(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023035953
(43)【公開日】2023-03-13
(54)【発明の名称】バルク材用の振動コンベア
(51)【国際特許分類】
B65G 27/04 20060101AFI20230306BHJP
B65G 47/19 20060101ALI20230306BHJP
【FI】
B65G27/04
B65G47/19
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022134620
(22)【出願日】2022-08-26
(31)【優先権主張番号】21193891.5
(32)【優先日】2021-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】522340853
【氏名又は名称】ヴィブラ マシネンファブリク シュルトハイス ゲーエムベーハー ウント コー.
【氏名又は名称原語表記】Vibra Maschinenfabrik Schultheis GmbH & Co.
【住所又は居所原語表記】Im grossen Ahl 50,63075 Offenbach,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110003487
【氏名又は名称】弁理士法人東海特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウィンフリード シュルトハイス
【テーマコード(参考)】
3F037
3F080
【Fターム(参考)】
3F037BA03
3F037CA02
3F037CB02
3F037CB03
3F080AA51
3F080BA08
3F080CB03
3F080CB11
3F080DA01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】バルク材用の振動コンベアを提供する。
【解決手段】バルク材用の振動コンベアは、バルク材を収容する搬送トラフ(20)もしくは搬送チューブと、少なくとも1つの振動発生器であって、前記バルク材を長手方向に移送するために指向性振動励起(S)を発生させるように構成され、ここで前記指向性振動励起は、振動発生器と、前記搬送トラフもしくは前記搬送チューブ内に配置された少なくとも1つの保持堰(50)であって、長手方向への前記バルク材の搬送運動を減速させるように構成された保持堰と、を有する。前記保持堰は、前記バルク材の移送方向(F)を向いた後壁(51)と、前記移送方向の逆を向いた前壁(52)と、を有する。前記後壁は、長手方向において前記保持堰の頂部(53)から前記搬送トラフもしくは前記搬送チューブの底部に向かって斜めに下降するように少なくとも部分的に傾斜している。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルク材用の振動コンベア(10)であって、
バルク材を収容するための搬送トラフ(20)もしくは搬送チューブと、
前記搬送トラフ(20)もしくは前記搬送チューブに機能的に接続された少なくとも1つの振動発生器(30)であって、前記搬送トラフ(20)もしくは前記搬送チューブを通って前記バルク材を長手方向に移送するために指向性振動励起(S)を発生させるように構成され、ここで前記指向性振動励起(S)は、前記搬送トラフ(20)もしくは前記搬送チューブの長手方向および重力方向と逆の鉛直方向に方向成分を有する振動発生器(30)と、
前記搬送トラフ(20)もしくは前記搬送チューブ内に配置された少なくとも1つの保持堰(50)であって、前記搬送トラフ(20)もしくは前記搬送チューブを通る長手方向の前記バルク材の搬送運動を減速させるように構成された保持堰(50)と、を備え、
前記保持堰(50)は、前記バルク材の移送方向(F)を向いた後壁(51)と、前記移送方向(F)の逆を向いた前壁(52)と、を有し、
前記保持堰(50)の前記後壁(51)は、前記搬送トラフ(20)もしくは前記搬送チューブの長手方向において前記保持堰(50)の頂部(53)から前記搬送トラフ(20)もしくは前記搬送チューブの底部(24)に向かって斜めに下降するように少なくとも部分的に傾斜しており、
前記搬送トラフ(20)もしくは前記搬送チューブの長手方向に計測された底部側のランアウトから前記保持堰(50)の前記頂部(53)までの前記前壁(52)の長さ(lV)は、前記搬送トラフ(20)もしくは前記搬送チューブの長手方向に計測された前記保持堰(50)の前記頂部(53)から底部側のランアウトまでの前記後壁(51)の長さ(lR)よりも小さい、バルク材用の振動コンベア(10)。
【請求項2】
前記後壁(51)は、前記バルク材と接触する斜め平面部(51a,51b)、凸状曲面部(51c)および凹状曲面部のうちの少なくとも1つを有することを特徴とする、請求項1に記載のバルク材用の振動コンベア(10)。
【請求項3】
前記後壁(51)は、前記搬送トラフ(20)もしくは前記搬送チューブの全幅にわたって延びていることを特徴とする、請求項1に記載のバルク材用の振動コンベア(10)。
