IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 中強光電股▲ふん▼有限公司の特許一覧

<>
  • 特開-投影レンズアセンブリ及び投影装置 図1
  • 特開-投影レンズアセンブリ及び投影装置 図2
  • 特開-投影レンズアセンブリ及び投影装置 図3
  • 特開-投影レンズアセンブリ及び投影装置 図4
  • 特開-投影レンズアセンブリ及び投影装置 図5
  • 特開-投影レンズアセンブリ及び投影装置 図6
  • 特開-投影レンズアセンブリ及び投影装置 図7
  • 特開-投影レンズアセンブリ及び投影装置 図8
  • 特開-投影レンズアセンブリ及び投影装置 図9
  • 特開-投影レンズアセンブリ及び投影装置 図10
  • 特開-投影レンズアセンブリ及び投影装置 図11
  • 特開-投影レンズアセンブリ及び投影装置 図12
  • 特開-投影レンズアセンブリ及び投影装置 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023035891
(43)【公開日】2023-03-13
(54)【発明の名称】投影レンズアセンブリ及び投影装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 17/08 20060101AFI20230306BHJP
   G02B 13/18 20060101ALI20230306BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20230306BHJP
   G03B 21/14 20060101ALI20230306BHJP
【FI】
G02B17/08 A
G02B13/18
G03B21/00 D
G03B21/14 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022127578
(22)【出願日】2022-08-10
(31)【優先権主張番号】202111008721.3
(32)【優先日】2021-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】500093133
【氏名又は名称】中強光電股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】陳 宥達
(72)【発明者】
【氏名】呂 承桓
(72)【発明者】
【氏名】蔡 幸▲うぇん▼
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 威霆
(72)【発明者】
【氏名】魏 慶全
【テーマコード(参考)】
2H087
2K203
【Fターム(参考)】
2H087KA06
2H087KA07
2H087LA01
2H087LA27
2H087PA09
2H087PA20
2H087PB13
2H087QA02
2H087QA07
2H087QA13
2H087QA22
2H087QA25
2H087QA34
2H087QA41
2H087QA46
2H087RA04
2H087RA05
2H087RA06
2H087RA12
2H087RA13
2H087RA32
2H087RA41
2H087TA01
2H087TA03
2K203FA25
2K203FA32
2K203GC03
2K203GC04
2K203GC05
2K203GC06
2K203HA04
2K203HA53
2K203HA67
2K203HA68
2K203HA73
2K203HA75
2K203HA82
2K203MA32
2K203MA35
(57)【要約】
【課題】本発明の投影レンズアセンブリは、光軸に沿って縮小側から拡大側へ順に配列された第1レンズグループ、開口絞り、第2レンズグループ、反射光学素子及び屈折光学素子を含む。
【解決手段】第1レンズグループは屈折度を有する複数個のレンズを含む。第2レンズグループは屈折度を有する複数個のレンズを含む。開口絞りは第1レンズグループと第2レンズグループとの間に位置する。反射光学素子と屈折光学素子はそれぞれ光軸の対向する両側に位置する。画像光束は縮小側から第1レンズグループと第2レンズグループを順に透過した後、反射光学素子まで伝達され、画像光束は反射光学素子によって屈折光学素子まで反射され、屈折光学素子をさらに透過し、拡大側に向けて投影光束が形成される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
