座標または各頂点の座標と基準画像登録処理で設定されている固定物エリアの中心座標または各頂点の座標とを比較し、画角ずれが発生しているか否かの判定を行う。画像解析サーバ102は、画角変更判定部の判定結果を基に、画角ずれの発生および画角ずれの度合い(移動座標)を、監視端末103を介してユーザに報知する。
【0065】
ユーザは、監視端末103を介して、カメラ101の画角ずれの度合いを確認することが出来る。画角ずれの度合いを確認後、ユーザは監視端末103を介してカメラ101の画角ずれを基準画像設定部402において修正することができ、修正後のカメラ画像301を登録処理することにより、修正後のカメラ画像301を基準画像として基準画像蓄積部403に更新することが出来る。ここで、更新された基準画像は、画角ずれが発生する前の基準画像と同等に再現されるため、ディープラーニングなどの機械学習により構築される画像認識モデル(機械学習モデル)は、そのまま継続利用して侵入検知エリア内に出現した発報対象を検知することができる。
【0066】
これにより、カメラ101の画角ずれが発生した場合であっても、ユーザは画像認識モデルのパラメータの再調整や再学習を行うことなく、カメラ101の画角ずれを速やかに修正することが可能となり、結果として、画像認識モデルを利用した侵入検知判定を精度よく行うことができる。
【0067】
次に、第1実施形態に係る画像解析サーバ102で行われる画角ずれ検知処理について説明する。
【0068】
本実施形態では、まず、画角ずれ検知処理を行うために、カメラ101より一定時間間隔で送らせてくる監視領域のカメラ画像301との比較対象となる基準画像の設定を行う必要がある。
図5は、画角ずれ検知処理における前処理である基準画像登録処理の手順を示すフロー図である。
【0069】
基準画像の設定登録は、監視端末103を介してユーザによって行われる。基準画像登録時、監視端末103では、
図6に示すような、基本設定画面601が、ユーザ操作画面として表示される。
【0070】
基本設定画面601には、ライブ画像表示部602が設けられている。ライブ画像表示部602には、カメラ101が撮像した監視領域のカメラ画像301が表示される。画像解析サーバ102は、カメラ101よりカメラ画像301を取得し、監視端末103を介してユーザにカメラ画像301を表示する。(ST101)
【0071】
次に、ユーザは、ライブ画像表示部602に表示されるカメラ画像301の確認を行い、基準画像として登録可能な画像かどうかを判断する。(ST102)
【0072】
図6において、基本設定画面601には、カメラ情報取得ボタン604が設けられている。ユーザは、カメラ情報取得ボタン604を押下することでカメラパラメータ603を取得することが出来る。カメラパラメータ603には、カメラ101を設置した日時、カ
メラ101の名称、IPアドレス、パン・チルト・ズーム等の情報が含まれる。
【0073】
ユーザは、カメラ画像301を基準画像として登録するのに適切でない画像であると判断する場合、カメラパラメータ603を操作することにより、カメラ101のパン・チルト等を調整することができる。(ST103)
【0074】
ST103にてカメラ101のパン・チルト等を調整することにより、画像解析サーバ102がカメラ101のパラメータ調整後のカメラ画像301を取得するため、ユーザはST102の作業を再度行う。なお、ST101からST103までの作業は、カメラ101から取得される画像が、基準画像として登録するのに適切な画像であるとユーザが判断するまで繰り返し行うことが出来る。
【0075】
カメラ画像301が基準画像として登録するに値する画像である場合、ユーザは、基本設定画面601に設けられている設定保存ボタン605を押下することで、カメラ画像301を基準画像として、カメラパラメータ603と紐づけて保存することができる。
【0076】
また、基本設定画面601には、重畳ボタン606が設けられている。ユーザは、重畳ボタン606を押下することで、ライブ画像表示部602に表示されるカメラ画像301上に、侵入検知エリア201および固定物エリア608(基準エリア)の少なくとも一方に対応した枠画像を重畳することが出来る。侵入検知エリア201および固定物エリア608の設定に関しては後述する。
【0077】
