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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023003587
(43)【公開日】2023-01-17
(54)【発明の名称】マスク包装体
(51)【国際特許分類】
   B65D 77/04 20060101AFI20230110BHJP
   B65D 85/18 20060101ALI20230110BHJP
   A41D 13/11 20060101ALI20230110BHJP
【FI】
B65D77/04 B
B65D85/18 Z
A41D13/11 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021104748
(22)【出願日】2021-06-24
(71)【出願人】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【弁理士】
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100200609
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 智和
(72)【発明者】
【氏名】三宅 こず恵
【テーマコード(参考)】
3E067
3E068
【Fターム(参考)】
3E067AA12
3E067AB99
3E067AC03
3E067AC12
3E067AC16
3E067BA06C
3E067BA12B
3E067BB01C
3E067BB15B
3E067BB16B
3E067BB25B
3E067CA04
3E067CA11
3E067CA24
3E067EA06
3E067EB27
3E067EE50
3E067FA04
3E067FB11
3E067FC01
3E067GA15
3E067GD07
3E068AA31
3E068AB07
3E068AB08
3E068AC07
3E068AC10
3E068BB02
3E068BB09
3E068CC22
3E068CE05
3E068CE06
3E068EE02
3E068EE40
(57)【要約】
【課題】 嵩張ることを抑制しつつ変形や皺等を低減することが可能なマスク包装体を提供すること。
【解決手段】 各々がマスク本体部11を有し、且つ積層された複数のマスク1と、複数のマスク1を収容する包装袋2と、を備え、複数のマスク1は、包装袋2の内部が脱気された状態で収容されている、マスク包装体A1であって、脱気された状態で収容された複数のマスクの厚さT2は、脱気前の複数のマスクの厚さT1の0.6倍以上0.75倍以下である。
【選択図】 図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々がマスク本体部を有し、且つ積層された複数のマスクと、
前記複数のマスクを収容する包装袋と、を備え、
前記複数のマスクは、前記包装袋の内部が脱気された状態で収容されている、マスク包装体であって、
脱気された状態で収容された前記複数のマスクの厚さは、脱気前の前記複数のマスクの厚さの0.60倍以上0.75倍以下である、マスク包装体。
【請求項2】
各々がマスク本体部を有し、且つ積層された複数のマスクと、
前記複数のマスクを収容する包装袋と、
前記包装袋を収容する梱包箱と、を備え、
前記複数のマスクは、前記包装袋の内部が脱気された状態で収容されている、マスク包装体であって、
脱気された状態で収容された前記複数のマスクの厚さは、脱気前の前記複数のマスクの厚さの0.60倍以上であり、且つ前記梱包箱の厚さ方向の内寸以下である、マスク包装体。
【請求項3】
前記各マスクは、前記マスク本体部の幅方向両側に繋がる一対の耳掛け部をさらに有しており、
前記複数のマスクは、各々の前記一対の耳掛け部が各々の前記マスク本体部から前記幅方向にはみ出した状態で前記包装袋に収容されている、請求項1または2に記載のマスク包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスク包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
医療用途および衛生用途に、マスクが一般的に用いられている。マスクは、使用者の口および鼻を覆うマスク本体部を有する。非特許文献1は、複数のマスクが包装された従来のマスク包装体の一例を示している。同文献に開示されたマスク包装体は、互いに積層された複数のマスクが、樹脂フィルム等からなる包装袋に収容されており、包装袋内が脱気されることによって真空圧縮されている。これにより、マスク包装体が厚さ方向(積層方向)に嵩張ることを抑制することが意図されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【非特許文献1】株式会社マクアケ、「いざという時に役に立つ「L-Prev圧縮マスク(防災備蓄用マスク)」」、[令和3年5月31日検索]、インターネット<URL:https://www.makuake.com/project/l-prev-mask/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
