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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023035528
(43)【公開日】2023-03-13
(54)【発明の名称】米飯製造装置
(51)【国際特許分類】
   A23L 7/10 20160101AFI20230306BHJP
   G01G 13/06 20060101ALI20230306BHJP
【FI】
A23L7/10 E
G01G13/06 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021142440
(22)【出願日】2021-09-01
(71)【出願人】
【識別番号】591094262
【氏名又は名称】鈴茂器工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101971
【弁理士】
【氏名又は名称】大畑 敏朗
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 美奈子
(72)【発明者】
【氏名】小池 真二
【テーマコード(参考)】
2F046
4B023
【Fターム(参考)】
2F046BA02
2F046DA06
2F046FA08
4B023LE11
4B023LT26
4B023LT42
4B023LT61
4B023LT62
4B023LT66
4B023LT67
(57)【要約】
【課題】米飯を型崩れすることなく搬送コンベア上に落下搭載できるようにする。
【解決手段】米飯Rを搬送する搬送コンベア5と、所定重量の米飯Rを生成して搬送コンベア5に落下搭載する米飯生成手段3とを有し、米飯生成手段3は、米飯Rを分割する一対のシャッタ3cが開口した下端に設けられ、米飯Rを下方へ供給する供給部3aと、供給部3aの下方に位置して上下に開口した枠体で構成され、一対の上部ゲート3daが下端に設けられて一対のシャッタ3cとの間隔で米飯Rの厚みを調整する厚み調整板3dとを備え、搬送コンベア5の米飯落下位置には、落下搭載された米飯Rが嵌まり込むガイドフレーム10が設置されている。ガイドフレーム10は、2つのフレーム片10pにより構成された枠体であり、搬送コンベア5と直交する方向に相互に離間して、搬送コンベア5による米飯Rの搬送を阻害しない位置まで移動可能とされている。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
米飯を搬送する搬送手段と、
所定重量の米飯を生成して前記搬送手段に落下搭載する米飯生成手段とを有し、
前記米飯生成手段は、
米飯を分割する一対のシャッタが開口した下端に設けられ、米飯を下方へ供給する供給部と、
前記供給部の下方に位置して上下に開口した枠体で構成され、一対の上部ゲートが下端に設けられて前記一対のシャッタとの間隔で米飯の厚みを調整する厚み調整手段とを備え、
前記搬送手段の米飯落下位置には、
前記搬送手段に落下搭載された米飯が嵌まり込み、当該米飯の外周形状の崩壊を阻止するガイドフレームが設置されている、
ことを特徴とする米飯製造装置。
【請求項2】
前記ガイドフレームは、
2つのフレーム片により構成された枠体であり、
前記2つのフレーム片は、前記搬送手段と直交する方向に相互に離間して、前記搬送手段による米飯の搬送を阻害しない位置まで移動可能とされている、
ことを特徴とする請求項1記載の米飯製造装置。
【請求項3】
前記ガイドフレームは、
前記搬送手段による米飯の搬送を阻害しない高さまで上昇可能になった枠体である、
ことを特徴とする請求項1記載の米飯製造装置。
【請求項4】
前記ガイドフレームは、
前記搬送手段による米飯の搬送方向前方が開口した形状である、
ことを特徴とする請求項1記載の米飯製造装置。
【請求項5】
前記ガイドフレームの上部内側縁はテーパ状に形成されている、
ことを特徴とする請求項1~4の何れか一項に記載の米飯製造装置。
【請求項6】
前記厚み調整手段は、上下方向に移動可能に設けられている、
ことを特徴とする請求項1~5の何れか一項に記載の米飯製造装置。
【請求項7】
前記厚み調整手段の下方に設けられ、上下が開放されて前記供給部からの米飯の落下を案内するとともに米飯計量装置が取り付けられた計量落下ガイドと、
前記計量落下ガイドの下端に設けられ、米飯計量時に閉鎖位置となり、米飯計量後に開放位置となって米飯を落下させる一対の下部ゲートとをさらに備える、
