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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023035641
(43)【公開日】2023-03-13
(54)【発明の名称】電力変換システム
(51)【国際特許分類】
   H02M 5/458 20060101AFI20230306BHJP
【FI】
H02M5/458
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021142652
(22)【出願日】2021-09-01
(71)【出願人】
【識別番号】390021577
【氏名又は名称】東海旅客鉄道株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】久野村 健
(72)【発明者】
【氏名】清水 俊匡
(72)【発明者】
【氏名】永井 匠
【テーマコード(参考)】
5H750
【Fターム(参考)】
5H750BA08
5H750CC04
5H750DD01
5H750FF02
5H750FF05
5H750GG04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】過電流の抑制に伴う電圧低下の影響を低減することが可能な電力変換システムを提供する。
【解決手段】電力変換システムにおいて、制御装置50は、周波数変換装置30の三相交流出力電圧を、90度の位相差を有する2組の単相交流出力電圧に変換する電圧変換部と、周波数変換装置30の三相交流出力電流を90度の位相差を有する2組の単相交流出力電流に変換する電流変換部と、電流変換部により変換された2組の単相交流出力電流のうち一方の組の単相交流出力電流が、定格電流と過電流保護レベルの間にある一定値を超過したときに、この超過分に応じて、電圧変換部により変換された2組の単相交流出力電圧のうち一方の組の単相交流出力電圧の指令値を低減し、この低減された指令値に基づく三相交流電圧の出力電圧指令値を出力することで、周波数変換装置30の交流出力電流を制限する電圧指令値出力部と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周波数変換装置の三相交流出力を、き電用変電所につながる負荷に供給する電力変換システムであって、
前記周波数変換装置の三相交流出力電圧を90度の位相差を有する2組の単相交流出力電圧に変換する電圧変換部と、
前記周波数変換装置の三相交流出力電流を90度の位相差を有する2組の単相交流出力電流に変換する電流変換部と、
前記電流変換部により変換された2組の単相交流出力電流のうち一方の組の単相交流出力電流が、定格電流と過電流保護レベルの間にある一定値を超過したときに、この超過分に応じて、前記電圧変換部により変換された2組の単相交流出力電圧のうち前記一方の組の単相交流出力電圧の指令値を低減し、この低減された指令値に基づく三相交流電圧の出力電圧指令値を出力することで、前記周波数変換装置の交流出力電流を制限する電圧指令値出力部と、を有する制御装置を備える電力変換システム。
【請求項2】
前記制御装置の前記電圧指令値出力部は、
前記一方の組の単相交流出力電流が前記一定値を超過したときに、この一定値に対する超過分の瞬時値に比例した値に応じて、前記周波数変換装置へのゲートパルスの指令値を低減することで、前記一方の組の単相交流出力電圧の指令値を低減する
請求項1記載の電力変換システム。
【請求項3】
前記制御装置の前記電圧指令値出力部は、
前記電圧変換部により変換された、前記一方の組の単相交流出力電圧と指令値との偏差に基づいてM座側の交流電圧制御値を出力する第1の電圧調整部と、
前記電流変換部により変換された、前記一方の組の単相交流出力電流が前記一定値を超過したときに、前記第1の電圧調整部から出力された交流電圧制御値から、前記超過分の瞬時値に比例した値を減算することで、前記一方の組に係る出力電圧指令値を出力する第1の電圧指令値出力部と、
前記電圧変換部により変換された、前記2組のうち他方の組の単相交流出力電圧と指令値との偏差に基づいてM座側の交流電圧制御値を出力する第2の電圧調整部と、
前記電流変換部により変換された、前記他方の組の単相交流出力電流が前記一定値を超過したときに、前記第2の電圧調整部から出力された交流電圧制御値から、前記超過の瞬時値に比例した値を減算することで、前記他方の組に係る出力電圧指令値を出力する第2の電圧指令値出力部と、を有し、
前記第1の電圧指令値出力部からの出力電圧指令値と、前記第2の電圧指令値出力部からの出力電圧指令値とに基づいて、前記三相交流電圧の出力電圧指令値を出力する
請求項1に記載の電力変換システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電力変換システムに関する。
