(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023035607
(43)【公開日】2023-03-13
(54)【発明の名称】部品装着装置
(51)【国際特許分類】
H05K 13/04 20060101AFI20230306BHJP
【FI】
H05K13/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021142605
(22)【出願日】2021-09-01
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】松村 洋
(72)【発明者】
【氏名】内田 守
(72)【発明者】
【氏名】平木 勉
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353CC03
5E353CC13
5E353EE51
5E353EE71
5E353EE89
5E353GG01
5E353HH11
5E353JJ22
5E353JJ48
5E353KK02
5E353KK03
5E353KK11
5E353LL04
5E353QQ11
(57)【要約】
【課題】部品装着装置において部品装着時の回転ずれを容易に検出する。
【解決手段】部品装着装置は、基台に対して相対的に移動可能に設けられ、基台側に設けられた部品供給部から部品をピックアップして基板に部品を装着する実装ヘッドと、基台側に設けられ、複数のマークから構成されるマーク群が所定の間隔を空けて複数配置されたマーク配置部と、実装ヘッドに備えられ、少なくともマーク群を撮像する撮像部と、撮像部による撮像画像に基づき、実装ヘッドの水平面の回転ずれ量を算出する制御部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台に対して相対的に移動可能に設けられ、前記基台側に設けられた部品供給部から部品をピックアップして基板に部品を装着する実装ヘッドと、
前記基台側に設けられ、複数のマークから構成されるマーク群が所定の間隔を空けて複数配置されたマーク配置部と、
前記実装ヘッドに備えられ、少なくとも前記マーク群を撮像する撮像部と、
前記撮像部による撮像画像に基づき、前記実装ヘッドの水平面の回転ずれ量を算出する制御部と、を備えた、
部品装着装置。
【請求項2】
前記マーク群を構成する前記複数のマークは、互いに所定の位置関係にある、
請求項1に記載の部品装着装置。
【請求項3】
前記マーク群は、少なくとも1対の前記マークによって構成される、
請求項1又は2に記載の部品装着装置。
【請求項4】
前記マーク群は、少なくとも2対の前記マークによって構成され、前記2対の前記マークのうち一方の対のマーク同士を結んだ線と、他方の対のマーク同士を結んだ線が直交する、
請求項1または2に記載の部品装着装置。
【請求項5】
前記マーク群は、前記撮像部の撮像視野に収まる範囲に配置される、
請求項1から4のいずれか1項に記載の部品装着装置。
【請求項6】
前記実装ヘッドを前記基台に対して相対的に移動させるヘッド移動機構、をさらに備え、
前記制御部は、前記回転ずれ量に基づき、前記実装ヘッドが位置すべき位置に移動するよう前記ヘッド移動機構を制御する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の部品装着装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、部品装着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、膨張係数が低い石英ガラスで長方形状に形成され、表面に4つの円形状のマークが直線状に間隔を空けて並んで配置されたマークプレートをベースに配設し、当該マークをカメラで撮像して、部品装着機の熱膨張による部品装着時の位置ずれを補正する部品装着システムが開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示される構成の場合、マークプレートにマークが1つずつ間隔を空けて直線状に並んで配置されているため、カメラの撮像画像には1つのマークが含まれる。1つのマークを含む撮像画像から、部品装着時における部品装着機の水平面の回転方向のずれ(以下、回転ずれと称する)を検出することは難しい。
【0005】
