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特開2023-35455欠陥検出装置、欠陥検出方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023035455
(43)【公開日】2023-03-13
(54)【発明の名称】欠陥検出装置、欠陥検出方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01N 29/26 20060101AFI20230306BHJP
   G01N 29/04 20060101ALI20230306BHJP
【FI】
G01N29/26
G01N29/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021142321
(22)【出願日】2021-09-01
(71)【出願人】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】日本製鉄株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】山田 裕久
【テーマコード(参考)】
2G047
【Fターム(参考)】
2G047AA07
2G047BA03
2G047BC02
2G047BC03
2G047BC07
2G047BC18
2G047DB03
2G047DB04
2G047DB12
2G047GG28
2G047GG30
2G047GG47
2G047GH06
(57)【要約】
【課題】圧延によって製造された鋼材から複数の欠陥部位を検出した際に、圧延前鋼材において同一の発生源の欠陥から生じたものであるか否かを判別できる仕組みを提供する。
【解決手段】各測定点ごとに受信超音波の振幅の大きさを2次元状で表した第1の画像を2値化処理して得た第1の2値化画像(図5(c))の中から、複数の欠陥に相当する複数の欠陥部位501を抽出し、各測定点ごとに受信超音波の路程に基づく鋼材の表面からの深さを2次元状で表した第2の画像(図5(b))を用いて、第1の2値化画像の中から抽出した欠陥部位501を連結させて、欠陥領域502を画定する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧延によって製造された鋼材の欠陥を検出する欠陥検出装置であって、
前記鋼材の表面に2次元状に設定された各測定点に対して超音波探触子を相対的に移動させる2次元走査がなされている際に、前記超音波探触子を介して、前記各測定点との間で超音波を送受信する送受信手段と、
前記各測定点ごとに前記送受信手段で欠陥検出期間において受信した超音波である受信超音波の振幅の大きさを、前記2次元状で表した第1の画像を生成する第1の画像生成手段と、
前記第1の画像において前記振幅の大きさを用いた前記受信超音波の路程に基づく前記鋼材の表面からの深さを、前記2次元状で表した第2の画像を生成する第2の画像生成手段と、
前記第1の画像を2値化処理して、第1の2値化画像を取得する2値化処理手段と、
前記第1の2値化画像の中から、複数の前記欠陥に相当する複数の欠陥部位を抽出する欠陥部位抽出手段と、
前記第2の画像を用いて、前記欠陥部位を連結させて欠陥領域を画定する欠陥領域画定手段と、
を有することを特徴とする欠陥検出装置。
【請求項2】
前記欠陥領域画定手段は、前記第2の画像を用いて、前記鋼材の表面からの深さが同程度とみなせる所定の範囲内に属する前記欠陥部位を連結させて、前記欠陥領域を画定することを特徴とする請求項1に記載の欠陥検出装置。
【請求項3】
前記欠陥部位抽出手段で抽出された前記複数の欠陥部位のそれぞれの欠陥部位における前記2次元状の第1方向の長さと当該第1方向と直交する第2方向の長さとの長さ比に基づいて、前記複数の欠陥部位の中から、線状欠陥部位を特定する線状欠陥部位特定手段を更に有し、
前記欠陥領域画定手段は、前記第2の画像を用いて、前記線状欠陥部位を連結させて前記欠陥領域を画定することを特徴とする請求項1または2に記載の欠陥検出装置。
【請求項4】
前記欠陥領域画定手段で画定された前記欠陥領域の前記圧延の方向における長さと、前記鋼材の圧延比とを用いて、前記圧延を行う前の圧延前鋼材に存在していた欠陥の大きさを推定する欠陥大きさ推定手段を更に有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の欠陥検出装置。
【請求項5】
前記欠陥領域画定手段で画定された前記欠陥領域を表示装置に表示させる表示制御手段を更に有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の欠陥検出装置。
【請求項6】
圧延によって製造された鋼材の欠陥を検出する欠陥検出装置による欠陥検出方法であって、
前記鋼材の表面に2次元状に設定された各測定点に対して超音波探触子を相対的に移動させる2次元走査がなされている際に、前記超音波探触子を介して、前記各測定点との間で超音波を送受信する送受信ステップと、
