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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023035677
(43)【公開日】2023-03-13
(54)【発明の名称】箱組立て用治具
(51)【国際特許分類】
   B31B 50/99 20170101AFI20230306BHJP
   B31B 100/00 20170101ALN20230306BHJP
   B31B 110/35 20170101ALN20230306BHJP
   B31B 120/10 20170101ALN20230306BHJP
【FI】
B31B50/99
B31B100:00
B31B110:35
B31B120:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021142701
(22)【出願日】2021-09-01
(71)【出願人】
【識別番号】592181842
【氏名又は名称】株式会社サガシキ
(74)【代理人】
【識別番号】110001601
【氏名又は名称】弁理士法人英和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高畑 幸典
【テーマコード(参考)】
3E075
【Fターム(参考)】
3E075AA05
3E075BA07
3E075CA01
3E075DC03
3E075DC43
3E075DD27
3E075GA03
(57)【要約】
【課題】 平板状の使用待ち形態と、四角柱状部及び四角錐台状部を有する使用形態の2つの形態をとることが可能な箱組立て用治具を提供すること、フラップの折り曲げ作業と4つの側面の折り曲げ作業を、容易かつ迅速に行うことのできる箱組立て用治具を提供すること。
【解決手段】
長方形の底板1と、底板1の縦辺に対して谷折り可能に接続される長方形の2つの側板2aと、底板1の横辺に対して谷折り可能に接続される長方形の2つの側板2bと、側板2aに対して山折り可能に接続される等脚台形の2つの斜面板3aと、側板2bに対して山折り可能に接続される等脚台形の2つの斜面板3bと、斜面板3a、3bの長底辺の両端側に各々谷折り可能に接続される凧型の8つのコーナー板4とを有する箱組立て用治具。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも長方形状の底面と該底面の各辺に接続されている側面とからなる一枚のブランクを箱体に組み立てる際に使用する箱組立て用治具において、
長方形状の底板、4つの長方形状の側板及び4つの斜面板を備え、
前記底板は、前記底面と同形状、かつ、前記底面の102~110%の面積であり、
前記底板の各辺と前記側板は、谷折り可能に接続されており、
前記側板と前記斜面板は、山折り可能に接続されており、
前記側板の高さ及び前記斜面板の高さは、いずれも前記側面の高さの30%以上であり、
使用していない時においては、平板状の使用待ち形態とすることが可能であり、
前記箱体の組み立てを補助する時においては、前記側板を90°谷折りし、前記斜面板を山折りし、前記斜面板の隣接する側辺同士又は前記斜面板の側辺と該側辺と接する斜面板の表面とを固定して、前記底板と前記側板とからなる四角柱状部と、該四角柱状部の上端に連なる四角錐台状部を有する使用形態とすることが可能であり、
前記使用形態における前記斜面板の前記底板側への延長面と前記底板又は前記底板の延長面との交差角度は30~60°である
ことを特徴とする箱組立て用治具。
【請求項2】
前記斜面板の外側辺の一端側又は両端側に、直交する2辺と該2辺の長さより短い2辺からなる四角形又は前記直交する2辺と円弧からなる扇形のコーナー板が、谷折り可能に接続されており、
前記直交する2辺の長さをL、前記斜面板の高さをH、前記交差角度をβとしたとき、
H×cosβ÷2≦L≦H×cosβの関係を満たす
ことを特徴とする請求項1に記載の箱組立て用治具。
【請求項3】
少なくとも長方形状の底面と該底面の各辺に接続されている側面とからなる一枚のブランクを箱体に組み立てる際に使用する箱組立て用治具において、
中枠と中枠収容体からなり、
前記中枠は、長方形状の底板、4つの長方形状の内側板、4つの斜面板及び4つの長方形状の外側板を備え、
前記底板は、前記底面と同形状、かつ、前記底面の102~110%の面積であり、
前記底板の各辺と前記内側板は、谷折り可能に接続されており、
前記内側板と前記斜面板は、山折り可能に接続されており、
前記内側板の高さ及び前記斜面板の高さは、いずれも前記側面の高さの30%以上であり、
前記斜面板の外側辺と前記外側板は、山折り可能に接続されており、
使用していない時においては、平板状の使用待ち形態とすることが可能であり、
前記箱体の組み立てを補助する時においては、前記内側板を90°谷折りし、前記斜面板を山折りし、前記外側板を山折りし、前記斜面板の隣接する側辺同士又は前記斜面板の側辺と該側辺と接する斜面板の表面とを固定して、前記底板と前記内側板とからなる内側直方体状部と、該内側直方体状部の上端に連なる四角錐台状部と、前記内側直方体状部と前記四角錐台状部を囲む外側直方体状部を有する使用形態とすることが可能であり、
