(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023035721
(43)【公開日】2023-03-13
(54)【発明の名称】壁掛け棚
(51)【国際特許分類】
A47B 96/02 20060101AFI20230306BHJP
A47K 4/00 20060101ALI20230306BHJP
A47B 81/00 20060101ALI20230306BHJP
【FI】
A47B96/02 C
A47B96/02 F
A47K4/00
A47B96/02 B
A47B81/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021142772
(22)【出願日】2021-09-01
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】武内 祥泰
(72)【発明者】
【氏名】花井 雄規
(72)【発明者】
【氏名】長瀬 徳彦
【テーマコード(参考)】
2D132
【Fターム(参考)】
2D132GA04
(57)【要約】
【課題】使い勝手の良い壁掛け棚を提供する。
【解決手段】複数の棚部18A、18Bを有する本体部材14と、本体部材14を壁12に取り付ける取付部材16と、を備え、取付部材16は、壁12の壁面に垂直な法線La周りでの本体部材14の向きを変更して壁12に本体部材14を取り付け可能であり、本体部材14は、その向きを変更することで、複数の棚部18A、18Bのうちのいずれかに物品30を載置可能な棚部18A、18Bを変更可能である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の棚部を有する本体部材と、
前記本体部材を壁に取り付ける取付部材と、を備え、
前記取付部材は、前記壁の壁面に垂直な法線周りでの前記本体部材の向きを変更して前記壁に前記本体部材を取り付け可能であり、
前記本体部材は、その向きを変更することで、前記複数の棚部のうちのいずれかに物品を載置可能な前記棚部を変更可能である壁掛け棚。
【請求項2】
前記複数の棚部は、横棚部及び縦棚部を含み、
前記本体部材の向きは、前記法線周りに1/4周分回転させることで、前記横棚部に物品を載置可能な向きと、前記縦棚部に物品を載置可能な向きとの間で変更可能である請求項1に記載の壁掛け棚。
【請求項3】
前記横棚部に物品を載置可能な向きに前記本体部材があるとき、前記縦棚部は、前記横棚部に載置される物品に対して左右方向に配置される請求項2に記載の壁掛け棚。
【請求項4】
前記複数の棚部は、表側棚部及び裏側棚部を含み、
前記本体部材の向きは、前記法線周りに半周分回転させることで、前記表側棚部に物品を載置可能な向きと、前記裏側棚部に物品を載置可能な向きとの間で変更可能である請求項1から3のいずれか1項に記載の壁掛け棚。
【請求項5】
前記本体部材は、前記本体部材の背面部を形成する背板部を備え、
前記表側棚部に物品を載置可能な向きに前記本体部材があるときと、前記裏側棚部に物品を載置可能な向きに前記本体部材があるときとで、前記背板部に対する前記表側棚部及び前記裏側棚部の上下方向での相対位置が異なる請求項4に記載の壁掛け棚。
【請求項6】
前記複数の棚部のうちの少なくとも二つの棚部は、自身に物品を載置可能な向きに前記本体部材があるとき、自身に形成される排水孔まで導水可能な排水勾配を備える請求項1から5のいずれか1項に記載の壁掛け棚。
【請求項7】
前記表側棚部及び前記裏側棚部は、前記表側棚部及び前記裏側棚部に共用される板状部を備え、
前記表側棚部及び前記裏側棚部それぞれの前記排水勾配は、前側に向かうに連れて前記板状部の厚みを薄くするように設けられる請求項4から5のいずれかを引用する請求項6に記載の壁掛け棚。
【請求項8】
前記複数の棚部のうちの少なくとも一つの棚部は、前記棚部に載置される物品に当たることで前記物品の脱落を防止する脱落防止部を備える請求項1から7のいずれか1項に記載の壁掛け棚。
【請求項9】
前記複数の棚部のうちの少なくとも二つの棚部は、前記脱落防止部を備え、
前記少なくとも二つの棚部それぞれの物品載置部に対する前記脱落防止部の最大高さは異なる請求項8に記載の壁掛け棚。
【請求項10】
前記取付部材は、前記壁に前記本体部材を着脱可能に取り付ける請求項1から9のいずれか1項に記載の壁掛け棚。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、壁掛け棚に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、棚部を有する本体部材と、本体部材を壁に取り付ける取付部材とを備える壁掛け棚を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の壁掛け棚を用いる場合、壁に本体部材を取り付けるうえで、本体部材の向きに関して変更の自由度がない。本願発明者は、このような壁掛け棚に関して使い勝手を良くするうえで、改良の余地があるとの認識を得た。
【0005】
