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特開2023-35885金属噴射組成物の改質のためのエジェクタ及びその方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023035885
(43)【公開日】2023-03-13
(54)【発明の名称】金属噴射組成物の改質のためのエジェクタ及びその方法
(51)【国際特許分類】
   B22F 12/53 20210101AFI20230306BHJP
   B22F 10/25 20210101ALI20230306BHJP
   B22F 12/58 20210101ALI20230306BHJP
   C23C 6/00 20060101ALN20230306BHJP
   B22F 1/00 20220101ALN20230306BHJP
   B22F 1/12 20220101ALN20230306BHJP
【FI】
B22F12/53
B22F10/25
B22F12/58
C23C6/00
B22F1/00 N
B22F1/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022126107
(22)【出願日】2022-08-08
(31)【優先権主張番号】17/462,713
(32)【優先日】2021-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【弁理士】
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】マリウシュ・タデウシュ・ミカ
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・エム.・ガルヴィン
【テーマコード(参考)】
4K018
4K031
【Fターム(参考)】
4K018AA14
4K018AB01
4K018AB10
4K018BA08
4K018BA20
4K018BB01
4K018CA44
4K018EA51
4K031GA01
4K031GA02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】金属噴射印刷ドロップオンデマンド、又は3Dプリンタ、又は付加製造プロセス内のその場での改質のためのエジェクタを提供する。
【解決手段】改質された金属を噴射するためのエジェクタはまた、内側空洞と接続しており、液体金属の1つ以上の液滴214を排出するように構成されたノズルオリフィス212も含む。改質された金属を噴射するためのエジェクタは、内側空洞及びノズルの外部部分に関連付けられた第1のガス供給源を含む。改質された金属を噴射するためのエジェクタはまた、第1のガス供給源に結合されており、ノズルオリフィスの外部部分に近接している、第2のガス供給源も含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
改質された金属を噴射するためのエジェクタであって、
内側空洞を画定する構造と、
前記内側空洞と接続しており、液体金属の1つ以上の液滴を排出するように構成されたノズルオリフィスと、
前記内側空洞及び前記ノズルの外部部分に関連付けられた第1のガス供給源と、
前記第1のガス供給源に結合されており、前記ノズルオリフィスの外部部分に近接している、第2のガス供給源と、
を備える、改質された金属を噴射するためのエジェクタ。
【請求項2】
印刷材料を前記エジェクタの前記内側空洞に導入するように構成された前記印刷材料の供給源を更に備える、請求項1に記載の改質された金属を噴射するためのエジェクタ。
【請求項3】
前記第2のガス供給源に結合された添加剤供給源を更に備える、請求項1に記載の改質された金属を噴射するためのエジェクタ。
【請求項4】
前記添加剤供給源が、炉を更に含む、請求項3に記載の改質された金属を噴射するためのエジェクタ。
【請求項5】
前記添加剤供給源が、流動粉末床を更に含む、請求項3に記載の改質された金属を噴射するためのエジェクタ。
【請求項6】
前記添加剤供給源が、エアロゾル発生器を更に含む、請求項3に記載の改質された金属を噴射するためのエジェクタ。
【請求項7】
前記エジェクタの前記内側空洞内の固体を加熱し、それによって、前記固体を前記エジェクタ内で液体に変化させるように構成された加熱要素を更に備える、請求項1に記載の改質された金属を噴射するためのエジェクタ。
【請求項8】
前記エジェクタの周囲に少なくとも部分的に巻き付けられているコイルと、
前記コイルに1つ以上の電力パルスを供給し、それによって、前記液体金属の1つ以上の液滴を前記ノズルオリフィスから噴射させるように構成された電源と、
を更に備える、請求項1に記載の改質された金属を噴射するためのエジェクタ。
【請求項9】
前記液体金属の1つ以上の液滴が固化して、3D物体を形成する際に、前記液体金属の1つ以上の液滴を支持するように構成された基材を更に備える、請求項1に記載の改質された金属を噴射するためのエジェクタ。
【請求項10】
固体印刷材料を前記エジェクタの前記内側空洞に導入するように構成された、前記固体印刷材料のワイヤフィードを更に備える、請求項1に記載の改質された金属を噴射するためのエジェクタ。
【請求項11】
固体印刷材料を前記エジェクタの前記内側空洞に導入するように構成された、前記固体印刷材料の粉末フィードを更に備える、請求項1に記載の改質された金属を噴射するためのエジェクタ。
【請求項12】
改質された金属を噴射するためのエジェクタであって、
内側空洞を画定する構造と、
前記内側空洞と接続しており、液体金属の1つ以上の液滴を排出するように構成されたノズルオリフィスと、
前記内側空洞及び前記ノズルオリフィスの外部部分に関連付けられた第1のガス供給源と、
前記第1のガス供給源に結合されており、前記ノズルオリフィスの外部部分に近接している、第2のガス供給源と、
前記第2のガス供給源に結合された添加剤供給源であって、前記添加剤が、粉末を含む、添加剤供給源と、
前記液体金属の1つ以上の液滴が固化して、3D物体を形成する際に、前記液体金属の1つ以上の液滴を支持するように構成された基材と、
を備える、改質された金属を噴射するためのエジェクタ。
【請求項13】
前記印刷材料を前記エジェクタの前記内側空洞に導入するように構成された印刷材料の供給源を更に備える、請求項12に記載の改質された金属を噴射するためのエジェクタ。
【請求項14】
前記添加剤供給源が、炉を更に含む、請求項12に記載の改質された金属を噴射するためのエジェクタ。
【請求項15】
前記添加剤供給源が、流動粉末床を更に含む、請求項12に記載の改質された金属を噴射するためのエジェクタ。
【請求項16】
前記エジェクタの前記内側空洞内の固体を加熱し、それによって、前記固体を前記エジェクタ内で液体に変化させるように構成された加熱要素と、
前記エジェクタの周囲に少なくとも部分的に巻き付けられているコイルと、
前記コイルに1つ以上の電力パルスを供給し、それによって、前記液体金属の1つ以上の液滴を前記ノズルオリフィスから噴射させるように構成された電源と、
を更に備える、請求項12に記載の改質された金属を噴射するためのエジェクタ。
【請求項17】
改質された金属を噴射するためのエジェクタであって、
内側空洞を画定する構造と、
前記内側空洞と接続しており、液体金属の1つ以上の液滴を排出するように構成されたノズルオリフィスと、
前記内側空洞及び前記ノズルオリフィスの外部部分に関連付けられた第1のガス供給源と、
前記第1のガス供給源に結合されており、前記ノズルオリフィスの外部部分に近接している、第2のガス供給源と、