【請求項4】
前記搬送トラフ(20)もしくは前記搬送チューブの鉛直方向に計測された前記搬送トラフ(20)もしくは前記搬送チューブの前記底部(24)から前記保持堰(50)の前記頂部(53)に至るまでの前記後壁(51)の高さ(hR)に対する、前記後壁(51)の前記長さ(lR)の比は、0.5~2.0の範囲にあることを特徴とする、請求項1に記載のバルク材用の振動コンベア(10)。
【請求項5】
前記後壁(51)の前記長さ(lR)は、前記搬送トラフ(20)もしくは前記搬送チューブの鉛直方向に計測された前記搬送トラフ(20)もしくは前記搬送チューブの前記底部(24)から前記保持堰(50)の前記頂部(53)に至るまでの前記後壁(51)の高さ(hR)よりも小さいことを特徴とする、請求項1に記載のバルク材用の振動コンベア(10)。
【請求項6】
前記保持堰(50)の前記前壁(52)は、前記バルク材に接触する少なくとも1つの面部であって、前記搬送トラフ(20)もしくは前記搬送チューブの長手方向に傾斜し、特に前記搬送トラフ(20)もしくは前記搬送トラフ(20)の長手方向において前記搬送トラフ(20)もしくは前記搬送チューブの前記底部(24)から前記保持堰(50)の前記頂部(53)に向かって上昇するように傾斜している面部を有していることを特徴とする、請求項1から請求項5の何れか一項に記載のバルク材用の振動コンベア(10)。
【請求項7】
前記保持堰の前記前壁(52)は、前記バルク材に接触し凹状に湾曲する少なくとも1つの面部、および/または前記長手方向および前記鉛直方向を横断する1つ以上のビード(52c,52g)、を有していることを特徴とする、請求項1から請求項5の何れか一項に記載のバルク材用の振動コンベア(10)。
【請求項8】
前記保持堰(50)の前記前壁(52)は、前記搬送トラフ(20)もしくは前記搬送チューブの底部(24)に垂直におよび/または重力方向に延びていることを特徴とする、請求項1から請求項5の何れか一項に記載のバルク材用の振動コンベア(10)。
【請求項9】
前記保持堰(50)の前記前壁(52)は、前記バルク材に接触する第1面部(52a)であって、前記搬送トラフ(20)もしくは前記搬送チューブの前記底部(24)に隣接して配され、前記搬送トラフ(20)もしくは前記搬送チューブの前記底部(24)に垂直におよび/または重力方向に延びている第1面部(52a)、並びに、前記バルク材に接触する第2面部(52b、52d)であって、前記保持堰(50)の前記頂部(53)の方向に前記第1面部(52a)に隣接して配され、凹状に湾曲した第2面部(52b、52d)、および/または前記長手方向および前記鉛直方向を横断する1つ以上のビード(52g)、を有していることを特徴とする、請求項1から請求項5の何れか一項に記載のバルク材用の振動コンベア(10)。
【請求項10】
前記底部(24)から前記頂部(53)に至るまでの前記保持堰(50)の全高に対する、前記第1面部(52a)の高さ(hV1)の比は、0.05~0.25にあることを特徴とする、請求項9に記載のバルク材用の振動コンベア(10)。
【請求項11】
前記保持堰(50)は、前記搬送トラフ(20)もしくは前記搬送チューブに分離可能に固定されていることを特徴とする、請求項1から請求項5の何れか一項に記載のバルク材用の振動コンベア(10)。
【請求項12】
前記保持堰(50)は、その頂部(53)を超えて延びるとともに前記保持堰(50)を前記搬送トラフ(20)もしくは前記搬送チューブに取り付けるための装置(55)を有する側壁(54)を有することを特徴とする、請求項11に記載のバルク材用の振動コンベア(10)。
【請求項13】
前記後壁(51)および/または前記前壁(52)は、板金部品で形成されていることを特徴とする、請求項1から請求項5の何れか一項に記載のバルク材用の振動コンベア(10)。
【請求項14】
前記保持堰(50)の前記前壁(52)および前記後壁(51)は、本質的に水平なウェブ(56)によって前記保持堰(50)の前記頂部(53)で互いに接続されていることを特徴とする、請求項1から請求項5の何れか一項に記載のバルク材用の振動コンベア(10)。
【請求項15】
1つ以上の以下の制限、すなわち、
- 前記保持堰(50)が、前記搬送トラフ(20)もしくは前記搬送チューブに溶接されていること、
- 前記搬送トラフ(20)もしくは前記搬送チューブ内の保持堰(50)の数が、3つ以上に達すること、
- 前記指向性振動励起の方向(S)と前記長手方向との間のバルク材の投射角(α)が、15~70°の範囲にあること、
- 前記バルク材の移送が、前記指向性振動励起と前記搬送トラフ(20)もしくは前記搬送チューブへのバルク材の新たな供給との組み合わせから生じ、および/または前記振動発生器(30)が、前記搬送トラフ(20)もしくは前記搬送チューブに固定された少なくとも2つの振動モータ(31)または前記搬送トラフ(20)もしくは前記搬送チューブに固定された少なくとも1つの電磁振動駆動装置、を備えること、
- 移送方向(F)に横たわる前記後壁(51)の端縁(58)と前記搬送トラフ(20)もしくは前記搬送チューブの底部(24)との間に、隙間(59)が設けられていること、