個々のマスクが使用される際には、使用者の顔に適切に沿わせることが好ましく、また、見栄えがよいことが求められる。真空圧縮されたマスク包装体では、積層されたマスク同士が強く押し付けられあった状態である。このため、マスクに意図しない変形や皺等が生じやすいという問題がある。また、包装袋に収容された複数のマスクを梱包箱にさらに収容した包装形態を採用する場合がある。この際、梱包箱の大きさに対する複数のマスクの厚さ等が不適切であると、梱包箱が不当に膨らんでしまったり、包装袋やマスクが梱包箱に対して過度に押し付けられてしまったりするといった不具合が懸念される。
【0005】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、嵩張ることを抑制しつつ変形や皺等を低減することが可能なマスク包装体を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の側面によって提供されるマスク包装体は、各々がマスク本体部を有し、且つ積層された複数のマスクと、前記複数のマスクを収容する包装袋と、を備え、前記複数のマスクは、前記包装袋の内部が脱気された状態で収容されている、マスク包装体であって、脱気された状態で収容された前記複数のマスクの厚さは、脱気前の前記複数のマスクの厚さの0.60倍以上0.75倍以下である。
【0007】
本発明の第2の側面によって提供されるマスク包装体は、各々がマスク本体部を有し、且つ積層された複数のマスクと、前記複数のマスクを収容する包装袋と、前記包装袋を収容する梱包箱と、を備え、前記複数のマスクは、前記包装袋の内部が脱気された状態で収容されている、マスク包装体であって、脱気された状態で収容された前記複数のマスクの厚さは、脱気前の前記複数のマスクの厚さの0.60倍以上であり、且つ前記梱包箱の厚さ方向の内寸以下である。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記各マスクは、前記マスク本体部の幅方向両側に繋がる一対の耳掛け部をさらに有しており、前記複数のマスクは、各々の前記一対の耳掛け部が各々の前記マスク本体部から前記幅方向にはみ出した状態で前記包装袋に収容されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、マスク包装体が嵩張ることを抑制しつつマスクの変形や皺等を低減することができる。
【0010】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1実施形態に係るマスク包装体を示す平面図である。
図2図1のII-II線に沿う断面図である。
図3】本発明の第1実施形態に係るマスク包装体に用いられるマスクの一例を示す平面図である。
図4図3のIV-IV線に沿う断面図である。
図5】脱気前の複数のマスクを示す要部断面斜視図である。
図6】本発明の第1実施形態に係るマスク包装体を示す要部断面斜視図である。
図7】圧縮率と皺の有無との関係を示す図である。
図8】本発明の第2実施形態に係るマスク包装体を示す斜視図である。
図9】本発明の第2実施形態に係るマスク包装体を示す断面図である。
図10】本発明の第2実施形態に係るマスク包装体における梱包箱の内寸と複数のマスクの厚さとの関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0013】
<第1実施形態>
図1および図2は、本発明の第1実施形態に係るマスク包装体を示している。本実施形態のマスク包装体A1は、複数のマスク1および包装袋2を備えている。
【0014】
図1は、マスク包装体A1を示す平面図である。図2は、図1のII-II線に沿う断面図である。これらの図において、z方向は、本発明の厚さ方向に相当し、後述の複数のマスク1が積層された方向である。x方向は、本発明の幅方向に相当する。
【0015】
〔マスク1〕
図3および図4は、マスク1の一例を示している。図3は、マスク1の平面図であり、図4は、図3のIV-IV線に沿う断面図である。図示された例のマスク1は、マスク本体部11および一対の耳掛け部12を有する。
【0016】
マスク本体部11は、使用者の口および鼻を覆う部位である。マスク本体部11は、たとえば不織布によって構成されている。不織布は、たとえばポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂によって形成されている。また、マスク本体部11は、不織布に加えてガーゼが用いられたもの、あるいは不織布およびガーゼが積層されたもの、であってもよい。
