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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023035753
(43)【公開日】2023-03-13
(54)【発明の名称】光触媒噴霧装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/23 20060101AFI20230306BHJP
   B05B 7/30 20060101ALI20230306BHJP
【FI】
A61L2/23
B05B7/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021162195
(22)【出願日】2021-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】521313049
【氏名又は名称】株式会社rialto
(72)【発明者】
【氏名】関 雅志
【テーマコード(参考)】
4C058
4F033
【Fターム(参考)】
4C058AA05
4C058BB07
4C058JJ07
4C058JJ21
4C058JJ24
4F033QA05
4F033QB02X
4F033QB03X
4F033QB12Y
4F033QB17
4F033QD04
4F033QD15
4F033QF08X
4F033QK16X
4F033QK22X
(57)【要約】
【課題】液体を噴霧する噴霧部と圧送本体から構成され、噴霧部と圧送本体とは中継部で接続されており、それぞれを個別に設置しても、ノズルからの光触媒液の噴霧量や粒子径の変動を抑えることができ、設置場所にも適切に対処できる光触媒噴霧装置を提供する。
【解決手段】 液体を噴霧する噴霧部Aと圧送本体Bとを備え、噴霧部は、2つ以上の二流体ノズル11が所定間隔を空けて配置されており、人感センサ12を有し、圧送本体Bは、光触媒液貯留タンク20と、光触媒液タンク20から光触媒液を送流するポンプ5と、エアコンプレッサ1と、圧縮エアーの送圧管を制御する電磁弁3を有し、且つ、噴霧部Aは、ポンプ5から送流された光触媒液を二流体ノズル11に供給し、エアコンプレッサ1から圧縮エアーが供給される二流体ノズル11を有し、人感センサ12の稼働で、電磁弁3が開閉することで、二流体ノズル11から光触媒液が圧縮エアーとともに噴霧される光触媒噴霧装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を噴霧する噴霧部(A)と圧送本体(B)とを備える光触媒噴霧装置であって、
噴霧部は、2つ以上の二流体ノズル(11)が所定間隔を空けて配置されており、人感センサ(12)を有し、
圧送本体(B)は、光触媒液貯留タンク(20)と、
前記光触媒液貯留タンク(20)から光触媒液を送流するポンプ(5)と、
エアコンプレッサ(1)と、圧縮エアーの送圧管を制御する電磁弁(3)を有し、
且つ、
前記噴霧部(A)は、前記ポンプ(5)から送流された光触媒液を二流体ノズル(11)に供給し、
前記エアコンプレッサ(1)は、圧縮エアーを前記二流体ノズル(11)に供給し、前記人感センサ(12)の稼働で、前記電磁弁(3)が開閉することで、前記二流体ノズル(11)から光触媒液が圧縮エアーとともに噴霧されることを特徴とする光触媒噴霧装置。
【請求項2】
前記二流体ノズル(11)は、光触媒液噴出口(14)と、前記光触媒液噴出口を取り囲む圧縮エアー噴出口(13)と、を有し、
前記エアコンプレッサ(1)からの圧縮エアーの流れにより、前記光触媒液貯留タンク(20)から前記光触媒液が吸引され、液体と圧縮エアーが前記二流体ノズル(11)内部で完全に微細霧化された状態で噴霧される請求項1に記載の光触媒噴霧装置。
【請求項3】
前記噴霧部(A)は前記人感センサ(12)により、前記噴霧部(A)の前面の一定の距離に人の有無を検知し、圧縮エアーの供給を前記電磁弁(5)の開閉によって稼働させる請求項1及び請求項2に記載の光触媒噴霧装置。
【請求項4】