- 前記前壁(52)が、前記底部の近傍に前記搬送トラフ(20)もしくは前記搬送チューブを空にするための開口(60)を有し、前記開口(60)を開閉するための閉止要素(61)が設けられていること、
- 少なくとも2つの保持堰(50)が設けられており、ここで前記保持堰の前記頂部(53)が、前記搬送トラフ(20)もしくは前記搬送チューブの横断方向に対して異なる設定角度(β)を有していること、
によって特徴付けられる、請求項1から請求項5の何れか一項に記載のバルク材用の振動コンベア(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルク材用の振動コンベアに関する。
【背景技術】
【0002】
このような振動コンベアは、バルク材を収容するための搬送トラフもしくは搬送チューブと、前記搬送トラフもしくは前記搬送チューブに機能的に接続された少なくとも1つの振動発生器であって、前記搬送トラフもしくは前記搬送チューブを通って前記バルク材を長手方向に移送するために指向性振動励起を発生させるように構成され、ここで前記指向性振動励起は前記搬送トラフもしくは前記搬送チューブの長手方向および重力方向と逆の鉛直方向に方向成分を有する振動発生器と、前記搬送トラフもしくは前記搬送チューブ内の少なくとも1つの保持堰であって、前記搬送トラフもしくは前記搬送チューブを通る長手方向への前記バルク材の移送運動を減速させるように構成された保持堰と、を備えてもよい。
【0003】
このタイプの振動コンベアは、一般に公知である。振動励起によってバルク材の粒子が生じ、マイクロスロー原理に従って、搬送トラフもしくは搬送チューブを通って移送される。この場合、投射角は指向性振動励起によって規定され、長手方向および重力方向と逆の鉛直方向の方向成分のベクトル加算の結果である。振動励起によってバルク材の個々の粒子は投射角に従って加速され、搬送トラフもしくは搬送チューブを通って粒子が長手方向に移動するように、落下した後に新たに加速される。
【0004】
搬送トラフもしくは搬送チューブの断面は、典型的には、単なる搬送または計量目的に影響を受けることはない。この場合、バルク材は、通常、約3~20m/minの範囲の搬送速度で移動する。搬送速度は、とりわけ、製品の特性、投射角、動作周波数、振動幅(加速度)に依存する。
【0005】
しかしながら、バルク材がトラフを通る移送中にも処理されまたは調整されるべきである場合は、搬送トラフもしくは搬送チューブ内での滞留時間が不十分であることがしばしばある。このため、バルク材の長手方向の搬送速度を低下させる保持堰が、搬送チューブや搬送トラフに設置されている。バルク材は、これらの保持堰の上をゆっくりと流れる。しかしながら、このような保持堰が、バルク材の移送や、その処理または調整に及ぼす影響を予測することは、非常に困難である。好ましくない例では、搬送トラフもしくは搬送チューブ内のバルク材粒子の非常に不均一な滞留時間スペクトルが生じ得る。塊の形成および閉塞のリスクも増加する。さらに、不規則に溶解してバルク材の品質に影響を与える圧縮領域およびデッドゾーンが、バルク材の送達フローにおいて形成され得る。
【0006】
米国特許第6,216,850号明細書は、細長いトラフに沿って製品を移送方向に移動させるために周期的に動力が与えられる駆動機構と、トラフの長手方向に動く製品の流れを正規化するためにトラフの床に沿って配置されるフロー水準器と、を含むコンベアを開示している。フロー水準器は、トラフの側壁間に横断方向に間隔をあけた複数の細長いランプ部材を含む。水準器の傾斜したランプ面には25°から45°に達する角度が付けられる一方、ランプの好ましい高さは、典型的には6インチの鉛直高さを有するトラフの床から2.5インチとされている。しかしながら、トラフ内での滞留時間が不十分であるという問題は、残っている。
【0007】
さらなるコンベアが、トラフの床上の鋸歯状面構造を教示する英国特許出願公告第372610号明細書、米国特許出願公開第2010/018781号明細書、ロシア国特許第2617306号明細書、および米国特許第4,844,236号明細書から知られている。しかしながら、歯の高さは、製品の滞留時間に実質的な影響を与えて、その移送中に処理されまたは調整されることを可能にするには小さすぎるため、この表面構造を保持堰とみなすことはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、これらの問題に対して改善策を見出すか、または少なくとも改善を得ることである。本発明は特に、バルク材について可能な限り均一な滞留時間を実現し、保持堰を使用する際の閉塞および塊の形成を防止することを可能にする解決策を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、特許請求項1の特徴を有するバルク材用の振動コンベアによって達成される。この振動コンベアは、少なくとも1つの保持堰の特別な形状によって特徴付けられる。保持堰は、バルク材の移送方向を向いた後壁と、移送方向の逆を向いた前壁と、を有する。本発明によれば、保持堰の後壁は、搬送トラフもしくは搬送チューブの長手方向において保持堰の頂部から搬送トラフもしくは搬送チューブの底部に向かって斜めに下降するように少なくとも部分的に傾斜している。