本開示の目的の1つは、使い勝手の良い壁掛け棚を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の壁掛け棚は、複数の棚部を有する本体部材と、前記本体部材を壁に取り付ける取付部材と、を備え、前記取付部材は、前記壁の壁面に垂直な法線周りでの前記本体部材の向きを変更して前記壁に前記本体部材を取り付け可能であり、前記本体部材は、その向きを変更することで、前記複数の棚部のうちのいずれかに物品を載置可能な前記棚部を変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態の第1使用状態にある壁掛け棚を斜め上から見た外観図である。
【
図2】第1実施形態の第1使用状態にある壁掛け棚を示す側面断面図である。
【
図3】第1実施形態の第2使用状態にある壁掛け棚を斜め上から見た外観図である。
【
図4】第1実施形態の第2使用状態にある壁掛け棚を示す側面断面図である。
【
図5A】第1実施形態の第1使用状態にある壁掛け棚の一部を示す部分断面正面図である。
【
図5B】第1実施形態の第2使用状態にある壁掛け棚の一部を示す部分断面正面図である。
【
図6】第2実施形態の第1使用状態にある壁掛け棚を示す正面図である。
【
図7】第2実施形態の第2使用状態にある壁掛け棚を示す正面図である。
【
図8A】第3実施形態の第1使用状態にある壁掛け棚を示す正面図である。
【
図8B】第3実施形態の第2使用状態にある壁掛け棚を示す正面図である。
【
図8C】第3実施形態の第3使用状態にある壁掛け棚を示す正面図である。
【
図9】第3実施形態の棚ユニットを示す正面図である。
【
図10】第4実施形態の壁掛け棚を示す正面図である。
【
図11】第5実施形態の壁掛け棚を示す正面図である。
【
図12】第6実施形態の壁掛け棚を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態を説明する。同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。各図面では、説明の便宜のため、適宜、構成要素を省略、拡大、縮小する。図面は符号の向きに合わせて見るものとする。本明細書での「取り付け」、「貼り付け」とは、特に明示がない限り、言及する条件を二者が直接的に満たす場合の他に、他の部材を介して満たす場合も含む。
【0009】
(第1実施形態)
図1、
図2を参照する。壁掛け棚10は壁12に取り付けられる。本実施形態の壁掛け棚10は、浴室に設置され、浴室空間を内部に形成する壁12に取り付けられる。壁掛け棚10は、本体部材14と、本体部材14を壁12に取り付ける取付部材16と、を備える。本明細書では、壁掛け棚10が取り付けられる壁12を正面から見た水平な奥行き方向を前後方向X、前後方向Xと直交する水平方向を左右方向Y(ここでは図示せず)、前後方向Xと直交する鉛直方向を上下方向Zという。同様の視点から見た手前側を前側とし、奥側を後側とする。
【0010】
本体部材14は、複数の棚部18A、18Bと、本体部材14の背面部20を形成する背板部22とを備える。本体部材14の背面部20は、壁12に対して前後方向Xに対向する。背板部22は、前後方向Xを自身の板厚方向として上下方向Zに延びている。本体部材14は、例えば、金属、樹脂等によって構成される。本実施形態の各棚部18A、18Bと背板部22は同じ部材の一部として一体成形されている。この他にも、各棚部18A、18Bと背板部22は別体に設けられていてもよい。
【0011】
本実施形態の取付部材16は、本体部材14の背面部20に設けられる凹部24内に配置される。本実施形態の取付部材16は、接着等によって、本体部材14の背面部20に貼り付けられるマグネット26である。本実施形態のマグネット26は、シート状のラバーマグネットである。マグネット26は、磁力によって壁12に吸着することで、本体部材14を壁12に着脱可能に取り付ける。取付部材16がマグネット26である場合、壁12は、磁力によってマグネット26を吸着可能な素材を用いて構成される。この素材は、鉄等の軟磁性材料の他、フェライト磁石等の硬磁性材料であってもよい。
【0012】
図1~
図4を参照する。壁掛け棚10側にある壁12の壁面に垂直であり、正面から見た本体部材14の中心を通る法線Laを想定する。取付部材16は、法線La周りでの本体部材14の向きを変更して、壁12に本体部材14を取り付け可能である。
図1、
図2では、本体部材14が第1向きDaにあり、
図3、
図4では、本体部材14が第2向きDbにある状態を示す。本実施形態の取付部材16は、マグネット26の磁力を用いているため、法線La周りでの本体部材14の向きを連続的に変更可能である。以下、この法線La周りでの本体部材14の向きに関して、単に「本体部材14の向き」と記載する。
【0013】
本体部材14は、複数の棚部18A、18Bとして、第1棚部18Aと第2棚部18Bを備える。個々の棚部18A、18Bは、物品30を載置するための物品載置部32を備える。
図2、
図4では、高さの異なる物品30を載置している状態を示す。壁掛け棚10を浴室に設置する場合、物品30は、スマートフォン等の携帯端末、プッシュボトル、石けん、石けん置き、飾り物等となる。
【0014】
