(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023035773
(43)【公開日】2023-03-13
(54)【発明の名称】フィットネスバイク磁気負荷制御方法、装置及びフィットネスバイク
(51)【国際特許分類】
A63B 22/06 20060101AFI20230306BHJP
A63B 24/00 20060101ALI20230306BHJP
【FI】
A63B22/06 G
A63B24/00
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021200882
(22)【出願日】2021-12-10
(31)【優先権主張番号】202111018224.1
(32)【優先日】2021-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521542661
【氏名又は名称】フィットプレイ テクノロジー(エイチケー)リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホー,グオタイ
(72)【発明者】
【氏名】リウ,グアンティン
(72)【発明者】
【氏名】カイ,シェンホン
(72)【発明者】
【氏名】フー,ウェイシェン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】段階調整の精度が悪く、ユーザの使用効果及び使用体験が影響される技術的問題を解決できるフィットネスバイク磁気負荷制御方法、装置及びフィットネスバイクを提供する。
【解決手段】フィットネスバイク磁気負荷制御方法は、電磁石の作動状態をリアルタイムでモニタリングし、制御モジュールにより、前記電磁石の作動状態に対するモニタリング結果、及び電磁石の作動状態と磁気制御ホイールによる負荷との関係に基づいて、磁気制御ホイールによる負荷が現在設定負荷と一致するか否かを判断することと、前記磁気制御ホイールによる負荷が前記現在設定負荷と一致しない場合、電磁石の磁界強度を調整して磁気制御ホイールによる負荷を前記現在設定負荷と一致させるように、前記制御モジュールにより電磁石の作動電流を調整することと、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁石の作動状態をリアルタイムでモニタリングし、制御モジュールにより、前記電磁石の作動状態に対するモニタリング結果、及び電磁石の作動状態と磁気制御ホイールによる負荷との関係に基づいて、磁気制御ホイールによる負荷が現在設定負荷と一致するか否かを判断することと、
前記磁気制御ホイールによる負荷が前記現在設定負荷と一致しない場合、電磁石の磁界強度を調整して磁気制御ホイールによる負荷を前記現在設定負荷と一致させるように、前記制御モジュールにより電磁石の作動電流を調整することと、を含む
ことを特徴とするフィットネスバイク磁気負荷制御方法。
【請求項2】
電磁石の作動状態をリアルタイムでモニタリングし、制御モジュールにより、前記電磁石の作動状態に対するモニタリング結果、及び電磁石の作動状態と磁気制御ホイールによる負荷との関係に基づいて、磁気制御ホイールによる負荷が現在設定負荷と一致するか否かを判断することは、
前記電磁石のコイル温度をリアルタイムでモニタリングし、制御モジュールにより、前記コイル温度、及びコイル温度と磁気制御ホイールによる負荷との関係に基づいて、磁気制御ホイールによる負荷が現在設定負荷と一致するか否かを判断すること、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のフィットネスバイク磁気負荷制御方法。
【請求項3】
前記コイル温度が上限温度値に達した場合、前記制御モジュールが前記電磁石の給電回路を遮断すること、をさらに含む
ことを特徴とする請求項2に記載のフィットネスバイク磁気負荷制御方法。
【請求項4】
電磁石の作動状態をリアルタイムでモニタリングし、制御モジュールにより、前記電磁石の作動状態に対するモニタリング結果、及び電磁石の作動状態と磁気制御ホイールによる負荷との関係に基づいて、磁気制御ホイールによる負荷が現在設定負荷と一致するか否かを判断することは、
前記電磁石の磁界強度をモニタリングし、制御モジュールにより、前記磁界強度、及び磁界強度と磁気制御ホイールによる負荷との関係に基づいて、磁気制御ホイールによる負荷が現在設定負荷と一致するか否かを判断すること、を含む