投影レンズアセンブリであって、
前記投影レンズアセンブリは、縮小側から拡大側へ光軸に沿って順に配列された第1レンズグループ、開口絞り、第2レンズグループ、反射光学素子及び屈折光学素子を含み、
前記第1レンズグループは屈折度を有する複数個のレンズを含み、
前記第2レンズグループは屈折度を有する複数個のレンズを含み、
前記開口絞りは前記第1レンズグループと前記第2レンズグループとの間に位置し、
前記反射光学素子と前記屈折光学素子はそれぞれ前記光軸の対向する両側に位置し、
画像光束は前記縮小側から前記第1レンズグループと前記第2レンズグループを順に透過した後、前記反射光学素子まで伝達され、前記画像光束は前記反射光学素子によって前記屈折光学素子まで反射され、さらに前記屈折光学素子を透過し、前記拡大側に向けて投影光束を形成することを特徴とする、投影レンズアセンブリ。
【請求項2】
前記第1レンズグループは6枚のレンズを含み、前記6枚のレンズの屈折度は前記縮小側から前記拡大側へ順に正、正、負、正、正、負であることを特徴とする、請求項1に記載の投影レンズアセンブリ。
【請求項3】
前記第2レンズグループは5枚のレンズを含み、前記5枚のレンズの屈折度は前記縮小側から前記拡大側へ順に正、負、負、負、正であることを特徴とする、請求項1に記載の投影レンズアセンブリ。
【請求項4】
前記第1レンズグループは少なくとも1組の接合レンズを含むことを特徴とする、請求項1に記載の投影レンズアセンブリ。
【請求項5】
前記第1レンズグループは少なくとも1枚の非球面レンズを含み、前記第2レンズグループは少なくとも1枚の非球面レンズを含むことを特徴とする、請求項1に記載の投影レンズアセンブリ。
【請求項6】
前記反射光学素子は入光面、反射面及び第1平面を含み、前記入光面が前記第2レンズグループに隣接して配置されることを特徴とする、請求項1に記載の投影レンズアセンブリ。
【請求項7】
前記屈折光学素子は負屈折度を有することを特徴とする、請求項1に記載の投影レンズアセンブリ。
【請求項8】
前記画像光束は前記反射面によって前記第1平面まで反射され、さらに前記第1平面を透過して、前記屈折光学素子まで伝達されることを特徴とする、請求項6に記載の投影レンズアセンブリ。
【請求項9】
前記入光面は正屈折度を有し、かつ非球面であり、
前記反射面は正屈折度を有し、かつ非球面であることを特徴とする、請求項8に記載の投影レンズアセンブリ。
【請求項10】
前記屈折光学素子は第2平面及び屈折面を含み、
前記反射光学素子からの前記画像光束は、前記第2平面と前記屈折面を順に透過した後前記投影光束を形成することを特徴とする、請求項8に記載の投影レンズアセンブリ。
【請求項11】
前記屈折光学素子の前記屈折面は前記拡大側に向けられた凸面であることを特徴とする、請求項10に記載の投影レンズアセンブリ。
【請求項12】
前記屈折面は負屈折度を有し、かつ非球面であることを特徴とする、請求項10に記載の投影レンズアセンブリ。
【請求項13】
前記第1平面と前記第2平面は共平面であることを特徴とする、請求項10に記載の投影レンズアセンブリ。
【請求項14】
前記光軸は前記第1平面にあることを特徴とする、請求項8に記載の投影レンズアセンブリ。
【請求項15】
前記反射光学素子と前記屈折光学素子は同じ屈折率を有することを特徴とする、請求項1に記載の投影レンズアセンブリ。
【請求項16】
前記反射光学素子と前記屈折光学素子は一体成形であることを特徴とする、請求項1に記載の投影レンズアセンブリ。
【請求項17】
前記第2レンズグループは少なくとも1枚の非対称レンズを含むことを特徴とする、請求項1に記載の投影レンズアセンブリ。
【請求項18】
前記投影レンズアセンブリの絞りは1.7から2.0の範囲内にあることを特徴とする、請求項1に記載の投影レンズアセンブリ。
【請求項19】
前記第1レンズグループは補償グループであり、前記第2レンズグループは焦点調整グループであり、前記投影レンズアセンブリが焦点合わせを行う時に、前記第1レンズグループ及び前記第2レンズグループは前記光軸に沿って移動することを特徴とする、請求項1に記載の投影レンズアセンブリ。
【請求項20】
投影装置であって、
前記投影装置は照明システム、光バルブ及び投影レンズアセンブリを含み、
前記照明システムは照明光束を提供し、
