(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023035871
(43)【公開日】2023-03-13
(54)【発明の名称】チップソーガード
(51)【国際特許分類】
A01M 21/00 20060101AFI20230306BHJP
A01M 21/02 20060101ALI20230306BHJP
【FI】
A01M21/00 Z
A01M21/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022122543
(22)【出願日】2022-08-01
(31)【優先権主張番号】P 2021140001
(32)【優先日】2021-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2021174859
(32)【優先日】2021-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】521382894
【氏名又は名称】株式会社ライズ
(74)【代理人】
【識別番号】100174791
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 敬義
(72)【発明者】
【氏名】甲斐 重幸
【テーマコード(参考)】
2B121
【Fターム(参考)】
2B121AA19
2B121DA67
2B121EA21
2B121FA15
(57)【要約】 (修正有)
【課題】鳥獣柵周辺において,チップソーを用いる場合に,柵を傷つけないための技術の提供。
【解決手段】平板部材と,平板部材取付部を備えた脚状部材とからなり,平板部材取付部に,平板部材を取り付けることで一体として保護具(ガード)となり,保護具を草刈周辺に置くことで,草刈周辺を保護することを特徴とする草刈用チップソーガード。
これにより,チップソーガードを少ない部材で構成しつつ,使用場所で簡単に組み立てることが可能となることから,取扱性と携帯性に優れるとともに,チップソーを使用する際に,周辺の保護が十分に可能となる効果を有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板部材と,固定部材とからなり,
平板部材を固定部材で鳥獣柵に固定することにより,草刈り周辺を保護することを特徴とする草刈り用チップソーガード。
【請求項2】
平板部材が,長方形状の平板から構成される請求項1に記載のチップソーガード。
【請求項3】
平板部材が,樹脂製素材からなる請求項2に記載のチップソーガード。
【請求項4】
樹脂製素材が,FRP,ポリ塩化ビニル,ポリスチレン,ABSのいずれかである請求項3に記載のチップソーガード。
【請求項5】
固定部材が,固定用吊り下げ部材からなるとともに,平面部材に吊り下げ用穴が設けられている請求項1から4のいずれかに記載の草刈り用チップソーガード。
【請求項6】
固定用吊り下げ部材が,S字状吊り下げ部材からなる請求項5に記載の草刈り用チップソーガード。
【請求項7】
吊り下げ用穴が,平面部材の長辺の中央端部に設けられる請求項5に記載の草刈り用チップソーガード。
【請求項8】
固定部材が,固定クランプからなる請求項1から4のいずれかに記載の草刈り用チップソーガード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,チップソーガードに関する。さらに詳しくいうと,本発明は,草刈用チップソーを使用する際に,草を刈る周辺の保護を目的とした保護用器具(チップソーガード)に関する。
【背景技術】
【0002】
草刈用チップソーは,雑草を効率的に刈り取ることができることから,有用な機械である。
【0003】
ところで,近年,農作物の鳥獣対策が課題となっている。
すなわち,野生鳥獣による農作物被害は,年間,100億円を超える規模にのぼり,非常に甚大な額である。加えて,農作物被害は,営農意欲の減退にもつながることから,単に金額にとどまらない,深刻な影響を及ぼしているといえる。
このような事情もあって,農林水産省では,「鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律」に基づき,野生鳥獣に対する様々な被害防止のための総合的な対策の支援を行っている(非特許文献1)。