前記噴霧部(A)と前記圧送本体(B)とは、中継部(C)で接続されており、前記中継部(C)は、送流管と、圧送管と、送電線と、を内蔵する請求項1及び請求項2及び請求項3に記載の光触媒噴霧装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光触媒噴霧装置に関するものであり、詳細には、光触媒液を微粒子化して噴霧することができる光触媒噴霧装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、病院、食品工場、公共交通機関、植物栽培施設、畜産施設等において、薬液を噴霧して消毒を行う薬液噴霧装置としては、種々、提案されており、例えば、特許第5866743号公報特許文献1には次亜塩素酸水を超音波で微粒子化して、濡れ性の低い霧をアーチ型の空間に噴霧することで、衣服に付着した病原体を不活化するとしている。
また、特開2013-156014号公報特許文献2には、衛生水を微粒化して内部がエアーシャワー室に構成されたブースにおいて、被除菌体・消臭体がオン・オフの切り替え手段を選択できるように、オン・オフ切替え手段を上下方向に向けたエアーシャワー装置が開示されている。
また、特許第6760682号特許公報文献3では、薬液を噴霧するノズルの高さが可変に構成され、ノズルの高さを変えても、薬液を安定してノズルから噴霧することができ、また腐食性や酸化性を有する薬液に対しても対応できる薬液噴霧器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5866743号公報
【特許文献2】特開2013-156014号公報
【特許文献3】特許第6760682号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、ユーザーが外部から住宅、病院、介護施設、商業施設、旅館などの建築物に入る場合、ユーザーの衣服に感染症患者の唾液、花粉、VOCが知らぬ間に付着していることがあり、当該衣服を着用したまま建築物に入ると、唾液等に含まれる病原体が、建築物内に蔓延するという課題がある。又、当該衣服を介して他のユーザーに付着し、当該他のユーザーが前記病原体に感染する場合がある。
【0005】
また、近年では、手洗いによる手指消毒、出入口のエタノール消毒液設置、マスク着用は励行されているが、ユーザーの衣服の消毒は殆どなされておらず、エタノールや次亜塩素酸による消毒は一時的な効果は高く即効性があるが、持続的ではないという課題がある。
【0007】
また、介護施設や商業施設、旅館などの不特定多数のユーザーが出入りする施設では、来場者の衣服の素材がユーザー毎に異なるため、エタノールや次亜塩素酸といった、腐食性や酸化性を有する薬液の噴霧では変色や劣化という課題がある。
【0008】
上記した特許文献1-3に記載の技術では、衣服の素材に関わらず病原体を安全に消毒、殺菌するためには変色や劣化を伴う。又、特許文献1-2に記載の装置は、アーチ型とブース型であり、人ひとり分が濡れ感なく噴霧されるための適切な大きさであるには、設置する場所を限定する。また、特許文献3に記載の装置は、噴霧部と液体貯留部と空気圧縮部とが一体であり、出入口の間口に設置するには大型であるという課題がある。
【0009】
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、ユーザーが衣服の変色や劣化を気にすることなく、光触媒液をより効果的に噴霧することができる光触媒噴霧装置である。また、液体を噴霧する噴霧部と圧送本体とで構成され、噴霧部と圧送本体とは中継部で接続されており、それぞれを個別に設置しても、ノズルからの光触媒液の噴霧量や粒子径の変動を抑えることができ、且つ、設置場所にも適切に対処できる光触媒噴霧装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る光触媒噴霧装置は、液体を噴霧する噴霧部と圧送本体とを備える光触媒噴霧装置であって、噴霧部と圧送本体とは中継部で接続されている。
