(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023035489
(43)【公開日】2023-03-13
(54)【発明の名称】カーテン
(51)【国際特許分類】
A47H 23/04 20060101AFI20230306BHJP
A47H 23/08 20060101ALI20230306BHJP
【FI】
A47H23/04
A47H23/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021142381
(22)【出願日】2021-09-01
(71)【出願人】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123021
【弁理士】
【氏名又は名称】渥美 元幸
(72)【発明者】
【氏名】臼田 太郎
【テーマコード(参考)】
2E182
【Fターム(参考)】
2E182AA01
2E182AC01
2E182BB06
2E182EE01
(57)【要約】
【課題】 美観を損ねることなく、容易に長さを調整することができるカーテンを提供する。
【解決手段】 カーテン裾部12近傍のカーテン裏地11に、カーテン1本体の幅方向に対して長さを有する長尺の帯状部材で、その表面にカーテン裏地11と係合する面ファスナー部21を備え、カーテン1の裾を任意の位置の折り返しライン13で折り返したときに、面ファスナー部21がカーテン裏地11と係合して、折り返された状態を保持する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーテンの裾近傍のカーテン裏地に、カーテン本体の幅方向に対して長さを有する長尺の帯状部材と、
前記帯状部材の表面にカーテン裏地と係合する面ファスナーとを備え、
カーテンの裾を任意の位置で折り返したときに、前記面ファスナーがカーテン裏地と係合して、折り返された状態を保持する
ことを特徴とするカーテン。
【請求項2】
さらに、カーテン裏地に、カーテン本体の幅方向に対して長さを有し、前記帯状部材と平行する長尺の第2の帯状部材を備え、
前記面ファスナーは、前記第2の帯状部材の表面にも備えられている
ことを特徴とする請求項1に記載のカーテン。
【請求項3】
前記第2の帯状部材の裏面にカーテン裏地と係合する面ファスナーを備え、
前記第2の帯状部材がカーテン裏地に着脱可能に取り付けられている
ことを特徴とする請求項2に記載のカーテン。
【請求項4】
カーテンの生地が、カーテン裏地と、カーテン表地と、これらの間に介在する熱可塑性樹脂のシート状の部材とで構成されている
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のカーテン。
【請求項5】
カーテン本体は、幅方向に所定の間隔で襞状部を備え、
前記帯状部材は、
カーテン裏地と係合する面ファスナーが形成されている粘着部と、
前記面ファスナーが形成されていない非粘着部とを有し、
前記襞状部の位置と前記帯状部材における非粘着部との位置が合致している
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のカーテン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーテンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
カーテンは1枚の布地で構成され、縦横の長さが定まった既製品として販売されているものがある。既製品の場合、寸法上の制約があって取り付けられない場合がある。これに対して、縦横のサイズを指定可能なセミオーダーメイドのカーテンも販売されている。このセミオーダーメイドのカーテンにおいても、注文した製品が届いていざ取り付けてみると、採寸時の誤差等のためにサイズが合わないといった事態が起こることがある。そのため、容易にサイズ調整可能なカーテンが望まれるようになり、これに関する提案がなされている。例えば、特許文献1では、表面の柄模様の一部または全部にパイル状の構成を有するカーテン本体と、裏面に接着テープが縫い付けられた長さ調節布が着脱自在に取り付けられている長さ調節カーテンが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の長さ調節カーテンによれば、調節部が別体になっているため、連結時に段差ができてしまい美観を損ねるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、美観を損ねることなく、容易に長さを調整することができるカーテンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明に係るカーテンは、カーテンの裾近傍のカーテン裏地に、カーテン本体の幅方向に対して長さを有する長尺の帯状部材と、前記帯状部材の表面にカーテン裏地と係合する面ファスナーとを備え、カーテンの裾を任意の位置で折り返したときに、前記面ファスナーがカーテン裏地と係合して、折り返された状態を保持することを特徴とする。