【0017】
マスク本体部11の具体的な構成は何ら限定されない。本例のマスク本体部11は、保形部材112、保形部材113および複数の折り返し部114を有する。
【0018】
保形部材112は、x方向に沿って延びており、たとえば屈曲可能な樹脂からなる。保形部材112は、マスク本体部11を構成する不織布に固定されており、マスク本体部11を所望の形状に維持するためのものである。保形部材112は、使用者がマスク1を着用した際に鼻に重なる位置に設けられている。使用者が、保形部材112を自身の鼻に沿うように屈曲させることにより、マスク1のマスク本体部11と使用者の鼻との密着度合いを高めることができる。
【0019】
保形部材113は、x方向に沿って延びており、たとえば屈曲可能な樹脂からなる。保形部材113は、マスク本体部11を構成する不織布に固定されており、マスク本体部11を所望の形状に維持するためのものである。保形部材113は、使用者がマスク1を着用した際に口に重なる位置に設けられている。使用者が、保形部材113を外側に膨出するくの字状に屈曲させることにより、マスク1のマスク本体部11と使用者の口との間の空間を拡大することができる。
【0020】
複数の折り返し部114は、マスク本体部11を使用者の顔に沿った膨出形状に維持しやすいように設けられている。各折り返し部114は、マスク本体部11が部分的に折り返された部位であり、x方向に延びている。複数の折り返し部114は、y方向に互いに離れて配置されている。
【0021】
一対の耳掛け部12は、使用者がマスク1を着用する際に、耳に引っ掛けることによりマスク1を使用者の顔に固定するためのものである。一対の耳掛け部12は、マスク本体部11のx方向の両側に分かれて配置されている。耳掛け部12の両端は、マスク本体部11のy方向両端付近に、たとえば熱溶着等によって固定されている。耳掛け部12は、図3に示す状態において、ループ形状を呈することが可能な長さである。耳掛け部12は、たとえば樹脂繊維、または樹脂繊維と綿とを混合させた繊維、等からなる。耳掛け部12は、たとえば種々の編み構造とされることにより伸縮性を有する。
【0022】
〔包装袋2〕
包装袋2は、積層された複数のマスク1を包装するものである。包装袋2は、内部が脱気された状態で複数のマスク1を収容する。このため、包装袋2は、脱気された状態を維持可能な程度の気密性を有する。包装袋2の具体的構成は何ら限定されず、たとえば樹脂フィルムからなる。樹脂フィルムの材質としては、たとえばポリエチレンが例示される。樹脂フィルムは、透明であっても半透明または不透明であってもよい。
【0023】
図示された例においては、包装袋2は、袋部21およびシール部22を有する。袋部21は、複数のマスク1を収容する部位である。シール部22は、袋部21のx方向両端に設けられており、脱気後に包装袋2の一部が熱溶着等によって封止された部位である。なお、包装袋2の具体的構造は、何ら限定されない。
【0024】
次に、マスク包装体A1における複数のマスク本体部11の積層状態および脱気状態についての実施例を以下に説明する。
【0025】
本例のマスク本体部11は、外層、中間層および内層を有する3層構造とされている。外層は、ポリプロピレン繊維のスパンボンド不織布からなり、目付けが40g/m2である。中間層は、ポリプロピレン繊維のメルトブロー不織布からなり、目付けが20g/m2である。内層は、ポリプロピレン繊維のスパンボンド不織布からなり、目付けが20g/m2である。これらの外層、中間層および内層が、互いに熱溶着されている。図3に表れている微小な複数の点は、熱溶着された箇所の一例である。
【0026】
図5に示すように、複数のマスク1を互いに積層させた。マスク1の枚数は、20枚である。なお、同図は、理解の便宜上、複数のマスク1のx方向中央付近のyz断面が表れた要部断面斜視図によって示している。複数のマスク1を積層させる際には、各々の耳掛け部12が各々のマスク本体部11からx方向にはみ出るように配置した。すなわち、耳掛け部12は、マスク本体部11に重ならない位置に存在する。積層された複数のマスク本体部11をたとえば平坦なテーブルTb上に載置した。次いで、複数のマスク本体部11にプレートPtを載置した。プレートPtは、複数のマスク本体部11のz方向の厚さをより一定の条件でより再現性よく測定するために使用した。プレートPtは、335mmx25mmx1.0mmの板状部材であり、その重量が65gであった。テーブルTbからプレートPtまでのz方向の距離を測定することにより、脱気される前の積層されたマスク1の厚さT1を測定した。
【0027】
次に、複数のマスク本体部11を包装袋2に収容し、その内部を脱気した。脱気の圧力や脱気の時間等の脱気条件を適宜設定することにより、包装袋2の内部の脱気状態を調節することが可能である。所定の脱気条件での脱気が完了した後に、包装袋2にシール部22を形成し、密閉した。これにより、積層された複数のマスク本体部11が包装袋2に脱気収容されたマスク包装体A1が完成した。