前記光バルブは前記照明光束の伝達経路上に設置され、前記照明光束を画像光束に変換し、
前記投影レンズアセンブリは前記画像光束の伝達経路上に設置され、前記画像光束を受けて、かつ投影光束を投射し、
前記投影レンズアセンブリは、縮小側から拡大側へ光軸に沿って順に配列された第1レンズグループ、開口絞り、第2レンズグループ、反射光学素子及び屈折光学素子を含み、
前記第1レンズグループは屈折度を有する複数個のレンズを含み、
前記第2レンズグループは屈折度を有する複数個のレンズを含み、
前記開口絞りは前記第1レンズグループと前記第2レンズグループとの間に位置し、
前記反射光学素子と前記屈折光学素子はそれぞれ前記光軸の対向する両側に位置し、
前記画像光束は前記縮小側から前記第1レンズグループと前記第2レンズグループを順に透過した後、前記反射光学素子まで伝達され、前記画像光束は前記反射光学素子によって、前記屈折光学素子まで反射され、さらに前記屈折光学素子を透過して、前記拡大側に向けて前記投影光束を形成することを特徴とする、投影装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光学レンズアセンブリ及び光学装置に関し、特に投影レンズアセンブリ及び投影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の超短焦点の投影レンズアセンブリは通常第1光学システム、第2光学システム、第1開口絞り、第2開口絞り及び反射光学システム(凹面反射ミラーであってもよい)を含む。第1光学システムは複数個のレンズを含み、光バルブからの、縮小側から入射された画像を第1中間像にする。第2光学システムは複数個のレンズを含み、縮小側からの第1中間像を受けて、かつ第2中間像を形成する。反射光学システムは正屈折度(diopter)を有し、かつ、第2中間像よりも拡大側に近い。第1開口絞りは光バルブの出光面と第1中間像との間に設置される。第2開口絞りは第1中間像と第2中間像との間に設置される。第2中間像は反射光学システムの反射面によって結像スクリーン上に拡大投影される。
【0003】
しかし、従来の超短焦点の投影レンズアセンブリは、レンズの多い構成である故に、生産コストが高くなる。かつ、前記光学システムによれば、機構設計が比較的に複雑で、レンズアセンブリ全体の長さが長くなる。
【0004】
「背景技術」部分は本発明内容に関する理解を促すためのものであり、「背景技術」に開示された内容には当業者が既知の従来技術以外の一部構成が含まれている可能性がある。「背景技術」に開示された内容は、当該内容または本発明の一つ若しくは複数の実施例が解決しようとする課題が本発明の出願前に既に当業者に把握または認識されていたことを意味するものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明はシステム内のレンズ数を減らすことができる投影レンズアセンブリを提供する。
【0006】
本発明は、前記投影レンズアセンブリを用いた、システム長さが比較的に小さく、かつ、コストが低い投影装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施例は、縮小側から拡大側へ光軸に沿って順に配列された第1レンズグループ、開口絞り、第2レンズグループ、反射光学素子及び屈折光学素子を含む投影レンズアセンブリを提供する。第1レンズグループは屈折度を有する複数個のレンズを含む。第2レンズグループは屈折度を有する複数個のレンズを含む。開口絞りは第1レンズグループと第2レンズグループとの間に位置する。反射光学素子と屈折光学素子はそれぞれ光軸の対向する両側に位置する。画像光束は縮小側から、第1レンズグループと第2レンズグループを順に透過した後、反射光学素子まで伝達される。画像光束は反射光学素子によって屈折光学素子まで反射され、さらに屈折光学素子を透過して、拡大側に向けて投影光束を形成する。
【0008】
本発明の一実施例は、照明システム、光バルブ及び投影レンズアセンブリを含む投影装置を提供する。照明システムは照明光束を提供する。光バルブは照明光束の伝達経路上に設置され、かつ、照明光束を画像光束に変換する。投影レンズアセンブリは画像光束の伝達経路上に設置され、かつ画像光束を受けて、投影光束を投射する。投影レンズアセンブリは、縮小側から拡大側へ光軸に沿って順に配列された第1レンズグループ、開口絞り、第2レンズグループ、反射光学素子及び屈折光学素子を含む。第1レンズグループは屈折度を有する複数個のレンズを含む。第2レンズグループは屈折度を有する複数個のレンズを含む。開口絞りは第1レンズグループと第2レンズグループとの間に位置する。反射光学素子と屈折光学素子はそれぞれ光軸の対向する両側に位置する。画像光束は縮小側から第1レンズグループと第2レンズグループ順に透過した後、反射光学素子まで伝達される。画像光束は反射光学素子によって屈折光学素子まで反射され、さらに屈折光学素子を透過して、拡大側に向けて投影光束を形成する。