ユーザは、基本設定画面601に設けられている、画面切り替えタブ607を押下することで、監視端末103において、ユーザが表示を希望する画面に切り替えることができる。例えば、ユーザが、画面切り替えタブ607の侵入検知エリアのタブを押下した場合、
図7に示すような、侵入検知エリア設定画面701に切り替わる。なお、基本設定画面601が表示されている状態で、ユーザが設定保存ボタン605を押下した場合、監視端末103の画面が、侵入検知エリア設定画面701に自動で切り替わるような仕様であってもよい。
【0078】
侵入検知エリア設定画面701には、ライブ画像表示部602が設けられている。ライブ画像表示部602には、基本設定画面601で登録された基準画像が表示される。
【0079】
侵入検知エリア設定画面701では、ユーザは、ライブ画像表示部602に表示されている基準画像上に、人や動物等の発報対象を検知する侵入検知エリア201を設定することができる。(ST104)
【0080】
ユーザは、検知エリア設定画面701に設けられている侵入検知エリア設定部702を操作することで侵入検知エリア201を設定することが出来る。具体的には、ユーザは、侵入検知エリア設定部612の侵入検知エリアの欄に設けられている追加ボタン703を押下した後、ライブ画像表示部602に表示されている基準画像を押下して任意の4点を設定することで、矩形状の侵入検知エリア201を設定することが出来る。なお、侵入検知エリア201の設定方法は、ユーザが基準画像上に任意の4点を設定する方法に限られず、種々の手法を採用することができる。また、侵入検知エリア201の形状は楕円や星形等でもよく、矩形に限られない。また、複数の侵入検知エリア201を設定してもよい。
【0081】
ユーザは、侵入検知エリア201の設定を完了した場合、侵入検知エリア設定部702の侵入検知エリアの欄に設けられている設定ボタン704を押下することで、侵入検知エリア201の設定を完了することが出来る。また、ユーザは、設定した侵入検知エリア2
01を削除したい場合、侵入検知エリア設定部702の侵入検知エリアの欄に設けられている削除ボタン705を押下することで、設定を完了していた侵入検知エリア201を削除することが出来る。
【0082】
また、ユーザは、侵入検知エリア設定部702を操作することで、検知マスクエリアを設定することが出来る。なお、本実施形態において、検知マスクエリアとは、侵入検知エリア201内であるが、検知処理を行わない領域のことである。検知マスクエリアの該当例としては、侵入検知エリア201内に発報対象の写ったポスター等が存在する場合に、当該ポスター等の領域を検知処理エリアから除外する等が挙げられる。
【0083】
ユーザは、侵入検知エリア設定部702を操作して、侵入検知エリア201や検知マスクエリア、また人物検出感度の設定を終えた場合、侵入検知エリア設定画面701に設けられている設定保存ボタン706を押下することで、侵入検知エリア201等の設定状態を、ライブ画像表示部602に表示されている基準画像と紐づけて保存することができる。なお、侵入検知エリア201に頻繁に出入りする店舗関係者等は、発報対象から除外する必要があるため、発報対象除外の機械学習データ等を追加しておくとよい。
【0084】
また、侵入検知エリア設定画面701には、固定物エリア重畳ボタン707が設けられている。ユーザは、固定物エリア重畳ボタン707を押下することで、ライブ画像表示部602に表示されるカメラ画像301上に、固定物エリア608に対応した枠画像を重畳することが出来る。固定物エリア608の設定に関しては後述する。
【0085】
ユーザは、侵入検知エリア設定画面701に設けられている、画面切り替えタブ607を押下することで、監視端末103において、ユーザが表示を希望する画面に切り替えることができる。例えば、固定物エリアのタブを押下した場合、
図8に示すような、画角固定物エリア設定画面801に切り替わる。なお、侵入検知エリア設定画面701が表示されている状態で、ユーザが設定保存ボタン706を押下した場合、監視端末103の画面が、固定物エリア設定画面801に自動で切り替わるような仕様であってもよい。
【0086】
固定物エリア設定画面801には、ライブ画像表示部602が設けられている。ライブ画像表示部602には、基本設定画面601で登録された基準画像が表示される。
【0087】
固定物エリア設定画面801では、ユーザは、ライブ画像表示部602に表示されている基準画像上に、監視領域内に設置されている時計や扉、また床のタイル等の領域を示す固定物エリア608を設定することができる。(ST105)