【0007】
ここで、さらに、カーテン裏地に、カーテン本体の幅方向に対して長さを有し、前記帯状部材と平行する長尺の第2の帯状部材を備え、前記面ファスナーは、前記第2の帯状部材の表面にも備えられているのが好ましい。
【0008】
また、前記第2の帯状部材の裏面にカーテン裏地と係合する面ファスナーを備え、前記第2の帯状部材がカーテン裏地に着脱可能に取り付けられているのが、さらに好ましい。
【0009】
また、カーテンの生地が、カーテン裏地と、カーテン表地と、これらの間に介在する熱可塑性樹脂のシート状の部材とで構成されているのが好ましい。
【0010】
さらに、カーテン本体は、幅方向に所定の間隔で襞状部を備え、前記帯状部材は、カーテン裏地と係合する面ファスナーが形成されている粘着部と、前記面ファスナーが形成されていない非粘着部とを有し、前記襞状部の位置と前記帯状部材における非粘着部との位置が合致しているのが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るカーテンによれば、カーテンを任意の位置で折り返したときに、カーテンの裾付近に取り付けられた面ファスナーがカーテン裏地と係合し、カーテンの裾を折り返した状態で固定するので、段差を生じさせず美観を損ねることなく、容易に長さを調整することができるカーテンが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施の形態1に係るカーテンの下端側端部を示す図である。
【
図2】実施の形態1に係るカーテンの下端を折り返した状態を示す図である。
【
図3】実施の形態1に係るカーテンを構成する生地を模式的に示す図である。
【
図4】本発明の実施の形態2に係るカーテンの下端側端部を示す図である。
【
図5】実施の形態2に係るカーテンの下端を折り返した状態を示す図である。
【
図6】実施の形態2に係るカーテンの下端を折り返した状態を側面から見た図である。
【
図7】本発明の実施の形態3に係るカーテンの下端側端部を示す図である。
【
図8】実施の形態3に係るカーテンの襞部を下から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係るカーテンについて、実施の形態に基づいて説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施の形態1に係るカーテンの下端側端部を示す図である。
【0015】
実施の形態1のカーテン1は、1枚の布地で構成されたカーテンであり、カーテン裏地11のカーテン裾部12に面ファスナー部21を備えている。
【0016】
カーテン裾部12は、カーテン1の下端の縁、すなわち、カーテン1の裾であり、この裾の近傍に面ファスナー部21が着脱可能に取り付けられる。
【0017】
面ファスナー部21は、カーテン1本体の幅方向への長さを有し、カーテン裏地11のカーテン裾部12の近傍に取り付けられる面ファスナーで構成された帯状部材である。面ファスナー部21は、帯状の部材の両面に面ファスナーを配することで構成され、裏面側にはカーテン裏地11に取り付けるための面ファスナーが配されており、表面側には、カーテン1の裾を折り返したときに、折り返された状態で固定するための面ファスナーが配されている。カーテン裏地11が起毛トリコット素材で構成されているとすれば、面ファスナー部21の両面はフック面(オス)となり、ループ面(メス)となる起毛トリコットと係合するようになっている。なお、カーテン裏地11がフック面で、面ファスナー部21がループ面となるように構成しても差し支えない。
【0018】
図2は、実施の形態1に係るカーテンの下端を折り返した状態を示す図である。
【0019】
カーテン1を任意の位置(折り返しライン13)で折り返したとき、カーテン裏地11のカーテン裾部12の近傍に取り付けられた面ファスナー部21がカーテン裏地11と係合し、折り返された状態で固定するので、カーテン1の丈を調整することができる。すなわち、面ファスナー部21が、カーテン1の裾部を折り返した状態を固定する長尺状の固定具として機能することにより、カーテン1の縦方向の長さを調整可能とするものである。
【0020】