前記第2のガス供給源に結合された添加剤供給源であって、前記添加剤が、粉末を含む、添加剤供給源と、
前記液体金属の1つ以上の液滴が固化して、3D物体を形成する際に、前記液体金属の1つ以上の液滴を支持するように構成された基材と、
を備える、改質された金属を噴射するためのエジェクタ。
【請求項18】
前記添加剤供給源が、エアロゾル発生器を更に含む、請求項17に記載の改質された金属を噴射するためのエジェクタ。
【請求項19】
前記エジェクタの周囲に少なくとも部分的に巻き付けられているコイルと、
前記コイルに1つ以上の電力パルスを供給し、それによって、前記液体金属の1つ以上の液滴を前記ノズルオリフィスから噴射させるように構成された電源と、
前記液体金属の1つ以上の液滴が固化して、3D物体を形成する際に、前記液体金属の1つ以上の液滴を支持するように構成された基材と、
を更に備える、請求項17に記載の改質された金属を噴射するためのエジェクタ。
【請求項20】
固体印刷材料を前記エジェクタの前記内側空洞に導入するように構成された、前記固体印刷材料のワイヤフィードを更に備える、請求項17に記載の改質された金属を噴射するためのエジェクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本教示は、概して、ドロップオンデマンド噴射に関し、より具体的には、改質された組成物を噴射するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ドロップオンデマンド(drop-on-demand、DOD)又は三次元(three-dimensional、3D)プリンタを含む付加製造法は、通常、層上に材料層を連続的に堆積させることによって、コンピュータ支援設計(computer-aided design、CAD)モデルから、3D物体を構築(例えば、印刷)する。ドロップドロップオンデマンド(DOD)、特に金属又は金属合金を印刷するものは、発射パルスが印加されたときに、液体アルミニウム合金の小さな液滴を排出する。この技術を使用して、3D部品又は他の材料が、互いに結合して連続部品を形成する一連の液滴を排出することによって、アルミニウム、別の合金、又は材料から形成され得る。例えば、第1の層が、堆積されたインク又は印刷された3D部品を支持するように構成されている基材上に堆積され得、次いで、第2の層が、第1の層上に堆積され得る。3Dプリンタの1つの特定のタイプは、層上に液体金属層を噴射して3D金属物体を形成するのに好適な磁気流体力学(magnetohydrodynamic、MHD)プリンタである。磁気流体力学とは、導電性流体の磁気的特性及び挙動の研究を指す。
【0003】
この全般的な印刷方法は、効率的な付加製造技術であるが、品質、費用対効果、及び全体的なプロセス生産性を更に改善することが望ましい。例えば、3D部品の組成をある層から別の層へと改質すること、単一プロセス内で印刷しながら、部品の組成若しくは構造の変更を導入すること、又は印刷プロセス中に様々な可変の添加剤を印刷材料に含めることが有利であり得る。したがって、金属噴射印刷ドロップオンデマンド、又は3Dプリンタ、又は付加製造プロセス内のその場での改質のための方法及び装置が必要である。
【発明の概要】
【0004】
以下は、本教示の1つ以上の実施形態のいくつかの態様の基本的な理解を提供するために、簡略化された概要を提示する。この概要は、広範な概略ではなく、本教示の主要又は重要な要素を特定することも、本開示の範囲を明示することも意図していない。むしろ、その主な目的は、単に、後に提示される詳細な説明の前置きとして、1つ以上の概念を簡略化された形式で提示することである。
【0005】
改質された金属を噴射するためのエジェクタが開示される。改質された金属を噴射するためのエジェクタはまた、内側空洞と接続しており、液体金属の1つ以上の液滴を排出するように構成されたノズルオリフィスも含む。改質された金属を噴射するためのエジェクタはまた、内側空洞及びノズルの外部部分に関連付けられた第1のガス供給源も含む。改質された金属を噴射するためのエジェクタはまた、第1のガス供給源に結合されており、ノズルオリフィスの外部部分に近接している、第2のガス供給源も含む。
【0006】
改質された金属を噴射するためのエジェクタは、印刷材料をエジェクタの内側空洞に導入するように構成された印刷材料の供給源を更に含み得る。改質された金属を噴射するためのエジェクタは、第2のガス供給源に結合された添加剤供給源を含み得る。添加剤供給源は、炉を含み得る。添加剤供給源は、流動粉末床を含み得る。添加剤供給源は、エアロゾル発生器を含み得る。改質された金属を噴射するためのエジェクタは、エジェクタの内側空洞内の固体を加熱し、それによって、固体をエジェクタ内で液体に変化させるように構成された加熱要素を含み得る。改質された金属を噴射するためのエジェクタは、エジェクタの周囲に少なくとも部分的に巻き付けられているコイルと、コイルに1つ以上の電力パルスを供給し、それによって、液体金属の1つ以上の液滴をノズルオリフィスから噴射させるように構成された電源と、を含み得る。改質された金属を噴射するためのエジェクタは、液体金属の1つ以上の液滴が固化して、3d物体を形成する際に、液体金属の1つ以上の液滴を支持するように構成された基材を含み得る。改質された金属を噴射するためのエジェクタは、固体印刷材料をエジェクタの内側空洞に導入するように構成された、固体印刷材料のワイヤフィードを含み得る。改質された金属を噴射するためのエジェクタは、固体印刷材料をエジェクタの内側空洞に導入するように構成された、固体印刷材料の粉末フィードを含み得る。
【0007】
改質された金属を噴射するための別のエジェクタが開示される。改質された金属を噴射するためのエジェクタはまた、内側空洞と接続しており、液体金属の1つ以上の液滴を排出するように構成されたノズルオリフィスも含む。改質された金属を噴射するためのエジェクタはまた、内側空洞及びノズルオリフィスの外部部分に関連付けられた第1のガス供給源も含む。改質された金属を噴射するためのエジェクタはまた、第1のガス供給源に結合されており、ノズルオリフィスの外部部分に近接している、第2のガス供給源も含む。改質された金属を噴射するためのエジェクタはまた、第2のガス供給源に結合された添加剤供給源も含み、添加剤は、粉末を含み得る。エジェクタはまた、液体金属の1つ以上の液滴が固化して、3d物体を形成する際に、液体金属の1つ以上の液滴を支持するように構成された基材も含む。
【0008】
改質された金属を噴射するためのエジェクタは、印刷材料をエジェクタの内側空洞に導入するように構成された印刷材料の供給源を含み得る。添加剤供給源は、炉を含み得る。添加剤供給源は、流動粉末床を含み得る。改質された金属を噴射するためのエジェクタは、エジェクタの内側空洞内の固体を加熱し、それによって、固体をエジェクタ内で液体に変化させるように構成された加熱要素と、エジェクタの周囲に少なくとも部分的に巻き付けられているコイルと、コイルに1つ以上の電力パルスを供給し、それによって、液体金属の1つ以上の液滴をノズルオリフィスから噴射させるように構成された電源と、を含み得る。
【0009】
改質された金属を噴射するための別のエジェクタが開示される。改質された金属を噴射するためのエジェクタはまた、内側空洞と接続しており、液体金属の1つ以上の液滴を排出するように構成されたノズルオリフィスも含む。エジェクタはまた、内側空洞及びノズルオリフィスの外部部分に関連付けられた第1のガス供給源も含む。エジェクタはまた、第1のガス供給源に結合されており、ノズルオリフィスの外部部分に近接している、第2のガス供給源も含む。エジェクタはまた、第2のガス供給源に結合された添加剤供給源も含み、添加剤は、粉末を含み得る。エジェクタはまた、液体金属の1つ以上の液滴が固化して、3d物体を形成する際に、液体金属の1つ以上の液滴を支持するように構成された基材も含む。