【0088】
固定物エリア608は、固定物エリア設定画面801に設けられている、固定物エリア設定部802を操作することで設定することができる。具体的には、固定物エリア設定部802の固定物エリアの欄に設けられている追加ボタン803を押下して、侵入検知エリア201設定時と同様の操作を行うことで、固定物エリア608を設定することが出来る。なお、固定物エリア608の設定方法は、ユーザが任意の4点を設定する手法に限らず、画像解析サーバ102によって自動検出される固定物の輪郭に基づく候補枠を表示させ、侵入検知エリア201から近い順に自動で選択してもよいし、また候補枠の中からユーザが選択して設定してもよい。なお、固定物の輪郭は、矩形、多角形または曲線を使用した図形であってもよい。また、候補枠は、固定物の輪郭を含んだ枠であるものとする。
【0089】
ユーザは、固定物エリア608の設定を完了したと判断する場合、固定物エリア設定部802の固定物エリアの欄に設けられている設定ボタン804を押下することで、固定物エリア608の設定を完了することが出来る。また、ユーザは、設定した固定物エリア608を削除したい場合、固定物エリア設定部802の固定物エリアの欄に設けられている
削除ボタン805を押下することで、設定を完了していた固定物エリア608を削除することが出来る。なお、ライブ画像に写る移動可能な物体(植木鉢等)は、ユーザの判断で固定物エリア608から除かれる。
【0090】
また、ユーザは、基準画像から固定物を複数選択することができ、3つ以上選択することも可能である。なお、選択する固定物は1つであってもよいが、固定物を複数選択し、多視点での画角ずれ量を把握することで、誤検知を減らすことができる。
【0091】
ユーザは、固定物エリア608等の設定を終えた場合、固定物エリア設定画面801に設けられている設定保存ボタン806を押下することで、検知エリア等の設定状態を基準画像と紐づけて保存することができる。
【0092】
また、固定物エリア設定画面801には、侵入検知エリア重畳ボタン807が設けられている。ユーザは、侵入検知エリア重畳ボタン807を押下することで、ライブ画像表示部602に表示されるカメラ画像301上に、侵入検知エリア201に対応した枠画像を重畳することが出来る。
【0093】
このように、ユーザが、ST102からST105までの処理を行うことにより、画角ずれ検知処理に用いられる基準画像の登録が完了となる。(ST106)
【0094】
図6、
図7および
図8に示すように、ユーザは、基本設定画面601、侵入検知エリア設定画面701および固定物エリア設定画面801の各種設定画面に設けられている、画面切り替えタブ607を押下することで、監視端末103において、ユーザが表示を希望する画面に切り替えることができる。これにより、ユーザは、好きなタイミングで基準画像の修正または変更を行うことができる。
【0095】
なお、本実施形態では、ST104の処理後にST105の処理を行っているが、これに限定されず、手順が入れ替わってもよい。
【0096】
続いて、基準画像登録処理で登録した基準画像を用いて行われる、画角ずれ検知処理について説明する。
図9は、基準画像登録後の画角ずれ報知処理の手順を示すフロー図である。
【0097】
基準画像登録後の画角ずれ検知処理は、画像解析サーバ102内で行われる。画像解析サーバ102は、カメラ101によって撮像された監視領域のカメラ画像301を一定時間間隔で取得する。(ST201)
【0098】
画像解析サーバ102は、取得したカメラ画像301から複数(例えば、3つ)の固定物エリア608’(参照エリア)を検出して、基準画像で設定された侵入検知エリアの中心点または各頂点と、検出された固定物エリア608’の中心点または頂点間の距離を算出する。(ST202)
【0099】
なお、複数の固定物エリア608’を検出することとしたが、これに限定されず、検出する固定物エリア608’は1つであってもよい。また、監視領域を移動する人物や荷物を検知することで、固定物エリア608の各頂点の隠蔽の有無を判定して、隠蔽されている固定物エリア608の中心点および頂点は、距離算出に用いない仕様であってもよい。
【0100】
ST202の後、画像解析サーバ102は、基準画像で設定した侵入検知エリア201の中心点または各頂点と、基準画像で設定した固定物エリア608の中心点または頂点間の距離を算出する。(ST203)