ことを特徴とする請求項1~6の何れか一項に記載の米飯製造装置。
【請求項8】
前記計量落下ガイドの上部内側縁はテーパ状に形成されている、
ことを特徴とする請求項7記載の米飯製造装置。
【請求項9】
前記米飯生成手段は、最終目標重量値よりも少ない重量に設定された設定重量値を目標とした米飯である主米飯を生成し、
主米飯の重量と前記最終目標重量値との重量差である補充重量値を目標とした米飯である補充米飯を生成して当該補充米飯を前記搬送手段に搬送される主米飯に補充する補充米飯生成手段をさらに有する、
ことを特徴とする請求項1~8の何れか一項に記載の米飯製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、米飯製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
炊き上がった米飯を弁当容器などの盛付部の形状に合わせた形状に成形する米飯製造装置では、ホッパから供給された米飯を所定重量に分割し、この分割された米飯を計量升で計量してから当該計量升の内周形状で搬送コンベアに落下させたり、分割された米飯を直接搬送コンベアに落下させて形状を整えた後に搬送コンベア(搬送手段)に装着された計量装置で計量している。
【0003】
なお、分割された米飯を成形する技術が記載された文献としては、例えば特許文献1(特開2018-143229号公報)がある。この特許文献1には、設定重量値を目標とした米飯を生成する米飯生成部で生成された米飯を、搬送コンベア上で成形部により所定の形状に成形する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-143229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、計量升で米飯形状を作っても、搬送コンベア上に米飯が落下するときに形が崩れてしまうことがある。特に、チャーハンなど固まりにくい米飯だと、搬送コンベア上で形が崩れ、一部が搬送コンベアからこぼれ落ちることがある。したがって、後工程に米飯の成形機構があったとしても、そこに到達するまでにさらに散らばり、米飯が成形機構にしっかり入らない。
【0006】
本発明は、上述の技術的背景からなされたものであって、米飯を型崩れすることなく搬送手段上に落下搭載することのできる米飯製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明の米飯製造装置は、米飯を搬送する搬送手段と、所定重量の米飯を生成して前記搬送手段に落下搭載する米飯生成手段とを有し、前記米飯生成手段は、米飯を分割する一対のシャッタが開口した下端に設けられ、米飯を下方へ供給する供給部と、前記供給部の下方に位置して上下に開口した枠体で構成され、一対の上部ゲートが下端に設けられて前記一対のシャッタとの間隔で米飯の厚みを調整する厚み調整手段とを備え、前記搬送手段の米飯落下位置には、前記搬送手段に落下搭載された米飯が嵌まり込み、当該米飯の外周形状の崩壊を阻止するガイドフレームが設置されている、ことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の本発明の米飯製造装置は、上記請求項1記載の発明において、前記ガイドフレームは、2つのフレーム片により構成された枠体であり、前記2つのフレーム片は、前記搬送手段と直交する方向に相互に離間して、前記搬送手段による米飯の搬送を阻害しない位置まで移動可能とされている、ことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の本発明の米飯製造装置は、上記請求項1記載の発明において、前記ガイドフレームは、前記搬送手段による米飯の搬送を阻害しない高さまで上昇可能になった枠体である、ことを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の本発明の米飯製造装置は、上記請求項1記載の発明において、前記ガイドフレームは、前記搬送手段による米飯の搬送方向前方が開口した形状である、ことを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の本発明の米飯製造装置は、上記請求項1~4の何れか一項に記載の発明において、前記ガイドフレームの上部内側縁はテーパ状に形成されている、ことを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の本発明の米飯製造装置は、上記請求項1~5の何れか一項に記載の発明において、前記厚み調整手段は、上下方向に移動可能に設けられている、ことを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の本発明の米飯製造装置は、上記請求項1~6の何れか一項に記載の発明において、前記厚み調整手段の下方に設けられ、上下が開放されて前記供給部からの米飯の落下を案内するとともに米飯計量装置が取り付けられた計量落下ガイドと、前記計量落下ガイドの下端に設けられ、米飯計量時に閉鎖位置となり、米飯計量後に開放位置となって米飯を落下させる一対の下部ゲートとをさらに備える、ことを特徴とする。