複数の棚部18A、18Bは、組となる表側棚部34A及び裏側棚部34Bを含む。表側棚部34A及び裏側棚部34Bは、「複数の棚部」を便宜的に区別するための概念であり、「複数の棚部」とは異なる棚部を特定するものではない。本実施形態では第1棚部18Aが表側棚部34Aとなり、第2棚部18Bが裏側棚部34Bとなる。組となる表側棚部34A及び裏側棚部34Bは、表側棚部34A及び裏側棚部34Bに共用される板状部36を備える。板状部36は、本体部材14において前方に突き出るように設けられる。板状部36の厚み方向(ここでは上下方向Zと平行)両面のそれぞれは、表側棚部34A及び裏側棚部34Bにおける個別の物品載置部32を構成する。
【0015】
図2では、第1棚部18Aの物品載置部32に物品30を載置可能な第1向きDaに本体部材14がある状態を示す。このとき、本体部材14は、他の棚部18Bに物品30を載置不能となる。
図4では、第2棚部18Bの物品載置部32に物品30を載置可能な第2向きDbに本体部材14がある状態を示す。このとき、本体部材14は、他の棚部18Aに物品30を載置不能となる。本実施形態の本体部材14の向きは、法線La周りに本体部材14を半周分回転させることで、表側棚部34Aに物品30を載置可能な第1向きDaと、裏側棚部34Bに物品30を載置可能な第2向きDbとの間で変更可能である。ここでの半周分は、法線La周りの角度で180°に限定されるものではなく、例えば、180°±5°を含む角度範囲をいう。
【0016】
このように、本体部材14は、法線La周りでの回転を伴い、その向きを変更することで、複数の棚部18A、18Bのうちのいずれかに物品30を載置可能な棚部18A、18Bを変更可能である。本体部材14は、個々の棚部18A、18Bのいずれかに対応する向きDa、Dbに配置することで、その向きDa、Dbに対応する棚部18A、18Bに物品30を載置可能になるともいえる。この他に、本体部材14は、少なくとも一つの棚部18A、18B(例えば、第1棚部18A)に物品30を載置可能な向きにあるとき、少なくとも一つの他の棚部18A、18B(例えば、第2棚部18B)に物品30を載置不能になるともいえる。
【0017】
図2に示すように、表側棚部34A及び裏側棚部34Bは、表側棚部34Aに物品30を載置可能な第1向きDaに本体部材14があるとき、背板部22の上下方向Zでの中心位置(
図2では法線Laと重なる位置)よりも下方に位置する。
図4に示すように、表側棚部34A及び裏側棚部34Bは、裏側棚部34Bに物品30を載置可能な第2向きDbに本体部材14があるとき、背板部22の上下方向Zでの中心位置(
図4では法線Laと重なる位置)よりも上方に位置する。つまり、第1向きDaに本体部材14があるときと第2向きDbに本体部材14があるときとで、背板部22に対する表側棚部34A及び裏側棚部34Bの上下方向Zでの相対位置が異なる。別の観点から見ると、個々の棚部18A、18Bに対応する本体部材14の向きDa、Db毎に本体部材14のレイアウトが変わることになる。ここでの本体部材14のレイアウトとは、壁掛け棚10を正面から見た、本体部材14の各部位(複数の棚部18A、18B、背板部22等)の相対位置をいう。
【0018】
各棚部18A、18Bは、自身に物品30を載置可能な向きに本体部材14があるときに、物品30を収容可能な収容部38を備える。収容部38の底部は、前述の物品載置部32が構成する。各棚部18A、18Bの収容部38は、その棚部18A、18Bに対応する向きDa、Dbに本体部材14があるとき、物品載置部32に載置された物品30の前方及び側方に位置する周壁部40を備える。周壁部40は、物品載置部32に載置された物品30に前方及び側方の少なくとも一方から当たることで物品の脱落を防止する脱落防止部42A、42Bを構成する。
【0019】
脱落防止部42A、42Bは、物品載置部32に載置される物品30に前方から当たることで物品30の脱落を防止する前側脱落防止部42Aと、物品30に側方から当たることで物品30の脱落を防止する横側脱落防止部42Bとを含む。前側脱落防止部42Aは、棚部18A、18Bの前端部に設けられる。本実施形態の前側脱落防止部42Aは、左右方向Yに延びる壁部として設けられる(
図5Aも参照)。横側脱落防止部42Bは、棚部18A、18Bの左右方向Yの少なくとも一方の側端部に設けられる。本実施形態の横側脱落防止部42Bは、棚部18A、18Bの左右方向Y両側の側端部に設けられる。本実施形態の横側脱落防止部42Bは、前後方向Xに延びる壁部として設けられる。
【0020】
以上の壁掛け棚10の効果を説明する。
【0021】
(A)本体部材14は、その向きを変更することで、複数の棚部18A、18Bのいずれかに物品30を載置可能な棚部18A、18Bを変更可能である。よって、ユーザの好み、使用目的、物品30、状況等に合わせて使用する本体部材14の向きDa、Dbと棚部18A、18Bを変更でき、壁掛け棚10の使い勝手を良くすることができる。
【0022】
ユーザの好みに合わせる場合とは、例えば、ユーザの好みに合わせて使用する本体部材14の向きを変更することで、そのレイアウトを変更する場合を想定している。これは、前述のように、各棚部18A、18Bに対応する本体部材14の向きDa,Db毎に本体部材14のレイアウトが変わっていることを前提とする。