【0004】
鳥獣の被害を防止するための対策として,個体群管理(鳥獣の捕獲),侵入防止対策(柵の設置等による被害防除),生息環境管理(放任果樹の伐採,刈払いによる餌場・隠れ場の撲滅),これらが3つの柱とされている。
これらのうち,侵入防止対策として,最も典型的には,鳥獣柵の設置が行われ,金網を用いた柵,ワイヤーメッシュを用いた柵などが主として用いられている。この鳥獣柵において,雑草放置が,鳥獣柵の効果を減弱させることが明らかとなってきている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】農林水産省,鳥獣被害対策コーナーページ(URL;https://www.maff.go.jp/j/seisan/tyozyu/higai/)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
鳥獣柵は,その性質上,農作地周辺に設置されることから,舗装されていない土の地面に設置されることが通常である。
この鳥獣柵の設置部分には,雑草が生えてしまうことが多い。この雑草は,イノシシなどの獣類が発見されにくい環境を作ってしまう。そのため,比較的,臆病な動物であるはずのイノシシが,安心して時間をかけながら,鳥獣柵の設置部分の土を掘り起こせるような状況を作ってしまう。結果として,掘り起こされ作製された抜け穴を通じ,獣類が農作地に入って,農作物を食べてしまうなどの被害が起こることが明らかとなってきた。
また,雑草が放置されることにより,獣類により作製された抜け穴の発見が遅れ,原因究明を遅延させてきたという事情もある。
【0007】
これらの事情から,鳥獣柵周辺の雑草除去は極めて重要である。雑草除去の手法としては,大きく分けて,除草剤を使う方法と,草刈機(草刈用チップソー)を使う方法が挙げられる。
【0008】
このうち除草剤は,鳥獣柵周辺の除草に適するとは言い難い事情がある。
すなわち,鳥獣柵は,金属性の素材で作製されているものがほとんどである。そのため,鳥獣柵近辺で除草剤を撒いてしまうと,除草剤が柵にかかって,さびてしまうという問題があった。
【0009】
一方,草刈り用チップソー(以下,単に「チップソー」という)を使う場合も少なからず問題があった。
すなわち,チップソーを用いて鳥獣柵周辺の除草を行うと,チップソーの刃が柵に当たった場合に,柵そのものを壊したり,傷がついてそこから腐食の原因になったりするからである。例えば,
図7が典型であるが,雑草が生えているところでは,柵そのものの視認が難しく,チップソーが柵に当たってしまうことは頻繁に起こってしまう。
このような事情から,鳥獣柵周辺において,チップソーを用いる場合に,柵を傷つけない技術の開発が求められていた。
【0010】
上記事情を背景として,本発明では,鳥獣柵周辺において,チップソーを用いる場合に,柵を傷つけないための技術の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
発明者は,鋭意研究の結果,鳥獣柵周辺を保護することを目的として,取扱性と携帯性を備えた保護器具に想到し,発明を完成させた。
【0012】
本発明は,以下の構成からなる。
[1]平板部材と,固定部材とからなり,
平板部材を固定部材で鳥獣柵に固定することにより,草刈り周辺を保護することを特徴とする草刈り用チップソーガード。
【0013】
[2]平板部材が,長方形状の平板から構成される[1]に記載のチップソーガード。
[3]平板部材が,樹脂製素材からなる[2]に記載のチップソーガード。
[4]樹脂製素材が,FRP,ポリ塩化ビニル,ポリスチレン,ABSのいずれかである[3]に記載のチップソーガード。
【0014】
[5]固定部材が,固定用吊り下げ部材からなるとともに,平面部材に吊り下げ用穴が設けられている[1]から[4]のいずれかに記載の草刈り用チップソーガード。
[6]固定用吊り下げ部材が,S字状吊り下げ部材からなる[5]に記載の草刈り用チップソーガード。
[7]吊り下げ用穴が,平面部材の長辺の中央端部に設けられる[5]に記載の草刈り用チップソーガード。
[8]固定部材が,固定クランプからなる[1]から[4]のいずれかに記載の草刈り用チップソーガード。
【発明の効果】
【0015】