【0010】
改質された金属を噴射するためのエジェクタの実現形態は、エアロゾル発生器を含む添加剤供給源を含み得る。改質された金属を噴射するためのエジェクタは、エジェクタの周囲に少なくとも部分的に巻き付けられているコイルと、コイルに1つ以上の電力パルスを供給し、それによって、液体金属の1つ以上の液滴をノズルオリフィスから噴射させるように構成された電源と、液体金属の1つ以上の液滴が固化して、3d物体を形成する際に、液体金属の1つ以上の液滴を支持するように構成された基材と、を含み得る。改質された金属を噴射するためのエジェクタは、固体印刷材料をエジェクタの内側空洞に導入するように構成された、固体印刷材料のワイヤフィードを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本明細書の一部に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付図面は、本教示の実施形態を示し、本明細書とともに本開示の原理を説明する役割を果たす。図は以下の通りである。
図1】一実施形態による、3Dプリンタ(例えば、MHDプリンタ及び/又はマルチジェットプリンタ)の単一液体エジェクタジェットの概略断面図を図示する。
図2】一実施形態による、改質された金属組成物を噴射するように構成された単一液体エジェクタジェットの概略断面図である。
図3A】1つ以上の実施形態による、金属改質の様々な実施形態を示す、改質された金属組成物を噴射するように構成された単一液体エジェクタジェットの一連の側面断面図である。
図3B】1つ以上の実施形態による、金属改質の様々な実施形態を示す、改質された金属組成物を噴射するように構成された単一液体エジェクタジェットの一連の側面断面図である。
図3C】1つ以上の実施形態による、金属改質の様々な実施形態を示す、改質された金属組成物を噴射するように構成された単一液体エジェクタジェットの一連の側面断面図である。
図3D】1つ以上の実施形態による、金属改質の様々な実施形態を示す、改質された金属組成物を噴射するように構成された単一液体エジェクタジェットの一連の側面断面図である。
図3E】1つ以上の実施形態による、金属改質の様々な実施形態を示す、改質された金属組成物を噴射するように構成された単一液体エジェクタジェットの一連の側面断面図である。
図3F】1つ以上の実施形態による、金属改質の様々な実施形態を示す、改質された金属組成物を噴射するように構成された単一液体エジェクタジェットの一連の側面断面図である。
図4】一実施形態による、改質された金属を金属噴射する方法を示すフローチャートである。
【0012】
図のいくつかの詳細は簡略化されており、厳密な構造精度、詳細、及び縮尺を維持することよりも、本教示の理解を容易にするために描かれていることに留意されたい。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここで、本教示の例示の実施形態を詳細に参照し、この実施例を添付図面に示す。可能な限り、同じ参照番号が、同じ、類似、又は同様の部分を指すように図面全体にわたって使用される。
【0014】
現在の液体金属噴射付加製造プロセスは、印刷エジェクタ内で液体として保持されるか又は液体に加熱されて液滴を排出する、金属ワイヤ又は他の印刷材料を使用し、この液的が固化して、タイムリーかつコスト効率のよい様式で高品質部品を生成する。品質を更に改善する、コストを低減する、又は付加製造プロセスのサイクル時間を減少させるために、その場での改質が所望され得る。
【0015】
本明細書に記載される実施形態は、印刷材料の物理的又は化学的組成に瞬間的又はほぼ瞬間的に変化を提供するために、溶融又は液体印刷材料をその場で改質する目的で、カバーガスに物質を添加又は組み合わせる装置及び方法を含む。これらの物質は、沸騰、蒸発、機械的混合、又は化学反応が挙げられるが、これらに限定されない化学的又は物理的手段を介して、キャリアガスに添加され得る。次いで、キャリアガスは、金属噴射のために使用されるカバーガスと混合又は組み合わされ、それによって、物質を印刷材料、したがって噴射プロセスに組み合わせ又は組み込み得る。特定の実施形態は、マグネシウムなどの合金元素、水素などの脱酸素剤、アルミナなどのセラミック粒子又は繊維が挙げられるが、これらに限定されない物質をその場で組み込んで、金属マトリックス複合材料をその場で作製すること、又はナノアルミナなどのナノ粒子をその場で組み込んで、金属マトリックスナノ複合材料をその場で作製することを含む。
【0016】
本明細書で使用される場合、「カバーガス」という用語は、エジェクタ、ノズル、又は印刷システムの周囲に、ガスのシールド又はシュラウドを提供することを意図した目的で、エジェクタ、ノズル、又は印刷システム内部及び周囲に導入されるガス、いくつかの実施形態では、不活性ガスを指す。標準的な条件下では、このカバーガスは、そのようなエジェクタ又はノズルを使用する、金属噴射又は他の印刷操作の周囲に不活性雰囲気を提供する必要がある。
【0017】
本明細書で使用される場合、「改質された印刷材料」又は「改質された溶融印刷材料」という用語は、「改質された金属印刷材料」又は「改質された液体印刷材料」と互換的に使用され得、印刷システム、ノズル、又はエジェクタによって排出又は噴射される印刷材料が、二次添加剤、反応物質、又は他の材料への曝露によって改質される、本明細書に記載される装置又はシステムによって噴射される溶融又は液体印刷材料を指す。排出時、又はその後ほぼ瞬間的に、この曝露は、元の液体又は溶融印刷材料を、化学的、組成的、又は物理的様式で改質し、改質された印刷材料をもたらす。改質は、印刷材料が基材又は前に堆積された印刷材料の他の層上に堆積され、改質された印刷材料が固化、乾燥、又は硬化すると、直ちに又は経時的に行われ得る。印刷材料のこの改質は、当業者に既知の複合材料、ナノ複合材料、合金、混合物、又は他の改質の形成をもたらし得る。
【0018】
図1は、一実施形態による、3Dプリンタ(例えば、MHDプリンタ及び/又はマルチジェットプリンタ)の単一液体エジェクタジェットの概略断面図を図示する。3Dプリンタ又は液体エジェクタジェット100は、ノズル102とも称される、外部エジェクタハウジング内に、本体、又はポンプチャンバ、又は「ワンピース」ポンプを含み得る。液体エジェクタジェット100は、内部空洞又は内側空洞とも称される内容積を画定し得、これは、印刷材料110を液体エジェクタジェット100の内容積に保持する。印刷材料110は、金属、ポリマーなどであり得るか、又はそれらを含み得る。例えば、印刷材料110は、印刷材料のワイヤフィード108の印刷材料供給又はスプールを介して導入される、アルミニウム又はアルミニウム合金であり得るか、又はそれを含み得、示されるように、アルミニウムワイヤである。特定の実施形態は、印刷材料のワイヤフィード導入を利用しない場合があるが、代替的に、印刷材料を液体エジェクタジェット100に導入する、粉末フィード、液体フィード、又は他の方法若しくは様式を含み得る。液体エジェクタジェット100は、液体エジェクタジェット100のノズル102部分を取り囲むガスシールド104を更に含み、それによって、液体エジェクタジェット100の周囲の温度及び雰囲気を調節するために使用され得る、不活性カバーガス106を用いて印刷操作を取り囲むために、液体エジェクタジェット100のノズル102の周囲にカバーガス106が導入される。特定の実施形態では、本明細書に示されていない1つ以上の加熱要素は、ポンプチャンバ又はノズル102の周囲に分配されて、高温供給源を提供し得、プリンタ操作中に印刷材料110を溶融状態に維持し得る。加熱要素は、印刷材料のワイヤフィード108を加熱又は溶融させるように構成され得、それによって、液体エジェクタジェット100の内容積内で、印刷材料ワイヤフィード108を固体状態から液体状態(例えば、印刷材料110)に変化させる。