【0028】
図6は、図5と同様の要領にてマスク包装体A1を示す要部断面斜視図である。図5において脱気前の複数のマスク本体部11の厚さT1を測定した手法と同様の手法により、脱気を経た複数のマスク1(マスク包装体A1)のz方向の厚さT2を測定した。本実施形態のマスク包装体A1は、脱気された状態で収容された複数のマスク1の厚さT2が、脱気前の複数のマスク1の厚さT1の0.60倍以上0.75倍以下に設定される。ここで、T2/T1を圧縮率と呼ぶ。なお、厚さT1および厚さT2は、包装袋2の厚さを含んだ数値であってもよいし、含んでいない数値であってもよい。包装袋2が樹脂フィルムからなる場合、包装袋2の厚さは、厚さT1および厚さT2の誤差範囲と判断できる。ただし、包装袋2の厚さが誤差範囲を超えると判断される場合、厚さT1および厚さT2のいずれもが、包装袋2の厚さを含まないことを条件とするか、厚さT1および厚さT2のいずれもが、包装袋2の厚さを含むことを条件とするか、が好ましい。
【0029】
図7は、複数のマスク1の圧縮率と皺の有無との関係を示している。図5および図6を参照して説明した厚さの測定を、9つのサンプルを対象として行った。それぞれのサンプルでは、本実施形態における圧縮率の範囲(0.60以上0.75以下)である実施例と、圧縮率が0.60未満である比較例とを作成し、測定および皺発生の判定を行った。9つのサンプルの厚さT1は、33mm~38mm程度であり、厚さT2は、23~27mm程度であった。比較例の厚さは、16mm~20mmであった。
【0030】
同図に示すように、いずれのサンプルにおいても、圧縮率が0.60以上である実施例の場合、マスク1に意図しない皺や変形の発生は認められなかった。一方、圧縮率が0.60未満である比較例の場合、マスク1に皺等の発生が認められた。皺の発生形態としては、積層された複数のマスク1が互いに若干ずれることにより、隣り合うマスク本体部11同士において互いの外端縁が接した部分に皺が生じる場合があった。また、マスク本体部11の保形部材112や保形部材113が、隣接するマスク本体部11に接することにより、皺が生じる場合があった。さらに、マスク本体部11の折り返し部114が、隣接するマスク本体部11に接することにより、皺が生じる場合があった。
【0031】
次に、マスク包装体A1の作用について説明する。
【0032】
図7を参照して説明したように、マスク包装体A1において脱気された状態で収容された複数のマスク1のz方向の厚さT2を、脱気前の複数のマスク1の厚さT1の0.60倍以上とすることにより、マスク1に意図しない皺や変形等が生じることを回避することができる。また、厚さT2を厚さT1の0.75倍以下に設定することにより、積層された複数のマスク1が過度に嵩張ることを抑制し、運搬、保存および陳列等に必要なスペースを削減することが可能である。したがって、マスク包装体A1によれば、積層された複数のマスク1が嵩張ることを抑制しつつマスク1の変形や皺等を低減することができる。脱気条件として、脱気時間を管理する場合、脱気前の包装袋2に含まれる空気量により、ばらつきが生じる恐れがある。従って、脱気中の複数のマスク1(マスク包装体A1)の厚みをレーザー距離計などを用いて、リアルタイムに計測し、所定の圧縮率となった時点で脱気を終了する制御を行うのが、より望ましい。
【0033】
本実施形態においては、一対の耳掛け部12は、マスク本体部11のx方向両側にはみ出すように配置されており、マスク本体部11とは重なっていない。このため、マスク本体部11に耳掛け部12が接した部分に皺が生じることを回避することができる。また、マスク本体部11と耳掛け部12とが重なっている場合、複数のマスク1のz方向の厚さT1および厚さT2の計測にばらつきが生じるおそれがある。耳掛け部12をマスク本体部11からはみ出させることにより、複数のマスク1の厚さT1およびT2をより正確に管理することができる。
【0034】
図8および図9は、本発明の他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
【0035】
<第2実施形態>
図8および図9は、本発明の第2実施形態に係るマスク包装体を示している。本実施形態のマスク包装体A2は、マスク包装体A1における複数のマスク1および包装袋2に加えて、梱包箱3をさらに備えている。図示された例においては、包装袋2に収容された複数のマスク1(たとえば、20枚のマスク1)を1組として、3組の複数のマスク1がy方向に並べられた状態で、梱包箱3に収容されている。すなわち、マスク包装体A2は、60枚のマスク1を含む。なお、梱包箱3に収容されるマスク1の枚数および組数や、複数組のマスク1の配置は、何ら限定されない。
【0036】