前記使用形態における前記斜面板の前記底板側への延長面と前記底板又は前記底板の延長面との交差角度は30~60°であり、
前記中枠収容体は、長方形状の収容体底板及び4つの長方形状の収容体側板を備え、
前記収容体底板は、前記外側直方体状部の直方体底面と同形状、かつ、前記直方体底面の102~110%の面積であり、
前記収容体底板の各辺と前記収容体側板の下部接続辺は、谷折り可能に接続されており、
使用していない時においては、平板状の形態とすることが可能であり、
前記箱体の組み立てを補助する時においては、前記収容体側板を90°谷折りして固定することにより収容凹部を形成し、前記使用形態における前記中枠を前記収容凹部内に上方から挿入することが可能である
ことを特徴とする箱組立て用治具。
【請求項4】
前記下部接続辺と対向する上辺の一端側又は両端側に、直交する2辺と該2辺の長さより短い2辺からなる四角形又は前記直交する2辺と円弧からなる扇形の収容部コーナー板が、谷折り可能に接続されており、
前記直交する2辺の長さをL、前記斜面板の高さをH、前記交差角度をβとしたとき、
H×cosβ÷2≦L≦H×cosβの関係を満たす
ことを特徴とする請求項3に記載の箱組立て用治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一枚の段ボール又は板紙からなるブランクを箱体に組み立てる際に使用するための、板状体からなる箱組立て用治具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(実公昭53-53619号公報)には、一枚の段ボール等からなる組立箱を組み立てる際に使用する組立補助具(箱組立て用治具)であって、内側面が上外方へ彎曲している案内腕(2)(3)(4)(5)からなる四角形枠(A)と、四角形枠(A)の四隅に突設されている折込案内柱(14)(15)(16)(17)を備えており、折込案内柱(14)(16)の案内腕(4)に面する側に彎曲面(10)(11)を形成し、折込案内柱(15)(17)の案内腕(5)に面する側に彎曲面(12)(13)を形成したものが記載されている(特に、第1図、第4図及び第1頁右欄第20行~第2頁左欄第8行を参照)。
しかし、特許文献1記載の組立補助具は、第2頁左欄第11~14行に記載されているように、案内腕(2)(3)(4)(5)及び折込案内柱(14)(15)(16)(17)の材料が、木、プラスチック、軽金属等であり、いずれも彎曲した面を有していることから、かさばる上に材料費や製造にかかるコストが高く、手軽に購入して利用できるものではなかった。
【0003】
特許文献2(特開2010-18287号公報:特許第5160323号公報)には、矩形の底部(10)と底部(10)から四方に連設されている壁片(12)(13)(14)(15)等を有する容器本体(A)を組み立てる際に、容器本体(A)の組立状態を固定する平板状の組立用枠体(B)を用いること及び容器本体(A)と組立用枠体(B)とを打ち抜きにより作成することが記載されている(特に、図1~5及び段落0016~0020を参照)。
しかし、特許文献2記載の組立用枠体(B)は、段落0016及び図5に記載されているように、平板状のまま使われる組立式容器(P)の構成要素の一つであって、容器本体(A)の組み立てを補助する箱組立て用治具ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公昭53-53619号公報
【特許文献2】特開2010-18287号公報(特許第5160323号公報)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、箱体のブランクを送る時に箱組立て用治具を一緒に送れるようにするため、平板状の使用待ち形態と、四角柱状部及び四角錐台状部を有する使用形態の2つの形態をとることが可能な箱組立て用治具を提供することを第1の課題としている。
また、フラップを有する箱体のブランクを組み立てる際に、フラップの折り曲げ作業と4つの側面の折り曲げ作業を、容易かつ迅速に行うことのできる箱組立て用治具を提供することを第2の課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、少なくとも長方形状の底面と該底面の各辺に接続されている側面とからなる一枚のブランクを箱体に組み立てる際に使用する箱組立て用治具において、
長方形状の底板、4つの長方形状の側板及び4つの斜面板を備え、
前記底板は、前記底面と同形状、かつ、前記底面の102~110%の面積であり、
前記底板の各辺と前記側板は、谷折り可能に接続されており、
前記側板と前記斜面板は、山折り可能に接続されており、
前記側板の高さ及び前記斜面板の高さは、いずれも前記側面の高さの30%以上であり、
使用していない時においては、平板状の使用待ち形態とすることが可能であり、