本開示の目的は、部品装着時の回転ずれを容易に検出できる部品装着装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る部品装着装置は、基台に対して相対的に移動可能に設けられ、前記基台側に設けられた部品供給部から部品をピックアップして基板に部品を装着する実装ヘッドと、前記基台側に設けられ、複数のマークから構成されるマーク群が所定の間隔を空けて複数配置されたマーク配置部と、前記実装ヘッドに備えられ、少なくとも前記マーク群を撮像する撮像部と、前記撮像部による撮像画像に基づき、前記実装ヘッドの水平面の回転ずれ量を算出する制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、部品装着時の回転ずれを容易に検出できる部品装着装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】
図1における部品装着装置の部分断面図(A-A断面)
【
図3】所定の間隔でマークが配置されたマーク配置部を示す図
【
図4】本実施の形態に係るマーク配置部の第1の例を示す図
【
図5】本実施の形態に係るマーク配置部の第2の例を示す図
【
図6】本実施の形態に係る部品装着装置の制御系の構成を示すブロック図
【
図7】本実施の形態に係る部品実装方法の流れを示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を適宜参照して、本開示の実施の形態について、詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、すでによく知られた事項の詳細説明及び実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の記載の主題を限定することは意図されていない。
【0010】
(本実施の形態)
図1及び
図2を参照して、基板に部品を実装する部品装着装置1の構成を説明する。
図1は、部品装着装置1の平面図を示す。
図2は、
図1における部品装着装置1の部分断面図(A-A断面)を示す。
【0011】
以下、基板搬送方向(
図1の紙面の左右方向)をX方向、X方向と水平面内において直交する方向(
図1の紙面の上下方向)をY方向、水平面と直交する高さ方向(
図2の紙面の上下方向)をZ方向と定義する。
【0012】
図1において、基台1aの中央には、X方向に基板を搬送する基板搬送機構2が配設される。基板搬送機構2は、並行に配設された2条の搬送レール2aを含んで構成される。基板搬送機構2は、上流側から搬入された基板3を搬送し、部品実装作業を実行するために設定された実装ステージに位置決めして保持する。
【0013】
基板搬送機構2の両側方には、部品供給部4が配置される。それぞれの部品供給部4には、複数のテープフィーダ5が並列に装着される。
【0014】
テープフィーダ5は、部品を収納したキャリアテープを部品供給部4の外側から基板搬送機構2に向かう方向(テープ送り方向)にピッチ送りすることにより、実装ヘッド8の部品吸着位置に部品を供給する。
【0015】
基台1a上面において、X方向の一方側の端部には、リニア駆動機構を備えたY軸ビーム6が配設される。Y軸ビーム6には、同様にリニア駆動機構を備えた2基のX軸ビーム7が、Y方向に移動自在に結合される。
【0016】
2基のX軸ビーム7には、それぞれ実装ヘッド8がX方向に移動自在に装着される。実装ヘッド8は、複数の保持ヘッドを備えた多連型ヘッドである。それぞれの保持ヘッドの下端部には、
図2に示すように、部品Dを吸着して保持し個別に昇降可能な吸着ノズル8aが装着される。
【0017】
Y軸ビーム6、及び、X軸ビーム7を駆動することにより、実装ヘッド8は、X方向、及び、Y方向に自在に移動する。
【0018】
これにより、2つの実装ヘッド8は、それぞれ対応した部品供給部4のテープフィーダ5の部品吸着位置から部品Dを吸着ノズル8aによって取り出し、基板搬送機構2に位置決めされた基板3の実装点に部品Dを移送搭載する。
【0019】
Y軸ビーム6及びX軸ビーム7は、実装ヘッド8を水平方向(X方向、Y方向)に移動させるヘッド移動機構9を構成する。
【0020】
このように、実装ヘッド8は、基台1aに対して相対的に水平移動可能に設けられ、基台1a側に設けられた部品供給部4から部品Dをピックアップして基板3に実装する。
【0021】
部品供給部4と基板搬送機構2との間には、部品認識カメラ10が配設される。部品供給部4から部品Dを取り出した実装ヘッド8が、部品認識カメラ10の上方を移動する際に、部品認識カメラ10は、実装ヘッド8に保持された状態の部品Dを撮像して認識する。
【0022】
実装ヘッド8には、X軸ビーム7の下面側に位置して、それぞれ実装ヘッド8と一体的に移動する基板認識カメラ11が装着される。実装ヘッド8が移動することにより、基板認識カメラ11は、基板搬送機構2に位置決めされた基板3の上方に移動し、基板3を撮像して認識する。なお、基板認識カメラ11は、撮像部と読み替えられてもよい。
【0023】