【0009】
以上により、本発明の一実施例において、投影レンズアセンブリは、比較的に少ないレンズ数の設計により、全体の体積を縮減し、さらに反射光学素子と屈折光学素子によって、第1レンズグループ及び第2レンズグループからの画像光束を投射して、投影光束を形成する。従って、投影レンズアセンブリまたは投影装置の光学構造が比較的に簡単で、機構設計も比較的に容易である。
【0010】
本発明の前記特徴と利点をより明確に、分かりやすく示すために、以下は実施例を挙げて、かつ図面を参照しながら詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施例の投影装置のブロック図。
図2図1の投影装置中の投影レンズアセンブリの概略図。
図3図2の投影レンズアセンブリが異なる物体高における横方向光束ファンプロット。
図4図2の投影レンズアセンブリが異なる物体高における横方向光束ファンプロット。
図5図2の投影レンズアセンブリが異なる物体高における横方向光束ファンプロット。
図6図2の投影レンズアセンブリが異なる物体高における横方向光束ファンプロット。
図7図2の投影レンズアセンブリが異なる物体高における横方向光束ファンプロット。
図8】異なる波長の光が図2の投影レンズアセンブリを通った後、異なる像高と物体高におけるフレア図。
図9】異なる波長の光が図2の投影レンズアセンブリを通った後、異なる像高と物体高におけるフレア図。
図10】異なる波長の光が図2の投影レンズアセンブリを通った後、異なる像高と物体高におけるフレア図。
図11】異なる波長の光が図2の投影レンズアセンブリを通った後、異なる像高と物体高におけるフレア図。
図12】異なる波長の光が図2の投影レンズアセンブリを通った後、異なる像高と物体高におけるフレア図。
図13図2の投影レンズアセンブリの変調伝達関数図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の前記及びその他の技術内容、特徴及び効果を明確に示すべく、以下は図面を参照しながら好ましい実施例を詳しく説明する。以下の実施例における方向用語、例えば、上、下、左、右、前または後等は図面を参照する方向のみである。従って、これらの方向用語は説明目的に用いられたものであり、本発明を制限するものではない。
【0013】
図1は本発明の一実施例に基づく投影装置のブロック図である。図1を参照すると、本発明の一実施例は投影装置10を提供し、照明システム50、光バルブ60及び投影レンズアセンブリ100を含む。照明システム50は照明光束Iを提供する。光バルブ60は照明光束Iの伝達経路上に設置され、かつ、照明光束Iを画像光束IBに変換する。投影レンズアセンブリ100は画像光束IBの伝達経路上に設置され、かつ、光バルブ60からの画像光束IBを受けて、かつ投影光束PBを投射する。
【0014】
詳しく言うと、本実施例の照明システム50は例えば複数個の発光素子、波長変換素子、光均等素子、フィルタ素子及び複数個の光分割光合成素子を含み、画像光束のソースとしての異なる波長の光を提供する。また、複数個の発光素子は例えば金属ハロゲン電球(Lamp)、高圧水銀電球、または個体発光源(solid-state illumination source)、例えば発光ダイオード(light emitting diode)、レーザーダイオード(laser diode)等である。しかし、本発明は投影装置10中の照明システム50の種類または形態について制限するものではなく、その詳細な構造及び実施方法について、当該技術分野の一般常識から教示、提案と実施説明を十分知り得るので、ここで省略する。
【0015】