本発明により,鳥獣柵周辺において,チップソーを用いる場合に,柵を傷つけないための技術の提供が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】吊り下げ型チップソーガードであって,鳥獣柵に吊り下げられたS字状固定部材と,平面部材を示した図。
【
図3】吊り下げ型チップソーガードを使用している様子を示した図。
【
図4】クランプ型チップソーガードであって,鳥獣柵に,平板部材を固定クランプで固定している様子を示した図。
【
図9】脚状部材に平板部材が取り付けられた様子を示した図。
【
図10】脚状型チップソーガードを使用している様子を模式的に表した図。
【
図11】脚状型チップソーガードを使用している様子を示した図。
【
図12】鳥獣柵周辺の雑草の生えている様子を示した図。
【
図13】チップソーガードを好適に用いることが可能な場所を例示した図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<<発明の概要>>
本発明のチップソーガードは,平板部材と,固定部材とからなり,平板部材を固定部材で鳥獣柵に固定することにより,草刈り周辺を保護することを特徴とする。
これにより,チップソーガードを少ない部品数で構成しつつ,使用場所で簡単に組み立てたり,移動したりすることが可能となることから,取扱性と携帯性に優れるとともに,チップソーを使用する際に,周辺の保護が十分に可能となる効果を有する。
【0018】
本発明において平板部材は,携帯性と取扱性を備えたうえで,草刈り周辺を保護する役割を果たす。平板部材は,かかる役割を果たす限り特に限定する必要はなく,種々の形状ないし素材のものを用いることができる。
平板部材は,適度な厚みと取り扱いのしやすい形状の板状部材を用いればよい。平板部材は,典型的には,
図1や
図6に示されるように,長方形状(長方形ないしこれに近似した形状,略長方形状)であって,平面状の板を用いればよい。大きさとしては,横幅について,典型的には,1.0から3.0m,好ましくは1.0から2.5m,さらに好ましくは1.0から2.0m,最も好ましくは1.3から2.0mの幅とすればよい。高さについては,典型的には,20から60cm,好ましくは20から50cm,さらに好ましくは25から50cm,最も好ましくは25から45cmとすればよい。また,厚みについては,典型的には2.0から6.0mm,好ましくは2.0から5.0mm,最も好ましくは2.5から4.5mmとすればよい。
本発明において長方形状とは,全体的な形状として長方形と観念できる形状として定義されるものである。換言すれば,長方形の形状の板において,便宜的に一部に切り欠きや穴を設けたり,一部が取っ手などの部品で突出しているような場合も,長方形状として観念しうる。
【0019】
また,平板部材は,チップソーの刃が触れることが想定されることから,一定程度の硬さを有しつつも,刃を損傷しない程度の柔軟性を有することが必要である。加えて,取扱性や経済性を考慮して,軽くて安価な素材とすることが好ましい。
これらより,平板部材は,樹脂製素材からなることが好ましい。樹脂製素材としては,これらの性質を有する限り特に限定する必要はないが,例えば,ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリ塩化ビニル,ポリスチレン,ABS,FRPなどを用いることができ,好ましくはFRP,ポリ塩化ビニル,ポリスチレン,ABSを用いることができる。
【0020】
平板部材として,把持部を有することが好ましい。これにより,平板部材の持ち運びを容易にすることができ,本発明のチップソーガードの取扱性をさらに向上させる効果を有する。
把持部としては,平板部材の把持を可能とする限り特に限定する必要はなく,種々の構成とすることができる。このような把持部として,典型的には,取っ手を備えたり,平板部材の一部に把持するための穴をあけたり(穴あき部)することができる。
把持部として,
図11に示すように,穴あき部を設けることが好ましい。これにより,平板部材を作製する際の部品数を増やすことなく,把持部を設けることが可能となり,本発明のチップソーガードの経済性を向上させる効果を有する。また,取っ手と比較して,平板部材そのものの大きさや厚みを変えることがないことから,取っ手と比較して,取扱性により優れるという効果を有する。
【0021】