【0014】
請求項8に記載の本発明の米飯製造装置は、上記請求項7記載の発明において、前記計量落下ガイドの上部内側縁はテーパ状に形成されている、ことを特徴とする。
【0015】
請求項9に記載の本発明の米飯製造装置は、上記請求項1~8の何れか一項に記載の発明において、前記米飯生成手段は、最終目標重量値よりも少ない重量に設定された設定重量値を目標とした米飯である主米飯を生成し、主米飯の重量と前記最終目標重量値との重量差である補充重量値を目標とした米飯である補充米飯を生成して当該補充米飯を前記搬送手段に搬送される主米飯に補充する補充米飯生成手段をさらに有する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、搬送手段における米飯落下位置に、搬送手段に落下搭載された米飯が嵌まり込むガイドフレームが設置されているので、米飯を型崩れすることなく搬送手段上に落下搭載することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施の形態に係る米飯製造装置の概略を示す正面図である。
図2図1の米飯製造装置の平面図である。
図3図1の米飯製造装置の側面図である。
図4図1の米飯製造装置を構成する主米飯生成部を搬送コンベアとともに示す側面図である。
図5図4の主米飯生成部を構成する計量落下ガイド、一対の下部ゲートおよびガイドフレームを搬送コンベアとともに示す斜視図である。
図6図1の米飯製造装置を構成する補充米飯生成部を搬送コンベアとともに示す正面図である。
図7】(a)~(g)は本発明の一実施の形態に係る米飯製造装置に設けられた主米飯生成部による主米飯の生成プロセスを連続的に示す説明図である。
図8】本発明の一実施の形態に係る米飯製造装置に設けられた主米飯生成部を構成するガイドフレームの変形例を計量落下ガイド、一対の下部ゲートおよび搬送コンベアとともに示す斜視図である。
図9】本発明の一実施の形態に係る米飯製造装置に設けられた主米飯生成部を構成するガイドフレームの他の変形例を計量落下ガイド、一対の下部ゲートおよび搬送コンベアとともに示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一例としての実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0019】
図1は本発明の一実施の形態に係る米飯製造装置の概略を示す正面図、図2図1の米飯製造装置の平面図、図3図1の米飯製造装置の側面図、図4図1の米飯製造装置を構成する主米飯生成部を搬送コンベアとともに示す側面図、図5図4の主米飯生成部を構成する計量落下ガイド、一対の下部ゲートおよびガイドフレームを搬送コンベアとともに示す斜視図、図6図1の米飯製造装置を構成する補充米飯生成部を搬送コンベアとともに示す正面図である。
【0020】
図1図3に示すように、本実施の形態の米飯製造装置Mは、キャスタ1aによって移動可能とされるとともにネジで上下に伸縮するアジャスタ脚1bで固定可能となった台座2上に、主米飯生成部(米飯生成手段)3および補充米飯生成部(補充米飯生成手段)4が隣接配置され、主米飯生成部3と補充米飯生成部4との直下を通過するようにして搬送コンベア(搬送手段)5が設けられている。なお、搬送方向の上流側に主米飯生成部3が、下流側に補充米飯生成部4が配置されている。
【0021】
ここで、主米飯生成部3は、最終目標重量値よりも少ない重量に設定された設定重量値を目標とした主米飯R1(米飯R)を生成して搬送コンベア5に落下搭載する機能部である。具体的には、最終目標重量値を例えば200gとすると、主米飯生成部3では、設定重量値として例えば90%(180g)を狙って主米飯R1を生成する。
【0022】