【0101】
なお、ST203の算出時に選択される固定物は、公知の物体認識の同定処理により、ST202の算出時にカメラ画像301から検出される固定物と同一のものを選択するものとする。
【0102】
ここで、画角ずれが発生しているかどうかを判断する方法について説明する。本実施形態では、基準画像およびライブ画像で共通に設定される侵入検知エリア201の中心点(P4)と、複数(ここでは、3つ)の固定物エリア608の中心点の距離を算出し、その距離の変化を検知することで、画角ずれが発生しているかどうかを検知する。
図10は、基準点(絶対位置)を侵入検知エリアの中心点として、また参照点(基準位置)を固定物エリアの各中心点とする場合の概要図である。
【0103】
図10(a)は、画像解析サーバ102がカメラ101より取得するカメラ画像301(ライブ画像)である。画像解析サーバ102は、カメラ画像301から複数(ここでは、3つ)の固定物エリア608’(破線枠)を検出する。なお、固定物エリア608’(破線枠)の検出は、侵入検知エリア201から近い順に選択される手法であってもよい。
【0104】
複数の固定物エリア608’(破線枠)を検出した後、画像解析サーバ102は、各固定物エリア608’(破線枠)に中心点を設定する。例えば、各固定物エリア608’(破線枠)をP1、P2およびP3とした場合、各固定物エリアP1、P2およびP3の各中心点は、P1A、P2AおよびP3Aとして設定される。
【0105】
画像解析サーバ102は、各固定物エリア608’(破線枠)の中心点と、基準画像登録処理において、ユーザによって設定されている侵入検知エリア201の中心点の距離を算出する。具体的には、侵入検知エリア201の中心点をP4として、画像解析サーバ102は、P1AとP4との距離L1A、P2AとP4との距離L2A、および、P3AとP4との距離L3Aを算出する。
【0106】
図10(b)は、基準画像登録処理でユーザが設定登録した基準画像1001である。基準画像1001には、基準画像登録処理において、侵入検知エリア201および複数の固定物エリア608がユーザによって設定されている。また、各固定物エリア608(実線枠)の中心点が、参照点として保存されている。例えば、侵入検知エリア201中心点はP4として、また各固定物エリア608(実線枠)をP1’、P2’およびP3’とした場合、各固定物エリアP1’、P2’およびP3’の各中心点は、P1A’、P2A’およびP3A’のように参照点として保存されている。
【0107】
画像解析サーバ102は、基準画像登録処理において設定されている固定物エリア608(実線枠)の中から、カメラ画像301から検出された固定物エリア608’(破線枠)と同じものを選択し、各固定物エリア608(実線枠)の中心点と、侵入検知エリア201の中心点と距離を算出する。具体的には、画像解析サーバ102は、P1A’とP4との距離L1A’、P2A’とP4との距離L2A、および、P3A’とP4との距離L3A’を算出する。
【0108】
画像解析サーバ102は、カメラ画像301を基に算出された3点間の距離(L1A、L2AおよびL3A)と、基準画像1001を基に算出された3点間の距離(L1A’、L2A’およびL3A’)を比較することで、3点間の距離の変化を検出して、画角ずれが発生しているかどうかを検知する。
【0109】
なお、本実施形態では、各固定物エリア608の中心点から3点を選択しているが、各固定物エリア608の頂点から3点を選択してもよい。
【0110】
図11は、基準画像1001およびカメラ画像301(ライブ画像)で共通に設定される侵入検知エリアの基準点(絶対位置)(P5~P7)と固定物エリアの各参照点(基準位置)との位置関係を比較する場合の概要図である。
【0111】
図11(a)は、画像解析サーバ102がカメラ101より取得するカメラ画像301である。画像解析サーバ102は、カメラ画像301から少なくとも1つの固定物エリア608’(破線枠)を検出する。固定物エリア608’(破線枠)を検出した後、画像解析サーバ102は、各固定物エリア608’(破線枠)の頂点を設定する。例えば、各固定物エリア608’(破線枠)をP1、P2およびP3とした場合、各固定物エリアP1、P2およびP3の参照点は、P1B、P2BおよびP3Bとして設定される。
【0112】