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のフィットネスバイク磁気負荷制御方法。
【請求項5】
前記制御モジュールは、制御ユニットと段階制御ユニットとを備え、
前記フィットネスバイク磁気負荷制御方法は、
前記制御ユニットの作動状態をモニタリングすることと、
前記制御ユニットが機能しない場合、前記段階制御ユニットにより前記電磁石の給電回路を遮断することと、をさらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載のフィットネスバイク磁気負荷制御方法。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載のフィットネスバイク磁気負荷制御方法に利用するフィットネスバイク磁気負荷制御装置であって、
制御モジュールと、前記制御モジュールと通信接続するモニタリングモジュールとを備え、前記モニタリングモジュールが電磁石の作動状態をモニタリングして前記制御モジュールに送信するためのものであり、前記制御モジュールが、前記電磁石の作動状態と磁気制御ホイールによる負荷との関係を記憶し、前記モニタリングモジュールから送信されるデータを分析、算出し、前記電磁石の作動電流を調整することができる
ことを特徴とするフィットネスバイク磁気負荷制御装置。
【請求項7】
前記モニタリングモジュールは、前記制御モジュールと通信接続する温度センサを備え、前記温度センサが前記電磁石のコイル温度をモニタリングするためのものであり、前記制御モジュールが前記コイル温度と前記磁気制御ホイールによる負荷との関係を記憶することができる
ことを特徴とする請求項6に記載のフィットネスバイク磁気負荷制御装置。
【請求項8】
前記モニタリングモジュールは、磁界強度モニタリング素子を含み、前記磁界強度モニタリング素子が前記電磁石の磁界強度をモニタリングするためのものであり、前記制御モジュールが、前記磁界強度と前記磁気制御ホイールによる負荷との関係を記憶することができる
ことを特徴とする請求項6又は7に記載のフィットネスバイク磁気負荷制御装置。
【請求項9】
前記制御モジュールは、制御ユニットと、前記制御ユニットと通信接続する段階制御ユニット及びタイマーを備え、前記タイマーが前記段階制御ユニットと通信接続し、前記制御ユニットが定期的に前記タイマーにカウントクリア命令を送信し、前記タイマーが規定時間内に前記カウントクリア命令を受信できなかった場合、前記段階制御ユニットが前記電磁石の給電回路を遮断するように構成される
ことを特徴とする請求項6に記載のフィットネスバイク磁気負荷制御装置。
【請求項10】
バイク本体と、磁気制御ホイールと、請求項6~9のいずれか1項に記載のフィットネスバイク磁気負荷制御装置とを備え、前記磁気制御ホイールが、ベースと、フライホイールと、電磁石とを備え、前記フライホイールが前記ベースに回転可能に接続され、前記電磁石が前記ベースに設置され、前記ベースが前記バイク本体と固定接続され、前記制御モジュールが前記バイク本体に設置され、前記モニタリングモジュールが前記磁気制御ホイールに設置される
ことを特徴とするフィットネスバイク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィットネス機器の技術分野に属し、殊に、フィットネスバイク磁気負荷制御方法、装置及びフィットネスバイクに関する。
【背景技術】
【0002】
フィットネスバイクは、屋外運動を模擬する典型的な有酸素運動のフィットネスマシンであり、心肺機能トレーニングマシンとも呼ばれる。主に、体の長時間かつ適当な強度の運動により、心血管運動を促進し、新陳代謝を上げ、心肺機能を高めて、体質を改善する。
【0003】
磁気制御フィットネスバイクは、磁気制御を利用して負荷をかけることにより、フィットネスバイクのトレーニング効果を上げる。現在、磁気制御フィットネスバイクのほとんどは磁気制御ホイールを利用し、磁気制御ホイールが磁力及び電磁誘導によりフィットネスバイクに負荷を提供する。磁気制御ホイールは、一般的に、PWM(パルス幅変調)で電圧を調整する方式ことにより電磁石の作動電流を制御し、しかしながら、電磁石におけるコイルにインピーダンスが存在するため、電磁石が作動するときにコイルが発熱し、コイルのインピーダンスが上がって、ある既定段階の負荷に調整したときに負荷がずれることがあり、ずれ現象として、コイルが発熱し、電磁石の磁界強度が低下し、磁気制御ホイールによる負荷が小さくなる。例えば、ユーザが、磁気制御ホイールにより100ニュートンの負荷を提供するように段階調整を行うとき、電磁石の温度が高すぎれば、磁気制御ホイールによる負荷が80ニュートンしかない可能性があり、トレーニング効果が大きく影響される。