本実施例において、光バルブ60は例えばシリコン液晶パネル(Liquid Crystal On Silicon panel,LCoS panel)、デジタルマイクロミラーデバイス(Digital Micro-mirror Device,DMD)等の反射型光変調器である。一部の実施例において、光バルブ60は透光液晶パネル(Transparent Liquid Crystal Panel)、電気光学変調器(Electro-Optical Modulator)、磁気光学変調器(Magneto-Optic modulator)、音響光学変調器(Acousto-Optic Modulator,AOM)等の透過型の光変調器であってもよい。本発明は光バルブ60の形態及び種類について制限しない。光バルブ60が照明光束Iを画像光束IBに変換する方法について、当該分野の一般常識からその詳細処理及び実施方法に関する教示、提案と実施説明を十分知り得るので、ここで省略する。本実施例において、光バルブ60の数が一つであり、例えば、単体のデジタルマイクロミラーデバイスを用いた投影装置10であるが、その他の実施例において複数個を用いてもよく、本発明はこれに限定されない。
【0016】
図2図1の投影装置中の投影レンズアセンブリの概略図である。図2を参照すると、本実施例において、投影レンズアセンブリ100は縮小側A1から拡大側A2へ光軸OAに沿って順に配列された第1レンズグループG1、開口絞り(aperture stop)ST、第2レンズグループG2、反射光学素子110及び屈折光学素子120を含む。第1レンズグループG1は屈折度を有する複数個のレンズを含む。第2レンズグループG2は屈折度を有する複数個のレンズを含む。開口絞りSTは等価の開口絞りであり、実際の応用においてこの素子の実体構造を設けなくてもよく、開口絞りSTは第1レンズグループG1と第2レンズグループG2との間に位置する。反射光学素子110と屈折光学素子120はそれぞれ光軸OAの対向する両側に位置する。画像光束IBは縮小側A1から第1レンズグループG1と第2レンズグループG2を順に透過した後、反射光学素子110まで伝達される。画像光束IBは反射光学素子110に反射されて、光軸OAの他方側に位置する屈折光学素子120まで伝達され、さらに屈折光学素子120を透過し、拡大側A2に向けて投影光束PBを形成する。
【0017】
本実施例において、第1レンズグループG1は縮小側A1から拡大側A2へ光軸OAに沿って配列された6枚レンズL1、L2、L3、L4、L5、L6を含む。6枚レンズL1、L2、L3、L4、L5、L6の屈折度は順に正、正、負、正、正、負である。第2レンズグループG2は縮小側A1から拡大側A2へ光軸OAに沿って配列された5枚のレンズL7、L8、L9、L10、L11を含む。5枚のレンズL7、L8、L9、L10、L11の屈折度は順に正、負、負、負、正である。従って、投影レンズアセンブリ100のレンズ数は11枚まで減らされ、レンズ長さが縮減され、システムの材料体積も縮小され、コストをさらに削減することできる。
【0018】
本実施例において、第1レンズグループG1は少なくとも1組の接合レンズを含む。例えば、レンズL2、レンズL3、レンズL4は1組の接合レンズであり、かつ、レンズL5、レンズL6は別の1組の接合レンズである。
【0019】
本実施例において、第1レンズグループG1は少なくとも1枚の非球面レンズを含む。第2レンズグループG2は少なくとも1枚の非球面レンズを含む。例えば、第1レンズグループG1中のレンズL5または第2レンズグループG2中のレンズL8、レンズL10は非球面レンズである。
【0020】
本実施例において、第2レンズグループG2は少なくとも1枚の非対称レンズを含み、ここで、非対称は光軸OAに対して定義される。例えば、レンズL10、レンズL11は何れも非対称レンズであり、即ち、光軸OAはレンズL10、レンズL11の中心点を通っていない。従って、第2レンズグループG2中の非対称レンズの設計により、投影光束PBの光経路はレンズに干渉されることなく、システム体積の縮小に有利である。
【0021】
本実施例において、反射光学素子110は入光面S26、反射面S27及び第1平面S28を含み、第1平面S28は反射光学素子110の出光面であり、かつ、光軸OAは第1平面S28にある。入光面S26は第2レンズグループG2に隣接して配置される。さらに説明すると、反射光学素子110の入光面S26は第2レンズグループG2中のレンズL11に隣接して配置されて、第2レンズグループG2からの画像光束は入光面S26から反射光学素子110に入り、かつ光軸OAの一方側の反射面S27まで伝達される。入光面S26は正屈折度を有し、かつ、非球面である。反射面S27は正屈折度を有し、かつ、非球面である。ここで、画像光束IBは反射面S27によって、第1平面S28まで反射され、さらに第1平面S28を透過して、光軸OAの他方側に位置する屈折光学素子120まで伝達される。