なお、本実施形態では、各固定物エリアP1、P2およびP3から1点ずつ選択して参照点を設定しているが、1つの固定物エリアから3点を選択して参照点を設定してもよい。また、各参照点の選択方法は、侵入検知エリア201から近い順に選択されるものであってもよい。
【0113】
画像解析サーバ102は、各固定物エリア608’(破線枠)の頂点と、基準画像登録処理において、ユーザによって設定されている侵入検知エリアの頂点の距離を算出する。具体的には、侵入検知エリア201の基準点をP5、P6およびP7として、画像解析サーバ102は、P1BとP5との距離L1B、P2BとP6との距離L2B、および、P3BとP7との距離L3Bを算出する。なお、本実施形態では、各固定物エリア608’(破線枠)の参照点と侵入検知エリア201の基準点の距離を算出しているが、各固定物エリア608’(破線枠)の参照点と侵入検知エリア201の中心点の距離であってもよい。
【0114】
図11(b)は、基準画像登録処理でユーザが設定登録した基準画像1001である。基準画像1001には、基準画像登録処理において、侵入検知エリア201および複数の固定物エリア608(実線枠)がユーザによって設定されている。また、各固定物エリア608(実線枠)の頂点が、参照点として保存されている。例えば、侵入検知エリア201の基準点P5、P6およびP7として、また各固定物エリア608(実線枠)をP1’、P2’およびP3’とした場合、各固定物エリアP1’、P2’およびP3’の各参照点は、P1B’、P2B’およびP3B’のように保存されている。
【0115】
画像解析サーバ102は、基準画像登録処理において設定されている固定物エリア608(実線枠)の中から、カメラ画像301から検出された固定物エリア608’(破線枠)と同じものを選択し、固定物エリア608(実線枠)の参照点と、侵入検知エリア201の基準点との距離を算出する。具体的には、画像解析サーバ102は、P1B’とP5との距離L1B’、P2B’とP6との距離L2B’、および、P3B’とP7との距離L3B’を算出する。
【0116】
画像解析サーバ102は、カメラ画像301(ライブ画像)を基に算出された3点間の距離(L1B、L2BおよびL3B)と、基準画像1001を基に算出された3点間の距離(L1B’、L2B’およびL3B’)を比較することで、3点間の距離の変化を検出して、画角ずれが発生しているかどうかを検知する。
【0117】
図9に戻り、すなわち、画像解析サーバ102は、ST202の算出結果とST203の算出結果を比較して(ST204)、選択した3点間の距離(算出結果)が変化しているかどうかを確認することで画角ずれが発生しているかどうかを検知する。(ST205)
【0118】
なお、ST202およびST203における3点(固定物エリア608’の中心点または参照点)の選択方法は、固定物エリア608’が2つ以上検出されるか否かによって切り替える仕様であってもよい。
【0119】
画像解析サーバ102は、選択した3点間の距離(算出結果)が変化していない場合、画角ずれ検知処理を終了する。
【0120】
次に、画像解析サーバ102は、選択した3点間の距離(算出結果)が変化している場合、画角ずれの発生を検知して、固定物エリア608’の座標を基にカメラ101のずれ量を算出する。画像解析サーバ102は、ずれ量を算出した後、監視端末103を介してユーザに結果を報知する。(ST206)なお、3点の比較結果に基づく、変化量が一定でない場合、その変化量の平均値を取得したり、近似する変化量から代表値を取得したりして、画角ずれ検知処理へ反映させることができる。
【0121】
なお、本実施形態では、侵入検知エリア201の基準点(絶対位置)を介在した、固定物エリア608の参照点(基準位置)と、固定物エリア608’の参照点(基準位置)の比較結果に基づいて画角ずれを検知しているが、これに限らず、前述した固定物エリア608(基準エリア)と固定物エリア608’(参照エリア)との重畳箇所の面積が、所定の閾値を超えるか否かを確認することで、画角ずれが発生しているかどうかを検知してもよい。
【0122】
また、本実施形態では、侵入検知エリア201の基準点(絶対位置)を介在して画角ずれを検知しているが、これに限らず、基準画像1001で設定した固定エリア608の参照点を基準点(絶対位置)として、固定エリア608の基準点と、カメラ画像301から検出される固定エリア608’の参照点(基準位置)の比較結果に基づいて画角ずれを検知してもよい。