前記各測定点ごとに前記送受信ステップで欠陥検出期間において受信した超音波である受信超音波の振幅の大きさを、前記2次元状で表した第1の画像を生成する第1の画像生成ステップと、
前記第1の画像において前記振幅の大きさを用いた前記受信超音波の路程に基づく前記鋼材の表面からの深さを、前記2次元状で表した第2の画像を生成する第2の画像生成ステップと、
前記第1の画像を2値化処理して、第1の2値化画像を取得する2値化処理ステップと、
前記第1の2値化画像の中から、複数の前記欠陥に相当する複数の欠陥部位を抽出する欠陥部位抽出ステップと、
前記第2の画像を用いて、前記欠陥部位を連結させて欠陥領域を画定する欠陥領域画定ステップと、
を有することを特徴とする欠陥検出方法。
【請求項7】
圧延によって製造された鋼材の欠陥を検出する欠陥検出装置による欠陥検出方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記鋼材の表面に2次元状に設定された各測定点に対して超音波探触子を相対的に移動させる2次元走査がなされている際に、前記超音波探触子を介して、前記各測定点との間で超音波を送受信する送受信ステップと、
前記各測定点ごとに前記送受信ステップで欠陥検出期間において受信した超音波である受信超音波の振幅の大きさを、前記2次元状で表した第1の画像を生成する第1の画像生成ステップと、
前記第1の画像において前記振幅の大きさを用いた前記受信超音波の路程に基づく前記鋼材の表面からの深さを、前記2次元状で表した第2の画像を生成する第2の画像生成ステップと、
前記第1の画像を2値化処理して、第1の2値化画像を取得する2値化処理ステップと、
前記第1の2値化画像の中から、複数の前記欠陥に相当する複数の欠陥部位を抽出する欠陥部位抽出ステップと、
前記第2の画像を用いて、前記欠陥部位を連結させて欠陥領域を画定する欠陥領域画定ステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧延によって製造された鋼材の欠陥を検出する欠陥検出装置及び欠陥検出方法、並びに、当該欠陥検出方法をコンピュータに実行させるためのプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、超音波を用いて、圧延によって製造された鋼材の欠陥を検出する手法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。具体的に、特許文献1には、被圧延材を想定した帯状の被探傷材に対して超音波探触子を移動させる方向とは直交する被探傷材の幅方向に超音波を伝播させ、その反射波に基づく2次元画像を用いて、被探傷材に存在する欠陥を検出する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9-15218号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、圧延によって製造された鋼材では、当該圧延を行う前の圧延前鋼材に存在していた欠陥(例えば、製鋼段階で混入した介在物など)が当該圧延により引き伸ばされて、一様に伸びた線状の欠陥部位だけでなく、途中で途切れた複数の欠陥部位として存在することがある。そして、圧延前鋼材に存在していた欠陥の大きさを推定できることは、製鋼の操業条件を見直し改善を図る上で大変有益なことである。
【0005】
この点、上述した特許文献1に記載の技術では、圧延によって製造された鋼材から検出した複数の欠陥部位について当該圧延を行う前の圧延前鋼材において同一の発生源の欠陥から生じたものであるか否かを判別することは、何ら想定がされていなかった。このため、上述した特許文献1に記載の技術では、圧延前鋼材に存在していた欠陥の大きさを推定することは困難であった。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、圧延によって製造された鋼材から複数の欠陥部位を検出した際に、圧延前鋼材において同一の発生源の欠陥から生じたものであるか否かを判別できる仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の欠陥検出装置は、圧延によって製造された鋼材の欠陥を検出する欠陥検出装置であって、前記鋼材の表面に2次元状に設定された各測定点に対して超音波探触子を相対的に移動させる2次元走査がなされている際に、前記超音波探触子を介して、前記各測定点との間で超音波を送受信する送受信手段と、前記各測定点ごとに前記送受信手段で欠陥検出期間において受信した超音波である受信超音波の振幅の大きさを、前記2次元状で表した第1の画像を生成する第1の画像生成手段と、前記第1の画像において前記振幅の大きさを用いた前記受信超音波の路程に基づく前記鋼材の表面からの深さを、前記2次元状で表した第2の画像を生成する第2の画像生成手段と、前記第1の画像を2値化処理して、第1の2値化画像を取得する2値化処理手段と、前記第1の2値化画像の中から、複数の前記欠陥に相当する複数の欠陥部位を抽出する欠陥部位抽出手段と、前記第2の画像を用いて、前記欠陥部位を連結させて欠陥領域を画定する欠陥領域画定手段と、を有する。