【0022】
本実施例において、屈折光学素子120は負屈折度を有する。屈折光学素子120は第2平面S30及び屈折面S29を含む。光軸OAは第2平面S30にあり、即ち、反射光学素子110の第1平面S28と屈折光学素子120の第2平面S30は対向して配置され、かつ、光軸OAに平行である。屈折光学素子120の屈折面S29は拡大側A2に向けられた凸面である。屈折面S29は負屈折度を有し、非球面である。しかし、別の実施例において、屈折光学素子120の屈折面S29を凹面に設計してもよい。また、反射光学素子110からの画像光束IBは第2平面S30と屈折面S29を順に透過した後、投影光束PBを形成する。
【0023】
本実施例において、反射光学素子110と屈折光学素子120は同じ屈折率を有する。別の実施例において、反射光学素子110と屈折光学素子120は一体成形であってもよい。
【0024】
以下、表1と表2において投影レンズアセンブリ100の好ましい実施例のデータが示されている。しかし、本発明は以下に示すデータに限定されるものではない。当業者は本発明を参照のうえ、本発明の範囲内であれば、そのパラメータまたは設置を適宜変更してもよいとする。
【0025】
本実施例において、前記各素子の実際の設計は表1の通りである。
【0026】
【表1】
表1において、レンズL1は縮小側A1から拡大側A2へ表面S7と表面S8を有し、レンズL2は縮小側A1から拡大側A2へ順に表面S9と表面S10を有する。ここで、レンズL2、レンズL3、レンズL4は1組の接合レンズであるため、レンズL2の拡大側A2に向く表面S10とレンズL3の縮小側A1に向く表面S10が同じ表面であり、かつ、レンズL3の拡大側A2に向く表面S11とレンズL4の縮小側A1に向く表面S11が同じ表面である。その他も同じように類推するとし、各素子の対応する表面について省略する。また、表1において、「距離」とは隣接する二つの表面間の光軸OAにおける距離を意味する。例を挙げる、表面S1に対応する距離と、表面S1と表面S2間の光軸OAにおける距離であり、表面S2に対応する距離は、表面S2と表面S3間の光軸OAにおける直線距離であり、このように類推する。
【0027】
本実施例において、レンズL5の表面S13、レンズL8の表面S18と表面S19、レンズL10の表面S22と表面S23、反射光学素子110の入光面S26と反射面S27及び屈折光学素子120の屈折面S29は何れも非球面であり、その他のレンズの表面は何れも球面である。非球面の式は以下の通りである。
【0028】
【数1】

前記式において、xは光軸方向の偏移量(sag)である。c’は接触球面(Osculating Sphere)の半径の逆数であり、つまり、光軸に接近する部分の曲率半径の逆数であり、Kは二次曲面係数であり、yは非球面高さであり、即ち、レンズ中心からレンズの縁部への高さである。A-Gはそれぞれ非球面多項式の各次元非球面係数(aspheric coefficient)を示す。表2はレンズL5の表面S13、レンズL8の表面S18と表面S19、レンズL10の表面S22と表面S23、反射光学素子110の入光面S26と反射面S27及び屈折光学素子120の屈折面S29のパラメータ値を示しており、その二次非球面係数Aは何れも0である。
【0029】
【表2】
本実施例において、投影レンズアセンブリ100の絞りは1.7から2.0の範囲内にある。
【0030】
本実施例において、投影レンズアセンブリ100の第1レンズグループG1は補償グループであり、第2レンズグループG2は焦点調整グループであり、投影レンズアセンブリ100が焦点合わせを行う時に、第1レンズグループG1は光軸OAに沿って移動して、近軸(paraxial)画像の明瞭度を補償し、第2レンズグループG2は光軸OAに沿って移動して、軸外(off-axis)視野の画像の解析度を調整する。投影レンズアセンブリ100の焦点を調整できるため、明瞭な投影画面を維持できる。さらに説明すると、第2レンズグループG2と反射光学素子110間の光軸OAにおける間隔が比較的に小さいため、例えば、表1が示すように、レンズL11の表面S25と反射光学素子110の入光面S26間の間隔は4mmであり、従って、比較的に小さい間隔を設置することで、投影レンズアセンブリ100の全体の長さを縮小することができる。