【0123】
報知処理では、画像解析サーバ102が、監視端末103を介して画角ずれ検知処理の結果をユーザに報知する。具体的には、監視端末103に、カメラ101の画角ずれが発生していることをユーザに知らせる報知動作を行わせる。
【0124】
次に、本実施形態に係る監視端末103に表示される報知画面について説明する。
【0125】
監視端末103では、画像解析サーバ102からの指示に応じて、カメラ101の画角ずれが発生していることをユーザに知らせる報知動作として、
図12に示すような、調整1画面1201が表示される。
【0126】
調整1画面1201には、ライブ画像表示部602が設けられている。ライブ画像表示部602には、カメラ101の画角ずれを検出したタイミングのカメラ画像301が表示される。
【0127】
また、調整1画面1201には、カメラパラメータ1202が設けられている。ユーザは、調整1画面1201に設けられているカメラ情報取得ボタン1203を押下することで、カメラパラメータ1202に、画角ずれを検知時のカメラ101のパラメータおよび基準画像登録時のカメラ101のパラメータを表示されることが出来る。カメラパラメータ1202には、カメラ101を設置した日時、カメラ101の名称、IPアドレス、パン・チルト・ズームの情報が含まれる。
【0128】
カメラパラメータ1202には、画角ずれの原因となっているカメラ101のパラメー
タ項目の背景色が赤く表示されるため、ユーザはカメラ101のどのパラメータに異常が発生しているのかを速やかに把握することができる。なお、本実施形態では、背景色を変更するものとしたが、これに限定されず、その他、濃淡、模様、点滅などの強調表示を行ってもよい。
【0129】
また、カメラパラメータ1202には、画像解析サーバ102において得られるカメラ101のずれ量から算出されるパン・チルトの設定値が表示されるため、ユーザは、カメラパラメータ1202を直感的に操作することで、カメラ101の画角ずれを速やかに修正することができる。なお、カメラ101のずれ量とカメラ101のパン・チルトの設定値との換算テーブルが画像解析サーバ102内に事前保存されており、この換算テーブルを基に、カメラ101のパン・チルトの設定値が算出され、カメラパラメータ603に表示される。
【0130】
また、調整1画面1201には、重畳ボタン1204が設けられている。ユーザは、重畳ボタン1204を押下することで、ライブ画像表示部602に表示されるカメラ画像301上に、侵入検知エリア201または固定物エリア608の少なくとも一方に対応した枠画像を重畳することが出来る。
【0131】
また、調整1画面1201には、設定保存ボタン1205が設けられている。ユーザは、画角ずれが検知されたカメラ101のカメラパラメータ1202を確認または修正操作した後、設定保存ボタン1205を押下することで、
図13に示すような、調整2画面1301に移行することができる。なお、ユーザが、調整1画面1201に設けられている設定保存ボタン1205を押下しない限り、調整2画面1301への画面以降は行われない。
【0132】
調整2画面1301には、ライブ画像表示部602と基準画像表示部1302が設けられている。ライブ画像表示部602には、カメラ101の画角ずれ検出時のカメラ画像301が表示される。基準画像表示部1302には、基準画像登録処理において登録された基準画像が表示される。ライブ画像表示部602に表示されるカメラ画像301上には、基準画像登録処理において設定された侵入検知エリア201および固定物エリア608(実線枠)に加え、カメラ画像301から検知される固定物エリア608’(破線枠)が重畳して表示される。
【0133】
また、調整2画面1301には、再表示ボタン1303が設けられている。ユーザは、再表示ボタン1303を押下することにより、固定物エリア608(実線枠)と、修正後のカメラパラメータ1202が反映される固定物エリア608’(破線枠)との重なり具合(画角ずれ修正度合い)を確認することが出来る。ユーザは、固定物エリア608(実線枠)と固定物エリア608’(破線枠)の重なり具合を確認することで、画角ずれの修正具合を確認することが出来る。ユーザは、再表示の結果を適切でないと判断する場合、調整2画面1301に設けられている調整1ボタン1304を押下することで、監視端末103の表示画面を調整1画面1201に切り替えて、カメラパラメータ1202を操作することで画角ずれを再度修正することが出来る。