また、本発明は、上述した欠陥検出装置による欠陥検出方法、及び、当該欠陥検出方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、圧延によって製造された鋼材から複数の欠陥部位を検出した際に、圧延前鋼材において同一の発生源の欠陥から生じたものであるか否かを判別することができる。これにより、圧延前鋼材に存在していた欠陥の大きさを推定することができ、その結果、製鋼の操業条件を見直し改善を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る欠陥検出装置の概略構成の一例を示す図である。
図2図1に示す超音波探触子から鋼材に向かう超音波と鋼材から超音波探触子に向かう超音波との3つのパターンと、当該3つのパターンに係る超音波の振幅を時系列で示した超音波波形データの一例を示す図である。
図3】本発明の実施形態に係る欠陥検出装置において、鋼材の表面に2次元状に設定された各測定点に対して走査装置によって超音波探触子を2次元走査させる処理例を示す図である。
図4】本発明の実施形態に係る欠陥検出装置による欠陥検出方法の処理手順の第1例を示すフローチャートである。
図5】本発明の実施形態に係る欠陥検出装置による欠陥検出方法の処理を説明するための図である。
図6】本発明の実施形態に係る欠陥検出装置による欠陥検出方法の処理手順の第2例を示すフローチャートである。
図7図6のステップS201における欠陥領域の画定処理を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態(実施形態)について説明する。
【0011】
図1は、本発明の実施形態に係る欠陥検出装置100の概略構成の一例を示す図である。この欠陥検出装置100は、圧延によって製造された鋼材200の欠陥201(例えば、製鋼段階で混入した介在物など)を検出する装置である。より具体的には、欠陥検出装置100は、鋼材の表面210に2次元状(図1に示す例では、X方向及びY方向)に設定された各測定点211-0~211-Nに対して超音波探触子110を相対的に移動させる2次元走査を行いながら、各測定点211-0~211-Nにおいて欠陥201の有無を検査する装置である。
【0012】
なお、図1に示す欠陥201は、飽くまでも一例であり、その大きさや形状は任意である。また、図1には、鋼材200の界面を構成する鋼材の表面210及び鋼材の裏面220も図示している。そして、図1に示す例の場合には、この鋼材の表面210と鋼材の裏面220との間の長さによって、鋼材200の厚みDが定められている。なお、図1に示すように、鋼材の裏面220は、鋼材の表面210と対向する面である。また、図1には、鋼材の表面210や鋼材の裏面220を定める、相互に直交するX方向及びY方向と、X方向及びY方向と直交する方向であって鋼材200の厚みDの方向を示すZ方向とからなるXYZ座標系を図示している。
【0013】
欠陥検出装置100は、図1に示すように、超音波探触子110、超音波送受信装置120、走査装置130、制御・処理装置140、情報入力装置150、記憶装置160、及び、表示装置170を有して構成されている。
【0014】
超音波探触子110は、走査装置130の処理によって、図1に示す鋼材200の断面においては、鋼材の表面210の各測定点211-0~211-Nを順次移動する走査を行いながら、各測定点211-0~211-Nにおいて超音波の授受を司るものである。なお、図1では、説明を簡単にするために、1つの超音波探触子110を設けた例を示しているが、例えば検査効率の向上のために複数の超音波探触子110を設ける形態も、本発明に適用可能である。
【0015】
超音波送受信装置120は、制御・処理装置140の制御に基づいて、超音波探触子110を介して、鋼材200との間で超音波の送受信を行うものである。この超音波送受信装置120には、送信部121と受信部122が構成されている。
【0016】
送信部121は、制御・処理装置140の制御に基づいて、鋼材の表面210の各測定点211-0~222-Nにおいて、鋼材200に対して相対的に移動する超音波探触子110を介して、超音波111を送信する処理を行う。また、受信部122は、制御・処理装置140の制御に基づいて、鋼材の表面210の各測定点211-0~222-Nごとに、超音波探触子110を介して、鋼材200からの超音波112を受信する処理を行う。
【0017】