【0031】
また、本実施例において、投影レンズアセンブリ100はさらに、光バルブ60と第1レンズグループG1との間に設置されたガラス部材130、150及びプリズム140を含み、かつ、ガラス部材130、プリズム140とガラス部材150は縮小側A1から拡大側A2へ光軸OAに沿って順に配列され、ガラス部材130は例えば光バルブ60の保護カバーである。
【0032】
図3ないし図7はそれぞれ図2の投影レンズアセンブリが異なる物体高(object height)における横方向光束ファンプロット(Transverse ray fan plot)であり、かつ、ex、ey、Px及びPy軸の最大目盛りと最小目盛りはそれぞれ+500マイクロメートル(μm)と-500マイクロメートルである。図3ないし図7を参照すると、図3ないし図7が示す図形は何れも標準範囲内にあり、これにより、本実施例の投影レンズアセンブリ100は良好的光学結像品質を達成できることが証明された。
【0033】
図8ないし図12はそれぞれ異なる波長の光が図2の投影レンズアセンブリを通った後、異なる像高(image height)と物体高におけるフレア図であり、かつ、x軸とy軸の最大範囲は1000マイクロメートルである。図8ないし図12を参照すると、各波長の光が投影レンズアセンブリ100を通った後のフレアは何れも大きくないため、本実施例の投影レンズアセンブリ100が投影する画像は比較的に高い結像品質を有する。
【0034】
図13図2の投影レンズアセンブリの変調伝達関数図である。図13を参照する。図13は投影レンズアセンブリ100が異なる像高における変調伝達関数図(modulation transfer function,MTF)であり、横軸は焦点偏移量(focus shift)を示し、縦軸は光学伝達関数の係数(modulus of the optical transfer function)を示すし、Tは経線方向(meridian direction)の曲線を示し、Sは矢状方向(sagittal direction)の曲線を示し、「TS」の隣に記載された数値は像高を示す。これで本実施例の投影レンズアセンブリ100が示す光学伝達関数曲線が標準範囲内にあることは証明され、良好な光学結像品質を有し、図13が示す通りである。
【0035】
以上を纏めると、本発明の一実施例において、投影レンズアセンブリまたは投影装置には反射光学素子と屈折光学素子が同時に設置されている。画像光束は投影レンズアセンブリの第1レンズグループ及び第2レンズグループによって、反射光学素子まで伝達され、さらに反射光学素子と屈折光学素子によって画像光束を投射し、投影光束を形成する。従って、投影レンズアセンブリまたは投影装置の光学構造が簡単で、機構設計も比較的に容易になる。
【0036】
以上は本発明の好ましい実施例に過ぎず、これを以って本発明の実施範囲を制限すべきではない。即ち、本発明の請求の範囲及び発明の内容を基に行った簡単かつ等価な変更と修正はすべて本発明の範囲内に属する。また、本発明の任意の実施例または請求項は必ずしも本発明で開示されたすべての目的または利点または特徴を備えるとは限らない。また、要約書と発明の名称は特許文献検索に利用されるものであり、本発明の権利範囲を制限するものではない。また、明細書または請求の範囲で言及される「第1」、「第2」等の用語は素子(element)の名称を示し、または異なる実施例や範囲を区別するものであり、素子の数の上限または下限を制限するものではない。
【符号の説明】
【0037】
10 投影装置
50 照明システム
60 光バルブ
100 投影レンズアセンブリ
110 反射光学素子
120 屈折光学素子
130、150 ガラス部材
140 プリズム
A1 縮小側
A2 拡大側
G1 第1レンズグループ
G2 第2レンズグループ
L1、L2、L3、L4、L5、L6、L7、L8、L9、L10、L11 レンズ
OA 光軸
PB 投影光束
S0、S1、S2、S3、S4、S6、S5、S7、S8、S9、S10、S11、S12、S13、S14、S15、S16、S17、S18、S19、S20、S21、S22、S23、S24、S25 表面
S26 入光面
S27 反射面
S28 第1平面
S29 屈折面
S30 第2平面
ST 開口絞り
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13