【背景技術】
【0002】
日本の電力系統には、大きく分けて東地域の50Hzと西地域の60Hzとの異なる周波数が存在している。そのため、電力系統の周波数が異なる地域にわたって走行する交流電気鉄道の車両へ電力を供給する電源システムは、車両を60Hz専用とする場合には、電力の周波数を50Hzから60Hzに変換する周波数変換装置(FC:Frequency Converter)が必要となる。
【0003】
この周波数変換装置には、運転時に、例えばき電系統における短絡故障または地絡故障が発生したときに流れる過電流を抑制する制御装置が設けられる。この制御装置は、上記の過電流に対して、周波数変換装置の出力電圧を急激に低減させることで、過電流を抑制する機能を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-80132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の周波数変換装置には、60Hzに変換された交流電力を三相交流電力として、き電用変電所に出力するタイプが存在する。
このき電用変電所は、電力の有効活用のために、周波数変換装置から出力された三相交流電力を、例えばスコット変圧器により90度の位相差を有する2組の単相交流電力、すなわちM座とT座の単相交流電力に変換して、それぞれの単相交流電力を負荷、例えば列車負荷に供給する。
【0006】
上記の変換により、き電用変電所と上記の負荷との間の送電線路は、M座の単相交流電力に係る送電線路と、T座の単相交流電力に係る送電線路とに区分される。
上記の送電線路の一方のみ、例えばM座の単相交流電力に係る送電線路に、短絡故障または地絡故障が発生したときに、上記の周波数変換装置の制御装置が、過電流に対して、単に周波数変換装置の出力電圧を低減させることで過電流を抑制すると、M座の単相交流電力に係る送電線路の電圧と、上記の故障が発生していないT座の単相交流電力に係る送電線路の電圧との双方が低減する。すなわち、本来は電圧を低減させる必要がない送電線路の電圧に低減の影響が及んでしまう。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、き電用変電所と負荷との間の2組の単相交流電力に係る送電線路の一方に発生した過電流の抑制に伴う電圧低下の影響を低減することが可能な電力変換システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態における電力変換システムは、周波数変換装置の三相交流出力を、き電用変電所につながる負荷に供給する電力変換システムであって、前記周波数変換装置の三相交流出力電圧を90度の位相差を有する2組の単相交流出力電圧に変換する電圧変換部と、前記周波数変換装置の三相交流出力電流を90度の位相差を有する2組の単相交流出力電流に変換する電流変換部と、前記電流変換部により変換された2組の単相交流出力電流のうち一方の組の単相交流出力電流が、定格電流と過電流保護レベルの間にある一定値を超過したときに、この超過分に応じて、前記電圧変換部により変換された2組の単相交流出力電圧のうち前記一方の組の単相交流出力電圧の指令値を低減し、この低減された指令値に基づく三相交流電圧の出力電圧指令値を出力することで、前記周波数変換装置の交流出力電流を制限する電圧指令値出力部と、を有する制御装置を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、き電用変電所と負荷との間の2組の単相交流電力に係る送電線路の一方に発生した過電流の抑制に伴う電圧低下の影響を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態に係る電力変換システムの一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る電力変換システムの制御装置の機能の一例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る電力変換システムの制御装置による制御がなされたときの出力電圧および出力電流の特性の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態について図面を用いて説明する。
図1は、実施形態に係る電力変換システムの一例を示す図である。
この電力変換システムは、例えば電気鉄道用電力変換システムであり、交流系統10、変圧器20、電力変換装置としての周波数変換装置30、変圧器40、および電力変換装置の制御装置としての制御装置50を有する。
【0012】
周波数変換装置30は、コンバータ31、平滑コンデンサ(直流リンク部コンデンサ)32、およびインバータ33を有する。