また、補充米飯生成部4は、主米飯R1の重量と最終目標重量値との重量差である補充重量値を目標とした補充米飯R2(米飯R)を生成して搬送コンベア5に搬送される主米飯R1に補充する機能部である。具体的には、主米飯R1の重量(180g)と最終目標重量値(200g)との重量差である補充重量値(20g)を目標とする米飯Rである補充米飯R2を生成し、これを搬送コンベア5に搬送される主米飯R1に補充する。
【0023】
図示するように、主米飯生成部3と補充米飯生成部4とに供給する米飯Rが投入されるホッパ6が、主米飯生成部3の上方および補充米飯生成部4の上方には設けられている。
【0024】
台座2の側方(図1において右側)には、上下方向に延びる一対の縦レール(図示せず)に沿って米飯Rの収容されたコンテナ7を昇降させるリフタ8が設けられている。このリフタ8によってコンテナ7は上部に設置されたホッパ6の位置まで持ち上げられ、リフタ8の上端に設けられた反転部9によってホッパ6に向けて上下反転されることにより、コンテナ7内の米飯Rがホッパ6に投入される。
【0025】
ホッパ6内には、投入された米飯Rを解すための解しローラ、解しローラで解された米飯Rを主米飯生成部3と補充米飯生成部4とに搬送するための搬送ローラなどが設けられている。また、主米飯生成部3と補充米飯生成部4との境界部分には、ホッパ6内の米飯Rを主米飯生成部3と補充米飯生成部4とに分岐する分岐板(図示せず)が設置されている。したがって、ホッパ6内の米飯Rは、分岐板によって前述した主米飯生成部3と補充米飯生成部4とに振り分けられる。
【0026】
搬送コンベア5は、駆動ローラ5aaおよび従動ローラ5abと、これらのローラ5aa,5abに架け渡されて周回する無端状の搬送ベルト5bとで構成されている。なお、搬送コンベア5の搬送方向上流側の上方に主米飯生成部3が設けられ、主米飯生成部3よりも搬送方向下流側の上方に補充米飯生成部4が設けられており、両者は相互に隣接した位置に配置されている。
【0027】
図4および図5に詳しく示すように、主米飯生成部3は、ホッパ6からの米飯Rを下方へ供給する供給部3a、および供給部3aの下方に設けられて供給部3aから落下する米飯Rを案内する枠体の計量落下ガイド3bを備えている。
【0028】
供給部3aは下端が開口しており、米飯Rを分割する一対のシャッタ3cが当該下端を開閉可能に設けられている。また、供給部3aの内側には、米飯Rを下方に送るためのローラ3aaが備えられている。図示するように、ローラ3aaは上下方向に2段になって合計4個が備えられている。そして、ローラ3aaにより供給部3aから送り出される米飯Rの水平方向の断面積と、前述した一対のシャッタ3cによる米飯Rの分割位置とにより、主米飯R1の量目が調整されるようになっている。
【0029】
計量落下ガイド3bは上下が開放されており、供給部3aと計量落下ガイド3bとの間には、上下方向に移動可能になった厚み調整板(厚み調整手段)3dが備えられている。この厚み調整板3dは枠体となって上下に開口しており、下端には、一対の上部ゲート3daが開閉可能に設けられている。また、計量落下ガイド3bの下端には、一対の下部ゲート3eが当該下端を開閉可能に設けられている。
【0030】
なお、供給部3aの開口下端、厚み調整板3d、計量落下ガイド3bおよび後述する搬送コンベア5上のガイドフレーム10は、それぞれの内周が相互に同形状に形成されるとともに、鉛直方向から見て同じ位置となっている(図4参照)。したがって、供給部3aの開口下端から出た主米飯R1は、自重落下して厚み調整板3dおよび計量落下ガイド3bを通過し、ガイドフレーム10に嵌まり込むようにして搬送コンベア5に落下搭載される。なお、搬送コンベア5は、主米飯R1が搭載されるまでは停止しており、搭載後に搬送動作を開始して当該主米飯R1を補充米飯生成部4へ向けて搬送する。
【0031】
本実施の形態では、計量落下ガイド3bには米飯計量装置であるロードセル(図示せず)が取り付けられており、一対の下部ゲート3eが閉鎖位置のときに計量落下ガイド3bに落下した主米飯R1の重量が計測されるようになっている。主米飯R1の重量計測後、一対の下部ゲート3eが開き、計量落下ガイド3b内の主米飯R1が搬送コンベア5上に落下搭載される。
【0032】
ここで、図5に示すように、計量落下ガイド3bの上部内側縁3baはテーパ状に形成されている。このような形状にすることで、厚み調整板3dに設けられた一対の上部ゲート3daが開いて主米飯R1が計量落下ガイド3bに落下したときにテーパ状の上部内側縁3baに案内されることにより、主米飯R1の一部がこぼれ落ちることなく、スムーズに計量落下ガイド3b内に入り込むことができる。
【0033】