ここで、面ファスナー部21は、カーテン裏地11のカーテン裾部12の近傍に固定的に取り付けられるとしてもよく、着脱可能に取り付けられるとしてもよい。面ファスナー部21をカーテン裏地11に対して着脱可能に取り付ける場合は、折り返された状態を固定するための固定具として機能する面(面ファスナー部21の表面)よりも、反対側の面(面ファスナー部21の裏面)の結合力が強くなるように設定するのが好ましい。カーテン1の折り返し状態を解除する際には、面ファスナー部21の表面がカーテン裏地11から剥がれる必要があるところ、面ファスナー部21の裏面の方がカーテン裏地11から剥がれてしまうことを防止するためである。
【0021】
また、面ファスナー部21は、カーテン1本体の幅方向と同様の長さを有するとしてもよいが、一定の長さの面ファスナー部21をカーテン1の幅方向に対して断続的に複数個設けるようにしてもよい。カーテン裏地11に対して着脱可能とする場合は、面ファスナー部21をカーテン1の幅方向に対して複数個に分割して取り付けられるようにすることで、着脱操作を容易にする利点がある。なお、複数の固定具を間隔を空けて配置するとした場合、固定具の個数が多くなればなるほど、配置位置である折り返しライン13を水平に保つことが困難となり、その結果として折り返し部を水平にすることができず、見栄えを悪くすることになる。そのため、面ファスナー部21は、短尺の固定具ではなく、一定の長さを有する長尺状の固定具とするのが好ましいといえる。
【0022】
図3は、実施の形態1に係るカーテンを構成する生地を模式的に示す図である。
【0023】
カーテン1を構成する生地は、カーテン表地10と、カーテン裏地11と、中間層のTPUシート14との三層構造となっている。中間層のTPUシート14は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)等の熱可塑性樹脂で構成されたシート状の部材である。
【0024】
これらの各層はそれぞれ、ホットメルト接着剤等である接着剤15によって接着されており、中間層のTPUシート14が介在することで、カーテン表地10とカーテン裏地11との接着強度を向上させることができる。なお、TPUシート14を介在させることで、生地が透けて見えることがなくなり遮蔽効果を得ることができ、断熱効果も期待できる。
【0025】
中間層としてTPUシート14を介在させて、カーテン表地10とカーテン裏地11との接着強度を高めることには次のような理由がある。カーテン裏地11に面ファスナー部21が貼り付けられることで、カーテン1の裾を折り返した状態で固定する構成となっている。この固定を解除するとき、すなわち、カーテン裏地11から面ファスナー部21を剥がすときにカーテン1の一端を引っ張ると、接着されたカーテン表地10とカーテン裏地11とが剥がれしまうおそれがある。また、この動作を繰り返すとカーテン表地10とカーテン裏地11との接着が弱まり、剥がれが生じやすくなる。そのために、カーテン表地10とカーテン裏地11との接着を補助する要素として、中間層のTPUシート14を介在させ、シートの面全体で接着することによりカーテン表地10とカーテン裏地11との接着強度を高めている。
【0026】
なお、カーテン1を構成する生地は、次のような手順で形成される。
【0027】
カーテン表地10の一方の面にホットメルト接着剤(PUR)を塗布し、次に、ホットメルト接着剤が塗布された面とTPUシート14とを貼り合わせてローラーで熱を加えながら接着する。続いて、カーテン裏地11の一方の面にホットメルト接着剤を塗布する。カーテン表地10とTPUシート14とを接着したものと、カーテン裏地11のホットメルト接着剤が塗布された面とを貼り合わせてローラーで熱を加えながら接着する。
【0028】
このように、実施の形態1のカーテンによれば、カーテン1を任意の位置で折り返したときに、カーテン裏地11の裾付近に取り付けられた面ファスナー部21がカーテン裏地11と係合し、カーテン1の裾を折り返した状態で固定する。つまり、長さ調節具の面ファスナー部21とカーテン本体を構成するカーテン裏地11とが一体になっているため、段差を生じさせず美観を損ねることなく、折り返しの任意の位置を変えることで縦方向の長さ調整が可能となる。
【0029】
次に、実施の形態2のカーテンについて説明する。なお、実施の形態1と異なる点を中心に説明し、同じ構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
【0030】
図4は、実施の形態2に係るカーテンの下端側端部を示す図である。
【0031】
実施の形態2のカーテン2は、面ファスナー部21と同様の長尺状の固定具である面ファスナー部22が、カーテン裏地11のカーテン裾部12の近傍に取り付けられた面ファスナー部21と平行に、折り返しライン13の近傍に取り付けられている点で、実施の形態1のカーテン1と異なる。
【0032】
