(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023035750
(43)【公開日】2023-03-13
(54)【発明の名称】昇降機構
(51)【国際特許分類】
B66F 7/06 20060101AFI20230306BHJP
【FI】
B66F7/06 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021160078
(22)【出願日】2021-08-29
(71)【出願人】
【識別番号】598098102
【氏名又は名称】梅原 敏靖
(71)【出願人】
【識別番号】599021734
【氏名又は名称】梅原 初代
(72)【発明者】
【氏名】梅原 敏靖
(57)【要約】
【課題】いずれの公知例も構造が複雑であり、部品点数が多い。それが昇降装置原価低減のネックになっている。これらの問題を解決するのが本発明の課題である。
【解決手段】リンクやリンク軸を使用しないシンプルな昇降機構を開発した。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蝶番(2)でパネル(1)を接合した屏風状構造物(3)を複数組み合わせたことを特徴とする昇降機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は昇降機構に関する。
【背景技術】
【0002】
昇降装置としては特許文献1~5等が公知である。これらの昇降装置はベースと昇降台との間にX状リンクが平行に配置されると共に、様々な多くの部品により複雑な昇降部を構成しているのが共通している。X状リンクが離れているために駆動部剛性確保のための部品が多いという特徴もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6892665号公報代表図
【特許文献2】特開2021-17355公報代表図
【特許文献3】特開2020-121826公報代表図
【特許文献4】特開2019-202843公報代表図
【特許文献5】特開2019-89617公報代表図
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
いずれの公知例も特に昇降部が複雑であり、部品点数が多い。そのため昇降部の部品製作費用が高く、組立効率も低くなっている。それらが昇降装置原価低減のネックになっている。これらの問題を解決するのが本発明の課題である。
【0005】
課題を解決するために、シンプルな構造で部品点数が少なく、組立も容易である新しい昇降機構を開発し、大幅に製造原価を下げた昇降装置を提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
まず複雑で多くの部品を必要としている公知例のX状リンクを廃し、それらを2枚のパネル(1)に変えた。2枚のパネル(1)の接合は公知例の軸やピンから市販の安価な蝶番(2)に変えた。パネル(1)と蝶番(2)を接合し屏風状構造物(3)を2組製作した。
【0007】
次にベース(4)上に2組の屏風状構造物(3)をT字形に配置し、ベース(4)と蝶番(2)を接合した。最後に屏風状構造物(3)の蝶番と昇降台(5)を接合した。このようにして実施例の昇降装置が完成した。
【0008】
このようにして作られた昇降装置では、屏風状構造物(3)が直角に配置されているので、昇降台(5)はそれぞれの蝶番(2)の回転方向に自由に動くことができない。昇降台(5)が唯一動くことができる方向は2組の屏風状構造物(3)が共通に動くことができる垂直方向だけである。そのためいずれかのパネル(1)の傾きを変えれば4枚のパネル(1)が連動し昇降台(5)は上下方向に自在に移動する。
【0009】
それぞれの屏風状構造物(3)は基本的にはリンク構造である。したがって昇降台(5)を駆動するには公知例等で採用されている様々な方法によりパネル(1)の傾きを変えればよい。
【発明の効果】
【0010】
公知例として特許文献5の特開2019-89617公報の昇降装置と部品点数を比較すると次表のようになる。ちなみに駆動部については本発明図に記載してない。そのため公知例の駆動部部品も部品点数に含めていない。
以上により、公知例で最も多かった昇降部の部品点数が大幅に減少したことが明らかである。
【0011】
昇降部部品点数の大幅減少と市販蝶番の採用により、部品原価低減・組立効率向上もされ、昇降装置全体の大幅価格低減が実現できた。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【発明を実施するための形態】
【0013】
図2は本発明の実施例である昇降装置が上昇、又は下降している様子を示す。
図2において、蝶番(2)は判りやすいように拡大表示してある。駆動手段は公知例等で採用されている様々な方法を使用できるので省略してある。走行用車輪等も同じ理由で省略してある。
【0014】
図3は昇降装置が上昇した状態を示す。一見剛性に欠けるように見えるが、全ての部品が長い蝶番(2)の全長にわたって接合され、一体構造なので充分な剛性を確保できている。
【0015】
図4は本発明の実施例である昇降装置の下降状態を示す。4枚のパネル(1)と蝶番(2)が平らに畳み込まれるので非常にコンパクトになる。
【産業上の利用可能性】
【0016】
本考案は新しい機構である。そのため昇降装置に留まらず、他の様々な分野でも活用されるであろう。
【符号の説明】
【0017】
1 パネル
2 蝶番
3 屏風状構造物
4 ベース
5 昇降台