前記箱体の組み立てを補助する時においては、前記側板を90°谷折りし、前記斜面板を山折りし、前記斜面板の隣接する側辺同士又は前記斜面板の側辺と該側辺と接する斜面板の表面とを固定して、前記底板と前記側板とからなる四角柱状部と、該四角柱状部の上端に連なる四角錐台状部を有する使用形態とすることが可能であり、
前記使用形態における前記斜面板の前記底板側への延長面と前記底板又は前記底板の延長面との交差角度は30~60°であることを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の箱組立て用治具において、
前記斜面板の外側辺の一端側又は両端側に、直交する2辺と該2辺の長さより短い2辺からなる四角形又は前記直交する2辺と円弧からなる扇形のコーナー板が、谷折り可能に接続されており、
前記直交する2辺の長さをL、前記斜面板の高さをH、前記交差角度をβとしたとき、
H×cosβ÷2≦L≦H×cosβの関係を満たすことを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る発明は、少なくとも長方形状の底面と該底面の各辺に接続されている側面とからなる一枚のブランクを箱体に組み立てる際に使用する箱組立て用治具において、
中枠と中枠収容体からなり、
前記中枠は、長方形状の底板、4つの長方形状の内側板、4つの斜面板及び4つの長方形状の外側板を備え、
前記底板は、前記底面と同形状、かつ、前記底面の102~110%の面積であり、
前記底板の各辺と前記内側板は、谷折り可能に接続されており、
前記内側板と前記斜面板は、山折り可能に接続されており、
前記内側板の高さ及び前記斜面板の高さは、いずれも前記側面の高さの30%以上であり、
前記斜面板の外側辺と前記外側板は、山折り可能に接続されており、
使用していない時においては、平板状の使用待ち形態とすることが可能であり、
前記箱体の組み立てを補助する時においては、前記内側板を90°谷折りし、前記斜面板を山折りし、前記外側板を山折りし、前記斜面板の隣接する側辺同士又は前記斜面板の側辺と該側辺と接する斜面板の表面とを固定して、前記底板と前記内側板とからなる内側直方体状部と、該内側直方体状部の上端に連なる四角錐台状部と、前記内側直方体状部と前記四角錐台状部を囲む外側直方体状部を有する使用形態とすることが可能であり、
前記使用形態における前記斜面板の前記底板側への延長面と前記底板又は前記底板の延長面との交差角度は30~60°であり、
前記中枠収容体は、長方形状の収容体底板及び4つの長方形状の収容体側板を備え、
前記収容体底板は、前記外側直方体状部の直方体底面と同形状、かつ、前記直方体底面の102~110%の面積であり、
前記収容体底板の各辺と前記収容体側板の下部接続辺は、谷折り可能に接続されており、
使用していない時においては、平板状の形態とすることが可能であり、
前記箱体の組み立てを補助する時においては、前記収容体側板を90°谷折りして固定することにより収容凹部を形成し、前記使用形態における前記中枠を前記収容凹部内に上方から挿入することが可能であることを特徴とする。
【0009】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の箱組立て用治具において、
前記下部接続辺と対向する上辺の一端側又は両端側に、直交する2辺と該2辺の長さより短い2辺からなる四角形又は前記直交する2辺と円弧からなる扇形のコーナー板が、谷折り可能に接続されており、
前記直交する2辺の長さをL、前記斜面板の高さをH、前記交差角度をβとしたとき、
H×cosβ÷2≦L≦H×cosβの関係を満たすことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1及び3に係る発明の箱組立て用治具は、使用していない時においては、平板状の使用待ち形態とすることが可能であるため、箱体に組み立てるブランクを送る時に一緒に送ることができる。また、送付先で一枚のブランクを箱体に組み立てる前に、底板と側板とからなる四角柱状部と、該四角柱状部の上端に連なる四角錐台状部を有する使用形態とすることが可能である。そして、使用形態とした箱組立て用治具の底板を平面上に置き、四角錐台状部の上面に一枚のブランクを載せて、長方形状の底面を四角柱状部に向けて押し込むとブランクの底面の各辺に接続されている4つの側面が同時に立ち上がるので、送付先での箱体組み立て作業を効率的に行うことができる。
【0011】
請求項2及び4に係る発明によれば、請求項1及び3に係る発明による効果に加えて、請求項2に係る発明では使用形態における四角錐台状部の上端四隅に、また、請求項4に係る発明では使用形態における四角錐台状部の上端四隅の近傍に、直交する2辺と該2辺の長さより短い2辺からなる四角形又は直交する2辺と円弧からなる扇形のコーナー板が谷折り可能に接続されており、直交する2辺の長さをL、斜面板の高さをH、交差角度をβとしたとき、H×cosβ÷2≦L≦H×cosβの関係を満たしているので、側面の側辺にフラップを有している箱体のブランクを四角錐台状部の上面に載せて、長方形状の底面を四角柱状部に向けて押し込むと、まずフラップがコーナー板で押されて側面に対し直角に曲げられ、その後4つの側面が底面に対し直角に曲げられるので、フラップの折り曲げ作業と4つの側面の折り曲げ作業を、容易かつ迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施例1に係る箱組立て用治具の使用待ち形態を示す図。