平板部材において,吊り下げ用穴を設けることができる。これにより,固定用吊り下げ部材を通すことで,鳥獣柵への固定(吊り下げ)が容易になることから,取扱性に特に優れるという効果を有する。
吊り下げ用穴は,固定用吊り下げ部材の取付が可能となる限り特に限定する必要はなく,種々の形状ないし数を設けることができる。
【0022】
吊り下げ用穴は,典型的には,固定用吊り下げ部材の径に応じた大きさの円状の穴とすることができ,径については,0.2から2cm程度,好ましくは0.2から1.5cm,さらに好ましくは0.2から1.3cm,特に好ましくは0.2から1.0cmとすることができる。
吊り下げ用穴は,平板部材において,略中央の一辺側に1個設けたり,平板部材の一辺側において等分した数の穴を設けることができる。例えば,3等分であれば2個,4等分であれば3個などである。
平面部材において,吊り下げ用穴を平面部材の長辺の中央端部に設けることが好ましい。これにより,吊り下げ用穴に,固定用吊り下げ部材を通した際に,左右のバランスをとることが容易となり,固定用吊り下げ部材をもっての形態・移動が容易となる効果を有する。
【0023】
固定部材は,鳥獣柵に立てかけられた平板部材を固定するための役割を果たす。固定部材は,かかる役割を果たす限り特に限定する必要はなく,種々の構成とすることができる。このような固定部材として,例えば,挟んで固定する部材(固定クランプ),ネジで固定する部材(固定ネジ),面ファスナーで固定する部材(固定面ファスナー),ひっかけて固定する部材(固定用吊り下げ部材)などが挙げられる。
【0024】
固定部材の好ましい構成として,固定用吊り下げ部材を用いることができる。これにより,平面部材の鳥獣柵への取付を可逆的に簡易に取り付けることが可能となり,本発明のチップソーガードの取扱性を向上させる効果を有する。
固定用吊り下げ部材としては,吊り下げ用穴を用いた鳥獣柵への取付が可能である限り特に限定する必要はなく,種々の形状とすることができる。このような形状として,S字状のフック部材とすることができる。
【0025】
固定部材の好ましい構成として,挟んで固定する部材(固定クランプ)を用いることができる。これにより,平板部材を容易に固定することが可能となり,本発明のチップソーガードの取扱性を向上させる効果を有する。
【0026】
本発明の草刈り用チップソーガードは,別の態様として,平板部材と,平板部材取付部を備えた脚状部材とからなり,平板部材取付部に平板部材を取り付けることで一体として保護具(ガード)とな。かかる保護具を,草を刈る周辺に置くことで,草刈周辺を保護することを特徴とする。
これにより,チップソーガードを少ない部品数で構成しつつ,使用場所で簡単に組み立てることが可能となることから,取扱性と携帯性に優れるとともに,チップソーを使用する際に,周辺の保護が十分に可能となる効果を有する。
また,本発明は,別の態様として,平板部材と,平板部材取付部を備えた脚状部材とからなり,平板部材取付部に,平板部材を取り付けることで一体となる保護具(ガード)を,草刈り用チップソーを用いる際の草刈り周辺に静置することで,草刈り周辺の保護を行う保護方法として構成することができる。
【0027】
脚状部材は,平板部材を支持するための脚ないし支えとしての役割を果たす。そのため,一つの平板部材に対して,少なくとも2つの脚状部材を必要とする。脚状部材は,かかる平板部材を支持するための構成として平板部材取付部を備えるとともに脚ないし支えとしての役割を果たす限り特に限定する必要はなく,種々の形状ないし構成とすることができる。
【0028】
脚状部材は,地面に自立することが必要となることから,自立するため構成(自立部)を備える必要がある。自立部としては,脚状部材の自立を可能とする限り特に限定する必要はなく,種々の形状ないし構成とすることができる。このような自立部の構成として,末広がりの台としての部材(台座部)や地面に突き刺すための部材(アンカー部)などが挙げられる。
脚状部材の自立部として,アンカーを備えることが好ましい。これにより,脚状部材の棒状の形状を活かしつつ,地面に突き刺すことで,安定的な自立が可能となり,本発明のチップソーガードの取扱性を向上させる効果を有する。
かかる場合,
図2ないし3に示すように,脚状部材を棒状の部材としつつ,先端を尖った形状とすることで,アンカーを設けることが可能となる。
【0029】