【0023】
ユーザの使用目的及び物品のいずれかに合わせる場合とは、例えば、ユーザの使用目的等に合わせて、その使用目的等に適した機能を持つ棚部18A,18Bに、使用する棚部18A,18Bを変更する場合を想定している。これは、個々の棚部18A,18Bで機能が変わっていることを前提とする。ここでの棚部18A,18Bの機能とは、例えば、脱落防止部42A、42Bの有無、物品載置部32の大きさ等である。例えば、本体部材14が、脱落防止部42A、42Bの有る棚部と脱落防止部42A、42Bの無い棚部を備える場合を考える。ユーザの使用目的が物品30の見易さを重視することにある場合、脱落防止部42A、Bのない棚部に使用する棚部を変更することで、その使用目的に合わせることができる。これに対して、ユーザの使用目的が物品30の脱落の防止を重視することにある場合、脱落防止部42A、42Bのある棚部に使用する棚部を変更することで、その使用目的に合わせることができる。本明細書での「棚部を使用する」とは、その棚部に物品30を載置可能な向きに本体部材14を配置した状態で、その棚部に物品30を載置することをいう。
【0024】
状況に合わせる場合とは、例えば、いずれかの棚部18A,18Bが劣化、変形等で経時的に大きく変化した場合に、その変化度合いの小さい棚部18A,18Bに使用する棚部18A,18Bを変更する場合を想定している。
【0025】
(B)複数の棚部18A,18Bは、表側棚部34A及び裏側棚部34Bを含む。よって、本体部材14の向きを半周分回転させるだけで、表側棚部34A及び裏側棚部34Bのいずれかに使用する棚部18A,18Bを変更することができる。
【0026】
(C)表側棚部34Aに対応する第1向きDaと裏側棚部34Bに対応する第2向きとで背板部22に対する各棚部34A,34Bの上下方向Zでの相対位置が変わっている。よって、高さの高い物品30を載置しようとするときは、各棚部34A,34Bが低い位置に配置される第1向きDaに本体部材14を配置することで、その上方にある構造物との干渉を避け易くすることができる。高さの低い物品30を載置しようとするときは、その上方にある構造物との干渉を気にせず、ユーザの好みに合わせて各棚部34A,34Bの上下方向Zでの位置を変更できるようになる。このように物品30の高さに合わせて使用する棚部34A,34Bを変更することで、その上下方向Zでの位置を変えることができるようになる。このように棚部34A,34Bの上下方向Zでの位置を変えるうえで、壁12に対する背板部22の配置位置を大きく変えずに済む利点がある。
【0027】
(D)棚部18A,18Bは脱落防止部42A、42Bを備えている。よって、棚部18A,18Bを使用するとき、その棚部18A,18Bの脱落防止部42A、42Bによって、その棚部18A,18Bに載置される物品30の脱落を防止することができる。特に、本実施形態では、複数の棚部18A、18Bのうちの少なくとも二つの棚部18A、18Bが脱落防止部42A、42Bを備えている。よって、異なる棚部18A、18Bのいずれを使用するときでも、同様の効果を得ることのできる利点がある。
【0028】
(E)取付部材16は、本体部材14を壁12に着脱可能に取り付ける。よって、本体部材14を壁12に取り付けた後でも、複数の棚部18A,18Bのうちのいずれかに使用する棚部18A,18Bを変更することができる。
【0029】
壁掛け棚10の他の特徴を説明する。
図2を参照する。表側棚部34Aは、表側棚部34Aに物品を載置可能な第1向きDaに本体部材14があるとき、自身に形成される排水孔44まで導水可能な排水勾配46を備える。排水孔44は、表側棚部34Aの物品載置部32の前部、詳しくは、その前端部に設けられる。排水孔44は、表側棚部34Aを構成する板状部36を貫通している。表側棚部34Aの排水勾配46は、本体部材14が第1向きDaにあるとき、前側に向かって下るように表側棚部34Aの物品載置部32に設けられる。
図2では、高位置から低位置に向かう勾配を矢印Lcによって示す。
【0030】
図4を参照する。裏側棚部34Bは、裏側棚部34Bに物品30を載置可能な第2向きDbに本体部材14があるとき、自身に形成される排水孔44まで導水可能な排水勾配46を備える。本実施形態の裏側棚部34Bの排水孔44は表側棚部34Aの排水孔44と共用しており、裏側棚部34Bの物品載置部32の前部に設けられる。裏側棚部34Bの排水勾配46は、本体部材14が第2向きDbにあるとき、前側に向かって下るように裏側棚部34Bの物品載置部32に設けられる。
【0031】
(F)以上の排水勾配46によって、異なる棚部18A、18Bのいずれを使用するときでも、その棚部18A、18Bの排水勾配46によって、棚部18A、18B上の残水を排水孔44まで導水したうえで排出することができる。ひいては、各棚部18A,18B上で水残りが生じ難くなり、良好な衛生性を得ることができる。
【0032】