【0004】
したがって、ユーザがある既定段階の負荷で一定時間トレーニングしたあと、時間の増加に従って、電磁石の温度が上昇し、磁気制御ホイールによる実際の負荷と該段階の理論的な負荷範囲(ユーザの要する負荷範囲)とが一致しなくなり、段階調整の精度が悪く、ユーザの使用効果及び使用体験が影響される。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、従来技術において、段階調整の精度が悪く、ユーザの使用効果及び使用体験が影響される技術的問題を解決できるフィットネスバイク磁気負荷制御方法、装置及びフィットネスバイクを提供することを目的とする。
【0006】
本発明に係るフィットネスバイク磁気負荷制御方法は、電磁石の作動状態をリアルタイムでモニタリングし、制御モジュールにより、前記電磁石の作動状態に対するモニタリング結果、及び電磁石の作動状態と磁気制御ホイールによる負荷との関係に基づいて、磁気制御ホイールによる負荷が現在設定負荷と一致するか否かを判断することと、前記磁気制御ホイールによる負荷が前記現在設定負荷と一致しない場合、電磁石の磁界強度を調整して磁気制御ホイールによる負荷を前記現在設定負荷と一致させるように、前記制御モジュールにより電磁石の作動電流を調整することと、を含む。
【0007】
ユーザがフィットネスバイクを使用する過程において、ユーザが1つの既定段階(ある設定負荷)を選択してトレーニングするとき、電磁石の作動の同時に、電磁石の作動状態をリアルタイムでモニタリングし、制御モジュールにより、電磁石のリアルタイムな作動状態を分析し、電磁石の作動状態と磁気制御ホイールによる負荷との関係に基づいて、各該当時刻の電磁石の作動状態に対応する磁気制御ホイールによる負荷を得る。制御モジュールにより、得た負荷と設定負荷(選択のための既定段階に対応する負荷であり、一定の誤差範囲が許容される)とを比較し、両方が一致しない場合、制御モジュールにより電磁石の作動電流を調整することにより、電磁石の電磁界強度を調整して、磁気制御ホイールによる負荷を設定負荷と一致させ、したがって、磁気制御ホイールによる実際の負荷に対する調整を実現することができ、段階調整の精度を向上させ、ユーザの使用効果を保証し、ユーザ体験を向上させることができる。
【0008】
選択可能な案として、電磁石の作動状態をリアルタイムでモニタリングし、制御モジュールにより、前記電磁石の作動状態に対するモニタリング結果、及び電磁石の作動状態と磁気制御ホイールによる負荷との関係に基づいて、磁気制御ホイールによる負荷が現在設定負荷と一致するか否かを判断することは、前記電磁石のコイル温度をリアルタイムでモニタリングし、制御モジュールにより、前記コイル温度、及びコイル温度と磁気制御ホイールによる負荷との関係に基づいて、磁気制御ホイールによる負荷が現在設定負荷と一致するか否かを判断すること、を含む。
【0009】
さらに、前記コイル温度が上限温度値に達した場合、前記制御モジュールが前記電磁石の給電回路を遮断する。
【0010】
選択可能な案として、電磁石の作動状態をリアルタイムでモニタリングし、制御モジュールにより、前記作動状態に対するモニタリング結果、及び電磁石の作動状態と磁気制御ホイールによる負荷との関係に基づいて、磁気制御ホイールによる負荷が現在設定負荷と一致するか否かを判断することは、
前記電磁石の磁界強度をモニタリングし、制御モジュールにより、前記電磁石の磁界強度、及び磁界強度と磁気制御ホイールによる負荷との関係に基づいて、磁気制御ホイールによる負荷が現在設定負荷と一致するか否かを判断すること、を含む。
【0011】
さらに、前記制御モジュールは、制御ユニットと段階制御ユニットとを備え、前記フィットネスバイク磁気負荷制御方法は、前記制御ユニットの作動状態をモニタリングすることと、前記制御ユニットが機能しない場合、前記段階制御ユニットにより前記電磁石の給電回路を遮断することと、をさらに含む。
【0012】