走査装置130は、制御・処理装置140の制御に基づいて、鋼材の表面210の各測定点211-0~211-Nに対して超音波探触子110を順次移動させる走査を行う。図1には、走査装置130が、超音波探触子110を、X方向である走査方向(主走査方向)131に移動させる走査を行う例が示されている。この図1に示す例の場合、超音波探触子110は、測定点211-0,測定点211-1,測定点211-2,測定点211-3,測定点211-4,測定点211-5,測定点211-6,測定点211-7,測定点211-8,・・・,測定点211-Nの順番で走査することになる。この際、図1に示す各測定点211の後に「-」を介して付されている数(0,1,2,3,4,5,6,7,8,・・・,N)は、走査の順番を昇順に示す数に相当するものである。この際、図1に示す例では、Nは、8よりも大きい整数となるが、本実施形態においてはこれに限定されるものではなく、例えば、図1に示す場合にあっては0でなければ(即ち、1以上の整数であれば)、本実施形態に適用可能である。
【0018】
なお、図1では、超音波探触子110と鋼材200とを相対的に移動させる例として、走査装置130が鋼材の表面210の各測定点211-0~211-Nに対して超音波探触子110を移動させる形態を例示しているが、本発明においてはこの形態に限定されるものではない。例えば超音波探触子110を静止させた状態で、走査装置130が鋼材200を移動させることによって、超音波探触子110と鋼材200とを相対的に移動させる形態も、本発明に適用可能である。
【0019】
制御・処理装置140は、例えば情報入力装置150から入力された入力情報に基づいて、欠陥検出装置100の各構成部を制御し、欠陥検出装置100の動作を統括的に制御する。また、制御・処理装置140は、例えば情報入力装置150から入力された入力情報に基づいて、各種の処理を行う。この制御・処理装置140は、図1に示すように、第1の画像生成部141、第2の画像生成部142、2値化処理部143、欠陥部位抽出部144、線状欠陥部位特定部145、欠陥領域画定部146、欠陥大きさ推定部147、及び、表示制御部148を有して構成されている。この制御・処理装置140内の各構成部141~148の説明は後述する。
【0020】
情報入力装置150は、例えば、ユーザにより操作入力された入力情報を制御・処理装置140に入力する。
【0021】
記憶装置160は、制御・処理装置140で用いる各種の情報や各種のデータ、プログラム等や、制御・処理装置140の処理で得られた各種の情報や各種のデータ等を記憶する。
【0022】
表示装置170は、制御・処理装置140の制御に基づいて、各種の情報や各種のデータ等を表示する。
【0023】
図2は、図1に示す超音波探触子110から鋼材200に向かう超音波111と鋼材200から超音波探触子110に向かう超音波112との3つのパターンと、当該3つのパターンに係る超音波112の振幅を時系列で示した超音波波形データの一例を示す図である。この図2において、図1に示す構成と同様の構成については同じ符号を付している。
【0024】
具体的に、まず、図2(a)には、図1に示す超音波探触子110から鋼材200に向かう超音波111と鋼材200から超音波探触子110に向かう超音波112との3つのパターンを示している。図2(a)の左側に示す第1のパターンは、超音波探触子110から鋼材200に向かう超音波111が鋼材の表面210で反射し、表面反射超音波112-Sとして超音波探触子110に向かう様子を示している。また、図2(a)の中央に示す第2のパターンは、超音波探触子110から鋼材200に向かう超音波111が鋼材の表面210を通過して鋼材200の内部の欠陥201で反射し、欠陥反射超音波112-Fとして超音波探触子110に向かう様子を示している。また、図2(a)の右側に示す第3のパターンは、超音波探触子110から鋼材200に向かう超音波111が鋼材の表面210を通過して鋼材の裏面220で反射し、裏面反射超音波112-Bとして超音波探触子110に向かう様子を示している。
【0025】
また、図2(b)には、図2(a)に示す表面反射超音波112-S、欠陥反射超音波112-F及び裏面反射超音波112-Bの振幅を時系列で示した超音波波形データの一例を模式的に示している。この図2(b)では、図2(a)に示す表面反射超音波112-SをSエコー、欠陥反射超音波112-FをFエコー、裏面反射超音波112-BをBエコーとしてその波形の一例を示している。本実施形態においては、図2(b)に示す超音波波形データの横軸に示す時間は、例えば、受信部122で受信処理を開始してからの経過時間を示すものとする。また、本実施形態においては、図2(b)に示す超音波波形データの縦軸に示す振幅は、例えば、中央(0)よりも下側を負の振幅値とし、中央(0)よりも上側を正の振幅値とするものとする。図2(b)に示すように、表面反射超音波112-S、欠陥反射超音波112-F及び裏面反射超音波112-Bは、受信部122においてそれぞれ異なる時刻に受信される。これは、図2(a)に示すように、表面反射超音波112-S、欠陥反射超音波112-F及び裏面反射超音波112-Bは、超音波探触子110に到達するまでの路程(伝播距離)が異なるからである。
【0026】