噴霧部は、2つ以上の二流体ノズルが所定間隔を空けて配置されており、検知部人感センサを有し、圧送本体は、光触媒液貯留タンクと、前記光触媒液貯留タンクから光触媒液を送流するポンプと、エアコンプレッサと、電磁弁を有し、検知部からの指令で制御部の電磁弁を開閉させ、貯留部から供給された光触媒液が、エアコンプレッサから供給される圧縮エアーとともに噴霧される二流体ノズルを有し、圧縮エアーの流れにより貯留部から光触媒液が吸引され、二流体ノズルから光触媒液が圧縮エアーとともに微粒子化されて噴霧されること、を特徴とする光触媒噴霧装置。
【0011】
本発明の光触媒噴霧装置は、液体を噴霧する噴霧部と圧送本体とで構成され、
中継部に内蔵された送流管と、圧送管と、送電線と、で繋がっており、噴霧部と圧送本体はそれぞれ個別に設置でき、平行に設置せずとも稼働させることができる。
【0012】
二流体ノズルは、圧縮エアーの勢いで液体を噴出するため、光触媒液を噴霧する際の初期速度が速く、遠くまで液体を噴霧することができる。そして、貯留部の光触媒液が圧縮エアーの流れにより吸引され、送流管に貯められ、噴霧部の二流体ノズルに送流されるため、噴霧部と圧送本体とが平行に設置されなくとも、ノズルからの液体の噴霧量や粒子径の変動を抑えることができ、光触媒液を安定してノズルから噴霧することができる。本発明の光触媒噴霧装置は、例えば、エアコンプレッサから光触媒液貯留タンクに圧縮エアーが供給されるなどして、貯留タンクが加圧されることがないため、貯留タンクの耐圧性は特に求められない。そのため、光触媒液貯留タンクを樹脂など任意の素材から構成することができ、貯留タンクの入替え作業を少ない作業工程で行うことができる。
【0013】
噴霧部は転倒防止の台の上に設置されることが好ましく、圧送本体は可搬式台車に搭載されることが好ましい。圧送本体が可搬式台車に搭載されていれば、必要なときに必要な場所に光触媒噴霧装置を設置し、任意に光触媒液噴霧を行うことができる。
【0014】
ポンプはチューブポンプであることが好ましい。これにより、光触媒液貯留タンクからポンプ、ポンプから液体制御レギュレターを通過して噴霧部に液体を送流する際、送流量が周期的に変化する脈動の発生が低減され、光触媒液を一定量で送流管に貯留しやすくなる。その結果、制御部の容積を小さく形成することができる。
【0015】
二流体ノズルは、光触媒液噴出口と、光触媒液噴出口を取り囲む圧縮エアー噴出口を有し、圧縮エアーの流れにより貯留部の光触媒液が吸引され、送流管に貯まり、圧送エアーが供給されるとともに、二流体ノズルから光触媒液が噴霧されることが好ましい。このように二流体ノズルが構成されていれば、液体噴出口から噴射する光触媒液がその外周から噴射する圧縮エアーとノズル内で完全に混合され、ノズル内で噴射された液体が圧縮エアーのせん断作用によって微細霧化されやすくなる。そのため、光触媒液をより小さい粒子径の霧で噴霧することが可能となる。
【0016】
検知部には人感センサが設けられ、中継部から電気的にシーケンサーと繋がり、噴霧部の前面の一定位置に人が立位することを検知し、制御部の電磁弁を開閉することが好ましい。これにより、シーケンサーは圧縮エアーの送圧量と噴霧距離、噴霧時間を制御し、水頭圧や圧縮エアー圧が低下せず一定の供給を維持できる。
【0017】
人感センサは、所定の位置に人が立位し、任意の秒数停止することで検知されることが好ましい。これにより、ユーザーが光触媒液を噴霧するか否かの意思を、制御部シーケンサーが電磁弁の開閉で反映し、稼働させることができる。
【0018】
二流体ノズルに供給される圧縮エアーの圧力(ゲージ圧)は、例えば0.4MPa以上が好ましく、0.5MPa以下が好ましく、0.4から0.45MPaがより好ましい。これにより、光触媒液を構成する水、エタノールはユーザーに到達するまでに空気中で揮発し、ユーザーは不快な濡れ感なく、触媒作用をもたらす鉱物のみを効率よく付着させることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の光触媒噴霧装置は、液体を噴霧する噴霧部と圧送本体とで構成され、噴霧部と圧送本体とは中継部で接続されており、例えば、建物入り口の狭い空間に噴霧部を設置し、圧送本体を任意の距離で離れた場所に設置しても、効果的に光触媒液を噴霧することができる。また、建物入り口の間口に合わせ、噴霧部とユーザーとの距離を任意の距離に変えても、ノズルからの液体の噴霧量や粒子径の変動を抑えることができ、光触媒液を安定してノズルから噴霧することができる。これによって、ユーザーは不快な濡れ感や衣服の変色や劣化なく、建物入り口で光触媒噴霧することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の光触媒噴霧装置の構成例を説明する概略断面図である。