実装ヘッド8による基板3への部品実装動作において、部品認識カメラ10による部品Dの認識結果と、基板認識カメラ11による基板認識結果とに基づいて、部品Dを基板3に実装する位置(実装位置)のずれ(つまり位置ずれ)、及び/又は、部品Dの水平面における回転方向のずれ(つまり回転ずれ)の補正が行われる。
【0024】
実装ヘッド8をヘッド移動機構9によって移動させ、部品Dを部品供給部4から取り出して基板3に移送搭載する部品実装作業では、実装ヘッド8を部品供給部4と基板3との間で反復して移動させる実装ターンが、高頻度で実行される。この反復動作によって、ヘッド移動機構9を構成するY軸ビーム6又はX軸ビーム7のリニア駆動機構又は摺動部から熱が発生し、この熱によってY軸ビーム6又はX軸ビーム7は熱変形(例えば熱膨張)し得る。例えば、Y軸ビーム6又はX軸ビーム7は、熱変形によって、伸縮したり、曲がったり、ねじれたりし得る。熱変形の大きさはY軸ビーム6又はX軸ビーム7の温度に依存するため、Y軸ビーム6又はX軸ビーム7の形状は経時的に変化し得る。
【0025】
Y軸ビーム6又はX軸ビーム7が熱変形すると、実際に部品Dを基板3に搭載する際の吸着ノズル8aの位置(以下、実位置と称する)及び/又は水平面の回転方向の向き(以下、実回転向きと称する)と、Y軸ビーム6又はX軸ビーム7に熱変形が発生していない理想状態における吸着ノズル8aの位置(以下、理想位置と称する)及び/又は水平面の回転方向の向き(以下、理想回転向きと称する)との間にずれ(以下、実装ずれと称する)が生じる。
【0026】
この実装ずれの大きさを検出するために、長方形状であり長手方向に所定の間隔で複数のマークが配置されたマーク配置部40が、基台1aに設置される。例えば、
図1に示すように、基台1aの上面に、基板搬送機構2に位置決めされた状態の基板3を周囲から囲むように、4つのマーク配置部40が設置される。
【0027】
実装ヘッド8とともに移動する基板認識カメラ11によってマーク配置部40のマークを認識し、理想位置及び理想回転向きとの比較を行うことにより、実装ヘッド8の実位置の理想位置に対するずれ(位置ずれ)及び実装ヘッド8の実回転向きの理想回転向きに対するずれ(回転ずれ)を検出できるようになっている。次に、本実施の形態に係るマーク配置部40について詳細に説明する。
【0028】
<マーク配置部の詳細>
マーク配置部40は、例えば、石英ガラスを含んで構成される。石英ガラスの熱膨張係数は0.6×10-6(1/℃)であり、ほとんど熱膨張しないため、マーク配置部40のマークは、X軸ビーム7又はY軸ビーム6の熱変形に伴う実装ヘッド8の位置ずれを算出するための基準に用いることができる。
【0029】
マーク配置部40にマークを配置する方法として、
図3に示すように、長手方向に所定の間隔で丸形状のマーク42を配置することが考えられる。この場合、実装ヘッド8と共に移動する基板認識カメラ11は、X軸ビーム7上を移動してマーク42を撮像し、制御部30(
図6参照)は、その撮像画像50に含まれるマーク42に基づいて、実装ヘッド8の位置ずれ量を算出する。しかし、
図3に示すように、撮像画像50にマーク42が1つだけ含まれる場合、制御部30は、この撮像画像50から、X軸ビーム7の熱変形による歪み等から生じる、実回転向きの理想回転向きに対するずれ(回転ずれ)を検出できない。なお、回転ずれは、角度ずれ、向きずれ又は傾きずれなどと表現されてもよい。
【0030】
このような状況に鑑みて、本実施の形態では、実装ヘッド8の回転ずれを容易に検出することができるマーク配置部40、及び当該マーク配置部40を備える部品装着装置1について説明する。
【0031】
なお、以下の説明では、X軸ビーム7に沿って配置されたマーク配置部40Aについて説明するが、以下の説明は、Y軸ビーム6に沿って配置されたマーク配置部40Bにも適用可能である。
【0032】
図4は、本実施の形態に係るマーク配置部40の第1の例を示す図である。
図5は、本実施の形態に係るマーク配置部40の第2の例を示す図である。
【0033】
例えば、
図4又は
図5に示すように、X軸ビーム7が、熱変形によって、中心付近(例えば位置X2)にてY軸の正方向に膨らむように歪んでいる場合、
図4又は
図5に示すマーク配置部40によって、次のように実装ヘッド8の水平面の回転ずれ量を検出できる。
【0034】
図4又は
図5に示すように、マーク配置部40は、長方形状を呈する。マーク配置部40の表面には、複数のマーク42から構成されるマーク群41が、長手方向に所定の間隔を空けて複数配置される。
【0035】
マーク群41は、基板認識カメラ11の撮像視野に収まる範囲に配置されてよい。すなわち、マーク群41は、基板認識カメラ11によって撮像される1枚の撮像画像50に含まれるサイズにてマーク配置部40に配置されてよい。これにより、制御部30(