図2】実施例1に係る箱組立て用治具の使用形態を示す図。
図3】斜面板の形状と交差角度との関係を説明する図。
図4】側面の側辺にフラップを有している箱体のブランクの一例を示す図。
図5】実施例1に係る箱組立て用治具を用いた箱体組立て過程の説明図。
図6】実施例2に係る箱組立て用治具の中枠の使用待ち形態を示す図。
図7】実施例2に係る箱組立て用治具の中枠収容体の使用待ち形態を示す図。
図8】実施例2に係る箱組立て用治具を使用形態とする過程の説明図。
図9】実施例2に係る箱組立て用治具の中枠の変形例を示す図。
図10】実施例2に係る箱組立て用治具の中枠収容体の変形例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、実施例によって本発明の実施形態を説明する。
なお、以下では、図面の紙面手前側の面を「表面」、図面の紙面奥側の面を「裏面」とし、折曲線が裏面側にくぼむように折る場合を「谷折り」、折曲線が表面側に突出するように折る場合を「山折り」として説明し、本出願の図面においては、谷折り線を点線で、山折り線を一点鎖線で示すこととする。
【実施例0014】
図1は、実施例1に係る箱組立て用治具の使用待ち形態を示す図である。
実施例1に係る箱組立て用治具は、図1に示すような輪郭線を有する段ボール又はボール紙等に、折曲線(谷折り線又は山折り線)を設けたものであり、輪郭線及び折曲線で構成される要素は次の6種類である。
なお、輪郭線は、1枚の段ボール又はボール紙等を打ち抜いて形成し、図1に点線で示す谷折り線は、表面側に折り目をつけたり裏面側に切れ目を入れたりして形成し、図1に一点鎖線で示す山折り線は、表面側に切れ目を入れたり裏面側に折り目をつけたりして形成するのが通常であるが、各要素を別々に板状体で形成し、それぞれを粘着テープや保護シート等適宜の手段を用いて、谷折り又は山折り可能に接続しても良い。
(1)縦246mm、横175mmの長方形で、谷折り線により囲まれる底板1。
(2)縦246mm、横40mmの長方形で、246mmの底板接続辺で底板1の縦辺に対して谷折り可能に接続される2つの側板2a。
(3)縦40mm、横175mmの長方形で、175mmの底板接続辺で底板1の横辺に対して谷折り可能に接続される2つの側板2b。
(4)短底辺246mm、長底辺302mm、高さ40mmの等脚台形で、側板2aの斜面板接続辺に対して山折り可能に接続される2つの斜面板3a。
(5)短底辺175mm、長底辺231mm、高さ40mmの等脚台形で、側板2bの斜面板接続辺に対して山折り可能に接続される2つの斜面板3b。
(6)直交する長さ28mmの2辺とそれら2辺の長さより短い2辺からなる凧形で、斜面板3a及び斜面板3bの長底辺の両端側に各々谷折り可能に接続される8つのコーナー板4。
【0015】
図2は、実施例1に係る箱組立て用治具の使用形態を示す図である。
実施例1に係る箱組立て用治具を使用形態とするには、図1に示す平面状の使用待ち形態から、以下の手順で上記(1)~(6)の要素を折り曲げて組み立てる。
(手順1)4つの側板2a、2bを、底板接続辺で底板1に対して90°谷折りし、側板2a、2bの隣接する側辺同士を突き合わせて固定する。
そうすると、底板1と4つの側板2a、2bとからなる四角柱状部が形成される。
(手順2)4つの斜面板3a、3bを、短底辺(斜面板接続辺)で側板2a、2bに対して山折りし、斜面板3a、3bの隣接する側辺同士を突き合わせて固定する。
そうすると、4つの斜面板3a、3bからなる四角錐台状部が形成される。
(手順3)8つのコーナー板4を、斜面板3a、3bの長底辺の両端部で谷折りし、隣接する4対のコーナー板4を重ね合わせて固定する。
そうすると、上部の四隅にコーナー板4を有する実施例1に係る箱組立て用治具の使用形態が完成する。
【0016】
図3は、斜面板3a、3bの形状と交差角度との関係を説明する図である。
図3(A)は、側板2a、2bを90°谷折りし、斜面板3a、3bを山折りして底板1と平行とした状態を示し、その状態における斜面板3bの短底辺の延長線と斜面板3aの側辺が為す角度をα、斜面板3a、3bの高さ(短底辺と長底辺との距離)をH、コーナー板4の直交する2辺の長さをLとする。
図3(B)は、図3(A)の状態から斜面板3a、3bの長底辺を持ち上げ、隣接する側辺を突き合わせて固定した状態を示す。
図3(C)及び(D)は、それぞれ図3(A)のA-A線断面図及び図3(B)のB-B線断面図であり、図3(D)に示すように、図3(B)の状態における斜面板3aの延長面と底板1又は底板1の延長面が為す角度をβ、斜面板3a、3bの平面図上の高さ(側板2aと斜面板3aの長底辺を通り側板2aと平行な面との距離)をMとする。