なお、ロードセルを搬送コンベア5に設置して、当該搬送コンベア5上で主米飯R1の重量を計測するようにしてもよい。この場合、計量落下ガイド3bは省略することができる。
【0034】
但し、本実施の形態のように補充米飯生成部4で生成された補充米飯R2を主米飯R1に補充する機構の場合、ロードセルを搬送コンベアに設置した場合には、搬送コンベアが米飯計量用のコンベアを兼ねることになることから、当該搬送コンベア(米飯計量を兼ねたコンベア)と連続する別の搬送コンベアを設け、主米飯R1をその別の搬送コンベアに乗り移らせてから補充米飯R2を補充するようにしなければならない。すると、搬送コンベアが2台必要になってコストアップになるのみならず、主米飯R1が別の搬送コンベアに乗り移るときの衝撃で型崩れしたり、2台の搬送コンベアの隙間から米飯の一部がこぼれ落ちるおそれがある。
【0035】
したがって、補充米飯R2を主米飯R1に補充する機構の米飯製造装置においては、本実施の形態のように計量落下ガイド3bを設けておいて、搬送コンベア5に落下搭載される前段階で主米飯R1の計量が行われるようにするのが望ましい。このように搬送コンベア5への落下前に計量を終えていれば、米飯搬送が一台の搬送コンベアで行えるので、コストアップにならないことに加え、搬送コンベア5から別の搬送コンベアに乗り移る工程がなくなるため、上述した米飯の型崩れやこぼれ落ちがなくなって計量精度が向上する。
【0036】
さて、前述のように、厚み調整板3dは上下方向に移動可能になっており、前述の一対のシャッタ3cとの距離の調整ができる。したがって、一対の上部ゲート3daを閉鎖位置にして厚み調整板3dを上下の所定位置に設置しておいて供給部3aから送り出された米飯Rを載せ、その状態で一対のシャッタ3cで米飯Rを分割して主米飯R1を生成することで、量目の調整が可能となっている。但し、厚み調整板3dの上下方向への移動を不能として、量目の調整ができなくなっていてもよい。
【0037】
図4および図5に示すように、搬送コンベア5の計量落下ガイド3b直下には、計量落下ガイド3bから搬送コンベア5上に落下搭載された主米飯R1が嵌まり込むガイドフレーム10が設けられている。このガイドフレーム10は、主米飯R1が搬送コンベア5への落下衝撃で拡散して外周形状が崩れないようにするための枠体であり、搬送コンベア5の搬送面に対して僅かに隙間が形成されるように設置されている。
【0038】
ガイドフレーム10は、閉じた状態(つまり、枠体となった状態)から搬送コンベア5の搬送方向と直交する水平方向(図4および図5において、矢印で示す方向)に対して相互に離間可能になった2つのフレーム片10pからなり、その内周は、生成された主米飯R1の大きさ(平面視での大きさ)に合わせた大きさの形状になっている。
【0039】
また、ガイドフレーム10は、主米飯R1の落下時に閉じた枠体の状態で待機するようになっており、当該主米飯R1が搬送コンベア5に落下したならば(つまり、落下衝撃を受けた主米飯R1の形状維持ができたならば)、2つのフレーム片10pは水平方向に相互に離間し、搬送コンベア5による主米飯R1の搬送を阻害しない位置まで移動可能するようになっている。
【0040】
なお、本実施の形態では、前述のように、搬送コンベア5の搬送面との間に隙間を形成することで、ガイドフレーム10が離間移動するときに搬送コンベア5との間に摩擦が発生しないようにしているが、閉じた状態では搬送コンベア5の搬送面と接触した状態とし、離間移動するときに僅かに上昇して搬送コンベア5の搬送面と非接触となるようにしてもよい。
【0041】
ここで、図5に示すように、ガイドフレーム10の上部内側縁10aはテーパ状に形成されている。このような形状にすることで、計量落下ガイド3bに設けられた一対の下部ケート3eが開いて主米飯R1がガイドフレーム10に落下したときに(計量落下ガイド3bが設けられていない場合には、厚み調整板3dに設けられた一対の上部ゲート3daが開いて主米飯R1がガイドフレーム10に落下したときに)、テーパ状の上部内側縁3baに案内されることにより、主米飯R1の一部がこぼれ落ちることなく、スムーズに計量落下ガイド3b内に入り込むことができる。
【0042】
なお、ガイドフレーム10は搬送コンベア5上に落下搭載されたときの主米飯R1の形状維持のためのものでるあるから、主米飯R1の大きさが変更された場合には、ガイドフレーム10もそれに合わせて交換される
【0043】