折り返しの任意の位置、つまり折り返し予定となるラインである折り返しライン13の下方であって、折り返しライン13の付近にも面ファスナー部22を設けることで、後述するように、折り返された後のカーテン2の裾は平面状に保たれるので美観を良好に維持することができる。
【0033】
図5は実施の形態2に係るカーテンの下端を折り返した状態を示す図であり、
図6は実施の形態2に係るカーテンの下端を折り返した状態を側面から見た図である。
【0034】
カーテン2を折り返しライン13で折り返すと、カーテン裏地11のカーテン裾部12の近傍に取り付けられた面ファスナー部21は、カーテン裏地11と係合し、折り返された状態で固定する。また、折り返しライン13の近傍に取り付けられた面ファスナー部22が、折り返された部分のカーテン裏地11と係合し、当該部分の折り返された状態を固定する。
【0035】
このとき、カーテン2の裾の折り返しを固定する箇所が、面ファスナー部21とカーテン裏地11との係合箇所のみであれば、折り返しライン13の近傍に位置する折り返し部分は膨らんでしまうことがある。面ファスナー部22が、折り返しライン13の近傍に取り付けられていることで、折り返しライン13の近傍に位置する折り返し部分の膨らみを抑え、当該部分を平面状に維持するので、折り返された後のカーテン2の裾の美観をより良好に保つことができる。
【0036】
このように、本実施の形態2のカーテンによれば、カーテン2の任意の折り返し位置の下方かつ近傍に取り付けられた面ファスナー部22がカーテン裏地11と係合し、折り返し部分を折り返された状態で固定するので、折り返された後のカーテン2の裾を平面状に保つことで優れた美観を実現することができる。
【0037】
なお、ここでは、折り返し状態を固定する面ファスナー部として、カーテン裏地11のカーテン裾部12の近傍に取り付けられる面ファスナー部21と、折り返しライン13の近傍に取り付けられる面ファスナー部22との2つを示したが、少なくともこの2箇所を固定する面ファスナー部を備えていればよく、これらの2箇所の間に複数の面ファスナー部を設けてもよい。
【0038】
また、面ファスナー部21はカーテン裏地11のカーテン裾部12の近傍に固定的に取り付けられるとし、面ファスナー部22は面ファスナー部21と平行にカーテン裏地11の任意の位置に着脱可能に取り付けられるようにして、カーテン2の折り返しの任意の位置を変えられるようにし、縦方向の柔軟な長さ調整を可能にするとしてもよい。
【0039】
さらに、実施の形態3のカーテンについて説明する。なお、実施の形態1および実施の形態2と異なる点を中心に説明し、同じ構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
【0040】
図7は実施の形態3に係るカーテンの下端側端部を示す図であり、
図8は実施の形態3に係るカーテンの襞部を下から見た図である。
【0041】
実施の形態3のカーテン3において、カーテン裏地11のカーテン裾部12の近傍には帯状部材31が取り付けられており、折り返しライン13の近傍には第2帯状部材32が取り付けられている。
【0042】
帯状部材31および第2帯状部材32は、上記実施の形態1および2の面ファスナー部と同様の機能を有する固定具であり、帯状部材31は上記実施の形態1および2における面ファスナー部21と同様の作用効果を奏し、第2帯状部材32は上記実施の形態2における面ファスナー部22と同様の作用効果を奏する点で共通している。
【0043】
一方、帯状部材31および第2帯状部材32は、構成の点で面ファスナー部21および面ファスナー部22と異なっている。なお、帯状部材31と第2帯状部材32とは配置される位置の相違だけで構成は共通しているから、以下では帯状部材31のみを説明する。
【0044】
帯状部材31は、カーテン3本体の幅方向に対して長さを有する長尺の帯状部材で、表面粘着部33と非粘着部34と裏面粘着部35とを長さ方向へ交互に備えている。
【0045】
表面粘着部33は、カーテン3の裾を折り返したときにカーテン裏地11と係合して折り返し状態を保持する面ファスナーである。
【0046】
裏面粘着部35は、カーテン裏地11と係合して帯状部材31をカーテン裏地11に取り付けるための面ファスナーである。
【0047】
なお、表面粘着部33よりも裏面粘着部35の結合力が強くなるように、表面粘着部33および裏面粘着部35のそれぞれの面ファスナーの結合力に差を設けるのが好ましい。カーテン3の折り返し状態を解除するため、表面粘着部33をカーテン裏地11から剥がすときに、裏面粘着部35がカーテン裏地11から剥がれてしまうことを防ぐためである。
【0048】