変圧器20は、交流系統10の交流電圧、ここでは50Hzの三相交流電圧を所定の電圧に変換する。周波数変換装置30のコンバータ31は、変圧器20からの電圧を例えばGTОサイリスタにより直流電圧に変換する。コンバータ31の直流側端子からの直流電圧は平滑コンデンサ32を介してインバータ33の直流側端子に入力される。インバータ33は、直流側端子から入力した電圧を例えばGTОサイリスタにより所定周波数、ここでは60Hzの三相交流電圧に変換する。変圧器40は、インバータ33からの三相交流電圧を所定の電圧に変換して、図示しない、き電用変電所に向けて出力する。
【0013】
制御装置50は、電流センサ51により検出した、変圧器40と、き電用変電所との間の送電線路を流れる交流出力電流と、電圧センサ52により検出した、変圧器40と、き電用変電所との間の送電線路の交流出力電圧を制御回路53に入力し、制御回路53においてインバータ33の交流出力電流の振幅値が定格電流と過電流保護レベルの間にある一定値を超過した場合に、その超過分に応じてインバータ33のゲートパルスの電圧指令値を低減し、インバータ33の交流出力電流を制限する。
【0014】
図2は、実施形態に係る電力変換システムの制御装置の機能の一例を示す図である。
図2に示されるように、制御装置50の制御回路53は、系統電圧側のMT変換および振幅演算部53a、系統電圧(M座相当)の自動電圧調整部(AVR:Automatic Voltage Regulator)53b、M座側の過電流抑制制御部53c、M座側の減算器53d、M座側の単相逆dq変換部53e、系統電流側のMT変換部53f、系統電圧(T座相当)の自動電圧調整部53g、T座側の過電流抑制制御部53h、T座側の減算器53i、およびT座側の単相逆dq変換部53jを有し、逆MT変換部53kをさらに有する。
【0015】
M座側の過電流抑制制御部53cは、振幅演算部53c1、フィルタ部53c2、ゲイン部53c3、および超過分検出部53c4を有する。
T座側の過電流抑制制御部53hは、振幅演算部53h1、フィルタ部53h2、ゲイン部53h3、および超過分検出部53h4を有する。
【0016】
MT変換および振幅演算部53aは、電圧センサ52により検出された系統電圧である、周波数変換装置30と、き電用変電所との間の送電線路のR相、S相、およびT相でなる三相交流電圧を2組の単相交流電圧である、1組目の系統電圧(M座相当)および2組目の系統電圧(T座相当)に変換し、それぞれの振幅演算値を求めて、系統電圧(M座相当)の振幅演算値を自動電圧調整部53bに出力し、系統電圧(T座相当)の振幅演算値を自動電圧調整部53gに出力する。
【0017】
M座側の自動電圧調整部53bは、周波数変換装置30からのM座側の出力電圧の電圧指令値と上記系統電圧(M座相当)の振幅演算値との偏差を求めて、この偏差に基づいてM座側の交流電圧制御値を求める。
【0018】
MT変換部53fは、電流センサ51により検出された系統電流である、変圧器40と、き電用変電所との間の送電線路を流れるR相、S相、およびT相でなる三相交流電流を2組の単相交流電流である、1組目の系統電流(M座相当)および2組目の系統電流(T座相当)に変換して、系統電流(M座相当)を過電流抑制制御部53cに出力し、系統電流(T座相当)を過電流抑制制御部53hに出力する。
【0019】
M座側の過電流抑制制御部53cの振幅演算部53c1は、系統電流(M座相当)の振幅演算値を出力する。この振幅演算値に対しては、フィルタ部53c2による不感帯のフィルタリング、およびゲイン部53c3による増幅がなされる。超過分検出部53c4は、この増幅がなされた値が一定値を超過した場合、その超過分の瞬時値に比例した値を求める。
この一定値は、変圧器40からの送電線路を流れる交流出力電流が定格電流と過電流保護レベルの間にある値のうちで、最適と考えられる値である。
【0020】
M座側の自動電圧調整部53bからの交流電圧制御値は減算器53dの+端子に入力され、過電流抑制制御部53cの超過分検出部53c4からの出力値は減算器53dの-端子に入力される。減算器53dからは、自動電圧調整部53bからの交流電圧制御値と超過分検出部53c4からの出力値との偏差が出力される。単相逆dq変換部53eは、減算器53dから出力された偏差に対する逆dq変換を行ない、インバータ33によるM座相当の出力電圧指令値を逆MT変換部53kに出力する。
【0021】
このように、M座側の過電流抑制制御部53cの超過分検出部53c4からの出力が、自動電圧調整部53bからの出力より減算器53dにより減算されることで、インバータ33によるM座相当の出力電圧指令値が低減する。これにより、き電用変電所と負荷との間のM座側の送電線路の故障によりインバータ33に流れる過電流が抑制される。
【0022】
T座側の自動電圧調整部53gは、周波数変換装置30からのT座側の出力電圧の電圧指令値と上記系統電圧(T座相当)の振幅演算値との偏差を求めて、この偏差に基づいてT座側の交流電圧制御値を求める。