この図2(b)に示す超音波波形データに対して、制御・処理装置140は、例えば、表面反射超音波112-Sを検出するための閾値1401を設定しており、図2(b)に示す例では、表面反射超音波112-Sが初めて閾値1401以上となる時刻TSを表面反射超音波112-Sの受信時刻として設定する例を示している。図2(b)に示す例では、この時刻TSは、受信部122で受信処理を開始した時刻から時間T2だけ経過した時刻となっている。そして、制御・処理装置140は、例えば、表面反射超音波112-Sが収まり安定するまでの期間及び裏面反射超音波112-Bが検出される前までの期間を考慮して、時刻Tfsから時刻Tfeまでの期間を、欠陥201に基づく欠陥反射超音波112-Fを検出するための欠陥検出期間として設定する。この時刻Tfsから時刻Tfeまでの欠陥検出期間は、例えば、超音波探触子110から送信された超音波111が、鋼材の表面210に入射してから、鋼材200の内部をZ方向に伝播して鋼材の裏面220で反射し再び鋼材の表面210に戻ってくるまでの時間を考慮して適宜設定される。また、制御・処理装置140は、時刻Tfsから時刻Tfeまでの欠陥検出期間に、欠陥反射超音波112-Fを検出するための閾値1402を設定する。そして、制御・処理装置140は、この時刻Tfsから時刻Tfeまでの欠陥検出期間に、例えば、図2(b)に点線で示すような閾値1402以上となる欠陥反射超音波112-Fが存在する場合には、当該測定点211において鋼材200の内部に欠陥201があると判定する。また、制御・処理装置140は、時刻Tfsから時刻Tfeまでの欠陥検出期間に、例えば、図2(b)に点線で示すような閾値1402以上となる欠陥反射超音波112-Fが存在しない場合には、当該測定点211において鋼材200の内部に欠陥201が無いと判定する。
【0027】
また、制御・処理装置140は、鋼材200の内部に欠陥201があると判定した場合に、例えば、欠陥反射超音波112-Fの大きさが最大値Amaxとなる時刻TFを欠陥反射超音波112-Fの受信時刻として設定する。この時刻TFは、受信部122で受信処理を開始した時刻から時間T1だけ経過した時刻となっている。また、この時刻TFは、表面反射超音波112-Sの受信時刻TSから時間T3(T3=T1-T2)だけ経過した時刻となっている。この場合、図2(a)に示す鋼材の表面210から欠陥201までの深さdsは、鋼材200の内部を伝播する超音波の速度をVuとすると、以下の(1)式で表すことができる。
ds=(Vu×T3)÷2 ・・・(1)
【0028】
次に、鋼材の表面210に2次元状に設定された各測定点211に対して超音波探触子110を2次元走査させる処理例について説明する。
図3は、本発明の実施形態に係る欠陥検出装置100において、鋼材の表面210に2次元状に設定された各測定点211に対して走査装置130によって超音波探触子110を2次元走査させる処理例を示す図である。この図3において、図1に示す構成と同様の構成については同じ符号を付している。また、図3は、鋼材の表面210を上から見た際の模式図を示しており、さらに、図1に示すXYZ座標系に対応するXYZ座標系も図示している。
【0029】
本実施形態に係る欠陥検出装置100では、図3に示すように、例えば、図1を用いて説明したX方向を走査方向131とする1つの走査ラインによる走査を(M+1)回行って、鋼材の表面210に2次元状に設定された各測定点211を2次元走査する。この際、図3の左側に配置した四角の中に付されている数(0,1,2,3,4,5,・・・,M)は、それぞれの走査ラインによる走査を行う順番を昇順に示す数に相当するものである。この図3に示す2次元走査を行う場合、走査装置130は、まず、図3の左側に配置した四角の中に付されている「0」の走査ラインについて、超音波探触子110を鋼材の表面210の各測定点211-0~211-Nに対して順次移動させる走査を行い、次いで、Y方向を次の走査ラインの始点位置への移動方向(副走査方向)132として超音波探触子110を移動させた後、図3の左側に配置した四角の中に付されている「1」の走査ラインについて、超音波探触子110を鋼材の表面210の各測定点211-0~211-Nに対して順次移動させる走査を行う。以降、同様にして、図3の左側に配置した四角の中に付されている「M」の走査ラインまで、超音波探触子110を鋼材の表面210の各測定点211-0~211-Nに対して順次移動させる走査を行う。ここで、本実施形態では、図3に示すように、各測定点211の間隔をdxとし、各走査ラインの間隔をdyとする。この場合、各測定点211-0~211-Nのうちの任意の測定点211をiとし、各走査ライン0~Mのうちの任意の走査ラインをjとすると、例えば図3に示す任意の測定点211は、p(xi,yj)(但し、xi=i・dx,yj=j・dy)と表すことができる。
【0030】
次に、図1に示す制御・処理装置140内の各構成部141~148の説明を、図4に示すフローチャートを用いながら行う。
【0031】
図4は、本発明の実施形態に係る欠陥検出装置100による欠陥検出方法の処理手順の第1例を示すフローチャートである。
【0032】