そして、H÷cosα×sinα=M=H×cosβという関係を満たす必要があり、箱を組み立てる際には斜面板3a、3bが底板1に対してある程度の傾きを有している必要があるので、βを30°から60°の範囲とする。
そうすると、cosβ=sinα÷cosαという関係から、αは26.56°(β=60.0°)から40.89°(β=30.0°)の範囲となる。
また、LはMの2分の1以上、M以下とする必要があるので、H×cosβ÷2≦L≦H×cosβの関係が満たされるようにLの長さを調整し、直交する2辺以外の辺は、後述する箱体のブランクのフラップを起立させるためにLより短くする。そのため、コーナー板4の形状は、直交する長さLの2辺とLより短い2辺からなる凧形としている。
【0017】
図4は、側面の側辺にフラップを有している箱体のブランクの一例を示す図である。
この箱体のブランクは、図4に示すような輪郭線を有する段ボール又はボール紙等に、折曲線(谷折り線)、切断線及び破断線を設けたものであり、輪郭線、折曲線及び切断線で構成される要素は次の9種類である。
(11)縦240mm、横173mmの長方形で、谷折り線により囲まれる底面5。
(12)縦240mm、横76mmの長方形で、底面5の縦辺に対して谷折り可能に接続される2つの側面6a。
(13)縦75mm、横173mmの長方形で、底面5の横辺に対して谷折り可能に接続される2つの側面6b。
(14)縦242mm、横170mmのほぼ長方形で、右側の側面6aの右辺に対して谷折り可能に接続される下蓋面7a。
(15)縦242mm、横172mmのほぼ長方形で、左側の側面6aの左辺に対して谷折り可能に接続される上蓋面7b。
(16)縦30mm、横173mmのほぼ長方形で、2つの側面6bの上辺に対して谷折り可能に接続される2つの側蓋面7c。
(17)下底辺75mm、上底辺40mm、高さ50mmのほぼ台形で、側辺の端部に幅25mmの膨出部を有するフラップ8。
(18)上蓋面7bの左辺の中央に谷折り可能に接続される大係止片9a。
(19)上蓋面7bの上辺及び下辺の中央に谷折り可能に接続される小係止片9b。
また、右側の側面6aと下蓋面7aとの接続部の中央には、大係止片9aを差し込むための大切断線10a、下蓋面7aの上辺と下辺の中央には、小係止片9bを差し込めるようにするための切欠き10b、上蓋面7bの左側には、ほぼ半円形の指掛け部10cと八の字状の破断線10d、2つの側面6bと側蓋面7cとの接続部の中央には、小係止片9bを差し込むための小切断線10e、2つの側面6bと側蓋面7cとの接続部の両側には、フラップ8の膨出部を嵌入させるためのH字型切断線10fが設けられている。
【0018】
図5は、実施例1に係る箱組立て用治具を用いた箱体組立て過程の説明図である。
実施例1に係る箱組立て用治具を使用形態とした上で、これを用いて図4に示す平面状の一枚のブランクを箱体に組み立てる場合には、以下の手順で作業を行う。
(手順4<図5(A)>)使用形態とした箱組立て用治具の上に一枚のブランクを置く。そして、箱組立て用治具の底板1と4つの側板2a、2bとからなる四角柱状部の真上となる位置に、底面5が配置されるように前後左右の位置を調整する。
(手順5<図5(B)>)底面5を両手で下方に押し下げる。すると、フラップ8がコーナー板4で押されて上方に折り曲げられ、同時に4つの側面6a、6bが底面5に対し谷折りされる。
(手順6<図5(C)>)底面5を両手でさらに下方に押し下げる。すると、フラップ8はコーナー板4でさらに押され、側面6aに対しほぼ直角に折り曲げられた状態となる。また、4つの側面6a、6bも底面5に対し、さらに谷折りされる。
(手順7<図5(D)>)底面5を箱組立て用治具の底板1に接触するまでを下方に押し下げる。すると、4つの側面6a、6bが底面5に対し直角に折り曲げられた状態となり、下蓋面7a、上蓋面7b及び側蓋面7cも上方に起立した状態となる。
(手順8)2つの側蓋面7cを谷折りして底面5と平行となるようにする。すると、4つのフラップ8の膨出部がH字型切断線10fに嵌入する。
(手順9)下蓋面7aを谷折りして下面側が2つの側蓋面7cの上面に重なった状態とした後、上蓋面7bも谷折りし、小係止片9bを90°谷折りして小切断線10eに差し込みつつ、大係止片9aを90°谷折りして大切断線10aに差し込む。すると、直方体状の箱体が完成する。
【0019】
このように、実施例1に係る箱組立て用治具を用いると、底面5を両手で下方に押し下げるだけで、最初にフラップ8が側面6aに対して直角に折り曲げられた状態となり、その後4つの側面6a、6bが底面5に対し直角に折り曲げられた状態となるので、フラップ8と側面6bが正規の位置関係で重なり、かつ、下蓋面7a、上蓋面7b及び側蓋面7cが上方に起立して、箱組立て用治具の四角柱状部に嵌合した状態で安定する。