表側棚部34A及び裏側棚部34Bの排水勾配46は、板状部36の厚み方向両側に個別に設けられる。表側棚部34A及び裏側棚部34Bそれぞれの排水勾配46は、前側に向かうに連れて板状部36の厚みを薄くするように設けられる。この構造によって、表側棚部34A及び裏側棚部34Bのいずれを使用するときでも、それらの前部にある排水孔44を通して残水を排出することができる。これにより、各棚部34A、34Bの物品載置部32の後部に排水孔44を設ける場合と比べ、壁12から間を空けた箇所から排水することができる。よって、表側棚部34A及び裏側棚部34Bのいずれを使用するときでも、排水孔44から排水した水を壁12に届かせ難くすることができる。ひいては、各棚部34A、34B上の汚れた水を排水した場合に、その水によって壁12を汚れ難くすることができる。
【0033】
図2、
図4、
図5A、
図5Bを参照する。
図5Aは
図2のA-A断面の一部を示す。
図5Bは、
図4のB-B断面の一部を示す。物品載置部32に対する脱落防止部42A、42Bの高さを検討する。前側脱落防止部42Aの高さ(例えば、後述の最大高さHa1、Hb1)は、前側脱落防止部42Aを通る左右方向Yに直交する断面において、前側脱落防止部42Aの上端42Aaから脱落防止部42Aの内面部の下端42Abまでの上下方向Zでの寸法をいう。横側脱落防止部42Bの高さ(例えば、後述の最大高さHa2、Hb2)は、横側脱落防止部42Bを通る前後方向Xに直交する断面において、脱落防止部42Bの上端42Baから脱落防止部42Bの内面部の下端42Bbまでの上下方向Zでの寸法をいう。本実施形態では、前側脱落防止部42A及び横側脱落防止部42Bのいずれの高さも、正面から見て、使用する棚部18A、18Bの物品載置部32が水平になったときを基準とする。いずれの高さも、前後方向Xに直交する断面において、使用する棚部18A、18Bの物品載置部32が水平になったときを基準とするともいえる。
【0034】
物品載置部32が脱落防止部42A、42Bと連続している場合、脱落防止部42A、42Bの内面部の下端42Ab、42Bbは、脱落防止部42A、42Bと物品載置部32のなす内隅部の下端となる。物品載置部32が複数の線材によって構成される場合、物品載置部32において平坦な底面を持つ物品の当たる箇所を通る仮想直線を載置ラインとしたとき、脱落防止部42A、42Bの下端42Ab、42Bbは、脱落防止部42A、42Bと載置ラインとの交点となる。
【0035】
前側脱落防止部42Aの高さは、通常、棚部18A、18Bの左右方向Yでの位置によって変動する。前側脱落防止部42Aの左右方向Yでの高さのうち最大となる高さを基準最大高さHa1、Hb1という。ここでは、第1棚部18Aの前側脱落防止部42Aの基準最大高さHa1(
図2参照)と、第2棚部18Bの前側脱落防止部42Aの基準最大高さHb1(
図4参照)を示す。本実施形態の前側脱落防止部42Aは、左右方向Yの広い範囲で基準最大高さHa1、Hb1となる。
【0036】
横側脱落防止部42Bの高さは、通常、棚部18A、18Bの前後方向Xでの位置によって変動する。横側脱落防止部42Bの前後方向Xでの高さのうち最大となる高さを基準最大高さHa2、Hb2という。ここでは、第1棚部18Aの横側脱落防止部42Bの基準最大高さHa2(
図5A参照)と、第2棚部18Bの横側脱落防止部42Bの基準最大高さHb2(
図5B参照)とを示す。本実施形態の横側脱落防止部42Bは、排水勾配46が最低位置となる前後方向位置(本実施形態では前側脱落防止部42Aの下端42Abのある前後方向位置)で基準最大高さHa2、Hb2となる。本実施形態では個々の棚部18A、18Bにおける前側脱落防止部42Aの基準最大高さHa1、Hb1と横側脱落防止部42Bの基準最大高さHa2、Hb2とが同じとなる。例えば、第1棚部18Aの前側脱落防止部42Aの基準最大高さHa1と横側脱落防止部42Bの基準最大高さHa2が同じになるということである。
【0037】
個々の棚部18A、18Bにおける脱落防止部42A、42Bの最大高さHa0、Hb0を検討する。この「脱落防止部の最大高さ」は、前側脱落防止部42Aの基準最大高さHa1、Hb1と横側脱落防止部42Bの基準最大高さHa2、Hb2のうちの大きい方を用いる。本実施形態では、第1棚部18Aの各脱落防止部42A、42Bそれぞれの基準最大高さHa1、Ha2が同じであるため、第1棚部18Aにおける脱落防止部42A、42Bの最大高さHa0は、その基準最大高さHa1、Ha2を用いる。第2棚部18Bの脱落防止部42A、42Bの最大高さHb0は、同様に、第2棚部18Bの各脱落防止部42A、42Bそれぞれの基準最大高さHb1、Hb2を用いる。この他にも、個々の棚部18A、18Bにおける前側脱落防止部42Aの基準最大高さHa1、Hb1と横側脱落防止部42Bの基準最大高さHa2、Hb2とは異なっていてもよい。
【0038】
各棚部18A、18Bそれぞれの脱落防止部42A、42Bの最大高さHa0、Hb0は異なっている。本実施形態では第1棚部18Aの脱落防止部42A、42Bの最大高さHa0は、第2棚部18Bの脱落防止部42A、42Bの最大高さHb0よりも大きくなっている。個々の棚部18A、18Bそれぞれの前側脱落防止部42Aの最大高さHa1、Hb1が異なっているともいえる。本実施形態では第1棚部18Aの前側脱落防止部42Aの最大高さHa1は、第2棚部18Bの前側脱落防止部42Aの最大高さHb1よりも大きくなっている。この利点を説明する。