本発明に係るフィットネスバイク磁気負荷制御装置は、上記のフィットネスバイク磁気負荷制御方法に利用するものであり、制御モジュールと、前記制御モジュールと通信接続するモニタリングモジュールとを備え、前記モニタリングモジュールが電磁石の作動状態をモニタリングして前記制御モジュールに送信するためのものであり、前記制御モジュールが、前記電磁石の作動状態と磁気制御ホイールによる負荷との関係を記憶し、前記モニタリングモジュールから送信されるデータを分析、算出し、前記電磁石の作動電流を調整することができる。
【0013】
選択可能な案として、前記モニタリングモジュールは、前記制御モジュールと通信接続する温度センサを備え、前記温度センサが前記電磁石のコイル温度をモニタリングするためのものであり、前記制御モジュールが前記コイル温度と前記磁気制御ホイールによる負荷との関係を記憶することができる。
【0014】
選択可能な案として、前記モニタリングモジュールは、磁界強度モニタリング素子であり、前記磁界強度モニタリング素子が前記電磁石の磁界強度をモニタリングするためのものであり、前記制御モジュールが、前記磁界強度と前記磁気制御ホイールによる負荷との関係を記憶することができる。
【0015】
さらに、前記制御モジュールは、制御ユニットと、前記制御ユニットと通信接続する段階制御ユニット及びタイマーを備え、前記タイマーが前記段階制御ユニットと通信接続し、前記制御ユニットが定期的に前記タイマーにカウントクリア命令を送信し、前記タイマーが規定時間内に前記カウントクリア命令を受信できなかった場合、前記段階制御ユニットが前記電磁石の給電回路を遮断するように構成される。
【0016】
本発明に係るフィットネスバイクは、バイク本体と、磁気制御ホイールと、上記のフィットネスバイク磁気負荷制御装置とを備え、前記磁気制御ホイールが、ベースと、フライホイールと、電磁石とを備え、前記フライホイールが前記ベースに回転可能に接続され、前記電磁石が前記ベースに設置され、前記ベースが前記バイク本体と固定接続され、前記制御モジュールが前記バイク本体に設置され、前記モニタリングモジュールが前記磁気制御ホイールに設置される。
【0017】
なお、上記の一般的な説明もこれからの具体的な実施形態も、例示及び説明するためのものにすぎず、本開示を限定するものではない。明細書の一部とされた図面は、本開示の構成を示すものである。なお、明細書及び図面は、本開示の原理を説明するためのものである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明における具体的な実施形態又は従来技術の技術案をより明瞭に説明するため、以下、具体的な実施形態又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に説明する。説明する図面は、本発明のいくつかの実施形態を示すものにすぎず、当業者は、発明能力を用いなくても、これらの図面をもとに、他の図面を得ることが可能である。
【0019】
【
図1】本発明の実施例によるフィットネスバイク磁気負荷制御方法の原理を示す図である。
【
図2】本発明の実施例によるフィットネスバイク磁気負荷制御装置におけるタイマーの作動原理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら、本発明の技術案を明瞭かつ完全に説明する。説明される実施例は本発明の一部の実施例にすぎず、すべての実施例ではないことは無論である。
【0021】
ここで図面を用いて示した本発明の実施例における部品は、様々な配置方法で配置、設計することが可能である。このため、図面に示された本発明の実施例に対する詳細な説明は、本発明の選択された実施例にすぎず、保護しようとする本発明の範囲を限定するものではない。
【0022】
本発明の実施例をもとに、当業者が発明能力を用いることなく得たすべての他の実施例も、本発明の保護範囲に属する。
【0023】
図1に示すように、本発明に係るフィットネスバイク磁気負荷制御方法は、電磁石の作動状態をリアルタイムでモニタリングし、制御モジュールにより、前記電磁石の作動状態に対するモニタリング結果、及び電磁石の作動状態と磁気制御ホイールによる負荷との関係(予め模擬・計算により両方の関係を取得して制御モジュールに記憶してもよい)に基づいて、磁気制御ホイールによる負荷が現在設定負荷と一致するか否かを判断することと、前記磁気制御ホイールによる負荷が前記現在設定負荷と一致しない場合、電磁石の磁界強度を調整して磁気制御ホイールによる負荷を前記現在設定負荷と一致させるように、前記制御モジュールにより電磁石の作動電流を調整することと、を含む。
【0024】