【0010】
搬送トラフもしくは搬送チューブの長手方向に計測された底部側におけるランアウト(runout)から保持堰の頂部までの前壁の長さは、搬送トラフもしくは搬送チューブの長手方向に計測された保持堰の頂部から底部側におけるランアウトまでの後壁の長さ(lR)よりも小さくなるように選択できることが確認された。
【0011】
驚くべきことに、バルク材における圧縮効果の大部分がそれによって防止され、同時にバルク材は、移送方向において均一な滞留時間で十分に前方に移送される。この場合、バルク材の粒子について、約30分に達する滞留時間が得られる。ひいてはこれにより、保持堰を有しておらず単に搬送または計量機能を果たす振動コンベアの滞留時間では短すぎるような、例えば攪拌容器内の処理という意味での処理または調整プロセスに、振動コンベア内のバルク材を供することが可能になる。
【0012】
本発明の好ましい実施形態は、さらなる特許請求の範囲に示されている。
【0013】
後壁の斜め傾斜は、例えば、この後壁がバルク材に接触する少なくとも1つの斜め平面部を有することで得られる。後壁は、代替的にまたは付加的に、少なくとも1つの凹状曲面部および/または1つの凸状曲面部を有していてもよい。鉛直面部もまた、可能である。さらに、後壁全体を、斜め平面または凸状または凹状の様式で実現することもできる。それにより指向性振動励起との相互作用において、バルク材の粒子の均一な滞留時間での確実な移送をさらに促進する掬取/投射効果(scooping/throwing effect)が得られる。
【0014】
後壁は、振動コンベアが意図した通りに使用されるときに、バルク材中のすべての粒子が搬送トラフもしくは搬送チューブを通って前進する過程で保持堰の頂部を乗り越えざるをえなくなり、前述の掬取/投射効果が十分に活用されるように、搬送トラフもしくは搬送チューブの全幅にわたって延びていることが好ましい。必要に応じて、例えば洗浄目的または製品交換用に振動コンベアを完全に空にするため、残留粒子のための一時的なバイパスが好ましくは後壁の下に設けられてもよい。
【0015】
本発明の好ましい実施形態によれば、搬送トラフもしくは搬送チューブの鉛直方向に計測された搬送トラフもしくは搬送ューブの底部から保持堰の頂部に至るまでの後壁の高さに対する、搬送トラフもしくは搬送チューブの長手方向に計測された保持堰の頂部から搬送トラフもしくは搬送チューブの底部のランアウトに至るまでの後壁の長さの比は、0.5~2.0の範囲にあることが好ましい。それにより、バルク材中の粒子について特に均一な滞留時間スペクトルが得られることが確認された。
【0016】
搬送トラフもしくは搬送チューブの長手方向に計測された保持堰の頂部から搬送トラフもしくは搬送チューブ底部のランアウトに至るまでの後壁の長さは、特に、搬送トラフもしくは搬送チューブの鉛直方向に計測された搬送トラフもしくは搬送ューブの底部から保持堰の頂部に至るまでの後壁の高さより小さくてもよい。
【0017】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、保持堰の前壁は、バルク材の前進とは逆を指向し、搬送トラフもしくは搬送チューブの底部に対して垂直におよび/または重力方向に延びている。これにより、後壁の下のデッドスポットが防止される。驚くべきことに、前壁の鉛直配置は、後壁の傾斜によって引き起こされる効果に有意な影響を及ぼさない。
【0018】
しかしながら、保持堰の前壁は、保持堰の乗り越えをさらに促進するために、搬送トラフもしくは搬送チューブの長手方向に角度が付いた、バルク材に接触する少なくとも1つの面部を有することが好ましい。この面部は、搬送トラフもしくは搬送チューブの長手方向において搬送トラフもしくは搬送チューブの底部から保持堰の頂部に向かって上昇するように特に角度付けされていてもよい。
【0019】
このような上昇角度は、例えば、保持堰の前壁が、バルク材に接触する少なくとも1つの凹状曲面部、および/または長手方向および鉛直方向を横断する1つ以上のビード(bead)を有することで実現できる。接近してくるバルク材に対する追加の補強は、曲率および/またはビードによって得られる。
【0020】
別の好ましい実施形態によれば、鉛直面部と傾斜面部が前壁で互いに組み合わされ、保持堰の前壁が、バルク材に接触する第1面部であって、搬送トラフもしくは搬送チューブの底部に隣接して配され搬送トラフもしくは搬送チューブの底部に垂直におよび/または重力方向に延びている第1面部、並びに、バルク材に接触する第2面部であって、保持堰の頂部の方向に第1面部に隣接して配され凹状に湾曲している第2面部、および/または長手方向および鉛直方向を横断する1つ以上のビード、を有していてもよい。
【0021】
底部から頂部に至るまでの保持堰の全高に対する、鉛直な第1面部の高さの比は、0.05~0.25にあることが好ましい。
【0022】