【0039】
(G)高さの低い物品30を載置しようとするときは、最大高さHa0、Hb0の低い第2棚部18Bを使用することで、その第2棚部18Bに載置された物品30まで手を容易に届かせることができる。これに対して、高さの高い物品30を載置しようとするときは、最大高さHa0、Hb0の高い第1棚部18Aを使用することで、その第1棚部18Aに載置された物品30の脱落を防止し易くすることができる。このように、物品30の高さに合わせて、その物品30に適した棚部18A,18Bに使用する棚部18A,18Bを変更することができる。
【0040】
(第2実施形態)
図6、
図7を参照する。本実施形態の壁掛け棚10は、第1実施形態の壁掛け棚10と比べ、次に説明する突起部48、スリット49において相違する。
【0041】
本実施形態の本体部材14は、表側棚部34Aに物品30を載置可能な第1向きDaにあるとき、表側棚部34Aの上方に配置される突起部48を備える。突起部48は、背板部22から前方に突き出ている。突起部48は、第1向きDaに本体部材14があるとき、表側棚部34Aに載置される物品30に当たることで、その倒れを防止することができる。突起部48は、裏側棚部34Bに物品30を載置可能な第2向きDb(
図7参照)に本体部材14があるとき、表側棚部34Aの下方に配置される。このとき、突起部48は、各棚部34A、34Bとの干渉を避けつつ物品30を引っ掛けるフックとして使用できる。このように、本体部材14の向き毎に異なる用途で突起部48を使用でき、壁掛け棚10の用途を広げることができる。この他にも、本実施形態の本体部材14は、背板部22に形成され、物品30を引っ掛けるスリット49を備える。
【0042】
(第3実施形態)
図8A~
図8Cを参照する。本体部材14は、複数の棚部18A~18Dとして、第1棚部18A、第2棚部18B、第3棚部18C及び第4棚部18Dを備える。第1棚部18A及び第2棚部18Bは、一組の表側棚部34A及び裏側棚部34Bとなる。第3棚部18C及び第4棚部18Dは、一組の表側棚部34A及び裏側棚部34Bとなる。各棚部18A~18Dは、前方から見て、全体としてT字状をなす。各棚部18A~18Dは、収容部38及び脱落防止部42A、42Bを備えていない。表側棚部34A及び裏側棚部34Bを構成する板状部36は、その外縁部から厚み方向に突き出る部位がなく、すっきりとした外観となる。
【0043】
本体部材14は、横棚部50A及び縦棚部50Bを含む。横棚部50A及び縦棚部50Bは、前述した「表側棚部34A及び裏側棚部34B」と同様、「複数の棚部」を便宜的に区別するための概念であり、「複数の棚部」とは異なる棚部を特定するものではない。横棚部50A及び縦棚部50Bは、前述した「表側棚部34A及び裏側棚部34B」と重複する概念であり、表側棚部34A及び裏側棚部34Bのいずれかが、横棚部50A及び縦棚部50Bのいずれかとなり得る。本実施形態では第1棚部18A及び第2棚部18Bが個別の横棚部50Aとなり、第3棚部18C及び第4棚部18Dが個別の縦棚部50Bとなる。
【0044】
図8Aでは、第1棚部18A(横棚部50A)に物品30を載置可能な第1向きDaに本体部材14がある状態を示す。
図8Cでは、第2棚部18B(横棚部50A)に物品30を載置可能な第2向きDbに本体部材14がある状態を示す。
図8Bでは、第3棚部18C(縦棚部50B)に物品30を載置可能な第3向きDcに本体部材14がある状態を示す。図示しないものの、第4棚部18D(縦棚部50B)に物品30を載置可能となるとき本体部材14は第4向きDdに配置される。
【0045】
本実施形態の本体部材14の向きは、法線La周りに1/4周分回転させることで、横棚部50Aに物品30を載置可能な第1向きDa、第2向きDbと、縦棚部50Bに物品30を載置可能な第3向きDc、第4向きDdとの間で変更することができる。例えば、第1向きDa(
図8A参照)から1/4周分時計回りに回転させることで第3向きDc(
図8B参照)に変更可能である。さらに、この第3向きDc(
図8B参照)から1/4周分時計回りに回転させることで第2向きDb(
図8C参照)に変更することができる。さらに、図示しないものの、第2向きDbから1/4周分正回転させることで第4棚部18D(縦棚部50B)に物品を載置可能な第4向きに変更することができる。ここでの1/4周分とは、法線La周りの角度で90°に限定されるものではなく、例えば、90°±5°を含む角度範囲をいう。
【0046】
図8Cに示すように、横棚部50A(本実施形態では第2棚部18B)に物品30を載置可能な向きDbに本体部材14があるとき、縦棚部50B(本実施形態では第3棚部18C及び第4棚部18Dの両方)は、横棚部50Aに載置される物品30に対して左右方向Yに配置される。このとき、横棚部50Aは、全体として左右方向Yに延びており、縦棚部50Bは、全体として上下方向Zに延びている。これにより、横棚部50Aに物品30を載置するときに、空間を左右方向Yに分ける仕切りとして縦棚部50Bを使用できる。