【0023】
T座側の過電流抑制制御部53hの振幅演算部53h1は、系統電流(T座相当)の振幅演算値を出力する。この振幅演算値はフィルタ部53h2による不感帯のフィルタリング、ゲイン部53h3による増幅がなされる。超過分検出部53h4は、この増幅がなされた値が一定値を超過した場合、その超過分の瞬時値に比例した値を求める。
【0024】
T座側の自動電圧調整部53gからの交流電圧制御値は減算器53iの+端子に入力され、過電流抑制制御部53hの超過分検出部53h4からの出力値は減算器53iの-端子に入力される。減算器53iからは、自動電圧調整部53gからの交流電圧制御値と超過分検出部53h4からの出力値との偏差が出力される。単相逆dq変換部53jは、減算器53iから出力された偏差に対する逆dq変換を行ない、インバータ33によるT座相当の出力電圧指令値を逆MT変換部53kに出力する。
【0025】
このように、T座側の過電流抑制制御部53hの超過分検出部53h4からの出力が、自動電圧調整部53gからの出力より減算器53iにより減算されることで、インバータ33によるT座相当の出力電圧指令値が低減する。これにより、き電用変電所と負荷との間のT座側の送電線路の故障によりインバータ33に流れる過電流が抑制される。
【0026】
逆MT変換部53kは、単相逆dq変換部53eからのM座相当の出力電圧指令値と、単相逆dq変換部53JからのT座相当の出力電圧指令値とを入力して、これらの値に対する逆MT変換を行ない、インバータ33によるR相、S相、およびT相でなる三相交流電圧の出力電圧指令値をインバータ33のゲートパルスとして出力する。
【0027】
自動電圧調整部53bからの出力から、M座側の過電流抑制制御部53cの超過分検出部53c4からの出力が減算器53dにより減算されることで、インバータ33によるM座相当の出力電圧指令値が低減された結果、または自動電圧調整部53gからの出力から、T座側の過電流抑制制御部53hの超過分検出部53h4からの出力が減算器53iにより減算されることで、インバータ33によるT座相当の出力電圧指令値が低減された結果が、逆MT変換部53kから出力される三相交流電圧の出力電圧指令値に反映される。
【0028】
き電用変電所と上記の負荷との間の送電線路における、M座の単相交流電力に係る送電線路の電圧は、周波数変換装置30からのR相およびT相の出力電圧に影響を受ける。また、き電用変電所と上記の負荷との間の送電線路における、T座の単相交流電力に係る送電線路の電圧は、周波数変換装置30からのR相、S相、およびT相の出力電圧に影響を受ける。
【0029】
図3は、実施形態に係る電力変換システムの制御装置による制御がなされたときの出力電圧および出力電流の特性の一例を示す図である。
図3では、き電用変電所への送電線路での短絡故障または地絡故障の発生に伴って、き電用変電所への送電線路での系統電流に過電流が生じたときに(符号a)、故障回路切り離し時間(符号b)において系統電圧を急激に低減させることで、系統電流が、過電流保護レベル(符号c)未満となるように制御されることが示される。
【0030】
また、図3では、上記の系統電流の制御後で、再閉路時間である瞬時停電時間(符号d)の後における瞬時停電が復電するときに(符号e)、制御回路53により系統電圧が上記短絡故障または地絡故障の発生前の電圧に戻されることも示される。
【0031】
本実施形態では、き電用変電所と上記の負荷との間の送電線路における、M座の単相交流電力に係る送電線路と、T座の単相交流電力に係る送電線路との一方のみ、例えばM座の単相交流電力に係る送電線路に、短絡故障または地絡故障が発生したときに、周波数変換装置30の制御装置50が、過電流に対して、単に周波数変換装置30の出力電圧を低減させるのではなく、M座側の過電流を抑制することによりM座相当の出力電圧指令値を低減させる。
【0032】
そして、M座相当の出力電圧指令値のみが低減された結果に応じて周波数変換装置30の出力電圧を低減させるので、本来は電圧を低減させる必要がない送電線路のT座相当の電圧に上記低減の影響が及ばなくなる。T座の単相交流電力に係る送電線路に、短絡故障または地絡故障が発生したときも同様である。よって、き電用変電所と負荷との間の2組の単相交流電力に係る送電線路の一方に発生した過電流の抑制に伴う電圧低下の影響を低減することができる。
【0033】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0034】
30…周波数変換装置、31…コンバータ、33…インバータ、50…制御装置、51…電流センサ、52…電圧センサ、53…制御回路、53a…MT変換および振幅演算部、53b,53g…自動電圧調整部、53c,53h…過電流抑制制御部、53e,53j…単相逆dq変換部、53f…MT変換部、53k…逆MT変換部。
図1
図2
図3