まず、図4のステップS101において、図1に示す超音波送受信装置120は、例えば図3に示すように鋼材の表面210に2次元状に設定された各測定点211との間で、超音波探触子110を介して、超音波を送受信する(即ち、送信部121から超音波111を送信し、受信部122で超音波112を受信する)。
【0033】
続いて、図4のステップS102において、図1に示す第1の画像生成部141は、鋼材の表面210に2次元状に設定された各測定点211ごとに超音波送受信装置120(受信部122)で、図2(b)に示す時刻Tfsから時刻Tfeまでの欠陥検出期間において受信した超音波である受信超音波の振幅の大きさを、X方向及びY方向の2次元状で表した第1の画像(エコー高さ画像)を生成する。
【0034】
図5は、本発明の実施形態に係る欠陥検出装置100による欠陥検出方法の処理を説明するための図である。具体的に、図4のステップS102では、図5(a)に示す第1の画像を生成する。この図5(a)において、X方向及びY方向は、それぞれ、図3に示すX方向及びY方向に相当する。そして、図5(a)に示す第1の画像は、図3に示す各測定点211ごとに、図2(b)に示す時刻Tfsから時刻Tfeまでの欠陥検出期間における受信超音波の振幅の大きさ(ここでは、例えば振幅の最大値Amaxを用いる)を、X方向及びY方向の2次元状で表した画像となっている。より具体的に、図5(a)に示す第1の画像は、受信超音波の振幅の大きさが大きくなる程、白色が強くなるように示している。
【0035】
続いて、図4のステップS103において、図1に示す第2の画像生成部142は、ステップS102で生成された第1の画像において振幅の大きさを用いた受信超音波の路程に基づく鋼材の表面210からの深さdsを、X方向及びY方向の2次元状で表した第2の画像(深さ画像)を生成する。
【0036】
具体的に、図4のステップS103では、図5(b)に示す第2の画像を生成する。この図5(b)において、X方向及びY方向は、それぞれ、図3に示すX方向及びY方向に相当する。そして、図5(b)に示す第2の画像は、図3に示す各測定点211ごとに、図2(b)に示す時刻Tfsから時刻Tfeまでの欠陥検出期間において振幅の最大値Amaxに係る受信超音波の路程に基づく鋼材の表面210からの深さdsを、X方向及びY方向の2次元状で表した画像となっている。より具体的に、図5(b)に示す第2の画像では、鋼材の表面210からの深さdsが同程度とみなせる所定の範囲内(例えば、鋼材の厚みDが2mmである場合、±0.02mmの範囲内)について、同じ色を付している。
【0037】
続いて、図4のステップS104において、図1に示す2値化処理部143は、ステップS102で生成された第1の画像を2値化処理して、第1の2値化画像(2値化処理を施したエコー高さ画像)を取得する。
【0038】
具体的に、図4のステップS104では、図5(c)に示す第1の2値化画像を取得する。この図5(c)に示す第1の2値化画像は、図5(a)に示す第1の画像を、図2(b)に示す閾値1402を用いて2値化処理を行った画像である。より具体的に、図5(c)に示す第1の2値化画像では、振幅の大きさ(ここでは、例えば振幅の最大値Amaxを用いる)が閾値1402を超える受信超音波を受信した測定点211の位置を白色で示し、また、振幅の大きさ(ここでは、例えば振幅の最大値Amaxを用いる)が閾値1402を超えない受信超音波を受信した測定点211の位置を黒色で示している。
【0039】
続いて、図4のステップS105において、図1に示す欠陥部位抽出部144は、ステップS104で取得された第1の2値化画像の中から、複数の欠陥201に相当する複数の欠陥部位を抽出する。
【0040】
具体的に、図4のステップS105では、図5(c)に示す第1の2値化画像の中から、複数の欠陥201に相当する複数の欠陥部位501-1~501-8を抽出する。この図5(c)に示す複数の欠陥部位501-1~501-8における各欠陥部位501は、連続した一塊の白色領域からなる部位である。
【0041】
続いて、図4のステップS106において、図1に示す線状欠陥部位特定部145は、ステップS105で抽出された複数の欠陥部位のそれぞれの欠陥部位における2次元状の第1方向の長さと当該第1方向と直交する第2方向の長さとの長さ比に基づいて、ステップS105で抽出された複数の欠陥部位の中から、線状欠陥部位を特定する。
【0042】
具体的に、図4のステップS106の処理について、図5(d)を用いて説明する。
図5(d)においては、ステップS105で抽出された1つの欠陥部位を、欠陥部位501として図示している。そして、図4のステップS106では、欠陥部位501における2次元状のX方向(第1方向)の長さLxと当該X方向と直交するY方向(第2方向)の長さLyとの長さ比に基づいて、ステップS105で抽出された複数の欠陥部位501-1~501-8の中から、線状欠陥部位を特定する。ここで、本実施形態では、欠陥部位501における長さLxと長さLyとの長さ比Rl(Rl=Ly/Lx)が0.2以下となる欠陥部位501を、線状欠陥部位として特定する。具体的に、図5(c)に示す例では、複数の欠陥部位501-1~501-8のうち、欠陥部位501-1、欠陥部位501-3~501-6及び欠陥部位501-8が線状欠陥部位として特定され、欠陥部位501-2及び欠陥部位501-7が線状欠陥部位として特定されない(例えば、点欠陥部位として特定される)場合を示している。