【0019】
液体エジェクタジェット100はまた、本明細書に示されていない電源、及び少なくとも部分的に液体エジェクタジェット100の周囲に巻き付けられ得るポンプヒータに封入された1つ以上の金属コイルを含み得るか、又はそれらに結合され得る。電源は、コイルに結合され得、コイルに電流を提供するように構成され得る。コイルによって引き起こされる増加する磁場が、液体エジェクタジェット100内に起電力を引き起こし得、次に印刷材料110内に誘導電流を引き起こし得る。印刷材料110内の磁場及び誘導電流は、ローレンツ力として知られる、半径方向内向き力を印刷材料110上に生じさせ得る。ローレンツ力は、液体エジェクタジェット100のノズルオリフィス112の入口に圧力を生じさせる。圧力は、印刷材料110をノズルオリフィス112を通して1つ以上の液滴114の形態で噴射させる。これらの液体印刷材料の液滴114の着弾は、固化液滴116の1つ以上の層を形成して、最終的に3D物体を形成し得る。
【0020】
3Dプリンタ液体エジェクタジェット100はまた、ノズルオリフィス112に近接して(例えば、下方に)位置付けられた、本明細書に示されていない基材も含み得る。排出された液滴114は、基材上に着弾し、固化して3D物体を生成し得る。3Dプリンタ液体エジェクタジェット100はまた、液滴114がノズルオリフィス112を通して噴射されている間、又は液滴114がノズルオリフィス112を通して噴射されているときの間の一時停止中に基材を移動させて、3D物体が所望の形状及びサイズになるように構成されている基材制御モータを含み得る。基材制御モータは、基材を一次元(例えば、X軸に沿って)、二次元(例えば、X軸及びY軸に沿って)、又は三次元(例えば、X軸、Y軸、及びZ軸に沿って)で移動するように構成され得る。別の実施形態では、液体エジェクタジェット100及び/又はノズルオリフィス112はまた、若しくはその代わりに、一次元、二次元、又は三次元で移動するように構成され得る。換言すれば、基材は、固定液体エジェクタジェット100の下で移動し得る、又は液体エジェクタジェット100は、固定基材の上方で移動し得る。更に別の実施形態では、4つ又は5つの軸位置制御が存在するように、液体エジェクタジェット100と基材との間に、1つ又は2つの追加の軸の周囲の相対回転が存在し得る。特定の実施形態では、液体エジェクタジェット100及び基材の両方が移動し得る。例えば、基材は、液体エジェクタジェット100が、Y方向において上方及び/又は下方に移動しながら、X方向及びY方向に移動し得る。
【0021】
3Dプリンタ及び付随する液体エジェクタジェット100はまた、本明細書に示されていないカバーガス106の供給源であり得るか、又はそれを含み得る1つ以上のガス制御デバイスも含み得る。ガス供給源は、ガス又はカバーガス106を導入するように構成され得る。ガスは、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、及び/又はキセノンなどの不活性ガス又は不活性ガス供給源であり得るか、又はそれを含み得る。別の実施形態では、ガスは、窒素であってもよいか、又は窒素を含んでもよい。ガスは、約10%未満の酸素、約5%未満の酸素、又は約1%未満の酸素を含んでもよい。少なくとも1つの実施形態では、ガスは、ガス供給源から液体エジェクタジェット100の中及び/又はその周囲に導入される1つ以上のガスの流れ又は流量を調節するように構成されたガス調節器を含むガスラインを介して導入され得る。例えば、ガスは、液体エジェクタジェット100及び/又は加熱要素の上方の位置に導入され得る。これは、ガス(例えば、アルゴン)が、液体エジェクタジェット100、液滴114、3D物体、及び/又は基材の周囲にシュラウド/シースを形成して、空気シールドの形態で酸化物(例えば、酸化アルミニウム)の形成を低減/防止することを可能にし得る。ガスの温度を制御することはまた、又はその代わりに、酸化物形成が起こる速度を制御する(例えば、最小化する)ことに役立ち得る。
【0022】
図2は、一実施形態による、改質された金属組成物を噴射するように構成された単一液体エジェクタジェットの概略断面図である。液体エジェクタジェット200が、図2に示され、液体エジェクタジェット200は、液体エジェクタジェット200のノズル202部分を取り囲むガスシールド204を有するノズル202部分を画定する。ガスシールド204は、ノズル202を取り囲み、第1のガス206を用いてノズル202及び液体エジェクタジェット200を取り囲むカバーガスとも称される第1のガス206を含有する。このガス又は空気シールド204は、前述のように、ノズル202の外部部分の周囲に空気シールドを提供する。液体エジェクタジェット200は、内部空洞とも称される内容積を画定し得、これは、溶融又は液体印刷材料210を、液体エジェクタジェット200の内容積に保持する。印刷材料210は、金属、ポリマーなどであり得るか、又はそれらを含み得る。例えば、印刷材料210は、印刷材料のワイヤフィード208の印刷材料供給又はスプールを介して導入される、アルミニウム又はアルミニウム合金であり得るか、又はそれを含み得、示されるように、アルミニウムワイヤである。特定の実施形態は、印刷材料のワイヤフィード導入を利用しない場合があるが、代替的に、印刷材料を液体エジェクタジェット200に導入する、粉末フィード、液体フィード、又は他の方法若しくは様式を含み得る。液体エジェクタジェット200のノズル202はまた、ノズルオリフィス212を画定する。液体エジェクタジェット200のノズル202内に保持される印刷材料210は、1つ以上の液滴214の形態で、ノズルオリフィス212を通して噴射される。これらの液体印刷材料の液滴214は、基材、前に噴射された液滴の層のいずれか、又はそれらの両方上に噴射され得、固化液滴216の1つ以上の層を形成して、最終的に3D物体を形成し得る。図2に示される実施形態では、添加剤供給源218は、ノズル202に近接して位置する。この添加剤供給源218は、添加剤入口220によって液体エジェクタジェット200のノズル202に結合されている。添加剤入口220は、添加剤222を添加剤供給源218からガスシールド204に送出し、そこで、添加剤222は、第1のガス206と組み合わされ、次いで、ノズル202及びノズルオリフィス212の方へ運ばれて、添加剤222をノズル202の外部部分に近接して液体印刷材料210の印刷材料の改質された液滴214と組み合わせる。このプロセスは、添加剤222及び印刷材料の液滴214が、化学的若しくは物理的混合、又は反応を介して相互作用して、その場で改質された印刷材料の形成をもたらす。このその場で改質された印刷材料は、元の液体印刷材料210とは異なる組成を有し得る。
【0023】