【0134】
また、調整2画面1301には、設定保存ボタン1305が設けられている。ユーザは、画角ずれの修正具合を確認して、修正具合が適切であると判断する場合、設定保存ボタン1305を押下することにより、修正後のカメラ画像301を新しい基準画像として、カメラパラメータ1202と紐づけて基準画像蓄積部403に保管し、更新することが出来る。
【0135】
図12、
図13に示すように、ユーザは、調整1画面1201および調整2画面130
1の画角調整画面に設けられている、画面切り替えタブ607を押下することで、監視端末103において、ユーザが表示を希望する画面(例えば、各種設定画面)に切り替えることができる。
【0136】
次に、本実施形態に係る、カメラ101が複数設定されている場合の監視端末103に表示される報知画面について説明する。
【0137】
監視端末103では、複数設置されているカメラ101の内、画角ずれが発生しているカメラ101が検知された場合、画像解析サーバ102からの指示に応じて、ユーザに知らせる報知動作として、
図14に示すような、エリア単位でグループ化されたカメラ一覧画面1401が表示される。
【0138】
カメラ一覧画面1401には、各グループ(所定エリア)に含まれる各カメラ101に対応したライブ画像表示部602が設けられている。各ライブ画像表示部602には、画角ずれ検出時の各カメラ101より撮像されたカメラ画像301が表示される。
【0139】
画角ずれの発生が検知されたカメラ101のグループアイコンの背景が他のグループアイコンと異なる色(例えば、赤色)で表示されるため、ユーザは、複数設置されているカメラ101の内、どのカメラ101に異常が発生しているのかを速やかに把握することができる。なお、本実施形態では、背景色を変更するものとしたが、これに限定されず、その他、濃淡、模様、点滅などの強調表示を行ってもよい。
【0140】
また、ユーザは、カメラ一覧画面1401に設けられているカメラリスト1402のタブを押下することで、各グループに割り当てられたカメラ101の一覧画面を切り替えて確認することが出来る。なお、グループの例として、ホテルのロビーやダイニング等の所定の空間ごとに設定されるケースをあげることができるが、これに限定されない。
【0141】
ユーザは、カメラ一覧画面1401に設けられている、各カメラ101に対応している各ライブ画像表示部602のいずれかを押下することで、
図15に示すような、押下されたカメラ101のカメラ画像301、および、基準画像を表示するビューア画面1501に移行することができる。
【0142】
ビューア画面1501には、カメラ101のライブ画像表示部602よび基準画像表示部1302が設けられている。ライブ画像表示部602には、ユーザによって、カメラ一覧画面1401で選択されたカメラ101に対応した、画角ずれ検出時のカメラ画像301が表示される。また、基準画像表示部1302には、ユーザによって、カメラ一覧画面1401で選択されたカメラ101に対応した、基準画像が表示される。
【0143】
また、ビューア画面1501には、カメラパラメータ1502と、コメント表示部1503と、調整1ボタン1504が設けられている。コメント表示部912には、ユーザに、調整1ボタン1504の押下を促すようなコメントが表示される。
【0144】
ユーザは、調整1ボタン1504を押下することで、
図12に示すような、調整1画面1201に、監視端末103の表示画面を切り替えることが出来る。
【0145】
監視端末103の表示画面を調整1画面1201に切り替えた後、ユーザは、前述と同様の処理を行うことで、カメラ101の画角ずれを速やかに修正することが出来る。
【0146】
また、複数のカメラ101に画角ずれが発生している場合、ユーザは、画角ずれが発生しているカメラ101の内の1つの修正を完了した後、調整1画面1201に設けられて
いる画面切り替えタブ607のカメラリストのタブを押下することで、カメラ一覧画面1401を再度表示することが出来る。これにより、ユーザは、画角ずれが発生している残りのカメラ101の修正に速やかに移行することが出来る。
【0147】