平板部材取付部としては,平板部材の可逆的な取付を可能とする限り特に限定する必要はなく,種々の構成とすることができる。このような平板部材取付部の構成として,例えば,勘合による取付け(勘合部),ねじ止めによる取付け(ねじ固定部)などが挙げられる。
平板部材取付部として勘合部による取り付けとすることが好ましい。これにより,速やかな平板部材の取付け,取り外しが可能となり,本発明のチップソーガードの取扱性を向上させる効果を有する。
平板部材取付部として,L字状部と,これに対応する凸部とすることが好ましい。これにより,平板部材の取付を嵌合で行いつつ,安定的に一体性を保つことが可能となり,本発明のチップソーガードの取扱性を向上させる効果を有する。なお,L字状部は,棒状部材と一体として構成されていてもよいし,棒状部材とは別の部材として,棒状部材の先端(アンカーとは別の端)に嵌合するような構成としてもよい。
また,平板部材取付部としては,脚状部材に少なくとも1つ備える必要があるが,これに限定する必要はなく,複数の平板部材取付部を備えてもよい。
【実施例0030】
本発明のチップソーガードについて,試作例を用いて詳述する。
【0031】
<<試作例1,吊り下げ型チップソーガード>>
図1は吊り下げ型チップソーガードと鳥獣柵を表した平面図,
図2はS字状フックを表した図,
図3は,秘密の下,吊り下げ型チップソーガードを使用している様子を示す。
【0032】
吊り下げ型チップソーガードでは,S字状フックを鳥獣柵に吊り下げて用いる。また,S字状フックにおいて,鳥獣柵に吊り下げている反対側を,平面部材の吊り下げ用穴に通すことで,鳥獣柵に固定することができる。
通常の使用方法としては,S字状フックを平面部材の吊り下げ用穴に通した状態で持ち運びを行い,対象となる場所の鳥獣柵に引っ掛ける形で用いられる。
【0033】
<<試作例2,クランプ型チップソーガード>>
図4は,秘密の下,鳥獣柵に,平板部材を固定クランプで固定している様子を,
図5は,固定クランプを示す。
鳥獣柵に,平板部材を立てかけた後,柵の部分と平板部材を共に挟む形で,複数の固定クランプで挟んで固定している。
【0034】
<<試作例3,脚状型チップソーガード>>
図6は,平板部材の外観(上面図)を示した図である。
平板部材は,長方形の形状を有し,一定程度の大きさを有した板状の部材である。また,
図11に示すように,樹脂製素材(FRP)でできているとともに,穴あき状の把持部を有するものである。
【0035】
図7ならびに
図8は,脚状部材を示した図である。
図に示されるように,脚状部材は,棒状の部材の先端(地面との設置部分)がアンカーとなっており,これを地面に突き刺すことにより,自立することができる。また,L字状部と,これに対応する凸部(L字状対応凸部)が備えられており,これらが一対となって,嵌合する形で平板部材を取り付けることができる。平板部材に対しては,少なくとも2つの脚状部材を用いることで,安定的な自立が可能となる。
【0036】
図9は,平板部材が脚状部材に設置されている様子を示した図である。
脚状部材の先端に平板部材取付部(図中,〇部分。L字状部)が備えられ,ここに平板部材をひっかけることにより,固定される。
【0037】
図10は,チップソーガードを設置した様子を模式的に表した様子である。
鳥獣柵(ワイヤーメッシュ)の下部に,脚状部材のアンカーを突き刺し,平板部材を嵌合して取り付けることで,鳥獣柵の保護を図ることが可能となる。
【0038】
図11は,秘密の下,本発明のチップソーガードの使用を行い,その使用感を確認している様子を示す。
チップソーガードは,特段の負担なく,簡単に鳥獣柵付近に設置を行うことが可能であった。また,チップソーで草刈りを行ったところ,チップソーガードが鳥獣柵を保護しているため,安心感をもって草刈りを行うことが可能であった。加えて,チップソーがチップソーガードに接触したとしても,チップソーの刃がかけたり,キックバックが起こることもなく,安全に使用可能であった。
【0039】
図12は,鳥獣柵近辺の雑草が生えている様子を示した図である。このような場所で,好適に,本発明のチップソーガードを用いることができる。
図13は,本発明のチップソーガードを適用可能な場所を例示した図である。鳥獣柵の付近の他,コンクリートブロックの近傍など,チップソーの刃が当たってキックバックが懸念される場所などにも好適に用いることができる。