搬送トラフもしくは搬送チューブ内の保持堰の数は、それぞれの要件に応じて選択できる。この数は、3つ以上に達することが好ましい。最良のシナリオでは、これらの設計によって保持堰の間の空間に「理想的な攪拌容器」が形成される。
【0023】
個々の保持堰は、保持堰を有するおよび有しない機能のために選択的に振動コンベアを使用できるように、搬送トラフもしくは搬送チューブに分離可能に固定されていてもよい。加えて、これにより、必要に応じて保持堰の数を増減したり、保持堰同士の距離を変えたりして、搬送トラフや搬送チューブを通るバルク材の流動挙動を調節することが可能になる。
【0024】
しかしながら、1つまたは複数の保持堰を、搬送トラフもしくは搬送チューブに溶接することも可能である。
【0025】
別の好ましい実施形態によれば、保持堰の前壁と後壁とは、保持堰の頂部で互いに接続されている。
【0026】
保持堰を補強するために、頂部は、必要に応じて、搬送トラフもしくは搬送チューブの長手方向および横断方向によって規定される平面にほぼ平行で本質的に水平なウェブによって形成され得る。ウェブ幅は、2~40mmの範囲にあることが好ましい。
【0027】
別の好ましい実施形態によれば、保持堰は、鉛直方向にその頂部を超えて延び、保持堰を搬送トラフもしくは搬送チューブに取り付けるための装置を有する側壁を有する。このようにすれば、搬送トラフもしくは搬送チューブ内に非常に柔軟に保持堰を配置できる。
【0028】
保持堰は、板金構造の形態で実現されることが好ましい。この場合、後壁および前壁は、成形板金部品の形態で実現されてもよい。後壁および前壁は特に、1片の板金要素から金属成形によって製造されてもよい。
【0029】
上記の振動コンベアは、15~70°の範囲の投射角に使用できるが、ここで投射角とは、搬送トラフもしくは搬送チューブの長手方向に対する指向性振動励起の方向の設定角度である。
【0030】
搬送トラフもしくは搬送チューブを通る長手方向へのバルク材の移送は、振動励起と、搬送トラフもしくは搬送チューブへのバルク材の新たな供給との組み合わせから生じることが好ましい。これによって特に非常に急な投射角を実現することも可能となり、ひいては長い滞留時間が促進される。
【0031】
振動励起は、基本的には、任意の適切な様式で搬送トラフもしくは搬送チューブに結合できる。好ましい実施形態によれば、振動発生器は、搬送トラフもしくは搬送チューブに固定された少なくとも1つの電磁振動駆動装置または指向性振動方向を得るためのアンバランスモータの形態の少なくとも2つの振動モータを備える。電磁振動駆動装置または振動モータを搬送トラフもしくは搬送チューブに直接接続することで、一方ではコンパクトな設計となる。他方、外付け駆動装置への結合装置は必要ない。これは、清潔さおよび衛生に関連する厳しい要件の対象となる用途に、特に関係する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
本発明は、以下に、図面に例示される例示的な実施形態を参照して、より詳細に説明される。
【
図1】
図1は、本発明による振動コンベアの第1の例示的な実施形態の3次元図を示す。
【
図2】
図2は、
図1に係る振動コンベアの、保持堰を通る長手断面を示す。
【
図3】
図3は、第1変形例の保持堰を通る長手断面を示す。
【
図4】
図4は、第2変形例の保持堰を通る長手断面を示す。
【
図5】
図5は、第3変形例の保持堰を通る長手断面を示す。
【
図6】
図6は、第4変形例の保持堰を通る長手断面を示す。
【
図7】
図7は、第5変形例の保持堰を通る長手断面を示す。
【
図8】
図8は、本発明による取り付け可能な保持堰の例示的な一実施形態の3次元図を示す。
【
図9】
図9は、第6変形例の保持堰を通る長手断面を示す。
【
図10】
図10は、第7変形例の保持堰を通る長手断面を示す。
【
図11】
図11は、第8変形例の保持堰を通る長手断面を示す。
【
図12】
図12は、本発明の別の設計変形例による振動コンベアの上面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1の例示的な実施形態は、バルク材用の振動コンベア10を示す。
【0034】
振動コンベア10は、バルク材を収容しトラフ状の断面を有する搬送トラフ20を備える。搬送トラフ20は、長手方向の一方の側で上方に開口している。しかしながら、搬送トラフ20に代えて搬送チューブを用いることも可能である。
【0035】
少なくとも1つの振動発生器30は、搬送トラフ20に機能的に接続されている。この振動発生装置は、搬送トラフ20を通ってバルク材を長手方向xに搬送するための指向性振動励起Sを発生させるように構成されている。
【0036】
本例では、指向性振動励起Sは、搬送トラフ20の長手方向x並びに重力方向zと逆の鉛直方向に方向成分を有する。
【0037】
その結果、バルク材の粒子は、最初に説明したマイクロスロー原理に従い、搬送トラフ20を通って移送方向Fに移送される。個々の粒子は、供給端21で搬送トラフに導入され、続いて再び落下した後に、搬送トラフ20の長手方向xを基準として斜め上方に延びる方向Sに繰り返し加速される。このプロセスは、粒子が最終的に搬送トラフ20の送達端22に到達するまで、連続的に繰り返される。指向性振動励起の方向Sと長手方向xとの間の投射角αは、15~70°の範囲にあることが好ましい。搬送トラフ20内におけるバルク材の前進は、搬送トラフ20へのバルク材の新たな供給によって促進できる。そして、振動励起とバルク材の新たな供給との組み合わせから、移送の動きが生じる。