特定の実施形態では、カバーガス又は第1のガス206と組み合わされる添加剤供給源は、第2のガス、気化固体、エアロゾル化液体、固体粉末、又はそれらの組み合わせを送出して、カバーガスと混合され得、液体エジェクタジェット200のノズル202のノズルオリフィス212の周囲に近接した領域に運ばれ得る。いくつかの実施形態では、3D印刷部品の一部分のみが、溶融又は液体印刷材料のその場での改質を有する液滴又は印刷材料を有し得、部分的に改質された材料のみを有する部品をもたらす。改質された部分は、特性若しくは組成の勾配、並びに可変印刷材料の組成物及び特性の段階的若しくは境界層、又は勾配、段階的、又は境界層の組み合わせを有する部品をもたらし得る。添加剤がガスである特定の実施形態は、印刷中に局所的な浸炭をもたらす溶融液体鋼印刷材料から鋼部品を印刷する場合、一酸化炭素ガスの添加を提供するプロセス及び装置を含み得る。この種類のプロセスから得られる部品は、浸炭された部分でのより高い強度と硬度、それ以外の部分での良好な延性及び靭性を有する。これらの特性は、回転シャフト、歯車、及び他の機械的又は構造的システムなどの用途において非常に所望され得る。この実施例は、脆性が多くの場合高強度合金に関連する問題であるため、他のプロセスと比較して利点を提供する。窒素、アンモニア、又は他の窒素含有ガスの、アルミニウムなど(これに限定されないが)の強靭な窒化物形成合金への添加は、非常に望ましい硬度、剛性、強度を有する窒化アルミニウム(aluminum nitride、AlN)又は他のハードセラミックスの形成をもたらし、これらの合金の新規用途における使用を可能にする。
【0024】
添加剤が気化固体である特定の実施形態は、気化カルシウムの添加を含み、これは、液体エジェクタジェット200に結合された別個の炉又は他の装置において、1484℃を超える温度でカルシウム金属を沸騰させることによって生成され得、次いで、キャリアガス又はカバーガスによって運ばれ、酸素ゲッター又は結合金属イオンとして作用する。この種類の添加によって、真空又は追加の環境制御なしで、通常は噴射され得ない酸素感受性合金の噴射が可能になる。気化固体添加剤の他の例としては、アルミニウム合金における結晶微細化剤としての気化ストロンチウム、鋼又はステンレス鋼合金における結晶微細化剤としての気化アルミニウム、又はそれらの組み合わせを挙げることができる。リチウム(lithium、Li)などの元素の、アルミニウムなどの合金への添加は、より高い強度及び靭性をもたらすことが知られ、いずれも非常に望ましいが、Al-Li合金は製造するのが困難である。記載されるプロセス及び方法は、リチウムなどの元素を気化させ、必要に応じてそれらの堆積を促進し、それによって、機械的特性及びコストを最適化し得る。
【0025】
添加剤が、液体又はエアロゾル化液体である特定の実施形態は、ナノ粒子又は他の分散材料を含む組成物を有するナノ粒子又は分散液の添加及び後続の凝縮を含み得る。そのような様式で使用されるナノ粒子の例としては、任意の金属の液滴又は層上の、又はその中に散在する、炭素、酸化アルミニウム、炭化ケイ素、二酸化ケイ素、二酸化チタン、カーボンナノチューブ、窒化チタン、又はそれらの組み合わせが挙げられる。機械的特性、層間の結合、又は他の特性の改善、及びプロセスの改善のために、液体水、アルコール、炭化水素、他の液体、又はそれらの組み合わせに懸濁された、炭化ケイ素(SiC)、炭化ホウ素(BC)、酸化アルミニウム(Al)、酸化チタン(TiO)、炭素、二酸化ケイ素(SiO)、又は同様の材料などのナノ粒子の添加は、エアロゾル化され得る。ヒドラジンなどのエアロゾル化液体の添加は、酸素濃度の低減が所望される場合、又は窒素化合物の形成が所望される場合に、所望され得る。また、酸化鉄(Fe)のアルミニウム合金への添加によって、Al及び鉄を形成するFeとアルミニウムとの化学反応に起因する局所的な加熱がもたらされ、それは、本明細書に記載される液体金属噴射によって形成される層内で、テルミット反応としてより一般的に知られている。この反応から得られる過剰な温度は、層間の結合を改善し、多孔性を低減する。Alなどのエアロゾル化ナノ粒子の添加は、同様に層間の結合を改善し、機械的特性を大幅に改善する。
【0026】
添加剤が、固体、粒子、又は粉末である他の実施形態は、剛性、疲労強度、並びに他の特性を改善するために、炭化ケイ素、グラファイト、ホウ素、アルミナ-シリカからなるセラミック粒子又はセラミック繊維、セラミックナノ粒子、又はセラミックウィスカの、2009、2024、7050、7075、6061、4008などのアルミニウム合金への添加を含み得る。特定の固体の添加によって、一般に金属マトリックス複合材料に変換され得ない合金の印刷又は噴射が可能になり得る。先に記載されたように、部品全体又は特定の領域のみ又は部品は、液体金属印刷材料の固体によるその場での改質で選択的に補強され得る。他の実施形態は、化学処理装置で使用するためのニッケル、白金、又はパラジウムなどの固体触媒の添加を含み得る。特定の実施形態は、誘電特性が印刷金属物体において所望され得る、チタン酸バリウム又はチタン酸銅カルシウムなどの固体誘電体の添加を含み得る。他の実施形態は、磁気特性を付与するための鉄又はニッケルを含む固体強磁性粒子の添加、異種金属腐食の影響を受けやすい組立品のガルバニック又は腐食互換性を改善するためのアルミニウム又はニッケルの添加を含み得る。代替実施形態としては、熱処理応答を改善するための、マグネシウム、ケイ素、亜鉛、又は銅などの析出物形成元素のアルミニウム合金への添加、電気特性、熱膨張係数、又は他の熱特性を改質するための、酸化アルミニウムのアルミニウム4008などの金属合金への添加、又は希土類磁石などの磁性材料粒子の、アルミニウム4008などの典型的に非磁性である合金への添加を含み得る。更に他の実施形態は、亜鉛又はアルミニウムなどの、酸又はアルカリによる消化などによって容易に除去される元素の、ニッケル又は銅の発泡体への添加を含み得る。これらは、熱交換器又は高表面積触媒などの用途に使用され得る。可溶性支持体を導入する、又は表面積を増加する、気体若しくは液体の流れを可能にする、若しくは部品重量を低減する目的で所望の多孔性を導入する目的で、食卓塩とも称される塩化ナトリウム(NaCl)などの水溶性固体、又は同様の材料が添加され得る。層間の結合を改善するために、フッ化ナトリウム(NaF)、フッ化カリウム(KF)、若しくはフルオロアルミン酸カリウム(K1-3AlF4-6)、又はアルミニウム合金のための同様な材料などのフラックスが添加され得る。
【0027】
図3A図3Fは、1つ以上の実施形態による、金属改質の様々な実施形態を示す、改質された金属組成物を噴射するように構成された単一液体エジェクタジェットの一連の側面断面図である。図3Aは、その場で改質された金属組成物を印刷することが可能である印刷システムで使用するように構成された液体エジェクタジェット300の側面断面概略図である。図3Aに示されるように、液体エジェクタジェット300は、液体エジェクタジェット300のノズル302部分を取り囲むガスシールド304を有するノズル302部分を画定する。ガスシールド304は、ノズル302を取り囲み、第1のガス306を用いてノズル302及び液体エジェクタジェット300を取り囲むカバーガスとも称される第1のガス306を含有する。このガス又は空気シールド304は、前述のように、ノズル302の外部部分の周囲に空気シールドを提供する。液体エジェクタジェット300は、内部空洞とも称される内容積を画定し得、これは、溶融又は液体印刷材料310を、液体エジェクタジェット300の内容積に保持する。印刷材料310は、金属、ポリマーなどであり得る、又はそれらを含み得るが、この場合、金属を表す。例えば、印刷材料310は、印刷材料のワイヤフィード308の印刷材料供給又はスプールを介して導入される、アルミニウム又はアルミニウム合金であり得るか、又はそれを含み得、示されるように、アルミニウムワイヤである。代替的な実施形態は、印刷材料のワイヤフィード導入を利用しない場合があるが、代替的に、印刷材料を液体エジェクタジェット300に導入する、粉末フィード、液体フィード、又は他の方法若しくは様式を含み得る。液体エジェクタジェット300のノズル302はまた、ノズルオリフィス312を画定する。液体エジェクタジェット300のノズル302内に保持される印刷材料310は、1つ以上の液滴322の形態で、ノズルオリフィス312を通して噴射される。