ユーザがフィットネスバイクを使用する過程において、ユーザが1つの既定段階(ある設定負荷)を選択してトレーニングするとき、電磁石の作動の同時に、電磁石の作動状態をリアルタイムでモニタリングし、つまり、電磁石の作動状態をリアルタイムでモニタリングし、制御モジュールにより、電磁石のリアルタイムな作動状態を分析し、電磁石の作動状態と磁気制御ホイールによる負荷との関係に基づいて、各該当時刻の電磁石の作動状態に対応する磁気制御ホイールによる負荷を得る。制御モジュールにより、得た負荷と設定負荷(選択のための既定段階に対応する負荷であり、一定の誤差範囲が許容される)とを比較し、両方が一致しない場合、制御モジュールにより電磁石の作動電流を調整することにより、電磁石の電磁界強度を調整して、磁気制御ホイールによる負荷を設定負荷と一致させ、したがって、磁気制御ホイールによる実際の負荷に対する調整を実現することができ、段階調整の精度を向上させ、ユーザの使用効果を保証し、ユーザ体験を向上させることができる。
【0025】
なお、制御モジュールは、さらに、現在負荷と設定負荷との差を算出して、換算により調整すべき電流の大きさを得て、これで電磁石の作動電流を調整することができる。
【0026】
現在負荷が設定負荷より高いことを制御モジュールにより得た場合、制御モジュールが電磁石の作動電流を小さくするように制御することにより、電磁石の磁界強度を低下させ、磁気制御ホイールによる実際の負荷を低下させる。
【0027】
現在負荷が設定負荷より低いことを制御モジュールにより得た場合、制御ユニットが電磁石の作動電流を大きくするように制御することにより、電磁石の磁界強度を上げ、磁気制御ホイールによる実際の負荷を増大させる。
【0028】
本発明は、本発明の実施例によるフィットネスバイク磁気負荷制御方法に利用する装置をさらに提供する。フィットネスバイク磁気負荷制御装置は、制御モジュールと、前記制御モジュールと通信接続するモニタリングモジュールとを備え、前記モニタリングモジュールが電磁石の作動状態をモニタリングして前記制御モジュールに送信するためのものであり、前記制御モジュールが、前記電磁石の作動状態と磁気制御ホイールによる負荷との関係を記憶し、前記モニタリングモジュールから送信されるデータを分析、算出し、前記電磁石の作動電流を調整することができる。
【0029】
具体的に、モニタリングモジュールは、モニタリングにより得た電磁石の作動状態のパラメータデータを制御モジュールに送信し、制御モジュールは、該データに対して受信、分析、算出などを行い、電磁石の作動状態と磁気制御ホイールによる負荷との関係に基づいて該作動状態に対応する負荷を得る。
【0030】
選択可能な案として、電磁石の作動状態をリアルタイムでモニタリングし、制御モジュールにより、前記電磁石の作動状態に対するモニタリング結果、及び電磁石の作動状態と磁気制御ホイールによる負荷との関係に基づいて、磁気制御ホイールによる負荷が現在設定負荷と一致するか否かを判断することは、具体的に、前記電磁石のコイル温度をリアルタイムでモニタリングし、制御モジュールにより、前記コイル温度、及びコイル温度と磁気制御ホイールによる負荷との関係に基づいて、磁気制御ホイールによる負荷が現在設定負荷と一致するか否かを判断し、つまり、コイル温度に基づいて対応の磁気制御ホイールによる負荷を取得すること、を含む。
【0031】
フィットネスバイク磁気負荷制御装置におけるモニタリングモジュールは、前記制御モジュールと通信接続する温度センサを備え、前記温度センサが前記電磁石のコイル温度をモニタリングするためのものであり、前記制御モジュールが前記コイル温度と前記磁気制御ホイールによる負荷との関係を記憶することができる。具体的に、制御モジュールは、制御ユニット(MCU)と、制御ユニットと通信接続するADCユニット(A/Dコンバータ)とを備えてもよく、温度センサとADCユニットとが通信接続し、ADCユニットが温度センサの収集した情報を変換して制御ユニットに送信する。制御ユニットは、電磁石の作動を制御できるように電磁石と通信接続する。
【0032】
電磁石は、そのコイル温度が高ければ高いほど、電気抵抗が大きくなり、電流が小さくなり、電気抵抗と磁気制御ホイールによる負荷とが互いに対応するものであり、コイル昇温時の電気抵抗曲線を事前に測定して、温度センサによりADCユニットにフィードバックした温度値に基づいて、MCUユニットがデーブルルックアップ方式で相応の電気抵抗を取得することにより、相応の磁気制御ホイールによる負荷を得て、現在負荷と設定負荷との差に基づいて、電気抵抗の差、即ち電気抵抗の調整量を得て、換算により電流の調整量を得ることができる。PWM(Pulse Width Modulation)制御技術-パルス幅変調技術により制御を行うことができ、負荷調整量がPWMデューティ比であることができる。