【0038】
示されている例示的な実施形態において、振動発生器30は、搬送トラフ20に固定された2つの振動モータ31によって形成されている。しかしながら、搬送トラフ20上に2つ以上の振動モータ31を配置することも可能であろう。また、電磁駆動によって振動励起を生じさせることも可能である。さらに、分離した駆動装置によって振動励起を生じさせ、伝達装置によって搬送トラフ20に伝えてもよい。
【0039】
搬送トラフ20は、振動運動に対応する自由度を可能にするために、例えば複数のコイルばね41の形態のばね装置40によってグラウンド上に支持される。しかしながら、
図1に例示されている弾性支持体は単なる例示に過ぎず、異なる方法で実現することもできる。
【0040】
移送方向Fにおける搬送速度を低下させるため、搬送トラフ20内には少なくとも1つの保持堰50が配置される。通常は、複数の保持堰50が、搬送トラフ20の移送方向Fにおける互いの後方に配置される。搬送トラフ20を長手方向xに通るバルク材の移送運動を減速する保持堰50を、3つ以上設けることが好ましい。
【0041】
個々の保持堰50は、搬送トラフ20に分離可能に固定されてもよい。このようにすれば、振動コンベア10を、保持堰を有するおよび有しない機能のために選択的に使用できる。加えて、これにより、必要に応じて振動コンベア10内の保持堰50の数を変更し、これらの保持堰の間の距離を変更することも可能になる。このようにすれば、振動コンベア10は、それぞれの要件に柔軟に適合させることができる。しかしながら、保持堰50を搬送トラフ20に溶接することも可能である。
【0042】
これらの保持堰50は、バルク材に対して可能な限り最も均一な滞留時間を実現し、バルク材における閉塞および塊の形成を防止するために、特別な設計を有する。これについては、以下、
図2~
図5を参照して、より詳細に説明する。
【0043】
各保持堰50は、バルク材の移送方向Fを向いた後壁51と、移送方向Fの逆を向いた前壁52と、を有する。後壁51と前壁52とは頂部53で収斂し、互いに接続されていることが好ましい。
【0044】
保持堰50は、搬送トラフ20の底部24から上方に延びており、搬送トラフ20の横断方向yにおいて、その全幅を占めることが好ましい。したがってバルク材粒子が供給端21から送達端22に移送されるためには、搬送トラフ20内の全ての保持堰50の頂部53を乗り越えなければならない。
【0045】
本発明によれば、
図1~
図5に示すように、保持堰50の後壁51は、搬送トラフ20の長手方向xにおいて、保持堰50の頂部53から搬送トラフ20の底部24に向かって斜めに下降するように少なくとも部分的に傾斜することが提案されている。
【0046】
図1および
図2に図示されている例示的な実施形態において、後壁51は、バルク材に接触する少なくとも1つの凹状曲面部を有し、これは、方向Sの指向性振動励起の間、シャベルのようにバルク材に作用する。この掬取効果により、バルク材における圧縮効果の大部分を防止できることが確認された。加えて、バルク材は、より長い約30分に達する滞留時間で、移送方向Fに向けて十分に前方に移送される。ひいては、全体として、バルク材粒子についてバルク材の品質に有利に影響する低分散の滞留時間スペクトルが得られる。
【0047】
本発明の振動コンベア10におけるバルク材の滞留時間は、単純な搬送トラフに比べて著しく長くなるため、この振動コンベアは、バルク材の決められた処理や調整プロセスに用いることができる。個々の区画11は、連続する保持堰50によって互いに分離されており、連続する攪拌容器とみなすことができる。
【0048】
後壁51は、搬送トラフ20または搬送チューブの鉛直方向zに計測された搬送トラフ20の底部24から保持堰50の頂部53に至るまでの後壁51の高さhRに対する、搬送トラフ20の長手方向xに計測された保持堰の頂部53から搬送トラフ20底部のランアウトに至るまでの後壁51の長さlRの比が、0.5~2.0の範囲にあるような寸法とされることが好ましい。
【0049】
特に後壁51の長さlRは、後壁51の高さhRよりも小さく選択できる。
【0050】
しかしながら、後壁51の長さlRが後壁51の高さhRよりも大きい実施形態を実現することも可能である。
【0051】
図1および
図2に図示されている例示的な実施形態では、保持堰50の前壁52は長手方向xにおいて同様に傾斜している。
【0052】
図2は、特に、前壁52が、本例ではバルク材に接触する第1面部52aを有しており、これが搬送トラフ20の底部24に隣接して配され、搬送トラフ20の底部24に垂直におよび/または重力方向zに延びていることを示している。搬送トラフ20の長手方向が水平に対して傾斜している場合には、底部24への垂直および重力方向zもまた、若干ずれていてもよい。
【0053】