これらの液体印刷材料の液滴322は、基材、前に噴射された液滴の層のいずれか、又はそれらの両方上に噴射され得、固化液滴326の1つ以上の層を形成して、最終的に3D物体を形成し得る。図3Aに示される実施形態では、添加剤供給源314は、ノズル302に近接して位置する。この添加剤供給源314は、添加剤入口316によって液体エジェクタジェット300のノズル302に結合されている。添加剤入口316は、図3Aに示されるように、ガス又は蒸気である添加剤318を、添加剤供給源314からガスシールド304に送出し、そこで、添加剤318は、第2のガス320を介して運ばれ、第1のガス306と組み合わされ、次いで、ノズル302及びノズルオリフィス312の周囲及びそれらの方へ運ばれて溢れて、添加剤318を印刷材料の液滴322と組み合わせて、ノズル302の外部部分に近接して液体印刷材料310の改質された液滴324を形成する。このプロセスは、添加剤318及び印刷材料の液滴322が、化学的若しくは物理的混合、又は反応を介して相互作用して、その場で改質された印刷材料324の形成をもたらす。このその場で改質された印刷材料は、元の液体印刷材料310とは異なる物理的又は化学的組成を有し得る。印刷材料の改質された液滴324の組成は、材料バルク全体にわたって変化され得るか、又はその組成に関して表面の一部又は全てにおいて変化され得る。図3Aの液体エジェクタジェット300システムの拡大部分である図3Bに示されるように、印刷材料の改質された液滴324の各々は、添加剤318への曝露及びそれとの反応によって改質され、残りの又は残った未反応の添加剤318は、リサイクルされ、後続の印刷操作中に、印刷材料の液滴322の将来のその場での改質用に、液体エジェクタジェット300のノズル302部分の周囲のガスシールド304内で保持される。排出後、及び印刷材料の液滴322のその場での改質が行われて、印刷材料の改質された液滴324が形成される間、又はその後、印刷材料の改質された液滴324は、次いで、基材上又は前に堆積若しくは噴射された印刷材料の改質された液滴324の層上に、堆積又は噴射され、1つ以上の固化した改質された液滴326の層をもたらす。図3A及び図3Bに示される液体エジェクタジェット300に関連する特定の実施形態は、様々なガス又は蒸気を、液体エジェクタジェット300に導入するために、添加剤供給源314と接続する、又は更に結合された、当業者に既知のガスタンク、バブラー、又は他の装置などの、様々なガス供給源又は気化固体供給源を含み得る。例示的なガスとしては、気化固体のキャリアとして、一酸化炭素、水素、シラン、アンモニア、窒素、二酸化炭素、ヒドラジン、塩化水素、又は第2の不活性ガスを挙げることができる。そのような場合、第2の不活性ガスは、カバーガスとして作用する第1の不活性ガスと同じであり得ることに留意されたい。気化固体が使用される特定の実施形態では、添加剤供給源314は、液体エジェクタジェット300システムに気化固体を送出するための添加剤入口316に構成され、それと結合された、炉、加熱要素、オーブン、他の反応容器、又はそれらの組み合わせを含み得る。例示的な気化固体としては、カルシウム、ストロンチウム、亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、銅、塩化アルミニウム、リチウム、他の材料、又はそれらの組み合わせを挙げることができる。特定の実施形態では、例えば、表面層上により高濃度の銅を含むアルミニウム組成物を有する3D印刷部品は、3D部品上に導電性外層を有することが有益であり得る、後続の蒸着又は他のコーティングプロセスなどの、二次部品製作プロセスに関連する利点を提供し得る。
【0028】
図3Cは、その場で改質された金属組成物を印刷することが可能である印刷システムで使用するように構成された液体エジェクタジェット336の側面断面概略図である。図3Cに示されるように、液体エジェクタジェット336は、液体エジェクタジェット336のノズル302部分を取り囲むガスシールド304を有するノズル302部分を画定する。ガスシールド304は、ノズル302を取り囲み、第1のガス306を用いてノズル302及び液体エジェクタジェット336を取り囲むカバーガスとも称される第1のガス306を含有する。このガス又は空気シールド304は、前述のように、ノズル302の外部部分の周囲に空気シールドを提供する。液体エジェクタジェット336は、内部空洞とも称される内容積を画定し得、これは、溶融又は液体印刷材料310を、液体エジェクタジェット336の内容積に保持する。印刷材料310は、金属、ポリマーなどであり得る、又はそれらを含み得るが、この場合、金属を表す。例えば、印刷材料310は、印刷材料のワイヤフィード308の印刷材料供給又はスプールを介して導入される、アルミニウム又はアルミニウム合金であり得るか、又はそれを含み得、示されるように、アルミニウムワイヤである。代替的な実施形態は、印刷材料のワイヤフィード導入を利用しない場合があるが、代替的に、印刷材料を液体エジェクタジェット336に導入する、粉末フィード、液体フィード、又は他の方法若しくは様式を含み得る。液体エジェクタジェット336のノズル302はまた、ノズルオリフィス312を画定する。液体エジェクタジェット336のノズル302内に保持される印刷材料310は、1つ以上の液滴322の形態で、ノズルオリフィス312を通して噴射される。これらの液体印刷材料の液滴322は、基材、前に噴射された液滴の層のいずれか、又はそれらの両方上に噴射され得、固化液滴334の1つ以上の層を形成して、最終的に3D物体を形成し得る。図3Cに示される実施形態では、添加剤供給源328は、ノズル302に近接して位置する。この添加剤供給源328は、添加剤入口316によって液体エジェクタジェット336のノズル302に結合されている。添加剤入口316は、図3Cに示されるように、エアロゾル化液体である添加剤330を添加剤供給源328からガスシールド304に送出し、そこで、添加剤330は、第2のガス320を介して運ばれ、第1のガス306と組み合わされ、次いで、ノズル302及びノズルオリフィス312の周囲及びそれらの方へ運ばれて溢れて、添加剤330を印刷材料の液滴322と組み合わせて、ノズル302の外部部分に近接して液体印刷材料310の改質された液滴332を形成する。このプロセスは、添加剤330及び印刷材料の液滴322が、化学的若しくは物理的混合、又は反応を介して相互作用して、その場で改質された印刷材料332の形成をもたらす。このその場で改質された印刷材料は、元の液体印刷材料310とは異なる物理的又は化学的組成を有し得る。印刷材料の改質された液滴332の組成は、材料バルク全体にわたって変化され得るか、又はその組成に関して表面の一部又は全てにおいて変化され得る。図3Cの液体エジェクタジェット336システムの拡大部分である図3Dに示されるように、印刷材料の改質された液滴332の各々は、添加剤330への曝露及びそれとの反応によって改質され、残りの又は残った未反応の添加剤330は、リサイクルされ、後続の印刷操作中に、印刷材料の液滴322の将来のその場での改質用に、液体エジェクタジェット336のノズル302部分の周囲のガスシールド304内で保持される。排出後、及び印刷材料の液滴322のその場での改質が行われて、印刷材料の改質された液滴332が形成される間、又はその後、印刷材料の改質された液滴332は、次いで、基材上又は前に堆積若しくは噴射された印刷材料の改質された液滴332の層上に、堆積又は噴射され、1つ以上の固化した改質された液滴326の層をもたらす。図3C及び図3Dに示される液体エジェクタジェット336に関連する特定の実施形態は、様々なエアロゾル化液体を液体エジェクタジェット336に導入するために、添加剤供給源328と接続する、又は更に結合された、様々なガス供給源又は液体エアロゾル供給源又はエアロゾル発生器を含み得る。例示的なエアロゾル化液体又は添加剤混合物は、塩化ナトリウム溶液、塩化カリウム溶液、アルゴン、窒素、ヘリウム、二酸化炭素、又は第2の不活性ガスなどの溶液、分散液、又はそれらの組み合わせを、気化したエアロゾル化液体のキャリアとして含み得る。そのような場合、第2の不活性ガスは、カバーガスとして作用する第1の不活性ガスと同じであり得ることに留意されたい。特定の実施形態では、添加剤供給源328は、エアロゾル化液体の液体エジェクタジェット336システムへの送出を調整又は補助するために添加剤入口316に構成され、それと結合された、炉、加熱要素、オーブン、他の反応容器、又はそれらの組み合わせを含み得る。