なお、本実施形態では、画面切り替えタブ607のカメラリストのタブを押下することで、カメラ一覧画面1401を再度表示する仕様にしているが、これに限定されない。例えば、調整2画面1301に設けられている設定保存ボタン1305を押下することで、監視端末103の表示画面をカメラ一覧画面1401に、自動で切り替える仕様であってもよい。
【0148】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。なお、ここで特に言及しない点は前記の実施形態と同様である。
図16は、輝度異常判定処理および画角ずれ検知処理の概要を示す説明図である。
【0149】
本実施形態では、
図16に示すように、画像解析サーバ102内に輝度異常検知部1601が設けられている。画像解析サーバ102は、カメラ101から一定時間間隔で取得されるカメラ画像301の輝度分布と、基準画像登録処理で登録されている基準画像の輝度分布を基に、カメラ101が故障しているか否かを検知する(輝度異常判定処理)。
【0150】
ここで、カメラ101が故障している場合には、画角ずれを調整したところで侵入検知処理を適切に実施できないことから、カメラ101が故障している旨をユーザに報知する。一方、カメラ101が故障していない状態の場合には、侵入検知処理を適切に実施できるため、侵入検知処理および画角ずれ検知処理が継続される。
【0151】
ところで、カメラ101が故障している旨の報知がユーザに対して行われると、作業者がカメラ101の交換を実施する。これにより、カメラ101が侵入検知処理および画角ずれ検知処理を継続できる状態に戻すことができる。このとき、画像解析サーバ102では、カメラ101が故障しているか否かの判定が行われ、カメラ101が侵入検知処理および画角ずれ検知処理を継続できる状態であると判定されて、侵入検知処理および画角ずれ検知処理を再開できる状態に戻った旨を係員に報知する。
【0152】
次に、第2実施形態に係る画像解析サーバ102で行われる輝度異常判定処理について説明する。
図17は、輝度異常判定処理の手順を示すフロー図である。
【0153】
輝度異常判定処理は、画像解析サーバ102内で行われる。画像解析サーバ102は、カメラ101によって撮像された監視領域のカメラ画像301を一定時間間隔で取得する。(ST301)
【0154】
画像解析サーバ102は、取得したカメラ画像301の輝度分布と、基準画像登録処理において登録された基準画像の輝度分布との差を算出する。(ST302)
【0155】
画像解析サーバ102は、基準画像の輝度信号平均値に、所定の閾値を超える変化があるかどうかを確認することで、カメラ101が故障しているか否かを検知する。(ST303)
【0156】
輝度の差が所定の閾値内である場合、画像解析サーバ102は、輝度異常判定処理を終了する。
【0157】
基準画像の輝度信号平均値に所定の閾値を超える変化がある場合、画像解析サーバ10
2は、カメラ101の故障を検知して、監視端末103を介してユーザに結果を報知する。(ST304)
【0158】
なお、第2実施形態に係る画像解析サーバ102で行われる輝度異常判定処理は、カメラ画像301撮像時に適切な光量を得られる環境下で実施される必要がある。そのため、本実施形態に係る画像解析サーバ102では、タイマー等の機能により、適切な光量を得ることが出来ないような特定の時間帯において、前述した輝度異常判定処理の実施をオンとオフで切り替えが可能な仕様であってもよい。
【0159】
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用できる。また、上記の実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施形態とすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0160】
本発明に係る監視装置および監視システムは、カメラの画角ずれが発生した場合に、その画角ずれを確実に検知し、その画角ずれ量を簡易に調整することを可能とし、監視領域を撮影したカメラ画像に基づいて、侵入禁止エリアに人物が侵入したことを検知して報知を行う監視装置および監視システムなどとして有用である。
【符号の説明】
【0161】
101…カメラ
102…画像解析サーバ
103…監視端末
201…侵入検知エリア
301…カメラ画像(ライブ画像)
608…固定物エリア(基準エリア)
608’ …固定物エリア(参照エリア)
1001…基準画像
1201…調整1画面
1301…調整2画面