【0033】
上記の実施例をもとに、さらに、前記コイル温度が上限温度値に達した場合、前記制御モジュールが前記電磁石の給電回路を遮断し、したがって、電磁石のコイル温度が高すぎることによる安全問題を防止でき、フィットネスバイクの室内での使用がより安全になる。具体的に、制御ユニットは、電磁石と通信接続し、制御ユニットがADCユニットからのコイル温度に対するフィードバックを受信し、制御ユニットの受信したコイル温度が上限温度値よりも高い場合、制御ユニットが電磁石の給電回路を遮断するように制御して、電磁石の作動を停止させ、危険を避ける。
【0034】
選択可能な案として、電磁石の作動状態をモニタリングし、制御モジュールにより、前記作動状態に対するモニタリング結果、及び電磁石の作動状態と磁気制御ホイールによる負荷との関係に基づいて、磁気制御ホイールによる負荷が現在設定負荷と一致するか否かを判断することは、具体的に、前記電磁石の磁界強度をモニタリングし、制御モジュールにより、前記磁界強度、及び磁界強度と磁気制御ホイールによる負荷との関係に基づいて、磁気制御ホイールによる負荷が現在設定負荷と一致するか否かを判断すること、を含む。
【0035】
本実施例において、制御モジュール内(具体的に、制御ユニット内)に磁界強度と磁気制御ホイールによる負荷との関係(模擬又は計算などの方法により該関係を得ることができる)が記憶され、制御モジュールが、負荷の調整量に基づいて、磁界強度の調整量を得て、さらに換算により電流調整量を得る。PWM(Pulse Width Modulation)制御技術-パルス幅変調技術により制御を行うことができ、磁気制御ホイールによる負荷が該段階の設定負荷と一致するまで、既定のステップサイズでPWM比例を増大させたり減少させたりして磁界強度を調整する。
【0036】
フィットネスバイク磁気負荷制御装置におけるモニタリングモジュールは、磁界強度モニタリング素子であり、前記磁界強度モニタリング素子が前記電磁石の磁界強度をモニタリングするためのものであり、前記制御モジュールが、前記磁界強度と前記磁気制御ホイールによる負荷との関係を記憶することができる。磁界モニタリング素子は、ガウスメータ、磁界強度センサ又は磁界強度モニターなどであってもよい。具体的に、制御モジュールは、制御側BLEユニット(ブルートゥース(登録商標))と、フライホイール側BLEユニットとをさらに備え、磁界モニタリング素子とフライホイール側BLEユニットとが通信接続し、フライホイール側BLEユニットと制御側BLEユニットとが通信接続し、制御側BLEユニットと制御ユニットとが通信接続する。
【0037】
なお、電磁石の温度のみをモニタリングしてもよく、この場合、モニタリングモジュールが温度センサのみを備え、又は、電磁石の磁界強度のみをモニタリングしてもよく、この場合、モニタリングモジュールが磁界強度モニタリング素子のみを備える。任意選択で、電磁石のコイル温度及び磁界強度をともにモニタリングし、つまり、モニタリングモジュールは、温度センサと磁界強度モニタリング素子とを備え、このようにして、2つの面から電磁石の作動状態をモニタリングすることができ、電磁石の作動状態に対するモニタリングがより正確になり、段階調整がより精確になる。
【0038】
上記のいずれか1つの実施例をもとに、さらに、前記制御モジュールは、制御ユニットと段階制御ユニットとを備える。前記フィットネスバイク磁気負荷制御方法は、前記制御ユニットの作動状態をモニタリングすることと、前記制御ユニットが機能しない場合、前記段階制御ユニットにより前記電磁石の給電回路を遮断することと、をさらに含む。このようにして、制御ユニットが制御不能又は機能しない場合に電磁石コイルが制御不能状態になることを避け、電磁石コイルの電流が増大して大電流下で長時間作動して発熱することに起因した安全事故を防止することができ、フィットネスバイクの安全性をさらに向上させることができる。
【0039】
フィットネスバイク磁気負荷制御装置において、前記制御モジュールは、制御ユニットと、前記制御ユニットと通信接続する段階制御ユニット及びタイマーを備え、前記タイマーが前記段階制御ユニットと通信接続し、前記制御ユニットが定期的に前記タイマーにカウントクリア命令を送信し、前記タイマーが規定時間内に前記カウントクリア命令を受信できなかった場合、前記段階制御ユニットが前記電磁石の給電回路を遮断する(段階制御ユニットは、電磁石の給電回路を遮断することができるが、これだけに限定されない)。