図2】本発明の光触媒噴霧装置の実施形態に係る二流体ノズルから微粒子化した霧の噴霧の概念図である。
図3】本発明の光触媒噴霧装置の二流体ノズルを説明する概略断面図である。
図4】本発明の光触媒噴霧装置の電気構成を説明する配線図である。
図5】本発明の光触媒噴霧装置の液体の送流経路を説明する送流図である。
図6】本発明の光触媒噴霧装置の噴霧部正面図である。
図7】本発明の光触媒噴霧装置の圧送本体正面図である。
図8】本発明の光触媒噴霧装置の接続構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は光触媒噴霧装置に関し、ユーザーが濡れ感や衣服の変色や劣化を気にすることなく、光触媒液をより効果的に噴霧することができる光触媒噴霧装置である。また、液体を噴霧する噴霧部と圧送本体から構成され、噴霧部と圧送本体とは中継部で接続されており、中継部の長尺は限定されず任意の長さで接続することができ、それぞれを個別に設置しても、ノズルからの光触媒液の噴霧量や粒子径の変動を抑えることができ、設置場所にも適切に対処できるものである。
以下に、本発明の光触媒噴霧装置を、図面を参照して説明するが、図面に示した態様に限定されるものではない。
【0022】
図1には、本発明の光触媒噴霧装置の構成例を説明する概略断面図を示した。光触媒噴霧装置は、噴霧部Aと、圧送本体Bとが、中継部Cにより繋がっており、それぞれ個別に設置することができる。噴霧部Aは、所定の間隔で2つ以上設置された二流体ノズル11と、検知部人感センサ12と、を有し、圧送本体Bは、光触媒液貯留タンク20と、貯留タンク20から液体を送流するポンプ5から液体制御レギュレター4を通過し、供給された光触媒液が二流体ノズル11に繋がり、送流管内に貯留され、エアコンプレッサ1から供給された圧縮エアーとともに、二流体ノズル11から噴霧される。
【0023】
図1で示した中継部Cは、送流管と、圧送管と、送電線と、を内蔵し、噴霧部と圧送本体とを繋いでいる。中継部の長尺は限定されず、噴霧部と圧送本体の設置場所により任意の長さで接続できる。
【0024】
図1で示したエアコンプレッサ1からの圧縮エアーは、統括レギュレター2を通過し、電磁弁3で分割され、一方は二流体ノズル11と繋がり、一方は制御レギュレター4に繋がり、圧送エアーの流れで貯留タンク20からポンプ5に光触媒液を引き上げる。
【0025】
図1で示した検知部人感センサ12は、制御部シーケンサー6に中継部Cに内蔵された送電線で繋がっており、シーケンサー6は電磁弁3に電気的に接続される。人が任意の時間立位した状態で、噴霧部前面の一定の位置に静止すると、検知部人感センサ12が検知し、シーケンサー6の指令で電磁弁3は弁の開閉を稼働する。また、シーケンサー6は圧縮エアーの送圧量と噴霧距離、噴霧時間を制御する。
【0026】
図1で示した噴霧部Aは、転倒防止の台の上に設置されることが好ましく、圧送本体Bは、架台30の上に設置されることが好ましい。これにより、圧送本体Bは容易に移動することができ、必要な時に必要な場所に噴霧部Aと圧送本体Bとを設置し、任意に光触媒噴霧を行うことができる。
【0027】
光触媒液貯留タンク20と、ポンプ5と、液体制御レギュレター4と、エアコンプレッサ1と、統括レギュレター2と、電磁弁3と、制御シーケンサー6とは、圧送本体Bの内部に収められることが好ましい。これにより、二流体ノズル11と検知部人感センサを備えた噴霧部Aは圧送本体Bの外に設置され、必要な時に必要な場所に噴霧部Aと圧送本体Bとを設置し、任意に光触媒噴霧を行うことができる。
【0028】
貯留タンク20は、二流体ノズル11から噴霧するための光触媒液を貯留するためのタンクであり、所定の量の光触媒液を噴霧するのに必要な量の光触媒液が貯留される。
【0029】