【0029】
図3Eは、その場で改質された金属組成物を印刷することが可能である印刷システムで使用するように構成された液体エジェクタジェット340の側面断面概略図である。図3Eに示されるように、液体エジェクタジェット340は、液体エジェクタジェット340のノズル302部分を取り囲むガスシールド304を有するノズル302部分を画定する。ガスシールド304は、ノズル302を取り囲み、第1のガス306を用いてノズル302及び液体エジェクタジェット340を取り囲むカバーガスとも称される第1のガス306を含有する。このガス又は空気シールド304は、前述のように、ノズル302の外部部分の周囲に空気シールドを提供する。液体エジェクタジェット340は、内部空洞とも称される内容積を画定し得、これは、溶融又は液体印刷材料310を、液体エジェクタジェット340の内容積に保持する。印刷材料310は、金属、ポリマーなどであり得る、又はそれらを含み得るが、この場合、金属を表す。例えば、印刷材料310は、印刷材料のワイヤフィード308の印刷材料供給又はスプールを介して導入される、アルミニウム又はアルミニウム合金であり得るか、又はそれを含み得、示されるように、アルミニウムワイヤである。代替的な実施形態は、印刷材料のワイヤフィード導入を利用しない場合があるが、代替的に、印刷材料を液体エジェクタジェット340に導入する、粉末フィード、液体フィード、又は他の方法若しくは様式を含み得る。液体エジェクタジェット340のノズル302はまた、ノズルオリフィス312を画定する。液体エジェクタジェット340のノズル302内に保持される印刷材料310は、1つ以上の液滴322の形態で、ノズルオリフィス312を通して噴射される。これらの液体印刷材料の液滴322は、基材、前に噴射された液滴の層のいずれか、又はそれらの両方上に噴射され得、固化液滴346の1つ以上の層を形成して、最終的に3D物体を形成し得る。図3Eに示される実施形態では、添加剤供給源328は、ノズル302に近接して位置する。この添加剤供給源328は、添加剤入口316によって液体エジェクタジェット340のノズル302に結合されている。添加剤入口316は、図3Eに示されるように、固体微粒子、粉末、ナノ粒子、ウィスカ、ナノチューブ、又はそれらの混合物である添加剤342を、添加剤供給源328からガスシールド304に送出し、そこで、添加剤342は、第2のガス320を介して運ばれ、第1のガス306と組み合わされ、次いで、ノズル302及びノズルオリフィス312の周囲及びそれらの方へ運ばれて溢れて、添加剤342を印刷材料の液滴322と組み合わせて、ノズル302の外部部分に近接して液体印刷材料310の改質された液滴344を形成する。このプロセスは、添加剤342及び印刷材料の液滴322が、化学的若しくは物理的混合、又は反応を介して相互作用して、その場で改質された印刷材料344の形成をもたらす。固体添加剤342の場合、添加剤342が、印刷材料の液滴322の表面に埋め込まれ得る可能性がより高くなり得る。このその場で改質された印刷材料は、元の液体印刷材料310とは異なる物理的又は化学的組成を有し得る。印刷材料の改質された液滴344の組成は、材料バルク全体にわたって変化され得るか、又はその組成に関して表面の一部又は全てにおいて変化され得る。図3Eの液体エジェクタジェット340システムの拡大部分である図3Fに示されるように、印刷材料の改質された液滴344の各々は、添加剤342への曝露及びそれとの反応によって改質され、残りの又は残った未反応の添加剤342は、リサイクルされ、後続の印刷操作中に、印刷材料の液滴322の将来のその場での改質用に、液体エジェクタジェット340のノズル302部分の周囲のガスシールド304内で保持される。排出後、及び印刷材料の液滴322のその場での改質が行われて、印刷材料の改質された液滴344が形成される間、又はその後、印刷材料の改質された液滴344は、次いで、基材上又は前に堆積若しくは噴射された印刷材料の改質された液滴344の層上に、堆積又は噴射され、1つ以上の固化した改質された液滴346の層をもたらす。図3E及び図3Fに示される液体エジェクタジェット340に関連する特定の実施形態は、様々な固体添加剤を液体エジェクタジェット340システムに導入するために、添加剤供給源328と接続する、又は更に結合された、様々な固体粉末又は微粒子供給源を含み得る。例示的な粉末としては、カーボンナノチューブ、グラファイト、グラフェン、又は球状カーボンなどの炭素系材料、金属ホウ化物、チタン、ケイ素、鉄、カルシウム、アルミニウム、銅の酸化物などの金属酸化物、鉄などの強磁性固体、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム(KCl)、塩化リチウム(LiCl)、塩化カルシウム(CaCl)、塩化マグネシウム(MgCl2)、又は同様なものなどの水溶性粉末、又は固体、粉末、若しくは微粒子のキャリアとしての第2の不活性ガスを挙げることができる。そのような場合、第2の不活性ガスは、カバーガスとして作用する第1の不活性ガスと同じであり得ることに留意されたい。固体添加剤が使用される特定の実施形態では、添加剤供給源328は、固体を液体エジェクタジェット340システム送出するための添加剤入口316に構成され、それと結合された粉末ホッパー、オーガー、流動粉末床装置、振動支援粉末送出装置、静電支援粉末送出システム、炉、発熱要素、オーブン、その他の反応容器、又はそれらの組み合わせを含み得る。
【0030】
前述の実施例に記載される実施形態は、典型的な方法又は手段によって製造可能ではない特定の合金又は金属マトリックス材料の使用又は製作を含み得る。例えば、ある領域において高強度、別の領域においてより良好な延性の合金、並びに可変又は調整可能な熱伝導性及び電気伝導性、強度、硬度、延性を有し、部品内での局所的な特性の改質を有する合金も可能であり得る。熱の不一致を有する材料もまた、構築され得る。可燃性材料及び添加物を使用する材料は、より安全に製作され得る。真空システム又は他の可燃性粉末軽減システムを使用せずに、従来のプロセスと比較して、より制御された環境。耐食性は、アルミニウム又は他の材料添加剤を添加することによって金属材料に付与され得る。水又は酸素又は他の材料が、金属部品又は構成要素の印刷に添加されて、金属又は金属合金部品を脆化させ得る。本明細書に記載される実施形態の追加の利点としては、特性調整の精細制御、低減されたコスト、改善された生産性、部品内の局所領域の改質、又は印刷操作中に添加剤レベルを徐々に変化させることによってバルク材料を通る勾配層型合金の容易な製作が挙げられる。本明細書に記載される実施形態により、部品アーキテクチャの特殊な構成も可能であり得る。外部構造組成とは異なる内部構造組成を有するハニカム又は他の構造などの材料が構築され得る。アルミニウムコーティングされた鋼などの他の材料、又は結晶微細化剤若しくはサブトラクティブ添加剤の微細な分散を有する材料が製作され得、構造の特定の部分のみが、そのような組成の変化を有する。様々な複合材料、ナノ複合材料、又は合金の形成はまた、本明細書に記載される液体金属噴射システムの実施形態によって製作され得る。ガス及び二次添加剤ガスが組み合わされ、次いで、金属噴射システムに注入され、ガスが注入され、次いで、二次添加剤が蒸発し、次いで、金属噴射システム内で組み合わされる特定の実施形態が用いられ得る。