図6に詳しく示すように、補充米飯生成部4には、左右で一対となって補充米飯R2を下方へと送る第1のローラ対4aが配置されている。この第1のローラ対4aの下方には、左右一対となって、同様に補充米飯R2を下方へと送る第2のローラ対4bが配置されている。そして、第1のローラ対4aの間隔よりも下方に位置する第2のローラ対4bの間隔の方が狭くなっている。したがって、補充米飯R2が第1のローラ対4aの間を通過することで圧縮され、続いて第2のローラ対4bへと送られることによってさらに圧縮される。
【0044】
第2のローラ対4bの下方には、当該第2のローラ対4bから送られた補充米飯R2を導入するための導入口4daが形成されたハウジング4dが位置している。また、導入口4daの直下には、導入された補充米飯R2を解すための突起4caが全周に渡って形成された解しローラ(解し部)4cが配置されている。ハウジング4dの下方は開口しており、解しローラ4cで解された補充米飯R2は搬送コンベア5に向かって落下する。
【0045】
米飯製造装置Mには、搬送コンベア5により補充米飯生成部4へと搬送された主米飯R1の先端位置を検出するセンサ(図示せず)が設置されている。そして、補充米飯生成部4は、センサに検出された主米飯R1の到達タイミングに合わせて、補充米飯R2が主米飯R1の上に落下するように動作する。
【0046】
なお、本実施の形態では、第2のローラ対4bを通過する補充米飯R2の断面積と通過長とで(換言すれば、第2のローラ対4bを通過する補充米飯R2の断面積と第2のローラ対4bの回転量とで)ハウジング4dに導入される補充米飯R2の重量を推定的に計量している。したがって、補充米飯生成部4には、米飯計量装置であるロードセルは取り付けられていない。但し、補充米飯生成部4にロードセルを取り付けて実際に計量するようにしてもよいことはもちろんである。また、ロードセルを搬送コンベア5に設置して、主米飯R1に補充米飯R2が補充された重量を搬送コンベア5上で計測するようにしてもよい。
【0047】
なお、ホッパ6の側方(図1において右側)には、生成される米飯Rの最終目標重量値や主米飯R1の設定重量値、主米飯R1や補充米飯R2の重量の許容値などの設定を行う操作パネル11、および米飯製造装置Mの駆動および停止などを行う操作スイッチ12が設けられている。したがって、作業者は操作パネル11および操作スイッチ12を適宜操作することにより、米飯製造装置Mによる米飯Rの計量を行う。
【0048】
次に、以上の構成を備えた本実施の形態の米飯製造装置Mにおける主米飯生成部3での主米飯R1の生成プロセスについて、図7を用いて説明する。ここで、図7(a)~(g)は主米飯生成部による主米飯R1の生成プロセスを連続的に示す説明図である。
【0049】
主米飯R1の生成においては、先ず、図7(a)に示すように、供給部3aに設けられた一対のシャッタ3cを閉鎖位置、厚み調整板3dに設けられた一対の上部ゲート3daを閉鎖位置、計量落下ガイド3bに設けられた一対の下部ゲート3eを閉鎖位置にし、ガイドフレーム10を構成する2つのフレーム片10pを合わせて枠体を形成しておく。このとき、厚み調整板3dは、所望の量目の主米飯R1が生成される高さ位置に調整しておく。また、供給部3a内には米飯Rを投入しておく。
【0050】
次に、図7(b)に示すように、供給部3aに設けられた一対のシャッタ3cを開放位置にして、供給部3a内に米飯Rを厚み調整板3dに設けられた一対の上部ゲート3daまで落下させる。そして、図7(c)に示すように、供給部3aの一対のシャッタ3cを閉鎖位置にする。これにより、米飯の水平方向断面積に米飯の高さ(換言すれば、一対のシャッタ3cと一対の上部ゲート3daとの間隔)を乗じた容積計量の下で主米飯R1が生成される。
【0051】
次に、図7(d)に示すように、厚み調整板3dに設けられた一対の上部ゲート3daを開放位置にして、主米飯R1を計量落下ガイド3bに落下投入する。このとき、計量落下ガイド3bの上部内側縁3baはテーパ状に形成されているので、主米飯R1の一部がこぼれ落ちることなく、スムーズに計量落下ガイド3b内に入り込むことができる。
【0052】
そして、図7(e)に示すように、計量落下ガイド3bに取り付けられたロードセルで主米飯R1の計量を行う。
【0053】
計量落下ガイド3bで主米飯R1の計量が行われたならば、図7(f)に示すように、計量落下ガイド3bに設けられた一対の下部ゲート3eを開放位置にして、当該主米飯R1を搬送コンベア5上に落下搭載する。このとき、搬送コンベア5の計量落下ガイド3bの直下には枠体のガイドフレーム10が配置されているので、主米飯R1は、たとえチャーハンなど固まりにくい米飯だったとしても、型崩れすることなく搬送コンベア5上に落下搭載されることになる。