【0040】
具体的に、段階制御ユニットは、mosトランジスタ(金属(metal)-酸化物(oxide)-半導体(semiconductor)電界効果トランジスタ)とトライオードからなる電圧制御回路を含んでもよい。PWM制御技術により電圧の高さを制御し、PWMデューティ比が0となり、つまり、ローレベルとなるとき、該電圧制御回路の出力電圧が0であり、電磁石の給電回路が遮断される。MCUが正常に作動しているとき、MCUがタイマーのカウントをクリアさせるパルスデータを定期的に生成し、上記の電圧制御回路と接続するタイマーのRESET pin(リセットピン)が外部のハイレベルプルアップ状態に保たれ、MCUにより制御を行う。MCUが故障し、又はMCUが制御不能になるとき、タイマーが規定の時間内にカウントクリア命令を受信できなかった場合、タイマーによりRESET pinをプルダウンして、電圧制御回路をローレベル状態にして、電磁石の給電回路を遮断する。
【0041】
タイマーとして、ウォッチドッグタイマーを利用することができる。MCUにより15秒ごとにウォッチドッグタイマーに1回のカウントクリア命令を送信し(犬をなでるとも呼ばれる)、ウォッチドッグタイマーが30秒ごとにカウントクリア命令を受信できたか否かをチェックすることを例にして該保護プロセスの原理を説明する。
【0042】
図2に示すように、初期状態でウォッチドッグタイマーのRESET pinがハイレベルプルアップ状態であり、MCUが15秒ごとに1回のカウントクリア命令を送信し(つまり、15秒ごとに犬を1回なでる)、ウォッチドッグタイマーが30秒ごとにカウントクリア命令を受信できたか否かをチェックし(30秒ごとに犬をなでる状況をチェックし、30秒内に犬をなでたか否かを判断する)、ウォッチドッグタイマーが30秒内にカウントクリア命令を受信できた(つまり、犬をなでた)場合、ウォッチドッグタイマーのRESET pinが依然としてハイレベルプルアップ状態に保たれ、つまり、MCUが正常に作動している。ウォッチドッグタイマーが30秒内にカウントクリア命令を受信できなかった(犬をなでなかった)場合、ウォッチドッグタイマーのRESET pinがプルダウンし、ハイレベルプルアップ状態からレベルダウン状態になり、つまり、MCUの作動に異常が発生し、このとき、段階制御ユニットが電磁石の給電回路を遮断して、電磁石コイルによる熱の発生を防止する。
【0043】
本発明は、フィットネスバイクをさらに提供する。前記フィットネスバイクは、バイク本体と、磁気制御ホイールと、上記のいずれか1つの技術案によるフィットネスバイク磁気負荷制御装置とを備え、前記磁気制御ホイールが、ベースと、フライホイールと、電磁石とを備え、前記フライホイールが前記ベースに回転可能に接続され、前記電磁石が前記ベースに設置され、前記ベースが前記バイク本体と固定接続され、前記制御モジュールが前記バイク本体に設置され、前記モニタリングモジュールが前記磁気制御ホイールに設置される。本実施例によるフィットネスバイクは、ユーザの使用中に、電磁石の作動状態をモニタリングすることができ、制御モジュールがモニタリングにより得た電磁石の作動状態に基づいて、磁気制御ホイールによる負荷を現在設定抵抗と一致させるように調整することができ、このようにして、段階の精確な調整を実現できる。
【0044】
上記の各実施例は、本発明の技術案を説明するためのものにすぎず、それを限定するものではない。上記の各実施例を参照しながら本発明を詳細に説明したが、当業者は、上記の各実施例に記載された技術案を変更することも可能であり、又は、その一部またはすべての技術的特徴に対して均等置換を行うことも可能である。これらの変更または置換は、該当技術案の本質を本発明の各実施例の技術案の範囲から逸脱させていない。本明細書において、多くの具体的な案を細部まで説明したが、これらの細部の説明がなくても、本発明の実施例を実施することも可能であると理解すべきである。いくつかの実施例において、本明細書に対する理解を混乱させないように、周知の方法、構造及び技術を細かく示していない。また、ここで説明したいくつかの実施例は、他の特徴でなくて他の実施例に含まれる一部の特徴を有しているが、異なる実施例の特徴の組合せも、本発明の範囲に属する別の実施例となる。