【0031】
図4は、一実施形態による、改質された金属を金属噴射する方法を示すフローチャートである。改質された金属を金属噴射する方法400は、第1のガスを第1のガス供給源からエジェクタノズルの外部ノズルに導入する工程402と、添加剤を第2の供給源から第1のガスに導入する後続の工程404とを含む。改質された金属を金属噴射する方法400における次の工程は、添加剤を第1のガスと組み合わせること406と、エジェクタノズルから溶融金属印刷材料の液滴を排出すること408と、添加剤を溶融金属印刷材料の液滴と反応させて、改質された溶融金属印刷材料を形成することを可能にすること410である。特定の実施形態では、第1のガスは、不活性ガスであり得る。代替の実施形態では、添加剤を第2の供給源から第1のガスに導入する工程404は、第2のガスを第2のガス供給源から導入することを含み得、第2のガスは、不活性ガスを含む。特定の実施形態は、第2のガスとして一酸化炭素を利用し得る。改質された金属を金属噴射する方法400の例示的な実施形態は、液体をエアロゾル化してエアロゾル化液体を形成することを更に含む、添加剤を第2の供給源から第1のガスに導入する工程404を含み得る。このエアロゾル化液体は、塩化ナトリウム溶液であり得、いくつかの実施形態では、エアロゾル化液体を第2のガス供給源からの第2のガスと組み合わせることを含み得る。
【0032】
改質された金属を金属噴射するための方法400の代替実施形態は、添加剤を第2の供給源から第1のガスに導入する工程404を含み得、それは、粉末を第2のガス供給源からの第2のガスと組み合わせて、粉末を第2のガスに懸濁することと、組み合わされた粉末と第2のガスとを第1のガスに導入することとを含み得る。特定の実施形態では、粉末は、水溶性粉末、鉄などの強磁性材料であり得る。いくつかの実施形態では、添加剤を第2の供給源から第1のガスに導入する工程404で使用される粉末としては、ニッケル、白金、パラジウム、又はそれらの組み合わせなどの金属触媒を挙げることができる。
【0033】
改質された金属を金属噴射するための方法400の特定の実施形態は、添加物を第2の供給源からの第1のガスに導入する工程404を含み得、それは、固体を加熱して気化固体を形成すること、あるいは気化固体を第2のガス供給源からの第2のガスと組み合わせることを含む。例示的な実施形態では、気化固体としては、ストロンチウムなどの結晶微細化剤、又はカルシウムなどの他の気化固体を挙げることができる。改質された金属を金属噴射するための方法400はまた、溶融金属印刷材料の液滴をエジェクタノズルから排出すること、第1の不活性ガスと、第2の不活性ガスに懸濁された粉末との組み合わせを、溶融金属印刷材料の液滴と反応させて、改質された溶融金属印刷材料を形成すること、又は、改質された溶融金属印刷材料の液滴を、基材又は固体印刷材料上に堆積させることを含み得る。改質された金属組成物を噴射するための方法の代替的な実施形態は、プロセス中又は「オンフライ」の添加剤の濃度の変更を含み得る。堆積の比は、ガス供給源の圧力を調節すること又は他のプロセス制御などによって、流量の比を制御又は変更することによって制御され得る。改質された金属組成物を噴射するための方法の更なる実施形態は、印刷部品の組成を層から層に変更することを含み得る。改質はまた、システムへの改質プロセス又は追加の供給源の入力をオンにしてオフにすることによって、断続的な様式で用いられ得る、又は実行され得る。
【0034】
改質された金属組成物を噴射するための方法は、支持構造と製品構造との間の「離脱」区分又は界面のための弱い境界層を形成することを含み得る。特定の実施形態では、酸素又は他の脆性化剤又は添加剤の添加は、主又は所望の印刷構成要素又は部品から支持構造をより容易に分離することを可能にする部品の特定の領域において使用され得る。離脱支持体又は界面はまた、必要に応じて特定の点又は印刷部品部分でのみ、可変様式で添加剤又は印刷材料組成物をメータアウトすることによって構築され得る。例えば、二次ガス調節器をオンにし、オフにするか、又は調節して、一定量の添加剤を送達して、離脱又は容易に分離する構成要素部分を促進する特性を提供し得る。この方法は、化学的又は物理的な層の破壊並びに組成上の破壊を生み出し、部品構造内の特定の位置でのより容易な破損をもたらし得る。
【0035】
本教示は、1つ以上の実装態様に対して示されているが、添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、示された実施例に対して変更及び/又は修正が行われ得る。例えば、プロセスが一連の行為又は事象として説明されているが、本教示は、そのような行為又は事象の順序によって限定されないことが理解され得る。一部の行為は、異なる順序で、及び/又は本明細書に記載されているものとは別の他の行為若しくは事象と同時に発生する可能性がある。また、全てのプロセス段階が、本教示の1つ以上の態様又は実施形態に従う方法論を実装するために必要とされ得るわけではない。構造的物体及び/若しくは処理段階が追加され得るか、又は既存の構造的物体及び/若しくは処理段階が除去若しくは修正され得ることが理解され得る。更に、本明細書に示される行為のうちの1つ以上は、1つ以上の別個の行為及び/又は段階で実行され得る。更に、「含む(including)」、「含む(includes)」、「有する(having)」、「有する(has)」、「有する(with)」という用語、又はそれらの変形が発明を実施するための形態及び特許請求の範囲のいずれかで使用される限りにおいて、そのような用語は、「含む(comprising)」という用語と同様の方法で包括的であることが意図されている。「少なくとも1つの」という用語は、列挙された項目のうちの1つ以上が選択され得ることを意味するように使用される。更に、本明細書における考察及び特許請求の範囲において、2つの材料に対して使用される「上」という用語、他方「上」の一方は、材料間の少なくとも一部の接触を意味し、一方、「の上」は、材料が、場合によっては、接触が可能であるが必要とされないように、1つ以上の追加の介在材料に近接していることを意味する。「上(on)」又は「の上(over)」のいずれも、本明細書で使用される場合にいかなる指向性も暗示しない。「共形」という用語は、下にある材料の角度が共形材料によって保持されるコーティング材料を記述する。「約」という用語は、変更が、示された実施形態に対してプロセス又は構造の不適合とならない限り、列挙される値が少し変更され得ることを示す。「結合する」、「結合される」、「接続する」、「接続」、「接続される」、「と接続して」、及び「接続している」という用語は、「と直接接続する」又は「1つ以上の中間要素又は部材を介して接続する」ことを指す。最後に、「例示の」又は「例示的な」という用語は、説明が理想的であることを意味するのではなく一例として使用されることを示す。本教示の他の実施形態は、本明細書及び本明細書での本開示の慣行を考慮して当業者に明らかであり得る。本明細書及び実施例は、例示としてのみみなされることが意図され、本教示の真の範囲及び趣旨は、以下の特許請求の範囲によって示される。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図4