【0043】
続いて、図4のステップS107において、図1に示す欠陥領域画定部146は、ステップS103で生成された第2の画像を用いて、ステップS105で抽出された欠陥部位を連結させて欠陥領域を画定する。より具体的に、図4のステップS107では、図1に示す欠陥領域画定部146は、ステップS103で生成された第2の画像を用いて、ステップS106で特定された線状欠陥部位を連結させて欠陥領域を画定する。
【0044】
具体的に、図4のステップS107の処理について、図5(e)を用いて説明する。
図5(e)には、図5(c)に示す第1の2値化画像と同じ画像が示されている。また、図5(c)に示す例では、ステップS106の処理の説明で上述したように、複数の欠陥部位501-1~501-8のうち、欠陥部位501-1、欠陥部位501-3~501-6及び欠陥部位501-8が線状欠陥部位として特定されている。そして、これらの線状欠陥部位501-1、501-3~501-6及び501-8が位置する、図5(b)に示す第2の画像の領域510内の対応する位置は、鋼材の表面210からの深さdsが同程度とみなせる所定の範囲内(例えば、鋼材の厚みDが2mmである場合、±0.02mmの範囲内)であることを示す同じ色が付されている。このため、図4のステップS106では、図1に示す欠陥領域画定部146は、図5(b)に示す第2の画像を用いて、図5(e)に示すように、鋼材の表面210からの深さdsが同程度とみなせる所定の範囲内に属する線状欠陥部位501-3~501-6を連結させて、これを1つの欠陥領域502-3として画定する。ここで、本実施形態では、図5(e)に示す欠陥領域502-3とは、鋼材の表面210からの深さdsが同程度とみなせる所定の範囲内に属する線状欠陥部位501-3~501-6を連結させて作られた「連結欠陥」と外接する四角形状の領域を言うものとする。また、図5(e)に示す例では、図1に示す欠陥領域画定部146は、欠陥部位(線状欠陥部位)501-1を1つの欠陥領域502-1として画定し、欠陥部位501-2を1つの欠陥領域502-2として画定し、欠陥部位501-7を1つの欠陥領域502-4として画定し、さらに、欠陥部位(線状欠陥部位)501-8を1つの欠陥領域502-5として画定している。
【0045】
続いて、図4のステップS108において、図1に示す欠陥大きさ推定部147は、ステップS107で画定された欠陥領域の圧延の方向における長さと、鋼材200の圧延比とを用いて、圧延を行う前の圧延前鋼材に存在していた欠陥の大きさを推定する。
【0046】
具体的に、図4のステップS108の処理について、図5(d)を用いて説明する。
ここで、図5(d)においては、ステップS107で画定された1つの欠陥領域を、欠陥領域502として図示しているものとする。ここで、本実施形態においては、鋼材200における圧延の方向はX方向であるものとし、ここでは、図5(d)に示す欠陥領域502の圧延の方向における長さは、長さLxであるものとする。そして、鋼材200の圧延比Rr(Rr=圧延前鋼材の厚み/圧延によって製造された鋼材200の厚み)を用いると、図1に示す欠陥大きさ推定部147は、以下の(2)式に従って、圧延を行う前の圧延前鋼材に存在していた欠陥の大きさSfを推定する。
Sf=Lx÷Rr ・・・(2)
【0047】
なお、本実施形態においては、図4のステップS107で画定された欠陥領域502が複数ある場合には、図1に示す欠陥大きさ推定部147は、それぞれの欠陥領域502について、圧延前鋼材に存在していた欠陥の大きさSfを推定する。
【0048】
続いて、図4のステップS109において、図1に示す表示制御部148は、ステップS107で画定された欠陥領域(例えば、図5(e)に示す画像)や、ステップS108で推定された圧延前鋼材に存在していた欠陥の大きさSfを、表示装置170に表示する制御を行う。
【0049】
そして、図4のステップS109の処理が終了すると、図4に示すフローチャートの処理が終了する。
【0050】
図4に示すフローチャートの処理では、画像処理の負荷を軽減する等の目的で、ステップS106において、ステップS105で抽出した欠陥部位501の中から線状欠陥部位を特定し、第2の画像を用いて線状欠陥部位を連結させて欠陥領域502を画定する態様であった。しかしながら、本実施形態においては、この態様に限定されるものではなく、例えば、ステップS106の線状欠陥部位の特定処理は行わずに、第2の画像を用いて、ステップS105で抽出した欠陥部位501を連結させて欠陥領域502を画定する態様も、本実施形態に適用可能である。以下、この態様について、図6及び図7を用いて説明する。