そして、その後は手順8、9のように、2つの側蓋面7cを谷折りしてフラップ8をH字型切断線10fに嵌入固定した後、下蓋面7aと上蓋面7bを順に谷折りして、小係止片9bを小切断線10eに差し込みつつ、大係止片9aを大切断線10aに差し込むだけとなるので、フラップ8を有する一枚のブランクを、一人で容易、かつ、短時間のうちに箱体へと組み立てることができる。
【実施例0020】
図6は、実施例2に係る箱組立て用治具のうち、中枠の使用待ち形態を示す図である。
この中枠は、図6に示すような輪郭線を有する段ボール又はボール紙等に折曲線を設けたものであり、輪郭線及び折曲線で構成される要素は次の7種類であって、後述する中枠収容体と組み合わせて実施例2に係る箱組立て用治具を構成する。
なお、中枠の輪郭線、図6に点線で示す谷折り線、一点鎖線で示す山折り線及び各要素の形成方法は、実施例1に係る箱組立て用治具と同様である。
(21)縦246mm、横175mmの長方形で、中央に長円形状の穴11aを有し、谷折り線により囲まれる底板11。
(22)縦302mm、横40mmの長方形で、246mmの底板接続辺で底板11の縦辺に対して谷折り可能に接続される2つの側板12a。
(23)縦40mm、横175mmの長方形で、175mmの底板接続辺で底板11の横辺に対して谷折り可能に接続される2つの側板12b。
(24)縦302mm、横40mmの長方形で、側板12aの斜面板接続辺に対して山折り可能に接続される2つの斜面板13a。
(25)短底辺175mm、長底辺231mm、高さ40mmの等脚台形で、側板12bの斜面板接続辺に対して山折り可能に接続される2つの斜面板13b。
(26)縦302mm、横70mmの長方形で、斜面板13aの外側板接続辺に対して山折り可能に接続される2つの外側板14a。
(27)縦70mm、横231mmの長方形で、斜面板13bの外側板接続辺に対して山折り可能に接続される2つの外側板14b。
【0021】
図7は、中枠収容体の使用待ち形態を示す図である。
この中枠収容体は、図7に示すような輪郭線を有する段ボール又はボール紙等に折曲線を設けたものであり、輪郭線、折曲線及び切断線で構成される要素は次の12種類であって、上述した中枠と組み合わせて実施例2に係る箱組立て用治具を構成する。
なお、中枠収容体の輪郭線、図7に点線で示す谷折り線及び各要素の形成方法も、実施例1に係る箱組立て用治具と同様である。
(31)縦320mm、横246mmの長方形で、中央に上記長円形状の穴11aと同じ大きさ及び形状の穴15aを有し、谷折り線により囲まれる収容体底板15。
(32)縦316mm、横72mmの長方形で、収容体底板15の両縦辺に対して谷折り可能に接続される2つの収容体外側板16a。
(33)縦73mm、横246mmの長方形で、収容体底板15の両横辺に対して谷折り可能に接続される2つの収容体外側板16b。
(34)縦60mm、横72mmの長方形で、2つの収容体外側板16aの両横辺に対して谷折り可能に接続される4つの折り込み板16c。
(35)縦316mm、横6mmの長方形で、2つの収容体外側板16aの縦辺に対して谷折り可能に接続される2つの収容体接続板17a。
(36)縦6mm、横190mmの長方形で、2つの収容体外側板16bの横辺の中央に谷折り可能に接続される2つの収容体接続板17b。
(37)縦310mm、横70mmの長方形で、2つの収容体接続板17aの縦辺に対して谷折り可能に接続される2つの収容体内側板18a。
(38)短底辺160mm、長底辺242mm、高さ71mmの略等脚台形状で、2つの収容体接続板17bの横辺に対して谷折り可能に接続される2つの収容体内側板18b。
(39)縦63mm、横70mmの長方形で、2つの収容体内側板18aの両横辺に対して谷折り可能に接続される4つの折り返し板18c。
(40)直交する長さ43mmの2辺と、それら2辺に直交する長さ6mmの2辺と、長さ43mmの2辺より短い2辺からなる凧形に近い形状で、2つの収容体外側板16bの横辺の両端部に谷折り可能に接続される4つのコーナー板19。
(41)短底辺43mm、長底辺64mm、高さ72mmの台形で、4つのコーナー板19の縦辺に対して谷折り可能に接続される4つの収容体固定板20a。
(42)短底辺24mm、長底辺31mm、高さ24mmの略等脚台形状で、長底辺側がくびれており、そのくびれ部が4つの収容体固定板20aの長底辺に対して谷折り可能に接続される4つの差し込み板20b。
また、2つの収容体内側板18bの両側辺の一端部には、長さ18mmの突出部18d、2つの収容体内側板18aの両横辺の一端部には、突出部18dを嵌入させるためのL字型切断線18e、収容体底板15の両縦辺の両端近傍には、差し込み板20bを差し込むための長さ30mmの固定用切断線20cが設けられている。
【0022】
図8は、実施例2に係る箱組立て用治具を使用形態とする途中の状態を示す図である。
実施例2に係る箱組立て用治具を使用形態とするには、まず中枠収容体を図7に示す平面状の使用待ち形態から、以下の手順で上記(32)~(39)の要素を折り曲げて、図8(A)の状態とする。
(手順11)2つの収容体外側板16aを、収容体底板15に対して90°谷折りする。