梱包箱3は、包装袋2に収容された複数のマスク1を収容するものである。梱包箱3は、たとえばマスク包装体A2を配達に適した形態に仕上げるためのものである。梱包箱3の具体的構成は何ら限定されない。図8および図9に示す梱包箱3に類似する例としては、たとえば、日本郵便株式会社のゆうパケット(登録商標)が挙げられる。
【0037】
本実施形態の梱包箱3は、箱部31および蓋部32を有しており、全体としてz方向の寸法がx方向およびy方向の寸法よりも小さい、扁平な矩形箱状である。箱部31は、梱包箱3の本体部分であり、対象物を収容する部位である。図示された例においては、箱部31は、上面部311、下面部312、一対の側面部313および端面部314を有する。
【0038】
上面部311と下面部312とは、z方向に互いに離間しており、xy平面に沿った部位である。図示された例においては、上面部311には、凹部が形成されている。一対の側面部313は、y方向に互いに離間しており、各々が上面部311と下面部312とに繋がっている。端面部314は、上面部311、下面部312および一対の側面部313に、x方向の一方側から繋がっている。
【0039】
蓋部32は、箱部31内に対象物を収容した後に、箱部31を塞ぐ部位である。図示された例においては、蓋部32は、上面部311、下面部312および一対の側面部313によって形成された箱部31の開口部分を塞ぐ。また、蓋部32は、上面部311に設けられた凹部を塞ぐ。
【0040】
脱気された状態で収容された複数のマスク1の厚さT2は、梱包箱3のz方向の内寸H(図示された例においては、上面部311の内面と下面部312の内面との距離)以下であればよい。また、厚さT2は、内寸Hの0.95倍以下であることが好ましい。これにより、包装袋2に収容された複数のマスク1を、梱包箱3内にスムーズに収容したり、梱包箱3が過度に膨らんだりすることを避けることができる。
【0041】
図10は、梱包箱3の内寸Hと複数のマスク1の厚さT2との関係を示しており、横軸はマスク1の積層枚数、縦軸は厚さ(z方向の寸法)である。上述のゆうパケット(登録商標)の場合、発送可能な厚み(外寸)が30mmと規定されており、また、梱包資材については、指定されていないため、梱包箱3の材質として薄い紙材料を使用する余地があることを考慮して、内寸Hは、30mm程度と考えてよい。したがって、厚さT2は、30mm以下であればよい。また、前述のように、梱包箱3内への収容をスムーズに行うには、30mmx0.95=28.5mm以下に抑えることが好ましく、この数値を、「内寸Hx0.95」と示された一点鎖線で示している。次に、脱気前の厚さT1を二点鎖線で示しており、厚さT1に圧縮率0.60を乗じた場合の厚さT2を実線で示している。
【0042】
たとえば、マスク1の積層枚数が15枚以下程度であれば、脱気前の平均的な厚さT1は、内寸Hx0.95に相当する厚さよりも小さい。このため、複数のマスク1を収容した包装袋2を脱気することは不要である。一方、たとえばマスク1の積層枚数が16枚以上の場合、脱気前の平均的な厚さT1が内寸Hx0.95に相当する厚さよりも大きい。このため、包装袋2を脱気して、複数のマスク1を圧縮する。この際の圧縮率は、厚さT2が、内寸H以下であって、内寸Hの0.95倍以下となる圧縮率が好ましい。ただし、マスク包装体A1にて述べたとおり、マスク1の皺抑制の観点から、圧縮率は、0.60以上に設定する。このような圧縮率の設定を採用することにより、本実施形態では、図中にハッチングを付した領域の枚数および圧縮率の条件に設定する。たとえば、マスク1の積層枚数が20枚である場合、平均的な厚さT1が36mm程度である。この場合、圧縮率を0.6~0.79に設定することにより、複数のマスク1の状態を図中のハッチングを付した領域に該当させることができる
【0043】
本実施形態によっても、積層された複数のマスク1が嵩張ることを抑制しつつマスク1の変形や皺等を低減することができる。また、梱包箱3を備える場合に、厚さT2を内寸H以下とし、好ましくは内寸Hの0.95倍以下とすることにより、スムーズな収容や梱包箱3の過度な変形の抑制を図ることができる。
【0044】
本発明に係るマスク包装体は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るマスク包装体の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【符号の説明】
【0045】
A1,A2:マスク包装体
1 :マスク
2 :包装袋
3 :梱包箱
11 :マスク本体部
12 :耳掛け部
21 :袋部
22 :シール部
31 :箱部
32 :蓋部
112,113:保形部材
114 :折り返し部
311 :上面部
312 :下面部
313 :側面部
314 :端面部
T1,T2:厚さ
H :内寸
Tb :テーブル
Pt :プレート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10