図6参照)は、1枚の撮像画像50に含まれる複数のマーク42の位置関係から、後述するように、実装ヘッド8の回転ずれ量を容易に算出することができる。
【0036】
マーク群41を構成する複数のマーク42は、互いに所定の位置関係にあってよい。
【0037】
マーク群41は、少なくとも1対のマーク42によって構成されてよい。例えば、マーク群41は、マーク配置部40の長手方向に配置された2つのマーク42a、42a(つまり1対のマーク)によって構成される。あるいは、マーク群41は、マーク配置部40の短手方向に配置された2つのマーク42b、42b(つまり1対のマーク)によって構成される。
【0038】
あるいは、マーク群41は、少なくとも2対のマーク42によって構成されてよい。加えて、2対のマーク42のうち一方の対のマーク42同士を結んだ線と、他方の対のマーク同士を結んだ線とが直交してよい。例えば、マーク群41は、
図4に示すように、マーク配置部40の長手方向に配置された2つのマーク42a、42a(つまり1対のマーク42a)と、短手方向に配置された2つのマーク42b、42b(つまり1対のマーク42b)とによって(つまり2対のマーク42a、42bによって)構成される。そして、4つのマーク42a、42a、42b、42bは、長手方向に配置された2つのマーク42a、42aを結ぶ線52と、短手方向に配置された2つのマーク42b、42bを結ぶ線53とが直交するように配置される。
【0039】
これにより、制御部30は、基板認識カメラ11による撮像画像50に含まれる1対のマーク42a、42aを結んだ線52と、撮像画像50のx軸との間の角度θ1を、実装ヘッド8の回転ずれ量θとして算出できる。又は、制御部30は、基板認識カメラ11による撮像画像50に含まれる1対のマーク42b、42bを結んだ線53と、撮像画像50のy軸との間の角度θを、実装ヘッド8の回転ずれ量θとして算出できる。
【0040】
例えば、制御部30は、基板認識カメラ11がX軸ビーム7の位置X1にて撮像した撮像画像50に含まれるマーク群41に基づいて、回転ずれ量θ1を算出する。同様に、制御部30は、基板認識カメラ11がX軸ビーム7の位置X2にて撮像した撮像画像50に含まれるマーク群41に基づいて、回転ずれ量θ2を算出する。同様に、制御部30は、基板認識カメラ11がX軸ビーム7の位置X3にて撮像した撮像画像50に含まれるマーク群41に基づいて、回転ずれ量θ3を算出する。
【0041】
制御部30は、X軸ビーム7の位置Xと、その位置Xにて算出した回転すれ量θとを対応付けた回転ずれ量データ31b(
図6参照)を記憶部31に保持してもよい。これにより、制御部30は、部品装着時における実装ヘッド8のX軸ビーム7の位置Xに対応する回転ずれ量θを記憶部31から取得し、その回転ずれ量θの分、実装ヘッド8の回転ずれを補正することができる。つまり、制御部30は、X軸ビーム7の熱変形を加味して理想回転向きに部品Dを装着させることができる。
【0042】
なお、マーク群41は、
図5に示すように、2対のマーク42a、42bを結んだ十字線52、53の交点に、1つのマーク42cを有する構成(つまり5つのマーク42によって構成)されてもよい。これにより、2対のマーク42a、42bを上述したようにX軸ビーム7の歪みの補正に用い、中心のマーク42cをX軸ビーム7の伸縮の補正に用いることができる。
【0043】
なお、マーク群41を構成するマーク42の数は上述した数に限られず、マーク群41は、互いに所定の位置関係にある3つ又は6以上のマーク42によって構成されてもよい。
【0044】
また、マーク42の形状は、円形状であってよい。マーク42を円形状とすることにより、制御部30は、マーク42内の中心点を容易に特定できるので、2つのマーク42の中心点を結ぶ線52、53を容易に得ることができる。ただし、マーク42の形状は、円形状に限られず、例えば、多角形又は十字形などであってもよい。
【0045】
<ハードウェア構成>
次に
図6を参照して、部品装着装置1の制御系の構成について説明する。
図6は、部品装着装置1の制御系の構成を示すブロック図である。
【0046】
制御部30は、部品装着装置1の全体制御装置である。制御部30は、CPU(Central Processing Unit)、プロセッサ、又は、コントローラといった他の用語に読み替えられてもよい。制御部30は、記憶部31に記憶された処理プログラムを実行して、部品装着装置1の基板搬送機構2、部品供給部4、実装ヘッド8、ヘッド移動機構9、及び、表示部33を制御する。
【0047】
表示部33は、部品認識カメラ10及び基板認識カメラ11の撮像画像を含む各種情報を表示する液晶ディスプレーなどである。