【0051】
図6は、本発明の実施形態に係る欠陥検出装置100による欠陥検出方法の処理手順の第2例を示すフローチャートである。
【0052】
この図6に示す第2例のフローチャートの処理では、まず、図4のステップS101~ステップS105までの処理を経る。これにより、ステップS104で取得された第1の2値化画像の中から、複数の欠陥201に相当する複数の欠陥部位が抽出される。具体的には、図5(c)に示す第1の2値化画像の中から、複数の欠陥201に相当する複数の欠陥部位501-1~501-8が抽出される。
【0053】
続いて、図6のステップS201において、図1に示す欠陥領域画定部146は、ステップS103で生成された第2の画像を用いて、ステップS105で抽出された欠陥部位を連結させて欠陥領域を画定する。
【0054】
図7は、図6のステップS201における欠陥領域の画定処理を説明するための図である。この図7には、図5(c)に示す第1の2値化画像と同じ画像が示されている。そして、図5(c)に示す欠陥部位501-1~501-8が位置する、図5(b)に示す第2の画像の領域510内の対応する位置は、鋼材の表面210からの深さdsが同程度とみなせる所定の範囲内(例えば、鋼材の厚みDが2mmである場合、±0.02mmの範囲内)であることを示す同じ色が付されている。このため、図6のステップS201では、図1に示す欠陥領域画定部146は、図5(b)に示す第2の画像を用いて、図7に示すように、鋼材の表面210からの深さdsが同程度とみなせる所定の範囲内に属する欠陥部位501-1~501-8を連結させて、これを1つの欠陥領域502として画定する。ここで、本実施形態では、図7に示す欠陥領域502とは、鋼材の表面210からの深さdsが同程度とみなせる所定の範囲内に属する欠陥部位501-1~501-8を連結させて作られた「連結欠陥」と外接する四角形状の領域を言うものとする。
【0055】
続いて、図6のステップS202において、図1に示す欠陥大きさ推定部147は、ステップS201で画定された欠陥領域の圧延の方向における長さと、鋼材200の圧延比とを用いて、圧延を行う前の圧延前鋼材に存在していた欠陥の大きさを推定する。この図6のステップS202における欠陥の大きさの推定処理は、図4のステップS108で説明した処理内容と基本的には同じであるため、その詳細な説明は省略する。
【0056】
続いて、図6のステップS203において、図1に示す表示制御部148は、ステップS201で画定された欠陥領域(例えば、図7に示す画像)や、ステップS202で推定された圧延前鋼材に存在していた欠陥の大きさSfを、表示装置170に表示する制御を行う。
【0057】
そして、図6のステップS203の処理が終了すると、図6に示すフローチャートの処理が終了する。
【0058】
以上説明した本実施形態に係る欠陥検出装置100によれば、受信超音波の路程に基づく鋼材の表面210からの深さdsを2次元状で表した第2の画像を用いて、第1の2値化画像の中から抽出した欠陥部位を連結させて欠陥領域を画定するようにしたので、圧延によって製造された鋼材200から複数の欠陥部位を検出した際に、圧延前鋼材において同一の発生源の欠陥から生じたものであるか否かを判別することができる。これにより、圧延前鋼材に存在していた欠陥の大きさを推定することができ、その結果、製鋼の操業条件を見直し改善を図ることが可能となる。
【0059】
(その他の実施形態)
その他の実施形態として、図4図6に示すフローチャートの処理を実行するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種の記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する形態も、本発明に含まれる。また、このプログラム及び当該プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体も、本発明に含まれる。
【0060】
なお、上述した本発明の実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその技術思想又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0061】
100:欠陥検出装置、110:超音波探触子、120:超音波送受信装置、121:送信部、122:受信部、走査装置130、制御・処理装置140、141:第1の画像生成部、142:第2の画像生成部、143:2値化処理部、144:欠陥部位抽出部、145:線状欠陥部位特定部、146:欠陥領域画定部、147:欠陥大きさ推定部、148:表示制御部、150:情報入力装置、160:記憶装置、170:表示装置、200:鋼材、201:欠陥、210:鋼材の表面、211-0~211-N:測定点、220:鋼材の裏面、501:欠陥部位、502:欠陥領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7