非粘着部34は、帯状部材31のうち、表面粘着部33および裏面粘着部35の2つの粘着部である面ファスナーが形成されておらず、カーテン裏地11から遊離している箇所で、所定の規則性をもって断続的に設けられている。ここにいう所定の規則性は、カーテン3における襞部16の間隔と合致する間隔である。
【0049】
カーテンには、カーテンの幅方向を一定の間隔で屈曲させて波状の襞(ドレープ)を形成するものがある。本実施の形態3のカーテン3は、帯状部材31を、このカーテン3に形成される襞部16の位置に合わせて非粘着部34が位置するようにしたものである。このとき、襞部16の屈曲線であるドレープライン17が、非粘着部34の中央に位置するように非粘着部34を設けるのが好ましい。
【0050】
長尺状の固定具が幅方向の全体に亘ってカーテン裏地11と面ファスナーで係合している、すなわち、長尺状の固定具の全体がカーテン裏地11との接着面となる場合、ドレープが形成されているカーテンでは、カーテンの裾を折り返したときにドレープ部分の折り返しが十分ではなく、その結果として折り返したカーテンの見栄えが悪くなることがある。そのため、帯状部材31は、襞部16の間隔に合わせて2つの粘着部と非粘着部34とが交互に配置される構成とし、さらに、カーテン3への取り付け時に非粘着部34がカーテン3の襞部16の位置と合うように構成することで、カーテン3の裾が折り返された時に、折り返し部分の襞部16を自然な襞状のままで維持するので、外観を損なうことがない。また、2つの粘着部と非粘着部34とが交互に配置される構成とすることで、カーテン3の幅方向の柔軟性も維持することができる。
【0051】
カーテン3の襞部16において、帯状部材31の非粘着部34は襞部16と遊離した状態になっている。襞部16のある位置を折り返したときには、非粘着部34が襞部16と遊離しているため、襞部16の構成に影響を与えることがなく襞状のまま自然に折り曲げられ、折り返された後のカーテン3の裾の見た目を損なうことがない。
【0052】
このように、本実施形態3のカーテンによれば、カーテン裏地11の裾付近と、カーテン3の折り返しライン13の下方かつ近傍に、襞部16の間隔に合わせて表面粘着部33および裏面粘着部35の2つの粘着部と非粘着部34とが交互に配置された帯状部材31を取り付け、非粘着部34が襞部16の位置と合うように構成しているので、カーテン3の裾が折り返された時に、折り返し部分の襞部16の位置で折り返されたカーテン3の裾を襞状のままで自然に折り曲げられる。その結果、見た目を損なうことなく折り曲げられ、長さ調整が可能なカーテンを実現することができる。
【0053】
なお、カーテン3のデザイン上の観点に応じて襞部16が形成される間隔は異なるため、2つの粘着部と非粘着部34との長さの比率が異なることになる。この場合でも、帯状部材31全体の長さに対して、2つの粘着部の方が非粘着部34よりも長くなるようにして、折り返し状態を固定する粘着力を確保するのが好ましい。
【0054】
また、カーテン裏地11のカーテン裾部12の近傍に配置される帯状部材31をカーテン裏地11に固定的に取り付ける構成とし、第2帯状部材32を帯状部材31と平行にカーテン裏地11の任意の位置に着脱可能に取り付けられる構成として、カーテン3の折り返し位置を任意に変更できるようにし、縦方向の柔軟な長さ調整を可能にするとしてもよい。このとき、第2帯状部材32のみが裏面粘着部35を備え、帯状部材31は、裏面粘着部35に代えて縫着等により帯状部材31をカーテン裏地11へ取り付けられることになる。
【0055】
以上、本発明に係るカーテンについて各実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の目的を達成でき、かつ発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々設計変更が可能であり、それらも全て本発明の範囲内に包含されるものである。
【0056】
例えば、上記実施形態では、面ファスナー部をカーテン裏地に取り付けるとしたが、カーテン表地側に面ファスナー部を設けてカーテン表地側を折り返すようにしてもよい。カーテン裏地側を折り返す構成とする方がよりよい美観を追求する点で好ましいといえるが、カーテン表地側を折り返す構成を排除する趣旨ではない。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明に係るカーテンは、長さ調整が可能なカーテン等に適している。
【符号の説明】
【0058】
1,2,3 カーテン
10 カーテン表地
11 カーテン裏地
12 カーテン裾部
13 折り返しライン
14 TPUシート
15 接着剤
16 襞部
17 ドレープライン
21 面ファスナー部
22 第2面ファスナー部
31 帯状部材
32 第2帯状部材
33 表面粘着部
34 非粘着部
35 裏面粘着部