貯留タンク20に貯留される光触媒の種類は特に限定されず、例えば酸化チタン分散液が挙げられる。
【0030】
貯留タンク20の材質は特に限定されず、例えば樹脂製であってもよい。貯留タンク20は、エアコンプレッサ1から圧縮エアーが供給されるなどして加圧されることがないため、耐圧性は特に求められない。
【0031】
エアコンプレッサ1は、噴霧部Aの二流体ノズル11に圧縮エアーを供給し、貯留タンク20からポンプ5に液体を引き上げるために設けられる。二流体ノズル11は、ノズル内に圧縮エアー通路を有し、エアコンプレッサ1の出側と二流体ノズル11の圧縮エアー通路とに連通して、圧縮エアー供給路には、統括レギュレター2と、電磁弁3が設けられる。電磁弁3で分割された圧縮エアーの一方は、中継部Cを通り噴霧部Aの供給路を経て、二流体ノズル11の先端の圧縮エアー噴出口から噴出される。
【0032】
統括レギュレター2は、エアコンプレッサ1から出た圧縮エアーの供給量が所定値を越えて供給されないように一定とするために設置され、エアコンプレッサ1は圧縮エアーを所定値の圧力で圧縮し、貯蔵できるものが好ましい。
【0033】
貯留タンク20の出側には、光触媒液を送流するポンプ5が設けられる。ポンプ5は、貯留タンク20から光触媒液を二流体ノズル11に送流するために設けられる。二流体ノズル11は、ノズル内に液体送流通路を有し、上述したように電磁弁3で分割された圧縮エアーの一方は、液体制御レギュレター4からポンプ5に連通し、ポンプ5の内部に圧縮エアーが通過する流れで貯留タンク20から液体を吸引し、ポンプ5から中継部を通って噴霧部に液体を送流し、二流体ノズル11の先端の液体噴出口から噴出される。なお、ポンプ5による加圧を受けない状態で送流されるため、送流管の材質は特に限定されない。
【0034】
ポンプ5としては、貯留タンク20から噴霧部Aに光触媒液を送流する際、送流量が周期的に変化する脈動の発生が抑えられ、液体を一定量で二流体ノズル11に送流しやすく、圧送本体内の制御部の容積を小さく形成しやすることが可能となるチューブポンプを使用することが好ましい。
【0034】
二流体ノズル11は、上述したように圧縮エアー通路と液体送流通路を有し、圧縮エアーの流れにより貯留部の光触媒液が吸引され送流管に貯まり、圧送エアーが供給されるとともに、噴霧孔から光触媒液が噴霧されるように構成されている。ノズル内で光触媒液と圧縮エアーが混合される構成であれば、ノズル外で混合される構成より、噴射された液体が圧縮エアーのせん断作用によってノズルの内側で完全に微細霧化されやすくなる。そのため、光触媒分散液をより小さい粒子径の霧で噴霧することが可能となる。
【0035】
噴霧部Aは、一つの送流管に対して1つの二流体ノズル11が設けられている。複数の二流体ノズル11が設けられてもよい。後者の場合、複数の二流体ノズル11はぞれぞれ異なる方向に光触媒液を噴霧するように設置されてもよく、複数の二流体ノズル11から同じ方向に光触媒液を噴霧するように構成されていてもよく、またこれらを組み合わせた構成となってもよい。
【0036】
上述したように、二流体ノズル11を複数設置する場合は、二流体ノズルと同数の送流管と貯蔵部レギュレター4とポンプ5を要するが、貯留タンク20は1つのみを設置してもよい。
【0037】
噴霧された光触媒液の平均粒子径は、例えば50μm以下であることが好ましく、20μm以下がより好ましく、10μm以下がさらに好ましい。噴霧された光触媒液の平均粒子径の下限は特に限定されない。光触媒はドライフォグとして噴霧されてもよく、すなわち触れても濡れを感じない程度の微細な霧状に噴霧されてもよい。
【0038】
二流体ノズルに供給される圧縮エアーの圧力(ゲージ圧)は、例えば0.4MPa以上が好ましく、0.5MPa以下が好ましく、0.4から0.45MPaがより好ましい。
【符号の説明】
【0039】
A:噴霧部
B:圧送本体
C:中継部
1:エアコンプレッサ
3:電磁弁
5:ポンプ
11:二流体ノズル
12:人感センサ
13:光触媒液噴出口
14:圧縮エアー噴出口
20:貯留タンク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8