(手順12)4つの折り込み板16cを、収容体外側板16aに対して90°谷折りし、その後、2つの収容体外側板16bを、収容体底板15に対して90°谷折りする。
(手順13)4つの折り返し板18cを、収容体内側板18aに対して180°谷折りし、その後、2つの収容体接続板17aを、収容体外側板16aに対して90°谷折りし、さらに、収容体内側板18aを、収容体接続板17aに対して90°谷折りする。
(手順14)2つの収容体接続板17bを、収容体外側板16bに対して90°谷折りし、さらに、2つの収容体内側板18bを、収容体接続板17bに対して90°谷折りして、4つの突出部18dを、L字型切断線18eに嵌入させる。
そうすると、図8(A)のように、収容体底板15の周囲に収容体外側板16a、16b及び収容体内側板18a、18bの二重壁を有する直方体状の収容凹部が形成されるとともに、2つの収容体外側板16bの上辺の両側にコーナー板19、収容体固定板20a及び差し込み板20bが垂直に起立した状態の中枠収容体となる。
【0023】
次に、中枠を以下の手順で上記(21)~(27)の要素を折り曲げて、全体の形状が直方体状になるように組み立てる。
(手順15)4つの側板12a、12bを、底板11に対して90°谷折りする。
(手順16)2つの斜面板13aを、側板12aに対して山折りし、さらに、2つの外側板14aを、斜面板13aに対して山折りして、側板12aと平行な状態にする。
(手順17)2つの斜面板13bを、側板12bに対して山折りし、さらに、2つの外側板14bを、斜面板13bに対して山折りして、側板12bと平行な状態にする。
そして、両手で4つの外側板14a、14bの外側の面を押さえたり、隣接する外側板14a、14bの側辺同士を粘着テープで固定したりして、2つの側板12aと2つの外側板14aが全て平行、かつ、2つの側板12bと2つの外側板14bが全て平行となるように保持する。
そうすると、4つの外側板14a、14bからなる直方体の内部に、底板11と4つの側板12a、12bとからなる四角柱状部と、その四角柱状部の上端に連なる4つの斜面板13a、13bからなる四角錐台状部のある構造体が形成される。
【0024】
最後に、中枠収容体と中枠を、以下の手順で組み合わせることによって、実施例2に係る箱組立て用治具を完成させる。
(手順18)図8(B)に示すように、図8(A)に示す状態における中枠収容体の直方体状の収容凹部に、上記手順15~17で組み立てた中枠を嵌め込む。
(手順19)図8(A)及び(B)において、2つの収容体外側板16bの上辺の両側に起立していたコーナー板19を、収容体外側板16bに対して90°谷折りする。すると、収容体固定板20a及び差し込み板20bも一緒に中枠側に倒れて図8(C)に示すような状態となる。
(手順20)図8(C)に示す状態から、差し込み板20bを収容体固定板20aに対して90°谷折りし、その後、収容体固定板20aをコーナー板19に対して90°谷折りして、差し込み板20bを固定用切断線20cに差し込む。
以上の手順11~20によって、実施例2に係る箱組立て用治具が完成する。
また、実施例2に係る箱組立て用治具を用いて、図4に示す平面状の一枚のブランクを箱体に組み立てる手順は、図5等に示す手順4~9と同様である。
なお、底板11及び収容体底板15の中央に設けてある長円形状の穴11a、15aは、完成した箱体の底面が中枠の底板11に接しつつ、底板11と4つの側板12a、12bとからなる四角柱状部に押し込まれた状態となることから、箱体を箱組立て用治具から取り外し易くするためのものである。
【0025】
実施例1及び2に係る箱組立て用治具の変形例を説明する。
(変形例1)実施例1及び2に係る箱組立て用治具においては、図5に示すようなフラップ8の付いた平面状の一枚のブランクを箱体に組み立てる際に、側面6a、6bが底面5に対し直角に折り曲げられた状態となる前に、フラップ8を側面6aに対しほぼ直角に折り曲げられた状態とするために、コーナー板4、19を備えていたが、フラップの付いていないブランクを箱体に組み立てる場合には、コーナー板4、19を備えなくても良い。
また、フラップの付いているブランクを箱体に組み立てる場合であっても、予めフラップを側面に対してほぼ直角に折り曲げた後に、箱組立て用治具を用いるようにすれば、コーナー板4、19は不要となる。
(変形例2)実施例1及び2に係る箱組立て用治具では寸法を限定していたが、これらの寸法は適用する箱体のブランクの寸法を考慮して決定されるものであり、実施例1及び2で示した寸法に限られるものではない。
そして、実施例1の底板1及び実施例2における中枠の底板11の縦辺及び横辺の長さは、箱体のブランクにおける底面の縦辺及び横辺の長さより2mm~10mm長くすると良いが、これらの長さの関係は底面の面積にもよるので、一般化すると、箱組立て用治具における底板を、箱体のブランクにおける底面と同形状、かつ、底面の102~110%の面積とすれば良く、底面の102~105%の面積であればより良い。