【0047】
図8Bに示すように、縦棚部50B(本実施形態では第3棚部18C)に物品30を載置可能な向きDcに本体部材14があるとき、横棚部50A(本実施形態では第1棚部18A及び第2棚部18Bの両方)は、縦棚部50Bに載置される物品30に対して左右方向Yに配置される。このとき、縦棚部50Bは、全体として左右方向Yに延びており、横棚部50Aは、全体として上下方向Z延びている。これにより、縦棚部50Bに物品30を載置するときに、空間を左右方向Yに分ける仕切りとして横棚部50Aを使用できる。
【0048】
以上の壁掛け棚10は、前述した(A)、(B)、(E)で説明した構成要素(図示せず)を備え、その説明に対応する効果を得ることができる。
【0049】
(H)複数の棚部18A~18Dは、横棚部50A及び縦棚部50Bを含む。よって、本体部材14の向きを1/4周分回転させるだけで、横棚部50A及び縦棚部50Bのいずれかに使用する棚部50A、50Bを変更できる。
【0050】
(I)前述のように、横棚部50A及び縦棚部50Bの一方に物品30を載置する向きに本体部材14があるときに、それらの他方を仕切りとして使用でき、壁掛け棚10の用途を広げることができる。例えば、壁掛け棚10を浴室に用いる場合、仕切りとなる横棚部50Aによって、縦棚部50B上の物品に対する水掛かりを防止できる。
【0051】
図9を参照する。前述した壁掛け棚10の他の使用態様を説明する。この使用態様として、ここでは、前述した壁掛け棚10を複数組み合わせた棚ユニット60を示す。棚ユニット60は、上下方向Zに並べた三つの壁掛け棚10を備える。上段の壁掛け棚10は第1棚部18Aに物品30を載置可能な第1向きDaにある。中段の壁掛け棚10は、第3棚部18Cに物品30を載置可能な第3向きDcにある。下段の壁掛け棚10は、第2棚部18Bに物品30を載置可能な第2向きDbにある。各壁掛け棚10には、物品30として飾り物、シャンプーボトル等が載置される。上段の壁掛け棚10は前述した突起部48を備え、そこに物品として清掃器具(ブラシ)を引っ掛けている。
【0052】
上段の壁掛け棚10の縦棚部50B、中段の壁掛け棚10の横棚部50A、下段の壁掛け棚10の縦棚部50Bは上下方向Zに直線状に配列されており、左右方向Yに空間を分ける仕切りとして機能している。このように複数の壁掛け棚10を組み合わせることで、多様な使い方を実現でき、使い勝手を更に良くすることができる。
【0053】
(第4~第6実施形態)
図10を参照する。第4実施形態の本体部材14は、第3実施形態と同様、複数の棚部18A~18Dとして、第1棚部18A、第2棚部18B、第3棚部18C及び第4棚部18Dを備える。各棚部18A~18Dは、第3実施形態と異なり、前方から見て、全体としてL字状をなす。
【0054】
図11を参照する。第5実施形態の本体部材14は、第3実施形態と異なり、複数の棚部18A~18Fとして、第1棚部18A~第4棚部18Dの他に、第5棚部18E及び第6棚部18Fを備える。第5棚部18E及び第6棚部18Fは、一組の表側棚部34A及び裏側棚部34Bとなる。各棚部18A~18Fは、前方から見て、全体としてU字状をなす。第1棚部18A及び第2棚部18Bは個別の横棚部50Aとなり、残りの棚部18C~18Fは個別の縦棚部50Bとなる。
【0055】
図12を参照する。第6実施形態の本体部材14は、第5実施形態と異なり、複数の棚部18A~18Hとして、第1棚部18A~第6棚部18Fの他に、第7棚部18G及び第8棚部18Hを備える。第7棚部18G及び第8棚部18Hは、一組の表側棚部34A及び裏側棚部34Bとなる。各棚部18A~18Hは、前方から見て、全体として、矩形状をなす。第1棚部18A、第2棚部18B、第7棚部18G及び第8棚部18Hは個別の横棚部50Aとなり、残りの棚部18C~18Fは個別の縦棚部50Bとなる。
【0056】
第4実施形態~第6実施形態においても、前述した(A)、(B)、(E)、(H)、(I)で説明した構成要素(図示せず)を備え、その説明に対応する効果を得ることができる。このように各棚部18A~18Hの数、配置位置は特に限定されない。
【0057】
第6実施形態の本体部材14は、第1棚部18A(横棚部50A)に物品30を載置可能な第1向きDaに本体部材14があるとき、他の棚部18G(横棚部50A)にも物品30を載置可能となる。図示はしないものの、他の棚部(例えば、第3棚部18C)に物品30を載置可能な向きに本体部材14があるときも、更に他の棚部(例えば、第5棚部18E)にも物品30を載置可能となる。このように、一の棚部に物品30を載置可能な向きに本体部材14があるとき、他の少なくとも一つの棚部に物品30を載置可能となってもよい。
【0058】
次に、ここまで説明した各構成要素の変形形態を説明する。
【0059】
壁掛け棚10の具体的な設置位置は特に限定されない。壁掛け棚10は、例えば、浴室以外にも、洗面台、トイレ等に設置されていてもよい。
【0060】
本体部材14は背板部22を備えずともよい。例えば、本体部材14は、互いに連続する複数の棚部18A~18Hのみを備えていてもよい。これは、例えば、複数の棚部18A~18HがL字状、U字状等に連続する場合を想定している。