図2の前壁52はさらに、バルク材に接触する第2面部52bを有しており、これは保持堰50の頂部53の方向に第1面部52aに隣接して配され、本例では斜め平面の形態で実現されている。この角度は、バルク材による保持堰50の乗り越えを促進する。
【0054】
第1面部52aとの接続領域にはビード52cが形成され、前壁52の剛性が高められている。これは、保持堰50に向かって移動する多くのバルク材に関しても有利である。
【0055】
底部24から頂部53に至るまでの保持堰50の全高hに対する、第1面部52aの高さhV1の比は、0.05~0.25の範囲にあることが好ましい。
【0056】
図2に図示された保持堰50は、多数の改変が可能である。
【0057】
例えば、
図4に図示されているように、他の設計変形例における後壁51は、必要に応じて異なる傾斜を有する1つ以上の平面部51aおよび51bを有していてもよい。
【0058】
図5によれば、後壁51はバルク材に接触する凸状曲面部51cをさらに有してもよく、この単なる例では、これに隣接して凹状面部が配されている。
【0059】
図6は、この例では凹状面部である下降するように傾斜した面部に組み合わされた鉛直面部57すなわち傾斜のない面部を含む後壁51を示している。しかしながら、傾斜の設計も、他の設計変形例を参照して既に上述したように、示されている凹状面部とは異なっていてもよい。鉛直面部は、搬送トラフ20の底部24に隣接して配されるが、頂部23に隣接してまたは2つの傾斜部の間に配置されていてもよい。
【0060】
異なる設計の凹状面部、平面部および凸状面部は、移送方向Fにおいて後壁51の基本的に下降した傾斜が得られる限り、互いに組み合わせることができる。鉛直面部が含まれていてもよい。全ての配列が、ここに開示され特許請求されるものとみなされる。
【0061】
図7によれば、これは、頂部53から底部24まで連続的に傾斜した後壁51のオプションを明示的に含む。これは、
図7の凸状設計の形で例示されている。しかしながら、連続的な凹状面または斜め平面を同様に用いてもよい。
【0062】
前壁52はまた、
図2に示されるものとは異なる設計であってもよい。
【0063】
図3に図示されている第1設計変形例では、第2面部52dは、
図2とは対照的な凹状の様式に設計されている。
【0064】
図4に示す例によれば、さらに、
図2の平面第2面部52bを傾斜角の異なる2つの平面部52e,52fで置き換えることが可能である。
【0065】
凹面部は、原則として前壁52にも設けてもよい。
【0066】
後壁51と同様に、前壁52もまた、異なる平面部、凹状面部および/または凸状面部の組み合わせを含んでいてもよい。前壁52に関して、これもまた、
図7に例示されるように頂部53から底部24に至るまでの連続的な平面、凹状および凸状設計のオプションを含んでいる。
【0067】
接近してくるバルク材に対する補強は、異なるように設計された面部間にビード52gを生成することによって、前壁52上に得ることができる。
【0068】
図5はさらに、搬送トラフ20の底部24に垂直におよび/または重力方向zに延びる前壁52を用いて、保持堰50を移送方向Fの逆で終端させるオプションを示している。前述の掬取効果は、この措置の影響を受けない。
【0069】
提示された後壁および前壁構成は、互いに任意に組み合わせることができる。
【0070】
原則として、搬送トラフ20の長手方向xに計測された保持堰50の搬送トラフ20の底部24のランアウトから保持堰50の頂部53に至るまでの前壁52の長さlVは、搬送トラフ20の長手方向xに計測された保持堰50の頂部53から搬送トラフ20の底部24のランアウトに至るまでの後壁51の長さlRよりも小さい寸法であってもよい。
【0071】
保持堰50の頂部53は、後壁51と前壁52とを互いに接続し、保持堰50をさらに補強する細く水平なウェブ56によって形成されていてもよい。このようなウェブ56は、上述した全ての保持堰形状において、必要に応じて使用できる。先の寸法表示は、ウェブ56の中心について言及したものである。
【0072】
図8は、搬送トラフ20に取り付け可能な保持堰50の一例を示している。後壁51および前壁52は、成形板金部品の形態で実現され、頂部53の領域において互いに接続されている。水平なウェブ56を設けるべき場合、それは曲げ加工によって後壁または前壁に一体的に形成できる。また、例えば曲げ加工によって、単一の板金要素から後壁および前壁を製造することも可能である。
【0073】
側壁54は、保持堰50の端領域において横断方向yにそれぞれ固定され、特に溶接されており、搬送トラフ20に保持堰を取り付けるための装置を有している。この端には、側壁54の上端部55が搬送トラフ20の縁に支持され得るように外側に曲げられていてもよい。コンベア内縁の固定は、ネジ、クランプ、溶接もしくはその他によって実現され得る。
【0074】
図9~
図11は、保持堰50の他の設計変形例を示している。上述した設計変形例において、後壁51底部側のランアウトは、それぞれ搬送トラフ20の底部24に隣接して配されている。この場合、後壁51のランアウトは、特に底部24に適合されおよび/または接触していてもよい。後壁51は、特に端縁で搬送トラフ20の底部24に支持されていてもよい。