また、実施例1の側板2a、2b及び実施例2における中枠の側板12a、12bの高さは、箱体のブランクにおける側面の高さの30%以上あれば支障なく作業することができ高さに上限はないが、高すぎると完成した箱体が取り外し難くなるので、側面の高さの200%以下とした方が良く、側面の高さの40~150%とするのが通常であり、50~95%であると最も作業性が良い。
次に、実施例1の斜面板3a、3b及び実施例2における中枠の斜面板13a、13bの高さも、箱体のブランクにおける側面の高さの30%以上あれば支障なく作業することができ高さに上限はないが、側面の高さの40~150%とするのが通常である。
【0026】
(変形例3)実施例1のコーナー板4は、同じ長さの直交する2辺とそれら2辺の長さより短い2辺からなる凧形、実施例2のコーナー板19は、同じ長さの直交する2辺と、それら2辺に直交する短い2辺と、それら2辺の長さより短い2辺からなる凧形に近い形状であったが、異なる長さ又は同じ長さの直交する2辺とそれら2辺の長さより短い2辺からなる四角形でも良い。さらに、同じ長さの直交する2辺と円弧からなる扇形でも良く、異なる長さの直交する2辺と2辺の端部をつなぐ楕円弧からなる形状としても良い。
(変形例4)実施例1においては、8つのコーナー板4を斜面板3a及び3bの長底辺の両端部に設けたが、4つのコーナー板4を互いに隣接しないように斜面板3a及び3bの長底辺の端部に1つずつ設け、直交する2つの辺のうちの1辺を隣接する斜面板3a及び3bの長底辺の端部に固定しても良い。
(変形例5)実施例1の手順1及び2においては、4つの側板2a及び2bの隣接する側辺同士及び4つの斜面板3a及び3bの隣接する側辺同士を突き合わせて固定したが、隣接するコーナー板4同士を固定することによって使用形態は保たれるので、固定しなくても良く仮固定する程度としても良い。
【0027】
(変形例6)実施例2の中枠は、長方形の2つの側板12bと、等脚台形の2つの斜面板13bを有していたが、実施例1に係る箱組立て用治具と同様に、等脚台形の4つの斜面板図を有するものとしても良い。
また、図9のように、側板12b及び斜面板13bの中央に2つの平行な切断線を設けるとともに、それらの切断線の一部、斜面板13bに対する山折り線及び底板11に対する谷折り線で囲まれる下降板13cを設けても良い。
そうすると、中枠を組み立てるときに、2つの下降板13cを斜面板13bに対して山折りすることによって、側板12b及び斜面板13bの中央に開口部が形成される。
そのため、箱体完成後に治具を持ち上げなくても、それらの開口部から2つの側面6bの外側に手をかけて、箱組立て用治具から箱体を容易に取り外すことができる。
(変形例7)実施例2の中枠及び中枠収容体は、底板11及び収容体底板15の中央に長円形状の穴11a、15aを有していたが、これらは完成した箱体を取り出し易くするためのものであるので、設けなくても良い。
(変形例8)実施例2の中枠収容体は、二重壁を有する直方体状の収容凹部が形成されるとともに、差し込み板20bを固定用切断線20cに差し込むことによって、収容体固定板20aで中枠が外れないように固定できる優れた構造体であるが、中枠を収容できる直方体状の収容凹部が形成され、中枠を収容した後にコーナー板を四隅に固定でき、かつ、平板状の使用待ち形態とすることが可能であれば、どのようなものであっても良い。
例えば、図10に示すように、収容体底板15の周囲に4つの収容体側板16d、16eが谷折り可能に接続され、4つのコーナー板19が2つの収容体側板16eの横辺の両端部に谷折り可能に接続されたものとしても良い。
また、変形例1と同様、フラップの付いていないブランクを箱体に組み立てる場合にはコーナー板19を備えなくても良い。そして、コーナー板19を備える場合には4つの収容体側板16d、16eの高さを中枠の高さの100~105%とする必要があったが、備えない場合には中枠の高さより低くても良く、50~105%の高さであれば良い。
【符号の説明】
【0028】
1 底板 2a、2b 側板 3a、3b 斜面板 4 コーナー板
5 底面 6a、6b 側面 7a 下蓋面 7b 上蓋面
7c 側蓋面 8 フラップ 9a 大係止片 9b 小係止片
10a 大切断線 10b 切欠き 10c 指掛け部 10d 破断線
10e 小切断線 10f H字型切断線 11 底板 11a 穴
12a、12b 側板 13a、13b 斜面板 14a、14b 外側板
15 収容体底板 15a 穴 16a、16b 収容体外側板
16c 折り込み板 16d、16e 収容体側板
17a、17b 収容体接続板 18a、18b 収容体内側板
18c 折り返し板 19 コーナー板 20a 収容体固定板
20b 差し込み板 20c 固定用切断線
α 斜面板3bの短底辺の延長線と斜面板3aの側辺が為す角度
β 斜面板3aの延長面と底板1又は底板1の延長面が為す角度
H 斜面板3a、3bの高さ L コーナー板4の直交する2辺の長さ
M 斜面板3a、3bの平面図上の高さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10