【0061】
棚部18A~18Hは物品30を載置できればよく、その具体例は特に限定されない。この一例として、棚部18A~18Hは板状部36を備える例を説明した。この他にも、棚部18A~18Hは単数及び複数のいずれかの棒材によって構成されてもよい。
【0062】
複数の棚部18A~18Hのいずれかに使用可能な棚部18A~18Hを変更するうえで、本体部材14の回転角度は特に限定されない。本体部材14の回転角度は、例えば、半周分、1/4周分の他にも、45°、60°前後の角度でもよい。
【0063】
取付部材16は、本体部材14の向きを変更して壁12に本体部材14を取り付け可能であればよく、その具体例は特に限定されない。本体部材14を壁12に着脱可能に取り付ける場合、取付部材16は、例えば、面ファスナー、ねじ部材等でもよい。本体部材14を壁12に着脱不能に取り付ける場合、取付部材16は、例えば、両面テープ、接着剤等でもよい。
【0064】
表側棚部34A及び裏側棚部34Bは、板状部36を共用する例、つまり、その一部を共用する例を説明した。これに限定されず、表側棚部34A及び裏側棚部34Bは互いに別体でもよい。
【0065】
本体部材14は、表側棚部34A及び裏側棚部34Bを備えずに、横棚部50A及び縦棚部50Bのみを備えてもよい。この他にも、本体部材14は、横棚部50A及び縦棚部50Bのみを備えずに、表側棚部34A及び裏側棚部34Bを備えてもよい。
【0066】
横棚部50Aを使用する向きに本体部材14があるとき、横棚部50Aに載置される物品に対して左右方向に縦棚部50Bが配置されていなくともよい。これは、例えば、矩形状の中実ブロックの各辺部によって横棚部50A及び縦棚部50Bのそれぞれを構成する場合を想定している。
【0067】
排水孔44の位置、排水勾配46の向きは特に限定されない。例えば、表側棚部34A及び裏側棚部34Bの排水孔44を各棚部34A~34Bの物品載置部32の後部に設けてもよい。この場合、各棚部34A、34Bを使用するとき、それらの排水勾配46を後側に向かって下るように設けてもよい。この他にも、表側棚部34Aと裏側棚部34Bとで排水孔44を共用せずともよい。これは、例えば、表側棚部34Aには排水孔44のある前側に向かって下るように排水勾配46を設け、裏側棚部34Bには他の排水孔44のある後側に向かって下るように排水勾配46を設ける場合を想定している。この他にも、排水勾配46は、棚部18A~18Hを使用するとき、その棚部18A~18Hにおいて左右方向Yの一方に向かって下るように形成されてもよい。
【0068】
前述の(F)の効果を得るうえで、複数の棚部18A~18Hのうちの少なくとも二つの棚部18A~18Hが排水勾配46を備えていればよい。この他にも、一つの棚部18A~18Hのみが排水勾配46を備えていてもよい。
【0069】
脱落防止部42A、42Bは、前側脱落防止部42A及び横側脱落防止部42Bのいずれかを含んでいればよい。これを実現するうえで、脱落防止部42A、42Bは、壁部の他にも突起部によって構成されてもよい。
【0070】
前述の(D)の効果を得るうえで、複数の棚部18A~18Hのうちの少なくとも一つの棚部18A~18Hが脱落防止部42A、42Bを備えていればよい。この他にも、複数の棚部18A~18Hのうちの少なくとも二つの棚部18A~18Hが脱落防止部42A、Bを備えていてもよい。
【0071】
前述の(G)の効果を得るうえで、複数の棚部18A~18Hのうちの少なくとも二つの棚部18A~18Hが脱落防止部42A、42Bを備え、その少なくとも二つの棚部18A~18Bにおいて脱落防止部42A、42Bの最大高さが異なっていればよい。この他にも、各棚部18A~18Hにおいて脱落防止部42A、42Bの最大高さが同じであってもよい。
【0072】
以上の実施形態及び変形形態は例示である。これらを抽象化した技術的思想は、実施形態及び変形形態の内容に限定的に解釈されるべきではない。実施形態及び変形形態の内容は、構成要素の変更、追加、削除等の多くの設計変更が可能である。前述の実施形態では、このような設計変更が可能な内容に関して、「実施形態」との表記を付して強調している。しかしながら、そのような表記のない内容でも設計変更が許容される。図面の断面に付したハッチングは、ハッチングを付した対象の材質を限定するものではない。実施形態及び変形形態において言及している構造/数値には、製造誤差等を考慮すると同一とみなすことができるものも当然に含まれる。
【0073】
以上の構成要素の任意の組み合わせも有効である。例えば、実施形態に対して他の実施形態の任意の説明事項を組み合わせてもよいし、変形形態に対して実施形態及び他の変形形態の任意の説明事項を組み合わせてもよい。この一例として、第3~第6実施形態の壁掛け棚10に、第1実施形態の排水勾配46、脱落防止部42A、42Bのいずれかを適用してもよい。
【符号の説明】
【0074】
10…棚、12…壁、14…本体部材、16…取付部材、18A~18H…棚部、22…背板部、30…物品、34A…表側棚部、34B…裏側棚部、36…板状部、42A、42B…脱落防止部、44…排水孔、46…排水勾配、50A…横棚部、50B…縦棚部。