【0048】
記憶部31には、実装データ31a及び回転ずれ量データ31bなどの部品実装作業に使用される各種データが記憶される。記憶部31は、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ又はそれらの組み合わせによって構成されてよい。
【0049】
実装データ31aは、実装される部品Dの種類及び実装位置などのデータであり、生産対象の基板の種類ごとに記憶される。
【0050】
制御部30は、内部制御機能として、認識処理部32、実装制御部30a、及び、算出部30bを有する。
【0051】
認識処理部32は、部品認識カメラ10、及び、基板認識カメラ11による撮像画像50に対して認識処理を行う。例えば、認識処理部32は、撮像画像50から、部品、基板、又は、マーク配置部40のマーク群41等を認識する。
【0052】
実装制御部30aは、基板搬送機構2、部品供給部4、実装ヘッド8、及び、ヘッド移動機構9を制御することにより、部品Dを部品供給部4から取り出して基板3に移送搭載する作業(部品実装作業)を行う。
【0053】
算出部30bは、上述したように、基板認識カメラ11によって撮像された撮像画像450に含まれるマーク配置部40のマーク群41に基づいて、実装ヘッド8のX軸ビーム7の位置Xに対する回転ずれ量θを算出する。算出部30bは、X軸ビーム7の位置Xと算出した回転ずれ量θとを対応付けて回転ずれ量データ31bとして記憶部31に格納する。
【0054】
<部品実装方法>
図7を参照して、部品装着装置1によって部品Dを基板3に実装する部品実装方法の流れについて説明する。
図7は、部品実装方法の流れを示すフローチャートである。
【0055】
実装制御部30aは、ヘッド移動機構9を制御して実装ヘッド8を移動させ、基板認識カメラ11を制御して、X軸ビーム7の位置Xにおけるマーク配置部40のマーク群41を撮像する(S41)。
【0056】
認識処理部32は、ステップS41の撮像画像50からマーク群41を構成する複数のマーク42を認識する(S42)。
【0057】
算出部30bは、上述したように、撮像画像50から認識した複数のマーク42の位置関係に基づいて、X軸ビーム7の位置Xにおける実装ヘッド8の回転ずれ量θを算出する(S43)。算出部30bは、X軸ビームの位置Xと算出した回転ずれ量θとを対応付けて、回転ずれ量データ31bとして記憶部31に記憶してよい。
【0058】
実装制御部30aは、部品実装作業を行う(S44)。すなわち、実装制御部30aは、実装ヘッド8を制御して、部品Dを部品供給部4から取り出して基板3に移送搭載する。このとき、実装制御部30aは、実装ヘッド8のX軸ビーム7の位置Xに対応する回転ずれ量θに基づいて、部品Dの回転ずれを補正する。
【0059】
実装制御部30aは、所定の部品実装作業が完了したか否かを判定する(S45)。
【0060】
実装制御部30aは、所定の部品実装作業が完了していない場合(S45:NO)、処理をステップS44に戻す。
【0061】
実装制御部30aは、所定の部品実装作業が完了した場合(S45:YES)、本処理を終了する。本処理の終了後、部品実装済みの基板は搬出され、次に部品を実装する基板が搬入される。
【0062】
ステップS41~S45は、所定枚数の実装基板の生産が完了するまで繰り返し実行されてよい。
【0063】
また、ステップS41~S43の処理は、必ずしも、基板の部品搭載が行われる毎に実行される必要はない。すなわち、ステップS41~S43は、X軸ビーム7(又はY軸ビーム6)の熱変形の時間変動(経時変化)を考慮して、所定の頻度で実行されてよい。
【0064】
以上、添付図面を参照しながら実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても本開示の技術的範囲に属すると了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本開示の技術は、経時変化に起因する実装ヘッドの水平面における回転ずれを補正することができるという効果を有し、部品を基板に実装する部品実装分野において有用である。
【符号の説明】
【0066】
1 部品装着装置
1a 基台
2 基板搬送機構
2a 搬送レール
3 基板
4 部品供給部
5 テープフィーダ
6 Y軸ビーム
7 X軸ビーム
8 実装ヘッド
8a 吸着ノズル
9 ヘッド移動機構
10 部品認識カメラ
11 基板認識カメラ
30 制御部
30a 実装制御部
30b 算出部
31 記憶部
31a 実装データ
31b 回転ずれ量データ
32 認識処理部
33 表示部
40 マーク配置部
41 マーク群
42 マーク
50 撮像画像
D 部品