【0054】
また、前述のように、ガイドフレーム10の上部内側縁10aはテーパ状に形成されているので、主米飯R1の一部がこぼれ落ちることなく、テーパ状の上部内側縁10aに案内されてスムーズにガイドフレーム10内に入り込むことができる。
【0055】
このようにして、主米飯R1が型崩れすることなく搬送コンベア5上に落下搭載されたならば、図7(g)に示すように、計量落下ガイド3bに設けられた一対の下部ゲート3eを閉鎖位置にするとともに、ガイドフレーム10の2つのフレーム片10pを、搬送コンベア5による主米飯R1の搬送を阻害しない位置まで、水平方向に相互に離間移動する。
【0056】
その後、主米飯R1が搬送コンベア5に搬送されて補充米飯生成部4の直下まで到達すると、当該補充米飯生成部4によって主米飯R1に補充米飯R2(最終目標重量値とロードセルでの計量値との差分の重さの米飯)が補充され、次工程に送られる。
【0057】
以上本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって、開示された技術に限定されるものではない。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈されるべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲の要旨を逸脱しない限りにおけるすべての変更が含まれる。
【0058】
例えば、本実施の形態では、ガイドフレーム10は2つのフレーム片10pにより構成されて水平方向に相互に離間移動するようになっていたが、図8に示すように、一体となった枠体形状とし、搬送コンベア5による主米飯R1の搬送を阻害しない高さまで上昇可能とするようにしてもよい。
【0059】
また、ガイドフレーム10は、図9に示すように、搬送コンベア5による主米飯R1の搬送方向前方が開口した形状としてもよい。なお、図9に示す場合、ガイドフレーム10は移動(上昇移動、水平移動)させる必要がないので構造が簡単になるが、主米飯R1が搬送コンベア5上に落下搭載されたときに、ガイドフレーム10の開口部位である主米飯R1の搬送方向前方が型崩れの可能性があるものの、開口部位の両側面で主米飯R1の形状が規制されることにより、開口部位での型崩れは最小限に抑えられる。
【0060】
なお、ガイドフレーム10が、一体となった枠体形状(図8)の場合には、主米飯R1が落下搭載される際には、搬送コンベア5の搬送面との間に隙間が形成されていてもいなくてもよい。一方、ガイドフレーム10が、主米飯R1の搬送方向前方が開口した形状(図9)の場合には、搬送コンベア5の搬送面との間に隙間が形成されるように設置しておき、搬送時において搬送搬送コンベア5との間に摩擦が発生しないようにする。
【0061】
また、本実施の形態の米飯製造装置Mは、主米飯生成部3と補充米飯生成部4とで形成され、主米飯R1に補充米飯R2が補充されて最終目標重量値の米飯Rが生成される構造となっているが、補充米飯生成部4を設けることなく、米飯生成手段である主米飯生成部3だけとしてもよい。
【0062】
さらに、主米飯R1の形状は、本実施の形態のような矩形(長方形)に限定されるものではなく、正方形や楕円形など、様々な形状を採択することができる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明の米飯製造装置で生成された米飯は、そのままの形状であるいは形状を変更してトレイ状等の弁当容器に盛り付けたり、圧縮しておむすびを製造したり、様々な後工程処理が適用可能である。
【符号の説明】
【0064】
1a キャスタ
1b アジャスタ脚
2 台座
3 主米飯生成部(米飯生成手段)
3a 供給部
3aa ローラ
3b 計量落下ガイド
3c 一対のシャッタ
3d 厚み調整板(厚み調整手段)
3da 一対の上部ゲート
3e 一対の下部ゲート
4 補充米飯生成部(補充米飯生成手段)
4a 第1のローラ対
4b 第2のローラ対
4c 解しローラ(解し部)
4ca 突起
4d ハウジング
4da 導入口
4e 振分プレート(振分手段)
5 搬送コンベア(搬送手段)
5b 搬送ベルト
5aa 駆動ローラ
5ab 従動ローラ
6 ホッパ
10 ガイドフレーム
10p フレーム片
M 米飯製造装置
R 米飯
R1 主米飯
R2 補充米飯
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9