【0075】
しかしながら、これは、
図9~
図11に示す設計変形例には当てはまらない。それでも、掬取効果または投射効果を得るため、後壁51は、これらの実施例でも搬送トラフもしくは搬送チューブの長手方向において保持堰50の頂部53から搬送トラフ20もしくは場合によっては搬送チューブの底部24に向かって斜めに下降するように少なくとも部分的に傾斜している。
【0076】
したがって、本例では、移送方向Fに横たわる保持堰50の端縁58と搬送トラフ20の底部24との間に、隙間59が配されている。端縁58は、底部24に接触しておらず、むしろこの底部から鉛直方向zに僅かに離間して配置されている。このようにすれば、搬送トラフ20または搬送チューブ内の保持堰50の支持における機械的重複決定が防止される。隙間59の高さは、保持堰50の高さhの約3分の1以下に制限することが好ましい。換言すれば、振動励起のために底部24上のバルク材の粒子は後壁51から離れた底部24の上方を移送されるので、後壁51は、基本的に底部24で終端する必要はなく、そのような隙間59は不利ではなくむしろ主に支持の機械的重複決定を減少させる。
【0077】
図10は、本質的に鉛直な面部58aの下縁の形で端縁58を実現するオプションを示している。このようにすれば、端縁58の領域に凸条が形成され、後壁51の追加補強となる。面部58aおよび凸条は、それぞれ重力方向zおよび横断方向yに鉛直に延びるように配置してもよいが、必要に応じて重力方向zに対し若干傾斜していてもよい。
【0078】
他の点では、後壁51および前壁52のプログレッションは、上述した様式で設計され得る。
【0079】
図11によれば、隙間59に対応する開閉可能な開口60を、前壁52に設けてもよい。この開口60は、前壁52の底部付近に配置されていることが好ましい。開口60の開口断面は、特に搬送トラフもしくは搬送チューブの底部24に直接隣接するように配されてもよい。この開口60は、隙間59と相互作用して、例えば洗浄目的または製品交換のために、必要に応じて搬送トラフ20を完全に空にすることを可能にする。この場合、バルク材の残滓が保持堰50の頂部53を乗り越える必要はなく、むしろ底部24に沿って移送できる。この場合、搬送トラフを完全に空にするための追加の吸引装置は必要ない。
【0080】
閉止要素61は、単純なプレート、スライド、または
図12に例示される例によれば、ジョイント62もしくは他の手段によって前壁52に旋回可能に結合されるフラップ63の形態で、実現され得る。開口を閉じるための他の手段を使用してもよい。
【0081】
例えば、フラップ63は、鉛直位置において開口60を閉じ、上方旋回位置において開口を解放してもよい。フラップは、移送方向Fにまたはその逆において、上方に旋回してもよい。
【0082】
図1による例示的な実施形態において、保持堰50は、それらの頂部53が横断方向yに延びるように配置されているが、ここで
図1において頂部53は互いに平行である。他の変形例において、頂部53を横断方向yに対して斜めに配置することも可能である。全ての保持堰50が、同じ方向に斜めに配置されていてもよい。しかしながら、保持堰50を、その頂部53が横断方向yに対する正もしくは負の設定角度βで交互にまたは異なるパターンで延びるように配置することも可能である。単なる例として、
図12は、正の設定角度βと負の設定角度-βで交互配置したものの上面図、すなわち鉛直方向zに視た図を示しているが、本発明はこの変形例に何ら限定されるものではない。
【0083】
設定角度βは同じ値であってもよい。しかしながら、異なる値を持つ設定角度βとすることも可能である。+/-5°~+/-25°の角度を用いることが好ましい。
【0084】
保持堰50の斜め設置、特に異なる斜め配置を有する保持堰50の設置は、バルク材の流れを蛇行させ、それによって、例えばより長い滞留時間を実現するために滞留時間に影響を与えることを可能にする。
【0085】
上述の振動コンベア10において、保持堰50の特別な形状は、塊の形成または閉塞をもたらし得るバルク材における圧縮効果を、防止または少なくとも有意に低減することを可能にする。本発明の振動コンベア10は、バルク材粒子について約30分に達する滞留時間を得ることを可能にするが、ここで、滞留時間のスペクトルは、すべてのバルク材粒子にわたって非常に狭いままである。これは、バルク材の粒子のむらのない品質を促進する。
【0086】
本発明は、上記において、例示的な実施形態および他の変形例を参照して、より詳細に説明された。例示的な実施形態および変形例は、本発明の実施可能性を実証するのに役立つ。他の個々の特性との関連において上述した個々の技術的特性は、技術的に実施可能である限り、これらの他の個々の特性とは独立して、また、明示的に記載されていなくても追加の個々の特性と組み合わせて、実現され得る。したがって、本発明は、具体的に記載された例示的な実施形態および図に示された変形例に限定されず、むしろ特許請求の範囲によって定義されるすべての設計を含むことを、明示的に記載しておく。